JPH05202028A - チオフェン環を有する光学活性化合物 - Google Patents

チオフェン環を有する光学活性化合物

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JPH05202028A
JPH05202028A JP3238798A JP23879891A JPH05202028A JP H05202028 A JPH05202028 A JP H05202028A JP 3238798 A JP3238798 A JP 3238798A JP 23879891 A JP23879891 A JP 23879891A JP H05202028 A JPH05202028 A JP H05202028A
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alkyl
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義一 鈴木
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Ichiro Kawamura
一朗 河村
Yasushi Oide
泰 大出
Noriko Yamakawa
則子 山川
Hiroyuki Mogamiya
浩之 最上谷
Nobuhiro Okabe
伸宏 岡部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チオフェン環を有する新らしいタイプの液晶
化合物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 で示されるチオフェン環含有光学活性化合物で、R2
には少くともFを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性含ハロゲンア
ルコールのエステルまたはエーテルよりなるチオフェン
環を含む新規光学活性化合物および液晶化合物に関す
る。本発明の光学活性化合物は、液晶性を示すものと示
さないものがあるが、液晶性を表すものは双安定状態を
示す強誘電性液晶および全く新しい光学的三安定状態を
示す液晶化合物である。
【0002】
【従来技術】液晶を用いた電気光学装置としては、DS
M形、TN形、G−H形、STN形などのネマチック液
晶を用いた電気光学装置が開発され実用化されている。
しかしながら、このようなネマチック液晶を用いたもの
はいずれも応答速度が数mから数十msecと極めて遅い
という欠点を有するため、その応用分野に制約がある。
ネマチック液晶を用いた素子の応答速度がおそいのは分
子を動かすトルクが基本的に誘電率の異方性に基づいて
いるため、その力があまり強くないためである。このよ
うな背景の中で、自発分極(Ps)を持ち、トルクがPs×
E(Eは印加電界)に基づいているため、その力が強く、
数μsecから数+μsecの高速応答が可能な強誘電性液晶
がMeyerらにより開発された(Le Journal de Physiqu
e,36巻,1975,L-69)。又、最近になって光学的三安
定状態を示す新たな液晶化合物が本発明者等によって発
見され、本発明者等の特開昭63-307837号、特開平1-31
6367、特開平1-316339、特開平2-131450、特開平2-2
8128、特開平2-131450、特開平2-160748及び市橋等の
特開平1-213390号に開示されている。また、応用面に
おいても、強誘電性液晶を用いた高速電気光学装置が既
にいくつか提案されている。代表例を挙げれば、壁面の
力でねじれ構造を解き壁面と平行となった2つの分子配
向を印加電界の極性により変化させるものである(例え
ば特開昭56-107216号参照)。前記のものは、図1の電界
応答波形に示すような理想の二状態を呈する化合物の存
在を前提にしたものである。しかしながら、現実は前記
の理想の二状態を呈する化合物は発見されておらず、こ
れまでに合成された二状態液晶の電界応答波形は図2の
ようになってしまい、図1のような応答波形は得られて
いない。図2のような応答波形を示すものを例えば光の
スイッチング回路に利用しようとすると、印加電圧が−
(負)から+(正)側に変化するにつれて徐々に透過率
が変化する形であるため、単純にON,OFFの印加電圧変
化では充分目的を果すことができないのが実状である。
さらにこれまで合成されている二状態液晶は無電界時の
S*c相段階において理想の分子配向状態であるモノド
メイン状態をつくることが難しく、デイスクリネーショ
ン(欠陥)を生じたり、ツイストとよばれる分子配向の乱
れを生ずる。そのため大面積で前記理想の2状態配向を
実現することは困難である。さらに、閾値(輝度が所定
値変化する電圧)が低いので、ダイナミツク駆動を行っ
た場合にコントラストが低下したり、視野角範囲が狭く
なったりする。また、これまでに合成された二状態液晶
