JPH10285691A - 音響変換器 - Google Patents

音響変換器

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Publication number
JPH10285691A
JPH10285691A JP8270497A JP8270497A JPH10285691A JP H10285691 A JPH10285691 A JP H10285691A JP 8270497 A JP8270497 A JP 8270497A JP 8270497 A JP8270497 A JP 8270497A JP H10285691 A JPH10285691 A JP H10285691A
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JP
Japan
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coil
plate
gap
acoustic transducer
center pole
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Application number
JP8270497A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Jun Kishigami
純 岸上
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大
出力の、全帯域型または低音専用の、電磁結合形の音響
変換器を実現できるようにする。 【解決手段】 センターポール・ヨーク10の前面にマ
グネット20を取り付け、マグネット20の前面にプレ
ート30を取り付けて、センターポール部11の先端部
の外周面とプレート30の内周面との間にギャップ5を
形成する。プレート30の前面に環状の浅い溝を形成し
て、その溝内に扁平に巻回した駆動コイル1を取り付け
る。駆動コイル1は、内周側を巻き始めとし、外周側を
巻き終りとして、環状に巻回し、巻き始めおよび巻き終
りの引出線1sおよび1eを、プレート30の外周側に
引き出す。ギャップ5内には、振動板50に固定したシ
ョートされた二次コイル7を挿入する。ギャップ5の長
さは、二次コイル7の厚みにクリアランスを加えたもの
とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁結合形(電
磁誘導形)の音響変換器、すなわち、スピーカやヘッド
ホンなどのように電気信号を音響に変換する電気音響変
換器、およびマイクロホンなどのように音響を電気信号
に変換する音響電気変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁結合形の音響変換器は、外磁型の場
合を例にとると、プレートとセンターポール・ヨークと
によってマグネットを挟んで、プレートとセンターポー
ル・ヨークのセンターポール部との間にギャップを有す
る磁気回路を形成し、その磁気回路のギャップ内におい
て、プレートまたはセンターポール部に第1コイルを固
定し、これと対向するように振動板に固定して磁気回路
のギャップ内に、ショートされた第2コイルを配置す
る。
【0003】スピーカやヘッドホンなどの電気音響変換
器では、第1コイルを駆動コイル(一次コイル)とし
て、これに信号電流を供給すると、二次コイルとなる第
2コイルに、電磁結合により信号電流に応じた二次電流
が誘起されて、フレミングの左手の法則により、第2コ
イルに信号電流に応じた駆動力を生じ、第2コイルが固
定された振動板が振動して、信号電流に応じた音圧が発
生する。
【0004】マイクロホンなどの音響電気変換器では、
音圧によって振動板が振動することにより、振動板に固
定された、一次コイルとなる第2コイルに、音圧に応じ
た一次電流が誘起され、出力コイル(二次コイル)とな
る第1コイルに、音圧に応じた出力電流が発生する。
【0005】図16および図17は、それぞれ従来の電
磁結合スピーカの一例を示し、図16はプレートに、図
17はセンターポール部に、それぞれ駆動コイルを取り
付けた場合である。
【0006】すなわち、図16の電磁結合スピーカで
は、センターポール・ヨーク10の底部前面にマグネッ
ト20を取り付け、マグネット20の前面にプレート3
0を取り付けて、センターポール・ヨーク10のセンタ
ーポール部11の先端部の外周面とプレート30の内周
面との間にギャップ5を有する磁気回路6を形成し、プ
レート30の内周面に駆動コイル1を取り付ける。
【0007】センターポール・ヨーク10の底部に穴1
2を形成し、背面に入力端子3を取り付けた端子板4を
取り付けて、駆動コイル1の引出線2を、穴12に挿入
して入力端子3に半田付けによって接続する。引出線2
は駆動コイル1の巻き始めおよび巻き終りにそれぞれ設
けて、それぞれを別個の入力端子に接続する。
【0008】ギャップ5内には、二次コイル7を挿入す
る。二次コイル7は、非磁性の導電材料、例えばアルミ
ニウムからなる1ターンのショートされた円筒体とし、
または複数ターンにわたって巻回してショートさせた巻
き線とする。
【0009】プレート30の前面にはフレーム40の底
部を取り付け、コーン紙などの振動板50の外周部のエ
ッジ51およびガスケット45をフレーム40の外周部
に取り付ける。また、ダンパー47の外周部をフレーム
40に取り付け、振動板50の内周部およびダンパー4
7の内周部を二次コイル7に取り付け、センターキャッ
プ49を振動板50の内周部または二次コイル7の先端
部に取り付ける。
【0010】図17の電磁結合スピーカでは、センター
ポール・ヨーク10のセンターポール部11の先端部の
外周面に凹部を形成し、この凹部に嵌め込んでセンター
ポール部11に駆動コイル1を取り付ける。その他は、
