JPH0570392A - 液晶化合物 - Google Patents

液晶化合物

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JPH0570392A
JPH0570392A JP26523891A JP26523891A JPH0570392A JP H0570392 A JPH0570392 A JP H0570392A JP 26523891 A JP26523891 A JP 26523891A JP 26523891 A JP26523891 A JP 26523891A JP H0570392 A JPH0570392 A JP H0570392A
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JP
Japan
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liquid crystal
optically active
coo
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crystal compound
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JP26523891A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Okabe
伸宏 岡部
Noriko Yamakawa
則子 山川
Yasuhiro Koide
康弘 小出
Osamu Nonaka
修 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な光学活性化合物の提供、とくに三安定
状態を示す新規な液晶化合物の提供。 【構成】 光学活性含フッ素アルコールのエステルより
なる環状基をエチレン基でつないだ分子骨格構造に含む
新規な光学活性化合物で、例えば下記の一般式で示され
る。 【化1】 等で表わされる三安定状態を示す反強誘電性液晶化合
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状基をエチレン基で
つないだ骨格を含む新規液晶化合物に関する。本発明の
光学活性な液晶化合物の多くは、双安定状態を示す強誘
電性及び全く新しい光学的三安定状態を示すものであ
る。さらに、該液晶化合物は、電界への応答を利用した
表示素子や電気光学素子に使用されるものである。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)低消
費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた特徴を有
するため、現在まで、TN方式、STN方式、ゲスト-
ホスト(Gest-Host)方式などが開発され実用化されてい
る。しかし、現在広く利用されているネマチック液晶を
用いたものは、応答速度が数msec〜数十msecと遅い欠点
があり、応用上種々の制約を受けている。これらの問題
を解決するため、STN方式や薄層トランジスタなどを
用いたアクティブマトリックス方式などが開発された
が、STN型表示素子は、表示コントラストや視野角な
どの表示品位は優れたものとなったが、セルギャップや
チルト角の制御に高い精度を必要とすることや応答がや
や遅いことなどが問題となっている。このため、応答性
のすぐれた新しい液晶表示方式の開発が要望されてお
り、光学応答時間がμsecオーダーと極めて短かい超高
速デバイスが可能になる強誘電性液晶の開発が試みられ
ていた。
【0003】強誘電性液晶は、1975年、 Meyor 等によ
りDOBAMBC(p-デシルオキシベンジリデン-p-アミノ-2-メ
チルブチルシンナメート)が初めて合成された(Le Journ
alde Physique, 36巻 1975,L-69)。さらに、1980年、 C
larkとLagawall によりDOBAMBCのサブマイクロ秒の高速
応答、メモリー特性など表示ディバイス上の特性が報告
されて以来、強誘電性液晶が大きな注目を集めるように
なった〔N.A.Clark,etal.,Appl.Phys.Lett.36.899(198
0)〕。しかし、彼らの方式には、実用化に向けて多くの
技術的課題が有り、特に室温で強誘電性液晶を示す材料
は無く、表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の配列制
御に有効かつ実用的な方法も確立されていなかった。こ
の報告以来、液晶材料/デバイス両面からの様々な試み
がなされ、ツイスト二状態間のスイッチングを利用した
表示デバイスが試作され、それを用いた高速電気光学装
置も例えば特開昭56-107216号などで提案されている
が、高いコントラストや適正なしきい値特性は得られて
いない。
【0004】このような視点から他のスイッチング方式
についても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。
