JP3021477B2 - 三安定状態で駆動する光学素子用液晶 - Google Patents
三安定状態で駆動する光学素子用液晶Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電界印加に対して三安定状態で駆動する光
学素子用液晶に関する。
学素子用液晶に関する。
液晶を用いた電気光学装置としては、DSM形、TN形、
G−H形、STN形などのネマチック液晶を用いた電気光
学装置が開発され実用化されている。しかしながら、こ
のようなネマチック液晶を用いたものはいずれも応答速
度が数mから数十msecと極めて遅いという欠点を有する
ため、その応用分野に制約がある、ネマチック液晶を用
いた素子の応答速度がおそいのは分子を動かすトルクが
基本的に誘電率の異方性に基づいているため、その力が
あまり強くないためである。このような背景の中で、自
発分極(Ps)を持ち、トルクがPs×E(Eは印加電界)
に基づいているため、その力が強く、数μsecから数+
μsecの高速応答が可能な強誘電性液晶がMeyerらにより
開発され(Le Journal de Physique,36巻,1975,L−6
9)、又、特開昭63−307837号には、さらに新しい強誘
電性液晶が開示されているが後述する“三状態”につい
ての開示はない。
G−H形、STN形などのネマチック液晶を用いた電気光
学装置が開発され実用化されている。しかしながら、こ
のようなネマチック液晶を用いたものはいずれも応答速
度が数mから数十msecと極めて遅いという欠点を有する
ため、その応用分野に制約がある、ネマチック液晶を用
いた素子の応答速度がおそいのは分子を動かすトルクが
基本的に誘電率の異方性に基づいているため、その力が
あまり強くないためである。このような背景の中で、自
発分極(Ps)を持ち、トルクがPs×E(Eは印加電界)
に基づいているため、その力が強く、数μsecから数+
μsecの高速応答が可能な強誘電性液晶がMeyerらにより
開発され(Le Journal de Physique,36巻,1975,L−6
9)、又、特開昭63−307837号には、さらに新しい強誘
電性液晶が開示されているが後述する“三状態”につい
ての開示はない。
強誘電性液晶を用いた高速電気光学装置が既にいくつ
か提案されている。
か提案されている。
代表例を挙げれば、壁面の力でねじれ構造を解き壁面
と平行となった2つの分子配向を印加電界の極性により
変化させるものである(例えば特開昭56−107216号参
照)。
と平行となった2つの分子配向を印加電界の極性により
変化させるものである(例えば特開昭56−107216号参
照)。
前記のものは、第1図の電界応答波形に示すような理
想の二状態を呈する化合物の存在を前提にしたものであ
る。しかしながら、現実は前記の理想の二状態を呈する
化合物は発見されておらず、これまでに合成された二状
態液晶の電界応答波形は第2図のようになってしまい、
第1図のような応答波形は得られていない。第2図のよ
うな応答波形を示すものを例えば光のスイッチング回路
に利用しようとすると、印加電界がから側に変化す
るにつれて徐々に透過率が変化する形であるため、単純
にON,OFFの印加電圧変化では充分目的を果すことができ
ないのが実状である。さらにこれまで合成されている二
状態液晶は無電界時のS*c相段階において理想の分子
配向状態であるモノドメイン状態をつくることが難し
く、デイスクリネーション(欠陥)を生じたり、ツイス
トとよばれる分子配向の乱れを生ずる。そのため大面積
で前記理想の2状態配向を実現することは困難である。
さらに、閾値(輝度が所定値変化する電圧)が低いの
で、ダイナミツク駆動を行った場合にコントラストが低
下したり、視野角範囲が狭くなったりする。また、これ
までに合成された二状態液晶は第1図のようなヒステリ
シスを示すことができず、第2図のようなヒステリシス
しか示せないためメモリー効果がない。したがって、液
晶に安定なS*c相における応答を保持させるために
は、第2図のυ3の電圧を印加しつづけるか、あるいは
高周波をかけつづけておかなければならず、いずれにし
てもエネルギーロスが大きい。
想の二状態を呈する化合物の存在を前提にしたものであ
る。しかしながら、現実は前記の理想の二状態を呈する
化合物は発見されておらず、これまでに合成された二状
態液晶の電界応答波形は第2図のようになってしまい、
第1図のような応答波形は得られていない。第2図のよ
うな応答波形を示すものを例えば光のスイッチング回路
に利用しようとすると、印加電界がから側に変化す
るにつれて徐々に透過率が変化する形であるため、単純
にON,OFFの印加電圧変化では充分目的を果すことができ
ないのが実状である。さらにこれまで合成されている二
状態液晶は無電界時のS*c相段階において理想の分子
配向状態であるモノドメイン状態をつくることが難し
く、デイスクリネーション(欠陥)を生じたり、ツイス
トとよばれる分子配向の乱れを生ずる。そのため大面積
で前記理想の2状態配向を実現することは困難である。
さらに、閾値(輝度が所定値変化する電圧)が低いの
で、ダイナミツク駆動を行った場合にコントラストが低
下したり、視野角範囲が狭くなったりする。また、これ
までに合成された二状態液晶は第1図のようなヒステリ
シスを示すことができず、第2図のようなヒステリシス
しか示せないためメモリー効果がない。したがって、液
