JPH1066186A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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Publication number
JPH1066186A
JPH1066186A JP35688496A JP35688496A JPH1066186A JP H1066186 A JPH1066186 A JP H1066186A JP 35688496 A JP35688496 A JP 35688496A JP 35688496 A JP35688496 A JP 35688496A JP H1066186 A JPH1066186 A JP H1066186A
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JP
Japan
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coil
speaker
center pole
gap
primary coil
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Application number
JP35688496A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Jun Kishigami
純 岸上
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁結合スピーカの磁気回路の空隙での磁力
を大きくすることができ、これによりスピーカの感度を
高くすることができ、出力音圧レベルを大きくすること
ができるようにする。 【解決手段】 センターポール・ヨーク11のセンター
ポール部12のフランジ部14側の外周面に、駆動コイ
ルである一次コイル1を取り付ける。一次コイル1の錦
糸線からなるコイル引出線17を、フランジ部14の開
口15に挿入して、端子板16上の入力端子18に半田
付けする。センターポール・ヨーク11およびプレート
22とマグネット21とによって、センターポール部1
2とプレート22との間に空隙23を有する磁気回路2
0を構成し、コーン32に固定して空隙23内に、ショ
ートコイルを構成する二次コイル2を配する。一次コイ
ル1をセンターポール部12の空隙23から外れた位置
に設けるので、磁気回路20の空隙23を狭くすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音響再生用のス
ピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音響再生用のスピーカとして、センター
ポール・ヨークとプレートとによってマグネットを挟ん
で、センターポール・ヨークのセンターポール部とプレ
ートとの間に空隙を有する磁気回路を構成し、その磁気
回路の空隙内においてセンターポール部またはプレート
に、駆動コイルである一次コイルを固定し、これと対向
するように振動板に固定して磁気回路の空隙内に、ショ
ートコイルを構成する二次コイルを配した電磁結合(電
磁誘導形)スピーカが知られ、実用化されている。
【0003】この電磁結合スピーカでは、駆動コイルで
ある一次コイルに流れる信号電流によって、ショートコ
イルを構成する二次コイルに二次電流が誘起され、磁気
回路の空隙に生じる磁束との相互作用によって、フレミ
ングの左手の法則により、二次コイルに二次電流に応じ
た駆動力を生じて、二次コイルが固定された振動板が偏
位する。
【0004】この電磁結合スピーカは、信号電流が流れ
る一次コイルが、鉄などの磁性材料からなるセンターポ
ール部またはプレートに固定されるため、放熱性に優
れ、大入力にも耐えられる利点がある。また、ショート
コイルを構成する二次コイルを、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターン分のパイプないし
円筒体によって構成すれば、歪みを少なくすることがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電磁結合スピーカで
は、従来、駆動コイルである一次コイルが、磁気回路の
空隙内において、センターポール部の外周面またはプレ
ートの内周面に取り付けられている。
【0006】すなわち、図7は従来の電磁結合スピーカ
の一例を示し、センターポール・ヨーク11のセンター
ポール部12の先端部の周囲に凹部13が形成され、駆
動コイルである一次コイル1が、この凹部13に嵌め込
