JP4535531B2 - テトラリン化合物、液晶材料および液晶組成物 - Google Patents

テトラリン化合物、液晶材料および液晶組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、新規なテトラリン化合物、およびこの化合物からなる液晶材料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
現在、液晶化合物を用いた表示素子は、その低電圧駆動性・低消費電力性および小型・薄型化の観点から時計・電卓はもとより、ワープロ・パソコンなどのOA機器、カーナビゲーションシステムなど幅広い分野で利用されている。
一般に広く用いられている液晶表示素子はネマチック相を利用したものである。ネマチック液晶は、通常はTN(Twisted Nematic)モードによって駆動されている。しかしながら、TNモードの液晶表示素子では、走査線数の増加とともに駆動マージンが狭くなり、十分なコントラストが得られなくなるという欠点が存在する。そのために、大容量の表示素子を作製することが困難である。このTNモードの液晶表示素子を改良するためにSTN(Super Twisted Nematic)モードが開発されているが、なお走査線数の増加とともにコントラスト・応答時間が低下するという問題点が存在する。
【0003】
応答速度の低いネマチック液晶に代わって注目されてきたのに、強誘電性液晶や反強誘電性液晶のようなスメクチック液晶がある。この液晶を用いた表示素子では、液晶分子のもつ自発分極と電界強度との直接相互作用が、液晶分子の配向方向を変えるための実効エネルギーとなるため応答時間が短く、スイッチング駆動に必要な時間はμ秒オーダーの高速応答を得ることができる。
【0004】
強誘電性液晶を数μm程度の厚みのセルに封入した液晶素子(表面安定化強誘電性液晶素子)では、たとえば、N.A.Clarkらの論文( N.A.Clark and S.T.Lagerwall, Appl.Phys.Lett.,36,899(1980))に記載されているように、電場に対して2つの安定状態をとることができる。この安定状態間の電場に対するスイッチング時間は、数μ秒のオーダーで非常に短い。反強誘電性液晶の場合には3つの安定状態をとり、これら状態間のスイッチングも高速である。
【0005】
応答速度が遅い従来のネマチック液晶では、アクティブマトリックス駆動(TFT方式など)やマルチライン駆動(STN方式)のような駆動方式を用いなければならなかった。これに対して、応答速度が高速な強誘電性液晶や反強誘電性液晶では、単純マトリックスでの駆動が使えるという利点がある。
【0006】
また、ディスプレイ視野角についても、ネマチック液晶では、光学補償フィルム、特殊なデバイス構造を必要とするが、スメクチック液晶ではこれらを必要としないという利点もある。
【0007】
このようなスメクチック液晶を表示素子に用いるためには、動作温度範囲が常温付近であり、応答時間が短く、表示コントラストが安定しているなどの材料特性が要求される。これらの特性を単一液晶で全て満足させることは現在のところ困難であり、通常は数種類の液晶をブレンドして調製されている。特に、応答時間に関しては、10数μ秒のスイッチング速度が要求されている。
【0008】
応答時間を短縮するためには、強誘電性液晶材料では、自発分極を大きくしたり、粘度を小さくしたりする必要がある。反強誘電性液晶材料では、しきい値電圧の大きさが応答時間に関係することが知られており、このしきい値電圧を小さくする必要がある。
しかしながら、従来の強誘電性液晶材料では、自発分極を大きくすると液晶化合物同士の静電的相互作用が大きくなり、その結果として粘度が大きくなるという傾向があった。
【0009】
また、従来の反強誘電性液晶材料を使用した液晶素子では、ほとんどの場合セルギャップが2μm程度であって、これらの素子を電気光学的に変化させるために必要なしきい値電圧の絶対値が20〜30V/2μmであるようなセルが用いられていた。通常のCMOSが15V以下で使用可能なことを考慮すると、このようなしきい値電圧の絶対値の大きなセルを用いた液晶素子では、セルをCMOSで駆動させることは困難である。
【0010】
また、前記しきい値電圧は、低ければ低いほど、駆動電圧との差、すなわち実効電圧が大きくなり、したがって表示素子の電気光学的応答を高速化できるので好ましい。このような点から、しきい値電圧の絶対値ができるだけ低い値、例えば15V/2μm以下であって、大きな実効電圧でセルが駆動できるような反強誘電性液晶素子の提供が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来技術に伴う問題点を解決するためになされたものであり、優れた液晶材料となりうる新規な化合物、およびこの化合物からなる液晶材料ならびに液晶組成物を提供することを目的としている。さらに詳しくは、本発明は、作動温度範囲が広く、スイッチング速度が大きく、消費電力が極めて少なく、しかも安定したコントラストが得られる液晶素子を形成し得る新規なテトラリン化合物および液晶材料、ならびに液晶組成物を提供することを目的としている。
【0012】
特に、本発明の新規なテトラリン化合物を用いれば、強誘電性液晶/反強誘電性液晶などのスメクチック液晶組成物の応答時間が制御可能となる。
本発明の新規なテトラリン化合物を強誘電性液晶に添加した場合には、粘度を大きくすることなく、自発分極を大きくして応答時間が高速な液晶素子を形成し得る液晶組成物を提供することができる。
本発明の新規なテトラリン化合物を反強誘電性液晶に添加した場合には、液晶素子を電気光学的に変化させるために必要なしきい値電圧の絶対値ができるだけ低い値、例えば15V/2μm以下であって、大きな実効電圧で駆動できるようなセルを備えた液晶素子を形成し得る液晶組成物を提供することができる。
【0013】
【課題を解決する手段】
本発明は、新規なテトラリン化合物、即ちテトラリン骨格を有するカルボン酸エステル化合物を提供する。
本発明のテトラリン化合物は、次式[I]で表すことができる。
【化7】
Figure 0004535531
ただし、上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
1は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
Aは、それぞれ独立に、
【化8】
Figure 0004535531
よりなる群から選ばれる基を表し、
1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表わし、
Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表し、
1*は次式[II]で表わされる光学活性基であることを表わす(ただし、mは2〜5の整数であり、nは1〜3の整数である)。
−C*H−(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II]
【0014】
また、本発明によれば、前記式[I]で表されるテトラリン化合物からなる液晶材料が提供される。
さらに、本発明によれば、前記式[I]で表されるテトラリン化合物と他の液晶化合物および/または添加剤よりなる液晶組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記式[I]で表されるテトラリン化合物と他の液晶化合物および/または添加剤よりなる強誘電性液晶組成物が提供される。
【0015】
またさらに、本発明によれば、前記式[I]で表されるテトラリン化合物と下記式[III]で表される化合物を含む反強誘電性組成物も提供される。
【化9】
Figure 0004535531
[上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
2は、
【化10】
Figure 0004535531
よりなる群から選ばれる基を表し、
3,Z4およびZ5は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、
2は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
3は、-COO-基または-CH2O-基合を表し、
