JP2933688B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JP2933688B2 JP2196671A JP19667190A JP2933688B2 JP 2933688 B2 JP2933688 B2 JP 2933688B2 JP 2196671 A JP2196671 A JP 2196671A JP 19667190 A JP19667190 A JP 19667190A JP 2933688 B2 JP2933688 B2 JP 2933688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特定の液晶化合物を三安定状態で利用する
ことを特徴とする液晶素子に関する。
〔従来技術〕
液晶を用いた電気光学装置としては、DSM形、TN形、
G−H形、STN形などのネマチック液晶を用いた電気光
学装置が開発され実用化されている。しかしながら、こ
のようなネマチック液晶を用いたものはいずれも応答速
度が数mから数十msecと極めて遅いという欠点を有する
ため、その応答分野に制約がある。ネマチック液晶を用
いた素子の応答速度がおそいのは分子を動かすトルクが
基本的に誘電率の異方性に基づいているため、その力が
あまり強くないためである。このような背景の中で、自
発分極(Ps)を持ち、トルクがPsXE(Eは印加電界)に
基づいているため、その力が強く、数μsecから数十μs
ecの高速応答が可能な強誘電性液晶のDOBAMBC(p−デ
シルオキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチ
ルシンナメート)がMeyerらによって合成された(Le Jo
urnal de Physique,36巻,1975,L−69)。
さらに、その後、ClarkとLagawallにより強誘電性液
晶(DOBAMBC)を用いた高速電気光学装置が提案されて
いる。
それは、壁面の力でねじれ構造を解き壁面と平行とな
った2つの分子配向を印加電界の極性により変化させる
ものである(特開昭56−107216号参照)。
前記のものは、第1図の電界応答波形に示すような理
想の二状態を呈する化合物の存在を前提にしたものであ
る。しかしながら、現実は前記の理想の二状態を呈する
化合物は発見されておらず、これまでに合成された二状
態液晶の電界応答波形は第2図のようになってしまい、
第1図のような応答波形は得られていない。第2図のよ
うな応答波形を示すものを例えば光のスイッチング回路
に利用しようとすると、印加電圧がから側に変化す
るにつれて徐々に透過率が変化する形であるため、単純
にON,OFFの印加電圧変化では充分目的を果すことができ
ないのが実状である。さらにこれまで合成されている二
状態液晶は無電界時のS*c相段階において理想の分子配
向状態であるモノドメイン状態をつくることが難しく、
デイスクリネーション(欠陥)を生じたり、ツイストと
よばれる分子配向の乱れを生ずる。そのため大面積で前
記理想の2状態配向を実現することは困難である。さら
に、閾値(輝度が所定値変化する電圧)が低いので、ダ
イナミツク駆動を行った場合にコントラストが低下した
り、視野角範囲が狭くなったりする。また、これまでに
合成された二状態液晶は第1図のようなヒステリシスを
示すことができず、第2図のようなヒステリシスしか示
せないためメモリー効果がない。したがって、液晶に安
定なS*c相における応答を保持させるためには、第2図
のυ3の電圧を印加しつづけるか、あるいは高周波をか
けつづけておかなければならず、いずれにしてもエネル
ギーロスが大きい。
結局、強誘電性液晶で得られる印加電界と分子配向の
強い結合を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望
まれているものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置で
は、まだ多くの問題が残されているのが実状である。
そこで、本発明では、無電界で明暗コントラストのは
っきりした安定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特
性と第3図に示したような明確なヒステリシスを出現さ
せ、また容易にダイナミック駆動を実現し、さらに、高
速応答を可能とした三安定状態を利用した液晶素子を提
供することを目的とするものである。
〔目的〕
本発明の目的は、キラスメクチック相を示す強誘電液
晶および従来の双安定状態相であるキラルスメクティッ
クC相(S*c相)とは異なる、全く新しい三安定状態を
利用した液晶素子を提供する点にある。
前記「三状態を有する」とは第一の電極基板と所定の
間隙を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘
電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前
記第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加さ
れるよう構成されており、第4図Aで示される三角波と
して電圧を印加したとき、第4図Dのように前記強誘電
性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(第4
図Dの)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向