まれてセンターポール部12に取り付けられる。
【0007】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14には、センターポール部12と近接する位置におい
て、開口15が形成され、フランジ部14の後面には、
端子板16が取り付けられる。そして、一次コイル1の
例えば錦糸線からなるコイル引出線17が、センターポ
ール部12の周面に接着されて開口15に挿入され、端
子板16上の入力端子18に半田付けによって接続され
る。
【0008】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14の前面には、マグネット21が接着され、マグネッ
ト21の前面には、プレート22が接着されて、センタ
ーポール部12の先端部の外周面とプレート22の内周
面との間に空隙23を有する磁気回路20が形成され
る。
【0009】磁気回路20の空隙23内には、ショート
コイルを構成する二次コイル2が挿入される。二次コイ
ル2は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムからな
る、1ターン分のパイプないし円筒体とされる。
【0010】二次コイル2には、外周部にエッジ31が
付いたコーン32の内周部、センターキャップ33、お
よびダンパー34の内周部が、取り付けられる。また、
プレート22には、スピーカフレーム35が取り付けら
れ、コーン32の外周部のエッジ31、およびガスケッ
ト36が、スピーカフレーム35に取り付けられるとと
もに、ダンパー34の外周部が、スピーカフレーム35
に取り付けられる。
【0011】しかしながら、従来の電磁結合スピーカ
は、図7に示したように、磁気回路20の空隙23内に
おいて、センターポール部12の外周面またはプレート
22の内周面に一次コイル1が取り付けられるので、そ
の一次コイル1の厚みの分だけ磁気回路20の空隙23
が広くなり、空隙23での磁力が小さくなって、スピー
カの感度が低くなり、スピーカの出力音圧レベルが小さ
くなる欠点がある。
【0012】そこで、この発明は、電磁結合スピーカで
あるスピーカ装置において、スピーカの磁気回路の空隙
での磁力を大きくすることができ、これによりスピーカ
の感度を高くすることができ、出力音圧レベルを大きく
することができるようにしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明では、スピーカ
装置を、センターポール・ヨークおよびプレートとマグ
ネットとによって形成されて、前記センターポール・ヨ
ークのセンターポール部と前記プレートとの間に空隙を
有する磁気回路を備え、前記センターポール部の前記空
隙より後方側の外周面に、一次コイルの全部または一部
が固定されるとともに、振動板に固定されて前記空隙内
に、ショートコイルを構成する二次コイルが配された、
ものとする。
【0014】このように構成した、この発明のスピーカ
装置においては、一次コイルの全部または一部が、セン
ターポール部の空隙から外れた位置に設けられるので、
一次コイルの全部または一部の厚みの分、磁気回路の空
隙を狭くすることができ、磁気回路の空隙での磁力を大
きくすることができる。
【0015】しかも、その一次コイルの全部または一部
は、空隙内に設ける場合のように細い線を少数のターン
数で巻回する必要がなく、太い線を多数のターン数で巻
回することができるので、一次コイルに流れる信号電流
による磁気の変化も大きくすることができる。
【0016】したがって、スピーカの感度を相乗的に高
くすることができ、スピーカの出力音圧レベルを著しく
大きくすることができる。しかも、一次コイルを太い線
で巻回することができるので、スピーカの許容入力レベ
ルを大きくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1および図2は、この発明のス
ピーカ装置の一例を示し、図1は、スピーカユニット全
体を示し、図2は、そのセンターポール・ヨーク部分を
示す。この例のスピーカユニット10では、センターポ
ール・ヨーク11のセンターポール部12のフランジ部
14側の外周面に、駆動コイルである一次コイル1の全
部が取り付けられる。
【0018】一次コイル1は、図3に示すように空芯コ
イルとして巻回されて、センターポール部12のフラン
ジ部14側の外周面に圧入接着され、またはセンターポ
ール部12のフランジ部14側の外周面に直接、巻回さ
れる。または、図示していないが、磁性体ボビンに一次
コイルが巻回されて、その磁性体ボビンがセンターポー
ル部12のフランジ部14側の外周面に圧入接着され
る。
