【発明の詳細な説明】
ペルフルオロエーテル末端部分を有する液晶化合物
発明の分野
本発明は、フッ素化されたアキラルスメクティック(chiral smectic)液晶化
合物に関する。これらの化合物及びこれらの化合物を含む液晶材料は種々の電気
光学ディスプレイに有用である。
発明の背景
液晶を用いる装置は、種々の電気光学用途において、特に、嵩張らず、エネル
ギー効率の良い電圧制御型ライトバルブ(voltage-controlled light valve)を
必要とするようなもの、例えば時計及び計算機のディスプレイ、並びにポータブ
ルコンピューター及びコンパクトテレビに見られるようなフラットパネルディス
プレイにおいての使用が見出されている。
液晶ディスプレイは、低電圧及び低電力で動作することを含む数々特徴を有し
、この特徴は、液晶ディスプレイを、最も将来有望な現在利用可能な非発光形電
気光学ディスプレイの候補にならしめている。しかしながら、遅い応答及び不十
分な非線型性は、多くの潜在的な用途に対して限界を与える。装置に設置しなけ
ればならない部品の数に比例して、速度に対する要求が益々重要になるであろう
。これは、あるタイプの液晶化合物の潜在的な用途を制限する。
現在、最も広範に用いられている液晶ディスプレイのモードは、ねじれネマテ
ィック(twisted nematic:TN)、超ねじれ複屈折効果(supertwisted birefri
ngence effect:SBE)、及び動的散乱(dynamic scattering: DS)であり、
これらは全てネマティック
又はキラルネマティック(コレステリック)液晶を用いる。これらの装置は、電
界をの印加によるネマティック及び/又はキラルネマティック液晶(又はネマテ
ィック若しくはキラルネマティック液晶の混合物)の誘電配列効果(フレデリク
ス効果(Freedericksz effect))に基礎をおくものである。液晶材料の平均分
子長軸は、印加電場中での好ましい配向を決め、その配向は、その材料又は混合
物の誘電異方性の符号に依存し、そしてこの配向は、印加電場の除去により緩和
する。この再配向及び緩和は、数ミリ秒程度の遅いものである。
ネマティック及びキラルネマティック液晶は最も広範に使用されているが、よ
り高度に配向したスメクチック液晶を用いる液晶装置が存在する。
例えば、Crossland 等による米国特許第4,411,494 号、同第4,419,664 号及び
同第4,528,562 号並びにF.J.KahnによるAppl.Phys.Lett.第22巻、第111 頁
(1973)に記載されているように、スメクチックA中間相を有する物質は、装置に
応用することにおいて有用である。これらの装置は、液晶化合物の誘電再配向に
基礎をおくものであり、その応答時間はミリ秒程度である。
キラルスメクチックA中間相を示す混合物も、Lagerwall 等による第1回強誘
電性液晶に関する国際シンポジウム、Bordeaux-Arcachon,France,1987 に記載
されているように、装置に応用することにおいて有用である。これらの混合物は
、ソフトモード強誘電性効果と称されている電気光学効果を示し、サブマイクロ
秒スイッチングを達成することができる。
スメクティックC中間相を有する材料は、Pelzl 等によるKristall Technik.
第14巻、第817 頁(1979)、Mol.Cryst.Liq.Cryst.第53巻、第167 頁(1979)、
及びLiquid Crystals 第2巻、第21頁(
1987)、並びにLiquid Crystals 第2巻、第131 頁(1987)に記載されているよう
に、装置に応用することにおいて有用である。これらの装置は、液晶の誘電再配
向に基礎をおくものであり、その応答時間は遅い。
液晶技術分野における最近の発展は、上記したいずれの装置においても不可能
であったマイクロ秒のスイッチング及び双安定動作を与える強誘電性液晶とも称
されているティルトキラルスメクティック液晶(tilted chiral smectic liquid
crystal)の装置への利用である。強誘電性液晶は、R.B.Meyer 等により発見
された(J.Physique 第36巻、第1-69頁(1975))。高速光学的スイッチング現
象は、N.A.Clark 等により強誘電性液晶において発見された(Appl.Phys. L
ett. 第36巻、第899 頁(1980)及び米国特許第4,367,924 号)。
フッ素含有強誘電性液晶材料は最近開発された。米国特許第4,886,619 号(Ja
nulis)は、フルオロカーボン末端部分及びキラルの炭化水素末端部分を含んで
成り、前記末端部分が中心コアにより連結されているフッ素含有キラルスメクテ
ィック液晶化合物を開示している。米国特許第5,082,587 号(Janulis)は、フ
ルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分又は他のフルオロカーボン末端部
分を含んでなり、前記末端部分が中心核により連結されているアキラルのフッ素
含有液晶化合物を開示している。米国特許第5,262,082 号(Janulis 等)には、
フルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分又はもう1つのフルオロカーボ
ン末端部分を含んでなり、前記末端部分が中心核により連結されているアキラル
フッ素含有液晶化合物が記載されている。
国際公開第WO91/00897号(Merck)は、強誘電性を有するキラルティルトスメ
クティック液晶相の成分として使用してよいキラル又
はアキラル環状化合物を開示している。
この化合物は下記式により表される:
(式中、R1は1〜12個の炭素原子を有するアルキル又はペルフルオロアルキル
基であって、その中の1又は2個の隣接していないCH2又はCF2基はO原子、
及び/又は−CO−基、−COO−基、−CH=CH−基、−CH−ハロゲン−
基、−CHCN−基、−OCOCH−ハロゲン−基又は−COO−CHCN−基
に置き換えられていてもよいアルキル又はペルフルオロアルキル基であるか、又
はR1はX−(CF2)n−(CH2)m−Q−であり、そしてXはH又はFであり
、A1及びA2は互いに独立に未置換1,4-フェニレン基又は1又は2個のF原子に
より置換された1,4-フェニレン基であって、1又は2個のCH基はNにより置き
換えられていてもよく、Qは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であ
り、mは1〜10の整数であり、そしてnは2〜8の整数であり、ただしQが−C
OO−又は−OCO−である場合にはmは3〜10であることを条件とする)。
強誘電性液晶の高速スイッチングは、多くの用途、例えば、ライトバルブ、デ
ィスプレイ、プリンターヘッド等に利用することができる。サブマイクロ秒のス
イッチング速度に加え、幾つかの強誘電性液晶装置の外面的形態(geometry)が
、双安定なしきい値感受性スイッチング(threshold-sensitive switching)を
示すことは、それらを図及び絵入りの情報の受光形ディスプレイ、並びに光学的
加工用の多くの部品を含むマトリクスアドレス形装置(matrlx-addressed devic
es)の候補にならしめている。
発明の要約
本発明は、少なくとも1個のカテナリーエーテル酸素を有する脂肪族フルオロ
カーボン末端部分と脂肪族炭化水素末端部分とを含み、前記末端部分が中心核に
より連結されたフッ素含有液晶化合物であって、スメクティック中間相又は潜在
的スメクティック中間相を有するフッ素含有液晶化合物を提供する。潜在的スメ
クティック中間相を有する化合物は、それ自体ではスメクティック中間相を示さ
ないが、スメクティック中間相を有する前記化合物又は潜在的スメクティック中
間相を有する他の前記化合物との混合物となった場合に、適切な条件下でスメク
ティック中間相を発達させるようなものである。前記脂肪族フルオロカーボン末
端部分は、下記式により表される:
−D(CxF2xO)zCyF2y+1
上式中、xは独立に1〜10の整数であり、yは1〜10の整数であり、zは1〜10
の整数であり、並びにDは、共有結合、
(上式中、r及びr’は独立に1〜20の整数であり、sは各(CsH2sO)に対
して独立に1〜10の整数であり、tは1〜6の整数であり、及びpは0〜4の整
数である)
である。
一般に、本発明の化合物は、芳香族、ヘテロ芳香族、脂環式、置換芳香族、置
換ヘテロ芳香族及び置換脂環式の環からなる群より独立に選ばれる少なくとも2
個の環を含んで成る中心核を有するものであって、前記環は、共有結合、又は−
COO−、−COS−、−HC=N−及び−COSe−から選ばれる基により互
いに連結されている。前記環は縮合環又は非縮合環であってもよい。ヘテロ芳香
環中のヘテロ原子は、N、O及びSからなる群より選ばれる少なくとも1個の原
子を含む。脂環式環中の隣接していないメチレン基は、O原子又はS原子により
置換されていてもよい。
本発明のフルオロカーボン末端部分を有するフッ素含有液晶化合物は光学活性
ではないが、例えば光学活性な液晶材料との混合物で使用された場合に有用であ
る。これらの化合物は、例えば米国特許第4,886,619 号及び同第5,082,587 号に
開示されている化合物のようにペルフルオロ脂肪族末端部分を有するフッ素化さ
れた強誘電性液晶化合物との混合物で使用された場合に、数々の望ましい特性を
有する。本発明のペルフルオロエーテル末端部分を有する化合物は、実質的に同
じ数の炭素原子を末端部分に有するエーテル結合を含まないペルフルオロ脂肪族
末端部分を有する化合物よりも低い濃度でスメクチックA及びC中間相を有する
。
本発明の液晶化合物を、ペルフルオロ脂肪族末端部分を有するフッ素化された
強誘電性液晶に混ぜて混合物にすると、本発明の液晶化合物を含まない混合物よ
りも粘度が低くてスイッチング速度が速い組成物が得られる。
ペルフルオロ末端部分を有する化合物の存在によって、混合物のスメクチック
C相の温度範囲が広くなる。そのような混合物を含む装置は、その混合物の所望
のスメクチックC相でのみ動作するであろう。ペルフルオロエーテル末端部分を
有する本発明の化合物はス
メクチックCからより高次への転移温度が低く、そのためペルフルオロ脂肪族末
端部分を有する化合物が通常より高次に転移する温度より低い温度に混合物の温
度が達するまで、混合物がスメクチックCからより高次に転移することを妨げる
。
本発明のペルフルオロ末端部分を有する前記フッ素含有液晶化合物は、水、弱
酸及び弱塩基に対する良好な化学的安定性も有し、液晶表示装置において通常使
用時に分解せず、そして光化学的に安定であり、従って容易に光化学反応しない
。これらの化合物は、新規フルオロカーボン末端部分のために、それらのフッ素
を含有しない類似体よりも非常に高いスメクトゲン性(smectogenic properties
)、低い複屈折率、及び低い粘度を有する。
ペルフルオロエーテル末端部分を有するこれらのフッ素化された化合物及びこ
れらを含有する混合物は、種々の電気光学ディスプレイに有用である。特に、こ
れらのフッ素化された材料は、スメクティック中間相、特にスメクチックA及び
Cを示し、そして、ネマティック;スメクティックA(SmA);スメクティッ
クC(SmC);キラルスメクティックA(SmA*);及びキラルスメクティ
ックC(SmC*)混合物の配合において有用である。
図面の簡単な説明
図1は、DSCにより決定される従来の液晶材料及び本発明の液晶材料に関す
る比較のためのスメクチックA相とスメクチックC相を示している。
図2は、光学顕微鏡により決定される従来の液晶材料及び本発明の液晶材料に
関する比較のためのスメクチックA相とスメクチックC相を示している。
発明の詳細な説明
本発明は、スメクチック液晶ディスプレイへの応用等に有用なペルフルオロ末
端部分を有するフッ素含有液晶化合物及びそれらから得られる混合物に関する。
本発明の液晶化合物は、下記式Iにより表される:
上式中:
M、N及びPは、各々独立に、
であり;
a、b及びcは各々独立に0又は1〜3の整数であって、a+b+cの合計が
少なくとも2であることを条件とし;
各A及びBは、無指向的かつ独立に、共有結合、
−(CH2CH2)k−(式中、kは1〜4である)、
−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−CH2−O−、
各X、Y及びZは、独立に、−H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−
OCH3、−CH3、−CF3、−OCF3、−CN、又は−NO2であり;
各l、m及びnは、独立に、0又は1〜4の整数であり;
Dは、共有結合、
(上式中、r及びr’は独立に1〜20の整数であり、sは各(CsH2sO)に対
して独立に1〜10の整数であり、tは1〜6の整数であり、並びにr及びr’は
独立に1〜20の整数であり、そしてpは0〜4の整数である)
であり;
Rは、
[上式中、R’は、−Cl、−F、−CF3、−NO2
(上式中、q及びq’は独立に1〜20の整数であり、wは0〜10の整数である)
であり]
であり、且つRは直鎖又は分枝鎖であることができ;及び
Rfは、−(CxF2xO)zCyF2y+1(式中、xは、各(CxF2xO)に対して
独立に1〜10の整数であり、yは1〜10の整数であり、そしてzは1〜10の整数
である)である。
本発明の化合物の好ましい種類はピリミジン核を有するものであって、下記式
により表される:
上式中、dは5〜10の整数であり、xは各CxF2xOに対して独立に1〜3の整
数であり、yは1〜4の整数であり、そしてzは1〜3の整数である。
本発明の化合物は、存在する環システム及び環の数、抑制されたネマチック中
間相(全く又は非常にわずかなネマチック中間相温度範囲を示す)及び強められ
たスメクチック中間相に依存して典型的には0.05〜0.18の範囲内の複屈折率を有
する。本発明の化合物と他の液晶材料との混合物は、所望の転移温度と広い中間
相温度範囲を与えるように配合することができる。そのような混合物は、好まし
くは、米国特許第4,886,619 号(Janulis)に開示されているようなフッ素含有
キラルスメクチック液晶及び/又は米国特許第5,082,587 号に開示されているよ
うなアキラルフッ素含有液晶を含む。これらの特許の開示を引用によりここに含
めることにする。
スメクチックAの挙動を示す本発明の個々の化合物は、他の材料
との混合物で、スメクチックA装置に使用することができる(引用により個々に
含めることにするCrossland 等の米国特許第4,411,494 号、同第4,419,664 号及
び同第4,528,562 号及びF.J.Kahn(Appl.Phys.Lett.,第22巻、第111 頁、1973
)を参照されたい)。
スメクチックCの挙動を示す本発明の個々の化合物は、他の材料との混合物で
Pelzl 等により開示されたスメクチックCフレデリクス装置に使用することがで
きる(Kristall Technik,第14巻、第817 頁(1979);Mol.Cryst.Liq.Cryst.