2*は、次式「IV」で表される光学活性基であることを表わす。ただし、VがCF3である場合には、p=1かつr≠0、またはp=0かつr=0であり、VがCH3である場合にはp=0かつr=0である)
−C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2q+1 …[IV]]
本発明では、上記[IV]で表わされる基において、rは0〜8が好ましく、qは0〜10が好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るテトラリン化合物、およびこの化合物からなる液晶材料、並びに液晶組成物について具体的に説明する。
まず、本発明のテトラリン化合物について説明する。
本発明に係るテトラリン化合物は、次式[I]で表されるカルボン酸エステル化合物である。
【0017】
【化11】
Figure 0004535531
上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアルキル基またはフッ素化アルキル基(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2 -基は、-O-基で置き換えられていてもよい)を表す。
【0018】
ここで、R1が炭素数3〜20のアルキル基である場合には、このアルキル基は、直鎖状、分枝状および脂環状のいずれの形態であってもよいが、R1が直鎖状のアルキル基であるテトラリン化合物の分子は、まっ直ぐに伸びた剛直構造をとるため、優れた液晶性を示す。このような直鎖状のアルキル基の具体的な例としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基などを挙げることができる。
【0019】
また、R1が炭素数3〜20のポリフルオロアルキル基の例としては、上記のようなアルキル基の水素原子の一部、もしくはすべてが、F原子で置換された基を挙げることができる。
また、それらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-あるいは-CF2-基が、-O-基で置き換えられているアルキル基として、10−メトキシデシルオキシ基、10−エトキシデシルオキシ基および11−メトキシウンデシルオキシ基などを挙げることができる。
【0020】
上記式[I]においてX1は、-COO-基、および-O-基よりなる群から選ばれる基、または単結合を表す。こられの内、本発明のテトラリン化合物を液晶材料として使用する場合には、液晶性と特性を考慮すると、X1は-O-基あるいは単結合であることが好ましい。
【0021】
上記式[I]においてYは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表す。これらの内、本発明のエステルを液晶化合物として使用する場合、Yは、-COO-基および-CH2O-基であることが好ましい。
【0022】
上記式[I]においてR1*は、次式[II]で表わされる光学活性基である。
−C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 ・・・[II]
ただし、式[II]において、mは2〜5の整数であり、nは1〜3の整数である。
これらの基のうちでも、R1*は、
-C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)3OC2H5
-C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)2OC2H5
よりなる群から選ばれる基であることが好ましい。
これらの基のうち、本発明のテトラリン化合物を液晶材料として使用する場合に、その特性を考慮すると、以下に示す基が好ましい。
-C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)3OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)2OCH3
【0023】
上記式[I]において、Aは
【化12】
Figure 0004535531
よりなる群から選ばれる基を表す。
【化13】
Figure 0004535531
においては、Z1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子をあらわす。例として、
【化14】
Figure 0004535531
を挙げることができる。中でも、好ましいものとして、
【化15】
Figure 0004535531
を挙げることができる。
【0024】
上記式[I]で表されるテトラリン骨格を有するカルボン酸エステル化合物としては、具体的には次表1に記載した化合物を挙げることができる。
なお、以下に記載する表において、R1、R1*、X1、YおよびAは、上記式[I]式中の基であり、テトラリンとの結合状態は特に限定されない。
【0025】
【表1】
Figure 0004535531
【表2】
Figure 0004535531
【表3】
Figure 0004535531
【表4】
Figure 0004535531
【表5】
Figure 0004535531
【表6】
Figure 0004535531
【表7】
Figure 0004535531
【表8】
Figure 0004535531
【表9】
Figure 0004535531
【表10】
Figure 0004535531
【0026】
上記式[I]で表わされるテトラリン化合物は、たとえば下記に示す合成経路に従って製造されうる。なお、下記合成経路で式中、R*は上記式[I]で示されたR1*を意味し、R0、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基または1〜20のアルコキシ基である。
【0027】
【化16】
Figure 0004535531
【0028】
上記合成経路に示された本発明で液晶材料として用いられるテトラリン化合物の製造方法をさらに詳しく説明すると下記の通りである。
a)まず、例えばトリフルオロメチル基を含むケトン(R1−CO−R0)を還元剤で還元して含フッ素アルコール(HO−CHR10)を得る。ここで用いられる還元剤としては、カルボニル基をヒドロキシ基に変換できるものであれば特に限定されることはなく、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられる。また、反応を実施するための溶媒としては、還元剤として水素化アルミニウムリチウムを用いる場合にはジエチルエーテル、テロラヒドロフラン等を溶媒として用いるのが好ましい。この反応温度は、トリフルオロメチル基を含むケトンおよび還元剤の種類などに応じて適宜調整され、特に制限されるものではないが、室温または室温付近であることが好ましい。
【0029】
次いで、上記のようにして得られた含フッ素アルコール(HO−CHR10)を常法によりエステル化し、エステル化合物(R2−COO−CHR10)を得る。エステル化剤としては、カルボン酸塩化物(例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル等)が好ましい。
しかる後に、このようにして得られたエステル化合物(R2−COO−CHR10)はR−体とS−体とが等量混合したラセミ体であるが、このエステル化合物を加水分解酵素(例えば、リパーゼP、リパーゼMY、リパーゼOF、セルラーゼ等)を用いて不斉加水分解を行い、光学活性アルコール(R−またはS−アルコール;HO−R*:R*=CHR10)を得る。この際、加水分解酵素は、原料のラセミエステル化合物1mmolあたり、500〜20、000単位、好ましくは1、000〜5、000単位の量で用いられる。上記加水分解反応は、通常、水中、またはメタノール、エタノール等のような水と相溶性のよい溶媒と水との混合溶媒中で行われる。原料として用いられるラセミエステル化合物の量は、溶媒中に1〜40wt%、好ましくは3〜30wt%存在するように調整される。また、上記不斉加水分解反応が行われる液中のpHは6〜8の範囲に調整されていることが好ましく、この反応温度は10〜40℃に保持されていることが好ましい。
【0030】
b)4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸およびベンジルハライドを、水酸化カリウムのような塩基存在下縮合させることによって、4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸を得る。
