JPH07316100A - 反強誘電性液晶物質 - Google Patents

反強誘電性液晶物質

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JPH07316100A
JPH07316100A JP11294194A JP11294194A JPH07316100A JP H07316100 A JPH07316100 A JP H07316100A JP 11294194 A JP11294194 A JP 11294194A JP 11294194 A JP11294194 A JP 11294194A JP H07316100 A JPH07316100 A JP H07316100A
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JP
Japan
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liquid crystal
antiferroelectric
phase
threshold voltage
carboxylate
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JP11294194A
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English (en)
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Hironori Motoyama
裕規 本山
Tomoyuki Yui
知之 油井
Masahiro Kino
正博 城野
Teruyo Tomiyama
照予 富山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低いしきい値電圧、大きいチルト角を示す反
強誘電性液晶物質を提供する。 【構成】 下記一般式(1) で表される新規な反強誘電性
液晶。 【化1】 (式中Rは炭素数 6〜10の直鎖アルキル基、X, YはHま
たはFであり、X, Yが同時にFではない。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な反強誘電性液晶物
質に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液
晶表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでのCR
T表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大
型液晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。
【0003】しかしながら、現在のネマチック液晶を使
用する限りにおいては、液晶テレビ用に採用されている
アクテイブマトリックス駆動液晶表示素子でも、製造プ
ロセスの複雑さと歩留りの低さにより、その大型化、低
コスト化は容易ではない。又、単純マトリックス駆動の
STN型液晶表示素子にしても、大容量駆動は必ずしも容
易ではなく、応答時間にも限界があり動画表示は困難で
ある。従って、ネマチック液晶表示素子は、上記の高性
能大型液晶表示素子への要求を満足するものとはいい難
いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のなか
で、高速液晶表示素子として注目されているのが、強誘
電性液晶を用いた液晶表示素子である。クラ−クとラガ
バ−ルにより発表された表面安定化型強誘電性液晶素子
(SSFLC) は、その従来にない速い応答速度と広い視野角
を有する事が注目され、そのスイッチング特性に関して
は詳細に検討されおり、種々の物性定数を最適化するた
め多くの強誘電性液晶が合成されている。しかしながら
しきい値特性が不十分である、層の構造がシェブロン構
造をしているなどからコントラストが不良である、高速
応答が実現されていない、配向制御が困難で SSFLCの最
大の特徴の1つである双安定性の実現が容易でない、機
械的衝撃に依って配向が破壊されそれの回復が困難であ
るなどの問題があり、実用化にはこれらの問題の克服が
必要である。
【0005】これとは別に、SSFLC と異なるスイッチン
グ機構の素子の開発も同時に進められている。反強誘電
相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と呼
ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新しい
スイッチング機構の1つである(Japanese Journal of A
pplied Physics, Vol.27, pp.L729,1988) 。
【0006】反強誘電性液晶素子は3つの安定な状態を
