JPH10276494A - 音響変換器 - Google Patents

音響変換器

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Publication number
JPH10276494A
JPH10276494A JP8074797A JP8074797A JPH10276494A JP H10276494 A JPH10276494 A JP H10276494A JP 8074797 A JP8074797 A JP 8074797A JP 8074797 A JP8074797 A JP 8074797A JP H10276494 A JPH10276494 A JP H10276494A
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JP
Japan
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coil
plate
gap
acoustic transducer
diaphragm
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Pending
Application number
JP8074797A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Jun Kishigami
純 岸上
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Priority to KR1019980010021A priority patent/KR19980080567A/ko
Priority to US09/048,078 priority patent/US6035052A/en
Publication of JPH10276494A publication Critical patent/JPH10276494A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大
出力の、全帯域型または低音専用の、電磁結合形の音響
変換器を実現できるようにする。 【解決手段】 ヨーク14の中央部前面にマグネット2
0を取り付け、マグネット20の前面にポールピース1
5を取り付け、ヨーク14の周辺部前面にプレート30
を取り付ける。ポールピース15の外周端部15aを前
方側に突出させるとともに、プレート30の内周端部3
8を後方側に突出させ、ポールピース15の外周端部1
5aの前面とプレート30の内周端部38の後面とを軸
心方向(前後方向)および水平方向に対して斜めの方向
に対向させて、両者間に軸心方向に僅かな間隔のギャッ
プ5を形成する。プレート30の内周面に扁平かつ筒状
に巻回した駆動コイル1を取り付ける。ギャップ5に通
して水平方向に振動板50を配置し、ギャップ5の位置
において振動板50にショートされた二次コイル7を固
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁結合形(電
磁誘導形)の音響変換器、すなわち、スピーカやヘッド
ホンなどのように電気信号を音響に変換する電気音響変
換器、およびマイクロホンなどのように音響を電気信号
に変換する音響電気変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁結合形の音響変換器は、外磁型の場
合を例にとると、プレートとセンターポール・ヨークと
によってマグネットを挟んで、プレートとセンターポー
ル・ヨークのセンターポールとの間にギャップを有する
磁気回路を形成し、その磁気回路のギャップ内におい
て、プレートまたはセンターポールに第1コイルを固定
し、これと対向するように振動板に固定して磁気回路の
ギャップ内に、ショートされた第2コイルを配置する。
【0003】スピーカやヘッドホンなどの電気音響変換
器では、第1コイルを駆動コイル(一次コイル)とし
て、これに信号電流を供給すると、二次コイルとなる第
2コイルに、電磁結合により信号電流に応じた二次電流
が誘起されて、フレミングの左手の法則により、第2コ
イルに信号電流に応じた駆動力を生じ、第2コイルが固
定された振動板が振動して、信号電流に応じた音圧が発
生する。
【0004】マイクロホンなどの音響電気変換器では、
音圧によって振動板が振動することにより、振動板に固
定された、一次コイルとなる第2コイルに、音圧に応じ
た一次電流が誘起され、出力コイル(二次コイル)とな
る第1コイルに、音圧に応じた出力電流が発生する。
【0005】図17および図18は、それぞれ従来の電
磁結合スピーカの一例を示し、図17はプレートに、図
18はセンターポールに、それぞれ駆動コイルを取り付
けた場合である。
【0006】すなわち、図17の電磁結合スピーカで
は、センターポール・ヨーク10の底部前面にマグネッ
ト20を取り付け、マグネット20の前面にプレート3
0を取り付けて、センターポール・ヨーク10のセンタ
ーポール11の先端部の外周面とプレート30の内周面
との間にギャップ5を有する磁気回路6を形成し、プレ
ート30の内周面に駆動コイル1を取り付ける。
【0007】センターポール・ヨーク10の底部に穴1
2を形成し、背面に入力端子3を取り付けた端子板4を
取り付けて、駆動コイル1の引出線2を、穴12に挿入
して入力端子3に半田付けによって接続する。引出線2
は駆動コイル1の巻き始めおよび巻き終りにそれぞれ設
けて、それぞれを別個の入力端子に接続する。
【0008】ギャップ5内には、二次コイル7を挿入す
る。二次コイル7は、非磁性の導電材料、例えばアルミ
ニウムからなる1ターンのショートされた円筒体とし、
または複数ターンにわたって巻回してショートさせた巻
き線とする。
【0009】プレート30の前面にはフレーム40の底
部を取り付け、コーン紙などの振動板50の外周部のエ
ッジ51およびガスケット45をフレーム40の外周部
に取り付ける。また、ダンパー47の外周部をフレーム
40に取り付け、振動板50の内周部およびダンパー4
7の内周部を二次コイル7に取り付け、センターキャッ
プ49を振動板50の内周部または二次コイル7の先端
部に取り付ける。
【0010】図18の電磁結合スピーカでは、センター
