JP2945769B2 - 液晶組成物およびその用途 - Google Patents

液晶組成物およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規な液晶組成物および
その用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】現在、広汎に使用されている液晶
化合物を用いた表示デバイスは、通常はTN(ツイスト
ネマチック)モードによって駆動されている。
【0003】しかしながら、この方式を採用した場合、
表示されている画像を変えるためには、素子中における
液晶化合物の分子の位置を変える必要があるために、駆
動時間が長くなり、液晶化合物の分子位置を変えるため
に必要とする電圧、すなわち消費電力も大きくなるとい
う問題点がある。
【0004】強誘電性液晶化合物を用いたスイッチング
素子は、TNモードあるいはSTNモードを利用したス
イッチング素子とは異なり、液晶化合物の分子の配向方
向を変えるだけでスイッチング素子として機能させるこ
とができるため、スイッチング時間が非常に短縮され
る。さらに、強誘電性液晶化合物のもつ自発分極(P
s)と電界強度(E)とにより与えられるPs×Eの値
が液晶化合物の分子の配向方向を変えるための実効エネ
ルギー強度であるので、消費電力も非常に少なくなる。
そして、このような強誘電性液晶化合物は、印加電界の
方向によって二つの安定状態、すなわち双安定性を持つ
ので、スイッチングのしきい値特性も非常に良好であ
り、動画用の表示デバイスなどとして用いるのに特に適
している。
【0005】
【従来技術における問題点】このような強誘電性液晶化
合物または反強誘電性液晶化合物を光スイッチング素子
などに使用する場合、強誘電性液晶化合物または反強誘
電性液晶化合物には、例えば動作温度範囲が常温付近あ
るいはそれ以下にあること、動作温度幅が広いこと、ス
イッチング速度が大きい(速い)ことおよびスイッチン
グしきい値電圧が適正な範囲内にあることなど多くの特
性が要求される。殊にこれらのうちでも、動作温度範囲
は強誘電性液晶化合物または反強誘電性液晶化合物を実
用化する際に特に重要な特性である。
【0006】しかしながら、これまで知られている強誘
電性液晶化合物においては、例えば、R.B.Meyer,et.a
l.,の論文[ジャーナル・デ・フイジーク(J.de Phy
s.)36巻L−69頁、1975年]、田口雅明、原田
隆正の論文[第11回液晶討論会予稿集168頁、19
85年]に記載されているように、一般に動作温度が狭
く、また動作温度範囲が広い強誘電性液晶化合物であっ
ても動作温度範囲が室温を含まない高温度域であるな
ど、強誘電性液晶化合物として実用上満足できるものは
得られていない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、新規な液晶組成物およびその
用途を提供することを目的としている。
【0008】さらに、詳しくは特に動作温度範囲が広
く、スイッチング速度が大きく、スイッチングしきい値
電圧が適正な範囲にあり、極めて少ない消費電力で作動
する等の優れた特性を有する表示ディバイス等を形成し
得る液晶組成物を提供することを目的としている。
【0009】また、本発明は、このような新規な液晶組
成物の用途をも提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る液晶組成物は、次式[A]
で表わされる少なくとも一種類のカルボン酸エステル化
合物を含有することを特徴としている。
【0011】
【化7】
【0012】 ただし、式[A]において、Rは、炭素数3〜20のア
ルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基および炭素数
3〜20のハロゲン化アルキル基よりなる群から選ばれ
る1種の基であり、XおよびYは、それぞれ独立に、-C
OO-、-OCO-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、ーSーSー、ーCOーCH2
ー、およびーCH2ーCOーよりなる群から選ばれる基または単
結合を表わし、AおよびBは、それぞれ独立に、
【0013】
【化8】
【0014】よりなる群から選ばれる基を表し、R
*は、不斉炭素を少なくとも1個有する炭素数4〜20
の光学活性基(該光学活性基の炭素原子に結合した水素
原子がハロゲン原子で置換されていてもよい)を表わ
し、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表
わす(ただし、mおよびnの両者が同時に0になること
はない)。
【0015】また、本発明に係る液晶素子、液晶表示装
置および電気光学表示装置は、上記の液晶組成物を用い
ることを特徴としている。本発明の液晶組成物は、光学
活性を有していて強誘電性化合物あるいは反強誘電性液
晶化合物として好適に使用することのできる、上記式
[A]で表わされるカルボン酸エステル化合物を含有す
るため、非常に優れた特性を有している。
【0016】そして、このような液晶組成物を用いるこ
とにより、動作温度範囲が室温付近あるいはそれ以下に
あり、かつ動作温度幅が広く、スイッチング速度が大き
く、消費電力がきわめて少なく、しかも安定したコント
ラストが得られるなどの優れた特性を有する各種デバイ
スを得ることができる。
【0017】
【発明の具体的説明】次に本発明に係る液晶組成物およ
びその用途について具体的に説明する。まず本発明に係
る液晶組成物について説明する。
【0018】本発明に係る液晶組成物は、次式[A]で
表わされる少なくとも一種類のカルボン酸エステル化合
物を含有する。
【0019】
【化9】
【0020】 ただし、式[A]において、Rは、炭素数3〜20のア
ルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基および炭素数
3〜20のハロゲン化アルキル基よりなる群から選ばれ
る1種の基を表わす。
【0021】上記式[A]において、Rが炭素数3〜2
0のアルキル基である場合には、このようなアルキル基
としては、直鎖状、分枝状および脂環状のいずれの形態
であってもよいが、Rが直鎖状のアルキル基であるカル
ボン酸エステルの分子は、分子がまっ直ぐに伸びた剛直
構造をとるため、優れた液晶性を示す。このような直鎖
状のアルキル基の具体的な例としては、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシ
ル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基お
よびオクタデシル基などを挙げることができる。
【0022】また、Rが炭素数3〜20のハロゲン化ア
ルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基の例として
は、上記のようなアルキル基の水素原子の少なくとも一
部が、F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン原子で置
換された基を挙げることができる。
【0023】また、Rが炭素数3〜20のアルコキシ基
である場合には、このようなアルコキシ基の例として
は、上記のようなアルキル基を有するアルコキシ基を挙
げることができる。このようなアルコキシ基の具体的な
例としては、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクチルオ
キシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシル
オキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、
ヘプタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基およびオ
クタデシルオキシ基を挙げることができる。
【0024】上記のようなRを有する化合物のうちアル
コキシ基を有する化合物が特に優れた液晶性を示す。ま
た、上記式[A]において、XおよびYは、それぞれ独
立に、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、ーSーS
ー、ーCOーCH2ー、およびーCH2ーCOーよりなる群から選ばれる基
または単結合を表わす。これらの内、分子の直線性を考
慮すると、X及びYの内、少なくともいずれか一方、好
ましくは両者が、-COO-であることが好ましい。
【0025】また、上記式[A]において、AおよびB
は、それぞれ独立に、
【0026】
【化10】
【0027】よりなる群から選ぶことができるが、液晶
物質としての特性を考慮すると、pーフェニレン基であ
ることが好ましい。また、上記式[A]において、R*
は、不斉炭素を少なくとも1個有する炭素数4〜20の
光学活性基を表す。なお、この光学活性基を構成する炭
素原子に結合している水素原子は、例えば、F、Cl、
BrおよびIなどのハロゲン原子、特に好ましくはフッ
素原子で置換されていてもよい。このような光学活性基
*の具体的な例としては、
【0028】
【化11】
【0029】を挙げることができる。これらの基のう
ち、液晶物質としての特性を考慮すると、以下に示す基
が好ましい。
【0030】
【化12】
【0031】さらにこれらの内でも以下に示す基が特に
好ましい。
【0032】
【化13】
【0033】また、上記式[A]において、mおよびn
は、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。ただし、上
記式[A]において、mおよびnの両者が同時に0にな
ることはない。
【0034】特に、本発明では、mが1または2である
とともにnが0であることが好ましい。さらに、上記式
[A]において、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基とし
ては、 1,2,3,4-テトラヒドロ-1,5-ナフチル基 1,2,3,4-テトラヒドロ-1,6-ナフチル基 1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチル基 および 1,2,3,4-テトラヒドロ-1,7-ナフチル基を挙げることが
できる。
【0035】特に本発明では、分子全体が直線状になる
ことが好ましく、このため1,2,3,4-テトラヒドロナフチ
ル基としては、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチル基
が特に好ましい。
【0036】従って、上記式[A]で表されるカルボン
酸エステル化合物としては、具体的には、下記式
[A']で表わされ、
【0037】
【化14】
【0038】 R,X,Y,m,n,A,BおよびR*が、例えば、下
記表1から表6に示すように、化合物番号[1]〜[1
12]で表わされる化合物を挙げることができる。
【0039】なお、下記表中、R,X,Y,m,n,
A,B,R*は前記と同じ意味であり、p,q,rはそ
れぞれR:Cpqr−基における炭素原子数、水素原
子数、酸素原子数を表わす。
【0040】また、記号A中、
【0041】
【化15】
【0042】をそれぞれ表わす。また、記号R*中、 イ:−C*H(CF3)−(CH25−CH3 ロ:−CH2−C*H(CH3)−C25、 ハ:−C*H(CF3)−CH2−COO−C25、 ニ:−C36−C*H(CH3)−C25をそれぞれ表わ
す。以下、本明細書中では同様である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】上記のようなカルボン酸エステル化合物
は、公知の合成技術を組み合わせて利用することにより
製造することができる。例えば、上記のカルボン酸エス
テル化合物は、以下に示す合成経路に従って合成するこ
とができる。
【0050】
【化16】
【0051】すなわち、例えば、6-n-アルコキシナフタ
レン-2-カルボン酸と1,2-エトキシエタンとの混合物を
金属ナトリウムの存在下にイソアミルアルコールを滴下
しながら還流することにより、1,2,3,4-テトラヒドロ-6
-n-アルコキシナフタレン-2-カルボン酸を得る。
【0052】こうして得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6
-n-アルコキシナフタレン-2-カルボン酸と、4-ヒドロキ
シ安息香酸ベンジルエステルとを、4-N,N-ジメチルアミ
ノピリジンおよび塩化メチレンを溶媒として用い、N,N'
-ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液を滴下しながら
反応させることにより、4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ
-6'-n-アルコキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸ベン
ジルエステルを得る。
【0053】上記のようにして得られた4-(1',2',3',
4'-テトラヒドロ-6'-n-アルコキシ-2'-ナフトイルオキ
シ)安息香酸ベンジルエステルを、テトラヒドロフラン
等の溶媒に投入し、パラジウム/炭素等の還元触媒の存
在下に水素ガスを用いて還元することにより、4-(1',
2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n-アルコキシ-2'-ナフトイ
ルオキシ)安息香酸を得る。
【0054】次いで、4-N,N-ジメチルアミノピリジンお
よび塩化メチレンを溶媒として用い、N,N'-ジシクロヘ
キシルカルボジイミド溶液を滴下しながら、ヒドロキシ
安息香酸と不斉炭素を有するアルコールとから得られる
エステル化合物と、上記工程で得られた4-(1',2',3',
4'-テトラヒドロ-6'-n-アルコキシ-2'-ナフトイルオキ
シ)安息香酸とを反応させることにより、本発明で用い
られるカルボン酸エステル化合物を得ることができる。
【0055】なお、上記方法は、本発明におけるカルボ
ン酸エステル化合物の製造方法の一例であり、本発明に
おけるカルボン酸エステル化合物は、この製造方法によ
って限定されるものではない。
【0056】例えば上記のような方法により製造される
カルボン酸エステル化合物の内、下記表7で示すよう
に、化合物番号[1]、[3]、[4]、[5]、
[6]、[7]、[8]、[13]、[52]、[7
6]、[84]、[92]、[100]および[10
8]で表わされる化合物が特に優れた液晶特性を示す。
但し、各符号等は前記[A']と同じ意味である。
【0057】
【表7】
【0058】液晶化合物として特に優れている、化合物
番号[1]、[3]、[4]、[5]、[6]、
[7]、[8]、[13]、[52]、[76]、[8
4]、[92]、[100]および[108]でそれぞ
れ表される化合物の相転移温度を表8に示す。なお、以
下に示す表において、Cryは、結晶相、SmCA *は、反
強誘電相、SmAは、スメクチックA相、Isoは、等方
性液体を表す。
【0059】
