JPH093009A - フェニルエステル化合物及び反強誘電性液晶組成物 - Google Patents

フェニルエステル化合物及び反強誘電性液晶組成物

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JPH093009A
JPH093009A JP9695896A JP9695896A JPH093009A JP H093009 A JPH093009 A JP H093009A JP 9695896 A JP9695896 A JP 9695896A JP 9695896 A JP9695896 A JP 9695896A JP H093009 A JPH093009 A JP H093009A
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antiferroelectric liquid
antiferroelectric
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JP9695896A
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Hironori Motoyama
裕規 本山
Tomoyuki Yui
知之 油井
Masahiro Kino
正博 城野
Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スメクチックA相を有し、高速応答を示す実
用的な反強誘電性液晶組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるフェニルエス
テル化合物並びに該一般式(1) で表される化合物を下記
一般式(2) で表される反強誘電性液晶に混合してなる反
強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) 中のmは 3〜12の整数、nは 1〜11の整数、
X1, X2はH原子またはいずれか一方がF原子、AはH原
子または-CH3基である。式(2) 中のRは炭素数 4〜12の
直鎖アルキル基、YはH原子またはいずれか一方がF原
子、A1は-CH3または-CF3基であり、A1が-CH3のとき、p=
0 で r=6〜10の整数、A1が-CF3のとき、p=0 で r=6〜8
の整数、または p=1で q=5〜8の整数、r は 2又は4 の
整数である。) 【効果】 広い温度範囲で反強誘電相を有し、かつ、低
温での応答速度の改善されたものであり、表示品質の高
い反強誘電性液晶表示素子を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なフェニルエス
テル化合物およびそれを含む新規な反強誘電性液晶組成
物、並びにそれらを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液
晶表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでのCR
T表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大
型液晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。すなわ
ち、大表示容量化、フルカラー表示、広視野角、高速応
答、高コントラスト化等が要求されている。このような
要請に応える液晶表示方式(液晶駆動方式)として、現
在ネマチック液晶材料を用いる単純マトリックス駆動で
あるSTN液晶表示素子とアクテイブマトリックス駆動
であるTFT或いはMIM液晶表示素子がある。
【0003】これらの表示方式に於いて、最近応答速度
の遅さ、視野角の狭さが大きな問題になっている。すな
わち、応答速度が数十msオーダーであり動画表示を行
うとき良好な画質が得られない。また、液晶分子のねじ
れ状態(ツイスト配向)を利用して表示するため、視野
角が必然的に狭くなる。特に階調表示を行うと、視野角
が急激に狭くなり、ディスプレイを見る角度によって、
コントラスト比、色などが変わってしまう。この問題の
改善は現在強力に進められているが、ネマチック液晶を
用いている限りは根本的な解決は難しい。従って、CR
Tと同等以上の表示品質は得られていないのが現状であ
る。
【0004】このように、ネマチック液晶表示素子は、
上記の高性能大型液晶表示素子への要求を満足するにい
たっていない。このような状況のなかで、視野角が広
く、高速液晶表示素子として注目されているのが、強誘
電性液晶を用いた液晶表示素子である。クラ−クとラガ
バ−ルにより発表された、表面安定化型強誘電性液晶(S
SFLC) 素子は、その従来にない速い応答速度と広い視野
角を有する事が注目され、そのスイッチング特性に関し
ては詳細に検討されており、種々の物性定数を最適化す
るため、多くの強誘電性液晶が合成されている。しかし
ながら、しきい値特性が不十分である、層の構造がシェ
ブロン構造をしているなどからコントラストが不良であ
