JP3176546B2 - 新規液晶化合物、それを用いた反強誘電性液晶組成物および反強誘電性液晶表示素子 - Google Patents

新規液晶化合物、それを用いた反強誘電性液晶組成物および反強誘電性液晶表示素子

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JP3176546B2 JP34663195A JP34663195A JP3176546B2 JP 3176546 B2 JP3176546 B2 JP 3176546B2 JP 34663195 A JP34663195 A JP 34663195A JP 34663195 A JP34663195 A JP 34663195A JP 3176546 B2 JP3176546 B2 JP 3176546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性基に隣接
したチオールカルボン酸エステル基を有する新規な液晶
化合物およびそれを含む反強誘電性液晶組成物ならびに
反強誘電性液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Gest−Host)方式などが開発
され実用化されている。
【0003】しかし、現在広く利用されているネマチッ
ク液晶を用いたものは、応答速度が数msec〜数十m
secと遅い欠点があり、応用上種々の制約を受けてい
る。
【0004】これらの問題を解決するため、STN方式
や薄層トランジスタなどを用いたアクティブマトリック
ス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、表示
コントラストや視野角などの表示品位は優れたものとな
ったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度を必
要とすることや応答がやや遅いことなどが問題となって
いる。
【0005】このため、応答性のすぐれた新しい液晶表
示方式の開発が要望されており、光学応答時間がμse
cオーダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる
強誘電性液晶の開発が試みられていた。
【0006】強誘電性液晶は、1975年、Meyor
等によりDOBAMBC(p−デシルオキシベンジリデ
ン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)が初
めて合成された(Le Journal de Phy
sique,36巻1975,L−69)。
【0007】さらに、1980年、ClarkとLag
awallによりDOBAMBCのサブマイクロ秒の高
速応答、メモリー特性など表示デバイス上の特性が報告
されて以来、強誘電性液晶が大きな注目を集めるように
なった〔N.A.Clark,etal.,Appl.
Phys.Lett.36.899(1980)〕。
【0008】しかし、彼らの方式には、実用化に向けて
多くの技術的課題があり、特に室温で強誘電性液晶を示
す材料は無く、表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の
配列制御に有効かつ実用的な方法も確立されていなかっ
た。
【0009】この報告以来、液晶材料/デバイス両面か
らの様々な試みがなされ、ツイスト二状態間のスイッチ
ングを利用した表示デバイスが試作され、それを用いた
高速電気光学装置も例えば特開昭56−107216号
などで提案されているが、高いコントラストや適正なし
きい値特性は得られていない。
【0010】このような視点から他のスイッチング方式
についても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。
その後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有
する液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.
D.L.Chandani,T.Hagiwara,
Y.Suzuki etal.,Japan.J.of
Appl.Phys.,27,(5),L729−L7
32(1988)〕。
【0011】前記「三状態を有する」とは、第一の電極
基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電極基
板の間に強誘電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置
において、前記第一及び第二の電極基板に電界形成用の
電圧が印加されるよう構成されており、図1(A)で示
される三角波として電圧を印加したとき、図1(D)の
ように前記強誘電性液晶が、無電界時に分子配向が第一
の安定状態〔図1(D)の1〕を有し、かつ、電界印加
時に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一の安定状
態とは異なる第二の安定状態〔図1(D)の2〕を有
し、さらに他方の電界方向に対し前記第一及び第二の安
定状態とは異なる第三の分子配向安定状態〔図1(D)
の3〕を有することを意味する。なお、この三安定状
態、すなわち三状態を利用する液晶電気光学装置につい
ては、本出願人は特願昭63−70212号として出願
し、特開平2−153322号として公開されている。