ポール・ヨーク10のセンターポール11の先端部の外
周面に凹部を形成し、この凹部に嵌め込んでセンターポ
ール11に駆動コイル1を取り付ける。その他は、図1
7の電磁結合スピーカと同様である。
【0011】そして、図17または図18の電磁結合ス
ピーカでは、駆動コイル1に信号電流を供給すると、電
磁結合により二次コイル7に信号電流に応じた二次電流
が誘起されて、フレミングの左手の法則により、二次コ
イル7に信号電流に応じた駆動力を生じ、二次コイル7
が固定された振動板50が振動して、信号電流に応じた
音圧が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
または図18に示して上述した従来の電磁結合スピーカ
は、磁気回路6のギャップ5内に駆動コイル1を配置す
るため、駆動コイル1の厚み分だけ、ギャップ5の長さ
(スピーカの軸心に垂直な方向の長さ)を小さくするこ
とができず、ギャップ5での磁気力が弱くなって、スピ
ーカの感度が低くなる。ギャップ5での磁気力を強く
し、スピーカの感度を高くするために、マグネット20
として大きなものを用いると、スピーカが大型化すると
ともに、スピーカのコストアップをきたす。
【0013】しかも、駆動コイル1のインダクタンスを
大きくするために駆動コイル1のターン数を多くする
と、それだけギャップ5の長さが大きくなり、スピーカ
の感度が低下するので、駆動コイル1のインダクタンス
を大きくすることができない。そのため、駆動コイル1
と二次コイル7との電磁結合力が2kHz程度以下の低
域で小さくなって、低音の再生ができない。そのため、
従来の電磁結合スピーカは、高音再生用としてしか用い
ることができない。
【0014】また、駆動コイル1の外周面または内周面
はプレート30またはセンターポール11と接するが、
その接触面積が小さいため、駆動コイル1からの放熱が
瞬時になされない。そのため、駆動コイル1として太い
線材を使用できないことと相まって、駆動コイル1に急
激に大電流を流すことができず、スピーカの許容入力信
号レベルを大きくすることができない。
【0015】以上は、スピーカの場合であるが、ヘッド
ホンなどの他の電気音響変換器でも、同様である。ま
た、マイクロホンなどの音響電気変換器でも、入出力が
逆になるだけで、同様である。
【0016】すなわち、従来の電磁結合形の音響電気変
換器は、変換器としての感度が低く、これを高くするた
めにマグネットとして大きなものを用いると、変換器が
大型化するとともに、変換器のコストアップをきたす。
しかも、一次コイル(第2コイル)と出力コイル(二次
コイル、第1コイル)との電磁結合力が低域で小さくな
って、低音の採取ができないとともに、出力コイルの放
熱などの点から、変換器の許容入力音圧レベルを大きく
することができない。
【0017】そこで、この発明は、電磁結合形の音響変
換器において、第1に、変換器の大型化やコストアップ
をきたすことなく、変換器としての感度を高くすること
ができ、第2に、低音の再生または採取が可能となっ
て、全帯域型の変換器または低音専用の変換器を実現す
ることができ、第3に、第1コイルの放熱などの点か
ら、変換器の許容入力レベルを大きくすることができ
る、ようにしたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明では、マグネッ
トとともに磁気回路を構成する第1磁性体部品および第
2磁性体部品の端部を、当該音響変換器の軸心方向、お
よびこれに垂直な方向である水平方向の、双方に対して
斜めの方向に対向させて、これら端部間にギャップを形
成し、その少なくとも第1磁性体部品の端部の内周面ま
たは外周面を、前記軸心方向に平行な面として、その内
周面または外周面に扁平かつ筒状に巻回した第1コイル
を、その軸心方向の一端を前記ギャップに臨ませて配置
し、前記ギャップに通して前記水平方向に振動板を配置
し、前記ギャップ位置において前記振動板にショートさ
れた第2コイルを固定する。
【0019】ここで、扁平というのは、筒の内径および
外径に比べて厚みが十分に小さいことである。
【0020】
【発明の実施の形態】スピーカやヘッドホンなどの電気
音響変換器では、マグネットとともに磁気回路を構成す
る第1磁性体部品および第2磁性体部品の端部を、電気
音響変換器の軸心方向(前後方向)および水平方向に対
して斜めの方向に対向させて、これら端部間にギャップ
を形成し、その少なくとも第1磁性体部品の端部の内周
面または外周面を、変換器の軸心方向に平行な面とし
て、その内周面または外周面に扁平かつ筒状に巻回した
駆動コイル(一次コイル)を、その軸心方向の一端をギ
ャップに臨ませて配置し、ギャップに通して水平方向に
振動板を配置し、ギャップ位置において振動板にショー
トされた二次コイルを固定する。
【0021】内磁型の場合には、第1磁性体部品をプレ
ートとし、第2磁性体部品をマグネットを介してヨーク
に取り付けるポールピースとするか、逆に、第1磁性体
部品をマグネットを介してヨークに取り付けるポールピ
ースとし、第2磁性体部品をプレートとする。この場
合、プレートとヨークを一体とすることができる。
【0022】外磁型の場合には、第1磁性体部品をプレ
ートとし、第2磁性体部品をセンターポール・ヨークの
センターポールとするか、逆に、第1磁性体部品をセン
ターポール・ヨークのセンターポールとし、第2磁性体
部品をプレートとする。
【0023】上記の構成の電気音響変換器では、プレー
トの端部とポールピースまたはセンターポールの端部
が、軸心方向および水平方向に対して斜めの方向に対向
して、これら間にギャップが形成され、そのギャップに
臨んで、プレート、ポールピースまたはセンターポール
の端部の、変換器の軸心方向に平行な内周面または外周
面に、扁平かつ筒状に巻回された駆動コイルが配置され
るとともに、そのギャップ内において、ギャップ位置に
ショートされた二次コイルが固定された振動板が水平方
向に配置される。
【0024】したがって、駆動コイルに信号電流を供給
すると、電磁結合により二次コイルに信号電流に応じた
二次電流が誘起され、ギャップを通る斜め方向の磁束の
水平方向成分によって、フレミングの左手の法則によ
り、二次コイルに信号電流に応じた駆動力を生じ、二次
コイルが固定された振動板が振動して、信号電流に応じ
た音圧が発生する。
