JP3470725B2 - 反強誘電性液晶物質および液晶表示素子 - Google Patents

反強誘電性液晶物質および液晶表示素子

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JP3470725B2 JP20400393A JP20400393A JP3470725B2 JP 3470725 B2 JP3470725 B2 JP 3470725B2 JP 20400393 A JP20400393 A JP 20400393A JP 20400393 A JP20400393 A JP 20400393A JP 3470725 B2 JP3470725 B2 JP 3470725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反強誘電性液晶
物質およびそれを用いた液晶表示素子に関する。本発明
の反強誘電性液晶物質は、三安定状態間のスイッチン
グ、明確なしきい値特性および良好なメモリー性を保持
し、かつ、高速応答性を有し、液晶表示素子として有利
に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。最近の情報、 O
A 関連機器分野およびテレビ分野への液晶表示素子の応
用、用途拡大に伴って、これまでの CRT表示素子を上回
る、表示容量、表示品質を持つ高性能大型液晶表示素子
の要求が、急速に高まってきた。
【0003】現在実用化されている液晶表示素子は、ネ
マチック液晶を用いたものである。しかしながら、現在
のネマチック液晶を使用する限りにおいては、液晶テレ
ビ用に採用されているアクティブマトリックス駆動液晶
表示素子でも、製造プロセスの複雑さと歩留りの低さに
より、その大型化及び低コスト化は容易ではない。一
方、単純マトリックス駆動の STN型液晶表示素子にして
も、大容量駆動は必ずしも容易ではなく、応答時間にも
限界があり動画表示は困難である。従って、ネマチック
液晶表示素子は、上記の高性能大型液晶表示素子への要
求を満足するものとはいい難いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】このような状況のな
かで、高速液晶表示素子として注目されているのが、強
誘電性液晶を用いた液晶表示素子である。クラ−クとラ
ガバ−ルにより発表された表面安定化型強誘電性液晶(S
SFLC) 素子は、その従来にない速い応答速度と広い視野
角を有する事が注目されている(N.A.Clark and S.T.Lag
erwall,Appl. Phys.Lett. 36, 899 (1980))。このSSFLC
素子のスイッチング特性に関しては詳細に検討されお
り、種々の物性定数を最適化するため多くの強誘電性液
晶が合成されている。
【0005】しかしながら、しきい値特性が不十分であ
ること、層の構造がシェブロン構造をしていることなど
からコントラストが不良であり、高速応答が実現されて
いない。配向制御が困難で SSFLCの最大の特徴の1つで
ある双安定性の実現が容易でない。機械的衝撃によって
配向が破壊されそれの回復が困難であるなどの問題があ
り、実用化にはこれらの問題の克服が必要である。
【0006】これとは別に、SSFLC と異なるスイッチン
グ機構の素子の開発も同時に進められている。反強誘電
相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と呼
ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新しい
スイッチング機構の1つである(Japanese Journal of
Applied Physics, Vol.27, pp.L729,1988)。
【0007】反強誘電性液晶素子は3つの安定な状態を
有する。すなわち、強誘電性液晶素子で見られる2つの
ユニフォ−ム状態(Ur,Ul)と第三状態である。こ
の第三状態が反強誘電相であることをChandaniらが報告
している(Japanese Journalof Applied Physics, Vol.
28, pp.L1261, 1989, Japanese Journal of AppliedPhy
sics, Vol.28, pp.L1265, 1989)。このような三安定状
態間のスイッチングが反強誘電性液晶素子の第1の特徴
である。反強誘電性液晶素子の第2の特徴は印加電圧に
対して明確なしきい値が存在することである。更にメモ
リ−性を有しておりこれが反強誘電性液晶素子の第3の
特徴である。これらの優れた特徴を利用することにより
応答速度が速く、コントラストが良好な液晶表示素子を
実現できる。
【0008】反強誘電性液晶物質のもう一つの大きな特
