JPH1056686A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JPH1056686A
JPH1056686A JP8359043A JP35904396A JPH1056686A JP H1056686 A JPH1056686 A JP H1056686A JP 8359043 A JP8359043 A JP 8359043A JP 35904396 A JP35904396 A JP 35904396A JP H1056686 A JPH1056686 A JP H1056686A
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JP
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speaker
bit
coil
coils
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JP8359043A
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English (en)
Inventor
Takahiro Muraguchi
高弘 村口
Jun Kishigami
純 岸上
Masao Fujihira
正男 藤平
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁結合スピーカなどのスピーカの駆動コイ
ルをデジタル音声信号によって駆動する場合において、
すべての駆動コイルのトータルのターン数を著しく少な
くすることができるようにする。 【解決手段】 電磁結合スピーカであるスピーカユニッ
ト10の一次コイルを16個のコイル1A〜1N,1
P,1Qで構成して、コイル1A〜1Qに対して定電流
源61A〜61Qをスイッチ回路62A〜62Qを介し
て接続し、スイッチ回路62A〜62Qをデジタル音声
信号Dpの対応するビットのデータによって切り換え
る。コイル1A,1E,1I,1Mを10ターン、コイ
ル1B,1F,1J,1Nを20ターン、コイル1C,
1G,1K,1Pを40ターン、コイル1D,1H,1
L,1Qを80ターンとし、定電流源61A〜61D,
61E〜61H,61I〜61L,61M〜61Qの電
流を、それぞれIa,16Ia,16Ia,16
aとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音響再生用のス
ピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音響再生用のスピーカとしては、各種の
タイプのものが考えられ、実用化されている。
【0003】例えば、センターポール・ヨークとプレー
トとによってマグネットを挟んで、センターポール・ヨ
ークのセンターポール部とプレートとの間に空隙を有す
る磁気回路を構成し、その磁気回路の空隙内においてセ
ンターポール部またはプレートに、駆動コイルである一
次コイルを固定し、これと対向するように振動板に固定
して磁気回路の空隙内に、ショートコイルを構成する二
次コイルを配したスピーカユニットが、電磁結合(電磁
誘導形)スピーカとして実用化されている。
【0004】この電磁結合スピーカでは、駆動コイルで
ある一次コイルに流れる信号電流によって、ショートコ
イルを構成する二次コイルに二次電流が誘起され、磁気
回路の空隙部に生じる磁束との相互作用によって、フレ
ミングの左手の法則により、二次コイルに二次電流に応
じた駆動力を生じて、二次コイルが固定された振動板が
偏位する。
【0005】この電磁結合スピーカは、信号電流が流れ
る一次コイルが、鉄などの磁性材料からなるセンターポ
ール部またはプレートに固定されるため、放熱性に優
れ、大入力にも耐えられる利点がある。また、ショート
コイルを構成する二次コイルを、非磁性の導電材料、例
えばアルミニウムからなる、1ターン分のパイプないし
円筒体によって構成すれば、歪みを少なくすることがで
きる。
【0006】他方で、磁気回路の空隙内に、振動板に固
定してボイスコイルボビンを配し、このボイスコイルボ
ビンに、駆動コイルであるボイスコイルを巻回したダイ
ナミックスピーカが実用化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電磁結合
スピーカやダイナミックスピーカなどのスピーカで、駆
動コイルとして、デジタル音声信号のビット数分のコイ
ルを設け、それぞれのコイルを、デジタル音声信号のそ
れぞれのビットに対応させて、それぞれのビットのデー
タで駆動することによって、音声を再生することが考え
られる。
【0008】図3は、その考えられるデジタル駆動型の