その後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有する
液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.D.L.Ch
andani,T.Hagiwara,Y.Suzukietal.,Japan.J.of Appl.Ph
ys., 27,(5),L729-L732(1988)〕。前記「三状態を有す
る」とは第一の電極基板と所定の間隙を隔てて配置され
ている第二の電極基板の間に強誘電性液晶が挾まれてな
る液晶電気光学装置において、前記第一及び第二の電極
基板に電界形成用の電圧が印加されるよう構成されてお
り、図1Aで示される三角波として電圧を印加したと
き、図1Dのように前記強誘電性液晶が、無電界時に分
子配向が第一の安定状態(図1Dの2)を有し、かつ、
電界印加時に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一
の安定状態とは異なる第二の安定状態(図1Dの1)を
有し、さらに他方の電界方向に対し前記第一及び第二の
安定状態とは異なる第三の分子配向安定状態(図1Dの
3)を有することを意味する。三状態スイッチング方式
は、液晶分子配向において従来の双安定状態とは基本的
に異なる三安定状態を示す液晶相S*(3)が示す駆動電
圧に対する明確なしきい特性とヒステリシス特性を応用
するものであり、単純マトリックス方式で大画面の動画
像表示が実現できる画期的な駆動方法と考えられる。更
に、三安定状態を示す液晶を使用する表示素子の性能は
三安定状態液晶固有の物性であるヒステリシスの形状に
大きく依存する。図2に示すような形状のヒステリシス
では0Vで理想的な暗状態を実現できるが、0VよりV
1まで電圧を上げると、又は0Vより−V1まで電圧を下
げると光漏れが生じる。このようなヒステリシスを持つ
三安定状態を示す液晶は暗状態のメモリー効果が悪いと
言える。そして、この現象は表示素子のコントラストの
低下をもたらす。それに対し、図3に示すようなヒステ
リシスでは0Vで実現した理想的な暗状態が電圧V2
は電圧−V2まで維持されており、暗状態のメモリー効
果が良いと言える。そして、表示素子のコントラストは
良好なものとなる。
【0005】三安定状態を示す液晶相S*(3)を相系列
に有する液晶化合物は、本発明者の出願した特開平1-3
16367号、特開平1-316372号、特開平1-316339号、特
開平2-28128号及び市橋等の特開平1-213390号公報が
あり、また三安定状態を利用した液晶電気光学装置とし
ては本出願人は特開平2-40625号、特開平2-153322号、
特開平2-173724号において新しい提案を行っているが、
本発明の液晶化合物は未知のものである。又、メモリー
効果の良好な三安定状態を示す液晶についての公開はま
だない。
【0006】
【目的】本発明は上記の問題点に鑑み、鋭意研究した結
果、環状基をエチル基でつないだ骨格を含む液晶化合物
が、化学的・光化学的に安定で、しかも低い光学的異方
性を示し、さらに従来の強誘電性液晶では得られなかっ
た三安定状態を示す液晶相S*(3)を有することを見い
出した。すなわち、本発明の目的は、三安定状態を示す
液晶相S*(3)を利用した新しい電気光学素子や液晶デ
ィスプレーなどに応用が期待できる環状基をエチレン基
でつないだ骨格を含む新規な液晶化合物を提供する点に
ある。
【0007】
【構成】第1の本発明は、下記の一般式(1)
【化18】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
合、YはCOO,OCO,CH2O,OCH2または単結
合、ZはCOOまたはOであり、(A)および(B)は
【化19】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、
(C)は
【化20】 で示される基、tはいずれもハロゲン原子が少なくとも
1つ以上置換していることを示す。*は光学活性炭素を
示す。〕で表わされることを特徴とする光学活性な液晶
化合物に関する。第2の本発明は、下記の一般式(2)
【化21】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
合、YはCOO,OCO,CH2O,OCH2または単結
合、ZはCOOまたはO、(A)は
【化22】 (B)および(C)は
【化23】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、tは
いずれもハロゲン原子が少なくとも1つ以上置換してい
ることを示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされ
ることを特徴とする光学活性な液晶化合物に関する。第
3の本発明は、下記の一般式(3)
【化24】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
合、ZはCOOまたはOであり、(A)、(B)および