【0012】三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴を
さらに詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Cla
rk−Lagawall)により提案された表面安定化
強誘電性液晶素子では、S*C相において強誘電性液晶
分子が図2(a),(b)のように一方向に均一配向し
た2つの安定状態を示し、印加電界の方向により、どち
らか一方の状態に安定化され、電界を切ってもその状態
が保持される。
【0013】しかしながら実際には、強誘電性液晶分子
の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイス
ト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブロ
ン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角
が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化
へ向けて大きな障害になっている。
【0014】一方、“反”強誘電性液晶は三安定状態を
示すS*(3)相では、上記液晶電気光学装置において、無
電界時には、図3(a)に示すごとく隣り合う層毎に分
子は逆方向に傾き反平行に配列し、液晶分子の双極子は
お互に打ち消し合っている。したがって、液晶層全体と
して自発分極は打ち消されている。この分子配列を示す
液晶相は、図1(D)の1に対応している。
【0015】さらに、(+)又は(−)のしきい値より
充分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)
に示す液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列する。こ
の状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため自発分
極が発生し、強誘電相となる。すなわち、“反”強誘電
性液晶のS*(3)相においては、無電界時の“反”強誘電
相と印加電界の極性による2つの強誘電相が安定にな
り、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直流的しきい
値を持って三安定状態間スイッチングを行うものであ
る。このスイッチングに伴う液晶分子配列の変化により
図4に示すダブル・ヒステリシスを描いて光透過率が変
化する。
【0016】このダブル・ヒステリシスに、図4の
(A)に示すようにバイアス電圧を印加して、さらにパ
ルス電圧を重畳することによりメモリー効果を実現でき
る特徴を有する。
【0017】さらに、電界印加により強誘電相は層がス
トレッチされ、ブックシエルフ構造となる。一方、第三
安定状態の“反”強誘電相では類似ブックシエルフ構造
となる。この電界印加による層構造スイッチングが液晶
層に動的シエアーを与えるため駆動中に配向欠陥が改善
され、良好な分子配向が実現できる。
【0018】そして、“反”強誘電性液晶では、プラス
側とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像
表示を行なうため、自発分極に基づく内部電界の蓄積に
よる画像の残像現象を防止することができる。
【0019】以上のように、“反”強誘電性液晶は、
1)高速応答が可能で、2)高いコントラストと広い視
野角および3)良好な配向特性とメモリー効果が実現で
きる、非常に有用な液晶化合物と言える。
【0020】“反”強誘電性液晶の三安定状態を示す液
晶相については、1)A.D.L.Chandani
etal.,Japan J.Appl.Phys.,
,L−1265(1989)、2)H.Orihar
a etal.,JapanJ.Appl.Phys.,
29,L−333(1990)に報告されており、
“反”強誘電的性質にちなみS*CA相(Antife
rroelectricSmectic C*相)と命
名している。本発明者らは、この液晶相が三安定状態間
のスイッチングを行なうためS*(3)相と定義した。
【0021】三安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)を
相系列に有する液晶化合物は、本発明者の出願した特開
平1−316367号、特開平1−316372号、特
開平1−316339号、特開平2−28128号及び
市橋等の特開平1−213390号公報があり、また三
安定状態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人
は特開平2−40625号、特開平2−153322
号、特開平2−173724号において新しい提案を行
っている。
【0022】“反”強誘電性液晶を液晶ディスプレイへ
応用する場合、1)動作温度範囲、2)応答速度、3)
自発分極、4)ヒステリシス特性等を単一液晶で全て満
足させることは困難であり、通常十数種類の混合液晶と
して調製される。
【0023】そして、これらダブルヒステリシスを使用
した反強誘電性液晶化合物をブレンドすると、反強誘電
性液晶への相転移温度から低温に下がって行くに従い、
ヒステリシスの形状が、鈍ってくる傾向がある。本出願
人はこのヒステリシスの形状悪化状態を鍋底率と定義し
て表示性能の一つのパラメーターとして評価している。
この鍋底率が小さければ、コントラストを大きくするこ