る、高速応答の実現が困難である、配向制御が困難で S
SFLCの最大の特徴の1つである双安定性の実現が容易で
ない、機械的衝撃に依って配向が破壊されそれの回復が
困難であるなどの問題があり、実用化にはこれらの問題
の克服が必要である。
【0005】これとは別に、 SSFLCと異なるスイッチン
グ機構の素子の開発も、同時に進められている。反強誘
電相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と呼
ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新しい
スイッチング機構の1つである。(Japanese Journal of
Applied Physics, Vol.27, pp.L729,1988) 。反強誘電
性液晶素子は、3つの安定な状態を有する。すなわち、
強誘電性液晶素子で見られる、2つのユニフォ−ム状態
(Ur, Ul)と第三状態である。この第三状態が、反強誘電
相であることをChandaniらが報告している(Japanese Jo
urnalof Applied Physics, Vol.28, pp.L1261, 1989,
Japanese Journal of AppliedPhysics, Vol.28, pp.L12
65, 1989) 。
【0006】このような三安定状態間のスイッチング
が、反強誘電性液晶素子の第1の特徴である。反強誘電
性液晶素子の第2の特徴は、印加電圧に対して明確なし
きい値が存在することである。更に、メモリ−性を有し
ており、これが反強誘電性液晶素子の第3の特徴であ
る。これらの優れた特徴を利用することにより、単純マ
トリックス駆動によって応答速度が速く、コントラスト
が良好な液晶表示素子を実現できる。
【0007】又、もう一つの大きな特徴として、層構造
が、電界により容易にスイッチングする事があげられる
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L
119,1989、Japanese Journal of Applied Physics, Vo
l.29, pp.L111, 1990) 。このことにより、欠陥が極め
て少なく、配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作
製が可能となり、コントラストに優れた液晶素子を実現
できる。更に、強誘電性液晶では殆ど不可能である電圧
階調が、反強誘電性液晶では単純マトリックス駆動に於
いても可能であることが実証され、フルカラー化への道
が開け、一層反強誘電性液晶の重要性が増してきている
(第4回強誘電性液晶国際会議予稿集、77ぺージ、199
3) 。
【0008】以上のように、反強誘電性液晶の優位性
は、確かなものになりつつあるが、駆動温度範囲の拡大
と応答速度のより一層の向上、更にはスメクチックA相
が存在する反強誘電性液晶の開発が望まれている。応答
速度に関しては、特に室温以下の低温側で問題が大き
い。低温側、例えば10℃での応答速度は、室温のそれに
比較して10〜20倍も遅くなってしまうのが現状である。
そのため低温側の駆動を円滑にするために、周波数ある
いは駆動電圧を変えたりする手法あるいはヒーターを設
置する方法などが考えられている。しかしながら、周波
数、電圧を変えるにも限界があり周波数、電圧変化で液
晶の特性の低さを十分にカバーするには至っていない。
また、ヒーターを設置した場合は、素子の光透過率が低
下する結果コントラストが低下し表示品位の高い素子は
得られないこととなる。
【0009】反強誘電性液晶の場合、反強誘電状態から
強誘電状態へ、強誘電状態から反強誘電状態への二つの
スイッチングが存在する。この電圧による二つのスイッ
チング速度、すなわち、応答速度が表示素子の表示品質
を決める重要な因子となる。特に、反強誘電状態から強
誘電状態への応答速度(以下、応答速度I とする)は、
例えば線順次走査する単純マトリックス駆動に於て、走
査線−ライン当りの書き込み速度となるので一画面を構
成する走査線数を決定することになり重要である。すな
わち、応答速度Iが速ければ速いほど走査線数を増やす
ことができ、高精細素子の実現が可能となる。
【0010】また、強誘電状態から反強誘電状態への応
答速度(以下、応答速度IIとする)は、素子の駆動方法
の設計により必要とされる速度は変わる。例えば、オフ
セット電圧の設定電圧によって変わるが、余りにも応答
速度IIが速い場合は強誘電状態を維持(明或は暗状態の
維持)できず、逆に余りにも遅い場合には強誘電状態か
ら反強誘電状態への変化(明或は暗状態から暗或は明状
態への書換え)が起こらず、不都合となる。応答速度II
は、駆動方法を決定した後に最適な値を設定することに
なる。以上、反強誘電性液晶を用いて、高精細素子の実
現のためには、応答速度I が速いことが重要であると同
時に温度に対する応答速度の依存性が小さいことが望ま
しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】反強誘電性液晶は、上
述したように低温側でのより一層の応答速度の向上と、