(C)は
【化25】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、tは
いずれもハロゲン原子が少なくとも1つ以上置換してい
ることを示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされ
ることを特徴とする光学活性な液晶化合物に関する。な
お、前記ハロアルキル基としては、CH2F,CHF2
CF3,C25,CClF2,CCl3,CF3CCl2
を挙げることができるが、CF3とC25が最も好まし
い。tとしてはFが最も好ましく、ついでCl,Brの
順である。本発明の液晶化合物は光学的三安定状態を利
用した液晶電気光学装置に利用できるほか、従来型の光
学的二安定状態に利用できる。
【0008】次に、本発明の一般式(1)で示される光
学活性化合物の合成方法の例を示す。光学活性な(R)
−(+)または、(S)−(−)−トリフルオロ−2−
アルカノール()と4−ベンジルオキシ安息香酸クロ
ライド()等とをピリジン、トリエチルアミン等の塩
基の存在下、トルエン、塩化メチレン等有機溶媒と反応
させてエステル化合物()を得る。このエステル化合
物を脱ベンジル反応した後、得られたフェノール化合物
()と4−ヨード安息香酸クロリド()と反応させ
て、1−ヨードフェニレン−4−カルボン酸 4−
(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキシカル
ボニル)フェニルエステル()を得る。得られたフェ
ニルエステル()と4−アルキルオキシフェニルアセ
チレン()とをヨウ化銅、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(II)の存在下で反応を行
い、光学活性な4−(1,1,1−トリフルオロ−2−
アルキルオキシカルボニル)フェニル 4−〔4−(ア
ルキルオキシ)フェニルアセチレン〕ベンゾエート
()を得る。さらにPd/Cの触媒存在下、H2雰囲
気で反応を行い、目的化合物である光学活性な4−
(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキシカル
ボニル)フェニル 4−〔4−(アルキルオキシ)フェ
ニルエチレン〕ベンゾエート()を得る。 (以下余白)
【化26】
【0009】つぎに本発明の一般式(2)で示される光学
活性化合物の合成法を例を挙げて説明する。光学活性な
(R)−(+)または、(S)−(−)−トリフルオロ
−2−アルカノール(a)と4−ヨード安息香酸クロリ
ド(b)をピリジン、トリエチルアミン等の塩基の存在
下、トルエン、塩化メチレン等有機溶媒を用いて反応さ
せて4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオ
キシカルボニル)フェニル4−ヨードベンゾエート
(c)を得る。4−ヨードフェノール(d)と4−アル
キルオキシ安息香酸クロリド(e)を同様に反応させて
エステル化合物(f)を得る。これと2−プロピン−1
−オール(g)とをヨウ化銅、ジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)の存在下で反応を行
い、アルコール化合物(h)を得る。このアルコール化
合物を、水酸化カリウム、酸化マンガン(IV)の存在下
で反応させ、4−アセチレンフェニル 4−アルキルオ
キシベンゾエート(i)を得る。4−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−アルキルオキシカルボニル)フェニル
4−ヨードベンゾエート(c)と4−アセチレンフェニ
ル 4−アルキルオキシベンゾエート(i)を反応させ
て、4−[4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アル
キルオキシカルボニル)フェニルアセチレン]フェニル
4−アルキルオキシベンゾエート(j)を得る。前記
(j)をPd/C触媒の存在下、H2雰囲気で有機溶媒
中で反応を行い、目的物4−〔4−(1,1,1−トリ
フルオロ−2−アルキルオキシカルボニル)フェニルエ
チレン〕フェニル 4−アルキルオキシベンゾエート
(k)を得る。 (以下余白)
【化27】
【0010】また、本発明の一般式(3)で示される光
学活性化合物の合成方法は、前記合成法の説明から自ず
と明らかであろう。
【0011】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、こ
れに限定されるものではない。 実施例1 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル 4−〔4−(n−デシルオキシ)フェニルエチレン〕ベ
ンゾエート
【化28】 1)4−n−デシルオキシフェニルアセチレンの合成
【化29】 4−ヨード−n−デシルオキシフェニレン3.6g、ヨ
ウ化銅0.05g、ジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(II)0.07gをトリエチルアミ