次いで、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いて、上記工程で得られた光学活性アルコール、および4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸を反応させることにより4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸エステルを得る。
得られた4’-ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸エステルを、テトラヒドロフラン等の溶媒に投入し、パラジウム/炭素等の還元触媒の存在下に水素ガスを用いて還元することにより、4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸エステルを得る。
【0031】
c)1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸は、例えば6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸と1,2-ジエトキシエタンとの混合物を金属ナトリウムの存在下にイソアミルアルコールを滴下しながら還流することにより得られる。
この1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸を、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いて、上記工程で得られた4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸エステルと反応させることにより本発明のテトラリン化合物である4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸エステルを得ることができる。
【0032】
d)また上記4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸エステルは以下のルートでも合成できる。
すなわち、1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボン酸と4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸ベンジルエステルを脱水反応して4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸ベンジルエステルを得る。次に水素還元により脱ベンジル化を行い4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸を得る。このものと光学活性アルコールとを反応させることによって上記テトラリン化合物である4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ-6−アルコキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)―4−ビフェニルカルボン酸エステルを得ることができる。
【0033】
なお、上記方法は本発明で液晶材料として用いられるテトラリン化合物の製造方法の一例であって、本発明で液晶材料として用いられるテトラリン化合物は、この製造方法でのみ得られるテトラリン化合物に限定されるものではない。
【0034】
本発明に係る液晶材料は、上述したような式[I]で表されるテトラリン化合物からなる液晶材料である。
上記のようにして得られた式[I]で表されるテトラリン化合物からなる液晶材料は、強誘電性液晶化合物または反強誘電性液晶化合物として使用することができる。
【0035】
液晶組成物
本発明に係る液晶組成物は、上記式[I]で表されるテトラリン化合物を含んでいる。上記式[I]で表されるテトラリン化合物は1種または2種以上使用してもよい。
上記式[I]で表されるテトラリン化合物の中には、スメクチック相を示す下限温度が室温を越える化合物、あるいはスメクチック相を示さない化合物もあるが、このような化合物であっても上記式[I]で表されるテトラリン化合物を主剤として、あるいは助剤として他の液晶材料(主剤と種類の異なる上記式[I]で表されるテトラリン化合物であっても差し支えない)と混合することにより、低い下限温度、例えば室温を含む広い温度範囲でスメクチック相を示し、かつ上述したような優れた特性を有する液晶素子を提供することもできる。特に上述した式[I]で表されるテトラリン化合物がスメクチック相を示さない場合には、上記式[I]で表されるテトラリン化合物を助剤としてスメクチック相を示す他の液晶材料と混合することが好ましい。スメクチック相を示す他の液晶材料としては、強誘電性液晶材料や反強誘電性液晶材料などが挙げられる。
【0036】
本発明の上記[I]で表される化合物と共に使用できる強誘電性液晶材料としては特に限定されるものではないが、好ましい例としては、以下の化合物が挙げられる。
【化17】
Figure 0004535531
のような芳香族環を2個含むエステル系化合物。
【化18】
Figure 0004535531
のようなピリミジンフェニル系化合物が挙げられる。
【0037】
上記[I]で表される化合物と共に使用できる反強誘電性液晶材料のうち、特に好ましい例としては、下記の式[III]で表わされる化合物が含有されていることが好ましい。
【化19】
Figure 0004535531
[上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
2は、
【化20】
Figure 0004535531
よりなる群から選ばれる基を表し、
3,Z4およびZ5は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、
2は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
3は、-COO-基または-CH2O-基合を表し、
2*は、次式[IV]で表される光学活性基であることを表わす。ただし、VがCF3である場合には、p=1かつr≠0、またはp=0かつr=0であり、VがCH3である場合にはp=0かつr=0である)
−C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2q+1 …[IV]]
【0038】
本発明の液晶組成物は、上記式[I]で表されるテトラリン化合物、必要により式[III]で表わされる化合物、ならびに、所望の他の液晶材料および添加材を混合することにより製造することができる。
本発明の液晶組成物中における上記[I]で表されるテトラリン化合物の配合割合は、得られる液晶組成物の特性を考慮して任意に設定することができる。本発明の組成物は、上記式[I]で表わされるテトラリン化合物を、液晶組成物を形成する液晶成分の総量中に、通常は5〜99モル%、好ましくは10〜75モル%の範囲内の量で含有している。
【0039】
本発明の液晶組成物中には、本発明の液晶材料に加えて、さらに、例えば電導性賦与剤および寿命向上剤等、通常の液晶組成物に配合される添加剤が配合されていてもよい。
本発明で使用される液晶組成物は、上記のようなテトラリン化合物ならびに所望により他の液晶材料および添加剤を混合することにより製造することができる。
【0040】
上述した液晶材料を含有する液晶組成物は、電圧を印加することにより、光スイッチング現象を起こすので、この現象を利用して応答性の良い表示装置を作成することができる。本発明において、このような現象を利用した素子あるいは素子の駆動方法に関しては、例えば特開昭56-107216号および同59-118744号公報を参照することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によりテトラリン化合物を用いた新規な液晶材料が提供される。
このテトラリン化合物は、光学的に活性であり、広範な温度範囲においてスメクチック相を示し、また強誘電性液晶化合物あるいは反強誘電性液晶化合物として使用することもできる。
このような本発明の液晶材料に、同種および/または他種の液晶物質を配合することにより、本発明の液晶材料の反強誘電性あるいは強誘電性を損なうことなく、応答速度の制御を図ることができる。
