JPH1155788A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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Publication number
JPH1155788A
JPH1155788A JP20892597A JP20892597A JPH1155788A JP H1155788 A JPH1155788 A JP H1155788A JP 20892597 A JP20892597 A JP 20892597A JP 20892597 A JP20892597 A JP 20892597A JP H1155788 A JPH1155788 A JP H1155788A
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JP
Japan
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coil
magnetic member
magnet
gap
secondary coil
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Application number
JP20892597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Akihiro Akiyama
明広 秋山
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
Kenji Tokushige
賢二 徳重
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大
出力の、全帯域型または低音専用の、電磁結合形スピー
カを実現する。 【解決手段】 マグネット41の前後にプレート42と
ヨーク43とを取り付けると共に、ヨーク前面中央部
に、マグネット41とは逆極性のマグネット49とポー
ルピース44pとを整列して取り付け、プレートとの間
にギャップ45を形成する。このギャップに臨むよう
に、プレートの内周側中央部に扁平な駆動コイル51を
収納して、そのターン数を多くすると共に、放熱性をよ
くする。一端が振動板31に固定されて、駆動コイルと
電磁結合する筒状の2次コイル32をギャップ内に配設
し、このギャップ内に、2次コイルに固定して、第2の
駆動コイル52を配設して、電磁結合が及ばない低域の
再生を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁結合形のス
ピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁結合形のスピーカは、外磁型の場合
を例にとると、鉄などの磁性材料からなるプレートとヨ
ークとによってマグネットを挟んで、ヨークと一体化さ
れたセンターポールとプレートとの間にギャップを有す
る磁気回路を形成し、その磁気回路のギャップ内におい
て、プレートまたはセンターポールに1次コイル(駆動
コイル)を固定すると共に、これと対向するように、シ
ョートされた2次コイルを振動板に固定して、磁気回路
のギャップ内に配置する。
【0003】1次コイルに信号電流を供給すると、2次
コイルには、電磁結合により信号電流に応じた2次電流
が誘起されて、フレミングの左手の法則により、2次コ
イルに信号電流に応じた駆動力を生じ、2次コイルが固
定された振動板が振動して、信号電流に応じた音圧が発
生する。
【0004】電磁結合形のスピーカの振動系の駆動力F
は、2次コイルに誘起される2次電流iと、磁気回路の
ギャップに生じる磁束の密度Bと、磁気回路のギャップ
内にある2次コイルの長さLとの積として、F=BLi
で表され、磁束密度Bおよび長さLは一定であるので、
振動系の駆動力Fは、2次コイルに誘起される2次電流
iに比例することになる。そして、2次コイルに誘起さ
れる2次電流iは、駆動コイル(1次コイル)に流れる
信号電流と駆動コイルのターン数との積(いわゆる、ア
ンペアターン)に比例する。
【0005】図11および図12は、それぞれ従来の電
磁結合形のスピーカの一例を示し、図11はプレート
に、図12はセンターポールに、それぞれ駆動コイルを
取り付けた場合である。
【0006】即ち、図11の電磁結合スピーカでは、マ
グネット11の前面にプレート12が取り付けられると
共に、マグネット11の背面にヨーク13が取り付けら
れ、このヨーク13の前面中央部に一体化されたセンタ
ーポール14の先端部の外周面とプレート12の内周面
との間にギャップ15を有する磁気回路10Aが形成さ
れて、プレート12の内周面に駆動コイル21が取り付
けられる。
【0007】ヨーク13の底部に穴13hが形成される
と共に、ヨーク13の背面に端子板1が取り付けられ、
駆動コイル21の引出線21s,21fが、穴13hに
挿通されて端子板1上の入力端子1tなどに半田付けに
よって接続される。引出線21s,21fは駆動コイル
21の巻き始めと巻き終りとにそれぞれ設けられて、そ
れぞれが別個の入力端子に接続される。
【0008】プレート12の前面には、コーン(振動
板)31が配設されて、このコーン31の内周部に2次
コイル32が取り付けられると共に、コーン31と2次
コイル32とに共通に、センターキャップ33が取り付
けられる。
【0009】2次コイル32は、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターンのショートされた
円筒体とされ、または複数ターンにわたって巻回してシ
ョートされた巻線とされ、磁気回路10Aのギャップ1
5内に挿入される。
【0010】コーン31の外周部のエッジ34と、2次
コイル32に内周部が取り付けられたダンパ35の外周
部とがフレーム36に取り付けられ、このフレーム36
がプレート12の前面に取り付けられる。また、フレー
ム36の外周部にはガスケット37が取り付けられる。
【0011】図12の電磁結合形スピーカでは、マグネ
ット11およびプレート12と共に磁気回路10Bを構
成するヨーク13のセンターポール14の先端部の外周
面に凹部14cが形成され、この凹部14cに嵌め込ん
で、センターポール14に駆動コイル21が取り付けら
れる。その他は、図11の電磁結合形スピーカと同様に
構成される。
【0012】そして、図11または図12の電磁結合形
スピーカでは、駆動コイル21に信号電流を供給する
と、電磁結合により、2次コイル32に信号電流に応じ
た2次電流が誘起されて、フレミングの左手の法則によ
り、2次コイル32に信号電流に応じた駆動力を生じ、
2次コイル32が固定されたコーン31が振動して、信
号電流に応じた音圧が発生する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
または図12に示したような、従来の電磁結合形のスピ
ーカは、磁気回路10Aまたは10Bのギャップ15内
に駆動コイル21を配置するため、駆動コイル21の厚
み分だけ、ギャップ15の長さ(スピーカの軸心に垂直
な方向の長さ)を小さくすることができず、ギャップ1
5での磁気抵抗が大きくなり、磁気力が弱くなって、ス
ピーカの感度が低くなる。
【0014】ギャップ15での磁気力を強くし、スピー
カの感度を高くするために、マグネット11として大き
なものを用いると、スピーカが大型化するとともに、ス
ピーカのコストアップをきたす。
【0015】しかも、駆動コイル21のインダクタンス
を大きくするために駆動コイル21のターン数を多くす
ると、それだけギャップ15の長さが大きくなり、スピ
ーカの感度が低下するので、駆動コイル21のインダク
タンスを大きくすることができない。
【0016】そのため、駆動コイル21と2次コイル3
