JP3105553B2 - 液晶化合物 - Google Patents

液晶化合物

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JP3105553B2 JP03020582A JP2058291A JP3105553B2 JP 3105553 B2 JP3105553 B2 JP 3105553B2 JP 03020582 A JP03020582 A JP 03020582A JP 2058291 A JP2058291 A JP 2058291A JP 3105553 B2 JP3105553 B2 JP 3105553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性カイラル
スメクチック液晶化合物を提供するものであり、該液晶
化合物は電界への応答を利用した表示素子や電気光学素
子に使用される液晶化合物、それを含む液晶組成物およ
びそれを用いた液晶素子に関するものである。さらに、
本発明は三つの安定した分子配向状態を示す強誘電性液
晶化合物、それを含む液晶組成物およびそれを用いた液
晶素子に関する。また本発明は該液晶化合物およびそれ
を含む液晶組成物を用いることにより、電界への応答を
利用し表示素子や電気光学素子に使用される液晶素子に
関するものである。特に、該液晶化合物および該液晶組
成物は氷点下の温度にて三安定状態相を示し、氷点下の
温度にて駆動する表示素子や電気光学素子に使用される
ものである。
【0002】
【従来技術】液晶を用いた電気光学装置としては、DS
M形、TN形、G−H形、STN形などのネマチック液
晶を用いた電気光学装置が開発され実用化されている。
しかしながら、このようなネマチック液晶を用いたもの
はいずれも応答速度が数mから数十msecと極めて遅
いという欠点を有するため、その応用分野に制約があ
る。ネマチック液晶を用いた素子の応答速度がおそいの
は分子を動かすトルクが基本的に誘電率の異方性に基づ
いているため、その力があまり強くないためである。こ
のような背景の中で、自発分極(Ps)を持ち、トルク
がPs×E(Eは印加電界)に基づいているため、その
力が強く、数μsecから数十μsecの高速応答が可
能な強誘電性液晶がMeyerらにより開発され(Le
Journal de Physique,36巻,
1975,L−69)、又、特開昭63−307837
号には、さらに新しい強誘電性液晶が開示されているが
後述する“三状態”についての開示は少ない。強誘電性
液晶を用いた高速電気光学装置が既にいくつか提案され
ている。代表例を挙げれば、壁面の力でねじれ構造を解
き壁面と平行となった2つの分子配向を印加電界の極性
により変化させるものである(例えば特開昭56−10
7216号参照)。前記のものは、図1の電界応答波形
に示すような理想の二状態を呈する化合物の存在を前提
にしたものである。しかしながら、現実は前記の理想の
二状態を呈する化合物は発見されておらず、これまでに
合成された二状態液晶の電界応答波形は図2のようにな
ってしまい、図1のような応答波形は得られていない。
図2のような応答波形を示すものを例えば光のスイッチ
ング回路に利用しようとすると、印加電圧が−(負)か
ら+(正)側に変化するにつれて徐々に透過率が変化す
る形であるため、単純にON、OFFの印加電圧変化で
は充分目的を果すことができないのが実状である。さら
にこれまで合成されている二状態液晶は無電界時のS*
c相段階において理想の分子配向状態であるモノドメイ
ン状態をつくることが難しく、デイスクリネーション
(欠陥)を生じたり、ツイストとよばれる分子配向の乱
れを生ずる。そのため大面積で前記理想の2状態配向を
実現することは困難である。さらに、閾値(輝度が所定
値変化する電圧)が低いので、ダイナミツク駆動を行っ
た場合にコントラストが低下したり、視野角範囲が狭く
なったりする。また、これまでに合成された二状態液晶
は図1のようなヒステリシスを示すことができず、図2
のようなヒステリシスしか示せないためメモリー効果が
ない。したがって、液晶に安定なS*c相における応答
を保持させるためには、図2のυの電圧を印加しつづ
けるか、あるいは高周波をかけつづけておかなければな
らず、いずれにしてもエネルギーロスが大きい。結局、
強誘電性液晶で得られる印加電界と分子配向の強い結合
を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望まれてい
るものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置では、まだ
多くの問題が残されているのが実状である。そこで、本
発明では、無電界で明暗コントラストのはっきりした安
定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特性と図3に示
したような明確なヒステリシスを出現させ、また容易に
ダイナミック駆動を実現し、さらに高速応答を可能とし
た三状態を利用した液晶電気光学装置において使用でき
る新規液晶化合物およびそれを含む液晶組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0003】
【発明が解決しようする課題】本発明の目的は、キラル
スメクチック相を示す強誘電性液晶および従来の双安定
状態相であるキラルスメクティックC相(S*c相)と
は異なる、全く新しい三状態を有する新規な強誘電性液
晶およびそれを含む液晶組成物を提供する点にある。前
記「三状態を有する」とは第一の電極基板と所定の間隙
を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘電性
液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前記第