,第53巻、第167 頁(1979);Liquid Crystals,第2巻、第21頁(1987)及びLiqui
d Crystals,第2巻、第131 頁(1987)を参照されたい)。Pelzl 等の研究の中で
指摘されているようにスメクチックC相における立ち下がり時間(decay time)
は同じ材料のネマチック相におけるのより短く、ある場合には立ち上がり時間(
rise time)が短く、ある応用に対して古い形式のフレデリクス装置モードでの
ネマチックを利用することにとってこの種の装置を好ましいものにしている。Pe
lzl 等によって調べられた材料に対する立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、
測定光強度の50%の変化に対し2〜100 ミリ秒のオーダーであった。本発明の材
料に対しては光強度の80%の変化に対し、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が
1ミリ秒以下であることが観察された。光強度の80%の変化に対し数ミリ秒の立
ち上がり時間及び立ち下がり時間が室温の混合物において観察された。本発明の
材料を利用する装置によって、フレデリクス型装置におけるネマチック材料の代
わりにスメクチックC材料の使用が実現され、著しく短い立ち上がり時間及び立
ち下がり時間が達成される。
本発明の化合物は、それらがアキラルであるので、それ自体ではキラルスメク
チック(強誘電性)液晶の挙動を示さない。しかしながら、本発明の好ましい実
施態様は、本発明の材料と少なくとも1
種のキラル(光学活性)成分とを含む混合物を含む。本発明の多くの材料の広い
スメクチックC中間相の範囲及び低温スメクチックC中間相は、それらを広範な
スメクチックC共融混合物の配合における成分として有用かつ望ましいものにし
、その配合物はキラル添加剤の添加により強誘電性又はキラルスメクチックCに
なる。
本発明の化合物のうち多数のエーテル酸素原子を有するものは、混合物の広い
共融範囲に対して、温度範囲を広くすることができる。炭化水素末端部分と中心
核との間のエーテル様結合はSmAからSmCへの転移温度を更に上昇させる。
キラルスメクチック混合物の配合において本発明の材料を使用する他の利点は
、得ることができる低い複屈折率と粘度である。これらの材料の低い粘度は、所
定のバルク偏光値に対し、強誘電性スイッチングの短い応答時間をもたらす。こ
れら材料の低い複屈折率は大きな装置スペースを持つ装置の製作を可能にする。
これらの材料は温度依存性の小さいスメクチック層間間隔を与える。この特性は
、強誘電性液晶装置にとって理想的な書棚形層状構造(bookshelf layer struct
ure)の自発的発生を与える。2つの偏光子を有する表面安定化された強誘電体
装置(米国特許第4,367,924 号に記載されているようなもの)を通しての透過光
は、下記式:
I=I0(sin2(4θ))(sin2(πΔnd/λ))
(上式中、
I0は、平行偏光子を通しての透過;
θは、物質のティルト角;
Δnは、液晶の複屈折率;
dは、装置厚さ;
λは、用いた光の波長である)
により表される。
透過を最大にするためには、sin2(4θ)及びsin2(πΔnd/λ)は
共に最大でなければならない。これは、各項が1に等しくなるときに起こる。第
1項は、ティルト角が22.5°に等しいときに最大になる。これは、液晶の関
数であり、且つ所定の温度において所定の材料に対しては定数である。第2項は
、Δnd=λ/2のときに最大である。
このことは、本発明の材料の低い複屈折率の臨界を表す。低い複屈折率は、所
定の光の波長に対してより厚い装置厚さdを可能にする。従って、透過率を最大
にしたままで厚い装置厚さが可能であり、装置の構成をより容易にすることが可
能である。
ペルフルオロ末端部分を有する本発明のフッ素含有液晶化合物は、以下の工程
を含む方法により製造される:
(1)式:
により表される少なくとも1種の化合物と、式:
により表される少なくとも1種の化合物とを混合するか、又は(2)式:
により表される少なくとも1種の化合物と、下記式により表される少なくとも1
種の化合物とを混合する工程:
上式中:
M、N及びPは、各々独立に、
であり;
a、b及びcは各々独立に0又は1〜3の整数であり、ただしa+b+cの合
計が少なくとも2であることを条件とし;
各A及びBは、無指向的かつ独立に、共有結合、
−(CH2CH2)k−(式中、kは1〜4である)、
−CH=CH−、又は−C≡C−であり;
各A’、A”、B’及びB”は、独立に、−OH、−COOH、−CH(CH2
OH)2、−SH、−SeH、−TeH、−NH2、−COCl、−CHO、−
CH2COOH、又は−OSO2Rf’
(上式中、Rf’は、1〜約8個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基で
ある)
であって、A’はA”との付加又は縮合反応に加わることができ、そしてB’は
B”との付加又は縮合反応に加わることができることを条件とし;
各X、Y及びZは、独立に、−H、−Cl、−F、−OCH3、−OH、−C
H3、−CF3、−OCF3、−NO2、−Br、−I、又は−CNであり;
各l、m及びnは、独立に、0又は1〜4の整数であり;
Rは、
[上式中、R’は、独立に、−H、−Cl、−F、−CF3、
(上式中、q及びq’は独立に1〜20の整数である)
であり]
であり、
Dは、共有結合、
(上式中、r及びr’は独立に1〜20の整数であり、sは各(CsH2sO)に対
して独立に1〜10の整数であり、tは1〜6の整数であり、及びpは0〜4の整
数である)
であり;
Rfは、−(CxF2xO)zCyF2y+1(式中、xは、各CxF2xOに対して独立
に1〜10の整数であり、yは1〜10の整数であり
、及びzは2〜10の整数である)である;次いで
任意に、適切なカップリング剤、すなわちカップリングをもたらす試薬の存在
中で、前記A’とA”とを反応させるか、又はB’とB”とを反応させる工程。
本発明の目的及び利点を以下の実施例により更に説明するが、これらの実施例
中に挙げた特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を著
しく限定するものであると理解されるべきではない。
以下の実施例において、他に記載がないかぎり、全ての温度は摂氏温度で表示
されており、また、全ての部数は重量部で表示されている。市販入手可能な材料
は、当業者に公知の反応過程により化学変換されたものであり、これらは実施例
中に詳述されている。化学変換は、フッ素含有反応体及びフッ素を含有しない反
応体を用いての、アシル化、エステル化、エーテル化、アルキル化及びこれらの
組合せによって前駆体化合物を得、次いでこれらを互いに反応させ、本発明のア
キラルなフッ素含有液晶化合物を得ることからなる。
本発明の種々の実施例において調製された化合物は、それらの融点又は沸点に
より特徴付け、次の分析方法の少なくとも1種を用いて構造を確認した:クロマ
トグラフィー;13C−、1H−及び19F−NMR;並びに赤外分光法及び質量分
析法。
実施例1〜35は、本発明の液晶化合物を調製するのに有用な中間体化合物を調
製する手順を説明する。実施例36〜84は、本発明の液晶化合物の調製法を説明す
る。
実施例で使用した5-アルキル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンは、Zasch
ke,H及びStolle,R.による“Synthese niedrigschmelzender Kristallin-Fl ss
iger Hetercyclen;5-n-Alkyl-2-[4-n-alkanoyloxy-phenyl]pyrimidine”,Z .C hem.
(15)第441-443 頁
(1975)に記載されている。実施例1
メチル=3-メトキシプロパノエート(45g、55%ペルフルオロ-3- メトキシプ
ロピオニルフルオリド)の電気化学的フッ素化から生じたセルのドレンを、-78
℃冷却器、オーバーヘッド撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコ内のド
ライアイスアセトン浴中で-78 ℃に冷却した。冷却器への出口管路に乾燥塔を取
り付けた。5分間にわたって、メタノール(6g)を、急速撹拌した溶液に加えた
。フラスコを0℃に温め、そして撹拌を1時間続けた。その後、反応混合物を室
温に温め、次いで更に2時間撹拌した。水(100ml)を加え、反応混合物を相分
離させた。下層のフルオロケミカル相(40g)を再び水(50ml)で洗浄し、33g
の粗生成物を得た。スチールつる巻線を備えた10.2cm蒸留カラムと蒸留分流器と
を備えたフラスコに生成物を入れた。ポリホスホン酸(9g)を蒸留ポットに入れ
、フルオロケミカル生成物を蒸留した。2種類の生成物留分:80〜84℃で沸騰す
るもの(5.2g、64%メチル=ペルフルオロプロパノエート)、84〜87℃で沸騰す
るもの(6.5g、78%メチル=ペルフルオロ-3- メトキシプロパノエート)を得た
。第2生成物留分のGC質量スペクトルによって、主ピークの素性はCF3OCF2CF2CO2
CH3、メチル=ペルフルオロ-3- メトキシプロパノエートと同じであることが確
認された。
冷却器、オーバーヘッド撹拌機温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコに水素化
ホウ素ナトリウム(5.0g)を加えた。水素化ホウ素ナトリウムを40g のテトラグ
ライムを用いてスラリー化させた。良く撹拌しながら、30分間にわたってメチル
=ペルフルオロ-3- メトキシプロパノエート(30.3g)を加えた。反応混合物を9
0℃で2時間
加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(40g)の中に注いだ。粗反応生成物
の添加が完了した後、濃硫酸(6.0g)を水/生成物混合物に加えた。水/生成物
混合物をフラスコに戻し、次いで水を用いる共沸蒸留により生成物を単離した。
Barretトラップをフラスコと冷却器の間に配置した。生成物/水がトラップ内に
蒸留されるように、粗反応混合物を加熱した。トラップ内で、共沸混合物は2層
に分離し、上方の水層をフラスコに再循環させた。合計27.2g のフルオロケミカ
ル生成物をトラップから単離した。カールフィッシャー水分析法によって、生成
物の5.46重量%は水であることが示された。生成物をポリホスホン酸(23g)に
加え、次いで60℃で1時間加熱した。得られた生成物をポリホスホン酸から一段
蒸留されたものである。所望の生成物(15.7g)が96〜100 ℃で蒸留された。分
析によって、この物質は0.1 重量%の水を含むことが示された。F−NMRによ
って、この物質が以下のもの:91.1モル%の所望の生成物CF3OCF2CF2CH2OH であ
る1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-3- メトキシプロパノール、6.0 モル%のCF3CF2
CH2OH、及び1.2 モル%のCF3CF2CF2CH2OHを含むことが示された。
磁気撹拌棒、低温温度計、隔壁及び窒素バブラーを備えた100ml フラスコ内の
塩化メチレン(25ml)に1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-3- メトキシプロパノール
(13.77g、0.0637モル)及びトリエチルアミン(9.75ml、0.701 モル)を溶解さ
せた。次いで、フラスコの内容物を-20 ℃に冷却し、そして-15 ℃以下の温度を
保つためにシリンジを通じてトリフル酸無水物(triflic anhydride)(10.7ml
、0.0637モル)を徐々に添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め
た。溶液を分液漏斗に移し、そして30mlの0.5N HClで2回及び30mlの水で1回洗
浄した。最終的に得られた溶液を蒸留し、118 〜120 ℃で沸騰する物質8.75mlを
採取した。GCによって、69
面積%の主成分は、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-3- メトキシプロピルトリフレ
ートであった。実施例2
エトキシエチルアセテート(235g、17%ペルフルオロ-2- エトキシアセチルフ
ルオリド)の電気化学的フッ素化から生じたセルのドレンを、-78 ℃冷却器、オ
ーバーヘッド撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコ内のドライアイスア
セトン浴中で-78 ℃に冷却した。冷却器への出口管路に乾燥塔を取り付けた。5
分間にわたって、メタノール(12g)を、急速撹拌した溶液に加えた。フラスコ
を0℃に温め、そして撹拌を1時間続けた。その後、反応混合物を室温に温め、
次いで一晩撹拌した。次いで、濃硫酸(6ml)を加え、反応混合物を相分離させ
た。下層のフルオロケミカル相を上層の硫酸/メタノール/HF相から分離した。
合計101gの粗生成物が単離された。GCによって、この物質は、16重量%がCF3CO2
CH3であり、そして26重量%がCF3CF2OCF2CO2CH3であることが示され、gc/質量
スペクトルはこれらのピークと同じであることが確認された。スチールつる巻線
を備えた10.2cm蒸留カラムと蒸留分流器とを備えたフラスコに粗生成物を入れた
。4種類の生成物留分:65〜70℃で沸騰するもの(5.8g、27%メチルペルフルオ
ロ-2- エトキシアセテート)、70〜75℃で沸騰するもの(6.4g、34%メチルペル
フルオロ-2- エトキシアセテート)、75〜80℃で沸騰するもの(16.8g、36%メ
チルペルフルオロ-2- エトキシアセテート)、及び80〜82℃で沸騰するもの(16
.1g、44%メチルペルフルオロ-2- エトキシアセテート)を得た。4種の生成物
留分を混合した。混合した生成物のGC質量スペクトルによって、主生成物のピー
クの素性はCF3CF2OCF2CO2CH3、ペルフルオロ-2- エトキシアセテートと同じであ
ると確認された。
冷却器、オーバーヘッド撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコに水素
化ホウ素ナトリウム(5.6g)を加えた。水素化ホウ素ナトリウムを45g のテトラ
グライムを用いてスラリー化させた。良く撹拌しながら、30分間にわたってペル
フルオロ-2- エトキシアセテート(45.1g、37%ペルフルオロ-2- エトキシアセ
テート)を加えた。反応混合物を90℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷
却し、水(80g)の中に注いだ。粗反応生成物の添加が完了した後、濃硫酸(7.2
g)を水/生成物混合物に加えた。水/生成物混合物をフラスコに戻し、次いで
水を用いる共沸蒸留により生成物を単離した。Barretトラップをフラスコと冷却
器の間に配置した。生成物/水がトラップ内に蒸留されるように、粗反応混合物
を加熱した。トラップ内で、共沸混合物は2層に分離し、上方の水層をフラスコ
に再循環させた。合計20.5g のフルオロケミカル生成物をトラップから単離した
。ガスクロマトグラフィー(GC)によって、生成物は66%が所望の生成物CF3CF3
OCF3CH3OH 、すなわち1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエタノールであ
ることが示された。GC/質量スペクトルによって、この物質はCF3CF3OCF3CH3OH
73.8%、CF3OCF2CH2OH 5.8%及びCF3CF2OCF2CF2CH2OH 2.3%からなることが示さ
れた。
上記のように、塩化メチレン(30ml)に1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エト
キシエタノール(19.6g、82%フルオロケミカルアルコール)を溶解させ、次い
でシリカゲル(0.9g、100 〜200 メッシュ、983 グレード)により乾燥させ、そ
して濾過した。塩化メチレン溶液を、磁気撹拌棒、温度計,及び滴下漏斗を備え
たフラスコ内に入れた。トリエチルアミン(12.4g)をフラスコに加え、そして
内部温度を40℃に上昇させた。フラスコを氷浴内で5℃に冷却し、次いで温度が
10℃を越えないようにトリフル酸無水物(34.1g)を
徐々に添加した。反応混合物を室温に温めながら一晩撹拌した。水(50ml)及び
塩化メチレン(20ml)を加え、次いで混合物を相分離させた。次いで、下層の生
成物相を3%硫酸(50ml)及び水(20ml)を用いて洗浄した。次いで、塩化メチ
レンを大気圧下で蒸発させた。生成物留分を107 〜115 ℃のヘッド温度で蒸留し
た。合計10.4g の生成物を得た。GC/質量スペクトルによって、この物質は、75
.7面積%のCF3CF2OCF2CH2OSO2CF3からなることが示された。19F−NMRによっ
て、この物質は、87.0重量%のCF3CF2OCF2CH2OSO2CF3、4.6重量%のCF3CF2CF2CF2
OCF2CH2OSO2CF3、0.3重量%のCF3CF2CF2OCF2CH2OSO2CF3からなることが示され
た。実施例3
冷却器、オーバーヘッド撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコに水素
化ホウ素ナトリウム(8.3g)を加えた。水素化ホウ素ナトリウムをテトラグライ
ム(100g)を用いてスラリー化させた。良く撹拌しながら、30分間にわたってメ
チルペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)アセテート(100g、ブトキシエトキ
シエチルアセテートのフッ素化及びメタノリシスにより調製されたもの)を加え
た。反応混合物を90℃で2時間加熱し、次いで40℃に冷却した。メタノール(18
g)を徐々に添加した。反応混合物を50℃で30分間加熱し、次いで水(160g)を
すばやく添加した。水の添加が完了した後、濃硫酸(11g)を水/ 生成物混合物
に加えた。粗生成物を水(160g)を用いて洗浄し、95g の粗生成物を得た。粗生
成物を、160Pa(1.2mmHg)のもと51〜60℃で蒸留し、77.8g の所望の生成物1,1-
ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エタノールを得た。
塩化メチレン(30ml)に1,1-ジヒドロ- ペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)
エタノール(10g)を溶解させ、次いで、磁気撹拌機
、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコ内に入れた。トリフル酸無水物(8.1g)
をフラスコに入れた。フラスコを氷浴内で5℃に冷却し、次いで温度が10℃を越
えないようにトリエチルアミン(2.9g)を徐々に添加した。反応混合物を室温に
温めながら一晩撹拌した。水(20ml)及び塩化メチレン(10ml)を加えて混合物
を相分離させた。次いで、下層の生成物相を3%硫酸(20ml)及び水(10ml)を
用いて洗浄した。次いで、塩化メチレンを大気圧下で蒸発させた。次いで、塩化
メチレンを大気圧下で蒸発させた。生成物留分を60kPa(45mmHg)のもと92〜95
℃のヘッド温度で蒸留した。合計9.4gの生成物を得た。GC/ 質量スペクトルによ
って、この物質は、88面積%の所望の生成物CF3(CF2)3OCF2CF2OCF2CH2OSO2CF3、
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチルトリフレート、及び10
面積%のCF3SO2N(C2H5)2からなることが示された。実施例4
M.W.Partridge及びW.F.Short(J .Chem.Soc.(1947)、第390 頁)の穂付法
により4-シアノ-4'-ヒドロキシビスフェニルを対応するアミジン塩酸塩に転化さ
せた。次いで、アミジン塩酸塩(10g、0.0402モル)及び2-オクチル-3- ジメチ
ルアミノアクロレイン(8.5g、0.0402モル、Z.Arnold 及びF.Sorm によるColl .Czech.Chem.Commun.