とが可能となる。低温域で鍋底率が大きくならないよう
抑えることが、広い温度領域で良好なコントラストを得
る一つの重要な鍵であり、これを如何に達成するかが液
晶開発の課題である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は常温付
近で液晶性を示す新規な液晶化合物および、前記液晶化
合物を含有することにより鍋底率および応答速度が改善
された反強誘電性液晶組成物ならびにそれを含む反強誘
電性液晶表示素子を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の1つは、下記一
般式(1)
【化2】 (式中、Yは単結合、−O−および−COO−よりなる
群から選ばれた基であり、mは6〜14の整数、nは2
〜10の整数である。)で表わされる液晶化合物に関す
る。
【0026】本発明の他の1つは、請求項1記載の液晶
化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする反
強誘電性液晶組成物に関する。
【0027】本発明の更に他の1つは、請求項2記載の
反強誘電性液晶組成物を用いたことを特徴とする反強誘
電性液晶表示素子に関する。
【0028】とくに、本発明の下記一般式(1)
【化3】 (式中、Yは単結合、−O−および−COO−よりなる
群から選ばれた基であり、mは6〜14の整数、nは2
〜10の整数である。)で表わされる液晶化合物を他の
反強誘電性液晶化合物または他の反強誘電性液晶組成物
に全量に対して0.1wt%〜50.0wt%、好まし
くは1.0wt%〜20.0wt%添加することによ
り、応答速度τの改善および低温域(5℃〜10℃)で
の鍋底率の改善をはかることができる。前記液晶化合物
や液晶組成物としては、本出願人の出願にかかる特願平
7−248636号、同7−179520号、同7−1
79519号、同7−162859号、同7−1614
12号、同7−161410号、同7−161409
号、同7−146866号、同7−146862号、同
7−146861号、同7−140001号、同7−1
26025号、同7−115208号、同7−9429
3号、同7−93115号、同7−77349号、同7
−74480号、同6−287399号、同6−277
114号、同6−277113号、同6−277111
号、同6−277110号、同6−277109号、同
6−243320号、同6−248649号、同6−2
34220号、同5−215060号、同5−1400
88号などをはじめ、公知の反強誘電性液晶化合物や組
成物を挙げることができる。
【0029】本発明における応答速度の測定方法は以下
のとおりである。すなわち、ポリイミドを塗布しラビン
グ処理を施した透明電極付きガラスからなる厚さ2μm
のセルに測定用化合物または組成物を注入し、こうして
作製した液晶物性測定セルをホットステージにセット
し、これを2枚の偏向板を直交させた光電子倍増管付き
偏向顕微鏡に無電界の状態で暗視野となるように配置し
た。セル中の液晶が反強誘電相である時に、セルに図5
に示すような±50Vの矩形波を印加した時の光の相対
透過率の変化から応答速度τを求めることができる。τ
は強誘電相の状態(マイナス側の矩形波電圧終了時)か
ら反強誘電相の状態を経由して次の強誘電相の状態(プ
ラス側の矩形波電圧印加により相対透過率が90%に達
した時)になるまでの時間であり、その単位はμsec
である。
【0030】つぎに鍋底率に付いて説明する。反強誘電
相の状態からプラス(またはマイナス)側に電圧を印加
していく過程で、強誘電相へ転移する前に、透過光強度
が徐々に大きくなる現象が知られている。実際のディス
プレイにおいては、閾値電圧より小さい直流バイアス電
圧を印加した状態で、パルス電圧を印加して駆動するこ
とになるので、反強誘電状態における光漏れはコントラ
ストを低下させる原因となる。この反強誘電状態におけ
る光漏れを以下のように定量的に評価する。無電圧の状
態からプラス(またはマイナス)側に電圧を印加してい
く過程における相対透過率を印加電圧に対して二階差分
したときの値が2になるときの電圧を求めた。さらに相
対透過率−印加電圧曲線から相当する電圧における相対
透過率を求め、これを鍋底率と定義する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の前記新規液晶化合物は、
下記の合成経路により製造することができる。
【0032】第一工程、
【化4】
【0033】第二工程、
【化5】
【0034】第三工程、
【化6】
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。
【0036】実施例1 下記式
【化7】 で示される4−(1−メチルヘプチルチオカルボニル)
フェニル 4−n−デカノイルオキシ安息香酸エステル
の製造法
【0037】1. 2−オクタチオールの合成(第一工
程に対応) S体2−オクタノール52gをピリジン520mlに溶
解し氷冷しながら、トシルクロライド(TsCl)を9
1g分割投入し、温度を維持して5時間反応させる。こ
の反応溶液を希塩酸中に分散し、エーテルで抽出し飽和
重曹水、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去し粗製物2−
オクチルトシルエステルを得た。これをシリカゲルクロ
マトにより精製し75%の収率で精製物を得た。56.
