JP2000159730A - テトラリン化合物、液晶材料および液晶組成物 - Google Patents

テトラリン化合物、液晶材料および液晶組成物

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JP2000159730A JP11266478A JP26647899A JP2000159730A JP 2000159730 A JP2000159730 A JP 2000159730A JP 11266478 A JP11266478 A JP 11266478A JP 26647899 A JP26647899 A JP 26647899A JP 2000159730 A JP2000159730 A JP 2000159730A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動温度範囲が広く、スイッチング速度
が大きく、消費電力が極めて少なく、しかも安定したコ
ントラストが得られる液晶素子を形成し得る新規なテト
ラリン化合物および液晶材料、ならびに液晶組成物を提
供すること 【解決手段】 本発明のテトラリン化合物は、次式
[I]で表わされる。 1は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオ
ロアルキル基(ただし、基中の1個、または隣接してい
ない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置
換されていてもよい)、X1は、-COO-基、-O-基または
単結合を表し、Aは、 から選ばれる基、Z1およびZ2は水素原子またはフッ素
原子、Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2C
H2-基から選ばれる基、R1*は式[II]の光学活性基で
ある。(ただし、mは2〜5の整数、nは1〜3の整
数)。 −C*H−(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規なテトラリン化合
物、およびこの化合物からなる液晶材料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】現在、液晶化合物を用いた表示素
子は、その低電圧駆動性・低消費電力性および小型・薄
型化の観点から時計・電卓はもとより、ワープロ・パソ
コンなどのOA機器、カーナビゲーションシステムなど
幅広い分野で利用されている。一般に広く用いられてい
る液晶表示素子はネマチック相を利用したものである。
ネマチック液晶は、通常はTN(Twisted Nematic)モー
ドによって駆動されている。しかしながら、TNモード
の液晶表示素子では、走査線数の増加とともに駆動マー
ジンが狭くなり、十分なコントラストが得られなくなる
という欠点が存在する。そのために、大容量の表示素子
を作製することが困難である。このTNモードの液晶表
示素子を改良するためにSTN(Super Twisted Nemati
c)モードが開発されているが、なお走査線数の増加とと
もにコントラスト・応答時間が低下するという問題点が
存在する。
【0003】応答速度の低いネマチック液晶に代わって
注目されてきたのに、強誘電性液晶や反強誘電性液晶の
ようなスメクチック液晶がある。この液晶を用いた表示
素子では、液晶分子のもつ自発分極と電界強度との直接
相互作用が、液晶分子の配向方向を変えるための実効エ
ネルギーとなるため応答時間が短く、スイッチング駆動
に必要な時間はμ秒オーダーの高速応答を得ることがで
きる。
【0004】強誘電性液晶を数μm程度の厚みのセルに
封入した液晶素子(表面安定化強誘電性液晶素子)で
は、たとえば、N.A.Clarkらの論文( N.A.Clark and S.
T.Lagerwall, Appl.Phys.Lett.,36,899(1980))に記載
されているように、電場に対して2つの安定状態をとる
ことができる。この安定状態間の電場に対するスイッチ
ング時間は、数μ秒のオーダーで非常に短い。反強誘電
性液晶の場合には3つの安定状態をとり、これら状態間
のスイッチングも高速である。
【0005】応答速度が遅い従来のネマチック液晶で
は、アクティブマトリックス駆動(TFT方式など)や
マルチライン駆動(STN方式)のような駆動方式を用
いなければならなかった。これに対して、応答速度が高
速な強誘電性液晶や反強誘電性液晶では、単純マトリッ
クスでの駆動が使えるという利点がある。
【0006】また、ディスプレイ視野角についても、ネ
マチック液晶では、光学補償フィルム、特殊なデバイス
構造を必要とするが、スメクチック液晶ではこれらを必
要としないという利点もある。
【0007】このようなスメクチック液晶を表示素子に
用いるためには、動作温度範囲が常温付近であり、応答
時間が短く、表示コントラストが安定しているなどの材
料特性が要求される。これらの特性を単一液晶で全て満
足させることは現在のところ困難であり、通常は数種類
の液晶をブレンドして調製されている。特に、応答時間
に関しては、10数μ秒のスイッチング速度が要求されて
いる。
【0008】応答時間を短縮するためには、強誘電性液
晶材料では、自発分極を大きくしたり、粘度を小さくし
たりする必要がある。反強誘電性液晶材料では、しきい
値電圧の大きさが応答時間に関係することが知られてお
り、このしきい値電圧を小さくする必要がある。しかし
ながら、従来の強誘電性液晶材料では、自発分極を大き
くすると液晶化合物同士の静電的相互作用が大きくな
り、その結果として粘度が大きくなるという傾向があっ
た。
【0009】また、従来の反強誘電性液晶材料を使用し
た液晶素子では、ほとんどの場合セルギャップが2μm
程度であって、これらの素子を電気光学的に変化させる
ために必要なしきい値電圧の絶対値が20〜30V/2μm
であるようなセルが用いられていた。通常のCMOSが
15V以下で使用可能なことを考慮すると、このようなし
きい値電圧の絶対値の大きなセルを用いた液晶素子で
は、セルをCMOSで駆動させることは困難である。
【0010】また、前記しきい値電圧は、低ければ低い
ほど、駆動電圧との差、すなわち実効電圧が大きくな
り、したがって表示素子の電気光学的応答を高速化でき
るので好ましい。このような点から、しきい値電圧の絶
対値ができるだけ低い値、例えば15V/2μm以下であ
って、大きな実効電圧でセルが駆動できるような反強誘
電性液晶素子の提供が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来技術に伴う問題点を解決するためになされたも
のであり、優れた液晶材料となりうる新規な化合物、お
よびこの化合物からなる液晶材料ならびに液晶組成物を
提供することを目的としている。さらに詳しくは、本発
明は、作動温度範囲が広く、スイッチング速度が大き
く、消費電力が極めて少なく、しかも安定したコントラ
ストが得られる液晶素子を形成し得る新規なテトラリン
化合物および液晶材料、ならびに液晶組成物を提供する
ことを目的としている。
【0012】特に、本発明の新規なテトラリン化合物を
用いれば、強誘電性液晶/反強誘電性液晶などのスメク
チック液晶組成物の応答時間が制御可能となる。本発明
の新規なテトラリン化合物を強誘電性液晶に添加した場
合には、粘度を大きくすることなく、自発分極を大きく
して応答時間が高速な液晶素子を形成し得る液晶組成物
を提供することができる。本発明の新規なテトラリン化
合物を反強誘電性液晶に添加した場合には、液晶素子を
電気光学的に変化させるために必要なしきい値電圧の絶
対値ができるだけ低い値、例えば15V/2μm以下であ
って、大きな実効電圧で駆動できるようなセルを備えた
液晶素子を形成し得る液晶組成物を提供することができ
る。
【0013】
【課題を解決する手段】本発明は、新規なテトラリン化
合物、即ちテトラリン骨格を有するカルボン酸エステル
化合物を提供する。本発明のテトラリン化合物は、次式
[I]で表すことができる。
【化7】 ただし、上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20
のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(た