一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加される
よう構成されており、図4Aで示される三角波として電
圧を印加したとき、図4Dのように前記強誘電性液晶
が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(図4Dの
2)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し
分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定状
態(図4Dの1)を有し、さらに他方の電界方向に対し
前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の分子配向
安定状態(図4Dの3)を有することを意味する。な
お、この三安定状態すなわち三状態を利用する液晶電気
光学装置については本出願人らにより特開平2−406
25号、特開平2−153322号、特開平2−173
724号公報にみられるようにすでに出願している。こ
れに対して、「市販のネマチック液晶」やこれまでに合
成された二状態液晶は、図4B、Cでみられるとおり、
三つの安定状態を有していない。この新しい三状態強誘
電性液晶は従来のネマティック型液晶と較べて液晶ディ
スプレイとしたとき画期的効果を発揮する。高画質の従
来型は、駆動方式がアクティブマトリックス方式という
大へん複雑な構造をとる必要があったのに対し、三状態
強誘電性液晶は単純なマトリックス形駆動方式で高画質
表示が可能となる。このため従来型の場合は生産工程が
複雑となり、画面の大型化は困難であり、製造コストも
高いものになるのに対し、三状態強誘電性液晶の場合は
生産工程が簡単であり、画面も大型化が可能となり、製
造コストも安価にできるという画期的なものである。本
発明の目的は、この三状態強誘電性を示す新規な液晶化
合物およびそれを含む液晶組成物を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、一般式
(1)
【化2】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、Rは炭
素数6または8のアルキル基であり、*は光学活性中心
を示す。)で表わされる化合物よりなることを特徴とす
る光学的三安定状態を示す液晶化合物に関する。本発明
の第2は、請求項1記載の液晶化合物を少なくとも1種
含有することを特徴とする光学的三安定状態を示す強誘
電性液晶組成物に関する。本発明の第3は、請求項2記
載の光学的三安定状態を示す強誘電性液晶組成物を用い
た液晶素子に関する。
【0005】本発明の液晶化合物は単独でも充分使用で
きるが、本発明化合物同士を混合したり、他の液晶化合
物と混合したり、あるいは類似構造の化合物と混合した
りして、その液晶の特性を調整しつつ実用に供すること
ができる。
【0006】本発明の前記一般式で示す液晶化合物に関
する解析の結果、三安定状態を示すカギは、つぎのとお
りであることが判明した。 (i)不斉炭素原子に結合しているCFが最も三安定
状態の発現を左右する。CFがCHで置換される
と、ほとんど三安定状態を発現しない。 (ii)前記式中、そのエステルの方向が不斉炭素原子に
結合している−COO−の方向と同一であることが三安
定状態の発現に必要である。
【0007】本発明の化合物の合成例としては次のよう
なものがある。4−ベンジルオキシ安息香酸クロライド
と光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノ
ールとを反応させて、4−ベンジルオキシ安息香酸
1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルエステルを
得、これを水素化分解して、4−ヒドロキシ安息香酸
1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルエステルを得
た。得られたアルキルエステルと2−フルオロ−4−n
−アルキルカルボニルオキシ安息香酸とをジシクロヘキ
シルカルボジイミドの存在下に反応させて目的化合物で
ある光学活性な4−(1,1,1−トリフルオロ−2−
アルキルオキシカルボニル)フェニル 2−フルオロ−
4−n−アルキルカルボニルオキシベンゾエートを得
る。
【0008】
【実施例】以下に実施例により本発明の化合物につき説
明するが、これに限定されるものではない。 実施例1 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 4−ベ
ンジルオキシベンゾエートの合成
【化3】 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化
メチレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な1,
1,1−トリフルオロ−2−デカノール0.96gとジ
メチルアミノピリジン0.55gとトリエチルアミン
0.48gとを塩化メチレン20mlに溶解した溶液を
氷冷下にて少量づつ加えた。反応混合物を室温に戻し、
一昼夜反応させ、反応液を氷水に投入し、塩化メチレン
にて抽出し塩化メチレン相を希塩酸、水、1N炭酸ナト
リウム水溶液、水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥して溶媒を留去し、粗生成物を得た。これを
トルエン−シリカゲルカラムクロマトグラフで処理し、
さらにエタノールにて再結晶して目的物1.84gを得
た。 2) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 4−ヒ
