JP2895614B2 - 液晶化合物 - Google Patents

液晶化合物

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JP2895614B2 JP31514290A JP31514290A JP2895614B2 JP 2895614 B2 JP2895614 B2 JP 2895614B2 JP 31514290 A JP31514290 A JP 31514290A JP 31514290 A JP31514290 A JP 31514290A JP 2895614 B2 JP2895614 B2 JP 2895614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、三つの安定した分子配向状態(三安定状
態)または四安定状態を示す強誘電性液晶化合物を、三
安定状態または四安定状態で駆動させる液晶素子に関す
る。
〔従来技術〕
液晶を用いた電気光学装置としては、DSM形、TN形、
G−H形、STN形などのネマチック液晶を用いた電気光
学装置が開発され実用化されている。しかしながら、こ
のようなネマチック液晶を用いたものはいずれも応答速
度が数mから数十m secと極めて遅いという欠点を有す
るため、その応用分野に制約がある。ネマチック液晶を
用いた素子の応答速度がおそいのは分子を動かすトルク
が基本的に誘電率の異方性に基づいているため、その力
があまり強くないためである。このような背景の中で、
自発分極(Ps)を持ち、トルクがPa×E(Eは印加電
界)に基づいているため、その力が強く、数μsecから
数十μsecの高速応答が可能な強誘電性液晶がMeyerらに
より開発された(Le Journal de Physique,36巻,1975,L
−69)。又、最近になって光学的三安定状態を示す新た
な液晶化合物が本発明者等によって発見され、本発明者
等の特開昭63−307837号、特開平1−316367、特開平1
−316339、特開平2−131450、特開平2−28128、特開
平2−131450、特開平2−160748及び市橋等の特開平1
−213390号に開示されている。
また、応用面においても、強誘電性液晶を用いた高速
電気光学装置が既にいくつか提案されている。
代表例を挙げれば、壁面の力でねじれ構造を解き壁面
と平行となった2つの分子配向を印加電界の極性により
変化させるものである(例えば特開昭56−107216号参
照)。
前記のものは、第1図の電界応答波形に示すような理
想の二状態を呈する化合物の存在を前提にしたものであ
る。しかしながら、現実は前記の理想の二状態を呈する
化合物は発見されておらず、これまでに合成された二状
態液晶の電界応答波形は第2図のようになってしまい、
第1図のような応答波形は得られていない。第2図のよ
うな応答波形を示すものを例えば光のスイッチング回路
に利用しようとすると、印加電圧がから側に変化す
るにつれて徐々に透過率が変化する形であるため、単純
にON,OFFの印加電圧変化では充分目的を果たすことがで
きないのが実状である。さらにこれまで合成されている
二状態液晶は無電界時のS*c相段階において理想の分子
配向状態であるモノドメイン状態をつくることが難し
く、デイスクリネーション(欠陥)を生じたり、ツイス
トとよばれる分子配向の乱れを生ずる。そのため大面積
で前記理想の2状態配向を実現することは困難である。
さらに、閾値(輝度が所定値変化する電圧)が低いの
で、ダイナミツク駆動を行った場合にコントラストが低
下したり、視界角範囲が狭くなったりする。また、これ
までに合成された二状態液晶は第1図のようなヒステリ
シスを示すことができず、第2図のようなヒステリシス
しか示せないためメモリー効果がない。したがって、液
晶に安定なS*c相における応答を保持させるためには、
第2図のυ3の電圧を印加しつづけるか、あるいは高周
波をかけつづけておかなければならず、いずれにしても
エネルギーロスが大きい。
結局、強誘電性液晶で得られる印加電界と分子配向の
強い結合を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望
まれているものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置で
は、まだ多くの問題が残されているのが実状である。
〔目的〕
そこで、本発明では、無電界で明暗コントラストのは
っきりした安定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特
性と第3−1図(三安定状態)および第3−2(四安定
状態)に示したような明確なヒステリシスを出現させ、
また容易にダイナミック駆動を実現し、さらに高速応答
を可能とした三安定状態および四安定状態を利用した液
晶電気光学装置を提供することを目的とするものであ
る。
前記「三状態を有する」とは第一の電極基板と所定の
間隙を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘
電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前
記第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加さ
れるよう構成されており、第4図Aで示される三角波と
して電圧を印加したとき、第4図Dのように前記強誘電
性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(第4
