JP2796722B2 - 光学素子用液晶 - Google Patents

光学素子用液晶

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 産業上の利用分野 本発明は電界印加に対して三安定状態間の光学応答を
示す光学素子用の液晶を提供するものである。
従来技術、発明の解決しようとする課題 液晶表示素子は、その低電圧作動性、低消費電力性、
薄型表示が可能なこと、受光型で目が疲れないことなど
のすぐれた特徴を有するため各種表示素子として広範囲
に用いられている。
またTN型表示素子は、他の発光型の表示方式(CRTな
ど)と比較すると応答が非常におそいという欠点があ
り、応用上、種々の制約を受けていた。これらの問題を
解決するため、新しい液晶素子の開発が進められてき
た。
この目的に沿ったものとして、1975年R.B.Meyerらに
よりDOBAMBC(4−(4−n−デシルオキシベンジリデ
ンアミノ)ケイヒ酸−2−メチルブチルエステル)が強
誘電性液晶として初めて合成され、さらに1980年、Clar
kとLagawallによりDOBAMBCの薄膜セルにおいてμsecオ
ーダーの高速スイッチング特性が確認された。
この液晶は、従来の液晶に比較して約100倍の高速応
答性と双安定性が得られ、テレビ等の動画像や高速光シ
ャッター等をはじめとする多方面の表示素子への応用が
期待される。また、強誘電性液晶であって、しかも、自
発分極性の大きい液晶を得るためにはどのような分子設
計をすればよいかについては、次のような知見が得られ
ている。
すなわち、 (1) 液晶分子の長軸まわりの自由回転が実効的な双
極子モーメントの配向度を低下させ、結果的に自発分極
が小さな値となるので、分子の自由回転を抑止すること
が有効である。そのためには、不斉炭素の近傍にかさ高
い原子、分子団を導入すること。
(2) 不斉炭素の近傍に大きな双極子モーメントを導
入するのも大きな自発分極を得るための直接的な方法で
あるが、CF3などのフッ素を含む原子団、分子団を不斉
炭素部分に直接導入することである。
上記の知見にもとづいて、本発明者らは、大きな電気
陰性度をもつフッ素を含む原子団、分子団不斉炭素に直
接導入して分子の双極子モーメントを大きくすると同時
に、不斉炭素部分と近傍するカルボニル結合等の陰性基
との立体的相互作用を高めるなどの分子設計を行ない、
物理化学的に安定で大きい自発分極を有し、高速応答性
を示す種々の液晶化合物を開発し本発明に到達した。ま
た、該液晶化合物には、分子配向において従来の強誘電
性液晶のSc相で示される双安定状態とは基本的に異な
る三安定状態を示す液晶S(3) 相が存在しており、電界
印加に対して三安定状態間の光学応答を示すことが明ら
かとなった。
ロ.発明の構成 課題を解決するための手段 本発明は特願昭63−21159号(出願日昭和63年2月2
日)の国内優先権に基づく出願であり、 式 で表わされる化合物を含有することを特徴とする電界
印加に対して三安定状態間の光学応答を示す光学素子用
液晶において、Raは炭素数1〜20のアルキル基、または
炭素数1〜20のアルコキシ基で、好ましくは炭素数3な
いし16のアルキル基又は炭素数3ないし16のアルコキシ
基である。
Rbは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、枝分れアルキ
ル基、アラルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基で
あり、好ましくは、炭素数3〜16のアルキル基、枝分れ
アルキル基、アラルキル基又は炭素数3ないし16のアル
コキシ基である。例えばヘキシル基、イソブチル基、ベ
ンジル基、置換ベンジル基又はフェネチル基である。
XはCOO基、YはCOO基、Zは含フッ素アルキル基又は
そのハロゲン置換体であり、好ましくはCF3、CHF2、CH2
F、C2F5、CclF2、CCl2F、CCl3、CF3CCl2およびC3F7など
である。
mは1ないし3の整数、nは0又は1〜2の整数、但
し、m=1およびn=1の場合ならびにm=2およびn
=0の場合を除く。なお、nが0の場合にはYは単結合
である。また*は光学活性中心を示す。〕 本発明の目的化合物の一般式において、 式 で表わされる代表的な基は下記の化合物からOH基を除い
た残基を表わす。
1,1,1−トリフルオロ−2−C3〜C16アルカノール、 1,1−ジフルオロ−2−C3〜C16アルカノール、 1−モノフルオロ−2−C3〜C16アルカノール、 1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3−C3〜C16アルカノー
ル、 1−モノフルオロ−1,1−ジクロロ−2−C3〜C16アルカ
ノール、 1,1,1−トリクロロ−2−C3〜C16アルカノール、 1,1−ジフルオロ−1−モノクロロ−2−C3〜C16アルカ
ノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−フェニル−2−エタノー
ル、 1,1,1−トリフルオロ−3−フェニル−2−プロパノー
ル、 1,1,1−トリフルオロ−4−フェニル−2−ブタノー
ル、 本発明の好ましい化合物には、例えば以下のようなも
のがある。
更に好ましい化合物は次のようである。
〔式中Rは炭素数3ないし16のアルキル基〕 (1) 本発明の化合物の合成法の1例は次のようであ
る。
4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドと光学活性な1,
1,1−トリフルオロ−2−アルカノールとを反応させ
て、4−ベンジルオキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロ
−2−アルキルエステルを得、これを水添反応して、4
−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロ−2−アル