2との電磁結合力が2kHz程度以下の低域で小さくな
って、低音の再生ができず、従来の電磁結合形のスピー
カは、高音再生用としてしか用いることができない。
【0017】また、駆動コイル21の外周面または内周
面はプレート12またはセンターポール14と接する
が、その接触面積が小さいため、駆動コイル21からの
放熱が瞬時になされない。そのため、駆動コイル21と
して太い線材を使用できないことと相まって、駆動コイ
ル21に急激に大電流を流すことができず、スピーカの
許容入力レベルを大きくすることができない。
【0018】すなわち、従来の電磁結合形のスピーカ
は、その感度が低く、これを高くするためにマグネット
として大きなものを用いると、大型化するとともに、コ
ストアップをきたす。しかも、1次コイル(駆動コイ
ル)と2次コイルとの電磁結合力が低域で小さくなっ
て、低音の再生ができないとともに、放熱などの点か
ら、許容入力レベルを大きくすることができない。
【0019】そこで、この発明は、電磁結合形のスピー
カにおいて、第1に、大型化やコストアップをきたすこ
となく、感度を高くすることができ、第2に、低音の再
生が可能となって、全帯域型のスピーカを実現すること
ができ、第3に、1次コイルの放熱性を良くして、許容
入力レベルを大きくすることができる、ようにしたもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明によるスピーカ装置は、第1の磁性
部材上に設けられる中空筒状形状の第1のマグネット
と、上記第1の磁性部材上に、上記第1のマグネットの
前記中空部内において、磁極の向きが上記第1のマグネ
ットとは逆向きの状態で設けられる柱状の第2のマグネ
ットと、上記第1のマグネット上に設けられる中空形状
の第2の磁性部材と、上記第2のマグネット上に設けら
れ、上記第2の磁性部材の上記中空部側の端面とギャッ
プを介して対向する端面を有する第3の磁性部材と、を
備え、上記第2の磁性部材または上記第3の磁性部材
に、上記ギャップに臨む端面に、少なくとも一部が露呈
するように、音声信号電流が供給される1次コイルを収
納し、この1次コイルと電磁結合する筒状の2次コイル
を上記ギャップ内に配設して、上記2次コイルの一端を
振動板に固定すると共に、上記2次コイルに対して、上
記音声信号電流が供給される駆動コイルを上記ギャップ
内において装着したことを特徴とする。
【0021】上述のような構成の請求項1の発明による
スピーカ装置においては、第1および第2のマグネット
の磁気力が加算的に機能して、スピーカの感度が高くな
る。また、駆動コイルが通常のダイナミック・スピーカ
のボイスコイルと同様に機能して、電磁結合が及びにく
最低共振周波数の近傍までの低周波数帯域までの再生が
可能となる。
【0022】また、請求項2の発明によるスピーカ装置
は、請求項1に記載のスピーカ装置において、上記1次
コイルは、偏平なリング形状のものであり、その厚み方
向の端面が、上記第2の磁性部材または第3の磁性部材
の、上記ギャップに臨む端面に露呈して装着されている
ことを特徴とする。
【0023】この請求項2の発明によれば、1次コイル
の放熱性が良くなって、許容入力レベルが大きくなり、
1次コイルのターン数とインダクタンスとを大きくする
ことができて、電磁結合スピーカの低音域の再生能力が
向上する。
【0024】また、請求項3の発明によるスピーカ装置
は、第1の磁性部材上に設けられる中空筒状形状の第1
のマグネットと、上記第1の磁性部材上に、上記第1の
マグネットの前記中空部内において、磁極の向きが上記
第1のマグネットとは逆向きの状態で設けられる柱状の
第2のマグネットと、上記第1のマグネット上に設けら
れる中空形状の第2の磁性部材と、上記第2のマグネッ
ト上に設けられ、上記第2の磁性部材の上記中空部側の
端面と第1のギャップを介して対向する端面を有する第
3の磁性部材と、上記第3の磁性部材に対向させて第2
のギャップを形成する端面を備える第4の磁性部材と、
を備え、上記第2の磁性部材または上記第3の磁性部材
の一方あるいは双方に、上記第1のギャップに臨む端面
に少なくとも一部が露呈するように、音声信号電流が供
給される1次コイルを収納し、この1次コイルと電磁結
合する筒状の2次コイルを、上記第1ギャップおよび上
記第2のギャップ内に、これらギャップを結ぶ方向に移
動可能な状態で配設すると共に、上記2次コイルの一端
を振動板に固定し、上記2次コイルに対して、上記駆動
コイルを、上記第1のギャップ部分において、または、
上記第2のギャップ部分において配設したことを特徴と
するものである。
【0025】また、請求項4の発明によるスピーカ装置
は、第1の磁性部材上に設けられる中空筒状形状の第1
のマグネットと、上記第1の磁性部材上に、上記第1の
マグネットの前記中空部内において、磁極の向きが上記
第1のマグネットとは逆向きの状態で設けられる柱状の
第2のマグネットと、上記第1のマグネット上に設けら
れる中空形状の第2の磁性部材と、上記第2のマグネッ
ト上に設けられ、上記第2の磁性部材の上記中空部側の
端面と第1のギャップを介して対向する端面を有する第
3の磁性部材と、上記第3の磁性部材に対向させて第2
のギャップを形成する端面を備える第4の磁性部材と、
を備え、上記第4の磁性部材または上記第3の磁性部材
の一方あるいは双方に、上記第2のギャップに臨む端面
に少なくとも一部が露呈するように、音声信号電流が供
給される1次コイルを収納し、この1次コイルと電磁結
合する筒状の2次コイルを、上記第1および第2のギャ
ップ内に、これらギャップを結ぶ方向に移動可能な状態
で配設すると共に、上記2次コイルの一端を振動板に固
定し、上記2次コイルに対して、上記駆動コイルを、上
記第1のギャップ部分において、または、上記第2のギ
ャップの部分において配設したことを特徴とするもので
ある。
【0026】上記の請求項3、請求項4の発明によるス
ピーカ装置においては、1次コイルが存在しない方のギ
ャップにおいて、2次コイルに電磁的な制動が加えられ
ることにより、最低共振周波数における共振の尖鋭度が
小さくなり、最低共振周波数より低い帯域の再生音圧レ
ベルが上がる。
【0027】そして、駆動コイルが存在しない方のギャ
ップのギャップ長を、駆動コイルの厚み分だけ短縮する
ことができて、スピーカの感度が高くなる。
【0028】更に、2つのギャップに対応して2つの1
次コイルと2つの駆動コイルが配設される場合は、双方
の1次コイルと駆動コイルが加算的に機能して、許容入
力レベルがいっそう大きくなり、電磁結合が及ばない、
最低共振周波数の近傍までの低周波数帯域までの再生が
可能となると共に、スピーカの感度が高くなる。
【0029】また、請求項5の発明によるスピーカ装置
は、請求項2、請求項3または請求項4に記載のスピー
カ装置において、上記第4の磁性部材と上記第1の磁性
部材との間に、中空筒状の第3のマグネットを上記第1
のマグネットと同極性に設けたことを特徴とするもので
ある。
【0030】この請求項5の発明によるスピーカ装置に
おいては、第3のマグネットによる磁気力が加算され
て、スピーカの感度がいっそう高くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を参照しな
がら、この発明によるスピーカ装置の実施の形態につい
て説明する。
【0032】この発明の実施の形態の全体の構成を図1
に示し、その要部の構成を図2に示す。この図1におい
て、前出図11および図12に対応する部分には同一の
符号を付して一部説明を省略する。
【0033】[実施の形態の構成]図1において、磁気
回路40Cは、同軸に配された2個のマグネット41,
49と、プレート42およびヨーク43とを含んで構成
される。
【0034】外側のマグネット41の前面にプレート4
2が取り付けられ、マグネット41の背面にヨーク43