従って、このような液晶材料を用いることにより、広い温度範囲において高速応答性を有する液晶素子等を得ることができる。
【0042】
さらに、このような素子を用いて製造した液晶ディスプレイにおいては、操作時間を大幅に短縮することができる。このようなディスプレイでは、消費電力の低減を図ることができる。また、分子の傾き角、すなわちチルト角を非常に大きくでき、液晶分子の並び、すなわち配向性を非常に高くできるため、高いコントラストが得られる。更に、安定したコントラストが得られる。
【0043】
【実施例】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なおR、Sは光学活性体のR体、S体を表わす。また、実施例中の相転移温度の測定、および相の同定は、DSCならびに液晶素子を作製し、その電場応答を偏光顕微鏡で観察する方法により実施した。
【0044】
本発明において、液晶セル中の液晶組成物のしきい値電圧は次のようにして測定した。
しきい値電圧:
液晶素子中の液晶セルに三角波電圧(周波数0.01Hz、ピーク電圧30V/2μm)を印加し、液晶素子の透過光量Trをモニターした。液晶セルに印加する電圧Vをゼロから正方向に増加させていくと反強誘電性状態から強誘電性状態へと相転移し、液晶素子の透過光量が増加するようになり、例えば図8に示すV−Tr曲線を示す。例えば図8の場合には、このV−Tr曲線の曲線の接線Irと反強誘電状態領域のV−Tr曲線との接戦Iafとの交点Pを求め、この交点Pの電圧値Vpをしきい値電圧として評価した。
【0045】
応答時間:
本発明において、液晶セル中の液晶組成物の応答時間は次のようにして測定した。液晶素子中の液晶セルにパルス電圧(パルス幅5m秒、パルス間隔500m秒)を印加し、液晶素子の透過光量をモニターした。この透過光量の変化から次式に従って応答時間を評価した。
応答時間=Tr90−Tr0
【0046】
【実施例1】
4 ’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ− 2 −ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R) −1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(4)]の合成
【化21】
Figure 0004535531
【0047】
第1段階
6−デシルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸3.86g(11.8mmol)および1、2-ジエトキシエタン130mlの混合物に、窒素雰囲気下、120℃で攪拌下に金属ナトリウム3.0g(130mmol)を加え、さらに還流温度にまで加熱した。
この混合物にイソアミルアルコール10g(114mmol)を1時間かけて滴下し、さらに 11時間還流下に反応させた。室温に冷却後、残存する金属ナトリウムにエタノールを加えてナトリウムアルコラートに変換後、反応混合物を20%塩酸を用いて酸性にした。
この反応混合物に水100mlを加えた後、有機相を分離し、さらに有機相を水洗した。有機相を減圧下に濃縮して固体4.25gを得た。この固体をトルエンを用いて再結晶することにより、6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸2.95gを得た(収率75%)。
【0048】
第2段階
第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸3.32g(10mmol)、4’-ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸2.14g(10mmol)、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(以下DMAPと略する)0.12g(1mmol)を塩化メチレン50mlに加える。この中にN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略する)2.27g(11mmol)の塩化メチレン溶液15mlを徐々に滴下した。滴下後さらに塩化メチレン20mlを追加し、6時間室温で攪拌した。反応混合物を濾過し、得られた固体をテトラヒドロフラン(以下THFと略する)に溶解した。可溶部を分離し、溶媒を留去後、THF/塩化メチレン混合溶媒で再結晶することにより、1.92gの4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−デシルオキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸を得た。収率36%。
【0049】
第3段階
4’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−デシルオキシ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸0.35g(0.66mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルアルコール0.11g(0.71mmol)、DMAP0.018g(0.15mmol)および塩化メチレン20mlの混合物に、DCC0.19g(0.92mmol)を含む塩化メチレン溶液10mlを攪拌しながら室温で2時間かけて滴下した。さらに室温下で48時間反応させた。
反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、無色の半固体0.23gを得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=668であった。
図1にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0050】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(4)]であると同定した。
収率は52%であった。
【0051】
この液晶化合物の相転移温度を以下の表11に示す。
本実施例の表中において、Cryは結晶相を示し、SmCA*は反強誘電相を表し、SmC*は強誘電相を表し、SmAはスメティックA相を表し、Isoは等方性液体を表す。
「・」は、化合物がその相をとることを示し、数字は相間の相転移温度を示す。また、「−」は化合物がその相をとらないことを示す。
【0052】
【表11】
Figure 0004535531
【0053】
【実施例2】
4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ− 2 −ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R) −1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(34)]の合成
【0054】
【化22】
Figure 0004535531
【0055】
第1段階
4−メトキシベンゼンボロン酸1.52g(10mmol)、4−ブロモ−2−フルオロベンゾ二トリル2.00g(10mmol)、ジメトキシエタン50ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.23g(0.2mmol)、炭酸カリウム4.14g(30mmol)の混合液を5時間還流させた。冷却後70mlの水を加え、生じた白沈を濾過し、水とヘキサンで洗浄した。次に、アセトンに溶解し、不溶分を濾過により取り除いた。アセトン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、白色結晶として4’−メトキシ−3−フルオロ−4−シアノビフェニル2.07g(9.12mmol)を得た。収率は91%であった。
【0056】
第2段階
第1段階で得られた4’−メトキシ−3−フルオロ−4−シアノビフェニル3.85g(16.9mmol)および47%臭化水素水19.5ml(169mmol)を酢酸80mlに加え、10時間加熱還流した。冷却後、反応液を大量の水に加えて、固体を析出させた。固体をアセトンに溶解させて、不溶分を除去した後、アセトン溶液にヘキサンを加え、白色結晶として4’−ヒドロキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸2.40g(10.3mmol)を得た。収率は61%であった。