だし、これらの基中に存在する1個、または隣接してい
ない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置
き換えられていてもよい)、X1は、-COO-基、-O-基ま
たは単結合を表し、Aは、それぞれ独立に、
【化8】 よりなる群から選ばれる基を表し、Z1およびZ2はそれ
ぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表わし、Yは、
-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりな
る群から選ばれる基を表し、R1*は次式[II]で表わさ
れる光学活性基であることを表わす(ただし、mは2〜
5の整数であり、nは1〜3の整数である)。 −C*H−(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II]
【0014】また、本発明によれば、前記式[I]で表さ
れるテトラリン化合物からなる液晶材料が提供される。
さらに、本発明によれば、前記式[I]で表されるテトラ
リン化合物と他の液晶化合物および/または添加剤より
なる液晶組成物が提供される。さらに、本発明によれ
ば、前記式[I]で表されるテトラリン化合物と他の液晶
化合物および/または添加剤よりなる強誘電性液晶組成
物が提供される。
【0015】またさらに、本発明によれば、前記式[I]
で表されるテトラリン化合物と下記式[III]で表される
化合物を含む反強誘電性組成物も提供される。
【化9】 [上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のア
ルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただ
し、これらの基中に存在する1個、または隣接していな
い2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き
換えられていてもよい)、A2は、
【化10】 よりなる群から選ばれる基を表し、Z3,Z4およびZ5
は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、
2は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、X
3は、-COO-基または-CH2O-基合を表し、R2*は、
次式「IV」で表される光学活性基であることを表わす。
ただし、VがCF3である場合には、p=1かつr≠
0、またはp=0かつr=0であり、VがCH3である
場合にはp=0かつr=0である) −C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2 q +1 …[IV]] 本発明では、上記[IV]で表わされる基において、rは
0〜8が好ましく、qは0〜10が好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るテトラリン化
合物、およびこの化合物からなる液晶材料、並びに液晶
組成物について具体的に説明する。まず、本発明のテト
ラリン化合物について説明する。本発明に係るテトラリ
ン化合物は、次式[I]で表されるカルボン酸エステル
化合物である。
【0017】
【化11】 上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアルキ
ル基またはフッ素化アルキル基(ただし、これらの基中
に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2
-基、または-CF2 -基は、-O-基で置き換えられていても
よい)を表す。
【0018】ここで、R1が炭素数3〜20のアルキル
基である場合には、このアルキル基は、直鎖状、分枝状
および脂環状のいずれの形態であってもよいが、R1
直鎖状のアルキル基であるテトラリン化合物の分子は、
まっ直ぐに伸びた剛直構造をとるため、優れた液晶性を
示す。このような直鎖状のアルキル基の具体的な例とし
ては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基などを挙げ
ることができる。
【0019】また、R1が炭素数3〜20のポリフルオ
ロアルキル基の例としては、上記のようなアルキル基の
水素原子の一部、もしくはすべてが、F原子で置換され
た基を挙げることができる。また、それらの基中に存在
する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-ある
いは-CF2-基が、-O-基で置き換えられているアルキル基
として、10−メトキシデシルオキシ基、10−エトキ
シデシルオキシ基および11−メトキシウンデシルオキ
シ基などを挙げることができる。
【0020】上記式[I]においてX1は、-COO-基、お
よび-O-基よりなる群から選ばれる基、または単結合を
表す。こられの内、本発明のテトラリン化合物を液晶材
料として使用する場合には、液晶性と特性を考慮する
と、X1は-O-基あるいは単結合であることが好ましい。
【0021】上記式[I]においてYは、-COO-基、-CH2
O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりなる群から選ばれ
る基を表す。これらの内、本発明のエステルを液晶化合
物として使用する場合、Yは、-COO-基および-CH2O-基
であることが好ましい。
【0022】上記式[I]においてR1*は、次式[II]
で表わされる光学活性基である。 −C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 ・・・[II] ただし、式[II]において、mは2〜5の整数であり、
nは1〜3の整数である。これらの基のうちでも、R1*
は、 -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H
(CF3)-(CH2)3OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)
-(CH2)2OC2H5 よりなる群から選ばれる基であることが好ましい。これ
らの基のうち、本発明のテトラリン化合物を液晶材料と
して使用する場合に、その特性を考慮すると、以下に示
す基が好ましい。 -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)3OC2H5、-C*H
(CF3)-(CH2)2OCH3
【0023】上記式[I]において、Aは
【化12】 よりなる群から選ばれる基を表す。
【化13】 においては、Z1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子
またはフッ素原子をあらわす。例として、
【化14】 を挙げることができる。中でも、好ましいものとして、
【化15】 を挙げることができる。
【0024】上記式[I]で表されるテトラリン骨格を
有するカルボン酸エステル化合物としては、具体的には
次表1に記載した化合物を挙げることができる。なお、
以下に記載する表において、R1、R1*、X1、Yおよび
Aは、上記式[I]式中の基であり、テトラリンとの結
合状態は特に限定されない。
【0025】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0026】上記式[I]で表わされるテトラリン化合物
は、たとえば下記に示す合成経路に従って製造されう
る。なお、下記合成経路で式中、R*は上記式[I]で示さ
れたR 1 *を意味し、R0、R1、R2はそれぞれ独立して
炭素数1〜20のアルキル基または1〜20のアルコキ
シ基である。
【0027】
【化16】
【0028】上記合成経路に示された本発明で液晶材料
として用いられるテトラリン化合物の製造方法をさらに
詳しく説明すると下記の通りである。 a)まず、例えばトリフルオロメチル基を含むケトン
(R1−CO−R0)を還元剤で還元して含フッ素アルコ
ール(HO−CHR10)を得る。ここで用いられる還
元剤としては、カルボニル基をヒドロキシ基に変換でき
るものであれば特に限定されることはなく、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げら
