JP2010004421A - 電気音響変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギャップ間隔の広がりや漏れ磁束を抑えつつ、良好な再生を行う。
【解決手段】直流磁束の磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルを用い、一次コイルに流れる電流により発生する磁界変化に対応して二次コイルに誘起される相互磁束による電流と直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる際に、放射方向着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて二次コイルに対して直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備え、直流磁気ギャップと一次コイルと二次コイルとを包囲するように振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと外周側ヨークの底部と接するセンターポールとを備え、外周側ヨークの開口部とセンターポールとが最も接近する部分とセンターポールと外周側ヨークにより一次コイルと二次コイルとを包囲する。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁誘導型の電気音響変換器に関する。
スピーカなどの電気音響変換器として、永久磁石と軟磁性体を用いて構成された直流磁気ギャップに振動板と結合されたボイスコイルを配置し、このボイスコイルに音声信号を印加し、該音声信号によってボイスコイルに流れる電流と直流磁束とによってボイスコイルに発生する力で振動板を振動させる動電型が主流である。
なお、この動電型の電気音響変換器では、振動部分に音声信号を印加する必要があるため、フレームなどの振動しない筐体部分と振動部分(ボイスコイル)との間にティンセルワイヤと呼ばれるリード線を配置する必要がある。
このティンセルワイヤの部分は、音声出力中は振動板と共に振動しており、断線など耐久性に問題を有している。
また、ティンセルワイヤの硬さや質量に起因してローリングと呼ばれる異常振動が発生して問題となることがある。
これに対して、一次コイルと二次コイルとを有し、トランスの原理を利用した電磁誘導型の電気音響変換器では、ティンセルワイヤの問題を解消することができる。
この電磁誘導型の電気音響変換器では、永久磁石により直流磁束を発生させる磁気回路と、磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる。
なお、このような電磁誘導型の電気音響変換器としては、たとえば、以下の特許文献1、2に記載されたものが存在している。
実開平6−15397号公報 実開昭48−35392号公報
以上の特許文献1、2記載の電気音響変換器では、動電型の電気音響変換器におけるティンセルワイヤの問題を解消することはできる。しかし、周波数特性の問題や効率の問題を有しており、実際には普及していない。以下、電磁誘導型の電気音響変換器の問題点を簡単に説明する。
従来の一般的な電磁誘導型の電気音響変換器の構成を図19に示す。ここでは、左右対称であるため、半分を断面図として示す。振動板170や各部を支える筐体としてのフレーム110に対して、振動板170の背面方向(図面下方向)には外周部のヨーク(ヨーク120aとプレート120aa)とセンターポール部としてのヨーク120bとが取り付けられている。そして、外周部の環状のヨーク(ヨーク120aとプレート120aa)の中央付近には軸方向に着磁された環状の永久磁石130が配置されている。なお、振動板170の背面方向には筒状のコイルボビン160が取り付けられ、この筒状のコイルボビン160には二次コイル150が配置されている。一方、この二次コイル150と対向するプレート120aaの内筒面には一次コイル140が配置されている。
なお、図19において、矢印は、一次コイル140から二次コイル150への交流磁束の状態を模式的に示している。なお、交流磁束であるので一次コイル140に供給される音声信号の極性により磁束の向きは交互に反転する。
また、この電磁誘導型の電気音響変換器における永久磁石130による直流磁束を矢印で示すと図20のようになる。
また、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、外周部のヨーク(ヨーク120aとプレート120aa)の中間部分にフェライト磁石などの永久磁石130が介在するため、図21のような開放型のソレノイドコイルとして表すことができる。なお、この場合、一次コイル140と二次コイル150とは対向する位置で接近しているため、共有しない磁束は少ないメリットがある。
一方、一次コイル140と二次コイル150の相互磁束の振動板方向の磁路は、センターポール180b上面(振動板方向の端面)とプレート180aaの上面との間で、振動板側の空気中に回り込む形となる。このため、距離の長い磁気抵抗の大きな空気層を通ることになる。同様に、外周部のヨーク(ヨーク120aとプレート120aa)の中間部分に、磁気抵抗の大きいフェライトマグネットによる永久磁石130が存在することになる。
このため、周波数が低くなるに従って、二次コイル150に励起される電流が小さくなる。従って周波数特性を広く均一に保つことが困難になる。また、直流磁束発生箇所の磁気ギャップに一次コイル140が存在するため、直流磁束の磁路のパーミアンスが低くなり、直流磁束が小さくなるという問題もある。なお、これらの特性について数式を用いた詳細説明を実施形態の欄で行う。
従来の一般的な電磁誘導型の電気音響変換器の他の構成を右半分の断面として図22と図23に示す。ここでは、図19の一次コイル〜二次コイル配置によるギャップ間隔の広がりによる問題を解決するため、一次コイル140がギャップ以外の場所、磁気回路内部に配置されている。この場合、直流磁束に関する図19の構成における問題は解消される。