,23(1958)、第452 頁に記載されているように調製し
たもの)を無水エタノール150ml 中のメタノール中25%ナトリウムメトキシド(
37ml、0.1608モル)を用いて処理した。得られた混合物を加熱して還流させ、一
晩還流させた。室温に冷却後、減圧下で溶剤を除去した。次いで、水(100ml)
、エーテル(100ml)及び酢酸(10ml)をフラスコに加え、固形物が溶解するま
で混合物を攪拌した。結果として層が分離した。水性層をエーテル(50ml)を用
いて2回抽出した。組み合わせたエーテル層を水(50ml)で3回洗
浄し、次いで無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。最後に、減圧下で溶剤を
除去し、次いで得られた固形物を温アセトニトリルから再結晶化させ、5.38g(3
7%)の所望の生成物5-オクチル-2-(4'-ヒドロキシビフェニル)ピリミジンを得た
。実施例5
4-ベンジルオキシフェノール(10g、0.0499モル)を、乾燥ジメトキシエタン1
00ml 中に懸濁された鉱油(2.8g)中の60%水素化ナトリウムに徐々に添加した
。得られた溶液を室温で30分間攪拌した後、それをドライアイス/アセトン浴に
より冷却した。次いで1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレ
ート(18g、実施例2)を徐々に添加した。添加が完了した後、氷浴を除去し、
そして混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、減圧下で溶剤を除去し、水(200m
l)及びエーテル(150ml)を加えた。固形物が溶解したときに、層が分離し、水
性層をエーテル(150ml)で2回抽出した。組み合わせたエーテル層を1N水酸
化ナトリウム(125ml)で1回及び水(150ml)で2回洗浄し、次いで無水硫酸マ
グネシウムにより乾燥させ、ロータリーエバポレーターにより乾燥するまでスト
リップした。得られた固形物(13g)をエタノールに溶解し、そして炭素に担持
された10% パラジウム触媒の存在のもとで18時間を要して0.4MPa(60psi)で水
素化した。水素化が完了したときに、濾過により触媒を除去し、そして溶剤をロ
ータリーエバポレーターにより除去した。得られた固形物(6.5g)を石油エーテ
ルから再結晶化させ、4g の4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエト
キシ)フェノールを得た。実施例6
この実施例において、1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチ
ルトリフレート(28g、0.049 モル)を1,1-ジヒドロ
ヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレートの代わりに用いたことを除き、
実施例5に記載したのと同じ手順で化合物を調製し、7.6gの4-(1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)フェノールを得た。実施例7
4'- ベンジルオキシ-4- ヒドロキシビフェニル(1.5g、0.0054モル)を、乾燥
ジメトキシエタン(15ml)中に懸濁された鉱油(0.3g)中の60% 水素化ナトリウ
ムに徐々に添加した。得られた溶液を室温で20分間攪拌した後、それを氷浴によ
り冷却した。次いで1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレー
ト(1.9g、0.0055モル)を徐々に添加した。添加が完了したときに、氷浴を除去
し、そして混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、減圧下で溶剤を除去し、水(
25ml)及びエチルエーテル(25ml)を加えた。固形物が溶解したときに、層が分
離し、水性層をエーテル(15ml)で3回抽出した。組み合わせたエーテル層を水
(150ml)で3回洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ロータ
リーエバポレーターにより溶剤を除去した。得られた固形物をテトラヒドロフラ
ンに溶解させ、そして炭素に担持された10% パラジウム触媒の存在のもとで18時
間を要して0.4MPa(60psi)で水素化した。水素化が完了したときに、濾過によ
り触媒を除去し、そして溶剤をロータリーエバポレーターにより除去した。得ら
れた固形物(6.5g)をヘキサンから再結晶化させ、1.2gの4'-(1,1-ジヒドロヘプ
タフルオロ-2- エトキシエトキシ)-4-ヒドロキシビフェニルを得た。実施例8
この実施例において、1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチ
ルトリフレート(2.3g、0.0040モル)を1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキ
シエチルトリフレートの代わりに用いた
ことを除き、鉱油中の60% 水素化ナトリウム0.3g、15のジメトキシエタン、1.0g
(0.0036モル)の4'- ベンジルオキシ-4- ヒドロキシビフェニルを用いて実施例
7に記載したのと同じ手順で化合物を調製し、1.0gの4'-(1,1-ジヒドロペルフル
オロ-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)-4-ヒドロキシビフェニルを得た。実施例9
6-ベンジルオキシ-2- ナフトール(2.5g、0.010 モル)を、乾燥ジメトキシエ
タン(25ml)中に懸濁された鉱油(0.7g)中の60% 水素化ナトリウムに徐々に添
加した。得られた溶液を室温で20分間攪拌した後、それを氷浴により冷却した。
次いで1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレート(3.8g、0.
0011モル)を徐々に添加した。添加が完了したときに、氷浴を除去し、そして混
合物を室温で一晩攪拌した。次いで、減圧下で溶剤を除去し、水(30ml)及びエ
ーテル(30ml)を加えた。固形物が溶解したときに、層が分離し、水性層をエー
テル(25ml)で2回抽出した。組み合わせたエーテル層を水(20ml)で3回洗浄
し、次いで無水硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ロータリーエバポレーターに
より溶剤を除去した。得られた固形物をテトラヒドロフランに溶解させ、そして
炭素に担持された10% パラジウム触媒の存在のもとで0.4MPa(60psi)で18時間
を要して水素化した。水素化が完了したときに、濾過により触媒を除去し、そし
て溶剤をロータリーエバポレーターにより除去した。得られた固形物をヘキサン
から再結晶化させ、1.28g の6-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエト
キシ)-2- ヒドロキシナフタレンを得た。実施例10
この実施例において、1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチ
ルトリフレート(6.2g、0.010 モル)を1,1-ジヒドロ
ヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレートの代わりに用いたことを除き、
実施例9に記載したのと同じ手順で化合物を調製し、2.5gの6-(1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)-2- ヒドロキシナフタレンを得た。実施例11
不活性雰囲気下で三つ口フラスコ内のジメチルホルムアミド(5ml)に水素化
ナトリウム(鉱油中の80%サスペンション0.39g)を加えた。メチルヒドロキシ
ベンゾエート(1.96g、0.129 モル)をトルエン(10ml)とジメチルホルムアミ
ド(5ml)の混合物中に溶解させた。メチルヒドロキシベンゾエート溶液に15分
間にわたって水素化ナトリウムを加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。
次いで1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレート(4.5g、0.
129 モル)を徐々に添加し、そしてフラスコを1時間を要して116 ℃に加熱した
。反応混合物を室温に冷却し、次いで水(25ml)中に注いだ。上方の生成物層を
分離し、そして追加の水(25mL)で再び洗浄した。次いで、ポット温度が120 ℃
に達するまで26.7Pa(0.2mmHg)で粗生成物溶液をストリップした。次いで、生
成物を4Pa(0.03mmHg)で蒸留した。100 〜105 ℃のヘッド温度で蒸留された生
成物(3.7g)は、白色の低融点固形物からなっていた。GC−質量スペクトルによ
って、この物質は、生成物である分子量350 のメチル4-(2,2-ジフルオロ-2- ペ
ンタフルオロエトキシエトキシ)ベンゾエート89%、分子量430 の物質5%、及
び出発物質であるメチルヒドロキシベンゾエートからなっていた。赤外スペクト
ルは所望の構造と一致していた。
続いて、メチル4-(2,2-ジフルオロ-2- ペンタフルオロエトキシエトキシ)ベ
ンゾエート(3.3g)を10% KOH と共に2時間還流した。次いで、加水分解反応を
室温に冷却し、そして98% 硫酸(1.75g
)を用いて酸性にした。沈殿したフッ素化された安息香酸を濾過により単離し、
次いで水(10mL)で2回洗浄した。次いで、粗酸をエタノール(50ml)と混合し
、そして濾過した。減圧オーブン内、室温、26.7Pa(0.2mmHg)で材料を乾燥さ
せた。所望の4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)安息香酸
(2.7g)を単離した。実施例12
窒素雰囲気下でナトリウム(1.15g、50ミリモル)を無水エタノール(200ml)
と反応させた。無水エタノール中の2,3-ジシアノヒドロキノン(8.01g、50ミリ
モル)をエトキシド溶液に滴下添加した。滴下が完了したら、5mlの水の中に溶
けたヨウ化カリウム(0.5g)を加えた。この溶液を還流させ、そして臭化オクチ
ル(9.66g 、50ミリモル)を滴下添加した。次いで、窒素雰囲気下、反応混合物
を1日間還流させた。0.5N HCl水溶液を用いて混合物を酸性にし、そして減圧下
で溶剤を除去した。粗反応生成物を、シリカゲルと溶出液としての塩化メチレン
を使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけた。所望の生成物2,3-ジシアノ
-4- オクチルオキシフェノールを含む適切な留分を組合せ、そしてロータリーエ
バポレーターによる減圧下で溶剤を除去した。粗生成物をエタノール/水から再
結晶化させ、4.5gの2,3-ジシアノ-4- オクチルオキシフェノールを得た。実施例13
Reiffenrath,V等による“New Liquid Crystalline Compounds With Negative
Dielectric Anisotropy”Liquid Crystals, 5,(1989),第159 〜170 頁に記載
されているように2,3-ジフルオロ-4- オクチルオキシフェノールを調製した。実施例14
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-2-(ヘキシルオキシエトキシ)
エタノエート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ヘキシルオキシエトキシ)エ
タノール(3.5mmHg で沸点80〜85℃)から1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ヘキ
シルオキシエトキシ)エチルトリフレート(C6F13OC2F4OCF2CH2OSO2CF3、3.0mmHg
で沸点90〜100 ℃)を調製した。実施例15
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-4-(4-ブトキシブトキシ)ブタ
ノエート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(4-ブトキシブトキシ)ブタノール(
3mmHgで沸点87〜100 ℃)から1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(4-ブトキシブトキ
シ)ブチルトリフレート(C4F9OC4F8OC3F6CH2OSO2CF3、0.1mmHg で沸点76〜80℃
)を調製した。実施例16
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-2-(2-(2-メトキシエトキシ)
エトキシ)エタノエート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-(2- メトキシエト
キシ)エトキシ)エタノール(15mmHgで沸点72〜75℃)から1,1-ジヒドロペルフル
オロ-2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エチルトリフレート(CF3O(C2F4O)2
CF2CH2OSO2CF3、15mmHgで沸点70〜73℃)を調製した。実施例17
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-3-(ブトキシ)プロパノエート
及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-f3-(ブトキシ)プロパノール(15mmHgで沸点60
℃)から1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキシ)プロピルトリフレート(C4F9O
C2F4CH2OSO2CF3、15mmHgで沸点73℃)を調製した。実施例18
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-4-(ブトキシ)ブタノエート及
び1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(ブトキシ)ブタノールから1,1-ジヒドロペルフ
ルオロ-4-(ブトキシ)ブチルトリフレート(C4F9OC3F6CH2OSO2CF3、2.5mmHg で沸
点57〜63℃)を調製した。実施例19
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロパノ
エート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロパノールから1,1
-ジヒドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロピルトリフレート(C6F13OC2F4
CH2OSO2CF3、0.1mmHg で沸点65〜67℃)を調製した。実施例20
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-3-(オクチルオキシ)プロパノ
エート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(オクチルオキシ)プロパノールから1,1
-ジヒドロペルフルオロ-3-(オクチルオキシ)プロピルトリフレート(C8F19OC2F4
CH2OSO2CF3、1mmHgで沸点56℃)を調製した。実施例21
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-3-(デシルオキシ)プロパノエ
ート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(デシルオキシ)プロパノールから1,1-ジ
ヒドロペルフルオロ-3-(デシルオキシ)プロピルトリフレート(C10F21OC2F4CH2O
SO2CF3、9mmHgで沸点130 〜140 ℃)を調製した。実施例22
実施例3に記載のようにメチル=ペルフルオロ-3-(ネオペントキシ)プロパノ
エート及び1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ネオペントキシ)プロパノールから1,1
-ジヒドロペルフルオロ-3-(ネオペント
キシ)プロピルトリフレート((CF3)3CCF2OC2F4CH2OSO2CF3)を調製した。実施例23