有する。すなわち、強誘電性液晶素子で見られる2つの
ユニフォ−ム状態(Ur, Ul)と第三状態である。この第三
状態が反強誘電相であることをChandaniらが報告してい
る(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, p
p.L1261, 1989、JapaneseJournal of Applied Physics,
Vol.28, pp.L1265, 1989)。このような三安定状態間の
スイッチングが反強誘電性液晶素子の第1の特徴であ
る。反強誘電性液晶素子の第2の特徴は印加電圧に対し
て明確なしきい値が存在することである。更にメモリ−
性を有しておりこれが反強誘電性液晶素子の第3の特徴
である。これらの優れた特徴を利用することにより応答
速度が速く、コントラストが良好な液晶表示素子を実現
できる。
【0007】又、もう一つの大きな特徴として層構造が
電界により容易にスイッチングする事があげられる(Jap
anese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L119,
1989, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.29,
pp.L111, 1990)。このことにより欠陥が極めて少なく
配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作製が可能と
なりコントラストに優れた液晶素子を実現できる。
【0008】反強誘電性液晶物質としては、特開平1-21
3390、特開平1-316339、特開平1-316367、特開平1-3163
72、特開平2-28128 の各公報、及びLiquid Crystals, V
ol.6, pp.167,1989 に記載のものが知られている。反強
誘電性液晶に関する研究の歴史が浅いために現在までに
知られている反強誘電性液晶物質の数は強誘電性液晶に
比べ多くはないが、研究の進展にともなって次第にその
数を増している。
【0009】一方、実用上の観点から反強誘電性液晶を
見た場合、低電圧駆動を可能にするためにできるだけし
きい値電圧(反強誘電状態から強誘電状態、強誘電状態
から反強誘電状態へ転移するときの電圧)が低いこと及
び高輝度の画面を実現するためにできるだけチルト角が
大きいことが望まれている。現在まで合成されている反
強誘電性液晶の一般的な傾向として、しきい値電圧が低
い液晶はチルト角が小さく、また、チルト角が大きい液
晶はしきい値電圧が高い。そのために実用的な液晶材料
を得るためにはチルト角の大きい液晶と、しきい値電圧
の小さい液晶を混合して適当にしきい値電圧とチルト角
を調整していた。しかしこの方法には限界があり、チル
ト角、しきい値電圧両面で不満足な結果しか得られてい
ない。そのため実用液晶材料としての使用に制約が生じ
てきている。
【0010】従って、チルト角が大きく、しかもしきい
値電圧が低い液晶が得られれば実用上極めて有効な反強
誘電性液晶となる。本発明はこの様な観点から行われた
ものであり、不斉炭素上にペンタフルオロエチル基、末
端にエトキシ基を有する光学活性アルコールを用いて液
晶を製造した時、しきい値電圧が低くかつ大きなチルト
角を有する反強誘電性液晶が得られること見いだし本発
明を完成したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1) で表される新規な反強誘電性液晶である。
【化2】 (式中Rは炭素数 6〜10の直鎖アルキル基、X,YはH
またはFであり、X,Yが同時にFではない。)
【0012】また、本発明においては、上記一般式(1)
において、XがHまたはF、YがHである時に、Rが炭
素数 8の直鎖アルキル基である反強誘電性液晶(実施例
1、6)、上記一般式(1) において、XがH、YがFで
ある時に、Rが炭素数 6又は9 の直鎖アルキル基である
反強誘電性液晶 (実施例2、4)、特にRが炭素数 9の
直鎖アルキル基である反強誘電性液晶 (実施例4)がよ
り好ましいものとして挙げられる。
【0013】以下、本発明について説明する。本発明で
用いる光学活性アルコールは、C2F5C*H(OH)(CH2)5OC2H5
の化学構造式で示されるものであるが、すでに本発明者
らが特願平5-126086号に於てこの光学活性アルコールの
製造法については明らかにしている。その製造は次のよ
うな反応によって行われる。 (1) Br(CH2)5Br + NaOEt → C2H5O(CH2)5Br (2) C2H5O(CH2)5Br + Mg → C2H5O(CH2)5MgBr (3) C2F5COOH + C2H5O(CH2)5MgBr → C2F5CO(CH2)5OC2H5 (4) C2F5CO(CH2)5OC2H5 + (NaBH4) → C2F5CH(OH)(CH2)5OC2H5 (5) C2F5CH(OH)(CH2)5OC2H5 + AcCl → C2F5CH(OAc)(CH2)5OC2H5 (6) C2F5CH(OAc)(CH2)5OC2H5 + (リハ゜ーセ゛) → (R-)C2F5C*H(OH)(CH2)5OC2H5 + (S-)C2F5C*H(OH)(CH2)5OC2H5 なお、上記において、Etはエチル基を、Acはアセチル基