キルエステルを得た。得られたアルキルエステルを4−
n−アルキルオキシフェニル(又はビフェニル)カルボ
ン酸クロリドと反応させて目的化合物である光学活性な
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキシカル
ボニル)フェニル4−n−アルキルオキシベンゾエート
(又はビフェニルカルボキシレート)を得る。
(2) 本発明の化合物の更に他の1例は次のようであ
る。
テレフタル酸クロリドに光学活性な1,1,1−トリフル
オロ−2−アルカノールを反応させて、1,1,1−トリフ
ルオロアルキルテレフタル酸モノエステルを得、次にこ
れに4−アルキルオキシ−4′−ヒドロキシビフェニル
を反応させて、光学活性な4−アルキルオキシビニフェ
ニル4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキシ
カルボニル)ベンゾエートを得る。
以下の実施例および比較例により本発明の化合物につ
き説明するが、これに限定されるものではない。
実施例1 1)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル4−ベンジル
オキシベンゾエートの合成 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド4.3gを塩化メチ
レン50mlに溶解させ、次いで光学活性な1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクタノール2.9gとジメチルアミノピリジ
ン0.6gとトリエチルアミン1.7gとを塩化メチレン50mlに
溶解した溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。
反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を
氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相
を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去
し、粗生成物を得た。これをトルエン−シリカゲルクロ
マトグラフで処理し、さらにエタノールにて再結晶して
目的物3.8g得た。
2)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル4−ヒドロキ
シベンゾエートの合成 1)で得られた化合物をメタノール100mlに溶解し、1
0%担持Pd−カーボン0.4gを加え、水素雰囲気下水添反
応を行ない、目的化合物2.8gを得た。
3)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル4′−n−オクチルオキシビフェ
ニル−4−カルボキシレートの合成 4−n−オクチルオキシビフェニルカルボン酸3.0gを
過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間加熱した後未
反応の塩化チオニルを留去して4−n−オクチルオキシ
ビフェニルカルボン酸塩化物を得た。
酸塩化物を塩化メチレン50mlに溶解した溶液に、先に
合成した4−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロ
オクチルエステル2.8g、トリエチルアミン1.0gおよびジ
メチルアミノピリジン0.3gを塩化メチレン50mlに溶解し
たものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応させた。
次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて抽
出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリウム水
溶液、そして水の順に洗滌して、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後溶媒を留去して、粗生成物を得た。これをト
ルエン−シリカゲルクロマトグラフ法により精製して、
光学活性な目的化合物2.1gを得た。
相転移点の測定等には該化合物を無水エタノールにて
再結晶して更に精製して用いた。
実施例2〜6 上記実施例1の3)で使用した4−n−オクチルオキ
シビフェニルカルボン酸の代りに 2)4−n−ヘキシルオキシビフェニルカルボン酸、 3)4−n−ノニルオキシビフェニルカルボン酸、 4)4−n−デシルオキシビフェニルカルボン酸、 5)4−n−ウンデシルオキシビフェニルカルボン酸、 6)4−n−ドデシルオキシビフェニルカルボン酸、 を用いて、実施例1と全く同様にして次の光学活性な目
的化合物を得た。
2)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4′−n−ヘキシルオキシビフ
ェニル−4−カルボキシレート 3)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4′−n−ノニルオキシビフェ
ニル−4−カルボキシレート 4)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4′−n−デシルオキシビフェ
ニル−4−カルボキシレート 5)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4′−n−ウンデシルオキシビ
フェニル−4−カルボキシレート 6)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4′−n−ドデシルオキシビフ
ェニル−4−カルボキシレート 本発明の目的化合物の相転移点(℃)は次のようであ
る。
本発明の目的化合物の核磁気共鳴スペクトルは第1表
ないし第5表に示した。
更に本発明の目的化合物の赤外線吸収スペクトル図
(KBr)は次のようである。