しかし、図22に示すように、交流磁束に関して、一次コイル140と二次コイル150とで共有しない漏れ磁束(破線矢印:交流磁束のうち、相互磁束にならない成分)が存在する。この結果、周波数が高くなるに従って、二次コイル150に励起される電流が小さくなる。従って周波数特性を広く均一に保つことが困難になる。なお、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、外周部のヨーク(ヨーク120aとプレート120aa)の中間部分にフェライト磁石などの永久磁石130が介在するため、図24のような開放型のソレノイドコイルとして表すことができ、一次コイル140と二次コイル150とが離れているため、共有しない磁束が若干増えるデメリットがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、ギャップ間隔の広がりや漏れ磁束を抑えつつ、良好な再生を行うことが可能な電気音響変換器を提供することを目的とする。
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えて構成され、前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、を備え、前記外周側ヨークの開口部と前記センターポールとが最も接近する部分、前記センターポール、前記外周側ヨーク、および前記センターポールと接する前記外周側ヨークの底部により、前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するよう構成されている、ことを特徴とする電気音響変換器である。
(2)請求項2記載の発明は、直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えて構成され、前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、を備え、前記外周側ヨークの開口部側の端部付近と前記センターポールの端部付近とが最も接近するよう構成されている、ことを特徴とする電気音響変換器である。
(3)請求項3に記載の発明は、直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備え、前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように少なくとも前記永久磁石の振動板方向端部及び前記二次コイルの振動板方向端部よりも振動板方向に一端が突出したセンターポールと、該センターポールの振動板方向端部の側面に対向して前記相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備えると共に、該センターポールの他端と接する底面を有する外周側ヨークと、を備えたことを特徴とする電気音響変換器である。
(4)請求項4記載の発明は、直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備え、振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように少なくとも前記永久磁石の振動板方向端部及び前記二次コイルの振動板方向端部よりも振動板方向に一端が突出し、該センターポールの振動板方向端部の側面において外周側ヨークに対向して前記相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備え、他端が前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、を備えたことを特徴とする電気音響変換器である。
(5)請求項5記載の発明は、前記一次コイルは、前記直流磁気ギャップと相互磁気ギャップとの間に配置されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気音響変換器である。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の電気音響変換器の発明では、直流磁束を発生させる磁気回路と、磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して二次コイルに誘起される相互磁束による電流と直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる際に、磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて二次コイルに対して直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えることで、直流磁束に対して磁気抵抗の大きな部位が存在しないため十分な直流磁束を確保でき、外周側ヨークの開口部とセンターポールとが最も接近する部分〜センターポール〜外周側ヨーク〜およびセンターポールと接する外周側ヨーク底部により一次コイルと二次コイルとを包囲するよう構成されているため、一次コイルと二次コイルとの間の漏れ磁束を低減できて十分な相互磁束を確保できるため、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
(2)請求項2記載の電気音響変換器の発明は、直流磁束を発生させる磁気回路と、磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して二次コイルに誘起される相互磁束による電流と直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる際に、磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて二次コイルに対して直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えることで、直流磁束に対して磁気抵抗の大きな部位が存在しないため十分な直流磁束を確保でき、外周側ヨークの開口部側の端部付近とセンターポールの端部付近とが最も接近するよう構成されているため、一次コイルと二次コイルとの間の漏れ磁束を低減できて十分な相互磁束を確保できるため、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