をそれぞれ示す。
【0014】本発明の目的液晶化合物の製造法の例は、
次の通りである。 (1) R-O-φφ-COOH + SOCl2 → R-O-φφ-COCl (2) AcO-φ(X,Y)-COOH + SOCl2 → AcO-φ(X,Y)-COCl (3) AcO-φ(X,Y)-COCl + C2F5C*H(OH)(CH2)5OC2H5 → AcO-φ(X,Y)-COO-C*H(C2F5)(CH2)5OC2H5 (4) AcO-φ(X,Y)-COO-C*H(C2F5)(CH2)5OC2H5 + (Ph-CH2NH2) → HO-φ(X,Y)-COO-C*H(C2F5)(CH2)5OC2H5 (5) R-O-φφ-COCl + HO-φ(X,Y)-COO-C*H(C2F5)(CH2)5OC2H5 → 目的液晶化合物 なお、上記において、 -φφ- はビフェニルレン基を、
-φ(X,Y)-は、2-又は3-位にフッ素置換していてもよい
フェニレン基を示す。)
【0015】しきい値電圧は、反強誘電性液晶素子の駆
動電圧に直接関係するためできるだけ小さいことが好ま
しい。液晶素子を駆動するためには、ICが必要である
が、多量に生産されている一般的なICあう使用するこ
とが液晶素子の実用化に当たっては最も経済的である。
市販の一般的なICを使用するためには、駆動電圧は30
V以下、好ましくは25V以下、特に20V以下が好まし
い。従って、液晶素子のしきい値電圧は、20V以下、好
ましくは15V以下、特に10V以下が好ましい。また、通
常、反強誘電性液晶素子のセルギャップは 2μm以下で
あるので、セルギャップ当りのしきい値電圧は 10 V/μ
m以下、好ましくは7.5 V/μm以下、特に 5V/μm以下
となる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、新規な反強誘電性液晶物質を
提供する事ができるものである。そして、本発明により
提供された新規な反強誘電性液晶物質は、低しきい値電
圧、高チルト角という二つの優れた性質を併せ持ち、そ
してその特徴である三安定状態間のスイッチング、明確
なしきい値特性、良好なメモリ−性を利用した液晶表示
素子に用いる事ができる。
【0017】
【実施例】次に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1 (R-)-4-(1-ペンタフルオロエチル−6-エトキシヘキシル
オキシカルボニル)フェニル-4'-n-オクチルオキシビフ
ェニル−4-カルボキシレート(式1で、R=C8H17, X,Y=
H)の製造。
【0018】(1) 4-(4'-n-オクチルオキシ)ビフェニル
カルボン酸の製造 4-(4'-ハイドロキシ)ビフェニルカルボン酸 10.5g、n-
オクチュルブロマイド15.0gを、エタノール 1500ml(ミリリ
ットル) 、水 200mlの混合液に加え、還流下で10時間反応
させた。更に水 500mlを加え3時間攪拌した。反応終了
後、濃塩酸を加えて酸性としてから、溶媒を 500ml留去
して室温まで冷却し白色固体を得た。これを充分水洗し
てから、クロロホルムより再結晶し、4-(4'-n-オクチル
オキシ)ビフェニルカルボン酸を白色結晶として 12.5g
を得た。
【0019】(2) 4-アセトキシ安息香酸の製造 4-ヒドロキシ安息香酸 5.7g と無水酢酸 8.4g とを2口
フラスコに取り混合した。水冷下硫酸を5滴添加した。
発熱がおさまってから80℃で30分間加熱した。その後反
応混合物を冷水中にあけ、析出した結晶をろ過した。結
晶は真空乾燥した後、次の工程で使用した。収量は 5.2
g であった。
【0020】(3) 4-アセトキシ-1-(1-ペンタフルオロエ
チル−6-エトキシヘキシルオキシカルボニル)ベンゼン
の製造 4-アセトキシ安息香酸 1.8g を塩化チオニル 10ml に加
え還流下で5時間反応させた。次に過剰の塩化チオニル
を留去してから、ピリジン 1ml、乾燥エーテル4ml、R-8
-エトキシ−1,1,2,2-ペンタフルオロ−3-オクタノール
1.8g の混合物を滴下した。滴下後1昼夜室温で撹はん
し、エーテル 200mlで希釈して、有機層を希塩酸、1N水
酸化ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して粗製の目的物をヘキサ
ン/酢酸エチルを溶媒とするシリカゲルカラムクロマト
で精製して 2.1g を得た。
【0021】(4) 4-ヒドロキシ-1-(1-ペンタフルオロエ