は図1のようなヒステリシスを示すことができず、図2
のようなヒステリシスしか示せないためメモリー効果が
ない。したがって、液晶に安定なS*c相における応答
を保持させるためには、図2のυ3の電圧を印加しつづ
けるか、あるいは高周波をかけつづけておかなければな
らず、いずれにしてもエネルギーロスが大きい。結局、
強誘電性液晶で得られる印加電界と分子配向の強い結合
を効果的に利用した高速液晶電気光学装置が望まれてい
るものの、従来の強誘電性液晶電気光学装置では、まだ
多くの問題が残されているのが実状である。そこで、本
発明では、二状態の新規液晶化合物を提供するのみでは
なく、無電界で明暗コントラストのはっきりした三つの
安定な分子配向状態を実現し、明確な閾値特性と図3に
示したような明確なヒステリシスを出現させ、また容易
にダイナミック駆動を実現し、さらに高速応答を可能と
した三状態を利用した液晶電気光学装置において使用で
きる新規液晶化合物をも提供することを目的とするもの
である。
【0003】
【目的】本発明の目的は、新規な双安定状態を示す液晶
化合物を提供する点にある。本発明のもう1つの目的
は、キラスメクチック相を示す強誘電性液晶および従来
の双安定状態相であるキラルスメクティックC相(S*
c相)とは異なる、全く新しい三状態を有する新規な強誘
電性液晶を提供する点にある。前記「三状態を有する」
とは第一の電極基板と所定の間隙を隔てて配置されてい
る第二の電極基板の間に強誘電性液晶が挟まれてなる液
晶電気光学装置において、前記第一及び第二の電極基板
に電界形成用の電圧が印加されるよう構成されており、
図4のAで示される三角波として電圧を印加したとき、
図4のDのように前記強誘電性液晶が、無電界時に分子
配向が第一の安定状態(図4のDの)を有し、かつ、電
界印加時に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一の
安定状態とは異なる第二の安定状態(図4のDの)を有
し、さらに他方の電界方向に対し前記第一及び第二の安
定状態とは異なる第三の分子配向安定状態(図4のDの
)を有することを意味する。なお、この三安定状態す
なわち三状態を利用する液晶電気光学装置については本
出願人は特願昭63-70212号として出願している。これに
対して、「市販のネマチック液晶」やこれまでに合成さ
れた二状態液晶は、図4のB,Cでみられるとおり、三
つの安定状態を有していない。この新しい三状態強誘電
性液晶は従来のネマティック型液晶と較べて液晶ディス
プレイとしたとき画期的効果を発揮する。従来型は、駆
動方式がアクティブマトリックス方式という大へん複雑
な構造をとる必要があったのに対し、三状態強誘電性液
晶は単純なマトリックス形表示ですむ。このため従来型
の場合は生産工程が複雑となり、画面の大型化は困難で
あり、製造コストも高いものになるのに対し、三状態強
誘電性液晶の場合は生産工程が簡単であり、画面も大型
化が可能となり、製造コストも安価にできるという画期
的なものである。本発明の1つの目的は、この三状態強
誘電性を示す新規な液晶を提供する点にある。
【0004】
【目的を解決するための手段】本発明の第1は、一般式
【化6】 (式中、R1は、炭素数4〜18のアルキル基、R2は下記
の式
【化7】 で示される光学活性基よりなる群から選らばれた基であ
り、R3は、炭素数4〜14のアルキル基、R4は、炭素数
2〜12のアルキル基、R5は、炭素数4〜12のアルキル
基を示し、RfはCH2F、CHF2、CF3またはC2
5を表わし、XはCOO、OまたはCH2Oを表わし、Y
はCOOまたは単結合を表わし、(A)は環状基を表わ
し、(B)は環状基、−CH=CH−または単結合を表わ
し、*は不斉炭素原子を示す。)で表わされることを特
徴とする光学活性化合物に関する。本発明の第2は、一
般式
【化8】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表され
ることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を有
する光学活性化合物に関する。本発明の第3は、一般式
【化9】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表され
ることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を有
する光学活性化合物に関する。本発明の第4は、一般式
【化10】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表わさ
れることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を
有する光学活性化合物に関する。
【0005】前記環状基としては、
【化11】 等の環状基(水素原子の1つまたは2つがハロゲンと置