【0025】プレート、ポールピースまたはセンターポ
ールの端部の内周面または外周面に配置する1枚(1
筒)の駆動コイルは、水平方向に1層(1ターン)また
は複数層(複数ターン)に巻回したものとすることがで
きる。また、1枚の駆動コイルを、軸心方向に分割して
巻回した複数のコイルで構成することができ、その場
合、その複数のコイルを直列または並列に接続すること
ができる。
【0026】プレート、ポールピースまたはセンターポ
ールの端部の内周面または外周面に、それぞれ扁平かつ
筒状に巻回した2枚(2筒)以上の駆動コイルを重ねて
配置することもでき、その場合、その2枚以上の駆動コ
イルを直列または並列に接続することができる。
【0027】また、その2枚以上の駆動コイルを、それ
ぞれ軸心方向に分割して巻回した複数のコイルで構成
し、その複数のコイルを、2枚以上の駆動コイル内で全
て直列または並列に接続し、または1枚の駆動コイル内
で並列に接続した上で2枚以上の駆動コイル内で直列に
接続し、もしくは1枚の駆動コイル内で直列に接続した
上で2枚以上の駆動コイル内で並列に接続することがで
きる。
【0028】ただし、それぞれ扁平かつ筒状に巻回した
2枚以上の駆動コイルを設ける場合には、プレート、ポ
ールピースまたはセンターポールの端部の内周面と外周
面、またはプレートの内周面または外周面とポールピー
スまたはセンターポールの内周面または外周面、または
プレートの内周面および外周面とポールピースまたはセ
ンターポールの内周面および外周面など、複数の周面を
変換器の軸心方向に平行な面とし、それぞれの面ごとに
1枚ずつ、扁平かつ筒状に巻回した駆動コイルを配置す
る方が、駆動コイルの放熱などの点からは望ましい。
【0029】そして、この発明の電気音響変換器におい
ては、駆動コイルは、その軸心方向の一端がギャップに
臨むだけで、ギャップ内に存在しない。したがって、磁
気回路のギャップ長を振動板および二次コイルの厚みに
クリアランスを加えたものとすることができ、振動板お
よび二次コイルの厚みを十分小さくすることによって、
磁気回路のギャップ長を駆動コイルの線径やターン数と
無関係に十分小さくすることができる。したがって、マ
グネットとして大きなものを用いなくても、ギャップで
の磁気力を強くすることができ、電気音響変換器の感度
を高くすることができる。
【0030】しかも、駆動コイルのインダクタンスを大
きくするために駆動コイルのターン数を多くしても、ギ
ャップ長が大きくならず、電気音響変換器の感度が低下
しないので、駆動コイルのインダクタンスを大きくする
ことができる。そのため、駆動コイルと二次コイルとの
電磁結合力を低域でも大きくすることができ、低音の再
生が可能となる。そのため、全帯域型または低音専用の
電気音響変換器を実現することができる。
【0031】また、駆動コイルは、その広い外周面また
は内周面において、プレート、ポールピースまたはセン
ターポールと接するので、駆動コイルからの放熱が瞬時
になされる。そのため、駆動コイルとして太い線材を使
用できることと相まって、駆動コイルに急激に大電流を
流すことができ、変換器の許容入力信号レベルを大きく
することができる。
【0032】スピーカやヘッドホンなどの電気音響変換
器では、後述するように駆動コイルをデジタル音声信号
によって駆動することができる。
【0033】マイクロホンなどの音響電気変換器では、
上記の扁平かつ筒状に巻回したコイルを出力コイル(二
次コイル)とし、振動板に固定したショートされたコイ
ルを一次コイルとする。第1磁性体部品および第2磁性
体部品については、電気音響変換器の場合と同じであ
る。
【0034】したがって、音圧によって振動板が振動す
ることにより、振動板に固定されたショートされた一次
コイルに音圧に応じた一次電流が誘起され、扁平かつ筒
状に巻回された出力コイルに音圧に応じた出力電流が発
生する。
【0035】音響電気変換器の場合にも、電気音響変換
器の場合と同様に、1枚の出力コイルを、軸心方向に分
割して巻回した複数のコイルで構成することができると
ともに、それぞれ扁平かつ筒状に巻回した2枚以上の出
力コイルを設けることができる。
【0036】そして、この発明の音響電気変換器によれ
ば、電気音響変換器について上述したのと同様の理由に
よって、第1に、マグネットとして大きなものを用いな
くても、音響電気変換器の感度を高くすることができ、
第2に、低音の採取が可能となって、全帯域型または低
音専用の音響電気変換器を実現することができ、第3
に、出力コイルの放熱などの点から、変換器の許容入力
音圧レベルを大きくすることができる。
【0037】この発明の音響変換器の振動板は、例え
ば、スピーカの場合には平板状のものとし、ヘッドホン
またはマイクロホンの場合にはドーム部およびエッジ部
を有するものとするなど、用途に応じて適宜、その形状
を選択することができる。
【0038】以下に、この発明の幾つかの実施例を示
す。ただし、これら実施例は、この発明の一例にすぎ
ず、この発明は、これら実施例に限るものではない。ま
た、以下の実施例は、いずれも電気音響変換器として駆
動コイル(一次コイル)および二次コイルを備える場合
であるが、上述したところから明らかなように、その駆
動コイルを出力コイル(二次コイル)とし、二次コイル
を一次コイルとすることによって、基本的にそのまま音
響電気変換器となるものである。また、以下の実施例
は、いずれも内磁型の場合であるが、上述したところか
ら明らかなように、この発明の音響変換器は外磁型とし
て構成することもできるものである。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕図1は、この発明の音響変換器の第1の例
を示し、内磁型の電磁結合スピーカで、かつプレートに
駆動コイルを設ける場合である。
【0040】この例では、周辺部が前方側に突出したヨ
ーク14の中央部前面にマグネット20を取り付け、マ
グネット20の前面にポールピース15を取り付け、ヨ
ーク14の周辺部前面にプレート30を取り付けて、後
述のようにポールピース15の外周端部15aとプレー
ト30の内周端部38との間にギャップ5を有する磁気
回路6を形成し、プレート30の内周面をスピーカの軸
心方向に平行な面として、その内周面に扁平かつ筒状に
巻回した1枚(1筒)の駆動コイル(一次コイル)1を