図16の電磁結合スピーカと同様である。
【0011】そして、図16または図17の電磁結合ス
ピーカでは、駆動コイル1に信号電流を供給すると、電
磁結合により二次コイル7に信号電流に応じた二次電流
が誘起されて、フレミングの左手の法則により、二次コ
イル7に信号電流に応じた駆動力を生じ、二次コイル7
が固定された振動板50が振動して、信号電流に応じた
音圧が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
または図17に示して上述した従来の電磁結合スピーカ
は、磁気回路6のギャップ5内に駆動コイル1を配置す
るため、駆動コイル1の厚み分だけ、ギャップ5の長さ
(スピーカの軸心に垂直な面の方向の長さ)を小さくす
ることができず、ギャップ5での磁気力が弱くなって、
スピーカの感度が低くなる。ギャップ5での磁気力を強
くし、スピーカの感度を高くするために、マグネット2
0として大きなものを用いると、スピーカが大型化する
とともに、スピーカのコストアップをきたす。
【0013】しかも、駆動コイル1のインダクタンスを
大きくするために駆動コイル1のターン数を多くする
と、それだけギャップ5の長さが大きくなり、スピーカ
の感度が低下するので、駆動コイル1のインダクタンス
を大きくすることができない。そのため、駆動コイル1
と二次コイル7との電磁結合力が2kHz程度以下の低
域で小さくなって、低音の再生ができない。そのため、
従来の電磁結合スピーカは、高音再生用としてしか用い
ることができない。
【0014】また、駆動コイル1の外周面または内周面
はプレート30またはセンターポール部11と接する
が、その接触面積が小さいため、駆動コイル1からの放
熱が瞬時になされない。そのため、駆動コイル1として
太い線材を使用できないことと相まって、駆動コイル1
に急激に大電流を流すことができず、スピーカの許容入
力信号レベルを大きくすることができない。
【0015】以上は、スピーカの場合であるが、ヘッド
ホンなどの他の電気音響変換器でも、同様である。ま
た、マイクロホンなどの音響電気変換器でも、入出力が
逆になるだけで、同様である。
【0016】すなわち、従来の電磁結合形の音響電気変
換器は、変換器としての感度が低く、これを高くするた
めにマグネットとして大きなものを用いると、変換器が
大型化するとともに、変換器のコストアップをきたす。
しかも、一次コイル(第2コイル)と出力コイル(二次
コイル、第1コイル)との電磁結合力が低域で小さくな
って、低音の採取ができないとともに、出力コイルの放
熱などの点から、変換器の許容入力音圧レベルを大きく
することができない。
【0017】そこで、この発明は、電磁結合形の音響変
換器において、第1に、変換器の大型化やコストアップ
をきたすことなく、変換器としての感度を高くすること
ができ、第2に、低音の再生または採取が可能となっ
て、全帯域型の変換器または低音専用の変換器を実現す
ることができ、第3に、第1コイルの放熱などの点か
ら、変換器の許容入力レベルを大きくすることができ
る、ようにしたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明では、マグネッ
トとともに磁気回路を構成し、かつ互いの対向する端部
の間に所定長のギャップを形成する第1磁性体部品およ
び第2磁性体部品のうちの、少なくとも第1磁性体部品
の、当該音響変換器の前方または後方に向いた面上に、
扁平に巻回した第1コイルを、その内周または外周を前
記ギャップに臨ませて配置し、前記ギャップ内に、振動
板に固定したショートされた第2コイルを配置する。
【0019】ここで、扁平というのは、外径に比べて厚
みが十分に小さいことである。また、所定長というの
は、ギャップの長さと幅を区別するために記述したもの
で、特に数値が限定されるものではない。
【0020】
【発明の実施の形態】スピーカやヘッドホンなどの電気
音響変換器では、マグネットとともに磁気回路を構成
し、かつ互いの対向する端部の間に所定長のギャップを
形成する第1磁性体部品および第2磁性体部品のうち
の、少なくとも第1磁性体部品の、当該電気音響変換器
の前方または後方に向いた面上に、扁平に巻回した駆動
コイル(一次コイル)を、その内周または外周をギャッ
プに臨ませて配置し、ギャップ内に、振動板に固定した
ショートされた二次コイルを配置する。
【0021】外磁型の場合には、第1磁性体部品をプレ
ートとし、第2磁性体部品をセンターポール・ヨークの
センターポール部とするか、逆に、第1磁性体部品をセ
ンターポール・ヨークのセンターポール部とし、第2磁
性体部品をプレートとする。すなわち、プレートの前面
または後面、またはセンターポール部の前面に、扁平に
巻回した駆動コイルを取り付ける。
【0022】内磁型の場合には、第1磁性体部品をプレ
ートとし、第2磁性体部品をマグネットを介してヨーク
に取り付けるポールピースとするか、逆に、第1磁性体
部品をマグネットを介してヨークに取り付けるポールピ
ースとし、第2磁性体部品をプレートとする。すなわ
ち、プレートの前面または後面、またはポールピースの
前面に、扁平に巻回した駆動コイルを取り付ける。この
場合、プレートとヨークを一体とすることができる。
【0023】プレートの前面または後面、またはセンタ
ーポール部またはポールピースの前面に配置する1枚の
駆動コイルは、ギャップ幅方向に1層(1ターン)また
は複数層(複数ターン)に巻回したものとすることがで
きる。また、1枚の駆動コイルを、ギャップ長方向に分
割して巻回した複数のコイルで構成することができ、そ
の場合、その複数のコイルを直列または並列に接続する
ことができる。
【0024】プレートの前面または後面、またはセンタ
ーポール部またはポールピースの前面に、それぞれ扁平
に巻回した2枚以上の駆動コイルを重ねて配置すること
もでき、その場合、その2枚以上の駆動コイルを直列ま