スピーカ装置を示し、シリアルパラレル変換器220で
は、例えば44.1kHzまたは48kHzのサンプリ
ング周波数で16ビットにデジタル化された、シリアル
データのデジタル音声信号Dsが、パラレルデータのデ
ジタル音声信号Dpに変換される。ただし、この例は、
その16ビットのデジタル音声信号DsおよびDpが、
自然2進符号で、かつ直線的に量子化されたものである
場合である。
【0009】スピーカユニット10は、この例では電磁
結合スピーカで、その駆動コイルである一次コイルを1
6個のコイル1A〜1N,1P,1Qで構成して、コイ
ル1AをLSB(最下位ビット)に対応させて、例えば
1ターンとし、以下、コイル1B,1C,1D,1E,
1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L,1M,1
N,1P,1Qを、15SB,14SB,13SB,1
2SB,11SB,10SB,9SB,8SB,7S
B,6SB,5SB,4SB,3SB,2SB,MSB
(最上位ビット)に対応させて、それぞれ2ターン、4
ターン、8ターン…というように、一つ下位のビットに
対応するコイルのターン数の2倍のターン数とする。
【0010】そして、コイル1A〜1N,1P,1Qに
対して、それぞれ定電流源61A〜61N,61P,6
1Qを、それぞれスイッチ回路62A〜62N,62
P,62Qを介して接続し、スイッチ回路62A〜62
N,62P,62Qを、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号Dpの対応するビットのデータ
によって切り換える。定電流源61A〜61N,61
P,61Qの電流は、すべて電流Iaで示すように等し
い電流値にする。
【0011】電磁結合スピーカの振動系の駆動力Fは、
二次コイルに誘起される二次電流iと、磁気回路の空隙
に生じる磁束の密度Bと、磁気回路の空隙内にある二次
コイルの長さLとの積として、F=BLiで表され、磁
束密度Bおよび長さLは一定であるので、振動系の駆動
力Fは、二次コイルに誘起される二次電流iに比例する
ことになる。そして、二次コイルに誘起される二次電流
iは、一次コイルに流れる信号電流と一次コイルのター
ン数(インピーダンス)との積に比例する。
【0012】したがって、図3のスピーカ装置では、ス
ピーカユニット10において、上述したように二次コイ
ルを固定した振動板が、一方向に、シリアルパラレル変
換器220からのデジタル音声信号Dpの各ビットの重
みに比例した量だけ偏位し、シリアルパラレル変換器2
20からのデジタル音声信号Dpに忠実に音声が再生さ
れる。
【0013】しかしながら、上述したスピーカ装置は、
入力デジタル音声信号のビット数に対応した多数の一次
コイルのターン数の違いによって、入力デジタル音声信
号の各ビットの重みの違いを再現するので、例えば、上
述したようにシリアルパラレル変換器220からのデジ
タル音声信号Dpが16ビットの自然2進符号である場
合に、そのLSBに対応するコイル1Aを1ターンとし
ても、そのMSBに対応するコイル1Qは215ターン
=32768ターンにもなり、すべてのコイル1A〜1
N,1P,1Qのトータルのターン数は65535ター
ンにも及ぶことになる。
【0014】そのため、上述したスピーカ装置は、物理
的に実現が非常に困難である。しかも、より下位ビット
に対応する一次コイルほど、ターン数を少なくしなけれ
ばならないため、より下位ビットに対応する一次コイル
ほど、一次コイルと二次コイルとの間の電磁結合効率が
低くなって、歪みの増大などをきたす不都合がある。
【0015】そこで、この発明は、電磁結合スピーカや
ダイナミックスピーカなどのスピーカの駆動コイルをデ
ジタル音声信号によって駆動する場合において、すべて
の駆動コイルのトータルのターン数を著しく少なくする
ことができ、これによってスピーカ装置を物理的に容易
に実現できるとともに、ターン数が最少の駆動コイルの
ターン数を比較的多くすることによって、入力デジタル
音声信号の各ビットに対応する駆動コイルのターン数の
違いを小さくすることができ、これによって電磁結合ス
ピーカの場合における入力デジタル音声信号の各ビット
の間での電磁結合効率の差を小さくすることができ、歪
みの低減を実現することができるようにしたものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明のスピーカ装置
は、スピーカユニットと、スピーカ駆動回路とを備え、
前記スピーカユニットは、前記スピーカ駆動回路に供給
される入力デジタル音声信号の最上位ビットを除く各ビ
ット、または最上位ビットを含む各ビットに対応した多
数の駆動コイルを有し、前記スピーカ駆動回路は、前記
入力デジタル音声信号の最上位ビットを除く各ビット、