が取り付けられると共に、このヨーク43の前面中央部
に、外側のマグネット41とは逆極性に、内側のマグネ
ット49とポールピース44pとが整列して取り付けら
れて、このポールピース44pの外周面とプレート42
の内周面との間に第1のギャップ45が形成される。な
お、上述の磁気回路40Cの組立には、例えば、接着剤
が用いられる。
【0035】プレート42の前面には、コーン(振動
板)31が配設されて、このコーン31の内周部に2次
コイル32が取り付けられると共に、コーン31と2次
コイル32とに共通に、センターキャップ33が取り付
けられる。
【0036】2次コイル32は、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターンのショートされた
円筒体とされ、または複数ターンにわたって巻回してシ
ョートされた巻線とされ、上述のような磁気回路40C
のギャップ45に挿入される。
【0037】コーン31の外周部のエッジ34と、2次
コイル32に内周部が取り付けられたダンパ35の外周
部とがフレーム36に取り付けられ、このフレーム36
が、例えば、ねじ(図示は省略)によって、プレート4
2の前面に取り付けられる。また、フレーム36の外周
部にガスケット37が取り付けられ、フレーム36の外
面後部と中間部とには2つの端子板1,2が取り付けら
れる。
【0038】図1の実施の形態では、扁平な第1の駆動
コイル51が、プレート42の内周側中央部に、ギャッ
プ45に臨むように保持されるが、このプレート42
は、図2A,Bに示すように、2枚の部材42u,42
vから構成され、第2のプレート部材42vの一方の面
の中央部に凹部42cが形成されると共に、他方の面に
は半径方向にスリット42sが形成される。
【0039】また、図2Cに示すように、駆動コイル5
1は、内周側を巻き始めとし、外周側を巻き終りとし
て、環状に巻回され、巻き始めおよび巻き終りに引出線
51sおよび51fが設けられる。
【0040】そして、駆動コイル51がプレート部材4
2vの凹部42cに収納されて接着された後、2枚のプ
レート部材42u,42vが密着されて、両プレート部
材42u,42vと駆動コイル51が広い面積で対接す
る。
【0041】また、駆動コイル51の引出線51s,5
1fは、プレート部材42vのスリット42sに挿通さ
れて、図1に示すように、スリット42sが前側になる
ように、プレート42がマグネット41の前面に取り付
けられ、引出線51s,51fが、フレーム36の外面
後部に取り付けられた端子板1の入力端子1tなどに半
田付けによって接続される。
【0042】図1の実施の形態では、上述のような構成
により、駆動コイル51の放熱性を良くすることができ
て、許容入力レベルを大きくすることができると共に、
駆動コイル51のターン数を多くすることができて、そ
のインダクタンスを大きくすることができる。
【0043】駆動コイル51の外径は、非磁性の線材の
場合、マグネット41の内径とほぼ等しくされて、プレ
ート42の磁気抵抗の減少が図られる。また、駆動コイ
ル51に磁性体の線材を用いることにより、プレート4
2の磁気抵抗をいっそう減少させることができる。
【0044】更に、図1の実施の形態では、2次コイル
32上に、プレート42の内周面に対向するように、第
2の駆動コイル52が筒状に巻回される。
【0045】この駆動コイル52の線材は、銅またはア
ルミニウム、もしくは、銅クラッド・アルミニウム(C
CAW)のような、非磁性の導電材からなる芯線が絶縁
層に被覆され、この絶縁層の上に融着層(ロックワニ
ス)が塗布されて構成され、2次コイル32上に巻回さ
れた後、大電流の通電によって、2次コイル32に融着
される。
【0046】図示は省略するが、第2の駆動コイル52
の引出線は、2次コイル32の外周面とコーン31の背
面とに沿って前方に引き出されて、コーン31の背面上
で錦糸線3に接続され、この錦糸線3を介して、端子板
2上の入力端子2tと接続される。
【0047】そして、扁平な第1の駆動コイル51と、
筒状の第2の駆動コイル52とは、端子1t,2tを介
して、直列または並列に接続される。
【0048】なお、第1の駆動コイル51は、例えば、
0.25mmの直径の線材が124ターン巻回されて、
内径が26mm、外径が43mm、厚さが1.5mmの
寸法に仕上げられる。
【0049】また、第2の駆動コイル52は、例えば、
厚さが0.15mmのアルミニウム材からなる2次コイ
ル32上に、例えば、上述のCCAWが2層に巻回され
て、0.4mmの厚さに仕上げられて、高域の良好な再
生が図られる。
【0050】この場合、センターポール44の外周面と
プレート42の内周面との間隔、即ち、第1のギャップ
45のギャップ長は、例えば、0.95〜1.00mm
とされる。この値は、通常の動電形(ダイナミック)ス
ピーカのギャップ長とほぼ同等であり、ギャップ45で
の磁気力、ひいては、スピーカの感度も、通常のダイナ
ミック・スピーカとほぼ同等に高くすることができる。
【0051】更に、ギャップ45での磁気力は、第2の
駆動コイル52にも磁性体の線材を用いることにより、
いっそう高くすることができる。
【0052】なお、電磁結合スピーカの1次コイルとし
ての駆動コイル51は、プレート42側ではなく、ギャ
ップ45に、厚み方向の外周側面が望むような状態で、
センターポール44に設けるようにしてもよく、また、
プレート42側とセンターポール44側の両方に設ける
ようにしてもよい。
【0053】[アナログ音声信号による駆動]図1の実
施の形態では、外部の音声信号増幅回路(図示は省略)
からのアナログ音声信号電流が両駆動コイル51,52
に供給されると、前述のような、第1の駆動コイル51
との電磁結合により、2次コイル32には信号電流に応
じた2次電流が誘起されて、フレミングの左手の法則に
より、2次コイル32に信号電流に応じた駆動力を生
じ、2次コイル32が固定された振動板31が振動し
て、信号電流に応じた音圧が発生する。
【0054】前述のように、図1の実施の形態では、駆
動コイル51のターン数を多くして、そのインダクタン
スを大きくしているので、低域においても、駆動コイル
51と2次コイル32との電磁結合力を大きくすること
ができて、低音の再生が可能となる。
【0055】また、第2の駆動コイル52は、音声信号
電流が供給されると、通常のダイナミック・スピーカの
ボイスコイルと同様に、信号電流に応じた駆動力で振動
板31を駆動して、駆動コイル51と2次コイル32と
の電磁結合が及ばない、最低共振周波数の近傍までの低
周波数帯域をも再生することができる。
【0056】なお、第2の駆動コイル52は、主とし
て、低域の再生に寄与するので、適宜の低域フィルタを
介して、駆動コイル51と並列に接続することにより、
最低共振周波数の近傍から高域までの広い帯域におい
て、バランスの良い再生音を得ることができると共に、
低域フィルタの特性を選択することにより、再生音の周
波数特性を制御することができる。
【0057】一方、高域では、前述の融着層が弾性体と
なって、第2の駆動コイル52が可動状態となり、駆動
コイル52は、第1の駆動コイル51の電磁結合と加算
されるように、2次コイル32と電磁的に結合する。
【0058】そして、図1の実施の形態では、第2のプ
レート47とセンターポール44との間に形成された、
第2のギャップ48において、2次コイル32に電磁的
な制動が加えられることにより、最低共振周波数におけ
る共振の尖鋭度(Q)を小さくして、最低共振周波数よ
り低い帯域の音圧レベルを上げることができる。
【0059】こうして、図1の実施の形態では、全帯域
型で、許容入力レベルが大きく、高感度のスピーカ装置
を実現することができる。
【0060】また、図1の実施の形態で、低音専用のス
ピーカ装置とするためには、2次コイル32の厚みを大