【0019】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14には、センターポール部12と近接する位置におい
て、開口15が形成され、フランジ部14の後面には、
端子板16が取り付けられる。そして、一次コイル1の
例えば錦糸線からなるコイル引出線17が、開口15に
挿入されて、端子板16上の入力端子18に半田付けに
よって接続される。
【0020】コイル引出線17は、一次コイル1の巻き
始め部および巻き終り部に、それぞれ設けられて、それ
ぞれが別個の入力端子に接続される。また、後述するよ
うに一次コイル1が複数のコイルで構成される場合に
は、それぞれのコイルのコイル引出線17が、開口15
に挿入されて、端子板16上の入力端子18に接続され
る。
【0021】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14の前面には、マグネット21が接着され、マグネッ
ト21の前面には、プレート22が接着されて、センタ
ーポール部12の先端部の外周面とプレート22の内周
面との間に空隙23を有する磁気回路20が形成され
る。
【0022】磁気回路20の空隙23内には、ショート
コイルを構成する二次コイル2が挿入される。二次コイ
ル2は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムからな
る、1ターン分のパイプないし円筒体とされ、これによ
って、二次コイル2を巻装するボビンを省略することが
できる。
【0023】二次コイル2には、外周部にエッジ31が
付いたコーン32の内周部、センターキャップ33、お
よびダンパー34の内周部が、取り付けられる。また、
プレート22には、スピーカフレーム35が取り付けら
れ、コーン32の外周部のエッジ31、およびガスケッ
ト36が、スピーカフレーム35に取り付けられるとと
もに、ダンパー34の外周部が、スピーカフレーム35
に取り付けられる。
【0024】この例のスピーカユニット10では、一次
コイル1の全部がセンターポール部12の空隙23から
外れた位置に設けられるので、一次コイル1の全部の厚
みの分、磁気回路20の空隙23を狭くすることがで
き、空隙23を著しく狭くすることができる。したがっ
て、空隙23での磁力を著しく大きくすることができ
る。
【0025】しかも、一次コイル1は、図7に示したよ
うに空隙23内に設ける場合のように細い線を少数のタ
ーン数で巻回する必要がなく、太い線を多数のターン数
で巻回することができるので、一次コイル1に流れる信
号電流による磁気の変化も大きくすることができる。
【0026】具体的に、センターポール部12の口径が
19.86mmの場合を例にとって一次コイル1の線径
およびターン数を比較すると、図7に示したように一次
コイル1を空隙23内に設ける場合には、例えば0.1
6mmの線径の銅線を117ターンしか、巻回できない
のに対して、図1の例のように一次コイル1をセンター
ポール部12のフランジ部14側の外周面に設ける場合
には、例えば0.25mmの線径の銅線を293ター
ン、巻回することができる。
【0027】したがって、一次コイル1に流れる信号電
流が同一とすると、図1の例のように一次コイル1をセ
ンターポール部12のフランジ部14側の外周面に設け
る場合には、図7に示したように一次コイル1を空隙2
3内に設ける場合の、約3倍の磁気の変化を発生させる
ことができる。
【0028】したがって、図1の例のスピーカ装置で
は、空隙23を著しく狭くできることにより、空隙23
での磁力を著しく大きくできることと、一次コイル1を
太い線で多数ターン、巻回できることにより、一次コイ
ル1に流れる信号電流による磁気の変化を大きくできる
こととが相まって、スピーカユニット10の感度を相乗
的に高くすることができ、出力音圧レベルを著しく大き
くすることができる。
【0029】しかも、一次コイル1を太い線で巻回する
ことができるので、スピーカユニット10の許容入力レ
ベルを大きくすることができるとともに、一次コイル1
のセンターポール部12への取り付けは精度が低くてよ
いので、スピーカの組み立てが容易となり、量産性がよ
くなる。
【0030】上述したスピーカユニット10は、以下の
ような方法によって組み立てることができる。まず、上
述したように、センターポール・ヨーク11のセンター
ポール部12のフランジ部14側の外周面に、一次コイ
ル1を取り付けて、そのコイル引出線17を、開口15
に挿入して、入力端子18に接続する。
【0031】次に、センターポール・ヨーク11のフラ
ンジ部14の前面に、接着剤を塗布して、マグネット2