徴として層構造が電界により容易にスイッチングする事
があげられる(Japanese Journal of Applied Physics,
Vol.28, pp.L119,1989, Japanese Journal of Applied
Physics, Vol.29, pp.L111,1990) 。このことにより層
欠陥が極めて少なく配向の自己修復能力のある液晶表示
素子の作製が可能となりコントラストに優れた液晶素子
を実現できる。
【0009】反強誘電性液晶物質としては、特開平1-21
3390公報、同1-316339、同1-316367、同1-316372、同2-
28128 の各公報及びLiquid Crystals, Vol.6, pp.167,1
989に記載のものが知られている。反強誘電性液晶に関
する研究の歴史が浅いために現在までに知られている反
強誘電性液晶物質の数は強誘電性液晶に比べ多くはない
が、研究の進展にともなって次第にその数を増してい
る。
【0010】現在までに合成されている反強誘電性液晶
物質を応答速度の面から見たとき、強誘電状態から反強
誘電状態への速度が遅いことが問題となっている。そし
てこの点が従来の強誘電性液晶物質に比べてやや不利な
面であった。従って、室温付近で反強誘電から強誘電、
強誘電から反強誘電への2つの応答速度が速い反強誘電
性液晶物質を提供できれば、高精細なディスプレーデバ
イスの実現にとって極めて有利になる。
【0011】本発明はこの様な要請のもとで行われたも
のであるが、反強誘電性液晶物質の従来の欠点である強
誘電から反強誘電への応答速度が遅いという問題を改善
し、実用上優れた性質を有する反強誘電性液晶を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次の
化学式(1) で表される新規な反強誘電性液晶である。
【化2】 (式中pは炭素数 4〜8 の整数、X、Yはそれぞれ独立
にH又はFであり、mは0又は1であって、mが0のと
き、Zは CF3、CH3 又はC2H5、nは 4〜8 の整数であ
り、mが1のとき、qは 3〜8 、Zは CF3、nは2〜4
の整数である。)また、該式(1) において、pは4、6
又は8であること、該式(1) において、XはHであり、
YはH又はFであること、該式(1) において、mが0の
とき、Zは CF3又はCH3 であること、該式(1) におい
て、mが1のとき、q=5、n=2であることからなる
反強誘電性液晶物質であり、さらに本発明の反強誘電性
液晶物質を用いてなる液晶表示素子である。
【0013】現在まで合成されている反強誘電性液晶物
質は、例えば、一般式(A):B-X-Ph-Ph-COO-Ph-COO-B*
(式中の Bは直鎖アルキル基、 Xは単結合、-O- 又は-CO
O- 、Phは1,4-結合したフェニル基、 B* は光学活性
基)で表される。一般的には、B は炭素数3以上の直鎖
アルキル基が用いられている。このような反強誘電性液
晶物質は、反強誘電状態から強誘電状態への応答速度(V
f)は極めて速いが、強誘電状態から反強誘電状態への応
答速度(Va)は、反強誘電状態から強誘電状態への応答速
度Vfの 1/10 から 1/100と極めて遅い。特に、電圧を0
Vに戻したときの強誘電状態から反強誘電状態への応答
速度Vaは約 200〜2000μ秒程度であった。
【0014】従来知られている一般式(A) の液晶を用い
て液晶ディスプレーを製作する場合、駆動波形の工夫な
ど駆動方法によって、応答速度が遅いという欠点をある
程度緩和することができるが、走査線が 480本以上を有
するディスプレーではフリッカーが起こり、高精細な実
用ディスプレーの実現は困難な状況にあるのが実情であ
る。そのため、強誘電状態から反強誘電状態への応答速
度Vaを改善することが反強誘電性液晶の分野では大きな
目標となっていた。
【0015】本発明者らは上記一般式(A) における置換
基B に注目し、置換基を直鎖アルキル基からメトキシア
ルキレン基に変えたところ、強誘電状態から反強強誘電
状態の応答速度Vaがきわめて速くなることを見いだし本
発明を完成したものである。さらに、本発明者らの研究
によれば、置換基B を前記のようにメトキシアルキレン
基に変えると共に光学活性基B* (キラル部) として特定
の構造を有する基を選択することにより、Vaのみでな
く、Vfも速くなることを見いだした。
【0016】本発明の反強誘電性液晶物質について、さ
らに詳細に説明する。本発明の反強誘電性液晶物質は、
上記したように一般式(1) の左端部にメトキシアルキレ
ン基(CH3O(CH2)p −) を有することに構造上の特徴を有
する。この特徴により後述する実施例と比較例との対比
から明らかなように、応答速度が極めて速くなる。そし