8gの2−オクチルトシルエステルおよびキサントゲン
酸カリウム48gをアセトン600ml中で18時間加
熱撹拌し、固形物を濾別し、アセトンをエバポレーター
で留去し、残留油状物をシリカゲルクロマトにより精製
し22.5gのR体2−オクタノールキサントゲン酸エ
ステルを得た。22.5gの2−オクタノールキサント
ゲン酸エステルにエチレンジアミン30mlを加え窒素
雰囲気下、室温で5時間反応させた。この反応溶液を希
塩酸中に分散しベンゼンで抽出し溶液を希硫酸で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ベンゼンを留去して
6.8gの2−オクタチオールを得た。
【0038】2. 4−デカノイルオキシ安息香酸の合
成 19gのデカン酸クロライドと13.8gのパラヒドロ
キシ安息香酸をジクロロメタン200ml溶媒中に入
れ、ジメチルアミノピリジン(DMAP)2gを加えて
乾燥窒素雰囲気下、室温で約20時間撹拌させる。反応
溶液を水中に分散し、溶液を弱酸性にしてジクロロメタ
ンで抽出する。これを硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を留去して27gの目的粗製物を得た。この粗製物に塩
化チオニル25mlを滴下し、6時間加熱撹拌還流す
る。その後過剰分の塩化チオニルを留去して、精製され
た4−デカノイルオキシ安息香酸クロライド〔前記第二
工程の出発物質(3)に相当〕を得た。
【0039】3. 4−デカノイルオキシフェニルカル
ボニルオキシ安息香酸の合成(第二工程に対応) 4−デカノイルオキシ安息香酸クロライド27gとパラ
ヒドロキシ安息香酸13.8gをジクロロメタン200
ml溶媒中に入れDMAP2gを加え、乾燥窒素雰囲気
下、室温で約20時間撹拌させる。反応溶液を水中に分
散し、水相を中性にしてジクロロメタンで抽出する。こ
れを硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、36g
の粗製物4−デカノイルオキシフェニルカルボニルオキ
シ安息香酸〔前記第二工程の(4)の化合物に相当〕を
得た。
【0040】4. 最終反応 4−(1−メチルヘプチ
ルチオカルボニル)フェニル 4−n−デカノイルオキ
シ安息香酸エステルの合成(第三工程に対応) 3の反応で得た4−デカノイルオキシフェニルカルボニ
ルオキシ安息香酸11g、2−オクタチオール3.4g
および触媒量のDMAPをジクロロメタン100ml中
に入れEDC・HCl〔1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライ
ド〕を脱水剤として室温で8〜12時間反応させる。こ
の反応溶液を水およびジクロロメタンで抽出し、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、10gの粗製物を
得た。シリカゲルクロマトを用いて精製し、8gの精製
物を得た。
【0041】このようにして得られた実施例1の下記式
【化8】 で示される液晶化合物をホットステージ付偏光顕微鏡観
察によりつぎの相転移温度を得た。
【表1】
【0042】前記実施例1の化合物を下記の基本反強誘
電性液晶組成物100重量部に対して10重量部添加
し、本発明の新規反強誘電性液晶組成物(I)を得た。
【0043】
【化9】 この基本反強誘電性液晶組成物をホットステージ付偏光
顕微鏡観察によりつぎの相転移温度を得た。
【表2】 また、前記基本反強誘電性液晶組成物の応答速度と鍋底
率は下記のとおりである。
【表3】
【0044】前記本発明の新規反強誘電性液晶組成物
(I)の相転移温度をホットステージ付偏光顕微鏡観察
によりつぎの相転移温度を得た。
【表4】
【0045】前記本発明の新規反強誘電性液晶組成物
(I)の応答速度と鍋底率は下記のとおりである。
【表5】
【0046】実施例2 4−ノニルオキシフェニルカルボキシ安息香酸と2−オ
クタチオールとを実施例1と同様にして反応させること
により、下記式
【化10】 で示される4−(1−メチルヘプチルチオカルボニル)
フェニル 4−n−ノニルオキシ安息香酸エステルを得
た。
【0047】前記実施例2の液晶化合物4−(1−メチ
ルヘプチルチオカルボニル)フェニル−4−n−ノニル
オキシ安息香酸エステルをホットステージ付偏光顕微鏡
観察によりつぎの相転移温度を得た。
【表6】
【0048】前記実施例2の化合物を前記基本反強誘電
性液晶組成物100重量部に対して、10重量部添加
し、本発明の新規反強誘電性液晶組成物(II)を得た。
【0049】前記本発明の新規反強誘電性液晶組成物