反強誘電相の温度範囲の拡大ならびにスメクチックA相
の存在が必要である。応答速度は、M. Nakagawa によれ
ば反強誘電性液晶の場合、液晶分子の回転粘性に依存す
ることが示されている(Masahiro Nakagawa, Japanese J
ournal ofApplied Physics,30,1759(1991)) 。即ち粘性
が低いほど応答速度は速くなる。また、温度に対する応
答速度の変化を見ると、室温付近を境にしてそれ以下の
温度では指数関数的に応答速度は低下していく。反強誘
電性液晶は、液晶相がスメクチック相であるが故に粘性
が高く、そのために低温側で粘性が急激に増大しその粘
性抵抗のために応答速度が急激に低下していくものと考
えられている。
【0012】この問題の解決のための具体策の一つとし
ては、比較的低粘性の化合物を液晶組成物に添加し、組
成物全体の粘性を低下させ、もって応答速度の改善を計
ろうとする試みが考えられる。この方法が、現在のとこ
ろ最も現実的な解決策になり得ると考えらるが、この方
法は反強誘電相の上限温度を低下させる傾向があり、応
答速度は改善されても反強誘電相の温度範囲の面で問題
が生じて来る。一般にデイスプレーとしての反強誘電性
液晶素子を考えたとき、バックライトにより素子の温度
は少なくとも40℃ぐらいになると考えられる。従って、
正常な素子の駆動のためには反強誘電相の上限温度は少
なくとも40℃以上必要であり、望ましくは50℃以上必要
である。
【0013】そしてこの温度の高温側に、良好な配向を
得るためにスメクチックA相を存在させることが必要で
ある。また、低温側では少なくとも10℃で素子は駆動で
きることが必要である。従って、反強誘電相の下限温度
は少なくとも0℃であることが必要である。本発明はこ
の様な観点からなされたものであり、広い温度範囲で反
強誘電相を有し、スメクチックA相を有し、かつ低温で
高速応答を示す反強誘電性液晶組成物を提供するもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1) で表されるフェニルエステル化合物であ
る。本発明の一般式(1) で示されるフェニルエステル化
合物としては、AがH原子のとき、液晶相を有しないこ
とが望ましい。また、Aが CH3のときには、nは4〜8
が好ましい。
【0015】
【化3】 (式(1) 中のmは 3〜12の整数、nは 1〜11の整数、
X1, X2はH原子またはいずれか一方がF原子、AはH原
子または-CH3基である。)
【0016】また、本発明は下記一般式(1) で表される
フェニルエステル化合物を下記一般式(2) で表される反
強誘電性液晶に混合してなる反強誘電性液晶組成物であ
る。
【化4】 (式(1) 中のmは 3〜12の整数、nは 1〜11の整数、
X1, X2はH原子またはいずれか一方がF原子、AはH原
子または-CH3基である。式(2) 中のRは炭素数 4〜12の
直鎖アルキル基、YはH原子またはいずれか一方がF原
子、A1は-CH3または-CF3基であり、A1が-CH3のとき、p=
0 で r=6〜10の整数、A1が-CF3のとき、p=0 で r=6〜8
の整数、または p=1で q=5〜8の整数、r は 2又は4 の
整数である。)
【0017】本発明の反強誘電性液晶組成物において、
一般式(2) で示される反強誘電性液晶としては、Rが炭
素数 6〜10、Y がFであることが望ましい。また、一般
式(2) において、A1が CH3で p=0のとき、r は 6〜10で
あることが好ましい。更に、A1が CF3で p=1の時は qは
5〜8であることが好ましく、もっとも好ましくは5で
あり、r は2であることがもっとも好ましい。また、A1
が CF3で p=0のとき、r は 6〜8 であることが好まし
い。
【0018】反強誘電性液晶組成物中の一般式(1) で示
されるフェニルエステル化合物は1〜50モル%、好まし
くは 1〜30モル%の範囲であり、実用上、反強誘電性液
晶組成物はスメクチックA相を有していることが必要で
ある。スメクチックA相を有しない場合は、著しく配向
性が悪く高いコントラストを得ることは難しい。反強誘
電相の温度範囲は、できるだけ広いことが望ましく、少
なくとも高温側の反強誘電相の転移温度は40℃以上、低
温側の反強誘電相の転移温度は0℃以下であることが望
ましい。そして、本発明の反強誘電性液晶組成物は、一
対の電極基板に配置し、広い温度範囲で好適に駆動でき
る単純マトリックス液晶表示素子とすることができる。
【0019】本発明において用いられる一般式(2) で示
される反強誘電性液晶、一般式(3)で示されるフェリ誘
電相を有する液晶化合物は、既に本発明者らが示した方
法によって簡便に製造することができる(特開平4-1981
55号)。例えば、 (1) AcO-Ph(F)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(F)-COCl (2) (1) + R*OH → AcO-Ph(F)-COOR* (3) (2) + (PhCH2NH2) → HO-Ph(F)-COOR* (4) R'O-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → R'O-Ph-Ph-COCl (5) (3) + (4) → 液晶化合物 式中のAcは、CH3CO-基、Phは1,4-フェニレン基、Ph(F)