ドロキシベンゾエートの合成
【化4】 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、
10%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲
気下水添反応を行ない、目的化合物1.43gを得た。 3) 2−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安息香
酸の合成
【化5】 2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸2gとトリエチ
ルアミン1.4gとをジクロロメタン40mlに溶解す
る。デカノイルクロライド2.7gとジメチルアミノピ
リジン0.2gとを加え、室温にて約20時間かきまぜ
る。希塩酸を加え、分液ロートにて有機層を分離する。
溶媒を留去し、残査物をn−ヘキサンにて洗浄した後、
乾燥させ、目的化合物約2.8gを得る。 4) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオ
キシカルボニル)フェニル 2−フルオロ−4−n−デ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化6】 3)で得た2−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安
息香酸0.3gと、2)で得た1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3g
とを約30mlのテトラヒドロフラン中に溶解する。ジ
シクロヘキシルカルボジイミド0.25gとジメチルア
ミノピリジン0.02gとを加え、室温にて約20時間
かきまぜる。溶媒を留去後、残査物をジクロロメタンに
溶解し、水洗する。有機層を無水硫酸マグネシウムにて
乾燥後、溶媒を留去する。残査物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20
/1)にて精製し、目的化合物0.21gを得る。ホッ
トステージの偏光顕微鏡観察により次の相転移温度
(℃)を得た。
【表1】 ここで、S*(3)は三安定状態を示す相、Sxは電界
応答のある高次の相である。本化合物の赤外吸収スペク
トルを図7に示す。
【0009】実施例2 1) 2−フルオロ−4−n−トリデカノイルオキシ安
息香酸の合成
【化7】 2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸1.4gとトリ
エチルアミン1.0gとをジクロロメタン40mlに溶
解する。トリデカノイルクロライド2.0gとジメチル
アミノピリジン0.2gとを加え、室温にて約20時間
かきまぜる。希塩酸を加え、分液ロートにて有機層を分
離する。溶媒を留去し、残査物をn−ヘキサンにて洗浄
した後、乾燥させ、目的化合物約1.8gを得る。 2) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオ
キシカルボニル)フェニル 2−フルオロ−4−n−ト
リデカノイルオキシベンゾエートの合成
【化8】 1)で得た2−フルオロ−4−n−トリデカノイルオキ
シ安息香酸0.37gと実施例1の2)で得た1,1,
1−トリフルオロ−2−デシル 4−ヒドロキシベンゾ
エート0.3gとを約30mlのテトラヒドロフラン中
に溶解する。ジシクロヘキシルカルボジイミド0.25
gとジメチルアミノピリジン0.02gとを加え、室温
にて約20時間かきまぜる。溶媒を留去後、残差物をジ
クロロメタンに溶解し、水洗する。有機層を無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥後、溶媒を留去する。残査物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフ(展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=20/1)にて精製し、目的化合物0.18
gを得る。ホットステージの偏光顕微鏡観察により次の
相転移温度(℃)を得た。
【表2】 ここで、S*(3)は三安定状態を示す相である。本化
合物の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
【0010】実施例3 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 4−
ベンジルオキシベンゾエートの合成
【化9】 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化
メチレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な1,
1,1−トリフルオロ−2−オクタノール0.98gと
ジメチルアミノピリジン0.55gとトリエチルアミン
0.48gとを塩化メチレン20mlに溶解した溶液を
氷冷下にて少量づつ加えた。反応混合物を室温に戻し、
一昼夜反応させ、反応液を氷水に投入し、塩化メチレン
にて抽出し塩化メチレン相を希塩酸、水、1N炭酸ナト
リウム水溶液、水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥して溶媒を留去し、粗生成物を得た。これを
トルエン−シリカゲルカラムクロマトグラフで処理し、
さらにエタノールにて再結晶して目的物1.86gを得
た。 2) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 4−
ヒドロキシベンゾエートの合成
【化10】 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、