に対し分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の
安定状態(第4図Dの)を有し、さらに他方の電界方
向に対し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の
分子配向安定状態(第4図Dの)を有することを意味
する。なお、この三安定状態すなわち三状態を利用する
液晶電気光学装置については本出願人は特開平2−1533
22号として出願している。
これに対して、「市販のネマチック液晶」やこれまで
に合成された二状態液晶は、第4図B,Cでみられるとお
り、三つの安定状態を有していない。
この新しい三状態強誘電性液晶は従来のネマティック
型液晶と較べて液晶ディスプレイとしたとき画期的効果
を発揮する。
従来型は、高画質を得るには駆動方式がアクティブマ
トリックス方式という大へん複雑な構造をとる必要があ
ったのに対し、三状態強誘電性液晶は単純なマトリック
ス形表示ですむ。このため従来型の場合は生産工程が複
雑となり、画面の大型化は困難であり、製造コストも高
いものになるのに対し、三状態強誘電性液晶の場合は生
産工程が簡単であり、画面も大型化が可能となり、製造
コストも安価にできるという画期的なものである。
〔本発明の構成〕
本発明は、一般式〔I〕 〔式中、R1は炭素数5〜18のアルキル基、R2は炭素数4
〜15のアルキル基、 (A)および(B)は よりなる群から選ばれた基であり、*は光学活性中心を
表わす。〕 で表わされる化合物を三安定状態において利用すること
を特徴とする液晶素子に関する。
本発明の前記一般式で示す液晶化合物のうち、三安定
状態がどの程度すぐれているかどうかのカギは、つぎの
とおりである。
(i)不斉炭素原子に結合しているCF3がもっとも三安
定状態の発現を左右する。
CF3がCH3で置換されると、ほとんど三安定状態を発現し
ない。
(ii)前記式中、X,Yのうち、とくにYがエステル結合
の場合であって、そのエステルの方向が不斉炭素原子に
結合している の方向と同一の場合であることが三安定状態の発現に望
ましい。
Xについても、ほぼ同様のことがいえる。
(iii)前記式中(A)と(B)が一方がビフェニル基
で、他方がフェノール基である組合せが三安定状態の発
現に好ましい。
本発明の好ましい化合物には、例えば、以下のような
ものがある。
〔式中、R1、R2は前述のとおりであるが、R1は好ましく
は炭素数5〜18のアルキル基、とくに好ましくは炭素数
6〜12の直鎖アルキル基であり、R2は好ましくは炭素数
4〜15のアルキル基、とくに好ましくは炭素数5〜12の
直鎖アルキル基〕 本発明の化合物の合成例としては次のようなものがあ
る。
(1)4−ベンジルオキシ安息香酸クロライドと光学活
性な1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノールとを反応
させて、4−ベンジルオキシ安息香酸1,1,1−トリフル
オロ−2−アルキルエステルを得、これを水素化分解反
応して、4−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロ
−2−アルキルエステルを得た。得られたアルキルエス
テルを4−n−アルカノイルオキシビフェニルカルボン
酸クロライドと反応させて目的化合物である光学活性な
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキシカル
ボニル)フェニル 4−n−アルカノイルオキシビフェニ
ルカルボキシレートを得る。
(2)4−ベンジルオキシビフェニル−4′−カルボン
酸塩化物と光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−アル
カノールとを反応させて、4−ベンジルオキシビフェニ
ル−4−カルボン酸1,1,1−トリフルオロ−2−アルキ
ルエステルを得、これを水素化分解反応して、4−ヒド
ロキシビフェニル−カルボン酸1,1,1−トリフルオロ−
2−アルキルエステルを得た。得られたアルキルエステ
ルを4−n−アルカノイルオキシ安息香酸塩化物と反応
させて目的化合物である光学活性な4′−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−アルキルオキシカルボニル)ビフェニ
ル−4−n−アルカノイルオキシベンゾエートを得る。
(3)テレフタル酸クロライドに光学活性な1,1,1−ト
リフルオロ−2−アルカノールを反応させて、1,1,1−
トリフルオロアルキルテレフタル酸モノエステルを得、
次にこれに4−アルカノイルオキシ−4′−ヒドロキシ
ビフェニルを反応させて、光学活性な4−アルカノイル
オキシビフェニル4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ア
ルキルオキシカルボニル)ベンゾエートを得る。
〔実施例〕
以下、製造例により本発明に用いる液晶化合物の製法
を説明し、実施例によりそれらの化合物を三安定状態で
利用する液晶素子について説明するが、本発明はこれに
より何等限定されるものではない。
製造例1 1)1,1,1−トリフルオロ−2−デシル4−ベンジルオ
キシベンゾエートの合成 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化メ
チレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な1,1,1−トリ
フルオロ−2−デカノール0.96gとジメチルアミノピリ