れる。また、反応を実施するための溶媒としては、還元
剤として水素化アルミニウムリチウムを用いる場合には
ジエチルエーテル、テロラヒドロフラン等を溶媒として
用いるのが好ましい。この反応温度は、トリフルオロメ
チル基を含むケトンおよび還元剤の種類などに応じて適
宜調整され、特に制限されるものではないが、室温また
は室温付近であることが好ましい。
【0029】次いで、上記のようにして得られた含フッ
素アルコール(HO−CHR10)を常法によりエステ
ル化し、エステル化合物(R2−COO−CHR10
を得る。エステル化剤としては、カルボン酸塩化物(例
えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル
等)が好ましい。しかる後に、このようにして得られた
エステル化合物(R2−COO−CHR1 0)はR−体
とS−体とが等量混合したラセミ体であるが、このエス
テル化合物を加水分解酵素(例えば、リパーゼP、リパ
ーゼMY、リパーゼOF、セルラーゼ等)を用いて不斉
加水分解を行い、光学活性アルコール(R−またはS−
アルコール;HO−R*:R*=CHR10)を得る。こ
の際、加水分解酵素は、原料のラセミエステル化合物1
mmolあたり、500〜20、000単位、好ましく
は1、000〜5、000単位の量で用いられる。上記
加水分解反応は、通常、水中、またはメタノール、エタ
ノール等のような水と相溶性のよい溶媒と水との混合溶
媒中で行われる。原料として用いられるラセミエステル
化合物の量は、溶媒中に1〜40wt%、好ましくは3
〜30wt%存在するように調整される。また、上記不
斉加水分解反応が行われる液中のpHは6〜8の範囲に
調整されていることが好ましく、この反応温度は10〜
40℃に保持されていることが好ましい。
【0030】b)4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸およびベンジルハライドを、水酸化カリウムの
ような塩基存在下縮合させることによって、4’-ベン
ジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸を得る。次い
で、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱
水縮合剤を用いて、上記工程で得られた光学活性アルコ
ール、および4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸を反応させることにより4’-ベンジルオキシ
−4−ビフェニルカルボン酸エステルを得る。得られた
4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸エス
テルを、テトラヒドロフラン等の溶媒に投入し、パラジ
ウム/炭素等の還元触媒の存在下に水素ガスを用いて還
元することにより、4’-ヒドロキシ−4−ビフェニル
カルボン酸エステルを得る。
【0031】c)1,2,3,4−テトラヒドロ-6−
アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸は、例えば6−
アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸と1,2-ジエトキ
シエタンとの混合物を金属ナトリウムの存在下にイソア
ミルアルコールを滴下しながら還流することにより得ら
れる。この1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコ
キシ−2−ナフタレンカルボン酸を、N,N'-ジシクロヘ
キシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いて、上
記工程で得られた4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸エステルと反応させることにより本発明のテト
ラリン化合物である4’−(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキ
シ)―4−ビフェニルカルボン酸エステルを得ることが
できる。
【0032】d)また上記4’−(1,2,3,4−テ
トラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニ
ルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸エステルは以下
のルートでも合成できる。すなわち、1,2,3,4−
テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボ
ン酸と4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸ベ
ンジルエステルを脱水反応して4’−(1,2,3,4
−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカル
ボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸ベンジルエ
ステルを得る。次に水素還元により脱ベンジル化を行い
4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキ
シ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニ
ルカルボン酸を得る。このものと光学活性アルコールと
を反応させることによって上記テトラリン化合物である
4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキ
シ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニ
ルカルボン酸エステルを得ることができる。
【0033】なお、上記方法は本発明で液晶材料として
用いられるテトラリン化合物の製造方法の一例であっ
て、本発明で液晶材料として用いられるテトラリン化合
物は、この製造方法でのみ得られるテトラリン化合物に
限定されるものではない。
【0034】本発明に係る液晶材料は、上述したような
式[I]で表されるテトラリン化合物からなる液晶材料
である。上記のようにして得られた式[I]で表される
テトラリン化合物からなる液晶材料は、強誘電性液晶化
合物または反強誘電性液晶化合物として使用することが
できる。
【0035】液晶組成物 本発明に係る液晶組成物は、上記式[I]で表されるテ
トラリン化合物を含んでいる。上記式[I]で表される
テトラリン化合物は1種または2種以上使用してもよ
い。上記式[I]で表されるテトラリン化合物の中に
は、スメクチック相を示す下限温度が室温を越える化合
物、あるいはスメクチック相を示さない化合物もある
が、このような化合物であっても上記式[I]で表され
るテトラリン化合物を主剤として、あるいは助剤として
他の液晶材料(主剤と種類の異なる上記式[I]で表さ
れるテトラリン化合物であっても差し支えない)と混合
することにより、低い下限温度、例えば室温を含む広い
温度範囲でスメクチック相を示し、かつ上述したような
優れた特性を有する液晶素子を提供することもできる。
特に上述した式[I]で表されるテトラリン化合物がス
メクチック相を示さない場合には、上記式[I]で表さ
れるテトラリン化合物を助剤としてスメクチック相を示
す他の液晶材料と混合することが好ましい。スメクチッ
ク相を示す他の液晶材料としては、強誘電性液晶材料や
反強誘電性液晶材料などが挙げられる。
【0036】本発明の上記[I]で表される化合物と共
に使用できる強誘電性液晶材料としては特に限定される
ものではないが、好ましい例としては、以下の化合物が
挙げられる。
【化17】 のような芳香族環を2個含むエステル系化合物。
【化18】 のようなピリミジンフェニル系化合物が挙げられる。
【0037】上記[I]で表される化合物と共に使用でき
る反強誘電性液晶材料のうち、特に好ましい例として
は、下記の式[III]で表わされる化合物が含有されてい
ることが好ましい。
【化19】 [上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のア
ルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただ
し、これらの基中に存在する1個、または隣接していな
い2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き
換えられていてもよい)、A2は、
【化20】 よりなる群から選ばれる基を表し、Z3,Z4およびZ5
は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、
2は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、X
3は、-COO-基または-CH2O-基合を表し、R2*は、
次式[IV]で表される光学活性基であることを表わす。た
だし、VがCF 3である場合には、p=1かつr≠0、
またはp=0かつr=0であり、VがCH3である場合
にはp=0かつr=0である) −C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2 q +1 …[IV]]
【0038】本発明の液晶組成物は、上記式[I]で表
されるテトラリン化合物、必要により式[III]で表わさ
れる化合物、ならびに、所望の他の液晶材料および添加
材を混合することにより製造することができる。本発明
の液晶組成物中における上記[I]で表されるテトラリ
ン化合物の配合割合は、得られる液晶組成物の特性を考
慮して任意に設定することができる。本発明の組成物
は、上記式[I]で表わされるテトラリン化合物を、液晶
組成物を形成する液晶成分の総量中に、通常は5〜99
モル%、好ましくは10〜75モル%の範囲内の量で含
有している。
【0039】本発明の液晶組成物中には、本発明の液晶
材料に加えて、さらに、例えば電導性賦与剤および寿命
向上剤等、通常の液晶組成物に配合される添加剤が配合
されていてもよい。本発明で使用される液晶組成物は、
上記のようなテトラリン化合物ならびに所望により他の
液晶材料および添加剤を混合することにより製造するこ
とができる。
【0040】上述した液晶材料を含有する液晶組成物
は、電圧を印加することにより、光スイッチング現象を
起こすので、この現象を利用して応答性の良い表示装置
を作成することができる。本発明において、このような
現象を利用した素子あるいは素子の駆動方法に関して
は、例えば特開昭56-107216号および同59-118744号公報
を参照することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によりテトラリン化合物を用いた
新規な液晶材料が提供される。このテトラリン化合物
は、光学的に活性であり、広範な温度範囲においてスメ
クチック相を示し、また強誘電性液晶化合物あるいは反
強誘電性液晶化合物として使用することもできる。この
ような本発明の液晶材料に、同種および/または他種の
液晶物質を配合することにより、本発明の液晶材料の反
強誘電性あるいは強誘電性を損なうことなく、応答速度
の制御を図ることができる。従って、このような液晶材
料を用いることにより、広い温度範囲において高速応答
性を有する液晶素子等を得ることができる。
【0042】さらに、このような素子を用いて製造した
液晶ディスプレイにおいては、操作時間を大幅に短縮す
ることができる。このようなディスプレイでは、消費電
力の低減を図ることができる。また、分子の傾き角、す
なわちチルト角を非常に大きくでき、液晶分子の並び、
すなわち配向性を非常に高くできるため、高いコントラ
ストが得られる。更に、安定したコントラストが得られ
る。
【0043】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。なおR、Sは光
学活性体のR体、S体を表わす。また、実施例中の相転
移温度の測定、および相の同定は、DSCならびに液晶
素子を作製し、その電場応答を偏光顕微鏡で観察する方
法により実施した。
【0044】本発明において、液晶セル中の液晶組成物
のしきい値電圧は次のようにして測定した。 しきい値電圧:液晶素子中の液晶セルに三角波電圧(周
波数0.01Hz、ピーク電圧30V/2μm)を印加
し、液晶素子の透過光量Trをモニターした。液晶セル
に印加する電圧Vをゼロから正方向に増加させていくと
反強誘電性状態から強誘電性状態へと相転移し、液晶素
子の透過光量が増加するようになり、例えば図8に示す
V−Tr曲線を示す。例えば図8の場合には、このV−
Tr曲線の曲線の接線Irと反強誘電状態領域のV−T
r曲線との接戦Iafとの交点Pを求め、この交点Pの電
圧値Vpをしきい値電圧として評価した。
【0045】応答時間:本発明において、液晶セル中の
液晶組成物の応答時間は次のようにして測定した。液晶
素子中の液晶セルにパルス電圧(パルス幅5m秒、パル
ス間隔500m秒)を印加し、液晶素子の透過光量をモ
ニターした。この透過光量の変化から次式に従って応答
時間を評価した。 応答時間=Tr90−Tr0
【0046】
【実施例1】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)
−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロ
メチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合
物(4)]の合成
【化21】
【0047】第1段階 6−デシルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸3.86
g(11.8mmol)および1、2-ジエトキシエタン1
30mlの混合物に、窒素雰囲気下、120℃で攪拌下
に金属ナトリウム3.0g(130mmol)を加え、
さらに還流温度にまで加熱した。この混合物にイソアミ
ルアルコール10g(114mmol)を1時間かけて
滴下し、さらに 11時間還流下に反応させた。室温に
冷却後、残存する金属ナトリウムにエタノールを加えて
ナトリウムアルコラートに変換後、反応混合物を20%
塩酸を用いて酸性にした。この反応混合物に水100m
lを加えた後、有機相を分離し、さらに有機相を水洗し
た。有機相を減圧下に濃縮して固体4.25gを得た。
この固体をトルエンを用いて再結晶することにより、6
−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナ
フタレンカルボン酸2.95gを得た(収率75%)。
【0048】第2段階 第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸3.32g
(10mmol)、4’-ヒドロキシ−4−ビフェニル
カルボン酸2.14g(10mmol)、および4−
N,N−ジメチルアミノピリジン(以下DMAPと略す
る)0.12g(1mmol)を塩化メチレン50ml
に加える。この中にN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(以下DCCと略する)2.27g(11mmo
l)の塩化メチレン溶液15mlを徐々に滴下した。滴
下後さらに塩化メチレン20mlを追加し、6時間室温
で攪拌した。反応混合物を濾過し、得られた固体をテト
ラヒドロフラン(以下THFと略する)に溶解した。可
溶部を分離し、溶媒を留去後、THF/塩化メチレン混
合溶媒で再結晶することにより、1.92gの4’−
(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−デシルオキシ−
2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカ
ルボン酸を得た。収率36%。
【0049】第3段階 4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−デシルオ
キシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェ
ニルカルボン酸0.35g(0.66mmol)、(R)
−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルアル
コール0.11g(0.71mmol)、DMAP0.