図Dの)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向
に対し分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の
安定状態(第4図Dの)を有し、さらに他方の電界方
向に対し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の
分子配向安定状態(第4図Dの)を有することを意味
する。なお、この三安定状態すなわち三状態を利用する
液晶電気光学装置については本出願人等は特開平2−40
625、特開平2−153322、特開平2−173724及び特開平
2−176723号としてすでに出願している。本発明の三状
態スイッチング特性は第5図に示す。第5図は三状態液
晶相に三角波電圧を印加した場合の透過光強度の変化と
分極反転電波のピークを示す。
これに対して、「市販のネマチック液晶」やこれまで
に合成された二状態液晶は、第4図B,Cでみられるとお
り、三つの安定状態を有していない。
前記「四状態を有する」とは第一の電極基板と所定の
間隙を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘
電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前
記第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加さ
れるよう構成されており、第4図Aで示される三角波と
して電圧を印加したとき、第4図Eのように前記強誘電
性液晶が、無電界時に分子配向が第一または第二の安定
状態(第4図Eのまたは)を有し、かつ、電界印加
時に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一または第
二の安定状態とは異なる第三の安定状態(第4図Eの
)を有し、さらに他方の電界方向に対し前記第一、第
二及び第三の安定状態とは異なる第四の分子配向安定状
態(第4図Eの)を有することを意味する。第4図と
第6図に各々四安定状態液晶相における三角波電圧を印
加した場合の透過光強度の変化と分極反転電流のピーク
を示す。透過光強度は、暗状態−中間調1−中間調2−
明状態と4つの状態に変化しており、これに対応して分
極反転電流のピークも第3−3図に示すように3本現れ
ている。
〔構成〕
本発明の第1は、一般式 〔式中、R1,R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCH
2F,CHF2,CF3またはC2F5、XはO,CO,COO,OCOまたは単
結合、YはCOO,OCO,CH2OまたはOCH2、ZはCOO,CH2Oまた
はO、AおよびBは環状基を示し、かつそのうちの少な
くとも一方の環状基はF、Cl、Br、CF3、CH3、CNおよび
OHよりなる群から選ばれた置換基をもつものであり、*
は光学活性中心を示す。〕で表わされる液晶化合物を光
学的三安定状態で駆動させることを特徴とする液晶素
子。
前記環状基としては、 等の環状基(水素原子の1つないし4つがフッ素原子
に、または水素原子の1つないし2つが塩素、臭素、メ
チル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ヒドロキシ
基及びニトロ基よりなる群から選ばれた基と置換されて
いてもよい。)を挙げることができる。
本発明の第2は、一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
またはC2F5、 Xは または単結合、Yは −CH2O−または−OCH2−であり、lはF,Cl,Br,CF3,C
H3,CNまたはOHよりなる群から選らばれた基であり、l
がFのときは1〜4個置換を表わし、それ以外のときは
1〜2個置換を表わす。*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
ることを特徴とする液晶素子に関する。
本発明の第3は、一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
またはC2F5、 Xは または単結合、lとl′はF原子、Cl原子またはBr原子
よりなる群から選ばれた基であり、F原子のときは1〜
4個置換を表わし、それ以外のときは1〜2個置換を示
し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
ることを特徴とする液晶素子に関する。
本発明の第4は、一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、 Xは または単結合、lはF原子が1個置換されていることを
示し、l′はF原子が1個置換されているか又は無置換
を示し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
ることを特徴とする液晶素子に関する。
本発明の第5は、一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、 Xは または単結合、lはF原子が1個置換されていることを
示し、l′はF原子が1個置換されているかまたは無置
換を示し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
ることを特徴とする液晶素子に関する。