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール(5.0g、11.6
ミリモル)とテトラグライム(2ml)中に溶けた水酸化カリウム(7mg、0.12ミ
リモル)との攪拌した溶液にエチレンカーボネート(1.0g、11.6ミリモル)を加
えた。溶液を6時間を要して100 ℃に加熱し、次いで周囲温度で10時間加熱した
。生成物を反応混合物から蒸留し、3.66g の2-[1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノール(0.8mmHg で沸点52℃)を透明な油
として得た。次いで、ジクロロメタン(20ml)中に溶けた4-N,N-ジメチルアミノ
ピリジン(90mg、0.8 ミリモル)、トリエチルアミン(2.1ml 、15.4ミリモル)
及びp-トルエンスルホニルクロライド(1.61g、8.5 ミリモル)の攪拌された溶
液に前記アルコール(3.66g、7.7 ミリモル)を加えた。窒素雰囲気下で溶液を1
0時間撹拌し、次いでシリカゲル(20g)のパッドを通して濾過した(4:1 ヘキサ
ン/エチルアセテート100ml を用いて洗い落とした)。濾液を濃縮し、所望の生
成物2-[1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エチル-
p- トルエンスルホネート:
を淡褐色の油として得た。実施例24
窒素雰囲気(浴温度100 ℃)中の還流下で1,1-ジヒドロペルフルオロオクタノ
ール(141.9g)、エチレンカーボネート(51.7g)及
びトリエチルアミン(36.7g)を36時間加熱することにより2-(1,1- ジヒドロペ
ルフルオロオクチルオキシ)エタノール(C7F15CH2OCH2CH2OH)を調製した。ガス
クロマトグラフィーによって、混合物は、所望の生成物86%、出発原料のアルコ
ール4%及びジアダクト(diadduct)6%と、その残りとして揮発性不純物から
なることが示された。抽出溶剤としてFreon 113 を用いる水性酸性後処理によっ
て、粗生成物が得られた。アスピレーター圧力での減圧蒸留によって、生成物を
90%含む前留分(68.1g)と純度が99%の中心留分41.8g を得た。実施例25
1,1-ジヒドロペルフルオロヘキサノールを1,1-ジヒドロペルフルオロオクタノ
ールの代わりに用いたことを除き、実施例24に記載のように2-(1,1- ジヒドロペ
ルフルオロヘキシルオキシ)エタノール(C5F11CH2OCH2CH2OH)を調製した。実施例26
不活性雰囲気下で2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エタノール
(53g)、エチレンカーボネート(46.4g)及びトリエチルアミン(33.8g)を加
熱することにより、2-(2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エトキシ)
エタノール(C7F15CH2OCH2CH2OCH2CH2OH)を調製した。混合物を還流下で5日間
加熱した。抽出溶剤としてFreon 113 を用いる水性酸性後処理によって、粗生成
物が得られた。生成物を蒸留(kugelrohr)し、13.63gの所望の生成物を得た。実施例27
Hanack及びAuchter によりJACS 107、第5238頁(1985)に記載されているように
1-ブロモ-2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エタン(C7F15CH2OCH2C
H2Br)を調製した。磁気攪拌機、不活
性雰囲気、温度計及び隔壁入口を備えた50mlフラスコにトリフェニルホスフィン
(6.22g)及びアセトニトリル(25ml)を装入した。氷塩浴内でフラスコを冷却
し、溶液の温度を-3℃にし、そして気密シリンジにより15分間にわたって臭素3.
76g を添加し、溶液の温度を5℃以下に保った。更に5分間経過した後、前記浴
を除去し、そしてシリンジにより約7分間にわたって2-(1,1-ジヒドロペルフル
オロオクチルオキシ)エタノール(実施例24)(10.0g)を添加した。1時間後
、水中で反応を停止させ、抽出溶剤としてのジクロロメタンを乾燥させて溶剤を
除去し、生成物とトリフェニルホスフィンオキシド副生成物の混合物を得た。Fr
eon 113 を用いる粉砕によって、無色の油として粗生成物を得、その中から少量
のトリフェニルホスフィンオキシド副生成物を分離した。濾過によって、11.65g
の生成物を得た(理論収量11.42g)。更なる精製は行わなかった。実施例28
2-(1,1-ジヒドロペルフルオロヘキシルオキシ)エタノールを2-(1,1-ジヒド
ロペルフルオロオクチルオキシ)エタノールの代わりに用いたことを除き、実施
例27に記載のように1,1-ジヒドロペルフルオロヘキシルオキシ2-ブロモエチルエ
ーテル(C5F11CH2OCH2CH2Br)を調製した。実施例29
2-(2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エトキシ)エタノールを2-(
1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エタノールの代わりに用いたことを
除き、実施例27に記載のように1-ブロモ-2-(2-(1,1- ジヒドロペルフルオロオク
チルオキシ)エトキシ)エタン(C7F15CH2OCH2CH2OCH2CH2Br)を調製した。実施例30
1リットルフラスコ内で、30g(0.09モル)の過塩素酸2-ベンジル
オキシトリメチニウム(A.Holy 及びZ.Arnold によるCollection Czechoslov
.Chem.Commun.,38(1973)、第1372頁の手順に従って調製)、15.6g(0.09モ
ル)のp-ヒドロキシベンズアミジン塩酸塩、メタノール中に溶けた25%ナトリウ
ムメトキシド82.5ml(0.36モル)、及び500ml のエタノール混合した。混合物を
加熱して一晩還流させ、次いで室温に冷却した。次いで、酢酸75ml及び水300ml
をフラスコに加え、その結果、生成物が沈殿した。濾過により生成物を集め、水
で洗浄し、そして乾燥させた。5-ベンジルオキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピ
リミジンの収量は23.06g(92%)であった。実施例31
1リットルフラスコ内で、16.5g(0.05モル)の過塩素酸2-ベンジルオキシトリ
メチニウム(A.Holy 及びZ.Arnold によるCollection Czechoslov.Chem.Com
mun.,38(1973)第1372頁の手順に従って調製)、12.3g(0.05モル)の4'- ヒド
ロキシフェニルベンズアミジン塩酸塩、メタノール中に溶けた25%ナトリウムメ
トキシド45ml(0.20モル)、及び300ml のエタノール混合した。混合物を加熱し
て一晩還流させ、次いで室温に冷却した。次いで、水300ml をフラスコに加え、
その結果、沈殿が起こった。ロータリーエバポレーターにより減圧下で殆どのメ
タノールを除去した。濾過により固形物を集めた。ケークを95℃の温水に溶解さ
せ、次いで濃塩酸により温溶液を酸性にし、生成物を沈殿させた。濾過により温
混合物から生成物を集め、温水で洗浄し、次いで風乾させた。5-ベンジルオキシ
-2-(4'- ヒドロキシビフェニル)ピリミジンの収量は11.97g(68%)であった。実施例32
500ml フラスコ内のN,N-ジメチルホルムアミド150ml に5-ベンジ
ルオキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(18g、0.0647モル、実施例30)
を溶解させ、次いで1.7gの乾燥水素化ナトリウムを添加した。混合物を15分間攪
拌した後、36.5g(0.0647モル)の1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエト
キシ)エチルトリフレートを添加し、そして混合物を1時間を要して95℃に加熱
した。室温に冷却する際に、同体積の水を添加した。生成した固形物を濾過によ
り集めた。次いで固形物を沸騰メタノール中にスラリー化し、室温に冷却し、次
いで濾過により再び集めた。413.7kPaの水素圧下、約18時間を要し、テトラヒド
ロフラン中の炭素に担持された10%パラジウム触媒を用いてParr水素添加機によ
り固形物を水素化した。水素化が完了した後、濾過により触媒を除去し、次いで
ロータリーエバポレーターにより溶剤を除去し、25.62g(収率66%)の5-ヒドロ
キシ-2-(4-(1,1- ジヒドロペルフルオロ)-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)フ
ェニル)ピリミジンを得た。実施例33
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシ)エチルトリフレートを1,1-ジヒドロ
ペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代わりに用いたこと
を除き、実施例32に記載のように5-ヒドロキシ-2-(4-(1,1- ジヒドロペルフルオ
ロ-2-(ブトキシ)エトキシ)フェニルピリミジンを調製した。実施例34
50mlフラスコ内のN,N-ジメチルホルムアミド15mlに5-ベンジルオキシ-2-(4-ヒ
ドロキシフェニル)ピリミジン(2g、0.0072モル、実施例30)を溶解させ、次い
で0.2gの乾燥水素化ナトリウムを添加した。混合物を15分間攪拌した後、1.39g
(0.0072モル)の臭化オクチルを添加し、そして混合物を2時間を要して100 ℃
に加熱した。室温に冷却する際に、15mlの水を添加した。生成した固形物を濾過
により集め、次いで固形物を沸騰メタノール中にスラリー化し、室温に冷却し、
次いで濾過により再び集めた。413.7kPaの水素圧下、約18時間を要し、テトラヒ
ドロフラン中の炭素に担持された10%パラジウム触媒を用いてParr水素添加機に
より固形物を水素化した。水素化が完了した後、濾過により触媒を除去し、次い
でロータリーエバポレーターにより溶剤を除去し、1.62g(収率75%)の5-ヒド
ロキシ-2-(4-(オクチルオキシ)フェニル)ピリミジンを得た。実施例35
5-ベンジルオキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-ベンジ
ルオキシ-2-(4'- ヒドロキシビフェニル)ピリミジン(実施例31)を用いたこと
を除き、実施例32に記載のように5-ヒドロキシ-2-(4'-(1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)ビフェニル)ピリミジンを調製した。実施例36
磁気攪拌棒、隔壁、栓、及び窒素バブラーに連結された水冷式冷却器を備えた
100ml 三つ口フラスコに乾燥水素化ナトリウム(0.8g、0.0345モル)、トルエン
(20ml)、及びジメチルホルムアミド(20ml)を装入した。水素の発生を抑制す
るために、激しく攪拌しながら、5-ヘキシル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミ
ジン(5.9g、0.023 モル)を徐々に添加した。得られた混合物を室温で30分間攪
拌した。次いで、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-3- メトキシプロピルトリフレー
ト(8g、0.023 モル、実施例1で調製)を添加し、次いで溶液を加熱して還流さ
せた。1時間後、反応混合物を室温まで放冷した。フラスコの内容物を、水(50
ml)を含む分液漏斗に注入した。得られた層を分離し、次いでトルエン(20ml)
を用いて水性層を抽出した。次いで組み合わせた有機層を水を用いて3回洗浄し
、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、そして濾過した。ロータ
リーエバポレーターにより溶剤を除去した後、褐色の油を得た。この油を、シリ
カゲル(125g)を用いるクロマトグラフィーにかけ、クロロホルムにより溶出し
た。所望の生成物の直前及び所望の生成物と一緒に溶出された黄色不純物から生
成物を分離するのに注意を払った。淡黄色の半固体(室温で液晶)が得られた。
この所望の生成物5-ヘキシル-2-(4-(1,1- ジヒドロヘプタフルオロ)-3-メトキシ
プロポキシ)フェニル)ピリミジン(表1の化合物1)の収量は2.8gであった。実施例37
磁気攪拌棒、隔壁、栓、及び窒素バブラーに連結された水冷式冷却器を備えた
100ml 三つ口フラスコに60%水素化ナトリウム/鉱油(1.6g、0.04モル)、トル
エン(25ml)、及びジメチルホルムアミド(25ml)を装入した。激しく攪拌しな
がら、水素の発生を抑制するために5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリ
ミジン(7.6g、0.0267モル)を徐々に添加した。得られた混合物を室温で30分間
攪拌した。次いで、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレー
ト(9.3g、0.0267モル、実施例2で調製)を添加し、次いで溶液を加熱して還流
させた。1時間後、反応混合物を室温に放冷した。フラスコの内容物を、水(50
ml)を含む分液漏斗に注入した。得られた層を分離し、次いでトルエン(20ml)
を用いて水性層を抽出した。次いで組み合わせた有機層を水を用いて3回洗浄し
、シリカゲル(5g)により1時間を要して処理し、そして濾過した。ロータリー
エバポレーターにより溶剤を除去した後、淡褐色の油を得た。この油を、シリカ
ゲル(125g)を用いるクロマトグラフィーにかけ、クロロホルムにより溶出した
。淡黄色の半固体(室温で液晶)が得られた。この所望の生成物5-オクチル-2-(
4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)フェニル)ピリミジン
(表1の化合物2)の収量は6.4gであった。実施例38
磁気攪拌棒、隔壁、栓、及び窒素バブラーに連結された水冷式冷却器を備えた
100ml 三つ口フラスコに60%水素化ナトリウム/鉱油(0.8g、0.02モル)、トル
エン(15ml)、及びジメチルホルムアミド(15ml)を装入した。激しく攪拌しな
がら、水素の発生を抑制するために5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリ
ミジン(3.76g、0.0132モル)を徐々に添加した。得られた混合物を室温で30分
間攪拌した。次いで、1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチル
トリフレート(7.47g、0.0132モル、実施例3で調製)を添加し、次いで溶液を
加熱して還流させた。1時間後、反応混合物を室温に放冷した。フラスコの内容
物を、水(50ml)を含む分液漏斗に注入した。得られた層を分離し、次いでトル
エン(20ml)を用いて水性層を抽出した。次いで組み合わせた有機層を水を用い
て3回洗浄し、シリカゲル(5g)により1時間を要して処理し、そして濾過した
。ロータリーエバポレーターにより溶剤を除去した後、淡褐色の油を得た。この
油を、シリカゲル(125g)を用いるクロマトグラフィーにかけ、クロロホルムに
より溶出した。淡黄色の半固体(室温で液晶)が得られた。この所望の生成物5-
オクチル-2-(4-(1,1- ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)
フェニル)ピリミジン(表1の化合物3)の収量は4.7gであった。実施例39
80%水素化ナトリウム油中分散体0.585g及び11.0gの1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ−2−ブトキシエトキシエチルトリフレートを使用しそして5-オクチル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-ヘキシル-2-(4-ヒドロキシフェニ
ル)ピリミジン5.0gを使
用したことを除き、実施例38におけるように生成物を調製した。得られた生成物
5-ヘキシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキ
シ)フェニル)ピリミジンは表1の化合物4である。実施例40
乾燥窒素雰囲気下で50mlフラスコに鉱油中の60%水素化ナトリウム(0.2g、0.