【0057】
第3段階
第2段階で得られた4’−ヒドロキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸2.39g(10.3mmol)、ベンジルアルコール3.89g(36.1mmol)、および酸化ジブチルスズ0.038g(0.155mmol)を6時間加熱還流した。冷却後反応液をアセトンに溶解させ不溶分を除去し、濃縮した。カラム精製と再結晶を行い、淡黄白色の針状結晶として4’−デシルオキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸2.50g(7.76mmol)を得た。収率は75%であった。
【0058】
第4段階
第3段階で得られた4’−デシルオキシ−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸2.42g(7.5mmol)、実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸2.49g(7.5mmol)、DMAP0.092g(0.75mmol)および塩化メチレン30mlの混合物に、DCC1.70g(8.25mmol)を含む塩化メチレン溶液15mlを室温で、撹拌下に4時間かけた滴下した。さらに室温下で20時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて分離することにより、白色固体として4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸ベンジルエステル4.19g(6.59mmol)を得た。収率は88%であった。
【0059】
第5段階
第4段階で得られた4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸ベンジルエステル4.19g(6.59mmol)および5%パラジウム/炭素0.838gを含むTHF溶液50mlに、水素を吹き込みながら3日間攪拌した。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸を白色固体として3.48g(6.37mmol)得た。収率は97%であった。
【0060】
第6段階
第5段階で得られた4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸0.66g(1.2mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル-3-メトキシプロパノール0.19g(1.2mmol)、およびDMAP0.02g(0.16mmol)を含む化メチレン5mlの混合物に、DCC0.29g(1.4mmol)を含む塩化メチレン溶液5mlを室温で、撹拌下に2時間かけた滴下した。さらに室温下で48時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、無色の半固体0.60gを得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=686であった。
図2にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0061】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(34)]であると同定した。収率は73%であった。
【0062】
この液晶化合物の相転移温度を表12に示す。
【表12】
Figure 0004535531
【0063】
【実施例3】
4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ− 2 −ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R) −1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステル[上記例示化合物(33)]の合成
【0064】
【化23】
Figure 0004535531
【0065】
第1段階
実施例2における第5段階で得られた4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸0.66g(1.2mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル-4-エトキシブタノール0.22g(1.2mmol)、およびDMAP0.02g(0.016mmol)を含む塩化メチレン5mlの混合物に、DCC0.29g(1.4mmol)を含む塩化メチレン溶液5mlを室温で、撹拌下に2時間かけて滴下した。さらに室温下で48時間攪拌した。
反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、白色半固体0.54gを得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=714であった。
図3にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0066】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステル[上記例示化合物(33)]であると同定した。収率は63%であった。
【0067】
この液晶化合物の相転移温度を表13に示す。
【0068】
【表13】
Figure 0004535531
【0069】
【実施例4】
4− ( 6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ ) ケイ皮酸 (R )−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(94)]の合成
【0070】
【化24】
Figure 0004535531
【0071】
第1段階
4−ヒドロキシケイ皮酸16.56g(0.101mol)、ピリジン24ml(0.297mol)を含むTHF溶液200mlに、室温下、塩化アセチル20ml(0.281mol)を1時間かけて滴下した。さらに室温で7時間攪拌させた後、反応液を2Nの塩酸水溶液300mlに流し込んだ。エーテル抽出を行い、有機層を濃縮することによって、白色固体4−アセトキシケイ皮酸13.14g(0.064mol)を得た。収率は63%であった。
【0072】
第2段階
第1段階で得られた4−アセトキシケイ皮酸1.06g(5.15mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロパノール0.796g(5.04mmol)、DMAP64.3mg(0.527mmol)および塩化メチレン35mlの混合物に、DCC1.11g(5.39mmol)を含む塩化メチレン溶液15mlを室温で、撹拌しながら徐々に滴下した。さらに室温下で72時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、4−アセトキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピル1.16g(3.35mmol)を得た。収率は66.5%であった。
【0073】
第3段階
第2段階で得られた4−アセトキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピル1.16g(3.35mmol)をジイソプピルエーテル50mlに溶解し、この中にn−ブチルアミン735mg(10mmol)を加えて室温下で12時間反応させた。反応混合物を希塩酸中に注ぎ、エーテル抽出を行った。有機層を乾燥し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、4−ヒドロキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル1.06g(3.49mmol)を得た。収率は100%であった。
【0074】
第4段階