チル−6-エトキシヘキシルオキシカルボニル)ベンゼン
の製造 上記(3) で得た化合物 1.0g を、エタノール 30ml に溶
解させて、ベンジルアミン 3g を滴下した。更に室温で
1昼夜撹はんした後、エーテル 300mlで希釈して、希塩
酸、水の順で洗浄し、硫酸マグネシュウムで乾燥した。
溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで単離精製し、目的物 0.50gを得た。
【0022】(5) R-4-(1-ペンタフルオロエチル−6-エ
トキシヘキシルオキシカルボニルフェニル)-4'-n−オク
チルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製造 上記(1) で得た化合物 0.9g に塩化チオニル 10ml を加
え、10時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを留去し
た後、ピリジン 10ml 、トルエン 25ml を加えてから、
上記(4) で得た化合物 0.9g のベンゼン溶液 25ml を滴
下し、室温で10時間反応させた。反応終了後、エーテル
300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナトリウム水溶液、水
の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し
た。次に、溶媒を留去してから、シリカゲルクロマトグ
ラフィーで単離し目的物を 0.7g 得た。
【0023】目的物の1H-NMRスペクトルを図1に示し
た。図1に於ける各ピ−クの番号と、下記した化学構造
式における水素原子の番号とは対応したものである。
【0024】
【化3】
【0025】相の同定は、テクスチャヤー観察、及びDS
C(示差走差熱量計)の測定により行なった。本発明の化
合物の相系列は、次の通りであった。 I(65℃) SCA*(33℃) Cr 上記相系列で Iは等方相、 SCA* は反強誘電性のスメク
チックC相、Crは結晶相を示す。
【0026】ラビング処理したポリイミド薄膜を有する
ITO電極付の液晶セル(セル厚2μm)に、上記化合物
を等方相の状態で充填した。このセルを、毎分 1.0℃で
徐冷して、液晶を配向させた。セルを直交する偏向板間
に液晶の層方向がアナライザ−またはポラライザ−と平
行になるように設置し、セルに±25V、0.5 Hzの三角波
電圧を印加して、透過光量の変化をフォトマルチプライ
ヤ−により測定した。その結果、65℃から33℃の温度領
域で、図3に示すような反強誘電相に特有なダブルヒス
テリシスの応答履歴が認められた。
【0027】図中光透過率の最小と最大を 0%、 100%
と定義する。そして図中の○印の点は透過率が10%、90
%であることをそれぞれ示しており、この位置の電圧を
しきい値電圧と定義する。そして反強誘電から強誘電状
態へ変化するときの90%透過率における電圧をしきい値
電圧VTH1 (V/μm) 、強誘電から反強誘電状態へ変化す
るときの90%透過率における電圧をVTH2 (V/μm) とし
てこの値の大小によって液晶物性の優劣を判定する。す
なわち、VTH1、VTH2が小さいほど優れた液晶といえる。
また、上記電圧を印加して暗視野が出るまでサンプルを
回転しその角度からチルト角(θ)を求めた。以上の方
法で求めた転移点下 10℃ (55℃)での各値は次の通り
であった。
【0028】
【表1】 しきい値電圧及びチルト角 VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度(℃) 3.2 1.9 34 55
【0029】比較例1〜3 R-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキシルオキ
シカルボニル)フェニル-4'-n-オクチルオキシビフェニ
ル−4-カルボキシレート (C1) R-4-(1-トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニ
ル)フェニル-4'-n-オクチルオキシビフェニル−4-カル
ボキシレート (C2) および R-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル) フェニル-4'
-n-オクチルオキシビフェニル−4-カルボキシレート (C
3) の製造
【0030】実施例1におけるR-8-エトキシ−1,1,1,2,
2-ペンタフルオロ−3-オクタノールの代わりに、R-1,1,
1-トリフルオロ−7-エトキシ−2-ヘプタノール (比較例
1)、R-1,1,1-トリフルオロ−2-オクタノール (比較例
2)又はR-2-オクタノール(比較例3)を用いた以外は
実施例1と全く同様にして目的化合物を製造した。各化