ジン0.55gとトリエチルアミン0.48gとを塩化メチレン20
mlに溶解した溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。
反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を
氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相
を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去
し、粗生成物を得た。これをトルエン−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフで処理し、さらにエタノールにて再結
晶して目的物1.84gを得た。
2)1,1,1−トリフルオロ−2−デシル4−ヒドロキシ
ベンゾエートの合成 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、10
%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲気下水添反
応を行ない、目的化合物1.43gを得た。
3)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオキシカ
ルボニル)フェニル4′−n−ノナノイルオキシビフェ
ニル−4−カルボキシレートの合成 4′−n−ノナノイルオキシビフェニル−4−カルボ
ン酸1.20gを過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間
加熱した後未反応の塩化チオニルを留去して4′−n−
ノナノイルオキシジフェニルカルボン酸塩化物を得た。
酸塩化物を塩化メチレン12.0mlに溶解した溶液に、先
に合成した4−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオ
ロデシルエステル1.00g、トリエチルアミン0.32gおよび
ジメチルアミノピリジン0.37gを塩化メチレン30mlに溶
解したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応させ
た。
次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて抽
出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリウム水
溶液、そして水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後溶媒を留去して、粗生成物を得た。これをト
ルエン−シリカゲルカラムクロマトグラフ法により精製
して、光学活性な目的化合物1.1gを得た。
相転移点の測定等には該化合物を無水エタノールにて
再結晶して更に精製して用いた。
目的化合物の相転移温度(℃)はホットステージによ
る偏光顕微鏡観察により を得た。
ここでS*(3)は三安定状態を示す相である。
製造例2 上記製造例1の1)で使用した1,1,1−トリフルオロ
−2−デカノールの代りに、1,1,1−トリフルオロ−2
−オクタノールを用いて製造例1と全く同様にして下記
の光学活性な化合物を合成した。
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)フェニル 4′−n−ノナノイルオキシビフェニ
ル−4−カルボキシレート 目的化合物の相転移温度(℃)はホットステージによ
る偏光顕微鏡観察により を得た。ここでS*(3)は三安定状態を示す相である。
製造例3 上記製造例1の3)で使用した4′−ノナノイルオキ
シビフェニル−4−カルボン酸の代りに、4′−デシル
オキシカルボニルビフェニル−4′−カルボン酸を用い
て製造例1と全く同様の方法で下記の光学活性化合物を
合成した。
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)フェニル4′−n−デシルオキシカルボニルビ
フェニル−4−カルボキシレート 目的化合物の相転移温度(℃)はホットステージによ
る偏光顕微鏡観察により を得た。
製造例4 4′−n−ウンデカノイルオキシビフェニル 4−(1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)
ベンゾエートの合成 1)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルテレフタル酸
モノエステルの合成 テレフタル酸クロリド11.2gを塩化メチレン50mlに溶
解させ次いで光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クタノール10.0gとピリジン13gとを氷冷下にて少量ずつ
滴下した。反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、
反応液を希塩酸、水、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、水
にて順次洗浄して有機相を回収し、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥後、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。こ
れをトルエン−シリカゲルカラムクロマトグラフにより
処理して、更にエタノールにて再結晶して目的化合物3.