第3段階で得られた4−ヒドロキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル0.304g(1.0mmol)、実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸0.333g(1.0mmol)、DMAP0.017g(0.14mmol)および塩化メチレンの混合物に、DCC0.250g(1.2mmol)を含む塩化メチレン溶液10mlを室温で、撹拌下に2時間かけた滴下した。さらに室温下で48時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、白色半固体を0.49g得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=618であった。
図4にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0075】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)ケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[例示化合物(94)]であると同定した。収率は79%であった。
【0076】
この液晶化合物の相転移温度を表14に示す。
【0077】
【表14】
Figure 0004535531
【0078】
【実施例5】
4− ( 6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ ) ケイ皮酸 (R )−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[例示化合物(109)]の合成
【0079】
【化25】
Figure 0004535531
【0080】
第1段階
水素化アルミニウムリチウム0.34g(8.95mmol)をエーテル40mlに加え、この中に実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸2.54g(7.65mmol)を徐々に加えた。室温で30分攪拌後、6時間加熱還流した。冷却後加水分解し、エーテル抽出後、有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチルナフタレン2.31g(7.26mmol)を白色固体として得た。
【0081】
第2段階
第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチルナフタレン0.26g(0.83mmol)、実施例4の第3段階で得られた4−ヒドロキシケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル0.26g(0.85mmol)、およびトリフェニルホスフィン0.29g(1.11mmol)をTHFに溶解し、この中にジエチルアゾジカルボン酸150μl(0.96mmol)を室温で攪拌しながらシリンジで滴下した。室温で一晩攪拌後、濃縮し、カラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、白色半固体0.27gを得た。この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=604であった。
図5にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0082】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)ケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[例示化合物(109)]であると同定した。収率は53%あった。
【0083】
この液晶化合物の相転移温度を表15に示す。
【0084】
【表15】
Figure 0004535531
【0085】
【実施例6】
4’− ( 6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ ) −4−ビフェニルカルボン酸 (R )−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[例示化合物(19)]の合成
【0086】
【化26】
Figure 0004535531
第1段階
4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸10.7g(50mmol)、ベンジルブロマイド34.2g(200mmol)、および炭酸カリウム27.6g(200mmol)をジメチルホルムアミド150mlに加え、この溶液を13時間還流しながら攪拌した。冷却後水200mlを加え、固体を濾別した。得られた固体と水酸化カリウム(純度85%)8g(121mmol)、および水80mlを、エタノール400mlに加え、この溶液を3時間還流しながら攪拌した。冷却後、析出している固体を濾別し、エタノール100ml、塩酸10mlとともにTHF400mlに加え1時間還流しながら攪拌した。反応液を放冷すると4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸が無色結晶として析出した。収量は10.3gで、収率は68%であった。
【0087】
第2段階
第1段階で得られた4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸2.22g(7.3mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロパノール1.22g(7.7mmol)、DMAP0.46g(3.77mmol)および塩化メチレン40mlの混合物に、DCC0.173g(8.40mmol)を含む塩化メチレン溶液20mlを室温で、撹拌しながら徐々に滴下した。さらに室温下で24時間反応させた。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル2.93g(6.60mmol)を得た。収率は90%であった。
【0088】
第3段階
第2段階で得られた4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル2.93g(6.60mmol)および5%パラジウム/炭素0.4gをTHF50mlに入れた。水素風船を用いて溶液を水素雰囲気下とし、室温で1晩攪拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮することによって4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルをほぼ定量的に得た。
【0089】
第4段階
第3段階で得られた4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル0.29g(0.81mmol)、実施例5の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒドロキシメチルナフタレン0.26g(0.82mmol)、およびトリフェニルホスフィン0.29mg(1.10mmol)をTHF10mlに加え、室温で攪拌しながら、この中にジエチルアゾジカルボン酸170μl(1.1mmol)をシリンジで加えた。同温度でさらに一晩攪拌した後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、無色の半固体0.20gを得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=654であった。
図6にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0090】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステル[上記例示化合物(19)]であると同定した。収率は38%であった。
【0091】
この液晶化合物の相転移温度を表16に示す。
【0092】
【表16】
Figure 0004535531
【0093】
【実施例7】
4’− ( 6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ ) −4−ビフェニルカルボン酸 (R )−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステルの合成
【化27】