1を乗せる。このとき、マグネット21の内径が、セン
ターポール・ヨーク11に設けられたマグネットガイド
14aの外径に入るようにする。さらに、マグネット2
1の前面に、接着剤を塗布して、プレート22を乗せ
る。
【0032】プレート22には、あらかじめスピーカフ
レーム35を、カシメなどの手段によって取り付けてお
く。あるいは、磁気回路20の完成後に、プレート22
にスピーカフレーム35を、ネジなどの手段によって取
り付けてもよい。以下の方法は、あらかじめスピーカフ
レーム35をプレート22に取り付けておく場合であ
る。
【0033】次に、プレート22の内径とセンターポー
ル部12の外径が同心円状になるように、図示していな
いギャップガイドをセンターポール部12に差し込み、
接着剤の乾燥後、ギャップガイドをセンターポール部1
2から抜き取る。
【0034】次に、ショートコイルを構成する二次コイ
ル2と、図示していないコイルスペーサとを用意して、
二次コイル2の内径にコイルスペーサを差し込み、磁気
回路20の空隙23の所定位置に二次コイル2が位置す
るように、センターポール部12にコイルスペーサを差
し込む。
【0035】次に、ダンパー34の外周部をスピーカフ
レーム35に、内周部を二次コイル2に、それぞれ接着
するとともに、外周部にエッジ31が付いたコーン32
の外周部のエッジ31、およびガスケット36を、スピ
ーカフレーム35に取り付け、コーン32の内周部を、
二次コイル2に取り付ける。
【0036】次に、接着剤の乾燥後、コイルスペーサを
センターポール部12から抜き取って、センターキャッ
プ33を、コーン32の内周部または二次コイル2の先
端部に接着する。その接着剤の乾燥後、マグネット21
を着磁すれば、スピーカユニット10の組み立てが完了
する。
【0037】図4および図5は、この発明のスピーカ装
置の他の例を示し、図4は、スピーカユニット全体を示
し、図5は、そのセンターポール・ヨーク部分を示す。
この例のスピーカユニット10では、センターポール・
ヨーク11のセンターポール部12のフランジ部14側
の外周面に、一次コイルの一部のコイル1aが取り付け
られるとともに、磁気回路20の空隙23内において、
センターポール部12の先端部の外周面に、一次コイル
の残部のコイル1bが取り付けられる。
【0038】この場合、コイル1aとしては太い線が巻
回され、コイル1bとしては細い線が巻回される。ま
た、コイル1aおよび1bは、先にコイル1aがセンタ
ーポール部12に取り付けられ、コイル1aの取り付け
後、コイル1bがセンターポール部12に取り付けられ
る。
【0039】コイル1aおよび1bには、それぞれ例え
ば錦糸線からなるコイル引出線17aおよび17bが設
けられ、コイル引出線17aが、開口15に挿入され
て、端子板16上の入力端子18に接続され、コイル引
出線17bは、センターポール部12の外周面およびコ
イル1aの外周面に接着されて、開口15に挿入され、
端子板16上の入力端子18に接続される。
【0040】そのほかは、図1に示した例と同じであ
り、スピーカユニット10の組み立て方法も、図1に示
した例と同じである。
【0041】この例のスピーカユニット10では、一次
コイルの一部のコイル1bが空隙23内に設けられるの
で、図1の例ほどではないが、一次コイルの一部のコイ
ル1aがセンターポール部12の空隙23から外れた位
置に設けられるので、コイル1aの厚みの分、磁気回路
20の空隙23を狭くすることができ、空隙23での磁
力を大きくすることができる。しかも、コイル1aは太
い線を多数のターン数で巻回することができ、コイル1
aに流れる信号電流による磁界の変化を大きくすること
ができる。したがって、スピーカユニット10の感度を
相乗的に高くすることができ、出力音圧レベルを著しく
大きくすることができる。
【0042】なお、図示していないが、一次コイルの一
部のコイルがプレート22の内周面に取り付けられても
よい。この場合、プレート22に取り付けられたコイル
のコイル引出線は、例えば、プレート22とマグネット
21との間に挿入されて、プレート22の外周面に取り
付けられた端子板上の入力端子に接続される。
【0043】図6は、上述したスピーカユニット10の
一次コイル1または1a,1bをデジタル音声信号によ
って駆動する、この発明のスピーカ装置の一例を示し、
シリアルパラレル変換器220では、例えば44.1k
Hzまたは48kHzのサンプリング周波数で16ビッ
トにデジタル化された、シリアルデータのデジタル音声
信号Dsが、パラレルデータのデジタル音声信号Dpに
変換される。
【0044】ただし、この例は、その16ビットのデジ