(3)請求項3記載の電気音響変換器の発明では、直流磁束を発生させる磁気回路と、磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して二次コイルに誘起される相互磁束による電流と直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる際に、磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて二次コイルに対して直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えることで、直流磁束に対して磁気抵抗の大きな部位が存在しないため十分な直流磁束を確保でき、直流磁気ギャップと一次コイルと二次コイルとを包囲するように振動板方向に一端が突出したセンターポール端部の側面に対向して相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備えると共に、該センターポールの他端と接する底面を有する外周側ヨークとを備えることで、一次コイルと二次コイルとの間の漏れ磁束を低減できて十分な相互磁束を確保できるため、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
(4)請求項4記載の電気音響変換器の発明では、直流磁束を発生させる磁気回路と、磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して二次コイルに誘起される相互磁束による電流と直流磁束とにより発生する駆動力により振動板を振動させる際に、磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて二次コイルに対して直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えることで、直流磁束に対して磁気抵抗の大きな部位が存在しないため十分な直流磁束を確保でき、直流磁気ギャップと一次コイルと二次コイルとを包囲するように振動板方向に一端が突出したセンターポール端部の側面に対向して相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備え、該センターポールの他端と接する底面を有する外周側ヨークとを備えることで、振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように振動板方向に一端が突出し、該センターポールの振動板方向端部の側面において外周側ヨークに対向して前記相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備えると共に、他端が前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールとを備えることで、一次コイルと二次コイルとの間の漏れ磁束を低減できて十分な相互磁束を確保できるため、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
(5)請求項5記載の電気音響変換器の発明では、一次コイルが直流磁気ギャップと相互磁気ギャップとの間に配置されており、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜外周側ヨークと循環するため、一次コイルと二次コイルとの間の漏れ磁束を更に低減できて十分な相互磁束を確保できるため、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、電気音響変換器100が左右対称な断面構成である場合において、一方(例えば右半分)の断面を図示しつつ説明を行う。
第一実施形態:
図1は本発明の第一実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図2は本発明の第一実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、振動板170や各部を支える筐体としてのフレーム110に対して、振動板170の背面方向(音声出力方向と反対方向、ここでは図面下方向)には外周部のヨーク(外周側ヨーク)120aとセンターポール部としてのヨーク120bと底部となるヨーク120cとが取り付けられている。
すなわち、ヨーク120(120a、120b、120c)は、振動板170方向に開口部を有する有底筒状であり、センターポールの他端と底部と外周側ヨークとが接した状態になっている。
ここで、センターポール部としてのヨーク120bは、後述する直流磁気ギャップと一次コイルと二次コイルとを包囲するように少なくとも永久磁石130の振動板方向端部及び二次コイル150の振動板方向端部よりも振動板170方向に一端が突出している。
また、外周部の環状のヨーク120aの内周面の中央付近には放射方向に着磁された環状の永久磁石130が配置されている。
ここで、放射方向に着磁された永久磁石130を用いて二次コイル150に対して直流磁束を交差させつつ、この永久磁石130が該直流磁束を通す直流磁気ギャップの突起を構成している。すなわち、永久磁石130と対向するセンターポールとの間に直流磁束用の磁気ギャップが形成される。
振動板170の背面方向には筒状のコイルボビン160が取り付けられ、このコイルボビン160には二次コイル150が配置されている。なお、二次コイル150は、磁石130と対向する位置に配置されている。
なお、一次コイル140は、直流磁気ギャップと後述する相互磁気ギャップとの間のヨーク120aの内周面にに配置されている。
相互磁気ギャップ用突起190は、ヨーク120a(外周部)とヨーク120b(センターポール部)との間で相互磁束を通すためのギャップを形成するための突起である。この図1・図2の具体例では、ヨーク120a側に相互磁気ギャップ用突起190が配置されている。