晶に安定なS*c相における応答を保持させるために
は、第2図のυ3の電圧を印加しつづけるか、あるいは
高周波をかけつづけておかなければならず、いずれにし
てもエネルギーロスが大きい。
結局、強誘電性液晶で得られる印加電界と分子配向の
強い結合を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望
まれているものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置で
は、まだ多くの問題が残されているのが実状である。
強い結合を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望
まれているものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置で
は、まだ多くの問題が残されているのが実状である。
そこで、本発明では、無電界で明暗コントラストのは
っきりした安定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特
性と第3図に示したような明確なヒステリシスを出現さ
せ、また容易にダイナミック駆動を実現し、さらに高速
応答を可能とした三状態を利用した液晶電気光学装置に
おいて使用できる新規液晶化合物を提供することを目的
とするものである。
っきりした安定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特
性と第3図に示したような明確なヒステリシスを出現さ
せ、また容易にダイナミック駆動を実現し、さらに高速
応答を可能とした三状態を利用した液晶電気光学装置に
おいて使用できる新規液晶化合物を提供することを目的
とするものである。
本発明の目的は、キラスメクチック相を示す強誘電性
液晶および従来の双安定状態相であるキラルスメクティ
ックC相(S*c相)とは異なる、全く新しい三状態を
有する新規な強誘電性液晶を提供する点にある。
液晶および従来の双安定状態相であるキラルスメクティ
ックC相(S*c相)とは異なる、全く新しい三状態を
有する新規な強誘電性液晶を提供する点にある。
前記「三状態を有する」とは第一の電極基板と所定の
間隙を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘
電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前
記第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加さ
れるよう構成されており、第4図Aで示される三角波と
して電圧を印加したとき、第4図Dのように前記強誘電
性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(第4
図Dの)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向
に対し分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の
安定状態(第4図Dの)を有し、さらに他方の電界方
向に対し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の
分子配向安定状態(第4図Dの)を有することを意味
する、なお、この三安定状態すなわち三状態を利用する
液晶電気光学装置については本出願人は特願平63−7021
2号として出願している。
間隙を隔てて配置されている第二の電極基板の間に強誘
電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前
記第一及び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加さ
れるよう構成されており、第4図Aで示される三角波と
して電圧を印加したとき、第4図Dのように前記強誘電
性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状態(第4
図Dの)を有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向
に対し分子配向が前記第一の安定状態とは異なる第二の
安定状態(第4図Dの)を有し、さらに他方の電界方
向に対し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の
分子配向安定状態(第4図Dの)を有することを意味
する、なお、この三安定状態すなわち三状態を利用する
液晶電気光学装置については本出願人は特願平63−7021
2号として出願している。
これに対して、「市販のネマチック液晶」やこれまで
に合成された二状態液晶は、第4図B,Cでみられるとお
り、三つの安定状態を有していない。
に合成された二状態液晶は、第4図B,Cでみられるとお
り、三つの安定状態を有していない。
この新しい三状態強誘電性液晶は従来のネマティック
型液晶と較べて液晶ディスプレイとしたとき画期的効果
を発揮する。
型液晶と較べて液晶ディスプレイとしたとき画期的効果
を発揮する。
従来型は、駆動方式がアクティブマトリックス方式と
いう大へん複雑な構造をとる必要があったのに対し、三
状態強誘電性液晶は単純なマトリックス形表示ですむ。
このため従来型の場合は生産工程が複雑となり、画面の