018g(0.15mmol)および塩化メチレン20
mlの混合物に、DCC0.19g(0.92mmo
l)を含む塩化メチレン溶液10mlを攪拌しながら室
温で2時間かけて滴下した。さらに室温下で48時間反
応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮し
た。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製す
ることにより、無色の半固体0.23gを得た。この半
固体のFD−マススペクトルの値はM/e=668であ
った。図1にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチ
ャ−トを示す。
【0050】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4
−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチ
ル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物
(4)]であると同定した。収率は52%であった。
【0051】この液晶化合物の相転移温度を以下の表1
1に示す。本実施例の表中において、Cryは結晶相を示
し、SmCA*は反強誘電相を表し、SmC*は強誘電相を表
し、SmAはスメティックA相を表し、Isoは等方性液体を
表す。「・」は、化合物がその相をとることを示し、数
字は相間の相転移温度を示す。また、「−」は化合物が
その相をとらないことを示す。
【0052】
【表11】
【0053】
【実施例2】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)
−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1
−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル
[上記例示化合物(34)]の合成
【0054】
【化22】
【0055】第1段階 4−メトキシベンゼンボロン酸1.52g(10mmo
l)、4−ブロモ−2−フルオロベンゾ二トリル2.0
0g(10mmol)、ジメトキシエタン50ml、テ
トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.2
3g(0.2mmol)、炭酸カリウム4.14g(3
0mmol)の混合液を5時間還流させた。冷却後70
mlの水を加え、生じた白沈を濾過し、水とヘキサンで
洗浄した。次に、アセトンに溶解し、不溶分を濾過によ
り取り除いた。アセトン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を
行い、白色結晶として4’−メトキシ−3−フルオロ−
4−シアノビフェニル2.07g(9.12mmol)
を得た。収率は91%であった。
【0056】第2段階 第1段階で得られた4’−メトキシ−3−フルオロ−4
−シアノビフェニル3.85g(16.9mmol)お
よび47%臭化水素水19.5ml(169mmol)
を酢酸80mlに加え、10時間加熱還流した。冷却
後、反応液を大量の水に加えて、固体を析出させた。固
体をアセトンに溶解させて、不溶分を除去した後、アセ
トン溶液にヘキサンを加え、白色結晶として4’−ヒド
ロキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸2.
40g(10.3mmol)を得た。収率は61%であ
った。
【0057】第3段階 第2段階で得られた4’−ヒドロキシ−3−フルオロ−
4−ビフェニルカルボン酸2.39g(10.3mmo
l)、ベンジルアルコール3.89g(36.1mmo
l)、および酸化ジブチルスズ0.038g(0.15
5mmol)を6時間加熱還流した。冷却後反応液をア
セトンに溶解させ不溶分を除去し、濃縮した。カラム精
製と再結晶を行い、淡黄白色の針状結晶として4’−デ
シルオキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸
2.50g(7.76mmol)を得た。収率は75%
であった。
【0058】第4段階 第3段階で得られた4’−デシルオキシ−3−フルオロ
−4−ビフェニルカルボン酸2.42g(7.5mmo
l)、実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ
−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカル
ボン酸2.49g(7.5mmol)、DMAP0.0
92g(0.75mmol)および塩化メチレン30m
lの混合物に、DCC1.70g(8.25mmol)
を含む塩化メチレン溶液15mlを室温で、撹拌下に4
時間かけた滴下した。さらに室温下で20時間反応させ
た。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃
縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて分離すること
により、白色固体として4’−(6−デシルオキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボ
ニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン
酸ベンジルエステル4.19g(6.59mmol)を
得た。収率は88%であった。
【0059】第5段階 第4段階で得られた4’−(6−デシルオキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニル
オキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸ベ
ンジルエステル4.19g(6.59mmol)および
5%パラジウム/炭素0.838gを含むTHF溶液5
0mlに、水素を吹き込みながら3日間攪拌した。反応
混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。4’−(6
−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビ
フェニルカルボン酸を白色固体として3.48g(6.
37mmol)得た。収率は97%であった。
【0060】第6段階 第5段階で得られた4’−(6−デシルオキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニル
オキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸
0.66g(1.2mmol)、(R)−1−トリフルオ
ロメチル-3-メトキシプロパノール0.19g(1.2
mmol)、およびDMAP0.02g(0.16mm
ol)を含む化メチレン5mlの混合物に、DCC0.