配置し、ギャップ5に通して水平方向に振動板50を配
置し、ギャップ5の位置において振動板50にショート
された二次コイル7を固定する。
【0041】ヨーク14には、中心孔14cを形成する
とともに、その周囲に窓14aを形成する。マグネット
20には、ヨーク14の中心孔14cに通じる中心孔2
0cを形成する。ポールピース15の外径は、マグネッ
ト20の外径と等しいか、それより若干大きい程度に
し、ポールピース15にも、マグネット20の中心孔2
0cに通じる中心孔15cを形成する。
【0042】ポールピース15の外周端部15aは、こ
れに磁束が集中するように、図のように前方側に突出さ
せることが望ましい。プレート30の内周端部38も、
これに磁束が集中するように、図のように後方側に突出
させることが望ましい。
【0043】そして、ポールピース15の外径をプレー
ト30の内径より若干小さくすることによって、ポール
ピース15の外周端部15aの前面とプレート30の内
周端部38の後面とを、軸心方向(前後方向)および水
平方向の双方に対して斜めの方向に対向させて、両者間
に軸心方向に僅かな間隔のギャップ5を形成する。
【0044】プレート30の内周端部38の内周面、す
なわちプレート30の内周面は、スピーカの軸心方向に
平行な面とし、内周端部38の外周面は、上記のように
内周端部38に磁束が集中するように、必要に応じてテ
ーパ面30tとする。また、図9(同図はスピーカを前
方側から見た平面図である)に示すように、プレート3
0には、窓36を形成するとともに、所定角度位置にス
リット37を形成する。
【0045】図11に示すように、駆動コイル1は、軸
心方向の一端側を巻き始めとし、他端側を巻き終りとし
て、扁平かつ筒状に巻回し、巻き始めおよび巻き終りに
引出線1sおよび1eを設ける。
【0046】また、図12に示すように、駆動コイル1
を、軸心方向に分割して巻回した、例えば3個のコイル
1P,1Q,1Rで構成することができる。この場合、
それぞれのコイル1P,1Q,1Rは、軸心方向の一端
側を巻き始めとし、他端側を巻き終りとして、巻き始め
および巻き終りに引出線1sおよび1eを設ける。
【0047】この場合、それぞれのコイル1P,1Q,
1Rを並列に接続することによって、細い線材を使用し
た駆動コイル1に、より大きな入力電流を流すことがで
きるとともに、スピーカの一次側の抵抗が小さくなるこ
とにより、スピーカを駆動する増幅器との整合が容易と
なる。
【0048】図1および図9に示すように、図11のよ
うに分割されない、または図12のように分割した駆動
コイル1を、プレート30の内周面に接着剤によって取
り付け、駆動コイル1の引出線1sおよび1eを、プレ
ート30のスリット37内に接着剤によって固定して、
プレート30の外周側に引き出す。
【0049】図1に示すように、例えば、プレート30
の外周面に入力端子3を取り付けた端子板4を取り付
け、プレート30の外周側に引き出した引出線1sおよ
び1eを、入力端子3に半田付けによって接続する。引
出線1sおよび1eは、別個の入力端子に接続する。た
だし、後述するように、入力端子3を取り付けた端子板
4をヨーク14の外周面などに取り付けてもよい。
【0050】振動板50は、ポリエステルフィルムなど
の絶縁薄板によって形成し、この例では、図10にも示
すように平板状のものとする。この振動板50のギャッ
プ5を横切る位置に、金属箔の貼付や金属の蒸着などに
よって、扁平かつ環状のショートされた二次コイル7を
形成し、振動板50の最外周部にダイヤフラムリング5
5を取り付ける。
【0051】そして、この二次コイル7が固定された振
動板50を、二次コイル7がポールピース15の外周端
部15aの前面とプレート30の内周端部38の後面と
の間に位置してギャップ5を横切るように、ヨーク14
の周辺部前面に接着剤によって取り付ける。
【0052】上述した電磁結合スピーカでは、駆動コイ
ル1に信号電流を供給すると、電磁結合により二次コイ
ル7に信号電流に応じた二次電流が誘起され、ギャップ
5を通る斜め方向の磁束の水平方向成分によって、フレ
ミングの左手の法則により、二次コイル7に信号電流に
応じた駆動力を生じ、二次コイル7が固定された振動板
50が振動して、信号電流に応じた音圧が発生する。
【0053】そして、この例によれば、駆動コイル1
は、その軸心方向の一端がギャップ5に臨むだけで、ギ
ャップ5内に存在しない。したがって、ギャップ5の長
さを振動板50および二次コイル7の厚みにクリアラン
スを加えたものとすることができ、振動板50および二
次コイル7の厚みを十分小さくすることによって、ギャ
ップ5の長さを駆動コイル1の線径やターン数と無関係
に十分小さくすることができる。したがって、マグネッ
ト20として大きなものを用いなくても、すなわちスピ
ーカの大型化やコストアップをきたすことなく、ギャッ
プ5での磁気力を強くすることができ、スピーカの感度
を高くすることができる。
【0054】実際上、振動板50および二次コイル7の
厚みを0.15mm程度とすると、ギャップ5の軸心方
向の長さは、これに0.40mmを加えた0.55mm
程度というように、著しく小さくすることができる。
【0055】しかも、駆動コイル1のインダクタンスを
大きくするために駆動コイル1のターン数を多くして
も、ギャップ5の長さが大きくならず、スピーカの感度
が低下しないので、駆動コイル1のインダクタンスを大
きくすることができる。そのため、駆動コイル1と二次
コイル7との電磁結合力を低域でも大きくすることがで
き、低音の再生が可能となる。そのため、全帯域型また
は低音専用のスピーカを実現することができる。
【0056】実施例の電磁結合スピーカを低音専用スピ
ーカとするには、振動板50または二次コイル7の厚み
を多少大きくして、振動板50または二次コイル7を重
くし、スピーカ支持系をハイコンプライアンスとして、
スピーカ振動系の最低共振周波数を下げるようにした方
が望ましい。
【0057】さらに、実施例の電磁結合スピーカによれ
ば、駆動コイル1は、その広い外周面においてプレート
30と接するので、駆動コイル1からの放熱が瞬時にな
される。そのため、駆動コイル1として、例えば0.2
5mm径というような太い線材を使用できることと相ま
って、駆動コイル1に急激に大電流を流すことができ、