合物の化学構造式を下記に示した。
【0031】
【化4】
【0032】各化合物の1H-NMR、相系列、およびその他
物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を下記に
示した。下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番号と、
上記した化学構造式における水素原子の番号とは対応し
たものである。
【0033】
【表2】 NMRスペクトル(ppm) 水素番号 1 2 3 4 5 6 7 8 比較例1 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.4 8.2 5.6 〃 2 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.4 8.2 5.6 〃 3 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.3 8.1 5.1
【0034】
【表3】 各化合物の相系列 比較例No. 相系列 (℃) 1 I(100)SA(93) SCA*(43) Cr 2 I(123)SA(114) SCA*(69) Cr 3 I(147) SA(122) SC*(117) SCA*(69) SIA*(30) Cr 上記相系列に於て SC*はカイラルスメクチックC相(強
誘電相)、SIA*は反強誘電性のスメクチックI相を示
す。
【0035】
【表4】 しきい値電圧及びチルト角 比較例 No. VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度(℃) 1 18.0 12.9 32 83 2 12.0 10.9 27 100 3 10.6 6.5 25 100
【0036】実施例2〜5 R-3-フルオロ-4-(1-ペンタフルオロエチル−6-エトキシ
ヘキシルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-ヘキシルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレート(E2)(一般式(1)
において、R=C6H13, X=H, Y=F の場合)。R-3-フルオロ
-4-(1-ペンタフルオロエチル−6-エトキシヘキシルオキ
シカルボニル) フェニル-4'-n-オクチルオキシビフェニ
ル−4-カルボキシレート(E3)(一般式(1) において、R=C
8H17, X=H, Y=F の場合)。R-3-フルオロ-4-(1-ペンタ
フルオロエチル−6-エトキシヘキシルオキシカルボニ
ル) フェニル-4'-n-ノニルオキシビフェニル−4-カルボ
キシレート(E4)(一般式(1) において、R=C9H19, X=H, Y
=F の場合)。R-3-フルオロ-4-(1-ペンタフルオロエチ
ル−6-エトキシヘキシルオキシカルボニル) フェニル-
4'-n-デシルオキシビフェニル−4-カルボキシレート(E
5)(一般式(1) において、R=C10H21, X=H, Y=Fの場
合)。
【0037】実施例1における4-(4'-n-オクチルオキ
シ) ビフェニルカルボン酸の代わりに4-(4'-n-ヘキシル
オキシ)ビフェニルカルボン酸、4-(4'-n-オクチルオキ
シ)ビフェニルカルボン酸、4-(4'-n-ノニルオキシ)ビ
フェニルカルボン酸、4-(4'-n-デシルオキシ)ビフェニ
ルカルボン酸および4-アセトキシ安息香酸の代わりに4-
アセトキシ−2-フルオロ安息香酸を用いた以外は実施例
1と全く同様にして目的化合物を製造した。
【0038】各化合物の1H-NMR、相系列、およびその他
物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を下記に
示した。下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番号と、
下記した化学構造式における水素原子の番号とは対応し
たものである。
【0039】
【表5】 NMRスペクトル(ppm) 水素番号 1 2 3 4 5 6 7 8 実施例2 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.1 5.7 〃 3 4.0 7.0 7.6 7.8 8.2 7.2 8.0 5.7 〃 4 4.0 7.0 7.6 7.8 8.2 7.2 8.1 5.6 〃 5 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.1 5.7 各化合物の1H-NMRデータは次の通りであり、各ピ−クの
番号と、下記した化学構造式における水素原子の番号と
は対応したものである。
【0040】
【化5】
【0041】