は2-又は3-位にF置換していてもよい1,4-フェニレン
基、R*は光学活性アルコール残基、R'は直鎖アルキル基
をそれぞれ示す。
【0020】上記製造法について、以下に簡単に説明す
る。(1) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ安
息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(2) は
塩素化物(1) と光学活性アルコールとの反応によるエス
テル化である。(3) はエステル(2) の脱アセチル化であ
る。(4) はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩素
化反応である。(5) は塩素化物(3) とフェノール(4) と
の反応による液晶の生成である。
【0021】
【発明の効果】本発明は、新規なフェニルエステル化合
物とそれを混合してなる反強誘電性液晶組成物を提供す
る事ができるものである。そして、本発明により提供さ
れた新規な反強誘電性液晶組成物は、広い温度範囲で反
強誘電相を有し、かつ高速応答を示し、そのため表示品
質の高い反強誘電性液晶表示素子を実現できる。
【0022】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 (一般式(1) の m=9, n=7, A=H, X1=H, X2=F (E1)) 4-デカノイルオキシ−2-フルオロ安息香酸ヘプチルの製
造。 (1) 4-デカノイルオキシ−2-フルオロ安息香酸の製造。 4-ヒドロキシ−2-フルオロ安息香酸 15.6g(0.1モル) を
ジクロロメタン 140ml(ミリリットル)に溶解した。そこにトリ
エチルアミン 16ml、n-デカン酸クロライド20.1g(0.11
モル)及びジメチアミノピリジン 0.97g (0.0079モル)
を順次加え、室温で1昼夜攪拌した。これに 10%塩酸
50ml を加え、エーテル 100mlで3回抽出した。有機層
を食塩水 100mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒留去後、ヘキサン 400mlで洗浄し、目
的物 25.5g(収率82%)得た。
【0023】(2) 4-デカノイルオキシ−2-フルオロ安息
香酸ヘプチルの製造。 (1) で得られた4-デカノイルオキシ−2-フルオロ安息香
酸 0.5g(0.0016モル)に塩化チオニル 10ml を加え、4
時間加熱還流した。塩化チオニルを留去し、得られた酸
クロライド 0.53gをトルエンに溶かした。そこにn-ヘプ
タノール 0.18g(0.0015モル)及びピリジン 0.27g (0.0
034モル)を順次加え、室温で24時間攪拌した。ここに
水 10ml を加え、30分攪拌した後、1N塩酸 20ml を加
え、ジクロロメタン 20ml で2回抽出した。有機層を水
20ml で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去し粗生物 0.68gを得た。これをシリカゲルを
用いたカラムクロマトグラフィーにより目的物 0.48g
(収率76%)を得た。
【0024】得られた目的物のNMRデーターをその式
と合わせて後記に示した。液晶相の同定はテクスチャー
観察、DSC(示差走査熱量計)により行った。得られ
た本化合物には液晶相は認められなかった。その融点
(凝固点)を下記表1に示した。
【0025】実施例2〜19 実施例1と同様な方法で、一般式(1) におけるm、n、
A、X1、X2が下記の表1であるフェニルエステル化合物
を合成した。得られたフェニルエステル化合物につい
て、実施例1と同様にした。得られた本化合物には液晶
相は認められなかった。その融点(凝固点)を下記表1
に示した。
【0026】
【表1】実施例No 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 m 9 3 4 5 7 10 5 5 7 9 n 6 6 6 6 8 2 2 4 4 8 A H H H H H H H H H H X1 H H H H H H H H H H X2 F F F F F F F F F F 融点(℃) -1 <-50 <-50 -40 -26 -1 -27 -35 -19 -3 化合物符号 E1 E2 E3 E4 E5 E6 E7 E8 E9 E10 実施例No 11 12 13 14 15 16 17 18 19 m 9 10 5 9 3 10 5 9 9 n 10 10 4 8 2 8 4 5 6 A H H H H H H H CH3 CH3 X1 H H F H H H H H H X2 F F H H F F H F F 融点(℃) 6 8 <-50 12 <-50 27 <-50 <-50 <-50化合物符号 E11 E12 E13 E14 E15 E16 E17 E18 E19