本発明の第6は、一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
またはC2F5、 Xは または単結合、Yは −CH2O−または−OCH2であり、*で光学活性中心を示
す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的四安定状態で駆動させ
ることを特徴とする液晶素子に関する。
本発明の化合物は、たとえば以下の方法により合成さ
れる。すなわち、フルオロ−4−ベンジルオキシ安息香
酸を塩化チオニル等の塩素化試薬により酸塩化物とし、
(R)−または(S)−トリフルオロ−2−アルカノー
ルと反応させてエステルを得、このエステルを脱ベンジ
ルしたのち、得られたフェノール体と4−アルキルオキ
シ−4′−ビフェニルカルボン酸の塩化物を反応させて
得ることができる。
この反応式で示すと、つぎのようになる。
また、本発明の液晶化合物は、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド等の縮合剤を用いた4−アルキルオキシ−
4′−ビフェニルカルボン酸と(R)−または(S)−
トリフルオロ−2−アルカノールのフェノール誘導体と
の脱水縮合反応に依っても合成することができる。
本発明の好ましい化合物の例として次のものが掲げら
れる。
(R)−または(S)−トリフルオロ−2−アルカノ
ールとしては、 1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ヘプタノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ノナール、 1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ウンデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ドデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−トリデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−テトラデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−ペフタデカノール、 1,1,1−トリフルオロ−2−オクタデカノール、 などが挙げられる。さらに、トリフルオロ基に代えて、
モノフルオロ基、ジフルオロ基、ペンタフルオロ基等が
掲げられる。
液晶化合物の例としては、 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、 Xは 又は単結合。は光学活性中心を示す。〕 等であり、上記化合物のトリフルオロ基にかえて、さら
に、モノフルオロ基、ジフルオロ基、ペンタフルオロ基
等の化合物が掲げられる。光学活性化合物およびその液
晶誘導体は(R)体および(S)体が保存するが、その
光学純度は高い方が好ましいがとくに規定するものでは
ない。
[実施例] 次に合成例および実施例を掲げて本発明を説明する
が、これに限定されるものではない。
合成例1 4−オクチルオキシ−4′−フェニルカルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチ
ルオキシカルボニル)フェニルエステル (1)2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸1−トリ
フルオロメチルヘプチルエステルの合成 2−フルオロ−4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド
1.4gを塩化メチレン10mlに溶解し、このものに光学活性
な1−トリフルオロメチルヘプタノール1.2g、トリエチ
ルアミン0.6gおよびジメチルアミノピリジン0.7gを塩化
メチレン10mlに溶かした溶液を、氷冷下、徐々に加え
た。室温に戻して12時間攪拌したのち、反応液を氷水中
に注ぎ、塩化メチレンにて抽出して、塩化メチレン相を
希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム、水の順に洗浄し、無水
硫酸マグネシウムにて脱水したのち溶媒を減圧留去し、
粗生成物を得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ法に
より処理して、2−フルオロ−4−ベンジルオキシ安息
香酸1−トリフルオロメチルヘプチルエステル2gを得
た。
このものと10%パラジウム炭素0.2gとをエタノールに
加えて、水素雰囲気下、脱ベンジル反応をおこない、2
−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸1−トリフルオロ
メチルヘプチルエステル1.6gを得た。
(2)4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン
酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシカルボニル)フェニルエステル 前項で合成した2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香
酸1−トリフルオロヘプチルエステル1.6gとトリエチル
アミン0.5g及びジメチルアミノピリジン0.5gとを塩化メ
チレン10mlに加えた後、冷却下、4−n−オクチルオキ
シド−4′−ビフェニルカルボン酸クロリド1.7gの塩化