たは並列に接続することができる。
【0025】また、その2枚以上の駆動コイルを、それ
ぞれギャップ長方向に分割して巻回した複数のコイルで
構成し、その複数のコイルを、2枚以上の駆動コイル内
で全て直列または並列に接続し、または1枚の駆動コイ
ル内で並列に接続した上で2枚以上の駆動コイル内で直
列に接続し、もしくは1枚の駆動コイル内で直列に接続
した上で2枚以上の駆動コイル内で並列に接続すること
ができる。
【0026】ただし、それぞれ扁平に巻回した2枚以上
の駆動コイルを設ける場合には、プレートを挟むように
プレートの前面および後面に1枚ずつ、またはプレート
の前面または後面とセンターポール部またはポールピー
スの前面とに1枚ずつ、またはプレートの前面および後
面とセンターポール部またはポールピースの前面とに1
枚ずつ、扁平に巻回した駆動コイルを配置する方が、駆
動コイルの放熱などの点からは望ましい。
【0027】そして、この発明の電気音響変換器におい
ては、駆動コイルは、その内周または外周がギャップに
臨むだけで、ギャップ内に存在しない。したがって、磁
気回路のギャップ長を二次コイルの厚みにクリアランス
を加えたものとすることができ、駆動コイルの線径やタ
ーン数と無関係にギャップ長を小さくすることができ
る。したがって、マグネットとして大きなものを用いな
くても、ギャップでの磁気力を強くすることができ、電
気音響変換器の感度を高くすることができる。
【0028】しかも、駆動コイルのインダクタンスを大
きくするために駆動コイルのターン数を多くしても、ギ
ャップ長が大きくならず、電気音響変換器の感度が低下
しないので、駆動コイルのインダクタンスを大きくする
ことができる。そのため、駆動コイルと二次コイルとの
電磁結合力を低域でも大きくすることができ、低音の再
生が可能となる。そのため、全帯域型の変換器または低
音専用の変換器を実現することができる。
【0029】また、駆動コイルは変換器の後方または前
方に向いた広い面において、プレート、センターポール
部またはポールピースと接するので、駆動コイルからの
放熱が瞬時になされる。そのため、駆動コイルとして太
い線材を使用できることと相まって、駆動コイルに急激
に大電流を流すことができ、変換器の許容入力信号レベ
ルを大きくすることができる。
【0030】スピーカやヘッドホンなどの電気音響変換
器では、後述するように、駆動コイルをデジタル音声信
号によって駆動することができる。
【0031】マイクロホンなどの音響電気変換器では、
上記の扁平に巻回したコイルを出力コイル(二次コイ
ル)とし、振動板に固定したショートされたコイルを一
次コイルとする。第1磁性体部品および第2磁性体部品
については、電気音響変換器の場合と同じである。
【0032】また、音響電気変換器の場合にも、電気音
響変換器の場合と同様に、1枚の出力コイルを、ギャッ
プ長方向に分割して巻回した複数のコイルで構成するこ
とができるとともに、それぞれ扁平に巻回した2枚以上
の出力コイルを設けることができる。
【0033】そして、この発明の音響電気変換器によれ
ば、電気音響変換器について上述したのと同様の理由に
よって、第1に、マグネットとして大きなものを用いな
くても、音響電気変換器の感度を高くすることができ、
第2に、低音の採取が可能となって、全帯域型の変換器
または低音専用の変換器を実現することができ、第3
に、出力コイルの放熱などの点から、変換器の許容入力
音圧レベルを大きくすることができる。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕図1は、この発明の音響変換器の第1の例
を示し、外磁型の電磁結合スピーカで、かつプレートに
駆動コイルを設ける場合である。
【0035】この例では、センターポール・ヨーク10
の底部前面にマグネット20を取り付け、マグネット2
0の前面にプレート30を取り付けて、センターポール
・ヨーク10のセンターポール部11の先端部の外周面
とプレート30の内周面との間にギャップ5を有する磁
気回路6を形成するが、後述するように、プレート30
の前面に扁平に巻回した1枚の駆動コイル(一次コイ
ル)1を配置する。
【0036】ギャップ5内には、二次コイル7を挿入す
る。二次コイル7は、非磁性の導電材料、例えばアルミ
ニウムからなる1ターンのショートされた円筒体とし、
または複数ターンにわたって巻回してショートさせた巻
き線とする。
【0037】プレート30の前面にはフレーム40の底
部41を取り付け、コーン紙などの振動板50の外周部
のエッジ51およびガスケット45をフレーム40の外
周部に取り付ける。また、ダンパー47の外周部をフレ
ーム40に取り付け、振動板50の内周部およびダンパ
ー47の内周部を二次コイル7に取り付け、センターキ
ャップ49を振動板50の内周部または二次コイル7の
先端部に取り付ける。
【0038】図7(同図(A)はプレート30を前方側
から見た平面図、同図(B)は同図(A)のB−B線上
の断面図である)に示すように、プレート30には、前
面の中心孔30aの周囲に浅い溝30bを形成するとと
もに、所定角度位置に内周面から外周面までにわたる、
後方側に貫通するスリット30cを形成する。
【0039】また、この例では、ギャップ幅方向におい
て磁束が飽和しない程度に駆動コイル1の近傍部分に集
中してギャップ5を通るように、プレート30の後面の
中心孔30aに近い部分をテーパ面30tとする。
【0040】図8に示すように、駆動コイル1は、内周
側を巻き始めとし、外周側を巻き終りとして、環状に巻
回し、巻き始めおよび巻き終りに引出線1sおよび1e
を設ける。
【0041】また、図9に示すように、駆動コイル1
を、ギャップ長方向に分割して巻回した、例えば3個の
コイル1P,1Q,1Rで構成することができる。この
場合、それぞれのコイル1P,1Q,1Rは、内周側を
巻き始めとし、外周側を巻き終りとして、巻き始めおよ