3gを得た。
2)4′−n−ウンデカノイルオキシビフェニル−
(4)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキ
シカルボニル)ベンゾエートの合成 1)で得られた化合物1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチルテレフタル酸モノエステル3.3g、4−ウンデカノ
イルオキシ−4′−ヒドロキシビフェニル3.5g、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド3.19gおよびジメチルアミノ
ピリジン0.3gをテトラヒドロフラン溶媒100mlに投入
し、室温にて1昼夜反応させる。
次いで反応液中のテトラヒドロフラン溶媒を適当量減
圧留去し、冷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し、塩
化メチレン相を1N炭酸水素ナトリウム水溶液、水、希塩
酸、水にて中性になるまでよく洗浄して、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を留去して粗生成物を得る。
これをトルエン−シリカゲルカラムクロマトグラフにて
処理し、更にエタノールにて再結晶をくり返して光学活
性な目的化合物1.5gを得る。
目的化合物の比旋光度は ▲〔α〕20 D▼=+23.8° を示し、相転移温度(℃)はDSCとホットステージによ
る顕微鏡観察により、次を得た。
製造例 4−n−デシルオキシカルボニルフェニル4′−(1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)
ビフェニル−4−カルボキシレート 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカ
ルボニル)−4′−ヒドロキシビフェニル0.5gとn−4
−デシルオキシカルボニル安息香酸0.4gとをジシクロカ
ルボジイミド0.3gと数片のジメチルアミノピリジンとテ
トラヒドロフラン30mlとの存在下で反応させ、粗目的化
合物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ法
(ヘキサン:酢酸エチル=10:0.5)により精製し、更に
エタノールにより再結晶して光学活性な目的化合物0.1g
を得た。
上記目的化合物の相転移温度(℃)はDSCとホットス
テージによる顕微鏡観察により、次を得た。
製造例6 1)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル4−ベンジル
オキシベンゾエートの合成 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化メ
チレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な1,1,1−トリ
フルオロ−2−オクタノール0.98gとジメチルアミノピ
リジン0.55gとトリエチルアミン0.48gとを塩化メチレン
20mlに溶解した溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。
反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を
氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相
を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去
し、粗生成物を得た。これをトルエン−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフにて処理し、さらにエタノールにて再
結晶して目的物1.84gを得た。
2)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル4−ヒドロキ
シベンゾエートの合成 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、10%
担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲気下水添反応
を行ない、目的化合物1.43gを得た。
3)4−(1,1,1−トリリフルオロ−2−オクチルオキ
シカルボニル)フェニル4′−n−オクチルオキシカル
ボニルビフェニル−4−カルボキシレートの合成 n−オクタノール0.33gとトリエチルアミン0.3gとを
約40mlの塩化メチレンに溶解する。この中に、4,4′−
ビフェニルジカルボニルクロリド0.7gを滴下した後、ジ
メチルアミノピリジン0.1gを加え、一昼夜かきまぜ、n
−オクチルオキシカルボニルビフェニル酸塩化物を含む
粗成物を得た。
2)で得られた1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル
−4−ヒドロキシベンゾエート0.76gとトリエチルアミ
ン0.3gとを約30mlの塩化メチレンに溶解し、先に述べた
n−オクチルオキシカルボニルビフェニル酸塩化物を含
む粗成物を滴下する。ジメチルアミノピリジン0.1gを加
え、一昼夜かきまぜた。
次いで、反応液を水中に投入し、液性を中性にした
後、塩化メチレン層を抽出する。無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を留去して、目的物を含む粗生成物
を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ(展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)により精製し、目