10%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲
気下水添反応を行ない、目的化合物1.45gを得た。 3) 2−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安息香
酸の合成
【化11】 2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸2gとトリエチ
ルアミン1.4gとをジクロロメタン40mlに溶解す
る。デカノイルクロライド2.7gとジメチルアミノピ
リジン0.2gとを加え、室温にて約20時間かきまぜ
る。希塩酸を加え、分液ロートにて有機層を分離する。
溶媒を留去し、残査物をn−ヘキサンにて洗浄した後、
乾燥させ、目的化合物約2.8gを得る。 4) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル
オキシカルボニル)フェニル 2−フルオロ−4−n−
デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化12】 3)で得た2−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安
息香酸0.67gと、2)で得た1,1,1−トリフル
オロ−2−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.8
gとを約30mlのテトラヒドロフラン中に溶解する。
ジシクロヘキシルカルボジイミド0.51gとジメチル
アミノピリジン0.05gとを加え、室温にて約20時
間かきまぜる。溶媒を留去後、残査物をジクロロメタン
に溶解し、水洗する。有機層を無水硫酸マグネシウムに
て乾燥後、溶媒を留去する。残査物をシリカゲルカラム
クロマトグラフ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2
0/1)にて精製し、目的化合物0.13gを得る。ホ
ットステージの偏光顕微鏡観察により次の相転移温度
(℃)を得た。
【表3】 ここで、S*(3)は三安定状態を示す相、Sxは電界
応答のある高次の相である。
【0011】参考例1 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−ノニル 4−ヒ
ドロキシベンゾエートの合成
【化13】 実施例1の1)において用いた光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わりに、
1,1,1−トリフルオロ−2−ノニルアルコール0.
97gを用いて同様に反応させる。得られた1,1,1
−トリフルオロ−2−ノニル 4−ベンジルオキシベン
ゾエートを実施例1の2)と同様の手法で、水素化分解
し、目的物1.42gを得た。 2) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ノニルオ
キシカルボニル)フエニル 2−フルオロ−4−n−デ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化14】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3gの代わ
りに参考例1の1)で得た1,1,1−トリフルオロ−
2−ノニル 4−ヒドロキシベンゾエート0.35gを
用いて、同様の反応をさせ、処理を施して、目的化合物
0.18gを得る。ホットステージ付偏光顕微鏡観察に
より、次の相転移温度(℃)を得た。
【表4】 ここで、Sxは電界応答のある高次の相である。
【0012】参考例2 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 2′−
フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化15】 実施例1の1)において用いた4−ベンジルオキシ安息
香酸クロリド1.23gの代わりに、2−フルオロ−4
−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.27gを用い
て、同様の手法により、1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 2′−フルオロ−4′−ベンジルオキシベン
ゾエートを得る。これを、実施例1の2)と同様に水素
化分解して、目的化合物1.29gを得た。 2) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 2−フルオ
ロ−4−デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化16】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3gの代わ
りに参考例2の1)で得た1,1,1−トルフルオロ−
2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾ
エート0.32gを用いて同様の手法により、目的化合
物0.31gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微
鏡観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表5】
【0013】参考例3 1) 4−n−デカノイルオキシ安息香酸の合成
【化17】 実施例1の3)にて用いた2−フルオロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸2gの代わりに、4−ヒドロキシ安息香酸
1.5gを用いて同様の手法により、目的化合物約2.