004 モル)、トルエン(10ml)、N,N-ジメチルホルムアミド(10ml)及び5-オク
チル-2-(4'- ヒドロキシビフェニル)ピリミジン(0.00277 モル、実施例4にお
けるように調製)を装入した。混合物を室温で1.5 時間撹拌した。1,1-ジヒドロ
ヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレート(0.96g、0.00277 モル)を添
加し、次いで混合物を1.5 時間を要して100 度に加熱した。室温に冷却後、フラ
スコの内容物を、水(60ml)及びトルエン(20ml)を含む分液漏斗に入れた。層
が分離し水性層を20mlのトルエンにより2回抽出した。組み合わせた有機層を30
mlの水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、そして濾過した
。減圧下で溶剤を除去した。得られた褐色固形物をエタノールから再結晶化させ
、次いでシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにかけ、クロロホルム
を用いて溶出し、0.58g の白色固形物5-オクチル-2-(4'-(1,1-ジヒドロヘプタ
フルオロ-2- エトキシエトキシ)ビフェニル)ピリミジン(表1の化合物5)を
得た。実施例41
1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレートの代わりに1,1-
ジヒドロペルフルオロ-2-(2-1-ブトキシエトキシ)エチルトリフレート(1.6g、0
.00277 モル)を使用したことを除き、実施例40に記載したように5-オクチル-2-
(4'-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシビフェニル)
ピリミジン
)を調製し、0.4gの5-オクチル-2-(4'-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキ
シエトキシ)エトキシビフェニル)ピリミジン)(表1の化合物6)を得た。実施例42
4-デシルオキシ安息香酸(0.45g、0.0016モル)及び4-(1,1-ジヒドロヘプタ
フルオロ-2- エトキシエトキシ)フェノール(0.5g、0.0016モル、実施例5にお
けるように調製)をジクロロメタン(25ml)に溶かした。1,3-ジシクロヘキシル
カルボジイミド(0.35g、0.0017モル)を反応混合物に加え、次いで4-(N,N-ジ
メチルアミノ)ピリジン(0.05g、0.0004モル)を加えた。得られた混合物を窒
素雰囲気下の室温で18時間撹拌した。沈殿した尿素を生成物溶液から濾過により
除去し、次いで減圧下で濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮した。粗固
形分をエタノールからの再結晶化に続いてシリカゲルによるフラッシュクロマト
グラフィーにより精製し、次いでクロロホルムを用いて溶出し、0.12g の所望の
生成物(表1の化合物7)を得た。実施例43〜53
実施例43〜53において、4-デシルオキシ安息香酸及び4-(1,1-ジヒドロヘプタ
フルオロ-2- エトキシエトキシ)フェノールの代わりに以下に示す前駆化合物を
用いたことを除き、表1の化合物8〜20をそれぞれ実施例42におけるように調製
した。
実施例43の化合物8は、3-クロロ-4- オクチルオキシ安息香酸と4-(1,1-ジヒ
ドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)フェノール(実施例5)から調製し
た。
実施例44の化合物9は、3-クロロ-4- オクチルオキシ安息香酸と4-(1,1-ジヒ
ドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エトキシ)フェノール(実施例6)
から調製した。
実施例45の化合物10は、6-(4-メチルヘキシルオキシ)ニコチン酸と4-(1,1-
ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)フェノール(実施例5)から調
製した。この生成物は室温で液体であったため、再結晶化せず、単にクロマトグ
ラフィーにより精製した。
実施例46の化合物11は、6-(4-メチルヘキシルオキシ)ニコチン酸と4-(1,1-
ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)フェノール(実施例
6)から調製した。この生成物は室温で液体であったため、再結晶化せず、単に
クロマトグラフィーにより精製した。
実施例47の化合物12は、オクチルオキシ安息香酸と6-(1,1-ジヒドロヘプタフ
ルオロ-2- エトキシエトキシ)-2- ヒドロキシナフタレン(実施例9)から調製
した。
実施例48の化合物13は、デシルオキシ安息香酸と6-(1,1-ジヒドロヘプタフル
オロ-2- エトキシエトキシ)-2- ヒドロキシナフタレン(実施例9)から調製し
た。
実施例49の化合物14は、デシルオキシ安息香酸と6-(1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)-2- ヒドロキシナフタレン(実施例10)か
ら調製した。
実施例50の化合物15は、オクチルオキシ安息香酸と4'-(1,1-ジヒドロヘプタフ
ルオロ-2- エトキシエトキシ)-4-ヒドロキシビフェニル(実施例7)から調製し
た。
実施例51の化合物16は、デシルオキシ安息香酸と4'-(1,1-ジヒドロヘプタフル
オロ-2- エトキシエトキシ)-4-ヒドロキシビフェニル(実施例7)から調製した
。
実施例52の化合物17は、デシルオキシ安息香酸と4'-(1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)-4-ヒドロキシビフェニル(実施例8)か
ら調製した。
実施例53の化合物18は、4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキ
シ)安息香酸(実施例11)とヒドロキノンモノ-trans-4- ペンチルシクロヘキサ
ンカルボキシレートから調製した。
実施例54
乾燥窒素雰囲気下で2,3-ジシアノ-4- オクチルオキシフェノール(0.8g、0.00
30モル、実施例12)、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)安息
香酸(1.0g、0.0030モル、実施例11)及びジクロロメタン(50ml)を100ml 丸底
フラスコに装入した。攪拌しながら1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.64
g、0.0031モル)及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジンの数個の結晶を添加し
た。攪拌を室温で4時間続けた。次いで、得られた混合物を濾過し、形成された
沈殿した尿素を除去した。分液漏斗内で、透明な濾液を希塩酸、希炭酸カリウム
及び水を用いて洗浄した。無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶液を再
び濾過し、そしてロータリーエバポレーターにより溶剤を除去し、白色固形物を
得た。この固形物を次にシリカゲル(80g)によるフラッシュクロマトグラフィ
ーにかけ、ジクロロメタンを用いて溶出し、所望の生成物2,3-ジシアノ-4- オク
チルオキシフェニル-4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロエチルエトキシ)ベンゾエ
ート(表1の化合物19)を単離した。実施例55
乾燥窒素雰囲気下で、2,3-ジフルオロ-4- オクチルオキシフェノール(0.92g
、0.0036モル、実施例13)、4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロエチルエトキシ)
安息香酸(1.2g、0.0036モル、実施例11)及びジクロロメタン(60ml)を100ml
丸底フラスコに装入した。攪拌しながら1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(
0.77g、0.0037モル)及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジンの数個の結晶を添
加した。攪拌を室温で4時間続けた。次いで、得られた混合物を濾
過し、形成された沈殿した尿素を除去した。分液漏斗内で、透明な濾液を希塩酸
、希炭酸カリウム及び水を用いて洗浄した。無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
した後、溶液を再び濾過し、そしてロータリーエバポレーターにより溶剤を除去
し、白色固形物を得た。この固形物を次にシリカゲル(80g)によるフラッシュ
クロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタンを用いて溶出し、所望の生成物2,3-
フルオロ-4- オクチルオキシフェニル-4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロエトキシ
エトキシ)ベンゾエート(1.2g)(表1の化合物20)を単離した。比較例1〜5
比較例1において、4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)
フェノールの代わりに4-(1,1-ジヒドロペルフルオロブトキシ)フェノールを用
いたことを除き、化合物7を調製するのに用いた手順を用いて表1の化合物C1
を調製した。
比較例2において、4-(1,1-ジヒドロ- ヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ
)フェノールの代わりに4-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロブトキシ)フェノール
を用いたことを除き、化合物10を調製するのに用いた手順を用いて表1の化合物
C2を調製した。
比較例3において、6-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエトキシ)
-2- ヒドロキシナフタレンの代わりに6-(1,1-ジヒドロヘプタフルオロブトキシ)
-2-ナフトールを用いたことを除き、化合物13を調製するのに用いた手順を用い
て表1の化合物C3を調製した。
比較例4において、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレ
ートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロブチルトリフレートを用いたことを除
き、実施例37の手順を用いて表1の化合物C4を調製した。
比較例5において、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-2- エトキシエチルトリフレ
ートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロヘキシルトリフレートを用いたことを
除き、実施例37の手順を用いて表1の化合物C5を調製した。
表1の化合物について、Linkam TMH600 ホットステージ及びSeiss 偏光顕微鏡
を使用して物質の相変化を光学的に観察することにより転移温度を測定した。等
方的状態(I)から結晶状態(K)への転移温度(℃)を表2に示す。
化合物4と化合物C1、化合物10と化合物C1、及び化合物13と化合物C3と
を比較することから分かるように、ペルフルオロ末端部分を有する本発明の化合
物は、ペルフルオロ末端部分にエーテル基を有しない同様な化合物よりもIから
SmAへの転移温度は低い。
特にスメクチックA及びスメクチック中間相に関して、本発明の化合物が低い
転移温度を有することが、図1及び2にも示されており、図1及び2において、
相はDSC及び光学顕微鏡を使用して決定した。
図1において:
Aは、化合物C4に関するスメクチックA相であり、
A’は、化合物C4に関するスメクチックC相であり、
Bは、化合物2に関するスメクチックA相であり、
B’は、化合物2に関するスメクチックC相であり、
Cは、化合物C5に関するスメクチックA相であり、
C’は、化合物C5に関するスメクチックC相であり、
Dは、化合物3に関するスメクチックA相であり、及び
D’は、化合物3に関するスメクチックC相である。
図2において:
Eは、化合物C4に関するスメクチックA相であり、
E’は、化合物C4に関するスメクチックC相であり、
Fは、化合物2に関するスメクチックA相であり、
F’は、化合物2に関するスメクチックC相であり、
Gは、化合物C5に関するスメクチックA相であり、
G’は、化合物C5に関するスメクチックC相であり、
Hは、化合物3に関するスメクチックA相であり、及び
H’は、化合物3に関するスメクチックC相である。
実施例56及び比較例C6
実施例56において、
5部の
1.67部の
1.67部の
1.66部の
を含む液晶混合物を調製した。この混合物について、Linkam TMH600 ホットステ
ージ及びSeiss 偏光顕微鏡を使用して物質の相変化を光学的観察により転移温度
を測定した。
比較例6において、ペルフルオロエーテル末端部分を有する液晶材料を用いな
かったことを除き、実施例56におけるように混合物を
調製した。この混合物について、実施例56におけるように転移温度を評価した。
その結果を表3に示す。
表3のデータから分かるように、ペルフルオロエーテル末端部分を有する液晶
材料の添加によって、転移温度が著しく低くなる。実施例57
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ヘキシルオキシエトキシ)エチルトリフ
レート(実施例14)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製し
た。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-20 ℃のエタノールから
再結晶化させ、白色粉末、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ-2-(2-ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合
物21)を得た。実施例58
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブト
キシエトキシ)エチルトリフレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-
ヘキシルオキシエトキシ)エチルトリフレート(実施例14)を用いたことを除き
、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をクロマトグラフィーにより
精製し、次いで-20 ℃のエタノールから再結晶化させ、白色粉末、すなわち5-デ
シル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ヘキシ
ルオキシエトキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物22)を得た。実施例59
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(4-ブトキシブトキシ)ブチルトリフレート
(実施例15)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生
成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-78 ℃のエタノールから再結晶
化させ、室温で白色真珠光沢のあるペースト、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-
ジヒドロペルフルオロ-4-(4-ブトキシブトキシ)ブトキシ)フェニルピリミジン
(表4の化合物23)を得た。実施例60
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブト
キシエトキシ)エチルトリフレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(4-
ブトキシブトキシ)ブチルトリフレート(実施例15)を用いたことを除き、実施
例38記載のように生成物を調製した。生成物をクロマトグラフィーにより精製し
、次いで-78 ℃のエタノールから再結晶化させ、室温で白色真珠光沢のあるペー
スト、すなわち5-デシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(4-ブトキシブト
キシ)ブトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物24)を得た。実施例61
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2(2-メトキシエトキシ)エチルトリフレー
ト(実施例16)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。
生成物をクロマトグラフィ
ーにより精製し、次いで-78 ℃のエタノールから再結晶化させ、室温で白色真珠
光沢のあるペースト、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-4
-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の
化合物25)を得た。実施例62
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブト
キシエトキシ)エチルトリフレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-
(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エチルトリフレート(実施例16)を用いたこ
とを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をクロマトグラフィ
ーにより精製し、次いで-78 ℃のエタノールから再結晶化させ、室温で白色真珠
光沢のあるペースト、すなわち5-デシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の化
合物26)を得た。実施例63
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキシ)プロピルトリフレート(実施例1
7)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をク
ロマトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノールから再結晶化させ、
白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキ
シ)プロポキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物27)を得た。実施例64
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキ
シ)プロピルトリフレートの代わりに1,
1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキシ)プロピル)トリフレート(実施例17)を
用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をクロマト
グラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノールから再結晶化させ、白色固
形物、すなわち5-デシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキシ)プロ
ポキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物28)を得た。実施例65
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(ブトキシ)ブチルトリフレート(実施例18
)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をクロ
マトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノールから再結晶化させて濾
過し、白色ペースト、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-4
-(ブトキシ)ブトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物29)を得た。実施例66
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキ
シ)プロピルトリフレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(ブトキシ)ブ
チルトリフレート(実施例18)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成
物を調製した。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタ
ノールから再結晶化させ、白色固形物、すなわち5-デシル-2-(4-(1,1-ジヒドロ
ペルフルオロ-4-(ブトキシ)ブトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物30)
を得た。実施例67
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリ
フレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロピルト
リフレート(実施例19)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調
製した。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノール
から再結晶化させて濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒ
ドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロポキシ)フェニルピリミジン(表4
の化合物31)を得た。実施例68