換されていてもよい。)を挙げることができる。
【0006】本発明の液晶化合物は、下記の一般式
【化12】 で示される光学活性ハロアルカノール等を原料として製
造することができる(R1,R3は前記のとおり)。この
アルコールは、不斉合成や光学分割等により得ることが
できる。特に光学純度の高いものは、酵素または酵母類
または細菌類を用いる方法が有効である。
【0007】合成方法の一例を以下に示す。トリフルオ
ロ酢酸エチルとアルキルブロマイドのグリニャール試薬
とを反応させてトリフルオロアルキルケトンを得る。こ
のケトン体を水素化硼素ナトリウムにて還元して1-ト
リフルオロ-2-アルカノールを得た後、アセテートエス
テルに誘導する。このエステル体を酵母や細菌類により
立体選択的加水分解して、(R)体または(S)体の光
学活性1-トリフルオロ-2-アルカノールを得る。
【化13】 上記のトリフルオロ酢酸エチルに代えてモノフルオロ酢
酸エチル、ジフルオロ酢酸エチル、ペンタフルオロ酢酸
エチルおよびトリクロロ酢酸エチルをもちいて同様の方
法で対応する光学活性1-ハロアルキル-2-アルカノー
ルを得ることができる。
【0008】本発明で使用する好ましい光学活性含ハロ
ゲンアルコールの例として次のものが挙げられる。 1,1,1-トリフルオロ-2-ヘキサノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ヘプタノール 1,1,1-トリフルオロ-2-オクタノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ノナール 1,1,1-トリフルオロ-2-デカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ウンデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ドデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-トリデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-テトラデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ペンタデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ヘキサデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-ヘプタデカノール 1,1,1-トリフルオロ-2-オクタデカノール さらに、トリフルオロ基に代えて、モノフルオロ基、ジ
フルオロ基、ペンタフルオロ基、ジクロロモノフルオロ
基等が挙げられる。
【0009】本発明の液晶化合物の例としては、 (以下余白)
【化14】
【化15】
【化16】 等であり、上記化合物のトリフルオロ基にかえて、さら
に、モノフルオロ基、ジフルオロ基、ペンタフルオロ
基、ジフルオロモノフルオロ基等の化合物が挙げられ
る。光学活性化合物およびその液晶誘導体は(R)体およ
び(S)体が存在するが、その光学純度は高い方が好まし
いがとくに限定するものではない。
【0010】次に、本発明の光学活性化合物の合成方法
の例を示す。4-ベンジルオキシビフェニル-4'-カルボン
酸塩化物と(R)−(+)または(S)−(−)-トリフルオロ-
2-アルカノール等とをピリジン、トリエチルアミン等の
塩基の存在下、トルエン、塩化メチレン等有機溶媒と反
応させてエステル化合物を得る。このエステル化合物を
脱保護した後、得られたフェノール化合物と5-n-アルキ
ル-2-チエニルアクリル酸塩化物、5-n-アルキル-2-チ
オフェンカルボン酸塩化物または4−(5−n−アルキ
ル−2−チオフェンカルボニルオキシ)フェニルカルボ
ン酸塩化物と反応させて得ることが出来る(下記反応式
参照)。5-n-アルキル-2-チエニルアクリル酸は、特開
昭61-143374および5-n-アルキル-2-チオフェンカルボ
ン酸は、特開昭60-260935等の方法により製造すること
ができ、このものを塩化チオニル、三塩化リンおよび五
塩化リン等の塩素化試薬により酸塩化物とする。また、
4−(5−n−アルキル−2−チオフェンカルボニルオ
キシ)フェニルカルボン酸塩化物は、5−n−アルキル
−2−チオフェンカルボン酸塩化物と4−ヒドロキシ安
息香酸をピリジン、トリエチルアミン等の塩基の存在
下、トルエン、塩化メチレン等有機溶媒中で反応させて
エステル化合物を得た後、塩化チオニル、三塩化リンお
よび五塩化リン等の塩素化試薬により酸塩化物とする。
【化17】
【0011】又、本発明の光学活性化合物は、前記の4-
ベンジルオキシビフェニル-4'-カルボン酸塩化物のビフ
ェニル骨格をフェニル環、シクロヘキサン環、フェニル
シクロヘキサン環、フェニルピリミジン環、ピリジン環
等の環状骨格に換えて合成することも出来る。更に、本