1gを得る。 2) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 4−デカノ
イルオキシベンゾエートの合成
【化18】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3gの代わ
りに参考例2の1)で得た1,1,1−トリフルオロ−
2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾ
エート0.32gを用い、2−フルオロ−4−n−デカ
ノイルオキシ安息香酸0.3gの代わりに参考例3の
1)で得た4−n−デカノイルオキシ安息香酸0.26
gを用いて、同様の手法により、目的化合物0.22g
を得る。ホットステージを用いた偏光顕微鏡観察によ
り、次の相転移温度(℃)を得た。
【表6】
【0014】参考例4 1) 3−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安息香
酸の合成
【化19】 実施例1の3)にて用いた2−フルオロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸2gの代わりに、3−フルオロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸2gを用いて同様の手法により目的化合物
約2.5gを得る。 2) 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオ
キシカルボニル)フェニル 3−フルオロ−4−n−デ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化20】 実施例1の4)で用いた2−フルオロ−4−n−デカノ
イルオキシ安息香酸0.3gの代わりに、参考例4の
1)で得た3−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ安
息香酸0.3gを用いて、同様の手法により、目的化合
物0.18gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微
鏡観察では、−60℃まで、等方性液体相であった。
【0015】参考例5 1) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 3−フルオ
ロ−4−デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化21】 実施例1の4)にて用いた2−フルオロ−4−n−デカ
ノイルオキシ安息香酸0.3gの代わりに参考例4の
1)にて得た3−フルオロ−4−n−デカノイルオキシ
安息香酸0.3gを用い、また、1,1,1−トリフル
オロ−2−デシル4−ヒドロキシベンゾエート0.3g
の代わりに参考例2の1)で得た1,1,1−トリフル
オロ−2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシ
ベンゾエート0.34gを用いて同様の手法により、目
的化合物0.22gを得る。ホットステージを用いた偏
光顕微鏡観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表7】
【0016】参考例6 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 3′−
フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化22】 実施例1の1)において用いた4−ベンジルオキシ安息
香酸クロリド1.23gの代わりに、3−フルオロ−4
−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.27gを用いて
同様の手法により、1,1,1−トリフルオロ−2−デ
シル 3′−フルオロ−4′−ベンジルオキシベンゾエ
ートを得る。これを実施例1の2)と同様に、水素化分
解して目的化合物約1.31gを得た。2) 2−フル
オロ−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオ
キシカルボニル)フェニル 4−デカノイルオキシベン
ゾエートの合成
【化23】 実施例1の4)において用いた1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3g
の代わりに参考例6の1)で得た1,1,1−トリフル
オロ−2−デシル 3′−フルオロ−4′−ヒドロキシ
ベンゾエート0.32gを用い、また、2−フルオロ−
4−n−デカノイルオキシ安息香酸0.3gの代わりに
参考例3の1)で得た4−n−デカノイルオキシ安息香
酸0.28gを用いて、同様の手法により、目的化合物
0.25gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微鏡
観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表8】
【0017】参考例7 1) 4−n−ウンデカノイルオキシ安息香酸の合成
【化24】 実施例1の3)において用いた2−フルオロ−4−ヒド
ロキシ安息香酸2gの代わりに、4−ヒドロキシ安息香
酸1.6gを用い、デカノイルクロライド2.7gの代
わりに、ウンデカノイルクロライド2.9gを用いて、
同様の手法により目的化合物約3.7gを得る。 2) 2−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 4−ウンデ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化25】 実施例1の4)において用いた1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3g
の代わりに、参考例6の1)で得た1,1,1−トリフ
ルオロ−2−デシル 3′−フルオロ−4′−ヒドロキ
シベンゾエート0.32gを用い、また、2−フルオロ
−4−n−デカノイルオキシ安息香酸0.3gの代わり
に参考例7の1)で得た4−n−ウンデカノイルオキシ
安息香酸0.3gを用いて、同様の手法により、目的化
合物0.24gを得る。ホットステージを用いた偏光顕
微鏡観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表9】 ここで、Sxは電界応答のある高次の相である。