タル音声信号DsおよびDpが、自然2進符号である場
合、または、シリアルパラレル変換器220に供給され
るシリアルデータのデジタル音声信号Dsは、2’コン
プリメントコードで、これがシリアルパラレル変換器2
20において、パラレルデータに変換されるとともに、
自然2進符号に変換されて、シリアルパラレル変換器2
20からのパラレルデータのデジタル音声信号Dpとし
ては、自然2進符号とされる場合である。また、この例
は、デジタル音声信号DsおよびDpが、直線的に量子
化されたものである場合である。
【0045】スピーカユニット10は、図1または図4
に示したような電磁結合スピーカで、この例では、上記
の一次コイル1または1a,1bが、16個のコイル1
A〜1N,1P,1Qで構成され、コイル1A〜1N,
1P,1Qに対して、それぞれ定電流源61A〜61
N,61P,61Qが、それぞれスイッチ回路62A〜
62N,62P,62Qを介して接続され、シリアルパ
ラレル変換器220からのデジタル音声信号Dpの各ビ
ットの信号によって、スイッチ回路62A〜62N,6
2P,62Qが切り換えられる。
【0046】電磁結合スピーカの振動系の駆動力Fは、
二次コイルに誘起される二次電流iと、磁気回路の空隙
に生じる磁束の密度Bと、磁気回路の空隙内にある二次
コイルの長さLとの積として、F=BLiで表され、磁
束密度Bおよび長さLは一定であるので、振動系の駆動
力Fは、二次コイルに誘起される二次電流iに比例する
ことになる。そして、二次コイルに誘起される二次電流
iは、一次コイルに流れる信号電流と一次コイルのター
ン数(インピーダンス)との積に比例する。
【0047】そして、図6の例のスピーカ装置では、一
例として、コイル1Aが1ターン、コイル1Bが2ター
ン、コイル1Cが4ターン、というように、デジタル音
声信号Dpの各ビットの重みに対応して、それぞれのコ
イル1A〜1N,1P,1Qのターン数が、一つ下位の
ビットに対応するコイルのターン数の2倍とされるとと
もに、それぞれの定電流源61A〜61N,61P,6
1Qの電流Ia〜In,Ip,Iqが、互いに等しくさ
れる。すなわち、Iq=Ip=In=…=Iaとされ
る。
【0048】または、コイル1A〜1N,1P,1Q
が、すべて同一のターン数とされるとともに、デジタル
音声信号Dpの15SBに対応する定電流源61Bの電
流Ibが、LSBに対応する定電流源61Aの電流Ia
の2倍とされ、すなわちIb=2Iaとされ、以下、1
4SB,13SB,12SB…に対応する定電流源61
C,61D,61E…の電流Ic,Id,Ie…が、電
流Ib,Ic,Id…の2倍とされる。
【0049】したがって、図6の例のスピーカ装置にお
いては、スピーカユニット10において、コーン32
が、一方向に、シリアルパラレル変換器220からのデ
ジタル音声信号Dpの各ビットの重みに比例した量だけ
偏位し、シリアルパラレル変換器220からのデジタル
音声信号Dpに忠実に音声が再生される。
【0050】なお、コイル1A〜1Qのターン数を等比
級数的に変える場合には、コイル1A〜1Q全体のター
ン数が著しく多くなるので、コイル1A〜1Qである図
1の例の一次コイル1、またはコイル1A〜1Qの一部
である図4の例のコイル1aは、実際上、細い線で巻回
する必要がある。
【0051】これに対して、コイル1A〜1Qを同一の
ターン数とする場合には、それぞれを15ターンとして
も、コイル1A〜1Q全体のターン数は240ターンで
よいので、コイル1A〜1Qである図1の例の一次コイ
ル1、またはコイル1A〜1Qの一部である図4の例の
コイル1aを、上述したように太い線で巻回することが
できる。
【0052】一般に、電磁結合スピーカは、放熱性に優
れ、大入力にも耐えられ、歪みを少なくすることができ
るが、一次コイルに流れる信号電流によって二次コイル
に二次電流が誘起される電磁結合力が、数kHzないし
1kHz以下の低域で小さくなって、音声の再生に必要
な20Hzまでの再生は困難である。そのため、電磁結
合スピーカは、従来、主として高音再生用のスピーカと
して用いられている。
【0053】しかし、図6のシリアルパラレル変換器2
20からのデジタル音声信号Dpは、例えば44.1k
Hzまたは48kHzのサンプリング周波数でデジタル
化されたもので、コイル1A〜1Qは、同じサンプリン
グ周波数のデジタル信号で駆動されるので、デジタル化
される前の音声信号の数kHzないし1kHz以下とい
うような低域成分も、コイル1A〜1Qに流れる信号電
流としては20kHzを超える高い周波数となる。
【0054】したがって、電磁結合スピーカであるスピ
ーカユニット10によって低域までの再生が可能とな