Figure 0004535531
【0094】
第1段階
実施例1の第1段階で得られた6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸16.6g(50mmol)、47%臭化水素酸86.5g(500mmol)、および酢酸250mlの混合溶液を、10時間加熱還流した。冷却後、反応液をヘキサンで2回洗浄し、水層を濃縮した。得られた固体を乾燥し、6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸7.88g(41mmol)を得た(収率82%)。
【0095】
第2段階
第1段階で得られた6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸6.12g(31.9mmol)、ベンジルアルコール35.7g(331mmol)、およびジブチル酸化スズ0.21g(0.43mmol)の混合物を、195℃で6時間、加熱攪拌した。ベンジルアルコールを減圧留去後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製することによって6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル8.1g(28.7mmol)を得た(収率90%)。
【0096】
第3段階
デカノイルクロライド2.51g(13.2mmol)およびピリジン5ml(62mmol)をトルエン20mlに加え、この中に、第2段階で得られた6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル2.67g(9.47mmol)のトルエン(10ml)溶液を室温で加えた。同温度で24時間攪拌し加水分解した。有機層を乾燥後、濃縮しカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル3.79g(8.69mmol)を得た(収率92%)。
【0097】
第4段階
6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸ベンジルエステル3.79g(8.69mmol)および5%パラジウム/炭素0.43gを含むTHF溶液50mlを、風船を用いて水素雰囲気下とし、室温で24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮することによって6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸3.19gを得た(収率100%)。
【0098】
第5段階
第4段階で得られた6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.28g(0.81mmol)、実施例6の第2および第3段階において、(R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロパノールの代わりに、(R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブタノールを用い、同様な反応行うことによって得た4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステル0.30g(0.79mmol)、DMAP0.099g(0.81mmol)および塩化メチレン10mlの混合物に、DCC0.23g(1.11mmol)の塩化メチレン溶液5mlを室温で、撹拌しながらゆっくり滴下した。さらに同温度で48時間反応させた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィ−を用いて精製することにより、白色半固体を0.40g得た。
この半固体のFD−マススペクトルの値はM/e=710であった。
図7にこの化合物の1H−NMRスペクトルのチャ−トを示す。
【0099】
これらの分析の結果より、この化合物は目的とする4’−(6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステルであると同定した。収率72%。
この液晶化合物の相転移温度を表17に示す。
【0100】
【表17】
Figure 0004535531
【0101】
【実施例8】
下記式[A−1]で示される反強誘電性液晶に、
【化28】
Figure 0004535531
実施例1で示した下記式[B−1]で示される化合物を40モル%の混合比で液晶組成物を調整した。
【化29】
Figure 0004535531
結果を表18に示した。
【0102】
【比較例1】
実施例8において、式[B−1]で示される化合物の代わりに、次式[C−1]で表される化合物を用いた以外は、同様にして液晶組成物を調整した。結果を表18に示した。
【化30】
Figure 0004535531
【0103】
【表18】
Figure 0004535531
【0104】
【実施例9】
下記に示す化合物[A−2]、[A−3]を、下記の組成比で配合して組成物[A]を調整した。この組成物[A]の相転移温度は、Cry(35℃)SmCA*(106℃)SmA(114℃)Isoであった。
【化31】
Figure 0004535531
得られた組成物[A]に実施例4で示した下記化合物[B−2]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表19に示した。
【化32】
Figure 0004535531
【0105】
【比較例2】
実施例8において、式[B−2]で示される化合物の代わりに、次式[C−2]で表される化合物を用いた以外は、同様にして液晶組成物を調整した。結果を表19に示した。
【化33】
Figure 0004535531
【0106】
【表19】
Figure 0004535531
【0107】
【実施例10】
以下に示す化合物[A−4]と[A−5]を、[A−4]/[A−5]のモル比が70/30になるように配合して組成物[B]を調整した。
【化34】
Figure 0004535531
【化35】
Figure 0004535531
得られた組成物[B]に対して、下記化合物[B−3]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表20に示した。
Figure 0004535531
【0108】
【表20】
Figure 0004535531
【0109】
【実施例11】
以下に示す化合物[A−6]と[A−7]を、[A−6]/[A−7]のモル比が70/30になるように配合して組成物[C]を調整した。
【化36】
Figure 0004535531
【化37】
Figure 0004535531
得られた組成物[C]に対して、下記化合物[B−4]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表21に示した。
【化38】
Figure 0004535531
【0110】
【表21】
Figure 0004535531
【0111】
【実施例12】
以下に示す化合物[A−8]と[A−9]を、[A−8]/[A−9]のモル比が70/30になるように配合して組成物[D]を調整した。
【化39】
Figure 0004535531
【化40】
Figure 0004535531
得られた組成物[D]に対して、下記化合物[B−5]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表22に示した。
【化41】
Figure 0004535531
【0112】
【表22】
Figure 0004535531
【0113】
【実施例13】
以下に示す化合物[A−8]と[A−10]を、[A−8]/[A−10]のモル比が80/20になるように配合して組成物[E]を調整した。
【化42】
Figure 0004535531
【化43】
Figure 0004535531
得られた組成物[E]に対して、下記化合物[B−1]を30モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表23に示した。
【化44】
Figure 0004535531
【0114】
【表23】
Figure 0004535531
【0115】
【実施例14】