び巻き終りに引出線1sおよび1eを設ける。
【0042】この場合、それぞれのコイル1P,1Q,
1Rを並列に接続することによって、細い線材を使用し
た駆動コイル1に、より大きな入力電流を流すことがで
きるとともに、スピーカの一次側の抵抗が小さくなるこ
とにより、スピーカを駆動する増幅器との整合が容易と
なる。
【0043】このとき、コイル1P,1Q,1Rのター
ン数は、ほぼ同一でよいが、コイル1P,1Q,1Rの
抵抗が同一となって、コイル1P,1Q,1Rに同一の
電流が流れるように、内側のコイル1Pより中間のコイ
ル1Qは、さらに中間のコイル1Qより外側のコイル1
Rは、より太い線材を使用することが望ましい。
【0044】図8のように分割されない、または図9の
ように分割した駆動コイル1を、図7に示したプレート
30の溝30b内に接着剤によって取り付け、図1に示
すように、引出線1sおよび1eを、プレート30のス
リット30c内に接着剤によって固定して、プレート3
0の外周側に引き出す。
【0045】図1に示すように、例えば、マグネット2
0の外周面に、入力端子3を取り付けた端子板4を取り
付け、プレート30の外周側に引き出した引出線1sお
よび1eを、入力端子3に半田付けによって接続する。
引出線1sおよび1eは、別個の入力端子に接続する。
【0046】ただし、後述するように、入力端子3を取
り付けた端子板4を、プレート30の外周面、フレーム
40、またはセンターポール・ヨーク10の背面などに
取り付けてもよい。
【0047】ギャップ長方向において、駆動コイル1の
内周は、プレート30の内周面に位置させてギャップ5
に臨ませ、駆動コイル1の外周は、マグネット20の内
周面近傍に位置させる。これによって、ギャップ5での
磁気力が十分に利用されるようになり、後述するよう
に、スピーカの感度が十分に高くなるとともに、駆動コ
イル1と二次コイル7との電磁結合力が低域でも十分に
大きくなる。
【0048】また、この例では、フレーム40全体また
はその底部41を鉄などの磁性体で形成して、その底部
41の内周をプレート30の内周位置まで延長するとと
もに、センターポール部11の前面を底部41の前面位
置まで延長する。これによって、ギャップ幅方向におい
て底部41でもギャップ5を通る磁束を生じるととも
に、駆動コイル1からの放熱がより良好となる。
【0049】上述した電磁結合スピーカでは、駆動コイ
ル1に信号電流を供給すると、電磁結合により二次コイ
ル7に信号電流に応じた二次電流が誘起されて、フレミ
ングの左手の法則により、二次コイル7に信号電流に応
じた駆動力を生じ、二次コイル7が固定された振動板5
0が振動して、信号電流に応じた音圧が発生する。
【0050】そして、この例によれば、駆動コイル1
は、その内周がギャップ5に臨むだけで、ギャップ5内
に存在しない。したがって、ギャップ5の長さを二次コ
イル7の厚みにクリアランスを加えたものとすることが
でき、駆動コイル1の線径やターン数と無関係にギャッ
プ5の長さを小さくすることができる。したがって、マ
グネット20として大きなものを用いなくても、すなわ
ちスピーカの大型化やコストアップをきたすことなく、
ギャップ5での磁気力を強くすることができ、スピーカ
の感度を高くすることができる。
【0051】実際上、二次コイル7の厚みを0.15m
m程度とすると、ギャップ5の長さは、これに0.40
mmを加えた0.55mm程度というように、著しく小
さくすることができる。
【0052】しかも、駆動コイル1のインダクタンスを
大きくするために駆動コイル1のターン数を多くして
も、ギャップ5の長さが大きくならず、スピーカの感度
が低下しないので、駆動コイル1のインダクタンスを大
きくすることができる。そのため、駆動コイル1と二次
コイル7との電磁結合力を低域でも大きくすることがで
き、低音の再生が可能となる。そのため、全帯域型のス
ピーカまたは低音専用のスピーカを実現することができ
る。
【0053】図14は、図1の例の電磁結合スピーカの
インピーダンス特性および再生音圧レベル特性を示し、
駆動コイル1は、内径26.06mm、外径43mm、
厚み1.5mmとして、0.25mm径の線材を124
ターンずつ、図9に示したように3分割して、総計37
2ターン巻回し、それぞれのコイル1P,1Q,1Rを
並列接続したものである。これから明らかなように、実
施例の電磁結合スピーカによれば、駆動コイル1のイン
ピーダンス(Imp)を小さくしても、低域で再生音圧
レベル(SPL)が十分に大きくなる。
【0054】これに対して、図15は、図16または図
17に示した従来の電磁結合スピーカのインピーダンス
特性および再生音圧レベル特性を示し、駆動コイル1
は、0.12mm径の線材を372ターン巻回したもの
である。これから明らかなように、従来の電磁結合スピ
ーカでは、駆動コイル1のインピーダンス(Imp)を
大きくしても、低域で再生音圧レベル(SPL)が小さ
くなる。
【0055】実施例の電磁結合スピーカを低音専用スピ
ーカとするには、二次コイル7の厚みを多少大きくして
二次コイル7を重くし、スピーカ支持系をハイコンプラ
イアンスとして、スピーカ振動系の最低共振周波数を下
げるようにした方が望ましい。また、二次コイル7をア
ルミニウムより重い銅からなる1ターンのショートされ
た円筒体とし、または銅線などの線材を複数ターンにわ
たって巻回してショートさせたものとしても、スピーカ
振動系の質量を大きくすることができ、最低共振周波数
を下げることができる。
【0056】さらに、実施例の電磁結合スピーカによれ
ば、駆動コイル1はスピーカの後方に向いた広い面にお
いてプレート30と接し、さらに図1のように駆動コイ
ル1をフレーム40の底部41とプレート30で挟む場
合にはスピーカの前方に向いた広い面において底部41
とも接するので、駆動コイル1からの放熱が瞬時になさ
れる。そのため、駆動コイル1として上記のように0.