5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンの代わりに5-デシル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジンを、また1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ブトキ
シ)プロピルトリフレートの代わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオ
キシ)プロピルトリフレート(実施例19)を用いたことを除き、実施例38記載の
ように生成物を調製した。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-1
5 ℃のエタノールから再結晶化させ、白色固形物、すなわち5-デシル-2-(4-(1,
1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ヘキシルオキシ)プロポキシ)フェニルピリミジン
(表4の化合物32)を得た。実施例69
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(オクチルオキシ)プロピルトリフレート(
実施例20)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成
物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで室温のエタノールから再結晶化さ
せて濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオ
ロ-3-(オクチルオキシ)プロポキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物33)を
得た。実施例70
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(デシルオキシ)プロピルトリフレート(実
施例21)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物
をクロマトグラフィーにより精製し、次いで室温のエタノールから再結晶化させ
て濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ
-3-(オクチルオキシ)プロポキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物34)を得
た。実施例71
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1,1-ジヒドロペルフルオロ-3-(ネオペントキシ)プロピルトリフレート(
実施例22)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成
物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノールから再結晶化
させて濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフル
オロ-3-(ネオペントキシ)プロポキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物35)
を得た。実施例72
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに2[1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エチル-p
- トルエンスルホネート(実施例23)を用いたことを除き、実施例38記載のよう
に生成物を調製した。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで室温の
エタノールから再結晶化させて濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-
(2-[1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ)フ
ェニルピリミジン(表4の化合物36)を得た。実施例73
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1-ブロモ-2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エタン(実施例2
7)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をク
ロマトグラフィーにより精製し、次いで室温のエタノールから再結晶化させて濾
過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロオク
チルオキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物37)を得た。実施例74
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1-ブロモ-2-(1,1-ジヒドロペルフルオロヘキシルオキシ)エタン(実施例2
8)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製した。生成物をク
ロマトグラフィーにより精製し、次いで室温のエタノールから再結晶化させ、白
色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(2-(1,1-ジヒドロペルフルオロヘキシルオ
キシ)エトキシ)フェニルピリミジン(表4の化合物38)を得た。実施例75
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エチルトリフレートの代
わりに1-ブロモ-2-(2-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エトキシ)
エタン(実施例29)を用いたことを除き、実施例38記載のように生成物を調製し
た。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで-15 ℃のエタノールから
再結晶化させて濾過し、白色固形物、すなわち5-オクチル-2-(4-(2-(2-(1,1-ジ
ヒドロペルフルオロオクチルオキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルピリミジン(
表4の化合物39)を得た。実施例76
5-ヒドロキシ-2-(4-(1,1- ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエ
トキシ)エトキシ)フェニル)ピリミジン(10g、0.0166モル、実施例32)を150ml
のN,N-ジメチルホルムアミドに溶かし、次いで0.5gの乾燥水素化ナトリウムによ
り処理した。15分間攪拌した後、1-ブロモデカン(3.67g、0.0166モル)を添加
し、次いで混合物を2時間を要して100 ℃に加熱した。室温に冷却する際に、15
0ml の水を加えると固形物が沈殿した。濾過により固形物を集め、エタノールか
ら再結晶化させ、次いで150gのシリカゲル(クロロホルム)によるクロマトグラ
フィーにかけ、表4の化合物40を4.0g得た。実施例77〜81
実施例77〜81において、5-ヒドロキシ-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
ブトキシエトキシ)エトキシ)フェニル)ピリミジン及び1-ブロモデカンの代わり
に以下に示す前駆化合物を用いたことを除き、実施例76におけるように表1の化
合物40〜44を調製した。
実施例77の化合物41は、5-ヒドロキシ-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
ブトキシエトキシ)エトキシ)フェニル)ピリミジン(実施例32)と1-ブロモオク
タンから調製した。
実施例78の化合物42は、5-ヒドロキシ-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
ブトキシ)エトキシ)フェニル)ピリミジン(実施例33)と1-ブロモオクタンから
調製した。
実施例79の化合物43は、5-ヒドロキシ-2-(4-(オクチルオキシ)フェニル)ピ
リミジン(実施例34)と1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシ)エチルトリフ
レートから調製した.
実施例80の化合物44は、5-ヒドロキシ-2-(4-(オクチルオキシ)フェニル)ピ
リミジン(実施例34)と1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシ)エチ
ルトリフレートから調製した。
実施例81の化合物45は、5-ヒドロキシ-2-(4'-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(
ブトキシエトキシ)エトキシ)ビスフェノール)ピリ
ミジン(実施例35)と1-ブロモ-2-(ブトキシエトキシ)エタンから調製した。
表4の化合物について、Linkam TMH600 ホットステージ及びSeiss 偏光顕微鏡
を使用して物質の相変化を光学的に観察することにより転移温度を測定した。等
方的状態(I)から結晶状態(K)への転移温度(℃)を表5に示す。
実施例82
1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ブトキシエトキシ)ブチルノナフルオロブタン
スルホネート(C4F9OCF2CF2O(CF2)3CH2OSO2C4F9)の調製
水素化ホウ素ナトリウムによる対応するメチルエステル(例えば、引用により
ここに含めることにする米国特許第5,362,919 号(Costello等)の実施例5に記
載されている方法により調製することができる)の還元によって、基本的に上記
実施例3の手順により1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ブトキシエトキシ)ブタ
ノール(0.5torr におけるb.p.75 〜76℃)を調製した。650gの1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-4-(2-ブトキシエトキシ)ブタノールを130gのトリエチルアミンに溶
かし、次いでオーバーヘッド攪拌機、温度計及び滴下漏斗を備えたフラスコに装
入した。乾燥窒素気流のもとで、得られた溶液を水/メタノール/ドライアイス
氷浴内で-10 ℃に冷却した。1分間にわたって、ノナフルオロブタンスルホニル
フルオリド(392g;P.M.Savu によりKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical T echnology,
John Wiley & Sons,New York(1994)第4版、第11巻、第558 〜56
4 頁に記載されている方法により調製することができる)を急速に攪拌した溶液
に添加した。前記フッ化物の添加が完了した後、得られた混合物を0℃に温め、
そして1.5 時間攪拌した。2時間後、攪拌を続けたまま1000g の水を混合物に加
えた。結果として生じた黄色フルオロケミカル相を水性相から分離し、1032g の
粗生成物を得た。この粗フルオロケミカル精製物を650gの3.5% HClにより洗浄し
、次いで650gの水により洗浄した。次いで、洗浄した生成物を0.5torr のもと75
〜76℃のヘッド温度で蒸留し、898gの生成物を得た(収率90%)。GC/ 質量分析
及びIRは所望の構造と一致していた。実施例83
1,1-ジヒドロペルフルオロ-5-(2-ブトキシエトキシ)ペンチルノナフルオロブタ
ンスルホネート(C4F9OCF2CF2O(CF2)4CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシ
エトキシ)ペンタノール(b.p.85 〜120 ℃;水素化ホウ素ナトリウムによる対
応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフルオロブタンスルホ
ニルフルオリドから表題の化合物(0.5torr でb.p.100〜109 ℃)を調製した。実施例84
1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタ
ンスルホネート(C4F9OCF2CF2O(CF2)5CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシ
エトキシ)ヘキサノール(0.6torr でb.p.100〜110 ℃;水素化ホウ素ナトリウ
ムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフルオロブ
タンスルホニルフルオリドから表題の化合物(0.5torr でb.p.100〜109 ℃)を
調製した。実施例85
1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(2-ブトキシエトキシ)オクチルノナフルオロブタ
ンスルホネート(C4F9OCF2CF2O(CF2)7CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(2-ブトキ
シエトキシ)オクタノール(6.0torr でb.p.104〜115 ℃;水素化ホウ素ナトリ
ウムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフルオロ
ブタンスルホニルフルオリドから表題の化合物(0.35torrでb.p.112〜120 ℃)
を調製した。実施例86
1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(2-ブトキシエトキシ)デシルノナフルオロブタ
ンスルホネート(C4F9OCF2CF2O(CF2)9CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(2-ブト
キシエトキシ)デカノール(0.3torr でb.p.100〜110 ℃;水素化ホウ素ナトリ
ウムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフルオロ
ブタンスルホニルフルオリドから表題の化合物(0.1torr でb.p.120〜130 ℃)
を調製した。実施例87
1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(ブトキシエトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオ
ロブタンスルホネート(C4F9O(CF2CF2O)2(CF2)5CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例1の手順により対応するメチルエステルの水素化ホウ素ナトリ
ウムによる還元によって1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(ブトキシエトキシエトキ
シ)ヘキサノール(6.0torr でb.p.101〜111 ℃)を調製した。基本的に実施例8
2記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(ブトキシエトキシエトキシ)
ヘキサノール及びノナフルオロブタンスルホニルフルオリドから1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-6-(ブトキシエトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホ
ネート(5.0torr でb.p.120〜130 ℃)を調製した。実施例88
1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(メトキシエトキシエトキシ)オクタンノナフルオ
ロブタンスルホネート(CF3O(CF2CF2O)2(CF2)7CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ
-8-(メトキシエトキシエトキシエトキシ)オクタノール(0.4torr でb.p.98 〜1
10 ℃;水素化ホウ素ナトリウムによる対応するメチルエステルの還元により調
製される)及びノナフルオロブタンスルホニルフルオリドから表題の化合物(0.
01torrでb.p.110〜120 ℃)を調製した。実施例89
1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキシエトキシ)ヘキサンノ
ナフルオロブタンスルホネート(CF3O(CF2CF2O)3(CF2)5CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例3の手順により対応するメチルエステルの水素化ホウ素ナトリ
ウムによる還元によって1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキ
シエトキシ)ヘキサノール(3.0torr でb.p.85 〜88℃)を調製した。基本的に
実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエ
トキシエトキシ)ヘキサノール及びノナフルオロブタンスルホニルフルオリドか
ら1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキシエトキシ)ヘキサン
ノナフルオロブタンスルホネート(0.1torr でb.p.100〜120 ℃)を調製した。実施例90
1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ヘキシルオキシエトキシ)ブチルノナフルオロ
ブタンスルホネート(C6F13OCF2CF2O(CF2)3CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ヘキシ
ルオキシエトキシ)ブタノール(0.2torr でb.p.72 〜79℃;水素化ホウ素ナト
リウムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフルオ
ロブタンスルホニルフルオロドから表題の化合物(0.2torr でb.p.89 〜90℃)
を調製した。実施例91
1-トルエンスルホノキシ-6,6- ジフルオロ-6-(ペルフルオロ-2- ブトキシエトキ
シ)ヘキサン(C4F9OC2F4OCF2(CH2)5OSO2C6H4CH3)の調製
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシトリフルオロメ
タンスルホネート(10g、17.72 ミリモル;上記実施例3に記載の方法により調
製することができる)を、アセトン(40ml)に溶けたヨウ化ナトリウム(5.3g、
35.45 ミリモル)の溶液に滴下添加した。得られた反応混合物を室温で30分間攪
拌し、次いで減圧下で溶剤を除去した。生成した中間体ヨウ化物(0.3torr でb.
p.24 ℃)を蒸留し、8.0gのC4F9OC2F4OCF2CH2I を得た。
前記ヨウ化物(3.0g、5.5 ミリモル)を3-ブテン-1- オール(400mg、5.5 ミ
リモル)と混合し、窒素雰囲気下で攪拌しながら90℃に加熱した。ガスクロマト
グラフ分析により反応が完了したことが示されるまで、15分ごとにアゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)(約10mg)を得られた混合物に加えた。生成したヨウ素
−アルコール(b.p.80 〜90℃)を蒸留し、次いでジメチルホルムアミド(10ml
)に溶かした。得られた溶液に水素化ホウ素ナトリウム(122mg、3.25ミリモル
)を添加し、ヨウ化物を減少させ、次いで溶液を室温で1時間攪拌した。次いで
、溶液を水(10ml)で稀釈し、ジエチルエーテルにより抽出し、そしてMgSO4に
より乾燥させた。エーテルを減圧下で除去した。生成したアルコール(25℃でb.
p.110〜120 ℃)を蒸留し、1.3gの6,6-ジフルオロ-6-(ペルフルオロ-2- ブトキ
シエトキシ)ヘキサノールを得た。
このヘキサノール(1.2g、2.45ミリモル)を、ジクロロメタン(10ml)中のト
ルエンスルホニルクロライド(0.5g、2.58ミリモル)、N,N-ジイソプロピルエチ
ルアミン(0.85ml、4.9 ミリモル)及び
N,N-ジメチルアミノピリジン(12mg、0.98ミリモル)と混合した。室温で10時間
攪拌した後、カラムクロマトグラフィーにより所望の生成物、すなわち1-トルエ
ンスルホニル-6,6- ジフルオロ-6-(ペルフルオロ-2- ブトキシエトキシ)ヘキサ
ンを単離した(そしてその構造を赤外分光法により確認した)。実施例92
6-(1,1-ジヒドロペルフルオロ(メトキシエトキシエトキシエトキシ))-1-ブロ
モヘキサン(CF3O(CF2CF2O)2CF2CH2O(CH2)6Br)の調製
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えたフラスコに、KOH(24.6g、373 ミリモ
ル、25mlの水に溶解)、1,1-ジヒドロペルフルオロメトキシエトキシエトキシエ
タノール(50g、125.6 ミリモル;基本的に上記実施例3記載のように、対応す
るメチルエステルの水素化ホウ素ナトリウムによる還元によって調製)、硫酸水
素テトラブチルアンモニウム(3.0g、8.8 ミリモル)、及び1,6-ジブロモヘキサ
ン(150g)を装入した。得られた反応混合物を100 ℃で3時間加熱し、室温に冷
却し、次いで分液漏斗内で水(75ml)及びペルフルオロ-N- メチルモルホリン(
153g)で稀釈した。その結果として生じた下方のフルオロケミカル相を漏斗から
除去し、そして溶剤を周囲温度で蒸留した。得られた残渣を蒸留し、次いで0.3t
orr で83〜97℃で沸騰する留分を集めた。この留分のGC/MS 分析によって、その
留分は、12面積%のジブロモヘキサン、71面積%の所望のCF3O(CF2CF2O)2CF2CH2
O(CH2)6Br 、及び7面積%のCF3O(CF2CF2O)2CF2CH2O(CH2)6OCH2CF2(OCF2CF2)2OC
F3を含むことが示された。実施例93
1-トルエンスルホノキシ-5,5-ジフルオロ-5-(ペルフルオロ-2- ブトキシエトキ
シ)ペンタン(C4F9OC2F4OCF2(CH2)4OSO2C6H4CH3)の
調製
3-ブテン-1- オール(0.7g、9.28ミリモル)中に溶けた1-イオド-1,1- ジフル
オロ-1-(ペルフルオロ-2- ブトキシエトキシ)メタン(4.9g、9.28ミリモル;C.