なお、この相互磁束用のギャップは、コイルボビン160を通せればよいので、間隔は最小限にすることができ、空気層による磁気抵抗を小さく抑えることが可能になる。
なお、図1において、矢印は、一次コイル140から二次コイル150への交流磁束(相互磁束)の状態を模式的に示している。また、この電磁誘導型の電気音響変換器における永久磁石130による直流磁束を矢印で示すと図2のようになる。
また、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、一次コイル140を直流磁束用磁気ギャップと相互磁束用磁気ギャップとの間に配置する、すなわち、相互磁気ギャップ用突起190の近くに一次コイル140を配置しているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する(図1参照)。この状態は、図4のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を更に低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
図3は電磁誘導型の音響変換器の等価回路を示す回路図である。ここで、中央に存在するトランスTが、電磁誘導型の音響変換器の一次コイル140と二次コイル150とを表している。なお、この等価回路を用いて、従来の電磁誘導型の音響変換器も、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器も、いずれについても説明することができる。
ここで、一次側において、rc1はコイル抵抗、xc1は漏れリアクタンス、b0は励磁サセプタンス、g0は励磁コンダクタンス、I0bは励磁電流、I0gは鉄損電流、である。また、二次側において、rc2はコイル抵抗、xc2は漏れリアクタンス、Zmeは動インピーダンスである。
ここで、音声信号の周波数をf、相互磁束が通る磁路のパーミアンスをPa、定数をkとすると、
b0=k/(2πf・Pa) …(1),
と表すことができる。
また、電磁誘導型の音響変換器の駆動力Fは、以下のように、二次コイルの電流I2と直流磁束の大きさと直流磁束中のコイルの長さによって決まる。
ここでは、直流磁束をB、直流磁束中のコイルの長さ(有効長)をl、二次コイルの電流をiとすると、
F=Bli …(2),
となる。
図19、図20に示した従来の電磁誘導型の電気音響変換器では、相互磁束の磁路に磁気抵抗の大きい空気層と、マグネットが存在していた。
すなわち、一次コイル140と二次コイル150の相互磁束の振動板方向の磁路は、センターポール180b上面(振動板方向の端面)とプレート180aaの上面との間で、振動板側の空気中に回り込む形となる。このため、距離の長い磁気抵抗の大きな空気層を通ることになる。同様に、外周部のヨーク120aの中間部分に、磁気抵抗の大きいフェライトマグネットによる永久磁石130が存在することになる。
このため、図3の等価回路におけるパーミアンスPaが小さくなる。この結果、式(1)の励磁サセプタンスb0が大きくなる。この場合、周波数が低くなるに従って、二次コイル150に励起される電流が小さくなる。従って、低域で効率が低下する傾向にあり、周波数特性を広く均一に保つことが困難になる。
また、直流磁束発生箇所の磁気ギャップ中に一次コイル140が存在するため、直流磁束の磁路のパーミアンスが低くなり、直流磁束が小さくなることで、全体の効率が低下するという問題もあった。
一方、従来の一般的な電磁誘導型の電気音響変換器の他の構成(図22、図23)では、図19の一次コイル〜二次コイル配置によるギャップ間隔の広がりによる問題を解決するため、一次コイル140がギャップ以外の場所、磁気回路内部に配置されている。この場合、直流磁束に関する図19の構成における問題は解消されている。
しかし、図22に示すように、交流磁束に関して、一次コイル140と二次コイル150とで共有しない漏れ磁束(破線矢印:交流磁束のうち、相互磁束にならない成分)が存在しており、漏れリアクタンスxc1とxc2とが大きくなる。この場合、周波数が高くなるに従って、二次コイル150に励起される電流が小さくなる。従って、高域で効率が低下する傾向にあり、周波数特性を広く均一に保つことが困難になっていた。
一方、図1,図2に示した本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、
・ヨーク中に磁路を分断する磁石が無いため、磁気抵抗が低い,
・永久磁石130で直流磁束用磁気ギャップを構成し、相互磁束を通るための専用のギャップ、つまりコイルを挟まない狭いギャップを設けてあるため、漏れ磁束が小さい。
・永久磁石による直流磁束用磁気ギャップに、二次コイルが存在しない,
・一次コイル140が、相互磁束用磁気ギャップに近く、漏れ磁束小さい,
といった特徴を有している。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
図5は本実施形態の電気音響変換器の周波数特性(実線)と、図19に示した従来の電気音響変換器の周波数特性(粗破線)と、図22に示した従来の電気音響変換器の周波数特性(細破線)とを比較した特性図である。この図5に示されるように、本実施形態の電気音響変換器の周波数特性は従来と比較すると平坦であり、低域・高域共に劣化がないことが明らかである。
なお、図19に示した従来の電気音響変換器の周波数特性(粗破線)は、励磁サセプタンスが大きいことが低域の低下の原因と考えられる。一方、本実施形態では、励磁サセプタンスが小さいため、低域の劣化がなく平坦な周波数特性を実現している。また、図22に示した従来の電気音響変換器の周波数特性(細破線)は、漏れ磁束が大きいことが高域の低下の原因と考えられる。一方、本実施形態では、漏れ磁束が小さいため、高域の劣化がなく平坦な周波数特性を実現している。
第二実施形態:
図6は本発明の第二実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図7は本発明の第二実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。この第二実施形態では、円環状の永久磁石130が軸方向に短く、逆に二次コイル150が軸方向に長く構成されている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
このため、第一実施形態と同様に、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、一次コイル140を直流磁束用磁気ギャップと相互磁束用磁気ギャップとの間に配置する、すなわち、相互磁気ギャップ用突起190の近くに一次コイル140を配置しているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する。この状態は、図4のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を更に低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第三実施形態:
図8は本発明の第三実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。
この第三実施形態では、永久磁石130′、一次コイル140′、相互磁気ギャップ用突起190′が、外周側のヨーク120aではなく、センターポール側のヨーク120bの外周面に配置されている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成要件と磁路が同じである。
このため、第一実施形態と同様に、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、一次コイル140を直流磁束用磁気ギャップと相互磁束用磁気ギャップとの間に配置する、すなわち、相互磁気ギャップ用突起190の近くに一次コイル140を配置しているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する。この状態は、図4のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を更に低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第四実施形態:
図9は本発明の第四実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図10は本発明の第四実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。
この第四実施形態では、一次コイル140”が永久磁石130と底部側のヨーク120cとの間のヨーク120a内周面に配置されている。この場合は、コイルボビン160を第一〜第三実施形態よりも短くできる利点がある。なお、以上の一次コイル140”の配置が軸方向に若干異なっている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
このため、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、図11のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。すなわち、一次コイル140が相互磁束用磁気ギャップから若干離れ、直流磁束用磁気ギャップに近づいているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する(実線)。但し、交流磁束の一部は相互磁束と成らずに、直流磁束用の磁気ギャップを通過する(破線)。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を、従来より低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第五実施形態:
図12は本発明の第五実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図13は本発明の第五実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。また、これらの図に示す第五実施形態は、以上の第四実施形態とも極めて近似している。
すなわち、この第五実施形態では、一次コイル140”が底部側のヨーク120c近くの間のヨーク120b外周面に配置されている。この場合も、コイルボビン160を第一〜第三実施形態よりも短くできる利点がある。なお、以上の一次コイル140”の配置が軸方向に若干異なっている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
このため、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、図11のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。すなわち、一次コイル140が相互磁束用磁気ギャップから若干離れ、直流磁束用磁気ギャップに近づいているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する(実線)。但し、交流磁束の一部は相互磁束と成らずに、直流磁束用の磁気ギャップを通過する(破線)。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を、従来より低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第六実施形態:
図14は本発明の第六実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図15は本発明の第六実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。この第六実施形態では、円環状の永久磁石130が軸方向に短く、逆に二次コイル150が軸方向に長く構成されている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