てこの特徴部と共に、構造の他の部分、特に光学活性部
(キラル部) の構造との組み合わせによって、一層優れ
た特性を有する反強誘電性液晶物質が形成される。
【0017】光学活性部のZは CF3又はCH3 、特に CF3
が好ましく、pは4、6又は8であることが好ましく、
さらに、1,4-結合と-COO- 結合とによりフェニル基が結
合された部分 (コア部) において、光学活性部(キラル
部)側のフェニル基は式(1)において、XはHであり、
YはH又はFであること、特にYがFであることが好ま
しい。また、光学活性部は、不斉炭素に、H、Zと共に
直鎖のアルキレン基又はこれがエーテル結合で連結され
た2つのタイプがあり、式(1) において、m=0 の場合、
n=4, 6, 8 、特に n=6が好ましく、式(1) において、m=
1 の場合、q=5 、n=2が好ましい。
【0018】本発明の反強誘電性液晶物質の合成方法に
ついて、その一例を説明する。本発明の反強誘電性液晶
物質を合成するために用いられる光学活性アルコールの
うち、例えば、R-(+)-1,1,1-トリフルオロ−2-オクタノ
ール、R-(-)-オクタノール、S-(+)-3-ノナノールなどは
市販品を用いた。また、例えば、R-(+)-1,1,1-トリフル
オロ−7-エトキシ−2-ヘプタノールのような高い光学純
度を有する光学活性アルコールは、次のような反応プロ
セスによって製造することができる。
【0019】 (イ) CF3COCH2COOC2H5 +(パン酵母) : R-(+)-CF3C*H(OH)CH2COOC2H5 (ロ) CF3C*H(OH)CH2COOC2H5 +(DHP) : CF3C*(0-THP)HCH2COOC2H5 (ハ) CF3C*(O-THP)HCH2COOC2H5 +(LiAlH4) : CF3C*(0-THP)HCH2CH2OH (ニ) CF3C*(0-THP)HCH2CH2OH +(TsCl) : CF3C*(0-THP)HCH2CH2OTs (1) (ホ) C2H5O(CH2)3OH + PBr3 : C2H5O(CH2)3Br (ヘ) C2H5O(CH2)3Br + Mg : C2H5O(CH2)3MgBr (2) (ト) (1) + (2) +(CuI) : CF3C*(0-THP)H(CH2)5OC2H5 CF3C*(0-THP)H(CH2)5OC2H5 +(HCl) : CF3C*H(OH)(CH2)5OC2H5 (チ) CF3C*H(OH)(CH2)5OC2H5 + AcOCl : CF3C*H(OAc)(CH2)5OC2H5 (リ) CF3C*H(OAc)(CH2)5OC2H5 + リパーゼ : CF3C*H(OH)(CH2)5OC2H5 : CF3C*H(OAc)(CH2)5OC2H5 なお、上記の反応プロセスの記載において、 DHP: dihydropyrane、THP: tetrahydropyrane 、Ts: to
syl group 、Ac: acetylgroupをそれぞれ示す。
【0020】さらに本発明の目的化合物の製造法の例を
反応式で示すと次の通りである。 (イ) HO(CH2)p OH + CH3I + Na : CH3O(CH2)p OH (ロ) CH3O(CH2)p OH + PBr3 : CH3O(CH2)p Br (ハ) CH3O(CH2)p Br + HO-Ph-Ph-COOH + KOH : CH3O(CH2)p O-Ph-Ph-COOH (ニ) CH3O(CH2)p O-Ph-Ph-COOH + HO-Ph(X)-COO-C*H(Z)((CH2)q O)m C n H2n+1 + (DCC) : CH3O(CH2) p O-Ph-Ph-COO-Ph(X)-COO-C*H(Z)((CH2)q O)m C n H2n+1 なお、上記の反応プロセスの記載において、 -Ph-Ph- : 1,4-結合したフェニル基 (ビフェニル基) -Ph(X)- : 2-又は3-位に、F 置換していてもよい1,4-
結合したフェニル基 DCC : ジシクロヘキシルカルボジイミド を示す。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定され
るものではない。 実施例1 R-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシ
カルボニルフェニル)-4'-メトキシヘキシルオキシビフ
ェニル−4-カルボキシレートの製造 (一般式において、p=6, X=H, Y=H, Z=CF3, q=5, m=1,
n=2 の場合)
【0022】(1) 6-メトキシ−1-ヘキサノールの製造 1,6-ヘキサンジオール 150g(1.27モル)をテトラヒドロ
フラン 400ml(ミリリットル)に加え、更にリトリウム 9.7g(0.