ン20mlに加えて撹拌しながら、2−プロピオン−1
−オール0.6gを滴下する。一昼夜室温にて撹拌す
る。その後、反応液を水槽に入れ、エーテルを加えてエ
ーテル抽出する。希塩酸、希炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗った後、無水硫酸マグネシウムにて脱水後溶媒を減
圧留去する。n−ヘキサン、酢酸エチル混合溶液に溶か
し活性アルミナを通し精製する。4−(n−デシルオキ
シ)フェニルアセチレンメタノール1.6gを得る。次
いで、これをベンゼン20mlに溶かし、酸化マンガン
(IV)1.6g、水酸化カリウム0.8gを加えて一
昼夜撹拌する。濾紙で濾過後、溶媒を減圧留去する。n
−ヘキサンで溶解させた後、活性アルミナカラムに通し
て精製する。目的物を1.3gを得る。 2)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 4−ベ
ンジルオキシベンゾエートの合成
【化30】 (R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−オク
タノール3.7g、トリエチルアミン1.2gを塩化メ
チレン40mlに加えて撹拌しながら、4−ベンジルオ
キシ安息香酸クロリド4.3gの塩化メチレン40ml
を滴下する。さらに、ジメチルアミノピリジン0.5g
を加えて、室温にて一昼夜撹拌する。その後、反応液を
水槽に入れ中性とし、塩化メチレン層を抽出後、無水硫
酸マグネシウムにて脱水する。溶媒を減圧留去した後、
シリカゲルクロマト法により分離精製し目的物3.5g
を得る。 3)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 4−ヒ
ドロキシベンゾエートの合成
【化31】 上記2)で得た1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ル 4−ベンジルオキシベンゾエート1.8gをエタノ
ール15mlに溶解し、Pd−カーボン0.36g加え
る。水素雰囲気化、室温で一昼夜撹拌する。Pd−カー
ボンを濾過除去した後、溶媒を減圧留去し目的物1.4
gを得る。 4)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル)フェニル 4−ヨードベンゾエートの
合成
【化32】 上記3)で得た1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ル−4−ヒドロキシベンゾエート0.8g、トリエチル
アミン0.3gを塩化メチレン15mlに溶解した後、
4−ヨード安息香酸クロリド0.8gを塩化メチレン1
0mlに溶解した溶液を滴下し、ジメチルアミノピリジ
ン0.1g加える。室温下一昼夜撹拌する。反応液を水
槽に入れ、希塩酸で中性にした後、塩化メチレン層を分
離し、無水硫酸マグネシウムにて脱水する。シリカゲル
クロマト法により分離精製し目的物1.3gを得る。 5)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル)フェニル 4−〔4−(n−デシルオ
キシ)フェニルアセチレン〕ベンゾエートの合成
【化33】 4)で得た1−ヨードフェニレン−4−カルボン酸 4
−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカ
ルボニル)フェニルエステル1.3g、ヨウ化銅0.0
1g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)0.02gをトリエチルアミン3mlに入
れ撹拌し、トリエチルアミン3mlに1)で得た4−デ
シルオキシフェニルアセチレン0.6gを溶解した溶液
を滴下する。室温で一昼夜撹拌する。その後、反応液を
水槽に入れ、エーテルを加えてエーテル抽出する。希塩
酸、希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸
マグネシウムにて脱水後溶媒を減圧留去する。目的化合
物0.8gを得る。 6)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル)フェニル 4−〔4−(n−デシルオ
キシ)フェニルエチレン〕ベンゾエートの合成
【化34】 5)で得た4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オク
チルオキシカルボニル)フェニル 4−〔4−(n−デ
シルオキシ)フェニルアセチレン〕ベンゾエート0.8
gをエタノール20mlに溶解し、Pd−カーボン0.
1g加える。水素雰囲気下、室温で一昼夜撹拌する。P
d−カーボンをロ過除去した後、溶媒を減圧留去し、目
的化合物0.5gを得る。n−ヘキサン、酢酸エチル混
合溶液に溶かし活性アルミナを通した後、シリカゲルク
ロマト法にて精製分離する。さらに、エタノール等の溶
媒により再結晶して精製する。目的光学活性化合物0.