G.Krespan によりJ.Org.Chem.23,2016(1958)に記載されている方法によ
り調製することができる)の攪拌した溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)(0.1g、0.09ミリモル)を添加した。得られた混合物を窒
素雰囲気下で室温で30分間攪拌し、次いで別の0.5 当量の3-ブテン-1- オールを
添加した。更に3時間攪拌した後、攪拌した混合物にジメチルホルムアミド(10
ml)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.35g、9.28ミリモル)を添加した。更に12
時間攪拌した後、水(10ml)を徐々に加え、次いで生成した生成物をジエチルエ
ーテルにより抽出した。組み合わせたエーテル抽出物をMgSO4により乾燥させて
濾過し、次いで減圧下でエーテルを除去した。生成物であるアルコール(C4F9OC2
F4OCF2(CH2)4OH)を蒸留した(0.8torr でb.p.50 〜65℃)。ジクロロメタン
(20ml)に溶けたこのアルコール(1.5g、3.16ミリモル)の溶液にトルエンスル
ホニルクロライド(0.6g、3.16ミリモル)、トリエチルアミン(0.8g、6.32ミリ
モル)及びジメチルアミノピリジン(15mg、0.13ミリモル)を添加した。得られ
た混合物を還流下で一晩攪拌し、次いで所望の生成物をシリカゲルによるフラッ
シュクロマトグラフィーにより単離し、ヘキサン/酢酸エチル(20: 1)により
溶出させた。生成物の構造は、1H及び19F核磁気共鳴分光分析により確認した
(収量0.64g)。実施例94
1-トルエンスルホノキシ-4,4,5,5,6,6,7,7,8,8- デカフルオロ-8-(ペルフルオロ
-2- ブトキシエトキシ)オクタン(C4F9OC2F4O(CF2)5(CH2)3OSO2C6H4CH3)の調製
1-イオド- ペルフルオロ-2-(2-ブトキシエトキシ)ペンタン(15.0g、20.6ミリ
モル;C.G.Krespan によりJ.Org.Chem.23,2016(1958)に記載されている
方法により調製することができる)を2-プロペノール(1.2g、20.6ミリモル)及
び過塩素酸t-ブチル(0.1ml)と混合した。得られた混合物を窒素雰囲気下で3.5
時間還流させた。炭酸水素カリウム(3.1g、30.9ミリモル)及びジメチルホル
ムアミド(50ml)を添加し、次いで得られた混合物を100 ℃で18時間攪拌した。
次いで、混合物を水(150ml)により稀釈し、次いで酢酸エチルにより抽出した
。組み合わせた抽出物を水で洗浄し、次いでブラインで洗浄し、硫酸マグネシウ
ムにより乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶剤を除去した。生成した粗生成物
(C4F9OC2F4O(CF2)5CH=CHCH2OH)をKugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.8torr
でb.p.50 〜65℃)。炭素に担持された5重量%のパラジウム350mg を使用し、
0.4MPa(60psi)において、3滴の酢酸を含むエタノール(20ml)中で、蒸留さ
れた生成物(5.8g、8.8 ミリモル)を一晩水素化した。還元が完了したならば、
生成したアルコール(C4F9OC2F4O(CF2)5CH2CH2CH2OH)を蒸留により単離した(0
.3torr でb.p.約65℃)。ジクロロメタン(10ml)に溶けたこのアルコール(2.
5g、3.8 ミリモル)の溶液にトルエンスルホニルクロライド(0.8g、4.2 ミリモ
ル)、トリエチルアミン(0.98g、7.6 ミリモル)及びジメチルアミノピリジン
(20mg、0.15ミリモル)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、次い
で所望の生成物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより単離し
、ヘキサン/酢酸エチル(20: 1)により溶出させた。生成物の構造は、ガスク
ロマトグラフィー及び赤外分光分析により確認した(収量0.64g)。実施例95
1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ヘキシルオキシエトキシ)ヘキシルノナフルオ
ロブタンスルホネート(C6F13OCF2CF2O(CF2)5CH2OSO2C4F9)の調製
基本的に実施例82記載の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ヘキシ
ルオキシエトキシ)ヘキサノール(0.4torr でb.p.72 〜79℃;水素化ホウ素ナ
トリウムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及びノナフル
オロブタンスルホニルフルオリドから1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ヘキシル
オキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホネート(0.1torr でb.p.12
0〜123 ℃)を調製した。実施例96
1,1-ジヒドロペルフルオロ-2- ヘキシルオキシ((2-エトキシ)エトキシ)エチルペ
ルフルオロオクタンスルホネート(C6F13O(C2F4O)2CF2CH2OSO2C8F17)の調製
基本的に上記実施例82の手順を用いて1,1-ジヒドロペルフルオロ-2- ヘキシル
オキシ((2-エトキシ)エトキシ)エタノール(0.4torr でb.p.72 〜79℃;水素化
ホウ素ナトリウムによる対応するメチルエステルの還元により調製される)及び
ペルフルオロオクタンスルホニルクロライド(P.M.Savu によりKirk-Othmer En cyclopedia of Chemical Technology,
John Wiley & Sons,New York(1994)第
4版、第11巻、第558 〜564 頁に記載されている方法により調製することができ
る)から表題の化合物(0.25torrでb.p.130℃)を調製した。実施例97
5-オクチル-2-(4-(1,1- ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ブトキシエトキシ)ブトキ
シ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物60)の調製
磁気攪拌機、冷却器及び窒素送込口を備えた三つ口フラスコに、
水素化ナトリウム(鉱油中の60重量%サスペンション2.2g)及びジメチルホルム
アミド(100ml)を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得
られた混合物に5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(10.7g、37.6
ミリモル)を徐々に添加した。混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、1,1-ジ
ヒドロペルフルオロ-4-(ブトキシエトキシ)ブチルノナフルオロブタンスルホネ
ート(25.0g、30.7ミリモル)を添加し、そして還流するように混合物を5時間
加熱した。次いで、混合物を、100ml の水を含む分液漏斗内に入れた。形成され
た層を分離し、そして水性相をジエチルエーテルにより抽出した。次いで、組み
合わせた有機相を水により洗浄し、次にブラインにより洗浄して全てのジメチル
ホルムアミドを除去し、MgSO4により乾燥させ、次いで濾過した。減圧下でエー
テルを除去し、次いで得られた残渣を20mlの20:1ヘキサン/酢酸エチルに溶かし
、約80g のシリカのパッドに通して濾過した。減圧下で溶剤を除去した後、Kuge
lrohr 装置を用いて得られた粗生成物を蒸留した(0.5torrで b.p.170〜180 ℃
)。所望の生成物、すなわち5-オクチル-2-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ブ
トキシエトキシ)ブトキシ)フェニルピリミジンの収量は20.75gであった。実施例98
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-5-(2-ブトキシエトキシ)ペント
キシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物62)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション1.44g、36.6ミリモル)、ジメチルホルムアミド(50ml)及
びトルエン(50ml)を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、
得られた混合物に5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(13.3g、43
.4ミリモル
)を徐々に添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフ
ルオロ-5-(2-ブトキシエトキシ)ペンチルノナフルオロブタンスルホネート(41.
5g、45.4ミリモル)を添加し、そして混合物を85℃で2時間加熱した。次いで、
混合物を室温に冷却し、そして100ml の水を含む分液漏斗内に入れた。形成され
た水性相をトルエンの4つの50mlのアリコートにより抽出した。組み合わせたト
ルエン層を水の50mlアリコート6つにより洗浄し、次に50mlのペルフルオロヘキ
サンにより洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させ、次いでトルエンで予
めすすがれた短いシリカカラムに通して濾過した。減圧下でトルエンを除去し、
非常に淡い黄色の液晶物質を得た。Kugelrohr 装置を用いてこの液晶物質を蒸留
した(0.03torrでb.p.約180 ℃)。白色の液晶材料が得られた(収量14.7g )
。実施例99
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物63)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション0.88g、36.6ミリモル)、ジメチルホルムアミド(75ml)及
びトルエン(75ml)を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、
得られた混合物に5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(8.0g、28.
2ミリモル)を徐々に添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒ
ドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホ
ネート(25.74g、28.2ミリモル)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱
した。次いで、混合物を室温に冷却し、そして100ml の水を含む分液漏斗内に入
れた。形成された水性相を
トルエンの4つの50mlのアリコートにより抽出した。組み合わせたトルエン層を
、水の50mlアリコート6つにより洗浄し、次に50mlのペルフルオロヘキサンによ
り洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させ、次いでトルエンで予めすすが
れた短いシリカカラムに通して濾過した。減圧下でトルエンを除去し、非常に淡
い黄色の液晶物質を得た。Kugelrohr 装置を用いてこの液晶物質を蒸留した(0.
05torrでb.p.約180 ℃)。白色の液晶材料が得られた(収量19.40g、GCにより93
面積%純粋)。実施例100
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(2-ブトキシエトキシ)オクチ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物64)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション1.1g、45.8ミリモル)、ジメチルホルムアミド(75ml)及び
トルエン(75ml)を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得
られた混合物に5-オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(10.0g、35.2
ミリモル)を徐々に添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒド
ロペルフルオロ-8-(2-ブトキシエトキシ)オクチルノナフルオロブタンスルホネ
ート(25.74g、28.2ミリモル)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱し
た。基本的に実施例99に記載のように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装
置を用いて蒸留した(0.05torrでb.p.約180 ℃)。生成物の収量は11.6g であっ
た(GCにより純度84%)。実施例101
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(2-ブトキシエトキシ)デシ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物58)
の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(1.1g、45.8ミ
リモル)、ジメチルホルムアミド(75ml)及びトルエン(75ml)を装入した。水
素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-オクチル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジン(10.0g、35.2ミリモル)を徐々に添加した。混
合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(2-ブトキシ
エトキシ)デシルオキシノナフルオロブタンスルホネート(39.2g、35.2ミリモ
ル)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱した。基本的に実施例99に記
載のように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.05
torrでb.p.190〜200 ℃)。生成物の収量は11.2g であった(GCにより純度92%
)。実施例102
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキシエ
トキシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物54)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション1.28g、56.4ミリモル)及びジメチルホルムアミド(100ml)
を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-
オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(10.1g、35.7ミリモル)を徐々
に添加した。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6
-(メトキシエトキシエトキシエトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンスルホネー
ト(35.6g、35.7ミリモル)を添加し、そして混合物を80℃で2時間加熱し、次
いで室温で一晩攪拌した。基本的に実施例97におけるように混合物を後処理し、
次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.3torr でb.p.約165 〜180 ℃)。
生成物の
収量は25.6g であった。実施例103
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(メトキシエトキシエトキシ)
オクチルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物56)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(1.1g、45.8ミ
リモル)、ジメチルホルムアミド(75ml)及びトルエン(75ml)を装入した。水
素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-オクチル-2-(4-
ヒドロキシフェニル)ピリミジン(10.0g、35.2ミリモル)を徐々に添加した。混
合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(メトキシエト
キシエトキシ)オクタンノナフルオロブタンスルホネート(34.5g、35.2ミリモル
)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱した。基本的に実施例99におけ
るように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.05to
rrでb.p.約180 ℃)。生成物の収量は25.0g であった(GCにより純度92%)。実施例104
5-オクチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシエトキシ
)ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物59)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション2.9g、74ミリモル)、ジメチルホルムアミド(120ml)を装
入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-オク
チル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(14.0g、49.3ミリモル)を徐々に添
加した。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(ブ
トキシエトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホネ
ート(55.8g、54.2ミリモル)を添加し、そして混合物を80℃で2時間加熱した
。基本的に実施例97におけるように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置
を用いて蒸留した(0.3torr でb.p.約170 〜180 ℃)。生成物の収量は10g であ
った(GCにより純度98%)。実施例105
5-ブチル-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシルオ
キシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物48)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.55g、22.9
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(37.5ml)及びトルエン(37.5ml)を装入し
た。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ブチル-2
-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(5.0g、17.6ミリモル)を徐々に添加した
。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシ
エトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンスルホネート(16.1g、17.6ミリモル)を
添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱した。基本的に実施例99におけるよ
うに混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.05torrで
b.p.約150 ℃)。生成物の収量は11.65gであった(GCにより純度96%)。実施例106
5-ヘキシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物50)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.18g、7.51
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(20ml)及びトルエン(20ml)を装入した。
水素の発生を調節するために、攪拌しな
がら、得られた混合物に5-ヘキシル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(1.5
3g、6.0 ミリモル)を徐々に添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,
1-ジヒドロペルフルオロ-6-(ブトキシエトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンス
ルホネート(5.55g、6.1 ミリモル)を添加し、そして混合物を120 ℃で1時間
加熱した。基本的に実施例99におけるように混合物を後処理し、次いで、Kugelr
ohr 装置を用いて蒸留した(0.3torr でb.p.約190 ℃)。生成物の収量は3.25g
であった。実施例107
5-ヘプチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物53)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.21g、8.75
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(30ml)及びトルエン(30ml)を装入した。
水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ヘキシル-2-(
4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(1.50g、5.54ミリモル)を徐々に添加した。
混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ブトキシ
エトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンスルホネート(5.19g、5.65ミリモル)を
添加し、そして混合物を室温で一晩加熱した。基本的に実施例99におけるように
混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した。ガスクロマトグ
ラフ分析によって、得られた生成物は、純度が96%であると決定された。実施例108
5-ヘキシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(2-ブトキシエトキシ)オクチ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物51)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.19g、7.83
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(30ml)及びトルエン(30ml)を装入した。
水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ヘキシル-2-(
4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(1.52g、5.93ミリモル)を徐々に添加した。
混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-8-(2-ブトキシ
エトキシ)オクチルノナフルオロブタンスルホネート(6.10g、5.99ミリモル)を
添加し、そして混合物を室温で一晩加熱した。基本的に実施例99におけるように
混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した。ガスクロマトグ
ラフ分析によって、得られた生成物は、純度が91%であると決定された。実施例109
5-ヘプチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキシエ
トキシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物52)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.45g、11.26
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(30ml)及びトルエン(25ml)を装入した。
水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ヘプチル-2-(
4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(1.37g、5.07ミリモル)を徐々に添加した。
混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエ
トキシエトキシエトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンスルホネート(5.09g、5.