n=6の場合、第1図、n=8の場合、第2図、 n=9の場合、第3図、n=10の場合、第4図、 n=11の場合、第5図、n=12の場合、第6図 本発明の目的化合物はS(3) 相において、三安定状態
を示した。
比較例1 4−n−ドデシルオキシビフェニル 4−(1,1,1,−ト
リフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)ベンゾエ
ート の合成 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルテレフタル
酸モノエステルの合成 テレフタル酸クロリド11.2gを塩化メチレン50mlの溶
解させ次いで光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クタノール9.2gとピリジン13gとを氷冷下にて少量ずつ
滴下した。反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、
反応液を希塩酸、水、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、水
にて順次洗浄して有機相を回収し、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥後、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。こ
れをトルエン−シリカゲルクロマトグラフにより処理し
て、更にエタノールにて再結晶して目的化合物3.3gを得
た。
2)4−n−ドデシルオキシビフェニル 4−(1,1,1,
−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)ベン
ゾエート 1)で得られた化合物1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチルテレフタル酸モノエステル3.3g、4−ドデシルオ
キシ−4′−ヒドロキシビフェニル3.9g、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド3.19gおよびジメチルアミノピリジ
ン0.3をテトラヒドラフラン溶媒100mlに投入し、室温に
て1昼夜反応させた。
次いで反応液中のテトラヒドロフラン溶媒を適当量減
圧留去し、冷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し、塩
化メチレン相を1N炭酸水素ナトリウム水溶液、水、希塩
酸、水にて中性になるまでよく洗浄して、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を留去して粗生成物を得た。
これをトルエン−シリカゲルクロマトグラフにて処理
し、更にエタノールにて再結晶をくり返して光学活性な
目的化合物1.4gを得た。
本発明の目的化合物はスメクチック相を示す液晶化合
物であり、相転移点はホットステージによる顕微鏡観察
により次のとおりである。
赤外線吸収スペクトル図を第7図に示した。
実施例7 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)フェニル 4′−n−オクチルビフェニル−4
−カルボキシレート 実施例1−3)で使用した4−n−オクチルオキシビ
フェニル−4′−カルボン酸の代りに4−n−オクチル
ビフェニル−4′−カルボン酸を用いて、実施例1と同
様の方法で上記の光学活性な目的化合物を得た。
上記目的化合物はスメクチック相および三安定状態を
示すS(3) 相を示す液晶化合物であり、その相転移点
(℃)はDSCおよびホットステージによる顕微鏡観察か
ら次のようである。
上記化合物の核磁気共鳴スペクトルは第6表に示し
た。
実施例8 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオキシカルボ
ニル)フェニル 4′−n−オクチルオキシビフェニル
−4−カルボキシレート 実施例1−1)で使用した光学活性な1,1,1−トルフ
ルオロ−2−オクタノールの代りに光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノールを用いて実施例1と同様
の方法で上記の光学活性な目的化合物を得た。
上記化合物はスメクチック相および三安定状態を示す
S(3) 相を示す液晶化合物であり、その相転移点(℃)
はDSCおよびホットステージによる顕微鏡観察により次
のようである。
上記目的化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr)を第
8図に示す。
実施例9 4−(1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3−ウンデシルオ
キシカルボニル)フェニル 4′−n−オクチルオキシ
ビフェニル−4−カルボキシレート 実施例1−1)で使用した光学活性な1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクタノールの代りに光学活性な1,1,1,2,
2−ペンタフルオロ−2−ウンデカノールを用いて実施
例1と同様の方法で光学活性な上記目的化合物を得た。
上記化合物はスメクチック相および三安定状態を示す
S(3) 相を示す液晶化合物であり、その相転移点(℃)
はDSCおよびホットステージによる顕微鏡観察から次の
ようである。
上記化合物の赤外線吸収スペクトル図を第9図に示し
た。
比較例2 4−n−オクチルビフェニル 4−(1,1,1−トリフル
オロ−2−オクチルオキシカルボニル)ベンゾエート 4−n−オクチル−4′−ヒドロキシビフェニル0.5g
と、テレフタロイルクロリッド0.36gとをジクロロメタ
ン約30mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン(TE