42モル) を加える。ナトリウムが完全に溶解してから、
ヨウ化メチル 62.3g (0.44モル)を滴下した。7時間撹
はん後、水で処理しエーテル抽出した。無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後濃縮し、蒸留により精製した。沸点 136〜
140 ℃(40 Torr) 。収率 39%。
【0023】(2) 1-ブロモ−6-メトキシヘキサンの製造 6-メトキシ−1-ヘキサノール 31.2g (0.24モル)に、三
臭化リン 27.7g(0.1モル)をゆっくり滴下する。4時間
撹はん後、終夜放置した。水を加えた後ヘキサンで抽出
した。水、アルカリ水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリュウムで乾燥した。濃縮後、蒸留により精製し
た。沸点 76℃(15 Torr) 。収率 33%。
【0024】(3) 4'−メトキシヘキシルオキシビフェニ
ル−4-カルボン酸の製造 1-ブロモ−6-メトキシヘキサン 8.4g 、4'−ヒドロキシ
ビフェニル−4-カルボン酸 4.5g を水 100ml、エタノー
ル 400ml中、4時間還流した。濃塩酸を加え、pH 1に
し、水 150mlを加え、1時間還流した。冷却後、析出し
た結晶をろ別した。得られた結晶をアセトンで再結晶し
た。収率 55%。
【0025】(4) 4-(1−トリフルオロメチル−6-エトキ
シヘキシロキシカルボニルフェニル)-4'−メトキシヘキ
シルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製造 4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カルボン酸
の 1g 、4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチル−6-エト
キシヘキシロキシカルボニルフェニルの 0.82g、ジメチ
ルアミノピリジン 0.05gを10mlのテトラヒドロフランに
溶解した。この溶液に、5ml のテトラヒドロフランに
0.66gのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) を溶解
した溶液を滴下して、室温で4時間撹はんした。テトラ
ヒドロフランを留去した後、シリカゲルカラムで分離精
製して目的物を得た。収率 50%。
【0026】目的物のNMR スペクトルを、図1に示す。
相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定により
行った。本発明の化合物の相系列は、次の通りであっ
た。本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反強
誘電相を有する液晶であると認められた。 42℃ 56℃ 97℃ 104℃ Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ← 等方相 上記相系列においてSAはスメクチックA相、SCA*
は反強誘電性のスメクチックC相、SIA*は反強誘電
性のスメクチックI相を示す。
【0027】(5) 物性の測定 ラビング処理したポリイミド薄膜を有する ITO電極付の
液晶セル(セル厚 2μm)に、上記化合物を等方相の状
態で充填した。このセルを、毎分 1.0℃で徐冷して、S
A 相で液晶を配向させた。セルを直交する偏向板間に液
晶の層方向がアナライザ−またはポラライザ−と平行に
なるように設置し、セルに±40V、0.2Hzの三角波電
圧を印加して、透過光量の変化をフォトマルチプライヤ
−により測定した。その結果、97℃から56℃の温度領域
で、反強誘電相に特有なダブルヒステリシスの応答履歴
が認められた。
【0028】60℃での光学応答履歴を図2に示す。更
に、上記液晶セルに、周波数 30 ヘルツ、25Vのステッ
プ電圧を印加し、透過光変化が10から90%に変化するの
に要する時間を応答時間と定義して応答速度を測定した
ところ 85℃で反強誘電相から強誘電相は 5μ秒、強誘
電相から反強誘電相は 3μ秒と極めて高速な応答性を示
した。
【0029】実施例2〜4 R-4-(1−トリフルオロメチル−ヘプチルオキシカルボニ
ルフェニル)-4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−
4-カルボキシレート (一般式において、p=6, X=H, Y=H, Z=CF3, q=0, m=0,
n=6 の場合)、 R-4-(1−メチル−ヘプチルオキシカルボニルフェニル)-
4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カルボキシ
レート (一般式において、p=6, X=H, Y=H, Z=CH3, q=0, m=0,
n=6 の場合)、 S-4-(1−エチル−ヘプチルオキシカルボニルフェニル)-
4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カルボキシ
レート (一般式において、p=6, X=H, Y=H, Z=C2H5, q=0, m=0,
n=6の場合)
【0030】実施例1におけるR-4-ヒドロキシ−1-トリ
フルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフ
ェニルの代わりに、それぞれ、4-ヒドロキシ−1-トリフ
ルオロメチル−ヘプチルオキシカルボニルフェニル、R-
4-ヒドロキシ−1-メチル−ヘプチルオキシカルボニルフ
ェニル、S-4-ヒドロキシ−1-エチル−ヘプチルオキシカ
ルボニルフェニルを用いた以外は実施例1とまったく同
様にして液晶を製造した。また、実施例1とまったく同
様にして液晶の物性を評価した。実施例2〜4において
得られた液晶の NMRスペクトルを図3〜5に示した。ま
た、表1に実施例2〜4の液晶の物性を示した。
【0031】
【表1】 CH3O(CH2)6-O-Ph-Ph-COO-Ph-R* の相系列及び応答速度 実施例No R* 相系列 応答速度μ秒 2 -C* H(CF3)C6H13 59℃ 69℃ 116℃ 125℃ 9,4 Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ← Iso (106℃) 3 -C* H(CH3)C6H13 38℃ 71℃ 97℃ 137℃ 4,36 Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ← Iso (87℃) 4 -C* H(C2H5)C6H13 21℃ 58℃ 90℃ 113℃ 17,334 Cr ←SX ← SCA* ← SA ← Iso (80℃)