発明の光学活性化合物は、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミ等の縮合剤を用いた5-n-アルキル-2-チエニルアクリ
ル酸または5-n-アルキル-2-チオフェンカルボン酸等と
フェノール化合物との脱水縮合反応によっても合成する
ことが出来る。
【0012】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、こ
れに限定されるものではない。 実施例1 5-n-デシル-2-チエニルアクリル酸 4-(1,1,1-トリフル
オロ-2-デシルオキシカルボニル)ビフェニルエステルの
合成
【化18】 1) 4-ベンジルオキシビフェニル-4'-カルボン酸1,1,1-
トリフルオロ-2-デシルオキシエステルの合成
【化19】 (R)−(+)−1,1,1-トリフルオロ-2-デカノール2.1gお
よびトリエチルアミン1.0gを塩化メチレン20mlに加え
て撹拌しながら、4-ベンジルオキシビフェニル-4'-カル
ボン酸クロリド3.5gの塩化メチレン100ml溶液をゆっく
り滴下する。その後、ジメチルアミノピリジン0.4gを
加え、一昼夜室温にて撹拌する。その後、反応液を水層
に入れ中性とし、塩化メチレン層を抽出後、無水硫酸マ
グネシウムにて脱水後溶媒を減圧溜去した後、シリカゲ
ルクロマト法により分離精製し目的2.95gを得た。 2) 4-ヒドロキシビフェニル-4'-カルボン酸1,1,1-トリ
フルオロ-2-デシルオキシエステルの合成
【化20】 4-ベンジルオキシビフェニル-4'-カルボン酸1,1,1-トリ
フルオロ-2-デシルオキシエステル2.95gをエタノール5
0mlに溶解する。次いでPd−C触媒を0.3gを加え、フ
ラスコ内をH2ガスで置換し、室温にて24時間撹拌す
る。Pd−C触媒を濾過除去したのち溶媒を減圧除去
し、目的物2.29gを得る。 3) 5-n-デシル-2-チエニルアクリル酸4-(1,1,1-トリフ
ルオロ-2-デシルオキシカルボニル)ビフェニルエステル
の合成
【化21】 上記2)で得たフェノール体とトリエチルアミン0.6gを
塩化メチレン50mlに溶解したのち、5-n-デシル-2-チエ
ニルアクリル酸クロリド1.93gを塩化メチレン50ml溶液
を室温下撹拌しながら加え、更にジメチルアミノピリジ
ン0.3g加え、一昼夜撹拌する。不溶物を濾過し、中性
下、塩化メチレン/水で抽出する。有機層を無水硫酸マ
グネシウムにて脱水した後、溶媒を減圧溜去し、次いで
シリカゲルクロマト法にて精製分離して、目的光学活性
化合物1.54gを得る。このものの物性測定を行う場合、
エタノール等の溶媒により再結晶を繰り返して精製をす
る。本化合物はホットステージ付き顕微鏡およびDSC
による測定から液晶性を示し、次のような相転移温度を
示した。
【表1】 但し、S*(3)は光学的三安定状態液晶相を示す。本化
合物の赤外吸収スペクトル図を図6に示す。
【0013】実施例2 5-n-デシル-2-チエニルアクリル酸 4-(1,1,1-トリフル
オロ-2-デシルオキシカルボニル)フェニルエステルの合
【化22】 実施例1の4-ベンジルオキシビフェニル-4'-カルボン酸
クロリドのかわりに4-ベンジルオキシフェニル-4'-カル
ボン酸クロリドを用いて同様の方法により合成して、目
的化合物である5-n-デシル-2-チエニルアクリル酸 4-
(1,1,1-トリフルオロ-2-デシルオキシカルボニル)フェ
ニルエステルを得た。本化合物は、ホットステージ付偏
光顕微鏡およびDSC測定から−60℃まで等方相であ
った。本化合物の赤外吸収スペクトル図を図7に示す。
【0014】実施例3 5−n−デシル−2−チオフェンカルボン酸 4−
(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)フェニルエステルの合成
【化23】 1)4−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロ−
2−オクチルエステルの合成
【化24】 (R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−オク
タノール3.7g、トリエチルアミン1.2gを塩化メ
チレン40mlに加えて撹拌しながら、4−ベンジルオ
キシ安息香酸クロリド4.3gを塩化メチレン40ml
に溶かした溶液を滴下する。さらに、ジメチルアミノピ
リジン0.5gを加えて、室温にて一昼夜撹拌する。そ
の後、反応液を水層に入れ中性とし、塩化メチレン層を
抽出後、無水硫酸マグネシウムにて脱水する。溶媒を減
圧留去した後、シリカゲルクロマト法により分離精製
し、4−ベンジルオキシ安息香酸 1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルエステル3.5gを得る。これ
を、エタノール30mlに溶解し、Pd−カーボン0.