29g(1.4mmol)を含む塩化メチレン溶液5m
lを室温で、撹拌下に2時間かけた滴下した。さらに室
温下で48時間反応させた。反応混合物を濾過し、得ら
れた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ
−を用いて精製することにより、無色の半固体0.60
gを得た。この半固体のFD−マススペクトルの値はM
/e=686であった。図2にこの化合物の1H−NM
Rスペクトルのチャ−トを示す。
【0061】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3
−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−ト
リフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上
記例示化合物(34)]であると同定した。収率は73
%であった。
【0062】この液晶化合物の相転移温度を表12に示
す。
【表12】
【0063】
【実施例3】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)
−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1
−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステル
[上記例示化合物(33)]の合成
【0064】
【化23】
【0065】第1段階 実施例2における第5段階で得られた4’−(6−デシ
ルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタ
レンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニ
ルカルボン酸0.66g(1.2mmol)、(R)−1
−トリフルオロメチル-4-エトキシブタノール0.22
g(1.2mmol)、およびDMAP0.02g
(0.016mmol)を含む塩化メチレン5mlの混
合物に、DCC0.29g(1.4mmol)を含む塩
化メチレン溶液5mlを室温で、撹拌下に2時間かけて
滴下した。さらに室温下で48時間攪拌した。反応混合
物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラム
クロマトグラフィ−を用いて精製することにより、白色
半固体0.54gを得た。この半固体のFD−マススペ
クトルの値はM/e=714であった。図3にこの化合
物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0066】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3
−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−ト
リフルオロメチル−4−エトキシブチルエステル[上記
例示化合物(33)]であると同定した。収率は63%
であった。
【0067】この液晶化合物の相転移温度を表13に示
す。
【0068】
【表13】
【0069】
【実施例4】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)ケ
イ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシ
プロピルエステル[上記例示化合物(94)]の合成
【0070】
【化24】
【0071】第1段階 4−ヒドロキシケイ皮酸16.56g(0.101mo
l)、ピリジン24ml(0.297mol)を含むT
HF溶液200mlに、室温下、塩化アセチル20ml
(0.281mol)を1時間かけて滴下した。さらに
室温で7時間攪拌させた後、反応液を2Nの塩酸水溶液
300mlに流し込んだ。エーテル抽出を行い、有機層
を濃縮することによって、白色固体4−アセトキシケイ
皮酸13.14g(0.064mol)を得た。収率は
63%であった。
【0072】第2段階 第1段階で得られた4−アセトキシケイ皮酸1.06g
(5.15mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル
−3−メトキシプロパノール0.796g(5.04m
mol)、DMAP64.3mg(0.527mmo
l)および塩化メチレン35mlの混合物に、DCC
1.11g(5.39mmol)を含む塩化メチレン溶
液15mlを室温で、撹拌しながら徐々に滴下した。さ
らに室温下で72時間反応させた。反応混合物を濾過
し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマト
グラフィ−を用いて精製することにより、4−アセトキ
シケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メト
キシプロピル1.16g(3.35mmol)を得た。
収率は66.5%であった。
【0073】第3段階 第2段階で得られた4−アセトキシケイ皮酸 (R)−1
−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピル1.16
g(3.35mmol)をジイソプピルエーテル50m
lに溶解し、この中にn−ブチルアミン735mg(1
0mmol)を加えて室温下で12時間反応させた。反
応混合物を希塩酸中に注ぎ、エーテル抽出を行った。有
機層を乾燥し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー
を用いて精製することにより、4−ヒドロキシケイ皮酸
(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピ
ルエステル1.06g(3.49mmol)を得た。収
率は100%であった。
【0074】第4段階 第3段階で得られた4−ヒドロキシケイ皮酸 (R)−1
−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル
0.304g(1.0mmol)、実施例1の第1段階
で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸0.333g(1.
0mmol)、DMAP0.017g(0.14mmo
l)および塩化メチレンの混合物に、DCC0.250
g(1.2mmol)を含む塩化メチレン溶液10ml
を室温で、撹拌下に2時間かけた滴下した。さらに室温
下で48時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られ
た濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−
を用いて精製することにより、白色半固体を0.49g
得た。この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e
=618であった。図4にこの化合物の1H−NMRス
ペクトルのチャ−トを示す。
【0075】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)ケイ皮
酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロ
ピルエステル[例示化合物(94)]であると同定し
た。収率は79%であった。
【0076】この液晶化合物の相転移温度を表14に示
す。
【0077】
【表14】
【0078】
【実施例5】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)ケイ
皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプ
ロピルエステル[例示化合物(109)]の合成
【0079】
【化25】
【0080】第1段階 水素化アルミニウムリチウム0.34g(8.95mm
ol)をエーテル40mlに加え、この中に実施例1の
第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸2.54g
(7.65mmol)を徐々に加えた。室温で30分攪
拌後、6時間加熱還流した。冷却後加水分解し、エーテ
ル抽出後、有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィ−
を用いて精製することにより6−デシルオキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチルナフ
タレン2.31g(7.26mmol)を白色固体とし
て得た。
【0081】第2段階 第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチルナフタレン0.