メチレン10ml溶液を徐々に加えた。室温に戻して一昼夜
攪拌した後、反応液を水に注ぎ、塩化メチレンにて抽出
し、塩化メチレン相を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム、
水の純に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて脱水したの
ち溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフ法にて精製し、更に無水エタノールにて再結晶して
目的化合物0.8g(▲[α]20 D▼=+25.6°)を得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により、次の相転移温度を確認し
た。
ここでS*(3)は光学的三安定状態を示す液晶相を表
わす。
本発明の目的化合物の赤外吸収スペクトル線図(KBr
法)を第7図に示した。
合成例2 4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチルノニル
オキシカルボニル)フェニルエステル 合成例1の1−トリフルオロメチルヘプタノールの代
わりに1−トリフルオロメチルノナノールを用いて合成
例1と全く同様な方法で下記式の4−オクチルオキシ−
4′−ビフェニルカルボン酸3−フルオロ−4−(1−
トリフルオロメチルノニルオキシカルボニル)フェニル
エステル(▲[α]20 D▼+29.0°)を合成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いて偏光顕微鏡観察により、次の相転移温度を確認し
た。
ただし、S*(3)およびS*(4)は、各々光学的三安定
状態と光学的四安定状態とを示す液晶相を表わす。
本発明の目的化合物の赤外吸収スペクトル線図(KBr
法)を第8図に示した。
合成例3 4−デシル−4′−ビフェニルカルボン酸 3−フル
オロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカ
ルボニル)フェニルエステル 合成例1の4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカ
ルボン酸クロリドの代わりに、4−デシル−4′−ビフ
ェニルカルボン酸クロリドを用いて、同様の方法により
下記式の4−デシル−4′−ビフェニルカルボン酸 3
−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオ
キシカルボニル)フェニルエステル(▲[α]20 D▼=
+28.7°)を合成した。
相転移温度 本発明の目的化合物の赤外吸収スペクトル線図(KBr
法)を第9図に示した。
合成例4 3−フルオロ−4−デシルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチ
ルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例1の4−オクチルオキシド−4′−ビフェニル
カルボン酸クロリドに代えて、3−フルオロ−4−デシ
ル−オキシビフェニル−4′−カルボン酸クロリドを用
いて同様の方法で行ない目的化合物(−▲[α]20 D
=+27.6°)を得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
本発明の目的化合物の赤外吸収スペクトル線図(KBr
法)を第10図に示した。
合成例5 3−フルオロ−4−ノニルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例1の4−n−オクチルオキシ−4′−ビフェニ
ルカルボン酸クロリドの代りに、3−フルオロ−4−ノ
ニルオキシビフェニル−4′−カルボン酸クロリドを用
いたほかは合成例1と同様の方法によりつぎの目的化合
物を得た。
上記目的化合物の相転移温度(℃)は を観察した。ここでSxは未同定の高次のスメクチック相
である。
合成例6 3−フルオロ−4−デシルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメ
チルノニルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例4の光学活性な1−トリフルオロメチルヘプタ
ノールの代りに、1−トリフルオロメチルノナノールを
用いたほかは、合成例4と同様の方法により、つぎの目
的化合物を得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例7 3−フルオロ−4−ノニルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメ
チルノニルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例5の光学活性な1−トリフルオロメチルヘプタ
ノールの代りに、1−トリフルオロメチルノナノールを
用いたほかは、合成例5と同様の方法により、つぎの目
的化合物を得た。
上記目的化合物の相転移温度(℃)は を観察した。ここでSxは高次のスメクチック相である。
合成例8 4−(3−フルオロ−4−デシルオキシ−4′−ビフ
ェニルカルビニルオキシ)−安息香酸1−トリフルオロ
メチルヘプチル 無水テトラヒドロフラン10mlに水素化ナトリウム0.05
gを懸濁させた溶液に合成例1の(1)と同様の方法で
得られた、4−ヒドロキシ安息香酸 1−トリフルオロ