7gを加える。水素雰囲気化、室温で一昼夜撹拌する。
Pd−カーボンを濾過除去した後、溶媒を減圧留去し目
的物2.8gを得る。 2)5−n−デシル−2−チオフェンカルボン酸 4−
(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)フェニルエステルの合成
【化25】 上記1)で得たフェノール体1.5gとトリエチルアミン
0.6gを塩化メチレン15mlに溶解したのち、5−
n−デシル−2−チオフェンカルボン酸クロリド1.9
gの塩化メチレン15ml溶液を室温下撹拌しながら加
え、更にジメチルアミノピリジン0.2gを加え一昼夜
撹拌する。不溶物を濾過し、中性下、塩化メチレン/水
で抽出する。有機層を無水硫酸マグネシウムにて脱水し
た後、溶媒を減圧留去し、次いでシリカゲルクロマト法
にて精製分離して、目的光学活性化合物1.8gを得
る。このものの物性測定を行なう場合、エタノール等の
溶媒により再結晶を繰り返して精製をする。本化合物
は、ホットステージ付き顕微鏡およびDSCによる測定
から液晶性を示し、次のような相転移温度を示した。
【表2】 本化合物の赤外吸収スペクトル図を図8に示す。
【0015】実施例4 5−n−デシル−2−チオフェンカルボン酸 4−
(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカル
ボニル)ビフェニルエステルの合成
【化26】 実施例3の4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドのかわ
りに、4−ベンジルオキシビフェニル−4′−カルボン
酸クロリドを用いて同様の方法により合成して、目的化
合物である5−n−デシル−2−チオフェンカルボン酸
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキ
シカルボニル)ビフェニルエステルを得た。本化合物
は、ホットステージ付き顕微鏡およびDSCによる測定
から液晶性を示し、次のような相転移温度を示した。
【表3】 但し、S*(3)は光学的三安定状態液晶相を示す。本化
合物の赤外吸収スペクトル図を図9に示す。
【0016】実施例5 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ
カルボニル)フェニル4−(5−n−オクチル−2−チ
オフェンカルボニルオキシ)ベンゾエートの合成
【化27】 1)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキ
シカルボニル)フェニル 4−ヒドロキシベンゾエート
の合成
【化28】 実施例3 1)で合成した4−ヒドロキシ安息香酸 1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチルエステル1.5g
とトリエチルアミン0.6gを塩化メチレン20mlに
加えて撹拌しながら、4−ベンジルオキシ安息香酸クロ
リド1.6gを塩化メチレン20mlに溶かした溶液を
滴下する。さらに、ジメチルアミノピリジン0.2gを
加えて、室温にて一昼夜撹拌する。その後、反応液を水
層に入れ中性とし、塩化メチレン層を抽出後、無水硫酸
マグネシウムにて脱水する。溶媒を減圧留去した後、シ
リカゲルクロマト法により分離精製し、4−(1,1,
1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)フ
エニル 4−ベンジルオキシベンゾエート2.0gを得
る。これをエタノール50mlに溶解し、Pd−カーボ
ン0.4gを加える。水素雰囲気化、室温で一昼夜撹拌
する。Pd−カーボンを濾過除去した後、溶媒を減圧留
去し目的物1.3gを得る。 2)4−(1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキ
シカルボニル)フェニル 4−(5−n−オクチル−2
−チオフェンカルボニルオキシ)ベンゾエートの合成
【化29】 上記1)で得たフェノール体とトリエチルアミン0.4g
を塩化メチレン50mlに溶解した後、5−n−オクチ
ル−2−チオフェンカルボン酸クロリド1.0gを塩化
メチレン50ml溶液を室温下撹拌しながら加え、更に
ジメチルアミノピリジン0.1gを加え、一昼夜撹拌す
る。不溶物を濾過し、中性下、塩化メチレン/水で抽出
する。有機層を無水硫酸マグネシウムにて脱水した後、
溶媒を減圧留去し、次いでシリカゲルクロマト法にて精
製分離して、目的光学活性化合物1.3gを得る。この
ものの物性測定を行なう場合、エタノール等の溶媒によ
り再結晶を繰り返して精製をする。本化合物は、ホット
ステージ付き顕微鏡およびDSCによる測定から液晶性
を示し、次のような相転移温度を示した。
【表4】 但し、S*(3)は光学的三安定状態液晶相を示す。本化
合物の赤外吸収スペクトル図を図10に示す。