また、この第六実施形態では、一次コイル140”が永久磁石130と底部側のヨーク120cとの間のヨーク120a内周面に配置されている。この場合は、コイルボビン160を第一〜第三実施形態よりも短くできる利点がある。なお、以上の一次コイル140”の配置が軸方向に若干異なっている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
このため、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、図11のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。すなわち、一次コイル140が相互磁束用磁気ギャップから若干離れ、直流磁束用磁気ギャップに近づいているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する(実線)。但し、交流磁束の一部は相互磁束と成らずに、直流磁束用の磁気ギャップを通過する(破線)。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を、従来より低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第七実施形態:
図16は本発明の第七実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、交流磁束(相互磁束)と共に示す断面図である。また、図17は本発明の第七実施形態の電気音響変換器100の構成の原理を、直流磁束と共に示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一実施形態として説明したものと同じである。また、これらの図に示す第七実施形態は、以上の第三実施形態および第四実施形態とも極めて近似している。
すなわち、この第七実施形態では、第三実施形態同様に、永久磁石130′、一次コイル140”、相互磁気ギャップ用突起190′が、外周側のヨーク120aではなく、センターポール側のヨーク120bの外周面に配置されている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成要件と磁路が同じである。
また、この第七実施形態では、第四実施形態同様に、一次コイル140”が永久磁石130′と底部側のヨーク120cとの間に配置されている。この場合は、コイルボビン160を第一〜第三実施形態よりも短くできる利点がある。なお、以上の一次コイル140”の配置が軸方向に若干異なっている点で第一実施形態とは若干異なっていが、基本的な構成が同じである。
このため、この電磁誘導型の電気音響変換器をトランスとして見た場合には、図11のような閉磁型のヨークを有するコイルとして表すことができる。すなわち、一次コイル140が相互磁束用磁気ギャップから若干離れ、直流磁束用磁気ギャップに近づいているため、一次コイルから発生する交流磁束の大部分が相互磁束として、外周側ヨーク〜相互磁気ギャップ〜センターポール〜底部〜外周側ヨークと循環する(実線)。但し、交流磁束の一部は相互磁束と成らずに、直流磁束用の磁気ギャップを通過する(破線)。
このため、一次コイル140と二次コイル150との間の漏れ磁束を、従来より低減できて十分な相互磁束を確保できる。この結果、全帯域において効率よく二次コイルに電流を流すことができ、効率の良い広帯域再生が可能になる。
すなわち、本実施形態の電磁誘導型の音響変換器では、放射方向に着磁された永久磁石130の使用と、コイルを挟まず従来より狭いギャップを含む軟磁性体で構成されるヨークで一次コイル140と二次コイル150とを囲むことにより、直流磁束の確保と励磁サセプタンスb0,漏れリアクタンスxc1・xc2を小さく保つことが可能になる。これにより、低域や高域を含めた全周波数帯域で効率よく二次コイル150に電流を流すことが可能になり、広帯域再生が可能になる。
第八実施形態:
図18(a)〜(d)は本発明の第八実施形態の電気音響変換器100の構成を示す断面図である。
これらの図において、基本的な構成要件と構造とは、第一〜第七実施形態として説明したものと同様である。
ここで、永久磁石130による直流磁束用磁気ギャップ内に、二次コイル150だけでなく、一次コイル140をも配置した構成になっている。
なお、一次コイル140としては、永久磁石130と接する位置(図18(a)(b))でもよいし、永久磁石130の対向面側の位置(図18(c)(d))であってもよい。
また、一次コイル140を永久磁石130の対向面側の位置(図18(c)(d))に配置した場合には、外周側の相互磁気ギャップ用突起190とセンターポール側の相互磁気ギャップ用突起190′の両方を設けることが可能になる。
以上の第八実施形態の構成の場合、以上の第一〜第七実施形態と比較すると直流磁束が若干小さくなるが、漏れリアクタンスが小さく漏れ磁束が小さいため、ツイータなど高域用には適している。また、従来例と比較して、相互磁束の磁路の磁気抵抗が小さいため、高効率とすることが可能になる。
その他の実施形態:
なお、以上の各実施形態において、永久磁石130による直流磁束の向きは一例であり、反対方向にすることも可能である。