または最上位ビットを含む各ビットに対応した多数の定
電流源を有して、前記入力デジタル音声信号の最上位ビ
ットを除く各ビット、または最上位ビットを含む各ビッ
トの値に応じて、対応する定電流源からの電流の、前記
多数の駆動コイル中の対応する駆動コイルへの供給を制
御し、前記多数の駆動コイルのターン数の違いと、前記
多数の定電流源の電流値の違いとによって、前記入力デ
ジタル音声信号の最上位ビットを除く各ビット、または
最上位ビットを含む各ビットの重みの違いが再現される
ものとする。
【0017】この場合、前記多数の駆動コイルは、同一
のブロック内では、それぞれ複数の駆動コイルのターン
数が異なり、異なるブロック間では、それぞれの駆動コ
イルのターン数が等しい複数のブロックに分けられ、前
記多数の定電流源は、同一のブロック内では、それぞれ
複数の定電流源の電流値が等しく、異なるブロック間で
は、それぞれの定電流源の電流値が異なる複数のブロッ
クに分けられた、ものとすることができる。
【0018】ただし、ここで、「多数」というのは、入
力デジタル音声信号の最上位ビットを除くビット数、ま
たは最上位ビットを含むビット数のことで、「複数」と
いうのと区別するために、あえて「多数」としたもの
で、絶対的に多い数を示すものではない。
【0019】上記のように構成した、この発明のスピー
カ装置においては、スピーカユニットの多数の駆動コイ
ルのターン数の違いと、スピーカ駆動回路の多数の定電
流源の電流値の違いとによって、入力デジタル音声信号
の最上位ビットを除く各ビット、または最上位ビットを
含む各ビットの重みの違いが再現される。
【0020】したがって、すべての駆動コイルのトータ
ルのターン数を著しく少なくすることができ、これによ
って、スピーカ装置を物理的に容易に実現することがで
きるとともに、設計の簡易化およびコストの低減化を実
現することができる。
【0021】また、ターン数が最少の駆動コイルのター
ン数を比較的多くすることによって、入力デジタル音声
信号の各ビットに対応する駆動コイルのターン数の違い
を小さくすることができ、これによって電磁結合スピー
カの場合における入力デジタル音声信号の各ビットの間
での電磁結合効率の差を小さくすることができ、歪みの
低減および省電力化を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、この発明のスピーカ装置
の一例を示し、シリアルパラレル変換器220では、例
えば44.1kHzまたは48kHzのサンプリング周
波数で16ビットにデジタル化された、シリアルデータ
のデジタル音声信号Dsが、パラレルデータのデジタル
音声信号Dpに変換される。
【0023】ただし、この例は、その16ビットのデジ
タル音声信号DsおよびDpが、自然2進符号である場
合、または、シリアルパラレル変換器220に供給され
るシリアルデータのデジタル音声信号Dsは、2’コン
プリメントコードで、これがシリアルパラレル変換器2
20において、パラレルデータに変換されるとともに、
自然2進符号に変換されて、シリアルパラレル変換器2
20からのパラレルデータのデジタル音声信号Dpとし
ては、自然2進符号とされる場合である。また、この例
は、デジタル音声信号DsおよびDpが、直線的に量子
化されたものである場合である。
【0024】スピーカユニット10は、この例では電磁
結合スピーカである。図2は、そのスピーカユニット1
0の一例を示し、センターポール・ヨーク11のセンタ
ーポール部12の先端部の周囲に凹部13が形成され、
駆動コイルである一次コイル1が、この凹部13に嵌め
込まれてセンターポール部12に取り付けられる。
【0025】一次コイル1は、空芯コイルとして巻回さ
れて、凹部13に圧入接着されることにより、センター
ポール部12に取り付けられ、または、図示していない
が、磁性体ボビンに巻回されて、その磁性体ボビンが凹
部13に圧入接着されることにより、センターポール部
12に取り付けられ、または、凹部13に直接、巻回さ
れることにより、センターポール部12に取り付けられ
る。
【0026】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14には、センターポール部12と近接する位置におい
て、開口15が形成され、フランジ部14の後面には、
端子板16が取り付けられる。そして、一次コイル1の
例えば錦糸線からなるコイル引出線17が、センターポ
ール部12の周面に接着されて開口15に挿入され、端
子板16上の入力端子18に半田付けによって接続され
る。
【0027】コイル引出線17は、一次コイル1の巻き
始めおよび巻き終りに、それぞれ設けられて、それぞれ
が別個の入力端子に接続される。しかも、後述するよう
に一次コイル1は多数のコイルで構成され、それぞれの