大型化は困難であり、製造コストも高いものになるのに
対し、三状態強誘電性液晶の場合は生産工程が簡単であ
り、画面も大型化が可能となり、製造コストも安価にで
きるという画期的なものである。
いう大へん複雑な構造をとる必要があったのに対し、三
状態強誘電性液晶は単純なマトリックス形表示ですむ。
このため従来型の場合は生産工程が複雑となり、画面の
大型化は困難であり、製造コストも高いものになるのに
対し、三状態強誘電性液晶の場合は生産工程が簡単であ
り、画面も大型化が可能となり、製造コストも安価にで
きるという画期的なものである。
本発明の目的は、電界印加に対して三安定状態で駆動
する光学素子用液晶を提供する点にある。
する光学素子用液晶を提供する点にある。
本発明は、 〔式中、R1は炭素数5〜18アルキル基、R2は炭素数4〜
15のアルキル基、 Xは、 または単結合であり、*は光学活性中心を示す。〕で表
わされる化合物を含有することを特徴とする電界印加に
対して三安定状態で駆動する光学素子用液晶に関する。
15のアルキル基、 Xは、 または単結合であり、*は光学活性中心を示す。〕で表
わされる化合物を含有することを特徴とする電界印加に
対して三安定状態で駆動する光学素子用液晶に関する。
本発明においては、 (i) −COO−基の結合方向が不斉炭素原子に縮合し
ている の方向と同一であること、 (ii) 芳香族環が の組合せであること、 が三安定状態の発現のカギである。
ている の方向と同一であること、 (ii) 芳香族環が の組合せであること、 が三安定状態の発現のカギである。
本発明の好ましい化合物には、例えば以下のようなも
のがある。
のがある。
〔式中、R1は炭素数5〜18のアルキル基、好ましくは炭
素数6〜12の直鎖アルキル基であり、R2は炭素数4〜15
のアルキル基、好ましくは炭素数5〜12の直鎖アルキル
基〕 本発明の化合物の合成例として次のようなものがあ
る。
素数6〜12の直鎖アルキル基であり、R2は炭素数4〜15
のアルキル基、好ましくは炭素数5〜12の直鎖アルキル
基〕 本発明の化合物の合成例として次のようなものがあ
る。
4−ベンジルオキシ安息香酸化合物と光学活性な2−
アルカノールとを反応させて、4−ベンジルオキシ安息
香酸−1−メチルアルキルエステルを得、これを水素化
分解して、4−ヒドロキシ安息香酸−1−メチルアルキ
ルエステルを得る。得られたエステルと、4′−アルカ
ノイルオキシビフェニル−4−カルボン酸とをジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下にて反応さ
せ、1−メチルアルキル4′−アルカノイルオキシビフ
ェニル−4−カルボキシレートを得る。
アルカノールとを反応させて、4−ベンジルオキシ安息
香酸−1−メチルアルキルエステルを得、これを水素化
分解して、4−ヒドロキシ安息香酸−1−メチルアルキ
ルエステルを得る。得られたエステルと、4′−アルカ
ノイルオキシビフェニル−4−カルボン酸とをジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下にて反応さ
せ、1−メチルアルキル4′−アルカノイルオキシビフ
ェニル−4−カルボキシレートを得る。
以下に実施例により本発明の化合物につき説明する
が、これに限定されるものではない。
が、これに限定されるものではない。
実施例1 1) 1−メチルヘプチル4−ベンジルオキシベンゾエ
ートの合成 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化メ
チレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な2−オクタノ
ール0.58gとジメチルアミノピリジン0.55gとトリエチル
アミン0.48gとを塩化メチレン20mlに溶解した溶液を氷
冷下にて少量ずつ加えた。
ートの合成 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド1.23gを塩化メ
チレン10mlに溶解させ、次いで光学活性な2−オクタノ
ール0.58gとジメチルアミノピリジン0.55gとトリエチル
アミン0.48gとを塩化メチレン20mlに溶解した溶液を氷
冷下にて少量ずつ加えた。
反応混合物を室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を
氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相
を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去
し、粗生成物を得た。これをトルエン−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフで処理し、さらにエタノールにて再結
晶して目的物1.48gを得た。
氷水に投入し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相
を希塩酸、水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去
し、粗生成物を得た。これをトルエン−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフで処理し、さらにエタノールにて再結