12ミリモル)を添加し、そして混合物を室温で26時間加熱した。基本的に実施例
99におけるように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した
(0.3torr でb.p.約170 〜180 ℃)。生成物の収量は2.88g であった。実施例110
5-ブチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエトキシエトキシエト
キシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物46)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(5.5g、22.9ミ
リモル)、ジメチルホルムアミド(37.5ml)及びトルエン(37.5ml)を装入した
。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ブチル-2-(
4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(5.0g、17.6ミリモル)を徐々に添加した。
混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(メトキシエ
トキシエトキシエトキシ)ヘキサンノナフルオロブタンスルホネート(17.5g、17
.6ミリモル)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱した。基本的に実施
例99におけるように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留し
た(0.05torrでb.p.約150 ℃)。生成物の収量は11.2g であった(GCにより純度
89%)。実施例111
5-ブチル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(2-ブトキシエトキシ)デシルオ
キシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物47)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(0.55g、22.9
ミリモル)、ジメチルホルムアミド(37.5ml)及びトルエン(37.5ml)を装入し
た。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-ブチル-2
-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(5.0g、17.6ミリモル)を徐々に添加した
。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1,1-ジヒドロペルフルオロ-10-(ブトキ
シエトキシ)デシルノナフルオロブタンスルホネート(19.6g、17.6ミリモル)
を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間加熱した。基本的に実施例99における
ように混合物を後処理し、次いで、Kuge
lrohr 装置を用いて蒸留した(0.05torrでb.p.約150 ℃)。生成物の収量は5.72
g であった(GCにより純度94%)。実施例112
5-オクチル-2-(4-(6-(2-ペルフルオロブトキシエトキシ)-6,6-ジフルオロヘキシ
ルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物49)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション30mg、1.2 ミリモル)及びジメチルホルムアミド(5ml)を
装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-オ
クチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(200g、0.78ミリモル)を徐々に
添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いでジメチルホルムアミド(1ml)
中の1-トルエンスルホニル-6,6- ジフルオロ-6-(ペルフルオロ-2-ブトキシエト
キシ)ヘキサン(500mg、0.78ミリモル)を添加し、そして、薄層クロマトグラフ
分析により反応が完了したことが示されるまで窒素雰囲気下で室温で混合物を攪
拌した。基本的に実施例97におけるように混合物を後処理し、次いで、カラムク
ロマトグラフィーにより精製し、0.22g の5-オクチル-2-(4-(6-(2-ペルフルオロ
ブトキシエトキシ)-6,6-ジフルオロヘキシルオキシ)フェニル)ピリジン(構造は1
H及び19F核磁気共鳴分光法により確認した;純度は83モル%)を白色ペース
トとして得た。実施例113
5-オクチル-2-(4-(6-(1,1-ジヒドロペルフルオロメトキシエトキシエトキシエト
キシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物55)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、ジメチルホルムアミド(100ml )に溶けたCF3
O(CF2CF2O)2CF2CH2O(CH2)6Br(19g、33.8ミリモル
)の溶液を、シリンジを使用し、ジメチルホルムアミド(100ml)に溶けた5-オ
クチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(19.3g、67.7ミリモル)と水素化
ナトリウム(2.4g、101 ミリモル)の溶液に加えた。得られた混合物を窒素雰囲
気下で80℃で4時間攪拌した。基本的に実施例97におけるように混合物を後処理
し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.4torr でb.p.約200 〜210 ℃
)。生成物の収量は15.2g であった。実施例114
5-オクチル-2-(4-(5,5-ジフルオロ-5-(ペルフルオロブトキシエトキシ)ペント
キシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物57)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション0.4g、1.65ミリモル)及びジメチルホルムアミド(5ml)を
装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-オ
クチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(0.33g、1.1 ミリモル)を徐々に
添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで5,5-ジフルオロ-5-(ペルフルオ
ロブトキシエトキシ)-1-ペンタノールトルエンスルホネート(0.6g、0.95ミリモ
ル)を添加し、そして混合物を100 ℃で1時間攪拌した。基本的に実施例99にお
けるように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用いて蒸留した(0.4t
orr でb.p.約180 〜200 ℃)。生成物の収量は5.72g であった(構造は1H及び1 9
F核磁気共鳴分光法により確認した)。実施例115
5-オクチル-2-(4-(8-ペルフルオロブトキシエトキシ-4,4,5,5,6,6,7,7,8,8- デ
カフルオロオクチルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物61)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに水素化ナトリウム(鉱油中の60重
量%サスペンション0.10g、2.42ミリモル)及びジメチルホルムアミド(10ml)
を装入した。水素の発生を調節するために、攪拌しながら、得られた混合物に5-
オクチル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン(0.63g、2.2 ミリモル)を徐々
に添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、次いで1-トルエンスルホノキシ-4,4
,5,5,6,6,7,7,8,8- デカフルオロ-8-(ペルフルオロ-2-ブトキシエトキシ)オクタ
ン(1.8g、2.2 ミリモル)を添加し、そして混合物を室温で一晩撹拌した。基本
的に実施例99におけるように混合物を後処理し、次いで、Kugelrohr 装置を用い
て蒸留した(0.5torr でb.p.約200 ℃)。生成物の収量は1.05g であった。生成
物の構造は1H及び19F核磁気共鳴分光法により確認した。実施例116
5-ヘキシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-4-(2-ヘキシルオキシ)ブトキシ
)フェニル)ピリミジン(表7の化合物65)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに攪拌しながら炭酸カリウム(3.5g
、25.0ミリモル)、アセトニトリル(50ml)及び5-ヘキシル-2-(4-ヒドロキシフ
ェニル)ピリミジン(5.0g、19.5ミリモル)を装入した。次いで1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-4-(2-ブトキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホネート
(17.8g、19.4ミリモル)を添加し、得られた混合物を24時間還流させた。混合
物を室温に冷却し、トルエン(100ml)により稀釈し、次いで飽和ブラインによ
り完全に抽出した。得られたトルエン溶液をペルフルオロヘキサンにより洗浄し
、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、次いでトルエンですすいだ短いシリカカ
ラムに通して濾過した。減圧下で溶剤を除去し、次いで得られた粗生成物をKuge
lrohr 装置を用いて蒸留し(約0.5torr でb.p.約200 ℃)、そしてフラッシュク
ロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(20:1)により抽出した
。生成物の収量は10.5g であった。実施例117
5-ヘキシル-2-(4-(1,1-ジヒドロペルフルオロ-6-(2-ヘキシルオキシエトキシ)
ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン(表7の化合物66)の調製
基本的に実施例97の手順を用い、フラスコに攪拌しながら炭酸カリウム(3.5g
、25.0ミリモル)、アセトニトリル(50ml)及び5-ヘキシル-2-(4-ヒドロキシフ
ェニル)ピリミジン(4.0g、15.6ミリモル)を装入した。次いで1,1-ジヒドロペ
ルフルオロ-6-(ヘキシルオキシエトキシ)ヘキシルノナフルオロブタンスルホネ
ート(15.3g、15.6ミリモル)を得られた混合物に添加し、次いで混合物を16時
間還流させた。基本的に実施例99におけるように混合物を後処理し、フラッシュ
クロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル(20:1)により抽出し
、次いでKugelrohr 装置を用いて蒸留した。生成物の収量は10.9g であった。
実施例97〜117 の化合物について、示差走査熱量測定法(DSC)及び/又は
Linkam TMH600 ホットステージ及び偏光顕微鏡を使用する物質の相変化の光学的
観察により転移温度を測定した。等方的状態(I)からスメクチックA中間相(
SmA)、スメクチックC中間相(SmC)、及び高秩序の中間相(M、M1、
M2)への転移温度(℃)を、高次からスメクチックCへの加熱の際の転移温度
と共に表6に示す。
表6のデータは、中心核の近くに位置する炭素数5〜9のペルフルオロカーボ
ンセグメントを含むペルフルオロエーテル末端部分を有する液晶化合物は、中心
核の近くにより短いペルフルオロエーテル末端部分を有する類似の液晶化合物よ
りも実質的に高いスメクチックAからスメクチックCへの転移温度を示す。この
ことによって、素子に組み込まれた場合にかなり広い動作温度範囲を提供する液
晶混合物の調製が可能となる。高いスメクチックAからスメクチックCへの転移
温度は、その化合物の非常に広いスメクチック温度範囲と共に、添加剤(例えば
、強誘電性液晶混合物に適する偏光剤(polarization additive))を含むそれ
らの配合を可能にする。
更に、そのような化合物の殆どは驚くべきことに、エーテル結合を含まないペ
ルフルオロ脂肪族末端部分を有する液晶化合物(装置のコントラストを低下させ
る配向欠陥を生じやすいシェブロン型層構造を示す)に対する構造的類似性が増
加するにも関わらず、書棚型層構造を自発形成する。
2つの前段落に記載した特性を示す化合物は下記式により表され
る:
上式中:
M、N及びPは、各々独立に
であり;
a、b及びcは各々独立に0又は1〜3の整数であり、ただしa+b+cの合
計が少なくとも2であることを条件とし;
各A及びBは、無指向的かつ独立に、共有結合、
−(CH2CH2)k−(式中、kは1〜4である)、
−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−CH2−O−、
各X、Y及びZは、独立に、−H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−
OCH3、−CH3、−CF3、−OCF3、−CN、又は−NO2であり;
各l、m及びnは、独立に、0又は1〜4の整数であり;
Dは、共有結合、
(上式中、r及びr’は独立に1〜20の整数であり、sは各(CsH2sO)に対
して独立に1〜10の整数であり、tは1〜6の整数であり、並びにr及びr’は
独立に1〜20の整数であり、そしてpは0〜4の整数である)
であり;
Rは、
[上式中、R’は、−Cl、−F、−CF3、−NO2
(上式中、q及びq’は独立に1〜20の整数であり、wは0〜10の整数である)
であり]
であり、且つRは直鎖又は分枝鎖であることができ;及び
Rfは、−(CF2)w'O(CxF2xO)zCyF2y+1(式中、w’は5〜16の整数
であり、xは、各CxF2xOに対して独立に1〜10の整数であり、yは1〜10の
整数であり、そしてzは1〜10の整数である)である。好ましい化合物は下記式
により表されるものである:
上式中、dは4〜8の整数であり、t’は1〜5の整数であり、w’は5〜9の
整数であり、xは2の整数であり、yは1〜6の整数であり、そしてzは1〜3
の整数である。
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の種々の改良及び変更が当業者に
より明らかになるであろう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年12月20日
【補正内容】
請求の範囲
1.下記式により表されるフッ素含有液晶化合物:
上式中:
M、N及びPは、各々独立に
であり;
a、b及びcは各々独立に0又は1〜3の整数であって、a+b+cの合計が
少なくとも2であることを条件とし;
各A及びBは、無指向的かつ独立に、共有結合、
−(CH2CH2)k−(式中、kは1〜4である)、
−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−CH2−O−、
各X、Y及びZは、独立に、−H、−Cl、−FN−Br、−I、−OH、−
OCH3、−CH3、−CF3、−OCF3、−CN、又は−NO2であり;
各l、m及びnは、独立に、0又は1〜4の整数であり;
Dは、共有結合、
(上式中、r及びr’は独立に1〜20の整数であり、sは各(CsH2sO)に対
して独立に1〜10の整数であり、tは1〜6の整数であり、並びにr及びr’は
独立に1〜20の整数であり、そしてpは0〜4の整数である)
であり;
Rは、
[上式中、R’は、−Cl、−F、−CF3、−NO2
(上式中、q及びq’は独立に1〜20の整数であり、wは0〜10の整数である)
であり]
であり、且つRは直鎖又は分枝鎖であることができ;及び
Rfは、−(CF2)w'O(CxF2xO)zCyF2y+1(式中、w’は5〜16の整
数であり、xは、各CxF2xOに対して独立に1〜10の整数であり、yは1〜10
の整数であり、そしてzは1〜10の整数である)である。
2.下記式により表される請求項1記載の化合物:
上式中、dは4〜8の整数であり、t’は1〜5の整数であり、w’は5〜9の
整数であり、xは2の整数であり、yは1〜6の整数であり、そしてzは1〜3
の整数である。
3.前記dが4、7又は8の整数であり、前記t’が1の整数であり、前記w
’が5の整数であり、前記yが1の整数であり、そして前記zが3の整数である
、請求項2記載の化合物。
4.前記dが4又は8であり、前記t’が1の整数であり、前記w’が9の整
数であり、前記yが4の整数であり、そして前記zが3の整数である、請求項2
記載の化合物。
5.前記dが4、6、7又は8の整数であり、前記t’が1の整数であり、前
記w’が5の整数であり、前記yが4の整数であり、そして前記zが1又は2の
整数である、請求項2記載の化合物。
6.前記dが6又は8の整数であり、前記t’が1の整数であり、前記w’が
7の整数であり、前記yが4の整数であり、そして前記zが1の整数である、請
求項2記載の化合物。
7.前記dが8の整数であり、前記t’が1の整数であり、前記
w’が7の整数であり、前記yが1の整数であり、そして前記zが2の整数であ
る、請求項2記載の化合物。
8.前記dが8の整数であり、前記t’が3の整数であり、前記w’が5の整
数であり、前記yが4の整数であり、そして前記zが1の整数である、請求項2
記載の化合物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07C 327/26 C07C 327/26
391/02 391/02
395/00 395/00
C07D 239/26 C07D 239/26
C09K 19/06 C09K 19/06
19/40 19/40
G02F 1/13 500 G02F 1/13 500
(72)発明者 ジョンソン,ギルバート シー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427
(72)発明者 ラドクリフ,マルク ディー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427
(72)発明者 サブ,パトリシア エム.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427
(72)発明者 スナスタッド,ダニエル シー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427
(72)発明者 スパウン,テレンス ディー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427