スピーカの許容入力信号レベルを大きくすることができ
る。
【0058】以上を総合すると、実施例の電磁結合スピ
ーカによれば、小型かつ低コストで、高感度かつ大入力
・大出力の、全帯域型または低音専用のスピーカを実現
することができる。
【0059】図1の電磁結合スピーカは、以下のような
方法によって組み立てることができる。まず、駆動コイ
ル1を上記のように巻回して、プレート30の内周面に
接着剤によって取り付け、引出線1sおよび1eをプレ
ート30のスリット内に接着剤によって固定して、プレ
ート30の外周側に引き出しておく。
【0060】プレート30には、あらかじめ入力端子3
を取り付けた端子板4を取り付けておき、プレート30
の外周側に引き出した引出線1sおよび1eを入力端子
3に接続しておく。また、振動板50には上記のように
二次コイル7を形成し、ダイヤフラムリング55を取り
付けておく。
【0061】次に、ヨーク14の中央部前面に接着剤を
塗布してマグネット(正確には着磁前のもの)20を乗
せる。このとき、ヨーク14の中心とマグネット20の
中心が同心となるようにする。
【0062】次に、マグネット20の前面に接着剤を塗
布してポールピース15を乗せ、ポールピース15の外
径がヨーク14の内径と同心円状になるように、図示し
ていないギャップガイドをポールピース15に差し込
む。そして、接着剤の乾燥後、ギャップガイドをポール
ピース15から抜き取る。
【0063】次に、上記のように二次コイル7を形成
し、ダイヤフラムリング55を取り付けた振動板50
を、接着剤によってヨーク14の周辺部前面に取り付け
る。あらかじめ二次コイル7を振動板50の所定位置に
形成しておくことによって、このとき、ギャップ5の所
定位置に二次コイル7が位置するようになる。
【0064】次に、上記のように駆動コイル1を内周面
に取り付け、引出線1sおよび1eを入力端子3に接続
したプレート30を、接着剤によってヨーク14の周辺
部前面に取り付ける。これによって、ポールピース15
の外周端部15aの前面とプレート30の内周端部38
の後面との間にギャップ5が形成される。
【0065】その接着剤の乾燥後、マグネット20を、
前方側がN極となり、後方側がS極となるように、ある
いは逆に、後方側がN極となり、前方側がS極となるよ
うに、着磁すれば、スピーカの組み立てが完了する。
【0066】図1の例は、入力端子3を取り付けた端子
板4をプレート30の外周面に取り付ける場合である
が、端子板4をヨーク14の外周面に取り付けてもよ
い。この場合には、プレート30をヨーク14に取り付
けた段階で、駆動コイル1の引出線1sおよび1eを入
力端子3に接続することができる。
【0067】〔実施例2〕図2は、この発明の音響変換
器の第2の例を示し、図1の実施例1と同様に、内磁型
の電磁結合スピーカで、かつプレートに駆動コイルを設
ける場合である。
【0068】この例では、プレート30の後方側に突出
させた内周端部38の外周面を、スピーカの軸心方向に
平行な面として、その外周面に扁平かつ筒状に巻回した
駆動コイル1を取り付ける。その他は、実施例1と同じ
である。
【0069】この実施例2によっても、実施例1と同様
に、小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大出力
の、全帯域型または低音専用のスピーカを実現すること
ができる。
【0070】〔実施例3〕図3は、この発明の音響変換
器の第3の例を示し、内磁型の電磁結合スピーカで、か
つポールピースに駆動コイルを設ける場合である。
【0071】この例では、ポールピース15の外周面に
扁平かつ筒状に巻回した駆動コイル1を取り付ける。こ
の場合、例えば、ヨーク14の背面に入力端子3を取り
付けた端子板4を取り付け、駆動コイル1の引出線1s
および1eを、接着剤によってマグネット20の外周面
に固定して、ヨーク14の窓14aに通して入力端子3
に接続する。その他は、図1の実施例1と同じである。
【0072】この実施例3によっても、実施例1と同様
に、小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大出力
の、全帯域型または低音専用のスピーカを実現すること
ができる。
【0073】〔実施例4〕図4は、この発明の音響変換
器の第4の例を示し、図3の実施例3と同様に、内磁型
の電磁結合スピーカで、かつポールピースに駆動コイル
を設ける場合である。
【0074】この例では、ポールピース15の前方側に
突出させた外周端部15aの内周面を、スピーカの軸心
方向に平行な面として、その内周面に扁平かつ筒状に巻
回した駆動コイル1を取り付ける。
【0075】この場合、例えば、ポールピース15の所
定角度位置にスリットを形成し、ヨーク14の背面に入
力端子3を取り付けた端子板4を取り付け、駆動コイル
1の引出線1sおよび1eを、接着剤によってポールピ
ース15のスリット内に固定して、ポールピース15の
外周側に引き出し、接着剤によってマグネット20の外
周面に固定して、ヨーク14の窓14aに通して入力端
子3に接続する。駆動コイル1は、非磁性体のボビンに
巻回して、そのボビンとともに外周端部15aの内周面
に取り付けることができる。その他は、実施例3と同じ
である。
【0076】〔実施例5〕図5は、この発明の音響変換
器の第5の例を示し、内磁型の電磁結合スピーカで、か
つプレートおよびポールピースに駆動コイルを設ける場
合である。
【0077】この例では、図1の実施例1と同様にプレ
ート30の内周面に駆動コイル1Sを取り付けるととも
に、図3の実施例3と同様にポールピース15の外周面
に駆動コイル1Tを取り付ける。
【0078】図11に示すように、駆動コイル1S,1
Tは、それぞれ軸心方向の一端側を巻き始めとし、他端
側を巻き終りとして、扁平かつ筒状に巻回し、それぞれ
の巻き始めおよび巻き終りに引出線1sおよび1eを設
けて、その引出線1sおよび1eを、実施例1,3の駆
動コイル1のそれと同様に入力端子に接続する。
【0079】この場合、駆動コイル1Sおよび1Tを直
列に接続することができ、その場合には、全体として一
つの駆動コイルのターン数をより多くし、インダクタン
スをより大きくすることができる。
【0080】また、駆動コイル1Sおよび1Tを並列に
接続することもできる。その場合には、全体として一つ