きくする、即ち、抵抗を小さくする方向で、2次コイル
32を重くするか、第2の駆動コイル52の線材を太く
すると共に、コーン31のエッジ34やダンパ35など
の支持系をハイコンプライアンスとして、最低共振周波
数を下げることにより、容易に実現することができる。
【0061】あるいは、2次コイル32に銅を用いて、
2次コイル32を重くするようにしても、最低共振周波
数を容易に下げることができる。
【0062】[他の実施の形態の構成]次に、図3を参
照しながら、この発明によるスピーカ装置の他の実施の
形態について説明する。この図3において、前出図1に
対応する部分には同一の符号を付して一部説明を省略す
る。
【0063】図3において、磁気回路40Dは、同軸に
配された3個のマグネット41,46,49と、大小2
個のプレート42,47とを含んで構成される。
【0064】外側のマグネット41の前面に第1のプレ
ート42が取り付けられると共に、マグネット41の背
面にヨーク43が取り付けられる。このヨーク43の前
面中央部に一体化されたセンターポール44に、外側の
マグネット41とは逆極性に、内側のマグネット49と
ポールピース44pとが整列して取り付けられて、この
ポールピース44pの外周面とプレート42の内周面と
の間に第1のギャップ45が形成される。
【0065】ヨーク43の前面中間部に、外側のマグネ
ット41と極性を揃えて、中間のマグネット46が取り
付けられると共に、このマグネット46の前面に第2の
プレート47が取り付けられ、このプレート47の内周
面とセンターポール44の先端部の外周面との間に第2
のギャップ48が形成される。
【0066】なお、図3の実施の形態では、漏洩磁界相
殺用のマグネット40cnが、第1および中間のマグネッ
ト41,46とは逆の極性で、ヨーク43の背面に取り
付けられる。また、上述の磁気回路40Dの組立には、
例えば、接着剤が用いられる。
【0067】第1のプレート42の前面には、コーン
(振動板)31が配設されて、このコーン31の内周部
に2次コイル32が取り付けられると共に、コーン31
と2次コイル32とに共通に、センターキャップ33が
取り付けられる。
【0068】2次コイル32は、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターンのショートされた
円筒体とされ、または複数ターンにわたって巻回してシ
ョートされた巻線とされ、上述のような磁気回路40D
の第1および第2のギャップ45,48にわたって挿入
される。
【0069】コーン31の外周部のエッジ34と、2次
コイル32に内周部が取り付けられたダンパ35の外周
部とがフレーム36に取り付けられ、このフレーム36
がプレート42の前面に取り付けられる。また、フレー
ム36の外周部にガスケット37が取り付けられ、フレ
ーム36の外面後部と中間部とには2つの端子板1,2
が取り付けられる。
【0070】図3の実施の形態でも、第1のプレート4
2は、前出図2A,Bに示すような、2枚のプレート部
材42u,42vから構成され、第2のプレート部材4
2vの中央部に形成された凹部42cに、前出図2Cに
示すような、環状に巻回された駆動コイル51が収納さ
れて接着された後、2枚のプレート部材42u,42v
が密着されて、駆動コイル51は、ギャップ45に臨む
ように保持されると共に、両プレート部材42u,42
vと広い面積で対接する。
【0071】また、駆動コイル51の巻き始めおよび巻
き終りに設けられた引出線51s,51fは、プレート
部材42vの凹部42cとは反対側の面に形成されたス
リット42sに挿通されて、図3に示すように、スリッ
ト42sが前側になるように、プレート42がマグネッ
ト41の前面に取り付けられ、引出線51s,51f
が、フレーム36の外面後部に取り付けられた端子板1
の入力端子1tなどに半田付けによって接続される。
【0072】図3の実施の形態では、上述のような構成
により、駆動コイル51の放熱性を良くすることができ
て、許容入力レベルを大きくすることができると共に、
駆動コイル51のターン数を多くすることができて、そ
のインダクタンスを大きくすることができる。
【0073】駆動コイル51の外径は、非磁性の線材の
場合、外側のマグネット41の内径とほぼ等しくされ
て、プレート42の磁気抵抗の減少が図られる。また、
駆動コイル51に磁性体の線材を用いることにより、プ
レート42の磁気抵抗をいっそう減少させることができ
る。
【0074】更に、図3の実施の形態では、2次コイル
32上に、プレート42の内周面に対向するように、第
2の駆動コイル52が筒状に巻回される。
【0075】この駆動コイル52の線材は、銅またはア
ルミニウム、もしくは、銅クラッド・アルミニウム(C
CAW)のような、非磁性の導電材からなる芯線が絶縁
層に被覆され、この絶縁層の上に融着層(ロックワニ
ス)が塗布されて構成され、2次コイル32上に巻回さ
れた後、大電流の通電によって、2次コイル32に融着
される。
【0076】図示は省略するが、第2の駆動コイル52
の引出線は、2次コイル32の外周面とコーン31の背
面とに沿って前方に引き出されて、コーン31の背面上
で錦糸線3に接続され、この錦糸線3を介して、端子板
2上の入力端子2tと接続される。
【0077】そして、扁平な第1の駆動コイル51と、
筒状の第2の駆動コイル52とは、端子1t,2tを介
して、直列または並列に接続される。
【0078】なお、第1および第2の駆動コイル51,
52の寸法などは、例えば、前出図1の実施の形態と同
様の構成とされる。
【0079】この例においても、電磁結合スピーカの1
次コイルとしての駆動コイル51は、プレート42側で
はなく、ギャップ45に、厚み方向の外周側面が臨むよ
うな状態で、センターポール44に設けるようにしても
よく、また、プレート42側とセンターポール44側の
両方に設けるようにしてもよい。
【0080】また、電磁結合スピーカの1次コイルとし
ての駆動コイル51は、プレート47に設けてもよい
し、あるいはこのプレート47とギャップ48を介して
対向するセンターポール44の部分に設けてもよい。プ
レート47とセンターポール44の双方に設けてもよ
い。
【0081】さらに、駆動コイル52は、2次コイル3
2のギャップ45内の部分ではなく、2次コイル32の
ギャップ48の部分に装着するようにしても、また、両
方のギャップ45、48内に、2つの駆動コイルを設け
てもよい。
【0082】[アナログ音声信号による駆動]図3の実
施の形態では、外部の音声信号増幅回路(図示は省略)
からのアナログ音声信号電流が両駆動コイル51,52
に供給されると、前述のような、第1の駆動コイル51
との電磁結合により、2次コイル32には信号電流に応
じた2次電流が誘起されて、フレミングの左手の法則に
より、2次コイル32に信号電流に応じた駆動力を生
じ、2次コイル32が固定された振動板31が振動し
て、信号電流に応じた音圧が発生する。
【0083】前述のように、図3の実施の形態でも、前
出図1の実施の形態と同様に、駆動コイル51のターン
数を多くして、そのインダクタンスを大きくしているの
で、低域においても、駆動コイル51と2次コイル32
との電磁結合力を大きくすることができて、低音の再生
が可能となる。
【0084】また、第2の駆動コイル52は、音声信号
電流が供給されると、通常のダイナミック・スピーカの
ボイスコイルと同様に、信号電流に応じた駆動力で振動
板31を駆動して、駆動コイル51と2次コイル32と
の電磁結合が及ばない、最低共振周波数の近傍までの低
周波数帯域をも再生することができる。
【0085】一方、高域では、前述の融着層が弾性体と
なって、第2の駆動コイル52が可動状態となり、駆動
コイル52は、第1の駆動コイル51の電磁結合と加算
されるように、2次コイル32と電磁的に結合する。
【0086】そして、図3の実施の形態では、第2のプ