コイルのコイル引出線17が、センターポール部12の
周面に接着されて開口15に挿入され、端子板16上の
入力端子18に接続される。
【0028】センターポール・ヨーク11のフランジ部
14の前面には、マグネット21が接着され、マグネッ
ト21の前面には、プレート22が接着されて、センタ
ーポール部12の先端部の外周面とプレート22の内周
面との間に空隙23を有する磁気回路20が形成され
る。
【0029】磁気回路20の空隙23内には、ショート
コイルを構成する二次コイル2が挿入される。二次コイ
ル2は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムからな
る、1ターン分のパイプないし円筒体とされ、これによ
って、二次コイル2を巻装するボビンを省略することが
できる。
【0030】二次コイル2には、外周部にエッジ31が
付いたコーン32の内周部、センターキャップ33、お
よびダンパー34の内周部が、取り付けられる。また、
プレート22には、スピーカフレーム35が取り付けら
れ、コーン32の外周部のエッジ31、およびガスケッ
ト36が、スピーカフレーム35に取り付けられるとと
もに、ダンパー34の外周部が、スピーカフレーム35
に取り付けられる。
【0031】ただし、図示していないが、一次コイルの
一部のコイルがセンターポール部12の先端部の周面に
取り付けられ、残りのコイルがプレート22の内周面に
取り付けられてもよい。この場合、プレート22に取り
付けられたコイルのコイル引出線は、例えば、プレート
22とマグネット21との間に挿入されて、プレート2
2の外周面に取り付けられた端子板上の入力端子に接続
される。また、一次コイルがすべてプレート22の内周
面に取り付けられてもよい。
【0032】図1の例では、駆動コイルである一次コイ
ル1が16個のコイル1A〜1N,1P,1Qで構成さ
れて、コイル1A〜1DがブロックAを、コイル1E〜
1HがブロックEを、コイル1I〜1LがブロックI
を、コイル1M,1N,1P,1QがブロックMを、そ
れぞれ構成するように、4つのブロックに分けられ、例
えば、コイル1A,1E,1I,1Mが、それぞれ10
ターンとされ、コイル1B,1F,1J,1Nが、それ
ぞれ20ターンとされ、コイル1C,1G,1K,1P
が、それぞれ40ターンとされ、コイル1D,1H,1
L,1Qが、それぞれ80ターンとされる。
【0033】そして、コイル1A〜1Dに対して、それ
ぞれ電流Iaの定電流源61A〜61Dが、それぞれス
イッチ回路62A〜62Dを介して接続され、コイル1
E〜1Hに対して、それぞれ電流Iaの16倍の電流の
定電流源61E〜61Hが、それぞれスイッチ回路62
E〜62Hを介して接続され、コイル1I〜1Lに対し
て、それぞれ電流Iaの16倍の電流の定電流源61
I〜61Lが、それぞれスイッチ回路62I〜62Lを
介して接続され、コイル1M,1N,1P,1Qに対し
て、それぞれ電流Iaの16倍の電流の定電流源61
M,61N,61P,61Qが、それぞれスイッチ回路
62M,62N,62P,62Qを介して接続され、ス
イッチ回路62A〜62N,62P,62Qが、シリア
ルパラレル変換器220からのデジタル音声信号Dpの
対応するビットのデータによって切り換えられる。
【0034】上述したように、電磁結合スピーカである
スピーカユニット10の振動系の駆動力Fは、二次コイ
ル2に誘起される二次電流iに比例し、その二次電流i
は、一次コイル1に流れる信号電流と一次コイル1のタ
ーン数(インピーダンス)との積に比例する。
【0035】したがって、図1のスピーカ装置では、シ
リアルパラレル変換器220からのデジタル音声信号D
pの、あるビットが1となることにより、スイッチ回路
62A〜62N,62P,62Qの対応するものがオン
となって、一次コイル1A〜1N,1P,1Qの対応す
るものに信号電流が流れることにより、二次コイル2に
誘起される二次電流の比は、シリアルパラレル変換器2
20からのデジタル音声信号Dpの各ビットの重みの比
に等しくなる。
【0036】したがって、スピーカユニット10におい
て、コーン32が、一方向に、シリアルパラレル変換器
220からのデジタル音声信号Dpの各ビットの重みに
比例した量だけ偏位し、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号Dpに忠実に音声が再生され
る。
【0037】一般に、電磁結合スピーカは、放熱性に優
れ、大入力にも耐えられ、歪みを少なくすることができ
るが、一次コイルに流れる信号電流によって二次コイル
に二次電流が誘起される電磁結合力が、数kHzないし
1kHz以下の低域で小さくなって、音声の再生に必要
な20Hzまでの再生は困難である。そのため、電磁結
合スピーカは、従来、主として高音再生用のスピーカと