【0018】参考例8 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 3′
−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化26】 実施例1の1)において用いた4−ベンジルオキシ安息
香酸クロリド1.23gの代わりに3−フルオロ−4−
ベンジル安息香酸クロリド1.22gを用い、1,1,
1−トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わり
に1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノール0.9
8gを用いて同様の手法により、目的化合物1.83g
を得た。 2) 2−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル 2−フル
オロ−4−n−デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化27】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 4−ヒドロキシベンゾエート0.3gの代わ
りに参考例8の1)で得た1,1,1−トリフルオロ−
2−オクチル 3′−フルオロ−4′−ヒドロキシベン
ソヘエート0.3gを用いて、同様の手法により、目的
化合物0.21gを得た。ホットステージを用いた偏光
顕微鏡観察による相転移温度(℃)は次の通りである。
【表10】
【0019】実施例4 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.1μmの液晶セルに、実施例1で得
られた液晶化合物をIsotropic相において充填
し、液晶薄膜セルを作成した。この液晶セルを2枚の偏
光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏光顕微
鏡に、マイナス電圧印加時の分子長軸方向と偏光子が重
なる状態に配置した。この液晶セルを0.1〜1.0℃
/1分間の温度勾配にてS*(3)相まで徐冷した。さ
らに冷却してゆき、−16.5℃〜−35℃の温度範囲
において、±30V、10Hzの三角波電圧(a)を印
加した場合を図5に示した。印加電圧がマイナス域での
暗状態、0ボルト域での中間状態、プラス域での明状態
と光透過率が三つの状態に変化(b)し、三つの安定な
液晶分子の配向状態があることを確認した。他の実施例
の化合物においても同一の効果が観察された。
【0020】実施例5 実施例4で用いたものと同じセルに実施例1で得られた
液晶化合物をアイソトロピック(Isotropic)
相において充填し、液晶薄膜セルを作成した。この液晶
セルを2枚の偏光板を直交させたフォトマルチプレーヤ
ー付き偏光顕微鏡に、無電圧印加時の分子長軸方向と偏
光子が0゜の角度をなす状態に配置した。この液晶セル
を0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にてS*(3)
相まで徐冷した。−16.5℃〜−35℃の温度範囲に
おいて、±30V、10Hzの三角波電圧を印加し、光
透過率を測定した。図6に−25℃における±30V、
10Hzの三角波電圧(a)及びこれに対応する透過率
の変化(b)を示した。横軸に電圧、縦軸に透過率をと
りグラフを書き直したものが(c)である。
【0021】
【効果】本発明は、新規な液晶化合物およびそれを含む
液晶組成物を提供するものであり、いずれの化合物も低
温領域で液晶相を示す。とくに本発明の新規液晶化合物
や液晶組成物はいずれも安定な三安定状態を示すもので
ある。そして、本発明の液晶化合物や液晶組成物を利用
した液晶素子は三安定状態を利用した表示デバイス、ス
イッチングデバイスなど広い用途に使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】現実には得られていない理想の二状態液晶のヒ
ステリシスを示す。
【図2】現実にこれまでに合成された二状態液晶のヒス
テリシスを示す。
【図3】本発明にかかる三状態液晶のヒステリシスを示
すものであり、図1〜3はいずれも、横軸は印加電圧
を、縦軸は透過率(%)を示す。
【図4】Aが印加される三角波を、Bが市販ネマチック
液晶の、Cはこれまでに合成された二状態液晶の、Dは
三状態液晶の、それぞれの光学応答特性を示す。
【図5】本発明の化合物の三状態スイッチングを示した
もので、図中aは液晶電気光学素子に印加した三角波電
圧を、図中bは図中aの三角波電圧に対する光透過率の
変化を示したものである。
【図6】本発明化合物のヒステリシスを示す。(A)は
経過時間に対応した印加電圧と光透過率の変化状況を示
すもので、直線aは液晶電気光学素子に印加した三角波
電圧を、曲線bは図中aの三角波電圧に対する光透過率
の変化を示し、(B)は、電圧と透過率との関係を示し
たものである。
【図7】実施例1の本発明化合物の赤外吸収スペクトル
である。
【図8】実施例2の本発明化合物の赤外吸収スペクトル
である。
フロントページの続き (72)発明者 大出 泰 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−139551(JP,A) 特開 平2−160748(JP,A) 特開 平2−153322(JP,A) 特開 平3−223390(JP,A) 特許2858427(JP,B2) 特許2895614(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/90 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、Rは炭
    素数6または8のアルキル基であり、*は光学活性中心
    を示す。) で表わされる化合物よりなることを特徴とする光学的三
    安定状態を示す液晶化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶化合物を少なくとも
    1種含有することを特徴とする光学的三安定状態を示す
    強誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光学的三安定状態を示す
    液晶組成物を用いた液晶素子。
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