レート47とセンターポール44との間に形成された、
第2のギャップ48において、2次コイル32に電磁的
な制動が加えられることにより、最低共振周波数におけ
る共振の尖鋭度(Q)を小さくして、最低共振周波数よ
り低い帯域の音圧レベルを上げることができる。
【0087】こうして、図3の実施の形態では、全帯域
型で、許容入力レベルが大きく、高感度のスピーカ装置
を実現することができる。
【0088】なお、第2の駆動コイル52は、主とし
て、低域の再生に寄与するので、適宜の低域フィルタを
介して、駆動コイル51と並列に接続することにより、
最低共振周波数の近傍から高域までの広い帯域におい
て、バランスの良い再生音を得ることができると共に、
低域フィルタの特性を選択することにより、再生音の周
波数特性を制御することができる。
【0089】また、図3の実施の形態でも、前述の図1
の実施の形態と同様の技法により、低音専用のスピーカ
装置を容易に実現することができる。
【0090】[他の実施の形態]次に、図4を参照しな
がら、この発明によるスピーカ装置の他の実施の形態に
ついて説明する。この図4において、前出図1および図
3に対応する部分には同一の符号を付して一部説明を省
略する。
【0091】図4において、磁気回路40Eは、同軸に
配された2個のマグネット41,46と、前後2個のプ
レート42,47とを含んで構成され、プレート42の
内周側中央部には、第1の駆動コイル51が保持され
る。
【0092】外側のマグネット41の前面に第1のプレ
ート42が取り付けられると共に、マグネット41の背
面には、第2のプレート47を介して、断面が「E」状
のヨーク43が取り付けられる。
【0093】そして、ヨーク43の前面中央部に一体化
されたセンターポール44に、外側のマグネット41と
は逆極性に、内側のマグネット49とポールピース44
pとが整列して取り付けられて、このポールピース44
pの外周面とプレート42の内周面との間に第1のギャ
ップ45が形成される。また、第2のプレート47の内
周面とセンターポール44の先端部の外周面との間に第
2のギャップ48が形成される。
【0094】なお、図4の実施の形態でも、漏洩磁界相
殺用のマグネット40cnが、外側のマグネット41とは
逆の極性で、ヨーク43の背面に取り付けられる。ま
た、上述の磁気回路40Eの組立には、例えば、接着剤
が用いられる。
【0095】第1のプレート42の前面には、コーン
(振動板)31が配設されて、このコーン31の内周部
に2次コイル32が取り付けられると共に、コーン31
と2次コイル32とに共通に、センターキャップ33が
取り付けられる。
【0096】2次コイル32は、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターンのショートされた
円筒体とされ、または複数ターンにわたって巻回してシ
ョートされた巻線とされ、上述のような磁気回路40E
の第1および第2のギャップ45,48にわたって挿入
される。
【0097】コーン31の外周部のエッジ34と、2次
コイル32に内周部が取り付けられたダンパ35の外周
部とがフレーム36に取り付けられ、このフレーム36
がプレート42の前面に取り付けられる。また、フレー
ム36の外周部にはガスケット37が取り付けられ、フ
レーム36の外面後部に端子板1が取り付けられると共
に、フレーム36の外面中間部には端子板2が取り付け
られる。
【0098】図4の実施の形態でも、第1のプレート4
2は、前出図2A,Bに示すような、2枚のプレート部
材42u,42vから構成され、第2のプレート部材4
2vの中央部に形成された凹部42cに、前出図2Cに
示すような、環状に巻回された駆動コイル51が収納さ
れて接着された後、2枚のプレート部材42u,42v
が密着されて、駆動コイル51は、ギャップ45に臨む
ように保持されると共に、両プレート部材42u,42
vと広い面積で対接する。
【0099】また、駆動コイル51の巻き始めおよび巻
き終りに設けられた引出線51s,51fは、プレート
部材42vの凹部42cとは反対側の面に形成されたス
リット42sに挿通されて、図4に示すように、スリッ
ト42sが前側になるように、プレート42がマグネッ
ト41の前面に取り付けられ、引出線51s,51f
が、フレーム36の外面後部に取り付けられた端子板1
の入力端子1tなどに半田付けによって接続される。
【0100】図4の実施の形態では、上述のような構成
により、駆動コイル51の放熱性を良くすることができ
て、許容入力レベルを大きくすることができると共に、
駆動コイル51のターン数を多くすることができて、そ
のインダクタンスを大きくすることができる。
【0101】非磁性の線材の場合、第1の駆動コイル5
1の外径は、外側のマグネット41の内径とほぼ等しく
されて、プレート42の磁気抵抗の減少が図られる。ま
た、第1の駆動コイル51に磁性体の線材を用いること
により、プレート42の磁気抵抗をいっそう減少させる
ことができる。
【0102】更に、図4の実施の形態では、2次コイル
32上に、第2のプレート47の内周面に対向するよう
に、第2の駆動コイル52が筒状に巻回されて、第2の
駆動コイル52の厚みだけ、第1のギャップ45のギャ
ップ長を短縮することができて、ギャップ45での磁気
力、ひいては、スピーカの感度をいっそう高くすること
ができる。
【0103】駆動コイル52の線材は、銅またはアルミ
ニウム、もしくは、銅クラッド・アルミニウム(CCA
W)のような、非磁性の導電材からなる芯線が絶縁層に
被覆され、この絶縁層の上に融着層が塗布されて構成さ
れ、2次コイル32上に巻回された後、大電流の通電に
よって、2次コイル32に融着される。
【0104】図示は省略するが、第2の駆動コイル52
の引出線は、2次コイル32の外周面とコーン31の背
面とに沿って前方に引き出されて、コーン31の背面上
で錦糸線3に接続され、この錦糸線3を介して、端子板
2上の入力端子2tと接続される。
【0105】そして、第1の駆動コイル51と第2の駆
動コイル52とが、端子1t,2tを介して、直列また
は並列に接続される。
【0106】なお、第1および第2の駆動コイル51,
52の寸法などは、例えば、前出図1の実施の形態と同
様の構成とされる。
【0107】また、図4の実施の形態では、第2の駆動
コイル52が、2次コイル32の後部に設けられている
ため、ダンパ35に加えて、第2のダンパを設けるを可
とする。
【0108】この例においても、電磁結合スピーカの1
次コイルとしての駆動コイル51は、プレート42側で
はなく、ギャップ45に、厚み方向の外周側面が望むよ
うな状態で、センターポール44に設けるようにしても
よく、また、プレート42側とセンターポール44側の
両方に設けるようにしてもよい。
【0109】また、電磁結合スピーカの1次コイルとし
ての駆動コイル51は、プレート47に設けてもよい
し、あるいはこのプレート47とギャップ48を介して
対向するセンターポール44の部分に設けてもよい。プ
レート47とセンターポール44の双方に設けてもよ
い。
【0110】さらに、駆動コイル52は、2次コイル3
2のギャップ45内の部分ではなく、2次コイル32の
ギャップ48の部分に装着するようにしても、また、両
方のギャップ45、48内に、2つの駆動コイルを設け
てもよい。
【0111】[アナログ音声信号による駆動]図4の実
施の形態では、外部の音声信号増幅回路(図示は省略)
からのアナログ音声信号電流が両駆動コイル51,52
に供給されると、前述のような、第1の駆動コイル51
との電磁結合により、2次コイル32には信号電流に応
じた2次電流が誘起されて、フレミングの左手の法則に
より、2次コイル32に信号電流に応じた駆動力を生
じ、2次コイル32が固定された振動板31が振動し
て、信号電流に応じた音圧が発生する。