【0017】実施例6 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.0μmの液晶セルに、実施例5で得られ
た液晶化合物を等方相において充填し、液晶薄膜セルを
作成した。このセルを2枚の偏光板を直交させたフォト
マルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、無電圧印加時の分
子長軸方向と偏光子が22.5°をなす状態に配置した。こ
の液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にてS*(3)
相まで徐冷した。さらに冷却してゆき、15℃〜35℃の温
度範囲において、±30V、10Hzの三角波電圧(a)を印加し
た場合を図5に示した。印加電圧がマイナス域での暗状
態、0ボルト域での中間状態、プラス域での明状態と光
透過率が三つの状態に変化(b)し、三つの安定な液晶分
子の配向状態があることを確認した。
【0018】
【効果】
1. 本発明の光学活性化合物において、強誘電性液晶相
を示すものは、単体で液晶表示素子等へ利用可能であ
る。また、たまたま液晶性の低いもの、および液晶性を
示さないものでも他の液晶化合物と共に混合して液晶組
成物を構成する成分として有用な化合物である。 2. 更に、本発明の光学活性化合物はS*(3)相を示し、
三状態を利用した電気光学装置、表示デバイス、スイッ
チング素子等の用途を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】現実には得られていない理想の二状態液晶のヒ
ステリシスを示す。
【図2】現実にこれまでに合成された二状態液晶のヒス
テリシスを示す。
【図3】本発明にかかる三状態液晶のヒステリシスを示
すものであり、横軸は印加電圧を、縦軸は透過率(%)を
示す。
【図4】Aが印加される三角波電圧を、Bが市販ネマチ
ツク液晶の、Cはこれまでに合成された二状態液晶の、
Dは三状態液晶の、Eは四状態液晶の、それぞれの光学
応答特性を示す。
【図5】aは液晶電気光学素子に印加した三角波電圧
を、bは図中aの三角波電圧に対する光透過率の変化を
示す。
【図6】実施例1の赤外吸収スペクトル図を示す。本図
を含め、以下のスペクトル図は、すべて縦軸は透過率
(T%)、横軸は波数である。
【図7】実施例2の赤外吸収スペクトル図を示す。
【図8】実施例3の赤外吸収スペクトル図を示す。
【図9】実施例4の赤外吸収スペクトル図を示す。
【図10】実施例5の赤外吸収スペクトル図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大出 泰 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内 (72)発明者 山川 則子 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内 (72)発明者 最上谷 浩之 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内 (72)発明者 岡部 伸宏 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1は、炭素数4〜18のアルキル基、R2は下記
    の式 【化2】 で示される光学活性基よりなる群から選らばれた基であ
    り、R3は、炭素数4〜14のアルキル基、R4は、炭素数
    2〜12のアルキル基、R5は、炭素数4〜12のアルキル
    基を示し、RfはCH2F、CHF2、CF3またはC2
    5を表わし、XはCOO、OまたはCH2Oを表わし、Y
    はCOOまたは単結合を表わし、(A)は環状基を表わ
    し、(B)は環状基、−CH=CH−または単結合を表わ
    し、*は不斉炭素原子を示す。)で表わされることを特
    徴とする光学活性化合物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化3】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表され
    ることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を有
    する光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表され
    ることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を有
    する光学活性化合物。
  4. 【請求項4】 一般式 【化5】 (式中、R1、R3、*は前記と同一である。)で表わさ
    れることを特徴とする光学的三安定状態を示す液晶相を
    有する光学活性化合物。
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