A)0.2gを滴下後、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.0
13gを加え、約10時間室温にて反応して4−n−オクチ
ルビフェニル−4′−テレフタル酸クロリッド を得た。
上記化合物に光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−
オクタノール0.32gを加え、さらにTEA0.2gを滴下後、更
にDMAP0.013gを加え、約10時間室温で反応した。不溶分
を除去した後濾液を中性にして水/ジクロロメタン混液
にて抽出し、水分、溶媒を留去し粗生成物0.8gを得た。
上記生成物をシリカゲルクロマトグラフ(ヘキサン/
酢酸エチル(10/0.5)))にて処理し、エタノールにて
再結晶して光学活性な最終目的化合物0.2gを得た。
上記目的化合物の相転移温度は次のようである。
SA相において、エレクトロクリニック効果による応答
が観察された。
上記目的化合物の核磁気共鳴スペクトル図を第7表に
示した。
また赤外線スペクトル図は第10図に示した。
実施例10 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)ビフェニル 4−n−オクチルベンゾエート 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカ
ルボニル)−4′−ヒドロキシビフェニル0.5gとn−4
−オクチル安息香酸0.31gとをジシクロカルボジイミド
0.3gと数片のジメチルアミノピリジンとテトラヒドロフ
ラン30mlとの存在下で反応させ、粗目的化合物0.6gを得
た。これをシリカゲルクロマトグラフ法(ヘキサン:酢
酸エチル10:0.5)により精製し、更にエタノールにより
再結晶して光学活性な目的化合物0.4gを得た。
上記目的化合物の相転移温度は次のようである。
上記目的化合物の核磁気共鳴スペクトル図を第8表に
示した。又赤外線吸収スペクトル図は第11図に示した。
実施例11 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.9μmの液晶セルに、比較例2で得ら
れた液晶化合物をIsotropic相において充填し、液晶薄
膜セルを作成した。
この薄膜セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にて徐冷
し、SA相を配向させ、±30V、10Hzの短形波を印加し、
フォトマルチプライヤー付偏光顕微鏡にて電気光学的応
答動作を検出したところ、第12図に示すように、SA相に
おいて印加電界に対して光学応答するエレクトロクリニ
ック効果を観察した。
他の実施例および比較例のそれぞれにおける化合物に
おいても同一の効果が観察された。
実施例12 実施例1の化合物を用いた他は実施例11と全く同様の
方法にて作成した液晶セルを2枚の偏光板を直交させた
フォトマルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、無電圧印加
時の分子長軸方向と偏光子が22.5゜をなす状態に配置し
た。この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にてSc
相まで徐冷した。さらに冷却してゆき、108℃〜60.1
℃の温度範囲において、±30V、10Hzの三角波電圧を印
加した場合を第13図に示した。印加電圧がマイナス域で
の暗状態、0ボルト域での中間状態、プラス域での明状
態と光透過率が三つの状態に変化し、これに対応して分
極反転電流波形のピークもそれぞれ表れしていることを
観察し、三つの安定な液晶分子の配向状態があることを
確認した。
他の実施例の化合物においても同一の効果が観察され
た。
ハ.発明の効果 本願発明の化合物は (1) 自発分極が大きい。
(2) 高速の応答性を示す。
(3) 配向性が良好である。
(4) 三状態をとる液晶相が観察される。
(5) エレクトロクリニック効果を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第11図は本発明の実施例および比較例のそ
れぞれにおける化合物の赤外線吸収スペクトル図であ
る。 第12図は、比較例2の化合物のエレクトロクリニック効
果を示したもので、図中aは液晶電気光学素子に印加し
た交番電圧を、図中bは図中aの交番電圧に対する光透
過率の変化を示したものである。 第13図は、実施例1の化合物の三状態スイッチングを示
したもので、図中aは液晶電気光学素子に印加した三角
波電圧を、図中bは分極反転電流を、そして図中cは図
中aの三角波電圧に対する光透過率の変化を示したもの
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−307837(JP,A) 特開 平1−139551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/82 - 69/94 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 [式中、Raは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1
    〜20のアルコキシ基、Rbは炭素数1〜20の脂肪族アルキ
    ル基、枝分れアルキル基、アラルキル基またはアルコキ
    シ基、XはCOO基、YはCOO基、Zは含フッ素アルキル基
    またはそのハロゲン置換体、mは1ないし3の整数、n
    は0または1〜2の整数、但し、m=1およびn=1の
    場合ならびにm=2およびn=0の場合を除く。なお、
    nが0の場合にはYは単結合である。また*は光学活性
    中心を示す。]で表わされる化合物を含有することを特
    徴とする電界印加に対して三安定状態間の光学応答を示
    す光学素子用液晶。
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