(II)の応答速度と鍋底率は下記のとおりである。
【表7】
【0050】実施例3 4−ノニルフェニルカルボキシ安息香酸と2−オクタチ
オールとを実施例1と同様に反応させることにより、下
記式
【化11】 で示される4−(1−メチルヘプチルチオカルボニル)
フェニル 4−n−ノニル安息香酸エステルを得た。
【0051】前記実施例3の液晶化合物4−(1−メチ
ルヘプチルチオカルボニル)フェニル 4−n−ノニル
安息香酸エステルをホットステージ付偏光顕微鏡観察に
よりつぎの相転移温度を得た。
【表8】
【0052】前記実施例3の化合物を前記基本反強誘電
性液晶組成物100重量部に対して、10重量部添加
し、本発明の新規反強誘電性液晶組成物(III)を得
た。
【0053】前記本発明の反強誘電性液晶組成物(II
I)の応答速度と鍋底率は下記のとおりである。
【表9】
【0054】以下に本発明の実施態様項を列挙する。
1. 下記一般式(1)
【化12】 (式中、Yは単結合、−O−および−COO−よりなる
群から選ばれた基であり、mは6〜14の整数、nは2
〜10の整数である。) で表わされる液晶化合物。2. 前項1記載の液晶化合
物の少なくとも1種を含有することを特徴とする反 強誘電性液晶組成物。3. 10℃における応答速度τ
が170μsec以下、鍋底率が15.0%以 下である前項2記載の反強誘電性液晶組成物。4. 前
項2または3記載の反強誘電性液晶組成物を用いたこと
を特徴とする反 強誘電性液晶表示素子。
【0055】
【効果】以上の3つの実施例からも明らかなように本発
明化合物を含む反強誘電性液晶組成物はそれを含まない
反強誘電性液晶組成物に較べて応答速度τが改善されま
た、低温域(5℃〜10℃)での鍋底率も改善された。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は印加される三角波を、(B)は市販の
ネマチック液晶の、(C)は二状態液晶の、(D)は三
安定状態液晶の、それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】(A)は、本発明の“反”強誘電性液晶分子の
三つの安定した配向状態を示し、(B)は、(A)の各
(a)、(b)、(c)に対応した三状態スイッチング
と液晶分子配列の変化を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対してダ
ブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを示
す印加電圧−光透過率特性図である。
【図5】(A)は印加電圧と時間の関係を示し、(B)
はその印加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を
示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 山川 則子 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (72)発明者 橋本 茂治 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−223292(JP,A) 特開 昭63−22893(JP,A) 特開 平6−330041(JP,A) 特開 昭63−222147(JP,A) 特開 昭64−71834(JP,A) 特開 平2−145544(JP,A) 特開 平6−279321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 327/00 C09K 19/00 G02F 1/13 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Yは単結合、−O−および−COO−よりなる
    群から選ばれた基であり、mは6〜14の整数、nは2
    〜10の整数である。) で表わされる液晶化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶化合物の少なくとも
    1種を含有することを特徴とする反強誘電性液晶組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の反強誘電性液晶組成物を
    用いたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
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