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【表2】水素原子番号 1 2 3 4 5 E1-12,15,16 (ppm) 2.6 7.0 7.0 8.0 4.4 E13 2.6 7.8 7.2 7.8 4.4 E14,17 2.6 7.2 8.1 4.4 E18 2.6 6.9 6.9 8.0 5.2 E19 2.6 7.0 7.0 8.0 5.2
【0031】実施例20 実施例1で得たフェニルエステル化合物(E1)を下記の反
強誘電性液晶(2A)に20モル%混合して反強誘電性液晶組
成物を得た。得られた反強誘電性液晶組成物の相の同
定、応答時間を測定した結果を表3に示した。 2A : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)
5OC2H5 (式(2) ; R1=C9H19, Y=F, A1=CF3, p=1, q=5, r=2) 液晶2AにはもともとスメクチックA相はなかったが、E1
を混合することによってスメクチックA相を有する組成
物が得られ、反強誘電相の温度範囲は広く、また、応答
時間I は大幅に改善された。
【0032】相の同定はテクスチャー観察、DSC(示差走
査熱量計)により行った。また、応答時間を次の様にし
て測定した。ラビング処理したポリイミド薄膜を有する
ITO電極付の液晶セル(セル厚 1.8μm)に、等方相の
状態で液晶組成物を充填した。このセルを毎分1℃で徐
冷してスメクチックA(SA相)で液晶を配向させた。セ
ルを直交する偏光板間に液晶の層方向がアナライザーま
たはポーラライザーと並行になるように設置した。液晶
セルに、周波数 10 Hz、50Vのステップ電圧を印加し
て、透過光変化が10%から90%変化するに要する時間を
応答時間と定義した。
【0033】実施例21〜33 実施例2〜14で得たフェニルエステル化合物(E2-E14)
を反強誘電性液晶(2A)にそれぞれ20モル%混合して反強
誘電性液晶組成物を得た。得られた組成物について、実
施例20と同様にして物性等を測定した結果を表3に示し
た。
【0034】
【表3】 化合物 相 系 列 応答時間 略号/モル% I II 温度 液晶 2A I(83)SC*(77)SCA*(<-50)Cr 79 2020 10℃ 実施例20 E1 /20 I(64)SA(56)SCA*(<-20)Cr 47 5500 10 〃 21 E2 /20 I(65)SA(56)SCA*(<-20)Cr 40 2160 10 〃 22 E3 /20 I(64)SA(53)SCA*(<-20)Cr 34 4000 10 〃 23 E4 /20 I(63)SA(52)SCA*(<-20)Cr 36 9500 10 〃 24 E5 /20 I(66)SA(58)SCA*(<-20)Cr 50 9500 10 〃 25 E6 /20 I(64)SA(56)SCA*(<-20)Cr 47 8500 10 〃 26 E7 /20 I(68)SA(55)SCA*(<-20)Cr 37 5500 10 〃 27 E8 /20 I(66)SA(54)SCA*(<-20)Cr 34 6600 10 〃 28 E9 /20 I(64)SA(56)SCA*(<-20)Cr 44 7800 10 〃 29 E10/20 I(64)SA(55)SCA*(<-20)Cr 52 9800 10 〃 30 E11/20 I(64)SA(55)SCA*(<-20)Cr 57 9900 10 〃 31 E12/20 I(64)SA(54)SCA*(<-20)Cr 56 9800 10 〃 32 E13/20 I(65)SA(53)SCA*(<-20)Cr 42 4300 10 〃 33 E14/20 I(64)SA(55)SCA*(<-20)Cr 54 7300 10 相系列中の括弧内の数字は転移温度(単位;℃)、Iは等方相、SC* はカイラ ルスメクチックC相(強誘電相)、SAはスメクチックA相、SCA*は反強誘電相、 Crは結晶相を表す。 応答時間I : 反強誘電状態から強誘電状態へのスイッチング時間 (単位;μ秒) 応答時間II: 強誘電状態から反強誘電状態へのスイッチング時間 (単位;μ秒)
【0035】実施例34、35 フェニルエステル化合物(E10) を反強誘電性液晶(2A)
に、それぞれ10、30モル%混合して反強誘電性液晶組成
物を得た。得られた組成物の物性を実施例20と同様にし
て物性等を測定した結果を表4に示した。 実施例36〜38 フェニルエステル化合物(E1)を、下記の化学式で表され
る反強誘電性液晶(2B,2C, 2D にそれぞれ20モル%混合
して液晶組成物を得た。得られた組成物の物性を実施例
20と同様にして物性等を測定した結果を表4に示した。 2B : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)