【0032】表1の表題の一般式において Ph はフェニ
ル基を表す。表1の Isoは等方相、SAはスメクチックA
相、SCA*は反強誘電性のスメクチックC相、SIA*は反強
誘電性のスメクチックI相、Crは結晶を示す。応答速度
の数字のうち、最初の数字は反強誘電→強誘電、後の数
字は強誘電→反強誘電への応答速度を示す。また応答速
度の欄の()内数字は応答速度の測定温度を示す。
【0033】実施例5 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキ
シロキシカルボニルフェニル)-4'−メトキシヘキシルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレートの製造(一般式に
おいて p=6, X=H, Y=F, Z=CF3, q=5, m=1, n=2の場合) 実施例1における4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチル
−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェニルの代わり
に、3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチル
−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェニルを用いた
以外は、実施例1と全く同様にして目的物を製造した。
【0034】目的物の NMRスペクトルを、図6に示す。
相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定により
行った。また、この化合物の相系列は、次の通りであっ
た。 −0.2 ℃ 19℃ 87℃ Cr ← SIA* ← SCA* ← Iso 本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反強誘電
相を有する液晶であると認められた。
【0035】実施例1の (5)と同様にして、上記化合物
の光学応答を調べたところ、87〜19℃の温度領域で、反
強誘電相に特有なダブルヒステリシスが認められた。更
に、実施例1の (5)と同様にして応答速度を測定したと
ころ 77℃で、反強誘電相から強誘電相へは 11μ秒、
強誘電相から反強誘電相へは 4μ秒と極めて高速な応答
性を示した。
【0036】実施例6〜9 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−ヘプチルオキシ
カルボニルフェニル)-4'−メトキシヘキシルオキシビフ
ェニル−4-カルボキシレート (一般式において p=6, X=H, Y=F, Z=CF3, q=0, m=0, n
=6の場合) 3-フルオロ-4-(1-メチル−ヘプチルオキシカルボニルフ
ェニル)-4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カ
ルボキシレート (一般式において p=6, X=H, Y=F, Z=CH3, q=0, m=0, n
=6の場合) 3-フルオロ-4-(1-メチル−ペンチルオキシカルボニルフ
ェニル)-4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カ
ルボキシレート (一般式において p=6, X=H, Y=F, Z=CH3, q=0, m=0, n
=4の場合) 3-フルオロ-4-(1-エチル−ヘプチルオキシカルボニルフ
ェニル)-4'−メトキシヘキシルオキシビフェニル−4-カ
ルボキシレート (一般式において p=6, X=H, Y=F, Z=C2H5, q=0, m=0,
n=6 の場合)
【0037】実施例1における4-ヒドロキシ−1-トリフ
ルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェ
ニルの代わりに、3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフ
ルオロメチル−ヘプチルオキシカルボニルフェニル、3-
フルオロ−4-ヒドロキシ−1-メチル−ヘプチルオキシカ
ルボニルフェニル、3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-エチ
ル−ヘプチルオキシカルボニルフェニルをそれぞれ用い
た以外は、実施例1と全く同様にして目的物を製造し
た。目的物の NMRスペクトルを図7〜図10に示した。
相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定により
行った。物性の測定結果を表2に示した。
【0038】
【表2】 CH3O(CH2)6-O-Ph-Ph(3-F)-COO-Ph-R* の相系列及び応答速度 実施例No R* 相系列 応答速度μ秒 6 -C* H(CF3)C6H13 12℃ 27℃ 105℃ 14,24 Cr ← SIA* ← SCA* ← Iso (96℃) 7 -C* H(CH3)C6H13 -0.4℃ 29℃ 108℃ 132℃ 24,8 Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ← Iso (98℃) 8 -C* H(CH3)C4H9 2℃ 31℃ 112℃ 138℃ *1 Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ← Iso 9 -C* H(C2H5)C6H13 ? ℃ 31℃ 92℃ 103℃ 200,95 Cr ← SX ← SCA* ← SA ← Iso (80℃)
【0039】表2の表題の一般式において、Phはフェニ
ル基を、Ph(3-F) は3-位置(R* 側からオルト位置) のフ
ッ素置換を示す。表2の Isoは等方相、SAはスメクチッ
クA相、SCA*は反強誘電性のスメクチックC相、SIA*は
反強誘電性のスメクチックI相、Crは結晶を示す。応答
速度の数字のうち、最初の数字は強誘電→反強誘電、後
の数字は反強誘電→強誘電への応答速度を示す。また応
答速度の欄の()内数字は応答速度の測定温度を示す。
また、実施例8の *1 はしきい値電圧が70V以上と高い
ため、測定しなかったことを示す。
【0040】実施例10 2-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキ
シロキシカルボニルフェニル)-4'−メトキシヘキシルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレート (一般式において p=6, X=F, Y=H, Z=CF3, q=5, m=1, n
=2の場合)
【0041】実施例1における4-ヒドロキシ−1-トリフ
ルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェ
ニルの代わりに、2-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフ
ルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェ
ニルを用いた以外は、実施例1と全く同様にして目的物
を製造した。目的物の NMRスペクトルを、図11に示し
た。相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定に
より行った。
【0042】本発明の化合物の相系列は、次の通りであ
った。本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反
強誘電相を有する液晶であると認められた。 47℃ 60℃ 88℃ 結晶 ← SIA* ← SCA* ← 等方相 実施例1の (5)と同様にして、上記化合物の光学応答を
調べたところ、88〜60℃の温度領域で、反強誘電相に特
有なダブルヒステリシスが認められた。更に、実施例1
の (5)と同様にして応答速度を測定したところ 82℃
で、反強誘電相から強誘電相へは 8μ秒、強誘電相から
反強誘電相へは 12μ秒と極めて高速な応答性を示し
た。
【0043】実施例11 R-4-(1−トリフルオロメチル−6-エトキシヘキシロキシ
カルボニルフェニル)-4'−メトキシブチルオキシビフェ
ニル−4-カルボキシレートの製造 (一般式において p=4, X=H, Y=H, Z=CF3, q=5, m=1, n
=2の場合)
【0044】(1) 1-ブロモ−4-メトキシブタンの製造 4-メトキシ−1-ブタノール 25g(0.24モル) に、三臭化
リン 27.7g(0.1モル)をゆっくり滴下した。4時間撹は
ん後、終夜放置した。水を加えた後ヘキサンで抽出し
た。水、アルカリ水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリュウムで乾燥した。濃縮後、蒸留により精製した。
沸点 78℃(44 Torr) 。収率 32%。
【0045】(2) 4'-メトキシブチルオキシビフェニル
−4-カルボン酸の製造 1-ブロモ−4-メトキシブタン 7.2g 、4'-ヒドロキシビ
フェニル−4-カルボン酸 4.5g を水 100ml、エタノール
400ml中で4時間還流した。濃塩酸を加え、pHを1に
し、水 150mlを加え、1時間還流した。冷却後、析出し
た結晶をろ別した。得られた結晶をアセトンで再結晶し
た。収率 61%。
【0046】(3) 4-(1−トリフルオロメチル−6-エトキ
シヘキシロキシカルボニルフェニル)-4'−メトキシブチ
ルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製造 4'−メトキシブチルオキシビフェニル−4-カルボン酸
0.9g、4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチル−6-エトキ
シヘキシロキシカルボニルフェニル 0.82g、ジメチルア
ミノピリジン 0.05g を10mlのテトラヒドロフランに溶
解した。この溶液に、5ml のテトラヒドロフランに 0.6
g のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) を溶解した
溶液を滴下して、室温で4時間攪拌した。テトラヒドロ
フランを留去した後、シリカゲルカラムで分離精製して
目的物を得た。収率 50%。
【0047】目的物の NMRスペクトルを、図12に示し
た。相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定に
より行った。本化合物の相系列は、次の通りであった。
本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反強誘電
相を有する液晶であると認められた。 86℃ 91℃ 127℃ Cr ← SCA* ← SA ← 等方相 本実施例で得られた液晶の応答速度を実施例1とまった
く同様にして測定を試みたが、電圧を印加することによ
り結晶化し応答速度を測定することはできなかった。
【0048】実施例12 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキ
シロキシカルボニルフェニル)-4'−メトキシブチルオキ
シビフェニル−4-カルボキシレートの製造(一般式にお
いて p=4, X=H, Y=F, Z=CF3, q=5, m=1, n=2の場合) 実施例11における4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェニルの代わ
りに、3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェニルを用い
た以外は、実施例12と全く同様にして目的物を製造し
た。
【0049】目的物の NMRスペクトルを図13に示し
た。相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定に
より行った。本発明の化合物の相系列は、次の通りであ
った。本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反
強誘電相を有する液晶であると認められた。 61℃ 104℃ 109℃ 結晶 ← SCA* ← SCα* ← 等方相 上記相系列において SCα* は反強誘電相類似の未同定
の相を示す。67℃で応答速度を測定したところ、反強
誘電相から強誘電相へは4μ秒、強誘電相から反強誘電
相へは4μ秒と極めて高速な応答性を示した。
【0050】実施例13 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−ヘプチルオキシ
カルボニルフェニル)-4'−メトキシブチルオキシビフェ
ニル−4-カルボキシレートの製造 (一般式において p=4, X=H, Y=F, Z=CF3, q=0, m=0, n
=6の場合) 実施例11における4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−6-エトキシヘキシロキシカルボニルフェニルの代わ