の駆動コイルに、より大きな入力電流を流すことができ
るとともに、スピーカの一次側の抵抗が小さくなること
により、スピーカを駆動する増幅器との整合が容易とな
る。
【0081】〔実施例6〕図6は、この発明の音響変換
器の第6の例を示し、図5の実施例5と同様に、内磁型
の電磁結合スピーカで、かつプレートおよびポールピー
スに駆動コイルを設ける場合である。
【0082】この例では、図2の実施例2と同様にプレ
ート30の内周端部38の外周面に駆動コイル1Sを取
り付けるとともに、図4の実施例4と同様にポールピー
ス15の外周端部15aの内周面に駆動コイル1Tを取
り付ける。
【0083】実施例5と同様に、駆動コイル1S,1T
は、それぞれ扁平かつ筒状に巻回し、直列または並列に
接続することができる。また、駆動コイル1Tは、非磁
性体のボビンに巻回して、そのボビンとともに外周端部
15aの内周面に取り付けることができる。
【0084】〔実施例7〕図7は、この発明の音響変換
器の第7の例を示し、図5、図6の実施例5,6と同様
に、内磁型の電磁結合スピーカで、かつプレートおよび
ポールピースに駆動コイルを設ける場合である。
【0085】この例では、プレート30の内周端部38
の内周面および外周面に駆動コイル1Sおよび1Tを取
り付けるとともに、ポールピース15の外周端部15a
の内周面に駆動コイル1Uを取り付ける。
【0086】図11に示すように、駆動コイル1S,1
T,1Uは、それぞれ軸心方向の一端側を巻き始めと
し、他端側を巻き終りとして、扁平かつ筒状に巻回し、
それぞれの巻き始めおよび巻き終りに引出線1sおよび
1eを設ける。駆動コイル1Uは、非磁性体のボビンに
巻回して、そのボビンとともに外周端部15aの内周面
に取り付けることができる。
【0087】実施例5,6の駆動コイル1S,1Tと同
様に、駆動コイル1S,1T,1Uは、それぞれ扁平か
つ筒状に巻回し、直列または並列に接続することができ
る。
【0088】さらに、図13に示すように、それぞれの
駆動コイル1S,1T,1Uを、軸心方向に、互いにタ
ーン数の等しい5個のコイル1E〜1A,1J〜1F,
1O〜1Kに分割することができる。この場合、それぞ
れのコイル1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kは、軸
心方向の一端側を巻き始めとし、他端側を巻き終りとし
て、その巻き始めおよび巻き終りに引出線1sおよび1
eを設ける。
【0089】また、図14に示すように、それぞれの駆
動コイル1S,1T,1Uを、軸心方向に、ターン数の
比がN:N/2:N/4:N/8:N/16となる5個
のコイル1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割す
ることもできる。この場合も、それぞれのコイル1E〜
1A,1J〜1F,1O〜1Kは、軸心方向の一端側を
巻き始めとし、他端側を巻き終りとして、その巻き始め
および巻き終りに引出線1sおよび1eを設ける。
【0090】ただし、図7のように駆動コイル1Sの軸
心方向の長さを駆動コイル1T,1Uのそれより大きく
する場合には、例えば、駆動コイル1Sを7個のコイル
に分割し、駆動コイル1T,1Uをそれぞれ4個のコイ
ルに分割するなど、駆動コイル1S,1T,1Uにつき
分割数を変えることによって、上記のように総計15個
のコイル1A〜1Oのターン数を等しくし、またはコイ
ル1A,1F,1Kのターン数を等しくし、かつコイル
1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kのターン数の比を
N:N/2:N/4:N/8:N/16とするようにし
てもよい。
【0091】あるいはまた、ポールピース15の外周面
にも扁平かつ筒状に巻回した駆動コイルを取り付け、駆
動コイル1S,1T,1Uと合わせて総計4枚の駆動コ
イルを、上記のような総計15個のコイル1A〜1Oに
分割するようにしてもよい。
【0092】そして、このように駆動コイルを総計15
個のコイル1A〜1Oに分割する場合には、後述する実
施例9で示すように、駆動コイルを16ビットのデジタ
ル音声信号によって駆動することができる。
【0093】〔実施例8〕図8は、この発明の音響変換
器の第8の例を示し、図5〜図7の実施例5〜7と同様
に、内磁型の電磁結合スピーカで、かつプレートおよび
ポールピースに駆動コイルを設ける場合である。
【0094】この例では、プレート30の内周端部38
の外周面に駆動コイル1Sを取り付けるとともに、ポー
ルピース15の外周端部15aの外周面および内周面に
駆動コイル1Tおよび1Uを取り付ける。
【0095】実施例7と同様に、駆動コイル1S,1
T,1Uは、それぞれ扁平かつ筒状に巻回し、直列また
は並列に接続することができる。また、駆動コイル1U
は、非磁性体のボビンに巻回して、そのボビンとともに
外周端部15aの内周面に取り付けることができる。
【0096】さらに、実施例7と同様に、それぞれの駆
動コイル1S,1T,1Uを、図13に示したように、
軸心方向に、互いにターン数の等しい5個のコイル1E
〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割し、または図1
4に示したように、軸心方向に、ターン数の比がN:N
/2:N/4:N/8:N/16となる5個のコイル1
E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割して、次の実
施例9で示すように、16ビットのデジタル音声信号に
よって駆動することができる。
【0097】〔実施例9〕この発明の電気音響変換器、
例えばスピーカを、デジタル音声信号によって駆動する
場合の例を、実施例9として示す。
【0098】図15は、駆動装置部を含むスピーカ装置
の一例を示し、CDプレーヤやDAT(デジタルオーデ
ィオテープレコーダ)などからの、例えば44.1kH
zまたは48kHzのサンプリング周波数で16ビット
にデジタル化された、シリアルデータのデジタル音声信
号Dsが、シリアルパラレル変換器110によって、パ
ラレルデータのデジタル音声信号Dpに変換される。
【0099】そのパラレルデータとされた16ビットの
デジタル音声信号Dpは、図16に示すような2’sコ
ンプリメントコードで、かつ直線的に量子化されたもの