【表8】 表8 ───────────────────────────── 相 転 移 温 度 化合物 Cry-SmCA * or SmA SmCA *-SmA SmA-Iso orISO ───────────────────────────── [1] 30℃ 72℃ [3] 41℃ 77℃ [4] 43℃ 80℃ 92℃ [5] 44℃ 78℃ 94℃ [6] 50℃ 82℃ 95℃ [7] 45℃ 84℃ 95℃ [8] 38℃ 47℃ 105℃ [13] −14℃ [52] 30℃ 48℃ 66℃ [76] 42℃ 125℃ [84] 60℃ 159℃ [92] 54℃ [100] 36℃ [108] 51℃ 151℃ ───────────────────────────── 本発明における液晶化合物中には、表8に例示したよう
に、広い温度範囲でスメクチック相を呈する化合物が多
い。
【0060】従来、液晶化合物を単独で使用した場合
に、上記の化合物のように約100℃の範囲でスメクチ
ック相を呈する液晶化合物はほとんど知られていない。
そして、このようなカルボン酸エステル化合物を含有す
る本発明の液晶組成物は、スメクチック相を示す温度が
広いだけでなく、たとえば、このような液晶組成物を用
いて製造された光スイッチング素子は、高速応答性にも
優れている。
【0061】本発明の液晶組成物は、上記のようなカル
ボン酸エステル化合物[A]を少なくとも一種類含有し
ている。本発明の液晶組成物においては、上記のカルボ
ン酸エステル化合物[A]を、例えば、カイラルスメク
チック液晶組成物の主剤あるいは他のスメクチック相を
呈する化合物を主剤とする液晶組成物の助剤として使用
することができる。
【0062】また、本発明で用いられるカルボン酸エス
テル化合物のように、強誘電性を示す液晶化合物は、電
圧を印加することにより、光スイッチング現象を起こす
ので、この現象を利用することにより、応答性の良い表
示装置を作製することができる(例えば特開昭56−1
07216号公報、同59−118744号公報参
照)。
【0063】そして、このような表示装置に使用される
強誘電性液晶化合物は、カイラルスメクチックC相、カ
イラルスメクチックF相、カイラルスメクチックG相、
カイラルスメクチックH相、カイラルスメクチックI
相、カイラルスメクチックJ相およびカイラルスメクチ
ックK相のいずれかの相を示す化合物であるが、カイラ
ルスメクチックC相(SmC*相)以外では、このような
液晶化合物を用いた表示素子は一般に応答速度が遅いた
め、従来では応答速度の大きいカイラルスメクチックC
相で駆動させることが実用上有利であるとされていた。
【0064】しかしながら、本発明者らが既に提案した
ようなカイラルスメチックA相における表示装置の駆動
法(特願昭62−157808号明細書参照)を利用す
ることにより、強誘電性液晶組成物は、カイラルスメク
チックC相だけでなく、カイラルスメクチックA相で使
用することができる。従って、上記のようなカルボン酸
エステル化合物を含有している本発明の液晶組成物を用
いることにより、液晶素子の液晶温度が広くなり、さら
に電気光学応答性が高速化する。
【0065】表9に上記のようなカルボン酸エステル化
合物を用いることにより、液晶組成物の相転移温度が室
温付近へ低温化する例を示す。表9に示すように、カル
ボン酸エステル化合物として、4-[4’-(1”, 2”,
3”,4”-テトラヒドロ-6”-デシルオキシ-2”-ナフトイ
ルオキシ)-ベンゾイルオキシ]-安息香酸R-1”’-ト
リフロロメチルヘプチルエステル[5]を使用し、この
化合物を用いることにより(B)または(C)として表
記した液晶物質
【0066】
【化17】
【0067】の相転移温度が室温付近へ低温化する。具
体的には、液晶の温度幅は110℃(73℃から183
℃まで)から111℃(32℃から143℃まで)と若
干広げながら、Cry−SmCA *相の転移温度は73℃か
ら32℃へと下降する。
【0068】
【表9】 表9 ────────────────────────────────── 相 転 移 温 度 化合物または組成物 Cry-SmCA * SmCA *-SmA SmA-Iso or SmCA * ────────────────────────────────── [5] 44℃ 78℃ 94℃ [5]50%+(B)50% <−30℃ 50℃ 72℃ (B) 26℃ 53℃ [5]50%+(C)50% 32℃ 99℃ 143℃ (C) 73℃ 125℃ 183℃ ────────────────────────────────── <註>上記表中、[5]は、
【0069】
【化18】
【0070】を表わしている。また(B)は、
【0071】
【化19】
【0072】を表わしている。また(C)は、
【0073】
【化20】
【0074】を表わしている。本発明の液晶組成物にお
いて、上述のようにカルボン酸エステル化合物は、主剤
として使用することもでき、また助剤として使用するこ
ともできる。
【0075】すなわち、本発明の液晶組成物において、
上記式[A]で表わされる液晶化合物の含有率は、用い
られる液晶化合物の特性、組成物の粘度、動作温度、用
途などを考慮して液晶組成物中における液晶物質の合計
重量に対し、このカルボン酸エステル化合物を1〜99
重量部、好ましくは5〜75重量部の範囲で適宜設定す
ることができる。
【0076】また、本発明で使用される液晶化合物は、
液晶組成物中に1種または2種以上配合されていてもよ
い。本発明の液晶組成物において、上記式[A]で表さ
れる液晶化合物とともに使用することができる液晶化合
物の例としては、(+)-4'-(2"-メチルブチルオキシ)フ
ェニル-6-オクチルオキシナフタレン-2-カルボン酸エス
テル、4'-デシルオキシフェニル-6-((+)-2"-メチルブ
チルオキシ)ナフタレン-2-カルボン酸エステル、
【0077】
【化21】
【0078】を挙げることができ、
【0079】
【化22】
【0080】のようなシッフ塩基系液晶化合物、
【0081】
【化23】
【0082】のようなアゾキシ系液晶化合物、
【0083】
【化24】
【0084】のような安息香酸エステル系液晶化合物、
【0085】
【化25】
【0086】のようなシクロヘキシルカルボン酸エステ
ル系液晶化合物、
【0087】
【化26】
【0088】のようなビフェニル系液晶化合物、
【0089】
【化27】
【0090】のようなターフェニル系液晶化合物、
【0091】
【化28】
【0092】のようなシクロヘキシル系液晶化合物、お
よび
【0093】
【化29】
【0094】のようなピリミジン系液晶化合物をも併用
することができる。なお、本発明に係る液晶組成物を用
いて、例えば表示素子などを形成する際には、上記のカ
ルボン酸エステル化合物および他の液晶化合物に加え
て、さらに、たとえば、電導性賦与剤および寿命向上剤
など、通常の液晶組成物に配合することができる添加剤
を配合してもよい。また本発明に係る液晶組成物を、色
素の二色性を利用した駆動方式の液晶素子を形成する際
に使用する場合には、この組成物に二色性色素を配合す
ることもできる。
【0095】本発明に係る液晶組成物は、上記のカルボ
ン酸エステル化合物ならびに所望により他の液晶化合物
および添加剤を混合することにより製造することができ
る。本発明に係る液晶素子は、図1に示すように、基本
的には、対抗する2枚の基板1a、1bを含んで形成さ
れるセル2の間隙3に液晶物質4が充填されてなる。
【0096】換言すれば、本発明に係る液晶素子は、基
本的には、通常、ガラス、ポリカーボネート等の透明プ