りに、3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−6-ヘプチルオキシカルボニルフェニルを用いた以外
は、実施例11と全く同様にして目的物を製造した。
【0051】目的物の NMRスペクトルを、図14に示し
た。相の同定は、テクスチャ−観察、及び DSCの測定に
より行った。本発明の化合物の相系列は、次の通りであ
った。本化合物には反強誘電相が存在し、本化合物は反
強誘電相を有する液晶であると認められた。 71℃ 124℃ 132℃ 結晶 ← SCA* ← SA ← 等方相 104℃で応答速度を測定したところ、反強誘電相から
強誘電相へは4μ秒、強誘電相から反強誘電相へは4μ
秒と極めて高速な応答性を示した。
【0052】実施例14 3-フルオロ-4-(1-メチル−ヘプチルオキシカルボニルフ
ェニル)-4'−メトキシオクチルオキシビフェニル−4-カ
ルボキシレートの製造 (一般式において p=8, X=H, Y=F, Z=CH3, q=0, m=0, n
=6の場合)
【0053】実施例7に於ける 4'-メトキシヘキシルオ
キシビフェニル−4-カルボン酸及び3-フルオロ−4-ヒド
ロキシ−1-メチルペンチルオキシカルボニルフェニルの
代わりに 4'-メトキシオクチルオキシビフェニル−4-カ
ルボン酸及び3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-メチル−ノ
ニルオキシカルボニルフェニルを用いた以外は、実施例
7と全く同様にして実施例7と同じ骨格構造を持つ液晶
を製造した。液晶のNMRスペクトルを図15に示し
た。
【0054】液晶の相系列は次の通りであった。 不明 107℃ 119℃ 結晶 ← SCA* ← SA ← 等方相 また、実施例1の (5)と同様にして、上記化合物の光学
応答を調べたところ、108℃以下の温度で、反強誘電相
に特有なダブルヒステリシスが認められた。更に、実施
例1の (5)と同様にして応答速度を測定したところ 96
℃で、反強誘電相から強誘電相へは 144μ秒、強誘電相
から反強誘電相へは 76μ秒と極めて高速な応答性を示
した。
【0055】実施例15 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−ヘプチルオキシ
カルボニルフェニル)-4'−メトキシオクチルオキシビフ
ェニル−4-カルボキシレートの製造 (一般式において p=8, X=H, Y=F, Z=CH3, q=0, m=0, n
=6の場合)
【0056】実施例14に於ける3-フルオロ−4-ヒドロ
キシ−1-メチルペンチルオキシカルボニルフェニルの代
わりに3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−ヘプチルオキシカルボニルを用いた以外は、実施例
14と全く同様にして実施例14と同じ骨格構造を持つ
液晶を製造した。液晶のNMRスペクトルを図16に示
した。
【0057】液晶の相系列は次の通りであった。 また、実施例1の (5)と同様にして、上記化合物の光学
応答を調べたところ、90℃以下の温度で、反強誘電相に
特有なダブルヒステリシスが認められた。更に、実施例
1の (5)と同様にして応答速度を測定したところ 80℃
で、反強誘電相から強誘電相へは 99μ秒、強誘電相か
ら反強誘電相へは 47μ秒と極めて高速な応答性を示し
た。
【0058】実施例16 3-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−ヘプチルオキシ
カルボニルフェニル)-4'−メトキシオクチルオキシビフ
ェニル−4-カルボキシレートの製造 (一般式において p=8, X=H, Y=F, Z=CH3, q=0, m=0, n
=6の場合)
【0059】実施例14に於ける3-フルオロ−4-ヒドロ
キシ−1-メチルペンチルオキシカルボニルフェニルの代
わりに3-フルオロ−4-ヒドロキシ−1-トリフルオロメチ
ル−6-エトキシヘプチルオキシカルボニルを用いた以外
は、実施例14と全く同様にして実施例14と同じ骨格
構造を持つ液晶を製造した。液晶のNMRスペクトルを
図17に示した。
【0060】液晶の相系列は次の通りであった。 また、実施例1の (5)と同様にして、上記化合物の光学
応答を調べたところ、72℃以下の温度で、反強誘電相に
特有なダブルヒステリシスが認められた。更に、実施例
1の (5)と同様にして応答速度を測定したところ 60℃
で、反強誘電相から強誘電相へは 18μ秒、強誘電相か
ら反強誘電相へは 88μ秒と極めて高速な応答性を示し
た。
【0061】比較例1〜4 実施例1における 4'-メトキシヘキシルオキシビフェニ
ル−4-カルボン酸の代わりに 4'-オクチルオキシビフェ
ニル−4-カルボン酸を用いた以外は実施例1〜4とまっ
たく同様にして実施例1〜4とそれぞれ同じ光学活性基
を有する液晶を合成した。液晶のNMRスペクトルを図
18〜21に示した。また、物性の測定結果を表3に示
した。
【0062】
【表3】 C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-R* の相系列及び応答速度 比較例No R* 相系列 応答速度μ秒 1 -C* H(CF3)(CH2)5OC2H5 45℃ 96℃ 103℃ 8,89 Cr ← SCA* ← SA ← Iso (85℃) 2 -C* H(CF3)C6H13 69℃ 114℃ 123℃ 24,36 Cr ← SCA* ← SA ← Iso (100℃) 3 -C* H(CH3)C6H13 ?℃ 69 ℃ 117℃ 122℃ 147℃ 17,134 Cr ← SIA* ← SCA* ← SC ← SA ←Iso (100℃) 4 -C* H(C2H5)C6H13 -3℃ 91℃ 105℃ 1000,736 *1 Cr ← SCA* ← SA ← Iso ( ℃) *1;比較例4は、末端アルキル基 C8H17−を、C10H21
−とした。
【0063】比較例5〜7 実施例5〜7における 4'-メトキシヘキシルオキシビフ
ェニル−4-カルボン酸の代わりに 4'-オクチルオキシビ
フェニル−4-カルボン酸を用いて実施例5と同様にして
実施例5〜7とそれぞれ同じ光学活性基を有する液晶を
製造し物性を測定した。液晶のNMRスペクトルを図2
2〜24に示した。また、物性測定結果を表4に示し
た。
【0064】