3gを得る。本化合物は、ホットステージ付き顕微鏡観
察及びDSCによる測定から液晶性を示し、次のような
相転移温度(℃)を示した。
【表1】 但し、S*(3)は三安定状態液晶相である。本化合物の
赤外吸収スペクトル図を図4に示した。
【0012】実施例2 4′−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)ビフェニル 4−〔4−(n−デシルオキ
シ)フェニルエチレン〕ベンゾエート。
【化35】 実施例1の4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドの代わ
りに4′−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸
クロリドを用いて同様の方法により合成して、目的化合
物である4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル
オキシカルボニル)ビフェニル 4−〔4−(n−デシ
ルオキシ)フェニルエチレン〕ベンゾエートを得る。本
化合物は、ホットステージ付き顕微鏡観察及びDSCに
よる測定から液晶性を示し、次のような相転移温度
(℃)を示した。
【表2】 但し、S*(3)は三安定状態液晶相である。本化合物の
赤外吸収スペクトル図を図5に示した。
【0013】実施例3 4−〔4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル)フェニルエチレン〕フェニル 4−n
−オクチルオキシベンゾエート
【化36】 1) 4−ヨードフェニル 4−n−オクチルオキシベ
ンゾエートの合成
【化37】 4−ヨードフェノール 0.8g、トリエチルアミン
0.4gを塩化メチレン10mlに加えて撹拌しなが
ら、4−n−オクチルオキシ安息香酸クロリド1.1g
の塩化メチレン溶液10mlを滴下する。さらにジメチ
ルアミノピリジン0.2g加えて、室温にて一昼夜撹拌
する。その後、反応液を水層に入れ中性とし、塩化メチ
レン層を抽出後、無水硫酸マグネシウムにて脱水する。
溶媒を減圧留去した後、シリカゲルクロマト法により分
離精製し目的物1.6gを得る。 2) 4−アセチレンフェニル 4−n−オクチルオキ
シベンゾエートの合成
【化38】 上記1)で得た4−ヨードフェニル 4−n−オクチル
オキシベンゾエート1.6g、ヨウ化銅0.02g、ジ
クロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(I
I)0.03gをトリエチルアミン20mlに加えて撹
拌しながら、2−プロピン−1−オール0.2gを滴下
する。一昼夜室温にて撹拌する。その後、反応液を水層
に入れ、エーテルを加えてエーテル抽出する。希塩酸、
希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸マグ
ネシウムにて脱水後溶媒を減圧留去する。n−ヘキサ
ン、酢酸エチル混合溶媒に溶かし活性アルミナを通し精
製する。4−(3−(2−プロピン−1−オール))フ
ェニル 4−n−オクチルオキシベンゾエート 0.5
gを得る。次いで、これをベンゼン10mlに溶かし、
酸化マンガン(IV)0.4g、水酸化カリウム0.2g
を加えて一昼夜撹拌する。濾紙で濾過後、溶媒を減圧留
去する。n−ヘキサンで溶解させた後、活性アルミナカ
ラムに通して精製する。目的物0.14gを得る。 3) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオ
キシカルボニル)フェニル 4−ヨードベンゾエートの
合成
【化39】 (R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクタ
ノール 3.7g、トリエチルアミン 1.3gを塩化
メチレン40mlに加えて撹拌しながら、4−ヨード安
息香酸クロリド3.6gの塩化メチレン40mlを滴下
する。さらに、ジメチルアミノピリジン0.5gを加え
て、室温にて一昼夜撹拌する。その後、反応液を水層に
入れ中性とし、塩化メチレン層を抽出後、無水硫酸マグ
ネシウムにて脱水する。溶媒を減圧留去した後、シリカ
ゲルクロマト法により分離精製し目的物4.8を得る。 4) 4−〔4−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル)フェニルアセチレン〕フェニル
4−n−オクチルオキシベンゾエートの合成
【化40】 3)で得た4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル)フェニル 4−ヨードベンゾエー
ト0.17g、ヨウ化銅0.01g、ジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.01gを
トリエチルアミン3mlに入れ撹拌し、トリエチルアミ
ン3mlに2)で得た4−アセチレンフェニル 4−n
−オクチルオキシベンゾエート0.14gを溶解した溶
液を滴下する。室温で一昼夜撹拌する。その後、反応液
を水層に入れ、エーテルを加えてエーテル抽出する。希
塩酸、希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫
酸マグネシウムにて脱水後溶媒を減圧留去する。目的物
を0.18gを得る。 5) 4−〔4−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ルオキシカルボニル)フェニルエチレン〕フェニル 4