晶して目的物1.48gを得た。
2) 1−メチルヘプチル4−ヒドロキシベンゾエート
の合成 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、10
%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲気下水添反
応を行い、目的化合物1.29gを得た。
の合成 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、10
%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲気下水添反
応を行い、目的化合物1.29gを得た。
3) 4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)フ
ェニル4′−n−ノナノイルオキシビフェニル−4−カ
ルボキシレートの合成と相転移温度の測定 4′−ノナノイルオキシビフェニル−4−カルボン酸
5.00gと2)で合成した、1−メチルヘプチル4−ヒド
ロキシベンゾエート6.67gとを330mlの脱水テトラヒドロ
フラン中に溶解する。その中に6.18gのジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)と0.24gのジメチルアミノピリ
ジンとを加え、一昼夜かきまぜる。反応溶液を濾過し、
濾液中のテトラヒドロフランを留去する。残査物を塩化
メチレンにて溶解し、少量の水にて水洗する。塩化メチ
レン層を集め、無水硫酸マグネシウムにて脱水する。塩
化メチレンを留去し、残査物をシリカゲルクロマトグラ
フにて精製し、さらにエタノールにて再結晶し、目的物
2.83gを得る。ホットステージの偏光顕微鏡観察により
次に相転移温度(℃)を得た。
ェニル4′−n−ノナノイルオキシビフェニル−4−カ
ルボキシレートの合成と相転移温度の測定 4′−ノナノイルオキシビフェニル−4−カルボン酸
5.00gと2)で合成した、1−メチルヘプチル4−ヒド
ロキシベンゾエート6.67gとを330mlの脱水テトラヒドロ
フラン中に溶解する。その中に6.18gのジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)と0.24gのジメチルアミノピリ
ジンとを加え、一昼夜かきまぜる。反応溶液を濾過し、
濾液中のテトラヒドロフランを留去する。残査物を塩化
メチレンにて溶解し、少量の水にて水洗する。塩化メチ
レン層を集め、無水硫酸マグネシウムにて脱水する。塩
化メチレンを留去し、残査物をシリカゲルクロマトグラ
フにて精製し、さらにエタノールにて再結晶し、目的物
2.83gを得る。ホットステージの偏光顕微鏡観察により
次に相転移温度(℃)を得た。
ここでS(3) *は三安定状態を表わす。
目的化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr)を第5図
に示す。目的化合物の比旋光度を次に示す。
に示す。目的化合物の比旋光度を次に示す。
▲〔α〕25 D▼=−20.9゜ 実施例2 4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル
4′−n−オクチルビフェニル−4−カルボキシレート 実施例1の3)の4′−ノナノイルオキシビフェニル
−4−カルボン酸の代りに4′−オクチルビフェニル−
4−カルボン酸を使用し、実施例1と同様の方法にて目
的化合物を得る。
4′−n−オクチルビフェニル−4−カルボキシレート 実施例1の3)の4′−ノナノイルオキシビフェニル
−4−カルボン酸の代りに4′−オクチルビフェニル−
4−カルボン酸を使用し、実施例1と同様の方法にて目
的化合物を得る。
ポットステージの偏光顕微鏡観察により次の相転移温
度(℃)を得た。
度(℃)を得た。
目的化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr)を第6図
に示す。目的化合物の比旋光度を次に示す。
に示す。目的化合物の比旋光度を次に示す。
▲〔α〕25 D▼=−22.3゜ 実施例3 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.9μmの液晶セルに、実施例1で得ら
れた液晶化合物をIsotropic相において充填し、液晶薄
膜セルを作成した。
に有するセル厚2.9μmの液晶セルに、実施例1で得ら
れた液晶化合物をIsotropic相において充填し、液晶薄
膜セルを作成した。
この薄膜セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にて徐冷
し、SA相を配向させ、±30V、10Hzの矩形波を印加し、
フォトマルチプライヤー付偏光顕微鏡にて電気光学的応
答動作を検出したところ、第9図に示すように、SA相に
おいて印加電界(a)に対して光学応答するエレクトロ
クリニック効果(b)を観察した。他の実施例の化合物
においても同一の効果が観察された。
し、SA相を配向させ、±30V、10Hzの矩形波を印加し、
フォトマルチプライヤー付偏光顕微鏡にて電気光学的応
答動作を検出したところ、第9図に示すように、SA相に
おいて印加電界(a)に対して光学応答するエレクトロ
クリニック効果(b)を観察した。他の実施例の化合物
においても同一の効果が観察された。