メチルヘプチル0.5gの無水テトラヒドロフラン5ml溶液
を氷冷下で少量ずつ滴下し、更にジメチルスルホキシド
10mlに溶かした3−フルオロ−4−デシルオキシ−4′
−ブロモメチルビフェニル0.73gを少量ずつ滴下し、12
時間反応した。反応液を1N塩酸にて酸性にしたのち、塩
化メチレンにて抽出し、塩化メチレン層を1N炭酸ナトリ
ウム水溶液、水、飽和食塩水、水の順に洗浄し中性にし
たのち、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下、溶
媒留去し、ついで得られた固形物をシリカゲルクロマト
法により精製し、目的化合物0.62gを得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例9 4−(2−フルオロ−4−デシルオキシフェニルオキ
シカルボニル)−4′−ビフェニルカルボン酸1−トリ
フルオロメチルヘプチル 4,4′−ビフェニルジカルボン酸クロリド0.5g、
(R)−(+)−1−トリフルオロメチルヘプタノール
0.15g、トリエチルアミン0.09gおよびジメチルアミノピ
リジン0.03gを塩化メチレン20mlに加え8時間反応させ
た後、続けて2−フルオロ−4−デシルオキシフェノー
ル0.22gとトリエチルアミン0.09gを追添加して更に8時
間反応させた。反応液を1N塩酸にて酸性にしたのち、塩
化メチレンにて抽出し、塩化メチレン層を1N炭酸ナトリ
ウム水溶液、水、飽和食塩水、水の順に洗浄し中性にし
たのち、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下、溶
媒留去し、ついで得られた固形物をシリカゲルクロマト
法により精製し、目的化合物0.48gを得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例10 4−デシルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸 4
−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニ
ル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステル 合成例1の4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドの代
わりに、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ベンジルオキ
シ安息香酸クロリドを用いて同様の方法にて目的化合物
を合成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例11 4−(4′−デシルビフェニルオキシカルボニル)−
2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸−1−トリフルオロ
メチルノニル 2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸クロリド0.27
g、(R)−(+)−1−トリフルオロメチルノナノー
ル0.1g、トリエチルアミン0.05gおよびジメチルアミノ
ピリジン0.02gを塩化メチレン20mlに加え8時間反応さ
せた後、続けて4−デシル−4′−ヒドロキシビフェニ
ル0.15gとトリエチルアミン0.05gを追添加して、更に8
時間反応させた。反応液を1N塩酸にて酸性にしたのち、
塩化メチレンにて抽出し、塩化メチレン層を1N炭酸ナト
リウム水溶液、水、飽和食塩水、水の順に洗浄して中性
にしたのち、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧
下、溶媒留去し、ついで得られた固形物をシリカゲルク
ロマト法により精製し、目的化合物0.14gを得た。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例12 4−(4′−ドデシルオキシビフェニルオキシカルボ
ニル)−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸−1−トリ
フルオロメチルヘプチル 合成例11の4−デシル−4′−ヒドロキシビフェニル
および(R)−(+)−1−トリフルオロメチルノナノ
ールの代わりに、各々4−ドデシルオキシ−4′−ヒド
ロキシビフェニルおよび(R)−(+)−1−トリフル
オロメチルオクタノールを用いて、合成例7と同様な方
法にて合成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡観察により次の相転移温度(℃)を確認
した。
合成例13 4−(4′−デシルオキシカルボニルビフェニル−オ
キシカルボニル)−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸
1−トリフルオロメチルヘプチル 合成例8の4−デシル−4′−ヒドロキシビフェニル
および(R)−(+)−1−トリフルオロメチルノナノ
ールの代わりに、各々4−デシルオキシカルボニル−
4′−ヒドロキシビフェニルおよび(R)−(+)−1
−トリフルオロメチルオクタノールを用いて、合成例7
と同様な方法にて合成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、ホットステージを用
いた偏光顕微鏡により次の相転移温度を確認した。
合成例14 4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−