して用いられている。
【0038】しかし、図1のシリアルパラレル変換器2
20からのデジタル音声信号Dpは、例えば44.1k
Hzまたは48kHzのサンプリング周波数でデジタル
化されたもので、一次コイル1は、同じサンプリング周
波数のデジタル信号で駆動されるので、デジタル化され
る前の音声信号の数kHzないし1kHz以下というよ
うな低域成分も、一次コイル1に流れる信号電流として
は20kHzを超える高い周波数となる。
【0039】したがって、電磁結合スピーカであるスピ
ーカユニット10によって低域までの再生が可能とな
り、低音から高音までを再生するフルレンジスピーカを
実現することができる。
【0040】一般のスピーカと同様に、スピーカユニッ
ト10の振動系は、高域には反応しにくく、特に20k
Hzを超えるような高い周波数の成分はほとんど再生し
ない。したがって、一次コイル1が44.1kHzまた
は48kHzのサンプリング周波数のデジタル信号で駆
動されても、そのサンプリング周波数成分はほとんど再
生されない。かりに微小な音圧で再生されても、20k
Hzを超える音は人間の耳でほとんど聞き取ることがで
きないので、音楽を聴く時などでも支障を生じない。ま
た、20kHz以上を阻止帯域とするメカニカルフィル
タを、意図的に形成して、スピーカユニット10に組み
込むことも容易である。
【0041】しかも、D/A変換器およびパワーアンプ
を使用しないで、デジタル音声信号によって直接、音声
を再生する、歪みの小さい、最大出力の大きいスピーカ
装置を実現することができる。
【0042】そして、図1のスピーカ装置では、すべて
の駆動コイル1A〜1N,1P,1Qのトータルのター
ン数を、600ターンという著しく少ないものとするこ
とができ、スピーカ装置を物理的に容易に実現すること
ができるとともに、設計の簡易化およびコストの低減化
を実現することができる。
【0043】また、ターン数が最少の駆動コイル1A,
1E,1I,1Mのターン数を、10ターンという比較
的多いものとすることができ、これによって最少のター
ン数の駆動コイル1A,1E,1I,1Mと最多のター
ン数の駆動コイル1D,1H,1L,1Qとの間のター
ン数の比を、1:8というように小さくすることができ
る。したがって、デジタル音声信号Dpの駆動コイル1
A,1E,1I,1Mに対応するビットであるLSB,
12SB,8SB,4SBでの電磁結合効率を高くする
ことができ、これによってデジタル音声信号Dpの各ビ
ットの間での電磁結合効率の差を小さくすることがで
き、歪みの低減および省電力化を実現することができ
る。
【0044】図1のスピーカ装置は、スピーカ駆動回路
40とスピーカユニット10を、一体化し、または別体
とすることができる。
【0045】図1の例は、駆動コイル1A〜1N,1
P,1Qが、同一のブロック内では、それぞれ4個の駆
動コイルのターン数が異なり、異なるブロック間では、
それぞれの駆動コイルのターン数が等しい4個のブロッ
クA,E,I,Mに分けられ、定電流源61A〜61
N,61P,61Qも、同一のブロック内では、それぞ
れ4個の定電流源の電流値が等しく、異なるブロック間
では、それぞれの定電流源の電流値が異なる4個のブロ
ックA,E,I,Mに分けられ場合であるが、必ずし
も、このようにブロック分けをする必要はない。
【0046】また、図1の例は、デジタル音声信号Ds
およびDpが直線的に量子化されていて、同一のブロッ
ク内では、それぞれ4個の駆動コイルのターン数が等比
級数的に変えられ、かつ各ブロックA,E,I,M間で
は、それぞれの定電流源の電流値が等比級数的に変えら
れる場合であるが、デジタル音声信号DsおよびDpが
非直線的に量子化されている場合には、その量子化の態
様に応じて、駆動コイル1A〜1Qのターン数、および
定電流源61A〜61Qの電流値を変えればよい。
【0047】なお、デジタル音声信号DsおよびDp
が、2’sコンプリメントコードである場合、または、
シリアルパラレル変換器220に供給されるシリアルデ
ータのデジタル音声信号Dsは、自然2進符号で、これ
がシリアルパラレル変換器220において、パラレルデ
ータに変換されるとともに、2’sコンプリメントコー
ドに変換されて、シリアルパラレル変換器220からの
パラレルデータのデジタル音声信号Dpとしては、2’
sコンプリメントコードとされる場合には、デジタル音
声信号DpのMSBに対応する、駆動コイル1Q、定電
流源61Qおよびスイッチ回路62Qを無くすととも
に、下位ビット(LSB〜2SB)に対応する定電流源
61A〜61Pとして、それぞれデジタル音声信号Dp
のMSBの値に応じて、MSBが0であるときには、対
応する下位ビットがアクティブのときに対応する駆動コ
イルにプラス方向の電流を供給し、MSBが1であると