【0112】前述のように、図4の実施の形態でも、前
出図1の実施の形態と同様に、駆動コイル51のターン
数を多くして、そのインダクタンスを大きくしているの
で、低域においても、駆動コイル51と2次コイル32
との電磁結合力を大きくすることができて、低音の再生
が可能となる。
【0113】また、第2の駆動コイル52は、音声信号
電流が供給されると、通常のダイナミック・スピーカの
ボイスコイルと同様に、信号電流に応じた駆動力で振動
板31を駆動して、駆動コイル51と2次コイル32と
の電磁結合が及ばない、最低共振周波数の近傍までの低
周波数帯域をも再生することができる。
【0114】一方、高域では、前述の融着層が弾性体と
なって、第2の駆動コイル52が可動状態となり、駆動
コイル52は、第1の駆動コイル51の電磁結合と加算
されるように、2次コイル32と電磁的に結合する。
【0115】そして、図4の実施の形態では、第2のプ
レート47とセンターポール44との間に形成された、
第2のギャップ48において、2次コイル32に電磁的
な制動が加えられることにより、最低共振周波数におけ
る共振の尖鋭度(Q)を小さくして、最低共振周波数よ
り低い帯域の音圧レベルを上げることができる。
【0116】こうして、図4の実施の形態では、全帯域
型で、許容入力レベルが大きく、高感度のスピーカ装置
を実現することができる。
【0117】なお、第2の駆動コイル52は、主とし
て、低域の再生に寄与するので、適宜の低域フィルタを
介して、駆動コイル51と並列に接続することにより、
最低共振周波数の近傍から高域までの広い帯域におい
て、バランスの良い再生音を得ることができると共に、
低域フィルタの特性を選択することにより、再生音の周
波数特性を制御することができる。
【0118】また、図4の実施の形態でも、前述の図1
の実施の形態と同様の技法により、低音専用のスピーカ
装置を容易に実現することができる。
【0119】[駆動コイルの他の構成]上述の各実施の
形態では、駆動コイル51を1枚の扁平なコイルとして
説明したが、図5に示すように、1枚の駆動コイル51
を、半径方向に分割して巻回した、複数(図5では3
個)の単位コイル51a,51b,51cから構成し
て、各単位コイル51a〜51cを並列または直列に接
続することもできる。
【0120】この場合、各単位コイル51a,51b,
51cは、内周側を巻き始めとし、外周側を巻き終りと
して、環状に巻回され、巻き始めおよび巻き終りには、
半径方向に整列して、それぞれ引出線51as,51b
s,51csおよび51af,51bf,51cfが設
けられ、すべての引出線51as〜51cfはプレート
42v(図2B参照)の背面のスリット42sに挿通さ
れて、各実施の形態の磁気回路の外部に引き出される。
【0121】そして、各単位コイル51a,51b,5
1cを並列に接続するときは、各単位コイル51a,5
1b,51cの抵抗値が、単一の駆動コイル51の抵抗
値よりも小さくなって、より大きな入力信号電流を流す
ことができると共に、駆動増幅回路との整合が容易とな
る。
【0122】更に、複数の単位コイル51a,51b,
51cの抵抗値を等しくすることにより、各単位コイル
51a,51b,51cを並列に接続したとき、各単位
コイル51a,51b,51cに流れる信号電流の値を
等しくすることができる。
【0123】複数の単位コイル51a,51b,51c
の抵抗値を等しくするには、各単位コイル51a,51
b,51cの線径を等しくして、巻回数を順次低減して
もよく、あるいは、各単位コイル51a,51b,51
cの巻回数をほぼ等しくして、線径を順次増大してもよ
い。
【0124】また、図6に示すように、それぞれ扁平に
巻回した複数枚(図6では2枚)の駆動コイル51u,
51vを重ねて配置して、各駆動コイル51u,51v
を直列または並列に接続することもできる。
【0125】更に、図示は省略するが、複数枚の駆動コ
イルを、それぞれ半径方向に分割して巻回した複数の単
位コイルで構成し、各単位コイルを、複数枚の駆動コイ
ル内で全て直列または並列に接続し、または1枚の駆動
コイル内で並列に接続した上で複数枚の駆動コイル内で
直列に接続し、もしくは1枚の駆動コイル内で直列に接
続した上で複数枚の駆動コイル内で並列に接続すること
もできる。
【0126】上述のような駆動コイルの分割および接続
は、図5の実施の形態における、第3の駆動コイル53
にも、同様に適用される。
【0127】なお、上述のように、電磁結合用の駆動コ
イルを複数に分割する場合、前出図2Bに示すようなプ
レート部材42vなどに複数のスリットを設け、各分割
コイルの引出線を区分して引き出すことができる。
【0128】[デジタル音声信号による駆動]上述のよ
うな各実施の形態のスピーカ装置は、図7に示すような
駆動回路を用いて、デジタル音声信号により駆動するこ
とができる。この場合、スピーカ装置Spの複数の駆動
コイル51,52;53,54は、図7に示すように、
すべてが並列に接続されてもよく、または、すべてが直
列に接続されてもよく、あるいは、それぞれ直列接続さ
れた駆動コイル51,52と駆動コイル53,54とが
並列に接続されてもよく、さらには、それぞれ並列接続
された駆動コイル51,52と駆動コイル53,54と
が直列に接続されてもよい。
【0129】図7の駆動回路60は、シリアルパラレル
変換回路61と、例えば、それぞれ16個の、定電流源
62a,62b〜62n,62p,62qと、スイッチ
回路63a,63b〜63n,63p,63qから構成
され、各定電流源62a〜62qは、それぞれ対応する
スイッチ回路63a〜63qを介して、スピーカ装置S
pの並列接続された駆動コイル51〜54に接続され
る。
【0130】例えば、コンパクト・ディスク(CD)プ
レーヤのような、外部のデジタル音声信号源(図示は省
略)からのシリアル音声データDsが、シリアルパラレ
ル変換回路61において、例えば、16ビットの自然2
進符号のデジタル音声信号に変換され、このデジタル音
声信号の対応するビットのデータの“1”,“0”に応
じて、スイッチ回路63a,63b〜63n,63p,
63qがオン、オフに切り換えられる。
【0131】すなわち、シリアルパラレル変換回路61
からのデジタル音声信号の、あるビットが“1”のとき
には、対応するスイッチ回路がオンとなって、駆動コイ
ル51〜54に、対応する定電流源の電流が流れる。
【0132】そして、2SBに対応する定電流源62b
の電流Ibは、MSB(最上位ビット)に対応する定電
流源61aの電流Iaの1/2倍とされ、以下、LSB
(最下位ビット)までの各ビットに対応する定電流源の
電流は、一つ上位のビットに対応する定電流源の電流の
1/2倍とされる。
【0133】したがって、図7の駆動回路60によれ
ば、シリアルパラレル変換回路61からのデジタル音声
信号の各ビットの重みに比例した量だけ、前出図1また
は図3に示すようなスピーカ装置のコーン31が、一方
向に偏位して、シリアルパラレル変換回路61からのデ
ジタル音声信号に忠実に、音声が再生される。
【0134】図7の駆動回路60の場合は、スピーカ装
置の複数の駆動コイルが並列に接続されて、回路側から
みれば、単一のコイルを駆動することになるが、図8に
示すように、複数層の駆動コイルを、ターン数が順次に
1/2倍となるような、多数の単位コイルに等比分割し
て、デジタル音声信号により、各単位コイルを独立に駆
動することもできる。
【0135】複数層等比多分割の場合、駆動コイル51
は、例えば、図8A,Bに示すように、上中下3層のコ
イル群から構成され、なり、各層のコイル群は、それぞ
れ半径方向に分割して巻回した、5個の単位コイル51
a〜51e;51f〜51j;51k〜51n,51p
から構成される。
【0136】そして、上層の単位コイル51a,51
b,51c,51d,51eのターン数は、内周側から