実施例4 実施例5と全く同様の方法にて作成した液晶セルを2
枚の偏光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏
光顕微鏡に、−30V印加時の分子長軸方向と偏光子が重
なる状態に配置した。この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間
の温度勾配にてS(3) *相まで徐冷した。さらに冷却して
ゆき、103.0℃〜62.6℃の温度範囲において、±30V、10
Hzの三角波電圧(s)を印加した場合を第10図に示し
た。印加電圧がマイナス域での暗状態、0ボルト域での
中間状態、プラス域での明状態と光透過率が三つの状態
に変化(c)し、これに対応して分極反転電流波形のピ
ーク(b)もそれぞれ表れていることを観察し、三つの
安定な液晶分子の配向状態があることを確認した。他の
実施例の化合物においても同一の効果が観察された。
枚の偏光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏
光顕微鏡に、−30V印加時の分子長軸方向と偏光子が重
なる状態に配置した。この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間
の温度勾配にてS(3) *相まで徐冷した。さらに冷却して
ゆき、103.0℃〜62.6℃の温度範囲において、±30V、10
Hzの三角波電圧(s)を印加した場合を第10図に示し
た。印加電圧がマイナス域での暗状態、0ボルト域での
中間状態、プラス域での明状態と光透過率が三つの状態
に変化(c)し、これに対応して分極反転電流波形のピ
ーク(b)もそれぞれ表れていることを観察し、三つの
安定な液晶分子の配向状態があることを確認した。他の
実施例の化合物においても同一の効果が観察された。
本発明の新規液晶はいずれも安定な三状態を示すもの
であり、これを利用した表示デバイス、スイッチングデ
バイスなど広い用途を有する。
であり、これを利用した表示デバイス、スイッチングデ
バイスなど広い用途を有する。
第1図は、現実には得られていない理想の二状態液晶の
ヒステリシスを、第2図は実現にこれまでに合成された
二状態液晶のヒステリシスを、第3図は本発明にかかる
三状態液晶のヒステリシスをそれぞれ示すものであり、
第1〜3図とも、横軸は印加電圧を、縦軸は透過率
(%)を示す。第4図はAが印加される三角波を、Bが
市販ネマチック液晶の、Cはこれまでに合成された二状
態液晶の、Dは三状態液晶の、それぞれの光学応答特性
を示す。 第5〜6図は本発明の実施例1〜2の各化合物の赤外吸
収スペクトルを示す。第7図はエレクトロクリニック効
果を示したもので、図中aは液晶電気光学素子に印加し
た交番電圧を、図中bは図中aの交番電圧に対する光透
過率の変化を示したものである。 第8図は、本発明の化合物の三状態スイッチングを示し
たもので、図中aは液晶電気光学素子に印加した三角波
電圧を、図中bは分極反転電流を、そして図中cは図中
aの三角波電圧に対する光透過率の変化を示したもので
ある。
ヒステリシスを、第2図は実現にこれまでに合成された
二状態液晶のヒステリシスを、第3図は本発明にかかる
三状態液晶のヒステリシスをそれぞれ示すものであり、
第1〜3図とも、横軸は印加電圧を、縦軸は透過率
(%)を示す。第4図はAが印加される三角波を、Bが
市販ネマチック液晶の、Cはこれまでに合成された二状
態液晶の、Dは三状態液晶の、それぞれの光学応答特性
を示す。 第5〜6図は本発明の実施例1〜2の各化合物の赤外吸
収スペクトルを示す。第7図はエレクトロクリニック効
果を示したもので、図中aは液晶電気光学素子に印加し
た交番電圧を、図中bは図中aの交番電圧に対する光透
過率の変化を示したものである。 第8図は、本発明の化合物の三状態スイッチングを示し
たもので、図中aは液晶電気光学素子に印加した三角波
電圧を、図中bは分極反転電流を、そして図中cは図中
aの三角波電圧に対する光透過率の変化を示したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 一朗 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭和シェル石油株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−30740(JP,A) 特開 昭63−250348(JP,A) 特開 平2−83356(JP,A) 特開 平2−227489(JP,A) 特開 平2−206678(JP,A) Japanese Journal of Applied Physic s,1998,27(5),L729−L732 Japanese Journal of Applied Physic s,1987,26(11),L1787−L1789 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/20
Claims (1)
- 【請求項1】 〔式中、R1は炭素数5〜18のアルキル基、R2は炭素数4
〜15のアルキル基、 Xは、 または単結合であり、*は光学活性中心を示す。〕 で表わされる化合物を含有することを特徴とする電界印
加に対して三安定状態で駆動する光学素子用液晶。
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