きには、対応する下位ビットがアクティブのときに対応
する駆動コイルにマイナス方向の電流を供給するものを
用いればよい。
【0048】これによって、スピーカユニット10にお
いては、コーン32が、シリアルパラレル変換器220
からのデジタル音声信号DpのMSBの値に応じた方向
に、MSBを除く各ビットの重みに比例した量だけ偏位
し、シリアルパラレル変換器220からのデジタル音声
信号Dpに忠実に音声が再生される。
【0049】なお、この発明は、スピーカユニットがダ
イナミックスピーカなどである場合にも適用することが
できる。
【0050】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、電
磁結合スピーカやダイナミックスピーカなどのスピーカ
の駆動コイルをデジタル音声信号によって駆動する場合
において、すべての駆動コイルのトータルのターン数を
著しく少なくすることができ、これによってスピーカ装
置を物理的に容易に実現できるとともに、設計の簡易化
およびコストの低減化を実現することができる。
【0051】また、ターン数が最少の駆動コイルのター
ン数を比較的多くすることによって、入力デジタル音声
信号の各ビットに対応する駆動コイルのターン数の違い
を小さくすることができ、これによって電磁結合スピー
カの場合における入力デジタル音声信号の各ビットの間
での電磁結合効率の差を小さくすることができ、歪みの
低減および省電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスピーカ装置の一例を示す接続図で
ある。
【図2】この発明のスピーカ装置のスピーカユニットの
一例を示す断面図である。
【図3】考えられるスピーカ装置の一例を示す接続図で
ある。
【符号の説明】
10…スピーカユニット、1,1A,1B,1C,1
D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1
L,1M,1N,1P,1Q…一次コイル、2…二次コ
イル、11…センターポール・ヨーク、12…センター
ポール部、14…フランジ部、16…端子板、17…コ
イル引出線、18…入力端子、20…磁気回路、21…
マグネット、22…プレート、23…空隙、32…コー
ン、40…スピーカ駆動回路、61A〜61Q…定電流
源、62A〜62Q…スイッチ回路、220…シリアル
パラレル変換器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカユニットと、スピーカ駆動回路と
    を備え、 前記スピーカユニットは、前記スピーカ駆動回路に供給
    される入力デジタル音声信号の最上位ビットを除く各ビ
    ット、または最上位ビットを含む各ビットに対応した多
    数の駆動コイルを有し、 前記スピーカ駆動回路は、前記入力デジタル音声信号の
    最上位ビットを除く各ビット、または最上位ビットを含
    む各ビットに対応した多数の定電流源を有して、前記入
    力デジタル音声信号の最上位ビットを除く各ビット、ま
    たは最上位ビットを含む各ビットの値に応じて、対応す
    る定電流源からの電流の、前記多数の駆動コイル中の対
    応する駆動コイルへの供給を制御し、 前記多数の駆動コイルのターン数の違いと、前記多数の
    定電流源の電流値の違いとによって、前記入力デジタル
    音声信号の最上位ビットを除く各ビット、または最上位
    ビットを含む各ビットの重みの違いが再現される、 スピーカ装置。
  2. 【請求項2】請求項1のスピーカ装置において、 前記多数の駆動コイルは、同一のブロック内では、それ
    ぞれ複数の駆動コイルのターン数が異なり、異なるブロ
    ック間では、それぞれの駆動コイルのターン数が等しい
    複数のブロックに分けられ、 前記多数の定電流源は、同一のブロック内では、それぞ
    れ複数の定電流源の電流値が等しく、異なるブロック間
    では、それぞれの定電流源の電流値が異なる複数のブロ
    ックに分けられた、 スピーカ装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカユニットは、空隙が形成された磁気回路の
    前記空隙の近傍部分に、前記多数の駆動コイルが一次コ
    イルとして固定され、前記空隙内に、振動板に固定され
    て、ショートコイルを構成する二次コイルが配された、
    電磁結合スピーカであるスピーカ装置。
JP8359043A 1996-06-03 1996-12-27 スピーカ装置 Pending JPH1056686A (ja)

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