順に、N,N/2,N/4,N/8,N/16とされ、
中層の単位コイル51f,51g,51h,51i,5
1jと、下層の単位コイル51k,51L,51m,5
1n,51pとのターン数も、それぞれ内周側から順
に、N,N/2,N/4,N/8,N/16とされる。
【0137】なお、各単位コイル51a,51b〜51
n,51pは、内周側を巻き始めとし、外周側を巻き終
りとして、環状に巻回され、巻き始めおよび巻き終りに
は、半径方向に整列して、それぞれ引出線(‥‥51k
s,51Ls‥‥;‥‥51kf,51Lf‥‥)が設
けられ、各引出線はプレート42v(図2B参照)の背
面のスリット42sに挿通されて、各実施の形態の磁気
回路の外部に引き出される。
【0138】また、複数層等比多分割は、前述のような
各実施の形態で、プレート42などに保持された、固定
の駆動コイル51,53に対してのみ適用され、2次コ
イル32上に巻回された、可動の駆動コイル52,54
には、引出線の配設が困難であることなどにより適用さ
れず、可動の駆動コイル52,54は、アナログ音声信
号により駆動される。
【0139】図8に示すようような、複数層等比多分割
が適用された各実施の形態のスピーカ装置は、図9に示
すような駆動回路を用いて、デジタル音声信号により駆
動することができる。
【0140】図9の駆動回路70は、シリアルパラレル
変換回路71と、デコーダ72と、例えば、15個のコ
イル駆動回路73a,73b〜73n,73pから構成
される。
【0141】例えばCDプレーヤのような、外部のデジ
タル音声信号源(図示は省略)からの、例えば44.1
kHzのサンプリング周波数で16ビットにデジタル化
された、シリアル音声データDsが、シリアルパラレル
変換回路71において、16ビットのパラレル音声デー
タDpに変換される。
【0142】このパラレル音声データDpは、図10に
示すような、2’sコンプリメントコードで、かつ直線
的に量子化されたものであり、デコーダ72において、
パラレル音声データDpのMSB(最上位ビット)をサ
インビットとして、MSBを除く下位15ビット、即
ち、2SB〜LSB(最下位ビット)のそれぞれについ
て、後述のような4個の制御信号G1〜G4が生成され
る。
【0143】また、図10に示すように、パラレル音声
データDpの2SBと単位コイル51aとを対応させ、
以下、パラレル音声データDpの3SB,4SB‥‥1
5SB,LSBと単位コイル51b,51c‥‥51
n,51pとを順次対応させる。
【0144】そして、各単位コイル51a,51b‥‥
51n,51pに対して、図9に示すように、コイル駆
動回路73a,73b‥‥73n,73pが設けられ
る。
【0145】コイル駆動回路73aは、定電流源74a
と、対応する単位コイル51aにブリッジ接続される、
4個の電界効果トランジスタQ1〜Q4とから構成され
る。各トランジスタQ1〜Q4はスイッチング素子とし
て機能し、電界効果トランジスタQ1,Q3がオンで、
電界効果トランジスタQ2,Q4がオフのときには、定
電流源74aの電流Iaが単位コイル51aにプラス方
向に流れ、電界効果トランジスタQ1,Q3がオフで、
電界効果トランジスタQ2,Q4がオンのときには、定
電流源74aの電流Iaが単位コイル51aにマイナス
方向に流れて、電界効果トランジスタQ1〜Q4がすべ
てオンまたはオフのときには、単位コイル51aに電流
が流れないようにする。他のコイル駆動回路73b‥‥
73n,73pも同様である。
【0146】そして、デコーダ72からの、パラレル音
声データDpの2SB,3SB‥‥15SB,LSBの
それぞれについての制御信号G1〜G4が、対応するコ
イル駆動回路73a,73b‥‥73n,73pのそれ
ぞれの電界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートに供給
される。
【0147】制御信号G1〜G4は、パラレル音声デー
タDpのMSBが“0”で、対応する下位ビットが
“1”のときには、制御信号G1,G3が電界効果トラ
ンジスタQ1,Q3をオンにするレベルとなると共に、
制御信号G2,G4が電界効果トランジスタQ2,Q4
をオフにするレベルとなる。また、MSBが“0”で、
対応する下位ビットも“0”のとき、またはMSBが
“1”で、対応する下位ビットも“1”のときには、制
御信号G1〜G4が電界効果トランジスタQ1〜Q4を
オフにするレベルとなり、MSBが“1”で、対応する
下位ビットが“0”のときには、制御信号G1,G3が
電界効果トランジスタQ1,Q3をオフにするレベルと
なると共に、制御信号G2,G4が電界効果トランジス
タQ2,Q4をオンにするレベルとなる。
【0148】したがって、パラレル音声データDpのM
SBが“0”のときには、ある下位ビットが“1”のと
きにのみ、これに対応する単位コイルにプラス方向に信
号電流が流れ、逆に、MSBが“1”のときには、ある
下位ビットが“0”のときにのみ、これに対応する単位
コイルにマイナス方向に信号電流が流れる。
【0149】前述のように、電磁結合形のスピーカの振
動系の駆動力Fは、2次コイルに誘起される2次電流i
に比例する。そして、2次コイルに誘起される2次電流
iは、駆動コイル(1次コイル)に流れる信号電流と駆
動コイルのターン数との積(いわゆる、アンペアター
ン)に比例する。
【0150】また、図8に示すような、等比多分割の駆
動コイル51では、上層の単位コイル51a,51b,
51c,51d,51eのターン数は、内周側から順
に、N,N/2,N/4,N/8,N/16とされ、中
層の単位コイル51f,51g,51h,51i,51
jと、下層の単位コイル51k,51L,51m,51
n,51pとのターン数も、それぞれ内周側から順に、
N,N/2,N/4,N/8,N/16とされる。
【0151】上述のような複数層等比多分割の駆動コイ
ル51をデジタル音声信号により駆動するために、図9
の駆動回路70では、各コイル駆動回路73a,73b
‥‥73n,73pの定電流源74a,74b‥‥74
n,74pの電流Ia,Ib‥‥In,Ipが、パラレ
ル音声データDpの2SBに対応する単位コイル51a
を駆動するための定電流源74aの電流Iaを基準とし
て、次のように設定される。
【0152】即ち、パラレル音声データDpの2SB,
3SB,4SB,5SB,6SBに対応する、上層の単
位コイル51a,51b,51c,51d,51eを駆
動するための定電流源74a,74b,74c,74
d,74eの電流は、Ia=Ib=Ic=Id=Ieと
される。
【0153】また、パラレル音声データDpの7SB,
8SB,8SB,10SB,11SBに対応する、中層
の単位コイル51f,51g,51h,51i,51j
を駆動するための定電流源74f,74g,74h,7
4i,74jの電流は、If=Ig=Ih=Ii=Ij
=Ia/32とされる。
【0154】そして、パラレル音声データDpの12S
B,13SB,14SB,15SB,LSBに対応す
る、下層の単位コイル51k,51L,51m,51
n,51pを駆動するための定電流源74k,74L,
74m,74n,74pの電流は、Ik=IL=Im=
In=Ip=If/32=Ia/32×32とされる。
【0155】したがって、上述のような複数層等比多分
割の場合にも、図1および図3の実施の形態では、2次
コイル32が固定された振動板31が、デジタル音声信
号DpのMSBの値に応じた方向に、15個の単位コイ
ル51a,51b‥‥51n,51pのそれぞれに対応
するビットの重みに比例した量だけ偏位して、デジタル
音声信号Dpに忠実に音声が再生されて、D−Aコンバ
ータおよび電力増幅回路を使用しないで、デジタル音声
信号によって直接、音声を再生する、歪みの小さい、最
大出力の大きいスピーカを実現することができる。
【0156】しかも、複数層等比多分割の場合には、最