ラスチック、4-メチル-1-ペンテンポリマーあるいはコ
ポリマー、エチレンとテトラシクロ[4,4,0,
2.5,17.10]3ードデセンとの共重合物のようなアモ
ルファスポリオレフィン等を用いた2枚の透明基板1a,
1bからなるセル2と、透明基板1a,1bによって構成さ
れる間隙3に充填された液晶物質4からなる。
【0097】そして、この透明基板の内面、すなわち、
これらの基板1a、1bが液晶物質と対面する面には、
通常は、例えばIn-Sn酸化物からなる電極5a,5bが設け
られている。
【0098】さらに、この電極5a,5bの少なくともい
ずれか一方の上には、充填された液晶物質を配向させる
ための配向制御膜が設けられていることが好ましい。図
1においては、それぞれの電極上に配向制御膜が設けら
れた態様が示されており、この配向制御膜には、6a,6
bが付されている。この場合に配向制御膜としては、ポ
リイミド膜等のような高分子膜、あるいは斜法蒸着され
たSiO膜、GeO膜などのような蒸着膜であることが
好ましい。このような配向制御膜を設けることにより、
間隙3に充填された液晶物質の分子配向を容易に行なう
こともできる。
【0099】そして、本発明に係る液晶素子においては、上
記のようなセルの間隙3に充填される液晶物質が、上記
のような式[A]で表わされるカルボン酸エステル化合
物を少なくとも一種類含む液晶組成物であることを特徴
としている。
【0100】本発明に係る液晶素子は、例えば表面安定
化強誘電性液晶素子、ヘリカル変歪型素子、過渡散乱型
素子、ゲストホスト型素子、垂直配向液晶素子などとし
て好適に使用することができる。そして、この液晶素子
を用いて各種の液晶表示装置、および電気光学表示装置
を製造することができる。
【0101】また、本発明に係る液晶素子のうち、スメ
クチック相を呈する液晶組成物が充填された液晶素子
は、熱書き込み型表示素子、レーザー書き込み型液晶表
示装置などの記憶型液晶表示装置として使用することが
でき、このような液晶素子を用いて液晶表示装置あるい
は電気光学表示装置を製造することができる。
【0102】さらに強誘電性を有するカルボン酸エステ
ル化合物を含有する液晶組成物を用いることにより、上
記のような用途の他、光シャッターや液晶プリンターな
どの光スイッチング素子、圧電素子および焦電素子等の
液晶素子として使用することができ、このような液晶素
子を用いて液晶表示装置あるいは電気光学表示装置を製
造することができる。
【0103】本発明の液晶素子は、例えば以下に示す方
法で駆動させることができる。第1の方法は、本発明の
液晶組成物をセル中で基板の規制力を利用して基板に平
行に配向させたセルを2枚の偏光板の間に介在させ、こ
のセルに外部電圧を印加し、強誘電性液晶組成物あるい
は反強誘電性液晶組成物の配向ベクトルを変えることに
より、2枚の偏光板と強誘電性液晶組成物あるいは反強
誘電性液晶組成物の複屈折とを利用して表示を行なう方
法である。
【0104】このようなセル内で、液晶組成物にカイラ
ルスメクチック相を形成させ、2つの安定状態間を電界
反転させることにより、この薄膜セルを用いて光スイッ
チングを行なうことができる。
【0105】本発明の液晶組成物のうちで、このような
カイラルスメクチック相を示す強誘電性液晶組成物は自
発分極を有するから、一度電圧を印加すると電界消去後
もメモリー効果を有する。そこで、このメモリー効果を
利用すれば薄膜セルに電圧を印加し続ける必要がないの
で、このような薄膜セルからなる表示ディバイスでは消
費電力の低減を図ることができる。さらに、この場合、
表示ディバイスのコントラストは安定し、しかも非常に
鮮明になる。
【0106】また、このカイラルスメチック液晶組成物
を用いたスイッチング素子では、分子の配向方向を変え
るだけでスイッチングが可能であり、電界強度の一次項
が駆動に作用するため、低電圧駆動が可能になる。
【0107】また、このスイッチング素子を用いれば、
数十マイクロ秒以下の高速応答性を実現できるので、各
素子の走査時間は大幅に短縮され、走査線の多い大画面
のディスプレイを製造することができる。しかも、この
ディスプレイは、室温あるいはそれ以下の温度において
も作動するので、温度コントロールのための補助手段を
用いることなく、容易に走査させることができる。
【0108】また、本発明の液晶組成物は、双安定性を
有しないスメチックA相においても、電界が加わると、
誘起的に分子が傾くので、この性質を利用して光スイッ
チングを行なうことができる。
【0109】さらに、本発明の液晶組成物では2つ以上
の安定状態を示すので、スメクチックA相の場合と同様
にして光スイッチングを行なうことができる。また、本
発明の液晶組成物を用いた第2の表示方法は、本発明の
液晶組成物と二色性色素とを混合し、色素の二色性を利
用する方法であり、この方法は、強誘電性液晶化合物あ
るいは反強誘電性液晶化合物の配向方向を変えることに
より色素による光の吸収波長を変えて表示を行う方法で
ある。この場合に使用する色素は通常二色性色素であ
り、このような二色性色素の例としては、アゾ色素、ナ
フトキノン色素、シアニン系色素およびアントラキノン
系色素などを挙げることができる。
【0110】なお、本発明に係る液晶組成物は、上記の
方法の他に、通常利用されている各種表示方法で採用す
ることもできる。また、本発明に係る液晶組成物を用い
て製造された表示ディバイスは、スタティック駆動、マ
トリックス駆動および複合マトリックス駆動などの電気
アドレス表示、光アドレス表示、熱アドレス表示ならび
に電子ビームアドレス表示等の駆動方式により駆動させ
ることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る液晶組成物には、1,2,3,4-
テトラヒドロナフチレン環を有するカルボン酸エステル
化合物が含まれているので、この組成物は室温付近ない
しそれ以下、たとえば氷点下の広い温度においてもスメ
クチック相を示し、強誘電性液晶組成物あるいは反強誘
電性液晶組成物として用いられる。
【0112】このような本発明に係る液晶組成物は、強
誘電性あるいは反強誘電性を損なうことなく、液晶相の
温度を下げ、また温度範囲を広域化させることができ
る。従って、このような液晶組成物を用いることによ
り、室温付近ないし氷点下の温度においても高速応答性
を備えているような液晶素子等を得ることができる。
【0113】さらに、このような素子を用いて製造した
液晶ディスプレイ等の表示素子においては、走査時間を
大幅に短縮することができる。このようなディスプレイ
では、消費電力の低減を図ることができると共に、安定
したコントラストが得られる。また、低電圧駆動も可能
である。
【0114】また、上記のようなカルボン酸エステル化
合物を反強誘電性液晶組成物を製造する際に使用するこ
とにより、メモリー性に優れた素子等を容易に実現する
ことが可能となり、また従来の液晶組成物に比べてその
配向性を著しく向上させることもできる。
【0115】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
【0116】
【実施例1】 4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキシ
-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸R-
1"'-トリフロロメチルヘプチルエステルの合成第1段階 6-n-デシルオキシ-ナフタレン-2-カルボン酸3.86g
(11.8ミリモル)および1,2-ジエトキシエタン130ml