−n−オクチルオキシベンゾエートの合成
【化41】 4)で得た4−〔4−(1,1,1−トリフルオロ−2−
オクチルオキシカルボニル)フェニルアセチレン〕フェ
ニル 4−n−オクチルオキシベンゾエート0.18g
をエタノール30mlに溶解した後、Pd−カーボン
0.01g加え、水素雰囲気下、室温で一昼夜撹拌した
後、Pd−カーボンをロ過により除去し、溶媒を減圧留
去する。n−ヘキサン、酢酸エチル混合溶液に溶かし、
シリカゲルクロマト法にて精製分離する。さらに、エタ
ノール等の溶媒により再結晶して精製する。目的光学活
性化合物0.1gを得る。本化合物は、ホットステージ
付き顕微鏡観察及びDSCによる測定から液晶性を示
し、次のような相転移温度(℃)を示した。
【表3】 但し、S*(3)は三安定状態液晶相である。本化合物の
赤外吸収スペクトル図を図6に示した。 実施例4 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚1.6μmの液晶セルに実施例2で得ら
れた液晶化合物4′−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)ビフェニル 4−〔4−
(n−デシルオキシ)フェニルエチレン〕ベンゾエート
をIsotropic相において充填し、液晶薄膜セル
を作成した。作成した液晶セルを2枚の偏光板を直交さ
せたフォトマルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、電圧0
Vの状態で暗視野となるように配置する。この液晶セル
を0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にて、SA相ま
で徐冷する。さらに冷却してゆき、127〜83℃の温
度範囲において、図7(a)に示す±50V、1Hzの
三角波電圧を印加する。85℃での印加電圧と透過率と
の関係から、図7(b)のようなヒステリシスが得られ
た。0→+V3までは暗状態を保ち+V3で急峻な立ち上
がりの後、明状態になる。+50→+V4までは明状態
を保ち、+V4で急激に暗状態になる。0→−V3まで暗
状態を保ち、−V3で急峻な立ち上がりの後、明状態に
なる。−50V→−V4までは明状態を保ち、−V4で急
激に暗状態になる。印加電圧が+50V→−50Vに変
化するときスイッチングを伴なった明→暗→明の、3つ
の状態に変化していることが観察され、三つの安定な液
晶分子の配向状態があることを確認した。他の実施例の
化合物についても同様のS*(3)相において同一の効
果が確認された。0V〜+V3,0V〜−V3までの暗部
の透過率の変化が極めて少ない。これは、暗部のメモリ
ー効果が極めて良好であることを示している。
【発明の効果】
1.本発明の光学活性液晶化合物において、強誘電性液
晶性を示すものは、単体または他の液晶化合物との混合
で液晶表示素子等へ利用可能である。また、液晶性の低
いものでも、他の液晶化合物と共に混合して液晶組成物
を構成することができる。 2.さらに、本発明の光学活性液晶化合物のうちでS*
(3)相を示す反強誘電性液晶は三状態を利用した電気
光学装置、表示デバイス、スイッチング素子等の用途を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aが印加される三角波を、Bが市販ネマチック
液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三状態液晶の、それぞ
れの光学応答特性を示す。
【図2】三状態液晶に関する暗部のメモリー効果の良く
ないヒステリシスを示す。
【図3】三状態液晶に関する暗部のメモリー効果の良い
ヒステリシスを示す。
【図4】本発明実施例1の液晶化合物の赤外線吸収スペ
クトルを示す。赤外線吸収スペクトルは縦軸が透過率、
横軸が波数を示す。
【図5】本発明実施例2の液晶化合物の赤外線吸収スペ
クトルを示す。
【図6】本発明実施例3の液晶化合物の赤外線吸収スペ
クトルを示す。
【図7】実施例4における実施例2の三状態液晶化合物
が示すヒステリシスを示したものであり、(a)は印加し
た三角波電圧を、(b)は印加した三角波電圧に対する実
施例2の化合物の光透過率変化のヒステリシスを示した
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/30 6742−4H (72)発明者 野中 修 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シエル石油株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
    アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
    合、YはCOO,OCO,CH2O,OCH2または単結
    合、ZはCOOまたはOであり、 (A)および(B)は 【化2】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、 (C)は 【化3】 で示される基であり、tはいずれもハロゲン原子が少な
    くとも1つ以上置換していることを示す。*は光学活性
    炭素を示す。〕で表わされることを特徴とする光学活性
    な液晶化合物。