【表6】各化合物の相系列 実施例 No. R の種類 相系列 2 C6H13 I (73) SCA*(以下不明) *1 3 C8H17 I (56) SCA*(以下不明)*1 4 C9H19 I (42) SCA*(以下不明)*1 5 C10H21 I (47) SCA*(以下不明)*1 *1 : DSCによれば -50℃まで SCA* からの相転移を示す
吸熱ピークは認められなかった。
【0042】
【表7】 しきい値電圧及びチルト角 実施例 No. VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度(℃) 2 3.7 2.0 35 60 3 * * 40 56 4 2.7 2.0 35 40 5 * * 43 37 *:電圧を印加したとき反強誘電相(SCA*)の一部又は全
体がフェリ誘電相(SCγ*)へ転移し、しきい値電圧は測
定できなかった。
【0043】比較例4〜7 R-3-フルオロ-4-(1-トリフルオロヘプチルオキシカルボ
ニル) フェニル-4'-n-ヘキシルオキシビフェニル−4-カ
ルボキシレート (C4) 、R-3-フルオロ-4-(1-トリフルオ
ロヘプチルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-オクチル
オキシビフェニル−4-カルボキシレート (C5) 、R-3-フ
ルオロ-4-(1-トリフルオロヘプチルオキシカルボニル)
フェニル-4'-n-ノニルオキシビフェニル−4-カルボキシ
レート (C6) およびR-3-フルオロ-4-(1-トリフルオロヘ
プチルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-デシルルオキ
シビフェニル−4-カルボキシレート (C7) の製造。
【0044】実施例2〜5におけるR-8-エトキシ−1,1,
1,2,2-ペンタフルオロ−3-オクタノールの代わりに1,1,
1-トリフルオロ−7-エトキシ−2-ヘプタノールを用いた
以外は実施例2〜5と全く同様にして目的化合物を得
た。各化合物の化学構造式を下記に示した。
【0045】
【化6】
【0046】各化合物の1H-NMR、相系列、およびその他
物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を下記に
示した。下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番号と、
上記した化学構造式における水素原子の番号とは対応し
たものである。
【0047】
【表8】 NMRスペクトル(ppm) 水素番号 1 2 3 4 5 6 7 8 比較例4 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.0 5.6 〃 5 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.0 5.6 〃 6 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.1 5.6 〃 7 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.2 8.0 5.6
【0048】
【表9】 各化合物の相系列 比較例 No. R の種類 相系列 4 C6H13 I(105)SA(102)SCA*(8)SIA(4)Cr 5 C8H17 I(90)SCA*(以下不明)*1 6 C9H19 I(83)SC*(82) SCA*(以下不明)*1 7 C10H21 I(80)SCA*(-6) Cr *1 : DSCによれば -50℃まで SCA* からの相転移を示す
吸熱ピークは認められなかった。
【0049】
【表10】 しきい値電圧及びチルト角 比較例 No. VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度(℃) 4 4.7 3.8 27 100 5 4.0 2.0 36 80 6 3.5 2.3 35 70 7 4.1 1.1 37 70
【0050】実施例6 R-2-フルオロ-4-(1-ペンタフルオロエチル−6-エトキシ
ヘキシルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-オクチルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレート(一般式(1) にお
いて、R=C8H17, X=F, Y=F の場合)の製造。 実施例2における2-フルオロ−4-アセトキシ安息香酸の
代わりに3-フルオロ−4-アセトキシ安息香酸を用いた以
外は実施例2と同様に実施した。
【0051】得られた化合物の1H-NMR、相系列、および
その他物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を
下記に示した。 NMRスペクトル(ppm) :1(4.0)、2(7.0) 、3(7.