3−クロロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオ
キシカルボニル)フェニルエステル 合成例1(1)の2−フルオロ−4−ベンジルオキシ
安息香酸クロリドの代わりに2−クロロ−4−ベンジル
オキシ安息香酸クロリドを用いて合成例1と全く同様な
方法で下記式の4−オクチルオキシド−4′−ビフェニ
ルカルボン酸−3−クロロ−4−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステルを合
成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、示差熱分析およびホ
ットステージを用いた偏光顕微鏡による相同定により、
次の相転移を観察した。
但し、S*(3)は、三安定状態を示す液晶相を表す。
合成例15 4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−
3−トリフルオロメチル−4−(1−トリフルオロメチ
ルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例1(1)の2−フルオロ−4−ベンジルオキシ
安息香酸クロリドの代わりに2−トリフルオロメチル−
4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドを用いて合成例1
と全く同様な方法で下記式の4−オクチルオキシド−
4′−ビフェニルカルボン酸−3−トリフルオロメチル
−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボ
ニル)フェニルエステルを合成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、示差熱分析およびホ
ットステージを用いた偏光顕微鏡による相同定により、
次の相転移を観察した。
但し、S*(3)は、三安定状態を示す液晶相を表す。
Sxは、高次スメクチック相を表す。
合成例16 4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−
3−メチル−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオ
キシカルボニル)フェニルエステル 合成例1(1)の2−フルオロ−4−ベンジルオキシ
安息香酸クロリドの代わりに2−メチル−4−ベンジル
オキシ安息香酸クロリドを用いて合成例1と全く同様な
方法で下記式の4−オクチルオキシド−4′−ビフェニ
ルカルボン酸−3−メチル−4−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステルを合
成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、示差熱分析およびホ
ットステージを用いた偏光顕微鏡による相同定により、
次の相転移を観察した。
但し、S*(3)は、三安定状態を示す液晶相を表す。
合成例17 4−オクチルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−
3−ブロモ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオ
キシカルボニル)フェニルエステル 合成例1(1)の2−フルオロ−4−ベンジルオキシ
安息香酸クロリドの代わりに2−ブロモ−4−ベンジル
オキシ安息香酸クロリドを用いて合成例1と全く同様な
方法で下記式の4−オクチルオキシド−4′−ビフェニ
ルカルボン酸−3−ブロモ−4−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステルを合
成した。
上記目的化合物は液晶性を示し、示差熱分析およびホ
ットステージを用いた偏光顕微鏡による相同定により、
次の相転移を観察した。
S*(3)は、三安定状態を示す液晶相を示す。
合成例18〜24については、合成例1と同様の方法にて
目的化合物を得、ホットステージによる偏光顕微鏡観察
により、相転移温度を測定した。
合成例18 4−オクチルオキシビフェニル−3′−フルオロ−
4′−カルボン酸 3−フルオロ−4−(1−トリフル
オロメチルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステ
合成例19 4−オクチルオキシビフェニル−3′−フルオロ−
4′−カルボン酸 2−フルオロ−4−(1−トリフル
オロメチルヘプチルオキシカルボニル)フェニルエステ
合成例20 4−オクチルオキシビフェニル−3′−フルオロ−
4′−カルボン酸 4−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例21 4−オクチルオキシビフェニル−2′−フルオロ−
4′−カルボン酸 4−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例22 4−ヘプチルビフェニル−2′−フルオロ−4′−カ
ルボン酸 4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキ
シカルボニル)フェニルエステル 合成例23 4−オクチルオキシビフェニル−4′−カルボン酸
3,5−ジフルオロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシカルボニル)フェニルエステル 合成例24 4−オクチルオキシビフェニル−4′−カルボン酸