5OC2H5 (式(2) ; R1=C8H17, Y=F, A1=CF3, p=1, q=5, r=2) 2C : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C8H17 (式(2) ; R1=C8H17, Y=F, A1=CH3, p=0, r=8) 2D : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)C6H13 (式(2) ; R1=C8H17, Y=F, A1=CF3, p=0, r=6)
【0036】
【表4】 組成 相 系 列 応答時間 成分 モル比 I II 温度 実34 2A/E10=90/10 I(71)SA(66)SCA*(<-20)Cr 75 5350 10℃ 35 2A/E10=70/30 I(53)SA(42)SCA*(<-20)Cr 29 1640 10 36 2B/E1 =80/20 I(70)SA(62)SCA*(<-20)Cr 45 1540 10 37 2C/E1 =80/20 I(66)SA(60)SCA*(<-20)Cr 52 6200 10 38 2D/E1 =80/20 I(70)SA(69)SCA*(<-20)Cr 56 499 10 液晶 2B I(89)SA(88.6)SCA*(30)Cr *1 2C I(131)SA(114)SC*(113)SCA*(23)SX(<0)Cr *1 2D I(100)SA(108)SCA*(10)SX(0)Cr *1 表中の略号等の記載は表3と同様である。なお、SXは未同定の液晶相を示す。 また、液晶(2B, 2C, 2D)の行の *1 は、結晶化が起こり10℃では応答速度の測定 が出来なかったことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07M 7:00 (72)発明者 松本 隆宏 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表されるフェニルエス
    テル化合物。 【化1】 (式(1) 中のmは 3〜12の整数、nは 1〜11の整数、
    X1, X2はH原子またはいずれか一方がF原子、AはH原
    子または-CH3基である。)
  2. 【請求項2】 該一般式(1) で示される化合物が、液晶
    相を有しないことを特徴とする請求項1記載のフェニル
    エステル化合物。
  3. 【請求項3】 該一般式(1) のAが CH3のとき、nは 4
    〜8 の整数である請求項1記載のフェニルエステル化合
    物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1) で表されるフェニルエス
    テル化合物を下記一般式(2) で表される反強誘電性液晶
    に混合してなる反強誘電性液晶組成物。 【化2】 (式(1) 中のmは 3〜12の整数、nは 1〜11の整数、
    X1, X2はH原子またはいずれか一方がF原子、AはH原
    子または-CH3基である。式(2) 中のRは炭素数 4〜12の
    直鎖アルキル基、YはH原子またはいずれか一方がF原
    子、A1は-CH3または-CF3基であり、A1が-CH3のとき、p=
    0 で r=6〜10の整数、A1が-CF3のとき、p=0 で r=6〜8
    の整数、または p=1で q=5〜8の整数、rは 2又は4 の
    整数である。)
  5. 【請求項5】 該一般式(2) のRが炭素数 6〜10である
    請求項4記載の反強誘電性液晶組成物。
  6. 【請求項6】 該一般式(2) のYがF原子である請求項
    4記載の反強誘電性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 該一般式(2) のA1が CF3で p=1、q=5 で
    ある請求項4記載の反強誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 該一般式(2) のA1が CF3で p=1の時、r=
    2 である請求項4記載の反強誘電性液晶組成物。
  9. 【請求項9】 該一般式(1) で表されるフェニルエステ
    ル化合物の混合量が反強誘電性液晶組成物の 1〜50モル
    %の範囲である請求項4記載の反強誘電性液晶組成物。
  10. 【請求項10】 該一般式(1) で表されるフェニルエス
    テル化合物の混合量が反強誘電性液晶組成物の 1〜30モ
    ル%の範囲である請求項4記載の反強誘電性液晶組成
    物。
  11. 【請求項11】 該反強誘電性液晶組成物が、少なくと
    も温度0℃〜40℃の範囲で反強誘電相である請求項4記
    載の反強誘電性液晶組成物。
  12. 【請求項12】 請求項4記載の反強誘電性液晶組成物
    を、一対の電極基板間に配置してなることを特徴とする
    反強誘電性液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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