6) 、4(7.7) 、5(8.3) 、6(7.4) 、7(7.9) 、8(5.
7) 。 相系列 : I (63℃) SA (45℃) SCA*(以下不明)
*1 *1 : DSCによれば -50℃まで SCA* からの相転移を示す
吸熱ピークは認められなかった。 しきい値電圧及びチルト角 VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度 (℃) 3.2 1.9 34 53 下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番号と、下記した
化学構造式における水素原子の番号とは対応したもので
ある。
【0052】
【化7】
【0053】比較例8 R-2-フルオロ-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘ
キシルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-オクチルオキ
シビフェニル−4-カルボキシレートの製造。 実施例6における1,1,1,2,2-ペンタフルオロ−8-エトキ
シ−3-オクタノールの代わりに1,1,1-トリフルオロ−7-
エトキシ−2-ヘプタノールを用いた以外は実施例6と同
様に実施した。
【0054】得られた化合物の1H-NMR、相系列、および
その他物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を
下記に示した。 NMRスペクトル(ppm) :1(4.0)、2(7.0) 、3(7.
6) 、4(7.7) 、5(8.2) 、6(7.4) 、7(7.9) 、8(5.
6) 。 相系列 : I (86℃) SA (64℃) SCA* (42℃)Cr しきい値電圧及びチルト角 VTH1 (V/μm) VTH2 (V/μm) θ( °) 測定温度 (℃) 3.9 3.1 21 50 下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番号と、下記した
化学構造式における水素原子の番号とは対応したもので
ある。
【0055】
【化8】
【0056】参考例1 R-3-フルオロ-4-(1-ペンタフルオロエチル−5-エトキシ
ペンチルオキシカルボニル) フェニル-4'-n-オクチルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレートの製造。 実施例2における1,1,1,2,2-ペンタフルオロ−8-エトキ
シ−3-オクタノールの代わりに1,1,1,2,2-ペンタフルオ
ロ−7-エトキシ−3-ヘプタノールを用いた以外は実施例
1と全く同様に操作した。
【0057】得られた化合物の1H-NMR、相系列、および
その他物性値を実施例1と同様にして測定した。結果を
下記に示した。 NMRスペクトル(ppm) :1(4.0)、2(7.0) 、3(7.
6) 、4(7.7) 、5(8.2) 、6(7.4) 、7(7.9) 、8(5.
7) 。 相系列 : I (69℃) SCγ*(以下不明) なお、SCγ* はフェリ誘電相を示し、反強誘電相は認め
られなかった。下記の1H-NMRスペクトルの各ピ−クの番
号と、下記した化学構造式における水素原子の番号とは
対応したものである。
【0058】
【化9】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の化合物の1H-NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例1の化合物に、電圧を印加した時の光学
応答を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富山 照予 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表される新規な反強誘
    電性液晶。 【化1】 (式中Rは炭素数 6〜10の直鎖アルキル基、X,YはH
    またはFであり、X,Yが同時にFではない。)
  2. 【請求項2】 一般式(1) において、XがHまたはF、
    YがHであり、Rが炭素数 8の直鎖アルキル基である請
    求項1記載の反強誘電性液晶。
  3. 【請求項3】 一般式(1) において、XがH、YがFで
    あり、Rが炭素数 6又は9 の直鎖アルキル基である請求
    項1記載の反強誘電性液晶。
  4. 【請求項4】 一般式(1) において、XがH、YがFで
    あり、Rが炭素数 9の直鎖アルキル基である請求項1記
    載の反強誘電性液晶。
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