以下に示す化合物[A−11]と[A−12]と[A−13]を、[A−11]/[A−12]/[A−13]のモル比が60/15/25になるように配合して組成物[F]を調整した。
【化45】
Figure 0004535531
【化46】
Figure 0004535531
【化47】
Figure 0004535531
得られた組成物[F]に対して、下記化合物[B−4]を20モル%の割合で混合して液晶組成物を調整した。結果を表24に示した。
【化48】
Figure 0004535531
【0116】
【表24】
Figure 0004535531
【0117】
【実施例15】
以下に示す化合物[A−14]と[A−15]、および市販品の強誘電性液晶ZLI−3489(メルク社製)を、[A−14]/[A−15]/ZLI−3489の重量比が85/10/5になるように配合して組成物[G]を調整した。
【化49】
Figure 0004535531
【化50】
Figure 0004535531
得られた組成物[G]に対して、下記化合物[B−5]を10重量%の割合で混合して液晶組成物を調製した。結果を表25に示した。
【化51】
Figure 0004535531
【0118】
【比較例3】
上記実施例15で調製した組成物[G]を用いた。結果を表25に示した。
【0119】
【表25】
Figure 0004535531
メモリー性は、電圧(10V)オン5m秒後の透過光量に対する、電圧オフ1秒後の透過光量の相対比である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図2】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図3】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−3−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図4】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)ケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図5】4−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)ケイ皮酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−ト
【図6】4’−(6−デシルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンメチレンオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−3−メトキシプロピルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図7】4’−(6−デカノイル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸 (R)−1−トリフルオロメチル−4−エトキシブチルエステルの1H−NMRスペクトルのチャ−トである。
【図8】本発明において、液晶セル中の液晶組成物のしきい値電圧を測定する方法を説明する図である。
【図9】本発明において、液晶セル中の液晶組成物の応答時間を測定する方法を説明する図である。

Claims (8)

  1. 次式[I]で表わされるテトラリン化合物;
    Figure 0004535531
    [上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
    1は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
    Aは、それぞれ独立に、
    Figure 0004535531
    よりなる群から選ばれる基を表し、
    1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表わし、
    Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表し、
    1 *は次式[II]で表わされる光学活性基であることを表わす(ただし、mは2〜5の整数であり、nは1〜3の整数である。)
    −C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II])]
  2. 上記式[I]において、R1*
    -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)3OC2H5
    -C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)2OC2H5
    から選ばれる基を表すことを特徴とする請求項1に記載のテトラリン化合物。
  3. 次式[I]で表わされる化合物からなる液晶材料;
    Figure 0004535531
    [上記式[I]において、R1は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
    1は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
    Aは、それぞれ独立に、
    Figure 0004535531
    よりなる群から選ばれる基を表し、
    1およびZ2は、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表わし、
    Yは、-COO-基、-CH2O-基、-OCH2-基および-CH2CH2-基よりなる群から選ばれる基を表し
    1*は次式[II]で表わされる光学活性基であることを表わす(ただし、mは2〜5の整数であり、nは1〜3の整数である。)
    −C*H(CF3)−(CH2)m−O−CnH2n+1 …[II])]
  4. 上記式[I]において、R1*
    -C*H(CF3)-(CH2)5OC2H5、-C*H(CF3)-(CH2)4OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)3OC2H5
    -C*H(CF3)-(CH2)2OCH3、-C*H(CF3)-(CH2)2OC2H5
    から選ばれる基を表すことを特徴とする請求項3に記載の液晶材料。
  5. 上記請求項1または2に記載の式[I]で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加剤とを含有してなる液晶組成物。
  6. 上記請求項1または2に記載の式[I]で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加剤とを含有してなる強誘電性液晶組成物。
  7. 上記請求項1または2に記載の式[I]で表される化合物と他の液晶化合物および/または添加剤とを含有してなる反強誘電性液晶組成物。
  8. 上記請求項1または2に記載の式[I]で表される化合物と次式[III]で表される化合物を含有することを特徴とする反強誘電性液晶組成物。
    Figure 0004535531
    [上記式[III]において、R2は、炭素数3〜20のアルキル基またはポリフルオロアルキル基を表し(ただし、これらの基中に存在する1個、または隣接していない2個以上の-CH2-基、または-CF2-基は、-O-基で置き換えられていてもよい)、
    2は、
    Figure 0004535531
    よりなる群から選ばれる基を表し、
    3,Z4およびZ5は、水素原子またはフッ素原子を表し、
    2は、-COO-基、-O-基または単結合を表し、
    3は、-COO-基または-CH2O-基合を表し、
    2*は、次式「IV」で表される光学活性基であることを表わす。ただし、VはCH 3 またはCF 3 を表し、rは0〜8であり、qは0〜10であり、pは0または1であって、がCF3である場合には、p=1かつr≠0、またはp=0かつr=0であり、VがCH3である場合にはp=0かつr=0である)
    −C*HV−(CH2)r−(O)p−CqH2q+1 [IV]]
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