り、低音から高音までを再生するフルレンジスピーカを
実現することができる。
【0055】一般のスピーカと同様に、スピーカユニッ
ト10の振動系は、高域には反応しにくく、特に20k
Hzを超えるような高い周波数の成分はほとんど再生し
ない。したがって、コイル1A〜1Qが44.1kHz
または48kHzのサンプリング周波数のデジタル信号
で駆動されても、そのサンプリング周波数成分はほとん
ど再生されない。かりに微小な音圧で再生されても、2
0kHzを超える音は人間の耳でほとんど聞き取ること
ができないので、音楽を聴く時などでも支障を生じな
い。また、20kHz以上を阻止帯域とするメカニカル
フィルタを、意図的に形成して、スピーカユニット10
に組み込むことも容易である。
【0056】しかも、D/A変換器およびパワーアンプ
を使用しないで、デジタル音声信号によって直接、音声
を再生する、歪みの小さいスピーカ装置を実現すること
ができる。そして、図6の例のスピーカ装置では、上述
したように、スピーカユニット10の感度を高くするこ
とができ、出力音圧レベルを大きくすることができると
ともに、許容入力レベルを大きくすることができる。
【0057】図6の例は、デジタル音声信号Dsおよび
Dpが直線的に量子化されていて、コイル1A〜1Qの
ターン数、または定電流源61A〜61Qの電流Ia〜
Iqが、等比級数的に変えられる場合であるが、デジタ
ル音声信号DsおよびDpが非直線的に量子化されてい
る場合には、その量子化の態様に応じて、コイル1A〜
1Qのターン数、または定電流源61A〜61Qの電流
Ia〜Iqを変えればよい。
【0058】また、図6の例は、一次コイルが16個の
コイル1A〜1Qで構成される場合であるが、一次コイ
ルはシリアルパラレル変換器220からのデジタル音声
信号Dpの各ビットに共通の1個のコイルで構成しても
よい。もちろん、その場合には、定電流源61A〜61
Qの電流Ia〜Iqを上述したように変える必要があ
る。
【0059】そして、一次コイルを1個のコイルで構成
する場合には、一次コイル全体のターン数を少なくする
ことができるので、図1の例のように一次コイル1の全
部をセンターポール部12の空隙23から外れた位置に
設けることができるとともに、一次コイル1を太い線で
巻回することができる。
【0060】さらに、一次コイルを、それぞれがシリア
ルパラレル変換器220からのデジタル音声信号Dpの
一部の複数ビットに共通の複数のコイルで、例えば、そ
れぞれ8ビットに共通の2個のコイル、または4ビット
に共通の4個のコイルで、構成することもできる。
【0061】なお、デジタル音声信号DsおよびDp
が、2’sコンプリメントコードである場合、または、
シリアルパラレル変換器220に供給されるシリアルデ
ータのデジタル音声信号Dsは、自然2進符号で、これ
がシリアルパラレル変換器220において、パラレルデ
ータに変換されるとともに、2’sコンプリメントコー
ドに変換されて、シリアルパラレル変換器220からの
パラレルデータのデジタル音声信号Dpとしては、2’
sコンプリメントコードとされる場合には、デジタル音
声信号DpのMSBに対応する定電流源61Qおよびス
イッチ回路62Qを無くすとともに、下位ビット(LS
B〜2SB)に対応する定電流源61A〜61Pとし
て、それぞれデジタル音声信号DpのMSBの値に応じ
て、MSBが0であるときには、対応する下位ビットが
アクティブのときに一次コイルにプラス方向の電流を供
給し、MSBが1であるときには、対応する下位ビット
がアクティブのときに一次コイルにマイナス方向の電流
を供給するものを用いればよい。
【0062】これによって、スピーカユニット10にお
いては、コーン32が、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号DpのMSBの値に応じた方向
に、MSBを除く各ビットの重みに比例した量だけ偏位
し、シリアルパラレル変換器220からのデジタル音声
信号Dpに忠実に音声が再生される。
【0063】図1または図4に示したようなスピーカユ
ニット10の一次コイル1または1a,1bを、アナロ
グ音声信号によって駆動することもできる。ただし、電
磁結合スピーカは、上述したように数kHzないし1k
Hz以下の低域で電磁結合力が小さくなる。
【0064】そこで、スピーカユニット10の一次コイ
ル1または1a,1bをアナログ音声信号によって駆動
する場合には、入力アナログ音声信号を、可聴周波数よ
り高い周波数、すなわち可聴周波数の上限と言われる2
0kHzを超える周波数、具体的には20kHzの2倍
前後の高い周波数でチョッピングし、パワーアンプで増