で、そのデジタル音声信号Dpから、デコーダ120に
よって、デジタル音声信号DpのMSB(最上位ビッ
ト)をサインビットとして、MSBを除く下位15ビッ
トである2SB〜LSB(最下位ビット)のそれぞれに
つき、後述するような4個の制御信号G1〜G4を生成
する。
【0100】スピーカは、例えば、図7または図8に示
したように、それぞれ扁平かつ筒状に巻回した3枚の駆
動コイル1S,1T,1Uを有するとともに、それぞれ
の駆動コイル1S,1T,1Uを、図13に示したよう
に、軸心方向に、互いにターン数の等しい5個のコイル
1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割し、または
図14に示したように、軸心方向に、ターン数の比が
N:N/2:N/4:N/8:N/16となる5個のコ
イル1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割したも
のである。
【0101】そして、図16に示すように、コイル1A
をデジタル音声信号DpのLSBに対応させ、以下、コ
イル1B,1C‥‥1N,1Oをデジタル音声信号Dp
の15SB,14SB‥‥3SB,2SBに対応させ
て、図15に示すように、それぞれのコイル1A‥‥1
N,1Oに対して、コイル駆動回路60A‥‥60N,
60Oを設ける。
【0102】コイル駆動回路60Aは、例えば、定電流
源65Aと、それぞれスイッチング素子としての4個の
FET61〜64と、対応するコイル1Aとを、ブリッ
ジ接続して構成し、FET61,63がオン、FET6
2,64がオフのときには、定電流源65Aの電流Ia
がコイル1Aにプラス方向に流れ、FET61,63が
オフ、FET62,64がオンのときには、定電流源6
5Aの電流Iaがコイル1Aにマイナス方向に流れ、F
ET61〜64がすべてオンまたはオフのときには、コ
イル1Aに電流が流れないようにする。他のコイル駆動
回路も、同様である。
【0103】そして、デコーダ120からの、デジタル
音声信号Dpの2SB,3SB‥‥LSBのそれぞれに
ついての制御信号G1〜G4を、対応するコイル駆動回
路60O,60N‥‥60AのそれぞれのFET61〜
64のゲートに供給する。
【0104】制御信号G1〜G4は、デジタル音声信号
DpのMSBが0で、対応する下位ビットが1のときに
は、制御信号G1,G3がFET61,63をオンにす
るレベル、制御信号G2,G4がFET62,64をオ
フにするレベルとなり、MSBが0で、対応する下位ビ
ットも0のとき、またはMSBが1で、対応する下位ビ
ットも1のときには、制御信号G1〜G4がFET61
〜64をオフにするレベルとなり、MSBが1で、対応
する下位ビットが0のときには、制御信号G1,G3が
FET61,63をオフにするレベル、制御信号G2,
G4がFET62,64をオンにするレベルとなるもの
である。
【0105】したがって、MSBが0のときには、ある
下位ビットが1のときにのみ、これに対応するコイルに
プラス方向に信号電流が流れ、逆にMSBが1のときに
は、ある下位ビットが0のときにのみ、これに対応する
コイルにマイナス方向に信号電流が流れる。
【0106】電磁結合スピーカなどの電磁結合形の電気
音響変換器の振動系の駆動力Fは、二次コイルに誘起さ
れる二次電流iと、磁気回路のギャップに生じる磁束の
密度Bと、磁気回路のギャップ内にある二次コイルの長
さLとの積として、F=BLiで表され、磁束密度Bお
よび長さLは一定であるので、振動系の駆動力Fは、二
次コイルに誘起される二次電流iに比例することにな
る。そして、二次コイルに誘起される二次電流iは、駆
動コイル(一次コイル)に流れる信号電流と駆動コイル
のターン数との積に比例する。
【0107】そして、図13のように15個のコイル1
A〜1Oのターン数を等しくする場合には、デジタル音
声信号Dpの15SB,14SB,13SB‥‥に対応
するコイル1B,1C,1D‥‥に対応するコイル駆動
回路60B,60C,60D‥‥の定電流源65B,6
5C,65D‥‥の電流Ib,Ic,Id‥‥を、デジ
タル音声信号DpのLSBに対応するコイル1Aに対応
するコイル駆動回路60Aの定電流源65Aの電流Ia
との関係で、Ib=2Ia,Ic=2Ib=4Ia,I
d=2Ic=8Ia‥‥とする。
【0108】したがって、この場合、図7または図8の
ように二次コイル7が固定された振動板50が、デジタ
ル音声信号DpのMSBの値に応じた方向に、15個の
コイル1A〜1Oのそれぞれに対応するビットの重みに
比例した量だけ偏位し、デジタル音声信号Dpに忠実に
音声が再生されることになる。
【0109】また、図14のように15個のコイル1A
〜1O中のコイル1E,1J,1Oとコイル1D,1
I,1Nとコイル1C,1H,1Mとコイル1B,1
G,1Lとコイル1A,1F,1Kとのターン数の比を
N:N/2:N/4:N/8:N/16とする場合に
は、デジタル音声信号Dpの15SB,14SB,13
SB12SB,11SB,10SB,9SB,8SB,
7SB,6SB,5SB,4SB,3SB,2SBに対
応するコイル1B,1C,1D,1E,1F,1G,1
H,1I,1J,1K,1L,1M,1N,1Oに対応
するコイル駆動回路60B,60C,60D,60E,
60F,60G,60H,60I,60J,60K,6
0L,60M,60N,60Oの定電流源65B,65
C,65D,65E,65F,65G,65H,65
I,65J,65K,65L,65M,65N,65O
の電流Ib,Ic,Id,Ie,If,Ig,Ih,I
i,Ij,Ik,Il,Im,In,Ioを、デジタル
音声信号DpのLSBに対応するコイル1Aに対応する
コイル駆動回路60Aの定電流源65Aの電流Iaとの
関係で、Ia=Ib=Ic=Id=Ie,If=Ig=
Ih=Ii=Ij=32Ia,Ik=Il=Im=In
=Io=32If=32×32Iaとする。
【0110】したがって、この場合にも、図7または図
8のように二次コイル7が固定された振動板50が、デ
ジタル音声信号DpのMSBの値に応じた方向に、15
個のコイル1A〜1Oのそれぞれに対応するビットの重
みに比例した量だけ偏位し、デジタル音声信号Dpに忠
実に音声が再生されることになる。しかも、この場合に
は、最小の電流値と最大の電流値との間の電流値の比