25mm径というような太い線材を使用できることと相
まって、駆動コイル1に急激に大電流を流すことがで
き、スピーカの許容入力信号レベルを大きくすることが
できる。
【0057】以上を総合すると、実施例の電磁結合スピ
ーカによれば、小型かつ低コストで、高感度かつ大入力
・大出力の、全帯域型または低音専用のスピーカを実現
することができる。
【0058】図1の電磁結合スピーカは、以下のような
方法によって組み立てることができる。まず、駆動コイ
ル1を上記のように巻回して、プレート30の溝30b
内に接着剤によって取り付け、引出線1sおよび1eを
プレート30のスリット30c内に接着剤によって固定
して、プレート30の外周側に引き出しておく。
【0059】次に、センターポール・ヨーク10の底部
前面に、接着剤を塗布して、マグネット(正確には着磁
前のもの)20を乗せる。このとき、マグネット20の
内径がセンターポール・ヨーク10に形成したマグネッ
トガイド13の外径に入るようにして、センターポール
・ヨーク10の中心とマグネット20の中心が同心とな
るようにする。マグネット20には、あらかじめ入力端
子3を取り付けた端子板4を取り付けておく。
【0060】次に、マグネット20の前面に、接着剤を
塗布して、上記のように駆動コイル1を固定したプレー
ト30を、駆動コイル1を前方側にして乗せ、プレート
30の内径がセンターポール部11の外径と同心円状に
なるように、図示していないギャップガイドをセンター
ポール部11に差し込む。そして、接着剤の乾燥後、ギ
ャップガイドをセンターポール部11から抜き取る。
【0061】この段階で、プレート30の内周面とセン
ターポール部11の先端部の外周面との間に所定長のギ
ャップ5が形成される。この段階で、駆動コイル1の引
出線1sおよび1eを入力端子3に接続することができ
る。
【0062】次に、プレート30にフレーム40を、ネ
ジなどの手段によって取り付ける。あるいは、あらかじ
めフレーム40をプレート30に、ネジなどの手段によ
って取り付けておいてもよい。
【0063】次に、二次コイル7の内径に、図示してい
ないコイルスペーサを差し込み、ギャップ5の所定位置
に二次コイル7が位置するように、コイルスペーサをセ
ンターポール部11に差し込む。
【0064】次に、ダンパー47の外周部をフレーム4
0に接着し、内周部を二次コイル7に接着するととも
に、振動板50の外周部のエッジ51およびガスケット
45をフレーム40に接着し、振動板50の内周部を二
次コイル7に接着する。駆動コイル1の引出線1sおよ
び1eは、この段階で入力端子3に接続してもよい。
【0065】次に、接着剤の乾燥後、上記のコイルスペ
ーサをセンターポール部11から抜き取って、センター
キャップ49を振動板50の内周部または二次コイル7
の先端部に接着する。その接着剤の乾燥後、マグネット
20を着磁すれば、スピーカの組み立てが完了する。
【0066】図1の例は、入力端子3を取り付けた端子
板4をマグネット20の外周面に取り付ける場合である
が、端子板4をプレート30の外周面に取り付けてもよ
い。この場合には、あらかじめ駆動コイル1の引出線1
sおよび1eを入力端子3に接続しておくことができ
る。
【0067】また、図示していないが、フレーム40の
外側に、入力端子を取り付けた端子板をカシメなどの手
段によって取り付け、駆動コイル1の引出線1sおよび
1eを、プレート30のスリット30cからフレーム4
0の外側に引き出し、接着剤によってフレーム40に固
定して、入力端子に接続してもよい。
【0068】さらに、図示していないが、フレーム40
の底部41の、プレート30のスリット30cと同じ角
度位置にスリットを形成するとともに、フレーム40の
外側に、入力端子を取り付けた端子板をカシメなどの手
段によって取り付けて、駆動コイル1の引出線1sおよ
び1eを、プレート30のスリット30cおよび底部4
1のスリットからフレーム40の内側に引き出し、接着
剤によってフレーム40に固定して、入力端子に接続し
てもよい。
【0069】また、図示していないが、センターポール
・ヨーク10の底部に穴を形成し、背面に入力端子を取
り付けた端子板を取り付けて、駆動コイル1の引出線1
sおよび1eを、プレート30のスリット30cからマ
グネット20の内周側に引き出し、接着剤によってマグ
ネット20の内周面に固定して、センターポール・ヨー
ク10の底部の穴に挿入し、背面の入力端子に接続して
もよい。この場合には、先にプレート30にマグネット
20を取り付け、その後、マグネット20にセンターポ
ール・ヨーク10を取り付ければよい。
【0070】〔実施例2〕図2は、この発明の音響変換
器の第2の例を示し、図1の実施例1と同様に、外磁型
の電磁結合スピーカで、かつプレートに駆動コイルを設
ける場合である。
【0071】この例では、実施例1と同様にフレーム4
0全体またはその底部41を磁性体で形成するが、その
底部41を後方側に環状の浅い溝が形成される形状にし
て、その溝内においてプレート30の前面に扁平に巻回
した駆動コイル1を取り付ける。
【0072】図2では省略したが、駆動コイル1の引出
線を接続する入力端子を取り付けた端子板の取り付け位
置と、その入力端子への引出線の接続方法は、実施例1
と同様である。
【0073】〔実施例3〕図3は、この発明の音響変換
器の第3の例を示し、図1、図2の実施例1,2と同様
に、外磁型の電磁結合スピーカで、かつプレートに駆動
コイルを設ける場合である。
【0074】この例では、実施例1とは逆に、プレート
30の後面に環状の浅い溝を形成して、その溝内に扁平
に巻回した駆動コイル1を取り付ける。実施例1,2と
同様に、駆動コイル1の内周をプレート30の内周面に
位置させ、外周をマグネット20の内周面近傍に位置さ
せる。また、プレート30の前面の中心孔に近い部分を
テーパ面30tとする。
【0075】図3では省略したが、センターポール・ヨ
ーク10の底部に穴を形成し、背面に入力端子を取り付
けた端子板を取り付けて、駆動コイル1の引出線を、接
着剤によってマグネット20の内周面に固定して、セン
ターポール・ヨーク10の底部の穴に挿入し、背面の入
力端子に接続する。あるいは、プレート30またはプレ
ート30とフレーム40の底部41の所定角度位置にス
リットを形成して、これから駆動コイル1の引出線を引