幅して、スピーカユニット10の一次コイル1または1
a,1bに供給することが望ましい。この場合、チョッ
ピング期間の時間幅は、チョッピング周期に比べて十分
短くし、例えばチョッピング周期の1/10ないしそれ
以下とする。
【0065】これによれば、アナログ音声信号の低域成
分も、スピーカユニット10の一次コイル1または1
a,1bに流れる信号電流としては、20kHzを超え
るような高い周波数となる。したがって、電磁結合スピ
ーカであるスピーカユニット10によって低域までの再
生が可能となる。
【0066】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、電
磁結合スピーカの磁気回路の空隙での磁力を大きくする
ことができ、これによりスピーカの感度を高くすること
ができ、出力音圧レベルを大きくすることができる。ま
た、スピーカの許容入力レベルを大きくすることができ
るとともに、スピーカの組み立てが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスピーカ装置のスピーカユニットの
一例を示す断面図である。
【図2】図1のスピーカユニットのセンターポール・ヨ
ーク部分を示す斜視図である。
【図3】図1のスピーカユニットの一次コイルの例を示
す斜視図および断面図である。
【図4】この発明のスピーカ装置のスピーカユニットの
他の例を示す断面図である。
【図5】図4のスピーカユニットのセンターポール・ヨ
ーク部分を示す斜視図である。
【図6】この発明のスピーカ装置の一例を示す接続図で
ある。
【図7】電磁結合スピーカの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…スピーカユニット、1,1a,1b,1A〜1
N,1P,1Q…一次コイル、2…二次コイル、11…
センターポール・ヨーク、12…センターポール部、1
4…フランジ部、16…端子板、17…コイル引出線、
18…入力端子、20…磁気回路、21…マグネット、
22…プレート、23…空隙、32…コーン、40…ス
ピーカ駆動回路、61A〜61N,61P,61Q…定
電流源、62A〜62N,62P,62Q…スイッチ回
路、220…シリアルパラレル変換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】センターポール・ヨークおよびプレートと
    マグネットとによって形成されて、前記センターポール
    ・ヨークのセンターポール部と前記プレートとの間に空
    隙を有する磁気回路を備え、 前記センターポール部の前記空隙より後方側の外周面
    に、一次コイルの全部または一部が固定されるととも
    に、振動板に固定されて前記空隙内に、ショートコイル
    を構成する二次コイルが配された、 スピーカ装置。
  2. 【請求項2】スピーカユニットと、スピーカ駆動回路と
    を備え、 前記スピーカユニットは、 センターポール・ヨークおよびプレートとマグネットと
    によって形成されて、前記センターポール・ヨークのセ
    ンターポール部と前記プレートとの間に空隙を有する磁
    気回路を備え、 前記センターポール部の前記空隙より後方側の外周面
    に、一次コイルの全部または一部が固定されるととも
    に、振動板に固定されて前記空隙内に、ショートコイル
    を構成する二次コイルが配され、 前記スピーカ駆動回路は、前記スピーカユニットの前記
    一次コイルをデジタル音声信号によって駆動する、 スピーカ装置。
JP35688496A 1996-06-11 1996-12-26 スピーカ装置 Pending JPH1066186A (ja)

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JP8-171834 1996-06-11
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010004421A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Foster Electric Co Ltd 電気音響変換器

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JP2010004421A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Foster Electric Co Ltd 電気音響変換器

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