【表4】 C8H17-O-Ph-Ph(3ー F)-COO-Ph-COO-R* の相系列及び応答速度 比較例No R* 相系列 応答速度μ秒 5 -C* H(CF3)(CH2)5OC2H5 ? ℃ 90℃ 40,400 Cr ← SCA* ← Iso (80℃) 6 -C* H(CF3)C6H13 ? ℃ 10℃ 108℃ 110℃ 200,400 Cr ← SX← SCA*← SA← Iso (95℃) 7 -C* H(CH3)C6H13 ? ℃ 20 ℃ 121℃ 140℃ 170,214 Cr ← SIA* ← SCA* ← SA ←Iso (110℃)
【0065】
【発明の効果】本発明は、新規な反強誘電性液晶物質を
提供する事ができるものである。そして、本発明により
提供された新規な反強誘電性液晶物質は、極めて高速な
応答性を示し、特に反強誘電状態から強誘電状態への応
答速度に優れる。そしてその特徴である三安定状態間の
スイッチング、明確なしきい値特性、良好なメモリ−性
を利用した液晶表示素子に用いる事ができる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図表図1は実施例1に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図2】 図表図2は実施例1に於ける液晶化合物の光
学応答を示す図である。
【図3】 図表図3は実施例2に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図4】 図表図4は実施例3に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図5】 図表図5は実施例4に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図6】 図表図6は実施例5に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図7】 図表図7は実施例6に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図8】 図表図8は実施例7に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図9】 図表図9は実施例8に於ける液晶化合物のN
MRスペクトルである。
【図10】 図表図10は実施例9に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図11】 図表図11は実施例10に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図12】 図表図12は実施例11に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図13】 図表図13は実施例12に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図14】 図表図14は実施例13に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図15】 図表図15は実施例14に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図16】 図表図16は実施例15に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図17】 図表図17は実施例16に於ける液晶化合
物のNMRスペクトルである。
【図18】 図表図18は比較例1に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図19】 図表図19は比較例2に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図20】 図表図20は比較例3に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図21】 図表図21は比較例4に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図22】 図表図22は比較例5に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図23】 図表図23は比較例6に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【図24】 図表図24は比較例7に於ける液晶化合物
のNMRスペクトルである。
【符号の説明】
図1、図3〜図24において、英字小文字 a,k, i, j
は、それぞれに示された式の対応位置の水素原子のスペ
クトルを示すものであり、a:末端メトキシ基(CH3O-)
又は末端メチル基(CH3-)の水素原子、k:不斉炭素原子
に直接結合した水素原子、i:ベンゼン核の2-又は6-位
の水素原子、j:ベンゼン核の3-又は5-位の水素原子で
ある。また、CHCl3 は使用した溶媒によるスペクトルを
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−169836(JP,A) 特開 平1−213390(JP,A) 特開 昭63−188654(JP,A) 特開 昭62−89645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/773 C09K 19/20 G02F 1/13 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) で表される反強誘電性液晶物
    質。 【化1】 (式中pは炭素数 4〜8 の整数、X、Yはそれぞれ独立
    にH又はFであり、mは0又は1であって、mが0のと
    き、Zは CF3、CH3 又はC2H5、nは 4〜8 の整数であ
    り、mが1のとき、qは 3〜8 、Zは CF3、nは2〜4
    の整数である。)
  2. 【請求項2】 該式(1) において、pは4、6又は8で
    ある請求項1記載の反強誘電性液晶物質。
  3. 【請求項3】 該式(1) において、XはHであり、Yは
    H又はFである請求項1記載の反強誘電性液晶物質。
  4. 【請求項4】 該式(1) において、mが0のとき、Zは
    CF3又はCH3 である請求項1記載の反強誘電性液晶物
    質。
  5. 【請求項5】 該式(1) において、mが1のとき、q=
    5、n=2である請求項1記載の反強誘電性液晶物質。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の反強誘電性液晶物質を用
    いてなる液晶表示素子。
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