の混合物に、窒素雰囲気下、120℃で攪拌下に金属ナ
トリウム3.0g(130ミリモル)を加え、さらに還流
温度にまで加熱した。
【0117】この混合物にイソ-アミルアルコール10
g(114ミリモル)を1時間かけて滴下し、さらに11
時間還流下に反応させた。室温に冷却後、残存する金属
ナトリウムをエタノールを加えて分解した後、反応混合
物を20%塩酸を用いて、酸性にした。
【0118】この反応混合物に水100mlを加えた後、
有機層を分離し、さらにこの有機層を水洗した。有機層
を減圧下に濃縮すると固体4.25gを得た。この固体
をトルエンを用いて再結晶することにより、1,2,3,4-テ
トラヒドロ-6-n-デシルオキシナフタレン-2-カルボン
酸、2.95g(8.89ミリモル)を得た。
【0119】第2段階 第1段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-n-デシル
オキシナフタレン-2-カルボン酸1.66g(5ミリモ
ル)、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル1.14
g(5ミリモル)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン0.
12g(1ミリモル)および塩化メチレン20mlの混合
物に、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド1.03
g(5ミリモル)を含む塩化メチレン溶液10mlを室温
で、攪拌下に1時間かけて滴下した。
【0120】さらに室温下で10時間反応させた。反応
混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカ
ラムクロマトグラフィーを用いて分離することにより、
白色固体である4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n-デ
シルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸ベンジルエ
ステル2.32g(4.28ミリモル)を得た。
【0121】第3段階 第2段階で得られた4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n
-デシルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸ベンジ
ルエステル2.17g(4ミリモル)、5%パラジウム
/炭素1gおよびテトラヒドロフラン30mlの混合物中
に室温、常圧攪拌下に水素を8時間吹きこんだ。反応混
合物を濾過助剤であるセライトを用いて濾過し、さらに
得られた濾液を濃縮し、白色固体である4-(1',2',3',4'
-テトラヒドロ-6'-n-デシルオキシ-2'-ナフトイルオキ
シ)安息香酸1.59g(3.52ミリモル)を得た。
【0122】第4段階 第3段階で得られた4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n
-デシルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸0.4
5g(1ミリモル)、4-ヒドロキシ安息香酸R-1'-トリフ
ロロメチルヘプチルエステル0.30g(1ミリモ
ル)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン0.012g(0.
1ミリモル)および塩化メチレン10mlの混合物に、N,
N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド0.21g(1ミリ
モル)を含む塩化メチレン溶液2mlを室温、攪拌下に1
時間かけて滴下した。さらに室温下で8時間反応させ
た。反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃
縮物をカラムクロマトグラフィーを用いて分離すること
により、無色の半固体0.52gを得た。
【0123】この半固体のFD−マススペクトルの値は
M/e=738であった。図2に、この化合物の1H−
NMRスペクトルのチャートを示す。これらの分析の結
果より、この化合物は目的とする4-[4'-(1'',2'',3'',
4''-テトラヒドロ-6''-n-デシルオキシ-2''-ナフトイル
オキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸R-1'''-トリフル
オロメチルヘプチルエステル[例示化合物(5)]であ
ると同定した。
【0124】この化合物の液晶温度範囲を調べたとこ
ろ、44℃から78℃までSmCA *相(反強誘電相)、
78℃から94℃までSmA相であった。各転移温度
は、DSC測定および偏光顕微鏡による組織観察によ
り、決定した。さらに強誘電性、反強誘電性の判別は、
組織観察、透過光のヒステリシス形状、選択反射による
方法を併用した。
【0125】組織観察による方法は、以下のとおり。偏
光顕微鏡下、液晶素子を暗視野となるように配置する。
液晶素子に+30V/μm、−30V/μmを印加したと
きに、それぞれ明状態になれば、反強誘電性である。
【0126】透過光ヒステリシス形状による判別法は、
以下のとおり。偏光顕微鏡下、液晶素子を暗視野となる
ように配置する。液晶素子に+30V/μmと−30V
/μmの間を0.1Hzまたは0.01Hzで三角波を
印加し、そのときの液晶素子を透過した光量をモニター
する。ダブルヒステリシス形になれば反強誘電性であ
る。
【0127】選択反射による方法は以下のとおりであ
る。シランカップリング剤処理により、ホメオトロピッ
クな液晶素子を作成する。これに30゜の斜め入射を行
い、透過スペクトルを測定する。単一の谷であれば、反
強誘電性である。
【0128】以下の実施例においても、同様な方法で確
認した。
【0129】
【実施例2】 4-(1',2',3',4-テトラヒドロ-6'-n-デシルオキシ-2'-ナ
フトイルオキシ)安息香酸R-1''-トリフロロメチルヘプ
チルエステルの合成第5段階 第1段階で得られた、1,2,3.4-テトラヒドロ-6-n-デシ
ルオキシ−ナフタレン-2-カルボン酸0.33g(1ミリ
モル)、4-ヒドロキシ安息香酸R-1'-トリフロロメチル
ヘプチルエステル0.30g(1ミリモル)、4-N,N-ジ
メチルアミノピリジン0.012g(0.1ミリモル)お
よび塩化メチレン10mlの反応混合物に、N,N'-ジシク
ロヘキシルカルボジイミド0.21g(1ミリモル)を
含む塩化メチレン溶液2mlを室温、攪拌下に1時間かけ
て滴下した。
【0130】さらに、室温下で8時間反応させた。反応
混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカ
ラムクロマトグラフィーを用いて分離することにより、
無色の粘稠液体0.58gを得た。
【0131】この化合物のFD−マススペクトルの値は
M/e=618であった。図3に、この化合物の1H−
NMRスペクトルのチャートを示す。これらの分析結果
より、この化合物は目的とする4-(1',2',3',4'-テトラ
ヒドロ-6'-n-デシルオキシ-2'-ナフトイルオキシ安息香
酸R-1''-トリフロロメチルヘプチルエステル[例示化合
物(13)]]であると同定した。
【0132】
【実施例3】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ヘプチ
ルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]
安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステルの
合成 実施例1において、第1段階で使用した6-n-デシルオキ
シーナフタレンー2ーカルボン酸の代わりに、6-n-ヘプチル
オキシ-ナフタレンー2ーカルボン酸を用いた以外は実施例
1と同様に操作して、無色の半固体0.34gを得た。
【0133】この半固体のFD−マススペクトルの値
は、M/e=696であった。図4に、この化合物の1
HーNMRスペクトルのチャートを示す。これらの分析
結果より、この化合物は、目的とする4-[4'ー(1'',2'',
3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ヘプチルオキシ-2''-ナフ
トイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸R-1'''-ト
リフロロメチルヘプチルエステル[例示化合物(8)]
であると同定した。
【0134】
【実施例4】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-オクチ
ルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]
安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステルの
合成 実施例1において、第1段階で使用した6-n-デシルオキ
シーナフタレンー2ーカルボン酸の代わりに、6-n-オクチル
オキシ-ナフタレン-2-カルボン酸を用いた以外は実施例
1と同様に操作して、無色の半固体0.48gを得た。
【0135】この半固体のFD−マススペクトルの値
は、M/e=710であった。この化合物は、目的とす
る4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-オク
チルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキ
シ]安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステ
ル[例示化合物(7)]であると同定した。
【0136】
【実施例5】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ノニル
オキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安
息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステルの合
成 実施例1において、第1段階で使用した6-n-デシルオキ
シーナフタレンー2ーカルボン酸の代わりに、6-n-ノニルオ
キシ-ナフタレン-2-カルボン酸を用いた以外は実施例1
と同様に操作して、無色の半固体0.51gを得た。
【0137】この半固体のFD−マススペクトルの値
は、M/e=724であった。この化合物は、目的とす
る4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ノニ
ルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]
安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステル
[例示化合物(6)]であると同定した。
【0138】
【実施例6】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ウンデ
シルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキ
シ]安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステ
ルの合成 実施例1において、第1段階で使用した6-n-デシルオキ
シーナフタレンー2ーカルボン酸の代わりに、6-n-ウンデシ
ルオキシ-ナフタレン-2-カルボン酸を用いた以外は実施
例1と同様に操作して、無色の半固体0.42gを得
た。
【0139】この半固体のFD−マススペクトルの値
は、M/e=752であった。この化合物は、目的とす
る4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ウン
デシルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキ
シ]安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステ
ル[例示化合物(4)]であると同定した。
【0140】
【実施例7】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ドデシ
ルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]
安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステルの
合成 実施例1において、第1段階で使用した6-n-デシルオキ
シーナフタレンー2ーカルボン酸の代わりに、6-n-ドデシル
オキシ-ナフタレン-2-カルボン酸を用いた以外は実施例
1と同様に操作して、無色の半固体0.47gを得た。
【0141】この半固体のFD−マススペクトルの値
は、M/e=766であった。この化合物は、目的とす
る4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-ドデ
シルオキシ-2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキ
シ]安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステ
ル[例示化合物(3)]であると同定した。
【0142】
【実施例8】 4-[4'ー(1'',2'',3'',4''-テトラヒドロ-6''-n-デシル-
2''-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸R-
1'''-トリフロロメチルヘプチルエステルの合成第1段階 酢酸200g中に2,6-ジメチルナフタレン40.0g
(0.26モル)、酢酸コバルト(II)4水和物3.5
8g、臭化ナトリウム1.48gを加え、系内を充分に
酸素置換した。酸素を50リットル/hrで吹き込みなが
ら油浴中で95℃に加熱し、そのまま6時間反応を続け
た。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、水2リ
ットルで洗浄し、次いで0.5N水酸化カリウム水溶液
1リットルで抽出した。さらに塩酸を加え、溶液を酸性
にすることにより得られる沈澱を濾過、乾燥することに
よりナフタレンカルボン酸類の混合物4.00gが得ら
れた。
【0143】次いで、こうして得られたナフタレンカル
ボン酸類の混合物4.00gをメタノール120gに加
えた。さらに36%塩酸1mlを加えて、油浴中還流下に
6時間加熱した。反応終了後、溶液を濃縮し、塩化メチ
レン/ヘキサン=1:1を溶離剤としてシリカゲルカラ
ム上で精製することにより、メチル-2-メチルナフタレ
ン-6-カルボン酸エステル2.32g(0.013モ
ル)を得た。
【0144】第2段階 メチル-2-メチルナフタレン-6-カルボン酸エステル2.