を、1:32×32というように小さくすることができ
る。
【0111】スピーカ振動系は、20kHzを超えるよ
うな高い周波数の成分はほとんど再生しない。したがっ
て、上述した各例のように駆動コイルの各コイル1A〜
1Oを44.1kHzまたは48kHzのサンプリング
周波数のデジタル音声信号Dpで駆動しても、そのサン
プリング周波数成分はほとんど再生されない。かりに微
小な音圧で再生されても、20kHzを超える音は人間
の耳でほとんど聞き取ることができないので、音楽を聴
く時などでも支障を生じない。
【0112】そして、上述した各例によれば、D/Aコ
ンバータおよびパワーアンプを使用しないで、デジタル
音声信号によって直接、音声を再生する、歪みの小さ
い、最大出力の大きいスピーカを実現することができ
る。
【0113】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、小
型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大出力の、全帯
域型または低音専用の音響変換器を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の音響変換器を示す断面図である。
【図2】実施例2の音響変換器を示す断面図である。
【図3】実施例3の音響変換器を示す断面図である。
【図4】実施例4の音響変換器を示す断面図である。
【図5】実施例5の音響変換器を示す断面図である。
【図6】実施例6の音響変換器を示す断面図である。
【図7】実施例7の音響変換器を示す断面図である。
【図8】実施例8の音響変換器を示す断面図である。
【図9】実施例1の音響変換器を示す平面図である。
【図10】振動板の一例を示す平面図および断面図であ
る。
【図11】第1コイルの一例を示す斜視図である。
【図12】第1コイルの他の例を示す斜視図である。
【図13】第1コイルのさらに他の例を示す斜視図であ
る。
【図14】第1コイルのさらに他の例を示す斜視図であ
る。
【図15】この発明の電気音響変換器をデジタル音声信
号によって駆動する場合の駆動装置部を含む変換器装置
の一例を示す接続図である。
【図16】図15の変換器装置におけるデジタル音声信
号の各ビットと各コイルとの関係を示す図である。
【図17】従来の電磁結合スピーカの一例を示す断面図
である。
【図18】従来の電磁結合スピーカの他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1,1S,1T,1U…駆動コイル(第1コイル)、1
A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1
I,1J,1K,1L,1M,1N,1O,1P,1
Q,1R…コイル、1s,1e…引出線、3…入力端
子、4…端子板、5…ギャップ、6…磁気回路、7…二
次コイル(第2コイル)、14…ヨーク、15…ポール
ピース、15a…外周端部、20…マグネット、30…
プレート、37…スリット、38…内周端部、50…振
動板、60A〜60O…コイル駆動回路、65A〜65
O…定電流源、110…シリアルパラレル変換器、12
0…デコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村口 高弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 篠原 幾夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネットとともに磁気回路を構成する第
    1磁性体部品および第2磁性体部品の端部を、当該音響
    変換器の軸心方向、およびこれに垂直な方向である水平
    方向の、双方に対して斜めの方向に対向させて、これら
    端部間にギャップを形成し、 その少なくとも第1磁性体部品の端部の内周面または外
    周面を、前記軸心方向に平行な面として、その内周面ま
    たは外周面に扁平かつ筒状に巻回した第1コイルを、そ
    の軸心方向の一端を前記ギャップに臨ませて配置し、 前記ギャップに通して前記水平方向に振動板を配置し、
    前記ギャップ位置において前記振動板にショートされた
    第2コイルを固定した音響変換器。
  2. 【請求項2】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルが一次コイルとしての駆動コイルであ
    り、当該音響変換器が電気音響変換器である音響変換
    器。
  3. 【請求項3】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルが二次コイルとしての出力コイルであ
    り、当該音響変換器が音響電気変換器である音響変換
    器。
  4. 【請求項4】請求項1の音響変換器において、 前記第1磁性体部品がプレートであり、前記第2磁性体
    部品がセンターポール・ヨークのセンターポールまたは
    前記マグネットを介してヨークに取り付けたポールピー
    スである音響変換器。
  5. 【請求項5】請求項1の音響変換器において、 前記第1磁性体部品がセンターポール・ヨークのセンタ
    ーポールまたは前記マグネットを介してヨークに取り付
    けたポールピースであり、前記第2磁性体部品がプレー
    トである音響変換器。
  6. 【請求項6】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルを分割して巻回した複数のコイルで構成
    し、その複数のコイルを直列または並列に接続した音響
    変換器。
  7. 【請求項7】請求項2の音響変換器において、 前記駆動コイルをデジタル音声信号によって駆動する音
    響変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003041449A1 (fr) * 2001-11-05 2003-05-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Haut-parleur

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