2−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチルヘプチル
オキシカルボニル)フェニルエステル 実施例1 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.8μmの液晶セルに、合成例1で得ら
れた液晶化合物を等方相において充填し、液晶薄膜セル
を作成した。
薄膜セルを0.1〜1.0/1分間の温度勾配にて徐冷し、SA
相を配向させ、±15V、10Hzの矩形波を印加し、フォト
マルチプライヤー付き偏光顕微鏡で電気光学的応答動作
を検出したところ、第11図に示すように、SA相において
印加電界(a)に対して光学応答するエレクトロクリニ
ック効果を観察した。他の合成例の化合物についても同
一の効果(b)を観察した。
実施例2 実施例1と全く同様の方法にて作成した液晶セルを2
枚の偏向板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏
向顕微鏡に、マイナス電圧印加時の分子長軸方向と偏光
子が重なる状態に配置した。
この液晶薄膜セルを0.1〜1.0/1分間の温度勾配にて徐
冷し、S(3)*相を配向させ、さらに徐冷してゆき、
110℃〜−2℃の温度範囲において、±30V、10Hzの三角
波電圧(a)を印加した場合を第12図に示した。
印加電圧がマイナス域での暗状態、0ボルト域での中
間状態、プラス域での明状態と光透過率が三つの状態に
変化(c)し、これに対応して分極反転電流波形のピー
ク(b)もそれぞれ表れていることを観察し、三つの安
定な液晶分子の配向状態があることを確認した。合成例
2,3に於いても同一の効果を観察した。
実施例3 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.5μmの液晶セルに、合成例2で得ら
れた液晶化合物を等方相において充填し、液晶薄膜セル
を作成した。
この液晶薄膜セルを0.1〜1.0/1分間の温度勾配にて徐
冷し、Sc*相を配向させ、さらに徐冷してゆき、98.5〜
97℃の温度範囲において、±30V、10Hzの三角波電圧
(a)を印加した場合も第6図に示した。
透過光強度は、暗状態−中間調1−中間調2−明状態
と4つの状態に変化しており、これに対応して第3−3
図に示す様に分極反転電流ピークも3本表れており、4
つの安定な液晶分子の配向状態があることを確認した。
実施例4 実施例3と同様な方法で作成した合成例2の化合物を
充填したセル厚2.5μmの液晶セルを2枚の偏向板を直
交させたフォトマルチプライヤー付き偏向顕微鏡に、無
電圧印加時の分子長軸方向と偏光子が同一方向になるよ
うに配置した。
この液晶薄膜セルを0.1〜1.0/1分間の温度勾配にて徐
冷し、S(3)*相を配向させ、さらに徐冷してゆき、
75℃の温度範囲において、±30V、10Hzの三角波電圧
(a)を印加した場合の印加電圧と透過光強度の関係を
第13図に示した。
明確な直流しきい値と印加電界に対するヒステリシス
を示す。
〔効果〕
(1)本発明の液晶化合物は、最高110℃〜最低−20℃
の非常に幅広い温度範囲で良好な三安定状態を発現す
る。とくに、室温(20℃)以下から−20℃の非常に低温
領域にわたり三安定状態を示す特徴を有する低温型三安
定状態液晶である。
既に我々は特開昭63−21159に三安定状態を示す液晶
化合物を開示しているが、三安定状態を示す温度範囲が
一番広いものでも、約86℃の範囲であり、三安定状態の
下限温度も−10℃が最低である。
そこで、本発明はこのような液晶化合物を用いて液晶
素子とすることにより、今までにない幅広い温度領域で
三安定状態を示し、低温領域での粘度特性と高速応答性
が格段に向上した液晶素子を提供することができた。
(2)本発明液晶素子に用いる液晶化合物は、実用上好
ましい直流しきい値と直流電界に対するヒステリシス特
性を示す。。電界が印加されている時の光透過率を電圧
に対してプロットしたものを第3図に示す。電圧を0ボ
ルトから増加していくと、しきい値1を過ぎ急激に暗状
態から明状態へと変化するがその後一定となる。次に電
圧を減少させていくと電圧増加時のしきい値1を過ぎて
から、しきい値2で明状態から暗状態へと変化してい
る。さらに電圧を減少させていくと、再びしきい値3を
過ぎ暗状態から明状態に変化するが再び一定となる。次
に電圧を上げていくと、電圧減少時のしきい値3を過ぎ
てからしきい値4で明状態から暗状態へと変化してい
く。このように、明確なしきい値と大きなヒステリシス
が存在している。これらのヒステリシス特性を利用して
ディスプレーを駆動する場合、 と定義されるメモリーマージンの値Mおよびヒステリシ
スの急峻度を示すαが重要とある。すなわち、メモリー
マージンの値Mと急峻度αが大きければ、これらの電気
光学的特性を利用してダイナミック駆動等を行なう場
合、表示−非表示セグメント間のクロストーク等による
コントラスト低下を防ぐことができるため、高コントラ
スト表示が実現でき、表示保示が可能なダイナミック駆
動も容易にできる。
したがって、本発明の三安定状態で駆動する液晶素子
は、第2図に示すようにメモリーマージンの値Mと急峻
度αが大きく、良好な表示コントラストを発現できる。
(3)本発明における液晶化合物は、単体でも本発明の
液晶素子を構成することができるが、他の液晶化合物と
共に混合して液晶組成物を構成し、液晶相の温度範囲を
拡張し、高速応答性を向上するなど、実用性能を改善し