32g(11.6ミリモル)、N-ブロモコハク酸イミド
2.06g(11.6ミリモル)を四塩化炭素15ml中
に加えて攪拌し、ここへ別に調製した過酸化ベンゾイル
0.05gを四塩化炭素5mlに溶かした溶液を室温で添
加した後、還流下で2時間加熱した。反応終了後、溶媒
を蒸発させ、少量の塩化メチレンに溶かし、これを塩化
メチレン/ヘキサン=1/2を溶離剤として用いてシリ
カゲルカラム上で精製することにより、メチル-2-ブロ
モメチルナフタレン-6-カルボン酸エステルを得た。
【0145】第3段階 メチル-2-ブロモメチルナフタレン-6-カルボン酸エステ
ル5.63g(20.2ミリモル)、トリフェニルホス
フィン5.29g(20.2ミリモル)をトルエン25
ml中に溶かし、油浴中で還流下に8時間加熱した。反応
の終わりに室温まで冷却後、沈澱を濾過し、さらにトル
エン100mlで洗浄し、真空下で乾燥することにより、
6-メチルオキシカルボニルナフチル-2-メチルトリフェ
ニルホスフォニウムブロマイド9.21g(17.0ミ
リモル)を得た。
【0146】第4段階 6-メチルオキシカルボニルナフチル-2-メチルトリフェ
ニルフォスフォニウムブロマイド9.21g(17.0
ミリモル)および1-ノニルアルデヒド2.84g(2
0.0ミリモル)を塩化メチレン100mlに溶かし、こ
こへ別に調製した水酸化カリウム1.12g(20.0
ミリモル)を含む水溶液4mlを添加し、そのまま室温で
6時間攪拌した。反応終了後、沈澱を濾別し、濾液に水
30mlを加え、振とう後有機層を分取した。これを2回
行った後、有機層を濃縮し、塩化メチレン/ヘキサン=
1/1を溶離剤としてシリカゲルカラム上で精製するこ
とにより、メチル-6-(2-デセニル)ナフタレン-2-カル
ボン酸エステル5.53g(17ミリモル)を得た。
【0147】第5段階 メチル-6-(2-デセニル)ナフタレン-2-カルボン酸エス
テル5.53g(17.1ミリモル)をテトラヒドロフ
ラン150ml中に溶かし、この溶液中に5%パラジウム
-カーボン3.0gを添加後、攪拌しながら室温で8時
間水素ガスを吹き込んだ。反応終了後、セライトをつめ
たブフナーろうとを用いて吸引濾過することにより、触
媒を濾別後、溶液を濃縮した。酢酸エチル/ヘキサン=
1/4を溶離剤として用い、シリカゲルカラム上で精製
することにより、メチル-6-n-デシルナフタレン-2-カル
ボン酸エステル4.26g(16.0ミリモル)を得
た。
【0148】第6段階 メチル-6-n-デシルナフタレン-2-カルボン酸エステル
4.26g(13.1ミリモル)と、85%水酸化カリ
ウム水溶液2.20gをエタノール:水(1:1)60
mlに加え、10時間還流させた。反応終了後、混合物に
塩酸を加え、溶液を酸性とした。生成した結晶を濾別
し、水洗後、真空乾燥し、6-n-デシルナフタレン-2-カ
ルボン酸3.27g(10.5ミリモル)を得た。
【0149】以下、実施例1において、第1段階で使用
した6-n-デシルオキシナフタレン-2-カルボン酸のかわ
りに、6-n-デシルナフタレン-2-カルボン酸を用いた以
外は、実施例1と同様に操作して、無色の固体0.50
gを得た。
【0150】この固体のFD−マススペクトルの値はM
/e=722であった。この分析結果より、この化合物
は目的とする4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-
デシルナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエステル[例示化合
物(52)]であると同定した。
【0151】
【実施例9】 4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-1'''-メチルヘプチルエステルの合成 実施例1において、第4段階で使用した4-ヒドロキシ安
息香酸R-1'-トリフロロメチルヘプチルエステルの代わ
りに、4-ヒドロキシ安息香酸R-1'-メチルヘプチルエス
テルを用いた以外は、実施例1と同様に操作して白色の
固体0.63gを得た。
【0152】この固体のFDマススペクトルの値はM/
e=685であった。この分析結果よりこの化合物は、
4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-1'''-メチルヘプチルエステル[例示化合物(7
6)]であると同定した。
【0153】
【実施例10】 4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-2'''-メチルブチルエステルの合成 実施例1において、第4段階で使用した4-ヒドロキシ安
息香酸R-1'-トリフロロメチルヘプチルエステルの代わ
りに、4-ヒドロキシ安息香酸R-2'-メチルブチルエステ
ルを用いた以外は、実施例1と同様に操作して白色の固
体0.50gを得た。
【0154】この固体のFDマススペクトルの値はM/
e=642であった。この分析結果よりこの化合物は、
4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-2'''-メチルブチルエステル[例示化合物(84)]
であると同定した。
【0155】
【実施例11】 4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-1'''-トリフロロメチル-2'''-エチルオキシカルボニ
ルエチルエステルの合成 実施例1において、第4段階で使用した4-ヒドロキシ安
息香酸R-1'-トリフロロメチルヘプチルエステルの代わ
りに、4-ヒドロキシ安息香酸R-1'-トリフロロメチル-2'
-エチルオキシエチルエステルを用いた以外は、実施例
1と同様に操作して白色の半固体0.21gを得た。
【0156】この固体のFDマススペクトルの値はM/
e=740であった。この分析結果よりこの化合物は、
4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-1'''-トリフロロメチル-2'''-エチルオキシエチルエ
ステル[例示化合物(92)]であると同定した。
【0157】
【実施例12】 4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n-デシルオキシ-2'-
ナフトイルオキシ)安息香酸R-1"-トリフロロメチル-2"
-エチルオキシカルボニルエチルエステルの合成 実施
例2において、第5段階で使用した4-ヒドロキシ安息香
酸R-1'-トリフロロメチルヘプチルエステルの代わり
に、4-ヒドロキシ安息香酸R-1'-トリフロロメチル-2'-
エチルオキシエチルエステルを用いた以外は、実施例1
と同様に操作して淡黄色の粘凋体0.52gを得た。
【0158】この固体のFDマススペクトルの値はM/
e=620であった。この分析結果よりこの化合物は、
4-(1',2',3',4'-テトラヒドロ-6'-n-デシルオキシ-2'-
ナフトイルオキシ)安息香酸R-1"-トリフロロメチル-2"
-エチルオキシカルボニルエチルエステル[例示化合物
(100)]であると同定した。
【0159】
【実施例13】 4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-4'''-メチルヘキシルエステルの合成 実施例1において、第4段階で使用した4-ヒドロキシ安
息香酸R-1'-トリフロロメチルヘプチルエステルの代わ
りに、4-ヒドロキシ安息香酸R-4'-メチルヘキシルエス
テルを用いた以外は、実施例1と同様に操作して白色の
固体0.55gを得た。
【0160】この固体のFDマススペクトルの値はM/
e=670であった。この分析結果よりこの化合物は、
4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"-n-デシルオキ
シ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイルオキシ]安息香酸
R-4'''-メチルヘキシルエステル[例示化合物(10
8)]であると同定した。
【0161】
【実施例14】実施例1〜実施例13で得られた例示化
合物(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、
(8)、(13)、(52)、(76)、(84)、
(92)、(100)および(108)並びに例示化合
物(1)について相転移温度を測定した。
【0162】結果を表10に示す。
【0163】