き出し、マグネット20の外周面、プレート30の外周
面、またはフレーム40に取り付けた端子板上の入力端
子に接続する。
【0076】この実施例3によっても、実施例1,2と
同様に、小型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大出
力の、全帯域型または低音専用のスピーカを実現するこ
とができる。
【0077】〔実施例4〕図4は、この発明の音響変換
器の第4の例を示し、上述した各例と同様に、外磁型の
電磁結合スピーカで、かつプレートに駆動コイルを設け
る場合である。
【0078】この例では、実施例3のように溝を形成し
ないで、プレート30の後面に扁平に巻回した駆動コイ
ル1を取り付ける。
【0079】図4では省略したが、駆動コイル1の引出
線を接続する入力端子を取り付けた端子板の取り付け位
置と、その入力端子への引出線の接続方法は、実施例3
と同様である。
【0080】〔実施例5〕図5は、この発明の音響変換
器の第5の例を示し、上述した各例と同様に、外磁型の
電磁結合スピーカで、かつプレートに駆動コイルを設け
る場合である。
【0081】この例では、図2の実施例2と同様に、フ
レーム40全体またはその底部41を磁性体で形成し、
その底部41を後方側に環状の浅い溝が形成される形状
にして、その溝内においてプレート30の前面に扁平に
巻回した駆動コイル1Sを取り付けるとともに、図4の
実施例4と同様に、プレート30の後面に扁平に巻回し
た駆動コイル1Tを取り付ける。
【0082】また、この例では、ギャップ幅方向におい
て磁束が飽和しない程度に駆動コイル1S,1Tの近傍
部分に集中してギャップ5を通るように、プレート30
に、その内周面に臨ませて、前方側および後方側にテー
パ面を有する溝30eを形成する。
【0083】図8に示すように、駆動コイル1S,1T
は、それぞれ内周側を巻き始めとし、外周側を巻き終り
として、環状に巻回し、それぞれの巻き始めおよび巻き
終りに引出線1sおよび1eを設けて、その引出線1s
および1eを、実施例2,4の駆動コイル1のそれと同
様に入力端子に接続する。
【0084】この場合、駆動コイル1Sおよび1Tを直
列に接続することができ、その場合には、全体として一
つの駆動コイルのターン数をより多くし、インダクタン
スをより大きくすることができる。
【0085】また、駆動コイル1Sおよび1Tを並列に
接続することもできる。その場合には、全体として一つ
の駆動コイルに、より大きな入力電流を流すことができ
るとともに、スピーカの一次側の抵抗が小さくなること
により、スピーカを駆動する増幅器との整合が容易とな
る。
【0086】〔実施例6〕図6は、この発明の音響変換
器の第6の例を示し、外磁型の電磁結合スピーカで、か
つプレートおよびセンターポール部に駆動コイルを設け
る場合である。
【0087】この例では、図1の実施例1と同様に、プ
レート30の前面に環状の浅い溝を形成して、その溝内
に扁平に巻回した駆動コイル1Sを取り付け、フレーム
40全体またはその底部41を磁性体で形成して、その
底部41の内周をプレート30の内周位置まで延長し、
図3の実施例3と同様に、プレート30の後面に環状の
浅い溝を形成して、その溝内に扁平に巻回した駆動コイ
ル1Tを取り付けるとともに、センターポール・ヨーク
10のセンターポール部11の前面に環状の浅い溝を形
成して、その溝内に扁平に巻回した駆動コイル1Uを取
り付ける。駆動コイル1Uの外周は、センターポール部
11の外周面に位置させてギャップ5に臨ませる。
【0088】図8に示すように、駆動コイル1S,1
T,1Uは、それぞれ内周側を巻き始めとし、外周側を
巻き終りとして、環状に巻回し、それぞれの巻き始めお
よび巻き終りに引出線1sおよび1eを設けて、駆動コ
イル1S,1Tの引出線1sおよび1eを、実施例2,
4の駆動コイル1のそれと同様に入力端子に接続する。
駆動コイル1Uの引出線1sおよび1eは、図6では省
略したが、例えば、センターポール・ヨーク10に中心
孔を形成して、その中心孔に通し、センターポール・ヨ
ーク10の背面に入力端子を取り付けた端子板を取り付
けて、その入力端子に接続する。
【0089】この例でも、駆動コイル1S,1Tおよび
1Uを直列に接続することができ、その場合には、全体
として一つの駆動コイルのターン数をより多くし、イン
ダクタンスをより大きくすることができる。
【0090】また、駆動コイル1S,1Tおよび1Uを
並列に接続することもできる。その場合には、全体とし
て一つの駆動コイルに、より大きな入力電流を流すこと
ができるとともに、スピーカの一次側の抵抗が小さくな
ることにより、スピーカを駆動する増幅器との整合が容
易となる。
【0091】さらに、図10に示すように、それぞれの
駆動コイル1S,1T,1Uを、ギャップ長方向に、互
いにターン数の等しい5個のコイル1E〜1A,1J〜
1F,1O〜1Kに分割することができる。この場合
も、それぞれのコイル1E〜1A,1J〜1F,1O〜
1Kは、内周側を巻き始めとし、外周側を巻き終りとし
て、その巻き始めおよび巻き終りに引出線1sおよび1
eを設ける。
【0092】また、図11に示すように、それぞれの駆
動コイル1S,1T,1Uを、ギャップ長方向に、ター
ン数の比がN:N/2:N/4:N/8:N/16とな
る5個のコイル1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに
分割することもできる。この場合も、それぞれのコイル
1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kは、内周側を巻き
始めとし、外周側を巻き終りとして、その巻き始めおよ
び巻き終りに引出線1sおよび1eを設ける。
【0093】そして、図10または図11のように駆動
コイルを総計15個のコイル1A〜1Oに分割する場合
には、次の実施例7で示すように、駆動コイルを16ビ
ットのデジタル音声信号によって駆動することができ
る。
【0094】〔実施例7〕この発明の電気音響変換器、
例えばスピーカを、デジタル音声信号によって駆動する
場合の例を、実施例7として示す。
【0095】図12は、駆動装置部を含むスピーカ装置
の一例を示し、CDプレーヤやDAT(デジタルオーデ
ィオテープレコーダ)などからの、例えば44.1kH
zまたは48kHzのサンプリング周波数で16ビット