小の電流値と最大の電流値との比を、例えば、1:32
×32のように小さくすることができる。
【0157】また、駆動電流の小さいビットに対応する
単位コイルは相対的に細くし、駆動電流の大きいビット
に対応する単位コイルは相対的に太くすることによっ
て、歪みが小さく効率の良い駆動を行うことができる。
【0158】なお、スピーカの振動系は、一般に、20
kHzを超えるような高い周波数の成分はほとんど再生
しないので、上述のように、駆動コイル51の各単位コ
イル51a〜51pを、例えば、サンプリング周波数が
44.1kHzのデジタル音声信号Dpで駆動しても、
サンプリング周波数成分はほとんど再生されない。仮
に、微小な音圧で再生されても、20kHzを超える音
は人間の耳でほとんど聞き取ることができないので、音
楽を聴く時などでも支障を生じない。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、電磁結合形のスピーカにおいて、大型化やコストア
ップをきたすことなく、感度を高くすることができ、許
容入力レベルを大きくすることができると共に、全帯域
型のスピーカを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるスピーカ装置の実施の形態の構
成を示す断面図である。
【図2】図1の実施の形態の要部の構成を示す分解斜視
図である。
【図3】この発明によるスピーカ装置の他の実施の形態
の構成を示す断面図である。
【図4】この発明によるスピーカ装置の他の実施の形態
の構成を示す断面図である。
【図5】図1、図3〜図5の実施の形態の要部の他の構
成を示す斜視図である。
【図6】図1、図3〜図5の実施の形態の要部の他の構
成を示す斜視図である。
【図7】図1、図3〜図5の実施の形態をデジタル音声
信号によって駆動する場合の駆動装置の構成例を示す結
線図である。
【図8】図1、図3〜図5の実施の形態の要部の更に他
の構成を示す分解斜視図である。
【図9】図8の要部に対応するデジタル音声信号駆動装
置の構成例を示す結線図である。
【図10】図9の駆動装置におけるデジタル音声信号の
各ビットと駆動コイルとの関係を示す図である。
【図11】従来の電磁結合型のスピーカ装置の構成例を
示す断面図である。
【図12】従来の電磁結合型のスピーカ装置の他の構成
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,4,5…端子板、31…振動板、32…2次コ
イル、40C,40D,40E,40G…磁気回路、4
1…マグネット、42…プレート、43…ヨーク、44
…センターポール、44p…ポールピース、45…ギャ
ップ、46…マグネット、47…プレート、48…ギャ
ップ、49…マグネット、51,52,53,54…駆
動コイル、60,70…駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 渡辺 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 徳重 賢二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の磁性部材上に設けられる中空筒状形
    状の第1のマグネットと、 上記第1の磁性部材上に、上記第1のマグネットの前記
    中空部内において、磁極の向きが上記第1のマグネット
    とは逆向きの状態で設けられる柱状の第2のマグネット
    と、 上記第1のマグネット上に設けられる中空形状の第2の
    磁性部材と、 上記第2のマグネット上に設けられ、上記第2の磁性部
    材の上記中空部側の端面とギャップを介して対向する端
    面を有する第3の磁性部材と、 を備え、 上記第2の磁性部材または上記第3の磁性部材に、上記
    ギャップに臨む端面に、少なくとも一部が露呈するよう
    に、音声信号電流が供給される1次コイルを収納し、 この1次コイルと電磁結合する筒状の2次コイルを上記
    ギャップ内に配設して、上記2次コイルの一端を振動板
    に固定すると共に、 上記2次コイルに対して、上記音声信号電流が供給され
    る駆動コイルを上記ギャップ内において装着したことを
    特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスピーカ装置において、 上記1次コイルは、偏平なリング形状のものであり、そ
    の厚み方向の端面が、上記第2の磁性部材または第3の
    磁性部材の、上記ギャップに臨む端面に露呈して装着さ
    れていることを特徴とするスピーカ装置。
  3. 【請求項3】第1の磁性部材上に設けられる中空筒状形
    状の第1のマグネットと、 上記第1の磁性部材上に、上記第1のマグネットの前記
    中空部内において、磁極の向きが上記第1のマグネット
    とは逆向きの状態で設けられる柱状の第2のマグネット
    と、 上記第1のマグネット上に設けられる中空形状の第2の
    磁性部材と、 上記第2のマグネット上に設けられ、上記第2の磁性部
    材の上記中空部側の端面と第1のギャップを介して対向
    する端面を有する第3の磁性部材と、 上記第3の磁性部材に対向させて第2のギャップを形成
    する端面を備える第4の磁性部材と、 を備え、 上記第2の磁性部材または上記第3の磁性部材の一方あ
    るいは双方に、上記第1のギャップに臨む端面に少なく
    とも一部が露呈するように、音声信号電流が供給される
    1次コイルを収納し、 この1次コイルと電磁結合する筒状の2次コイルを、上
    記第1ギャップおよび上記第2のギャップ内に、これら
    ギャップを結ぶ方向に移動可能な状態で配設すると共
    に、上記2次コイルの一端側を振動板に固定し、 上記2次コイルに対して、上記駆動コイルを、上記第1
    のギャップ部分において、または、上記第2のギャップ
    の部分において配設したことを特徴とするスピーカ装
    置。
  4. 【請求項4】第1の磁性部材上に設けられる中空筒状形
    状の第1のマグネットと、 上記第1の磁性部材上に、上記第1のマグネットの前記
    中空部内において、磁極の向きが上記第1のマグネット
    とは逆向きの状態で設けられる柱状の第2のマグネット
    と、 上記第1のマグネット上に設けられる中空形状の第2の
    磁性部材と、 上記第2のマグネット上に設けられ、上記第2の磁性部
    材の上記中空部側の端面と第1のギャップを介して対向
    する端面を有する第3の磁性部材と、 上記第3の磁性部材に対向させて第2のギャップを形成
    する端面を備える第4の磁性部材と、 を備え、 上記第4の磁性部材または上記第3の磁性部材の一方あ
    るいは双方に、上記第2のギャップに臨む端面に少なく
    とも一部が露呈するように、音声信号電流が供給される
    1次コイルを収納し、 この1次コイルと電磁結合する筒状の2次コイルを、上
    記第1ギャップおよび第2のギャップ内に、これらギャ
    ップを結ぶ方向に移動可能な状態で配設すると共に、上
    記2次コイルの一端を振動板に固定し、 上記2次コイルに対して、上記駆動コイルを、上記第1
    のギャップ部分において、または、上記第2のギャップ
    部分において配設したことを特徴とするスピーカ装置。
  5. 【請求項5】請求項2、請求項3または請求項4に記載
    のスピーカ装置において、 上記第4の磁性部材と上記第1の磁性部材との間に、中
    空筒状の第3のマグネットを上記第1のマグネットと同
    極性に設けたことを特徴とするスピーカ装置。
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