【表10】 表10 ───────────────────────────── 相 転 移 温 度 化合物 Cry-SmCA * or SmA SmCA *-SmA SmA-Iso orISO ───────────────────────────── [1] 30℃ 72℃ [3] 41℃ 77℃ [4] 43℃ 80℃ 92℃ [5] 44℃ 78℃ 94℃ [6] 50℃ 82℃ 95℃ [7] 45℃ 84℃ 95℃ [8] 38℃ 47℃ 105℃ [13] −14℃ [52] 30℃ 48℃ 66℃ [76] 42℃ 125℃ [84] 60℃ 159℃ [92] 54℃ [100] 36℃ [108] 51℃ 151℃ ───────────────────────────── 但し、表10において、Cryは結晶相、SmCA *は反
強誘電相、SmAは、スメクチックA相、Isoは等方
性液体を表わす。
【0164】表10から明らかなとおり、化合物
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(13)、(52)、(76)、(84)および(10
8)並びに化合物(1)は広い範囲で、あるいは室温以
下で液晶相を示した。
【0165】次いで、上記のようにして得られた実施例
1のカルボン酸エステル化合物[5]と、次式[B]ま
たは[C]で表わされる化合物とを50:50の重量比
で混合して本発明の液晶組成物を製造した。
【0166】
【化30】
【0167】 この組成物の相転移温度を測定した。結果を表11に示
す。
【0168】さらに上記式[B]で表わされる化合物の
相転移温度も表11に併せて記載する。
【0169】
【表11】 表11 ────────────────────────────────── 相 転 移 温 度 化合物または組成物 Cry-SmCA * SmCA *-SmA SmA-Iso or SmCA * ────────────────────────────────── [5] 44℃ 78℃ 94℃ [5]50%+(B)50% <−30℃ 50℃ 72℃ (B) 26℃ 53℃ [5]50%+(C)50% 32℃ 99℃ 143℃ (C) 73℃ 125℃ 183℃ ────────────────────────────────── <註>上記表中、[5]は、
【0170】
【化31】
【0171】を表わしている。また(B)は、
【0172】
【化32】
【0173】を表わしている。また(C)は、
【0174】
【化33】
【0175】を表わしている。
【0176】
【実施例15】上記のようにして得られた、実施例1の
カルボン酸エステル化合物[5]と、上記式[B]で表
わされる化合物とを50:50の重量比で混合してなる
液晶組成物を、図1に示すセルに充填し、液晶素子を製
造した。
【0177】このようにして得られた液晶素子は、使用
温度範囲が72〜−30℃であり、しかもこの温度範囲
においてコントラストが安定していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液晶素子の断面を概略的に示
す図である。
【図2】図2は、4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-
6"-n-デシルオキシ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイル
オキシ]安息香酸R-1"'-トリフルオロメチルヘプチルエ
ステルの1H-NMRスペクトルのチャートである。
【図3】図3は、4-(1',2',3',4-テトラヒドロ-6'-n-デ
シルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸R-1''-トリ
フルオロメチルヘプチルエステルの1H-NMRスペクト
ルのチャートである。
【図4】図4は、4-[4'-(1",2",3",4"-テトラヒドロ-6"
-n-ヘプチルオキシ-2"-ナフトイルオキシ)ベンゾイル
オキシ]安息香酸R-1'''-トリフロロメチルヘプチルエス
テルの1H-NMRスペクトルのチャートである。
【符号の説明】
1a,1b …透明基板(例えばガラス、ポリカーボネート等
の透明プラスチック) 2…セル 3…間隙 4…液晶物質 5a,5b…電極(例えばIn-Sn酸化物) 6a,6b…配向制御膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 山 伸 一 千葉県君津郡袖ヶ浦町長浦字拓二号580 番32 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 土 井 信 之 千葉県君津郡袖ヶ浦町長浦字拓二号580 番32 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 山 中 徹 千葉県君津郡袖ヶ浦町長浦字拓二号580 番32 三井石油化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[A]で表わされる少なくとも一種類
    のカルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とす
    る液晶組成物; 【化1】 [ただし、式[A]において、Rは、炭素数3〜20の
    アルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基および炭素
    数3〜20のハロゲン化アルキル基よりなる群から選ば
    れる1種の基であり、 XおよびYは、それぞれ独立に、-COO-、-OCO-、-CH2CH
    2-、-CH2O-、-OCH2-、ーSーSー、ーCOーCH2ー、およびーCH2ーCOー
    よりなる群から選ばれる基または単結合を表し、 AおよびBは、それぞれ独立に、 【化2】 よりなる群から選ばれる基を表し、 R*は、不斉炭素を少なくとも1個有する炭素数4〜2
    0の光学活性基(該光学活性基の炭素原子に結合した水
    素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい)を表
    し、 mおよびnは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す
    (ただし、mおよびnの両者が同時に0になることはな
    い)]。
  2. 【請求項2】上記式[A]において、 R*は、 【化3】 よりなる群から選ばれる基であることを特徴とする請求
    項1記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】上記式[A]において、 【化4】 ことを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
  4. 【請求項4】上記式[A]で表されるカルボン酸エステ
    ル化合物の含有率が、組成物中における液晶物質に対し
    て、1〜99重量部の範囲内にあることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかの項に記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】対向する2枚の基板を含んで形成されるセ
    ルの間隙に液晶物質が充填されてなる液晶素子におい
    て、該液晶物質が、次式[A]で表わされる少なくとも
    一種類のカルボン酸エステル化合物を含む液晶組成物で
    あることを特徴とする液晶素子; 【化5】 [ただし、式[A]において、Rは、炭素数3〜20の
    アルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基および炭素
    数3〜20のハロゲン化アルキル基よりなる群から選ば
    れる1種の基であり、 XおよびYは、それぞれ独立に、-COO-、-OCO-、-CH2CH
    2-、-CH2O-、-OCH2-、ーSーSー、ーCOーCH2ー、およびーCH2ーCOー
    よりなる群から選ばれる基または単結合を表わし、 AおよびBは、それぞれ独立に、 【化6】 よりなる群から選ばれる基を表わし、 R*は、不斉炭素を少なくとも1個有する炭素数4〜2
    0の光学活性基(該光学活性基の炭素原子に結合した水
    素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい)を表
    し、 mおよびnは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す
    (ただし、mおよびnの両者が同時に0になることはな
    い)]。
  6. 【請求項6】請求項5記載の液晶素子を有する液晶表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の液晶素子を有する電気光学
    表示装置。
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