た液晶素子を製造することができる。
(4)これらの新しい三状態および四状態強誘電性液晶
素子は従来のネマチック型液晶素子と較べて液晶ディス
プレイとしたとき画期的効果を発揮する。
従来型は、駆動方式がアクティブマトリックス方式と
いう大へん複雑な構造をとる必要があったのに対し、三
状態または四状態強誘電性液晶素子は単純なマトリック
ス形表示ですむ。このため従来型の場合は生産工程が複
雑となり、画面の大型化は困難であり、製造コストも高
いものになるのに対し、三状態および四状態強誘電性液
晶素子の場合は生産工程が簡単であり、画面も大型化が
可能となり、製造コストも安価にできるという画期的な
ものである。
(5)さらに、本発明の液晶化合物は、双安定状態と三
安定状態との間に全く新しい第四の安定状態をしめし、
液晶素子の光透過率が明−中間調1−中間調2−暗と印
加電圧に対して明確なしきい値をもって4つの状態に変
化できるため、高階調性・高解像度・高コントラストを
実現した液晶素子を提供できる。
(6)このように、本発明の液晶素子の示す応答特性
は、高時分割駆動液晶素子に優れた特性を示すのみなら
ず、光シャッター、光プリンターヘッド等の光学素子等
へも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、現実には得られていない理想の二状態液晶の
ヒステリシスを、第2図は現実にこれまでに合成された
二状態液晶のヒステリシスを示すものであり、第3−1
図は本発明にかかる三状態液晶のヒステリシスを、第3
〜2図は本発明にかかる四状態のヒステリシスをそれぞ
れ示すものであり、第1〜3−2図とも、横軸は印加電
圧を、縦軸は透過率(%)を示す。第3−3図は、
(a)が印加される三角波電圧を、(b)は分極反転電
流を示す。第4図はAが印加される三角波電圧を、Bが
市販ネマチック液晶の、Cはこれまでに合成された二状
態液晶の、Dは三状態液晶の、Eは四状態液晶の、それ
ぞれの光学応答特性を示す。第5図は本発明の液晶素子
の三状態スイッチングを示したもの(実施例27)で、図
中aは液晶電気光学素子に印加した三角波電圧を、図中
bは分極反転電流を、そして図中cは図中aの三角波電
圧に対する光透過率の変化を示したものである。第6図
は本発明液晶素子の四状態スイッチングを示す。第7図
ないし第10図は本発明の合成例1〜4の各化合物の赤外
吸収スペクトルを示す。第11図は実施例1のエレクトロ
クリニック効果を示す。第12図は、実施例2の三状態を
示す。第13図は、実施例3におけるヒステリシス特性を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大出 泰 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/06 - 19/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCH
    2F、CHF2、CF3またはC2F5、XはO、CO、COO、OCOまた
    は単結合、YはCOO、OCO、CH2OまたはOCH2、ZはCOO、C
    H2OまたはO、AおよびBは環状基を示し、かつそのう
    ちの少なくとも一方の環状基はF、Cl、Br、CF3、CH3
    CNおよびOHよりなる群から選ばれた置換基をもつもので
    あり、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
    またはC2F5、 Xは または単結合、Yは −CH2O−または−OCH2−であり、LはF、Cl、Br、C
    F3、CH3、CNまたはOHよりなる群から選ばれた基であ
    り、LがFのときは1〜4個置換を表わし、それ以外の
    ときは1〜2個置換を表わし、*は光学活性中心を示
    す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
    またはC2F5、 Xは または単結合、LとL′はF原子、Cl原子またはBr原子
    よりなる群から選ばれた基であり、F原子のときは1〜
    4個置換を表わし、それ以外のときは1〜2個置換を示
    し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、 Xは または単結合、LはF原子が1個置換されていることを
    示し、L′はF原子が1個置換されているかまたは無置
    換を示し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、 Xは または単結合、LはF原子が1個置換されていることを
    示し、L′はF原子が1個置換されているかまたは無置
    換を示し、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的三安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
  6. 【請求項6】一般式 〔式中、R1、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3はCF3
    またはC2F5、 Xは または単結合、Yは −CH2O−または−OCH2であり、*は光学活性中心を示
    す。〕 で表わされる液晶化合物を光学的四安定状態で駆動させ
    ることを特徴とする液晶素子。
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