本発明の第一実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態の電気音響変換器の等価回路を示す回路図である。 本発明の第一〜第三実施形態の電気音響変換器の回路を模式的に示す構成図である。 本発明の第各実施形態の電気音響変換器の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第二実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第二実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第三実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第四実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第四実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第四〜第八実施形態の電気音響変換器の回路を模式的に示す構成図である。 本発明の第五実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第五実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第六実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第六実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第七実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第七実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 本発明の第八実施形態の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す構成図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す断面図である。 従来の電気音響変換器の構成を示す構成図である。
符号の説明
100 電気音響変換器
110 フレーム
120 ヨーク
120a 外周側のヨーク
120b センターポール部のヨーク
120c 底部のヨーク
130 永久磁石
140 一次コイル
150 二次コイル
160 コイルボビン
170 振動板
190 ギャップ用突起

Claims (5)

  1. 直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、
    前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えて構成され、
    前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、
    前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、を備え、
    前記外周側ヨークの開口部と前記センターポールとが最も接近する部分、前記センターポール、前記外周側ヨーク、および前記センターポールと接する前記外周側ヨークの底部により、前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するよう構成されている、
    ことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、
    前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備えて構成され、
    前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、
    前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、を備え、
    前記外周側ヨークの開口部側の端部付近と前記センターポールの端部付近とが最も接近するよう構成されている、
    ことを特徴とする電気音響変換器。
  3. 直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、
    前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備え、
    前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように少なくとも前記永久磁石の振動板方向端部及び前記二次コイルの振動板方向端部よりも振動板方向に一端が突出したセンターポールと、
    振動板方向に開口部を有する有底筒状であり、該センターポールの振動板方向端部の側面に対向して前記相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備え、該センターポールの他端と底部で接する外周側ヨークと、
    を備えたことを特徴とする電気音響変換器。
  4. 直流磁束を発生させる磁気回路と、前記磁気回路に固定される一次コイルと、振動板に固定される二次コイルとを用い、前記一次コイルに音声信号を入力し、該一次コイルに流れる電流により発生する磁界の変化に対応して前記二次コイルに誘起される相互磁束による電流と前記直流磁束とにより発生する駆動力により前記振動板を振動させる電磁誘導型の電気音響変換器であって、
    前記磁気回路は、放射方向に着磁された永久磁石を磁気ギャップ用突起として用いて前記二次コイルに対して前記直流磁束を交差させつつ該直流磁束を通す直流磁気ギャップを備え、
    振動板方向に開口部を有する有底筒状の外周側ヨークと、
    前記直流磁気ギャップと前記一次コイルと前記二次コイルとを包囲するように少なくとも前記永久磁石の振動板方向端部及び前記二次コイルの振動板方向端部よりも振動板方向に一端が突出し、該センターポールの振動板方向端部の側面において外周側ヨークに対向して前記相互磁束を通すためのギャップを形成する相互磁気ギャップ用突起を備え、他端が前記外周側ヨークの底部と接するセンターポールと、
    を備えたことを特徴とする電気音響変換器。
  5. 前記一次コイルは、前記直流磁気ギャップと相互磁気ギャップとの間に配置されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気音響変換器。
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