26g(0.83mmol)、実施例4の第3段階で得
られた4−ヒドロキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオ
ロメチル−3−メトキシプロピルエステル0.26g
(0.85mmol)、およびトリフェニルホスフィン
0.29g(1.11mmol)をTHFに溶解し、こ
の中にジエチルアゾジカルボン酸150μl(0.96
mmol)を室温で攪拌しながらシリンジで滴下した。
室温で一晩攪拌後、濃縮し、カラムクロマトグラフィ−
を用いて精製することにより、白色半固体0.27gを
得た。この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e
=604であった。図5にこの化合物の1H−NMRス
ペクトルのチャ−トを示す。
【0082】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)ケイ皮酸
(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピル
エステル[例示化合物(109)]であると同定した。
収率は53%あった。
【0083】この液晶化合物の相転移温度を表15に示
す。
【0084】
【表15】
【0085】
【実施例6】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)−
4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメ
チル−3−メトキシプロピルエステル[例示化合物(1
9)]の合成
【0086】
【化26】 第1段階 4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸10.7
g(50mmol)、ベンジルブロマイド34.2g
(200mmol)、および炭酸カリウム27.6g
(200mmol)をジメチルホルムアミド150ml
に加え、この溶液を13時間還流しながら攪拌した。冷
却後水200mlを加え、固体を濾別した。得られた固
体と水酸化カリウム(純度85%)8g(121mmo
l)、および水80mlを、エタノール400mlに加
え、この溶液を3時間還流しながら攪拌した。冷却後、
析出している固体を濾別し、エタノール100ml、塩
酸10mlとともにTHF400mlに加え1時間還流
しながら攪拌した。反応液を放冷すると4’−ベンジル
オキシ−4−ビフェニルカルボン酸が無色結晶として析
出した。収量は10.3gで、収率は68%であった。
【0087】第2段階 第1段階で得られた4’−ベンジルオキシ−4−ビフェ
ニルカルボン酸2.22g(7.3mmol)、(R)−
1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロパノール
1.22g(7.7mmol)、DMAP0.46g
(3.77mmol)および塩化メチレン40mlの混
合物に、DCC0.173g(8.40mmol)を含
む塩化メチレン溶液20mlを室温で、撹拌しながら徐
々に滴下した。さらに室温下で24時間反応させた。反
応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物を
カラムクロマトグラフィ−を用いて精製することによ
り、4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸
(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピ
ルエステル2.93g(6.60mmol)を得た。収
率は90%であった。
【0088】第3段階 第2段階で得られた4’−ベンジルオキシ−4−ビフェ
ニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−
メトキシプロピルエステル2.93g(6.60mmo
l)および5%パラジウム/炭素0.4gをTHF50
mlに入れた。水素風船を用いて溶液を水素雰囲気下と
し、室温で1晩攪拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮す
ることによって4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカル
ボン酸(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプ
ロピルエステルをほぼ定量的に得た。
【0089】第4段階 第3段階で得られた4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル
カルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メト
キシプロピルエステル0.29g(0.81mmo
l)、実施例5の第1段階で得られた6−デシルオキシ
−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチ
ルナフタレン0.26g(0.82mmol)、および
トリフェニルホスフィン0.29mg(1.10mmo
l)をTHF10mlに加え、室温で攪拌しながら、こ
の中にジエチルアゾジカルボン酸170μl(1.1m
mol)をシリンジで加えた。同温度でさらに一晩攪拌
した後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィ−を用
いて精製することにより、無色の半固体0.20gを得
た。この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=
654であった。図6にこの化合物の1H−NMRスペ
クトルのチャ−トを示す。
【0090】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)−4−
ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル
−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(1
9)]であると同定した。収率は38%であった。
【0091】この液晶化合物の相転移温度を表16に示
す。
【0092】
【表16】
【0093】
【実施例7】4’−(6−デカノイル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−
4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメ
チル−4−エトキシブチルエステルの合成
【化27】
【0094】第1段階 実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸1
6.6g(50mmol)、47%臭化水素酸86.5
g(500mmol)、および酢酸250mlの混合溶
液を、10時間加熱還流した。冷却後、反応液をヘキサ
ンで2回洗浄し、水層を濃縮した。得られた固体を乾燥
し、6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2
-ナフタレンカルボン酸7.88g(41mmol)を
得た(収率82%)。
【0095】第2段階 第1段階で得られた6−ヒドロキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸6.12g(3
1.9mmol)、ベンジルアルコール35.7g(3
31mmol)、およびジブチル酸化スズ0.21g
(0.43mmol)の混合物を、195℃で6時間、
加熱攪拌した。ベンジルアルコールを減圧留去後、カラ
ムクロマトグラフィーを用いて精製することによって6
−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフ
タレンカルボン酸ベンジルエステル8.1g(28.7
mmol)を得た(収率90%)。
【0096】第3段階 デカノイルクロライド2.51g(13.2mmol)
およびピリジン5ml(62mmol)をトルエン20
mlに加え、この中に、第2段階で得られた6−ヒドロ
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカ
ルボン酸ベンジルエステル2.67g(9.47mmo
l)のトルエン(10ml)溶液を室温で加えた。同温
度で24時間攪拌し加水分解した。有機層を乾燥後、濃
縮しカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することに
より、6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ
-2-ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル3.79g
(8.69mmol)を得た(収率92%)。
【0097】第4段階 6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナ
フタレンカルボン酸ベンジルエステル3.79g(8.
69mmol)および5%パラジウム/炭素0.43g
を含むTHF溶液50mlを、風船を用いて水素雰囲気
下とし、室温で24時間攪拌した。反応混合物を濾過
し、濾液を濃縮することによって6−デカノイル−1,
2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸
3.19gを得た(収率100%)。
【0098】第5段階 第4段階で得られた6−デカノイル−1,2,3,4−
テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.28g
(0.81mmol)、実施例6の第2および第3段階
において、(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキ
シプロパノールの代わりに、(R)−1−トリフルオロメ
チル−4−エトキシブタノールを用い、同様な反応行う
ことによって得た4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキ
シブチルエステル0.30g(0.79mmol)、D
MAP0.099g(0.81mmol)および塩化メ
チレン10mlの混合物に、DCC0.23g(1.1
1mmol)の塩化メチレン溶液5mlを室温で、撹拌
しながらゆっくり滴下した。さらに同温度で48時間反
応させた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。濃縮
物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することに
より、白色半固体を0.40g得た。この半固体のFD
−マススペクトルの値はM/e=710であった。図7
にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示
す。
【0099】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする4’−(6−デカノイル−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−
ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル
−4−エトキシブチルエステルであると同定した。収率
72%。この液晶化合物の相転移温度を表17に示す。
【0100】
【表17】
【0101】
【実施例8】下記式[A−1]で示される反強誘電性液晶
に、
【化28】 実施例1で示した下記式[B−1]で示される化合物を40
モル%の混合比で液晶組成物を調整した。
【化29】 結果を表18に示した。
【0102】
【比較例1】実施例8において、式[B−1]で示され
る化合物の代わりに、次式[C−1]で表される化合物
を用いた以外は、同様にして液晶組成物を調整した。結
果を表18に示した。
【化30】
【0103】
【表18】
【0104】
【実施例9】下記に示す化合物[A−2]、[A−3]を、
下記の組成比で配合して組成物[A]を調整した。この組
成物[A]の相転移温度は、Cry(35℃)SmCA*(106℃)S
mA(114℃)Isoであった。
【化31】 得られた組成物[A]に実施例4で示した下記化合物[B
−2]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整し
た。結果を表19に示した。
【化32】
【0105】
【比較例2】実施例8において、式[B−2]で示され
る化合物の代わりに、次式[C−2]で表される化合物
を用いた以外は、同様にして液晶組成物を調整した。結
果を表19に示した。
【化33】
【0106】
【表19】
【0107】