にデジタル化された、シリアルデータのデジタル音声信
号Dsが、シリアルパラレル変換器110によって、パ
ラレルデータのデジタル音声信号Dpに変換される。
【0096】そのパラレルデータとされた16ビットの
デジタル音声信号Dpは、図13に示すような2’sコ
ンプリメントコードで、かつ直線的に量子化されたもの
で、そのデジタル音声信号Dpから、デコーダ120に
よって、デジタル音声信号DpのMSB(最上位ビッ
ト)をサインビットとして、MSBを除く下位15ビッ
トである2SB〜LSB(最下位ビット)のそれぞれに
つき、後述するような4個の制御信号G1〜G4を生成
する。
【0097】スピーカは、例えば、図6に示したよう
に、それぞれ扁平に巻回した3枚の駆動コイル1S,1
T,1Uを有するとともに、それぞれの駆動コイル1
S,1T,1Uを、図10に示したように、ギャップ長
方向に、互いにターン数の等しい5個のコイル1E〜1
A,1J〜1F,1O〜1Kに分割し、または図11に
示したように、ギャップ長方向に、ターン数の比がN:
N/2:N/4:N/8:N/16となる5個のコイル
1E〜1A,1J〜1F,1O〜1Kに分割したもので
ある。
【0098】そして、図13に示すように、コイル1A
をデジタル音声信号DpのLSBに対応させ、以下、コ
イル1B,1C‥‥1N,1Oをデジタル音声信号Dp
の15SB,14SB‥‥3SB,2SBに対応させ
て、図12に示すように、それぞれのコイル1A‥‥1
N,1Oに対して、コイル駆動回路60A‥‥60N,
60Oを設ける。
【0099】コイル駆動回路60Aは、例えば、定電流
源65Aと、それぞれスイッチング素子としての4個の
FET61〜64と、対応するコイル1Aとを、ブリッ
ジ接続して構成し、FET61,63がオン、FET6
2,64がオフのときには、定電流源65Aの電流Ia
がコイル1Aにプラス方向に流れ、FET61,63が
オフ、FET62,64がオンのときには、定電流源6
5Aの電流Iaがコイル1Aにマイナス方向に流れ、F
ET61〜64がすべてオンまたはオフのときには、コ
イル1Aに電流が流れないようにする。他のコイル駆動
回路も、同様である。
【0100】そして、デコーダ120からの、デジタル
音声信号Dpの2SB,3SB‥‥LSBのそれぞれに
ついての制御信号G1〜G4を、対応するコイル駆動回
路60O,60N‥‥60AのそれぞれのFET61〜
64のゲートに供給する。
【0101】制御信号G1〜G4は、デジタル音声信号
DpのMSBが0で、対応する下位ビットが1のときに
は、制御信号G1,G3がFET61,63をオンにす
るレベル、制御信号G2,G4がFET62,64をオ
フにするレベルとなり、MSBが0で、対応する下位ビ
ットも0のとき、またはMSBが1で、対応する下位ビ
ットも1のときには、制御信号G1〜G4がFET61
〜64をオフにするレベルとなり、MSBが1で、対応
する下位ビットが0のときには、制御信号G1,G3が
FET61,63をオフにするレベル、制御信号G2,
G4がFET62,64をオンにするレベルとなるもの
である。
【0102】したがって、MSBが0のときには、ある
下位ビットが1のときにのみ、これに対応するコイルに
プラス方向に信号電流が流れ、逆にMSBが1のときに
は、ある下位ビットが0のときにのみ、これに対応する
コイルにマイナス方向に信号電流が流れる。
【0103】電磁結合スピーカなどの電磁結合形の電気
音響変換器の振動系の駆動力Fは、二次コイルに誘起さ
れる二次電流iと、磁気回路のギャップに生じる磁束の
密度Bと、磁気回路のギャップ内にある二次コイルの長
さLとの積として、F=BLiで表され、磁束密度Bお
よび長さLは一定であるので、振動系の駆動力Fは、二
次コイルに誘起される二次電流iに比例することにな
る。そして、二次コイルに誘起される二次電流iは、駆
動コイル(一次コイル)に流れる信号電流と駆動コイル
のターン数との積に比例する。
【0104】そして、図10のように15個のコイル1
A〜1Oのターン数を等しくする場合には、デジタル音
声信号Dpの15SB,14SB,13SB‥‥に対応
するコイル1B,1C,1D‥‥に対応するコイル駆動
回路60B,60C,60D‥‥の定電流源65B,6
5C,65D‥‥の電流Ib,Ic,Id‥‥を、デジ
タル音声信号DpのLSBに対応するコイル1Aに対応
するコイル駆動回路60Aの定電流源65Aの電流Ia
との関係で、Ib=2Ia,Ic=2Ib=4Ia,I
d=2Ic=8Ia‥‥とする。
【0105】したがって、この場合、図6のように二次
コイル7が固定された振動板50が、デジタル音声信号
DpのMSBの値に応じた方向に、15個のコイル1A
〜1Oのそれぞれに対応するビットの重みに比例した量
だけ偏位し、デジタル音声信号Dpに忠実に音声が再生
されることになる。
【0106】また、図11のように15個のコイル1A
〜1O中のコイル1E,1J,1Oとコイル1D,1
I,1Nとコイル1C,1H,1Mとコイル1B,1
G,1Lとコイル1A,1F,1Kとのターン数の比を
N:N/2:N/4:N/8:N/16とする場合に
は、デジタル音声信号Dpの15SB,14SB,13
SB12SB,11SB,10SB,9SB,8SB,
7SB,6SB,5SB,4SB,3SB,2SBに対
応するコイル1B,1C,1D,1E,1F,1G,1
H,1I,1J,1K,1L,1M,1N,1Oに対応
するコイル駆動回路60B,60C,60D,60E,
60F,60G,60H,60I,60J,60K,6
0L,60M,60N,60Oの定電流源65B,65
C,65D,65E,65F,65G,65H,65
I,65J,65K,65L,65M,65N,65O
の電流Ib,Ic,Id,Ie,If,Ig,Ih,I
i,Ij,Ik,Il,Im,In,Ioを、デジタル
音声信号DpのLSBに対応するコイル1Aに対応する
コイル駆動回路60Aの定電流源65Aの電流Iaとの
関係で、Ia=Ib=Ic=Id=Ie,If=Ig=
Ih=Ii=Ij=32Ia,Ik=Il=Im=In
=Io=32If=32×32Iaとする。
【0107】したがって、この場合にも、図6のように
二次コイル7が固定された振動板50が、デジタル音声
信号DpのMSBの値に応じた方向に、15個のコイル
1A〜1Oのそれぞれに対応するビットの重みに比例し