的化合物0.8gを得た。
相転移点の測定等には、該化合物を無水エタノールに
て再結晶して更に精製して用いた。
ホットステージによる顕微鏡観察による相転移温度
(℃)は次のとおりである。
ここでS*(3)は光学的に三安定状態を示す相であ
る。目的物の赤外線吸収スペクトル(KBr)を第5図に
示す。
実施例1 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.9μmの液晶セルに、製造例1で得ら
れた液晶化合物をIsotropic相において充填し、液晶薄
膜セルを作成した。
この薄膜セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にて徐冷
し、SA相を配向させ、±30V、10Hzの矩形波を印加し、
フォトマルチプライヤー付偏光顕微鏡にて電気光学的応
答動作を検出したところ、第6図に示すように、SA相に
おいて印加電界(a)に対して光学応答するエレクトロ
クリニック効果(b)を観察した。他の製造例の化合物
においても同一の効果が観察された。
実施例2 実施例1と全く同様の方法にて作成した液晶セルを2
枚の偏光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏
光顕微鏡に、マイナス電圧印加時の分子長軸方向と偏光
子が重なる状態に配置した。この液晶セルを0.1〜1.0℃
/1分間の温度勾配にてS*(3)相まで徐冷した。さらに
冷却してゆき、99.9℃〜59.6℃の温度範囲において、±
30V、10Hzの三角波電圧(a)を印加した場合を第7図
に示した。印加電圧がマイナス域での暗状態、0ボルト
域での中間状態、プラス域での明状態と光透過率が三つ
の状態に変化(c)し、これに対応して分極反転電流波
形のピーク(b)もそれぞれ表れていることを観察し、
三つの安定な液晶分子の配向状態があることを確認し
た。S*(3)を示した他の製造例の化合物においても同
一の効果が観察された。
〔効果〕
本発明は、本発明で用いる液晶化合物が新しい三安定
状態を呈することを見出し、この三安定状態を利用した
液晶素子を提供するものであり、これにより、極めて高
速応答が可能な全く新しいタイプの液晶素子を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、現実には得られていない理想の二状態液晶の
ヒステリシスを、第2図は現実にこれまでに合成された
二状態液晶のヒステリシスを、第3図は本発明にかかる
三状態液晶のヒステリシスをそれぞれ示すものであり、
第1〜3図とも、横軸は印加電圧を、縦軸は透過率
(%)を示す。第4図はAが印加される三角波を、Bが
市販ネマチック液晶の、Cは2状態液晶の、Dは三状態
液晶の、それぞれの光学応答特性を示す。 第5図は、本発明化合物の赤外線吸収スペクトルを、第
6図はエレクトロクリニック効果を示したもので、図中
aは液晶電気光学素子に印加した交番電圧を、図中bは
図中aの交番電圧に対する光透過率の変化を示したもの
である。 第7図は、本発明の化合物の三状態スイッチングを示し
たもので、図中aは液晶電気光学素子に印加した三角波
電圧を、図中bは分極反転電流を、そして図中cは図中
aの三角波電圧に対する光透過率の変化を示したもので
ある。
フロントページの続き (72)発明者 河村 一朗 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 相原 良彦 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 磯崎 忠昭 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 佐久間 繁徳 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 最上谷 浩之 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−5441(JP,A) 特開 平2−258745(JP,A) 特開 平2−255641(JP,A) 特開 平1−139551(JP,A) 特開 平3−11041(JP,A) 特開 平2−69440(JP,A) 特開 平2−153322(JP,A) 特開 昭63−307837(JP,A) 特開 平2−67253(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/20 C07C 69/86 C07C 69/773 C07C 69/94 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 〔式中、R1は炭素数5〜18のアルキル基、R2は炭素数4
    〜15のアルキル基、 (A)および(B)は よりなる群から選ばれた基であり、*は光学活性中心を
    表わす。〕 で表わされる化合物を三安定状態において利用すること
    を特徴とする液晶素子。
JP2196671A 1989-07-26 1990-07-25 液晶素子 Expired - Fee Related JP2933688B2 (ja)

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JP19369489 1989-07-26
JP2-147636 1990-06-06
JP14763690 1990-06-06
JP1-193694 1990-06-06

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