  2. 【請求項2】 【化4】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
    アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
    合、YはCOO,OCO,CH2O,OCH2または単結
    合、ZはCOOまたはO、 (A)は 【化5】 (B)および(C)は 【化6】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、tは
    いずれもハロゲン原子が少なくとも1つ以上置換してい
    ることを示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされ
    ることを特徴とする光学活性な液晶化合物。
  3. 【請求項3】 【化7】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3はアルキル基またはハロ
    アルキル基、XはO,COO,OCO,COまたは単結
    合、ZはCOOまたはOであり、 (A)、(B)および(C)は 【化8】 よりなる群から独立して選らばれた環状基であり、tは
    いずれもハロゲン原子が少なくとも1つ以上置換してい
    ることを示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされ
    ることを特徴とする光学活性な液晶化合物。
  4. 【請求項4】 【化9】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合、tはハロゲン原
    子が少なくとも1つ以上置換していることを示す。*は
    光学活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す
    光学活性な反強誘電性液晶化合物。
  5. 【請求項5】 【化10】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合を示す。*は光学
    活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す光学
    活性な反強誘電性液晶化合物。
  6. 【請求項6】 【化11】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合、tはハロゲン原
    子が少なくとも1つ以上置換していることを示す。*は
    光学活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す
    光学活性な反強誘電性液晶化合物。
  7. 【請求項7】 【化12】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合を示す。*は光学
    活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す光学
    活性な反強誘電性液晶化合物。
  8. 【請求項8】 【化13】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合を示す。*は光学
    活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す光学
    活性な反強誘電性液晶化合物。
  9. 【請求項9】 【化14】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    X′はO,COO,COまたは単結合を示す。*は光学
    活性炭素を示す。〕で表わされる三安定状態を示す光学
    活性な反強誘電性液晶化合物。
  10. 【請求項10】 【化15】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされる三安定
    状態を示す光学活性な反強誘電性液晶化合物。
  11. 【請求項11】 【化16】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされる三安定
    状態を示す光学活性な反強誘電性液晶化合物。
  12. 【請求項12】 【化17】 〔式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基より独立
    して選らばれた基であり、R3′はCF3またはC25
    示す。*は光学活性炭素を示す。〕で表わされる三安定
    状態を示す光学活性な反強誘電性液晶化合物。
  13. 【請求項13】請求項1,2および3記載の液晶化合物
    を1種類以上含有することを特徴とする液晶組成物。
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EP0962445A1 (en) * 1998-06-05 1999-12-08 Mitsui Chemicals, Inc. Acetylene compound, liquid crystal composition and liquid crystal element
KR100341721B1 (ko) * 1998-06-05 2002-06-24 사토 아키오 아세틸렌화합물, 액정조성물 및 액정소자

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