た量だけ偏位し、デジタル音声信号Dpに忠実に音声が
再生されることになる。しかも、この場合には、最小の
電流値と最大の電流値との間の電流値の比を、1:32
×32というように小さくすることができる。
【0108】スピーカ振動系は、20kHzを超えるよ
うな高い周波数の成分はほとんど再生しない。したがっ
て、上述した各例のように駆動コイルの各コイル1A〜
1Oを44.1kHzまたは48kHzのサンプリング
周波数のデジタル音声信号Dpで駆動しても、そのサン
プリング周波数成分はほとんど再生されない。かりに微
小な音圧で再生されても、20kHzを超える音は人間
の耳でほとんど聞き取ることができないので、音楽を聴
く時などでも支障を生じない。
【0109】そして、上述した各例によれば、D/Aコ
ンバータおよびパワーアンプを使用しないで、デジタル
音声信号によって直接、音声を再生する、歪みの小さ
い、最大出力の大きいスピーカを実現することができ
る。
【0110】なお、上述したように駆動コイルをデジタ
ル音声信号によって駆動する場合、駆動電流の小さいビ
ットに対応する駆動コイルは相対的に細くし、駆動電流
の大きいビットに対応する駆動コイルは相対的に太くす
ることによって、歪みが小さく効率の良い駆動を行うこ
とができる。
【0111】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、小
型かつ低コストで、高感度かつ大入力・大出力の、全帯
域型または低音専用の音響変換器を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の音響変換器を示す断面図である。
【図2】実施例2の音響変換器を示す断面図である。
【図3】実施例3の音響変換器を示す断面図である。
【図4】実施例4の音響変換器を示す断面図である。
【図5】実施例5の音響変換器を示す断面図である。
【図6】実施例6の音響変換器を示す断面図である。
【図7】プレートの一例を示す平面図および断面図であ
る。
【図8】第1コイルの一例を示す平面図および断面図で
ある。
【図9】第1コイルの他の例を示す平面図および断面図
である。
【図10】第1コイルのさらに他の例を示す平面図およ
び断面図である。
【図11】第1コイルのさらに他の例を示す平面図およ
び断面図である。
【図12】この発明の電気音響変換器をデジタル音声信
号によって駆動する場合の駆動装置部を含む変換器装置
の一例を示す接続図である。
【図13】図12の変換器装置におけるデジタル音声信
号の各ビットと各コイルとの関係を示す図である。
【図14】この発明の電気音響変換器のインピーダンス
特性および再生音圧レベル特性の一例を示す図である。
【図15】従来の電磁結合スピーカのインピーダンス特
性および再生音圧レベル特性の一例を示す図である。
【図16】従来の電磁結合スピーカの一例を示す断面図
である。
【図17】従来の電磁結合スピーカの他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1,1S,1T,1U…駆動コイル(第1コイル)、1
A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1
I,1J,1K,1L,1M,1N,1O,1P,1
Q,1R…コイル、1s,1e…引出線、3…入力端
子、4…端子板、5…ギャップ、6…磁気回路、7…二
次コイル(第2コイル)、10…センターポール・ヨー
ク、11…センターポール部、20…マグネット、30
…プレート、30b…溝、30c…スリット、30t…
テーパ面、30e…溝、40…フレーム、41…底部、
50…振動板、60A〜60O…コイル駆動回路、65
A〜65O…定電流源、110…シリアルパラレル変換
器、120…デコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村口 高弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネットとともに磁気回路を構成し、か
    つ互いの対向する端部の間に所定長のギャップを形成す
    る第1磁性体部品および第2磁性体部品のうちの、少な
    くとも第1磁性体部品の、当該音響変換器の前方または
    後方に向いた面上に、扁平に巻回した第1コイルを、そ
    の内周または外周を前記ギャップに臨ませて配置し、前
    記ギャップ内に、振動板に固定したショートされた第2
    コイルを配置した音響変換器。
  2. 【請求項2】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルが一次コイルとしての駆動コイルであ
    り、当該音響変換器が電気音響変換器である音響変換
    器。
  3. 【請求項3】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルが二次コイルとしての出力コイルであ
    り、当該音響変換器が音響電気変換器である音響変換
    器。
  4. 【請求項4】請求項1の音響変換器において、 前記第1磁性体部品がプレートであり、前記第2磁性体
    部品がセンターポール・ヨークのセンターポール部また
    は前記マグネットを介してヨークに取り付けたポールピ
    ースである音響変換器。
  5. 【請求項5】請求項1の音響変換器において、 前記第1磁性体部品がセンターポール・ヨークのセンタ
    ーポール部または前記マグネットを介してヨークに取り
    付けたポールピースであり、前記第2磁性体部品がプレ
    ートである音響変換器。
  6. 【請求項6】請求項1の音響変換器において、 前記第1コイルを分割して巻回した複数のコイルで構成
    し、その複数のコイルを直列または並列に接続した音響
    変換器。
  7. 【請求項7】請求項2の音響変換器において、 前記駆動コイルをデジタル音声信号によって駆動する音
    響変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109429153A (zh) * 2017-08-25 2019-03-05 惠州超声音响有限公司 同轴双音圈驱动组件

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