【実施例10】以下に示す化合物[A−4]と[A−
5]を、[A−4]/[A−5]のモル比が70/30にな
るように配合して組成物[B]を調整した。
【化34】
【化35】 得られた組成物[B]に対して、下記化合物[B−3]
を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結
果を表20に示した。
【0108】
【表20】
【0109】
【実施例11】以下に示す化合物[A−6]と[A−
7]を、[A−6]/[A−7]のモル比が70/30にな
るように配合して組成物[C]を調整した。
【化36】
【化37】 得られた組成物[C]に対して、下記化合物[B−4]
を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結
果を表21に示した。
【化38】
【0110】
【表21】
【0111】
【実施例12】以下に示す化合物[A−8]と[A−
9]を、[A−8]/[A−9]のモル比が70/30にな
るように配合して組成物[D]を調整した。
【化39】
【化40】 得られた組成物[D]に対して、下記化合物[B−5]
を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結
果を表22に示した。
【化41】
【0112】
【表22】
【0113】
【実施例13】以下に示す化合物[A−8]と[A−1
0]を、[A−8]/[A−10]のモル比が80/2
0になるように配合して組成物[E]を調整した。
【化42】
【化43】 得られた組成物[E]に対して、下記化合物[B−1]
を30モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結
果を表23に示した。
【化44】
【0114】
【表23】
【0115】
【実施例14】以下に示す化合物[A−11]と[A−
12]と[A−13]を、[A−11]/[A−12]
/[A−13]のモル比が60/15/25になるように配合
して組成物[F]を調整した。
【化45】
【化46】
【化47】 得られた組成物[F]に対して、下記化合物[B−4]
を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結
果を表24に示した。
【化48】
【0116】
【表24】
【0117】
【実施例15】以下に示す化合物[A−14]と[A−
15]、および市販品の強誘電性液晶ZLI−3489
(メルク社製)を、[A−14]/[A−15]/ZL
I−3489の重量比が85/10/5になるように配
合して組成物[G]を調整した。
【化49】
【化50】 得られた組成物[G]に対して、下記化合物[B−5]を1
0重量%の割合で混合して液晶組成物を調製した。結果
を表25に示した。
【化51】
【0118】
【比較例3】上記実施例15で調製した組成物[G]を用
いた。結果を表25に示した。
【0119】
【表25】 メモリー性は、電圧(10V)オン5m秒後の透過光量
に対する、電圧オフ1秒後の透過光量の相対比である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4
−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチ
ル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペ
クトルのチャ−トである。
【図2】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3
−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−ト
リフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1
H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図3】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3
−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−ト
リフルオロメチル−4−エトキシブチルエステルの1H
−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図4】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)ケイ皮
酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロ
ピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トであ
る。
【図5】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)ケイ皮酸
(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピル
エステルの1H−NMRスペクトルのチャ−ト
【図6】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)−4−
ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル
−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペク
トルのチャ−トである。
【図7】4’−(6−デカノイル−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−
ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル
−4−エトキシブチルエステルの1H−NMRスペクト
ルのチャ−トである。
【図8】本発明において、液晶セル中の液晶組成物のし
きい値電圧を測定する方法を説明する図である。
【図9】本発明において、液晶セル中の液晶組成物の応
答時間を測定する方法を説明する図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07M 7:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式[I]で表わされるテトラリン化合
    物; 【化1】 [上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアル
    キル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、
    これらの基中に存在する1個、または隣接していない2
    個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換え
    られていてもよい)、 X1は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、Aは、そ
    れぞれ独立に、 【化2】 よりなる群から選ばれる基を表し、 Z1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素
    原子を表わし、Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基お
    よび-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表し、 R1 *は次式[II]で表わされる光学活性基であることを
    表わす(ただし、mは2〜5の整数であり、nは1〜3
    の整数である。)−C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1
    …[II])]
  2. 【請求項2】 上記式[I]において、R1*が -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H
    (CF3)-(CH2)3OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)
    -(CH2)2OC2H5 から選ばれる基を表すことを特徴とする請求項1に記載
    のテトラリン化合物。
  3. 【請求項3】 次式[I]で表わされる化合物からなる
    液晶材料; 【化3】 [上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアル
    キル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、
    これらの基中に存在する1個、または隣接していない2
    個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換え
    られていてもよい)、 X1は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、Aは、そ
    れぞれ独立に、 【化4】 よりなる群から選ばれる基を表し、 Z1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素
    原子を表わし、Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基お
    よび-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表しR1*
    次式[II]で表わされる光学活性基であることを表わす
    (ただし、mは2〜5の整数であり、nは1〜3の整数
    である。) −C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II])]
  4. 【請求項4】 上記式[I]において、R1*が -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H
    (CF3)-(CH2)3OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)
    -(CH2)2OC2H5 から選ばれる基を表すことを特徴とする請求項3に記載
    の液晶材料。
  5. 【請求項5】 上記請求項1または2に記載の式[I]
    で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加
    剤とを含有してなる液晶組成物。
  6. 【請求項6】 上記請求項1または2に記載の式[I]
    で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加
    剤とを含有してなる強誘電性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 上記請求項1または2に記載の式[I]
    で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加
    剤とを含有してなる反強誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 上記請求項1または2に記載の式[I]
    で表される化合物と次式[III]で表される化合物を含
    有することを特徴とする反強誘電性液晶組成物。 【化5】 [上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のア
    ルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただ
    し、これらの基中に存在する1個、または隣接していな
    い2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き
    換えられていてもよい)、A2は、 【化6】 よりなる群から選ばれる基を表し、Z3,Z4およびZ5
    は、水素原子またはフッ素原子を表し、X2は、-COO
    -基、-O-基または単結合を表し、X3は、-COO-基ま
    たは-CH2O-基合を表し、R2*は、次式「IV」で表さ
    れる光学活性基であることを表わす。ただし、VがCF
    3である場合には、p=1かつr≠0、またはp=0か
    つr=0であり、VがCH3である場合にはp=0かつ
    r=0である) −C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2 q +1 …[IV]]
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