JPH10245364A - フェニルエステル化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物 - Google Patents

フェニルエステル化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物

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JPH10245364A
JPH10245364A JP9049210A JP4921097A JPH10245364A JP H10245364 A JPH10245364 A JP H10245364A JP 9049210 A JP9049210 A JP 9049210A JP 4921097 A JP4921097 A JP 4921097A JP H10245364 A JPH10245364 A JP H10245364A
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liquid crystal
ferrielectric
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ferridielectric
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JP9049210A
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Hironori Motoyama
裕規 本山
Tomoyuki Yui
知之 油井
Masahiro Kino
正博 城野
Hiroshi Mineta
浩 嶺田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向性の改良されたフェリ誘電性液晶組成物
を得る。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるフェニルエス
テル化合物、並びに該フェニルエステル化合物を下記一
般式(2) で示されるフェリ誘電性液晶に添加してなるフ
ェリ誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) 中、mは 5〜12の整数、nは 1〜4 、pは 1〜
10の整数、X, Yは水素原子又は一方が水素原子で他方
がフッ素原子である。式(2) 中、Rは炭素数6〜12の直
鎖アルキル基、ZはH原子又はF原子、qは2〜4、s
は2または4の整数である。) 【効果】 新規なフェニルエステル化合物が提供され、
これを用いてなるフェリ誘電性液晶組成物は、ヒステリ
シスが小さく、配向性の改良された。そのため、表示品
質の高いアクティブマトリックス液晶表示素子を実現で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェニルエステ
ル化合物とそれを含有するフェリ誘電性液晶組成物に関
し、これは各画素毎に駆動するアクティブマトリクス型
の液晶表示素子に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子(LCD)は、従来のブラ
ウン管ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレ
イとして、既にポータブル機器を中心に普及しつつあ
る。最近のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ
の機能拡大、および処理情報の大量化にともない、LC
Dにもより高い機能、すなわち、大表示容量化、フルカ
ラー表示、広視野角、高速応答、高コントラスト化等が
要求されている。
【0003】この様な要求に応える液晶表示方式(液晶
駆動方式)として、画面の各画素毎に薄膜トランジスタ
(TFT)あるいはダイオード(MIM)を形成し、各
画素毎に独立して液晶を駆動する方式であるアクディブ
マトリクス(AM)表示素子が提案実施されている。こ
の表示方式は、製造歩留まりが低いため低コスト化が困
難である、大画面化が困難であるなどの問題はあるが、
表示品質の高さにより従来主流であったSTN表示方式
を凌駕し、CRTに迫る勢いになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなAM表示素子において、液晶材料としてTN(ツイ
ステッドネマチック)液晶を用いているため、次のよう
な問題が生じている。 (1) TN液晶はネマチック液晶であり、応答速度が一般
的に遅く(数十ms)、動画表示を行うとき良好な画質
が得られない。 (2) 液晶分子のねじれ状態(ツイスト配向)を利用して
表示するため、視野角が狭い。特に階調表示を行うと、
視野角が急激に狭くなる。すなわち、ディスプレイを見
る角度によって、コントラスト比、色などが変わってし
まう。
【0005】これらの問題を解決するため、TN液晶に
代えて、強誘電性液晶や反強誘電性液晶を採用したAM
パネルの提案も近年行われているが(特開平5-249502、
同5-150257、同6-95080 等)、これらの液晶にも次のよ
うな問題点があり実用化の壁は厚いのが現状である。
【0006】(A) 強誘電性液晶は自発分極を有している
が、自発分極が常に存在するため画面の焼き付きが起こ
りやすく駆動が困難となる。また、強誘電性液晶は表面
安定化型モードで表示する場合、黒、白の2値表示しか
できないため、階調表示は極めて困難である。階調表示
を行うとするときには特別な工夫が必要(例えば、単安
定を使用した強誘電性液晶素子;KeiichiNITO et.al, S
ID'94、Preprint, p48)であり、高度な実用化技術の開
発が必要とされる。
【0007】(B) 反強誘電性液晶は、永久自発分極が存
在しないため上記(A) で述べられている焼き付の問題は
回避されている。AM駆動においては、少なくとも10V
以下で駆動する液晶材料が必要である。しかし、反強誘
電性液晶は一般にしきい値電圧が大きく、低電圧駆動は
困難である。また、光学応答に履歴(ヒステリシス)が
あるため階調表示が困難であるなどの問題を有してい
る。本発明の目的は、以上のような問題点を解決できる
AM駆動に適した新しい材料を提供することにあるが、
この新しい材料としてフェリ誘電相を有する液晶が考え
られる。
【0008】フェリ誘電相 (SCγ* 相)を有する液晶化
合物は、1989年、 4-(1-メチルヘプチロキシカルボニ
ル)フェニル=4-(4'-オクチルオキシビフェニル)カル
ボキシレート (略称 MHPOBC)において初めて発見された
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.29, No.
1, 1990, pp.L131-137)。
【0009】MHPOBCの構造式ならびに相転移温度(℃)
を次に示した。 構造式 : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-C*H(CH3)-C6H13 但し、Phは1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を表す。 相系列 : I(147)SA(122)SCα*(121)SC*(119)SCγ*(11
8)SCA*(65)SIA*(30)Cr 但し、I は等方相、SAはスメクチックA相、SCα* はカ
イラルスメクチックCα相、SC* はカイラルスメクチッ
クC相(強誘電相)、SCγ* はカイラルスメクチックC
γ相(フェリ誘電相)、SCA*はカイラルスメクチックC
A相(反強誘電相)、SIA*はカイラルスメクチックIA
相、Crは結晶相を示す。
【0010】フェリ誘電性液晶を説明するために、図1
にフェリ誘電相における分子配列状態を、図2にフェリ
誘電相の三角波に対する光学応答を示した。フェリ誘電
相では図1の FI(+)(印加電圧が正の場合)あるいはFI
(-)(印加電圧が負の場合)の分子配列をしている。電場
のない状態では、 FI(+)とFI(-) とは等価であるので共
存している。従って、平均的な光軸は層法線方向とな
り、図1に示した偏光板の条件下では暗状態となる。こ
の状態は、図2において電圧0で透過光強度が0のとこ
ろに相当する。
【0011】また、 FI(+)およびFI(-) は、分子配列状
態から明らかなようにそれぞれ自発分極を有するが、こ
れらの共存状態では自発分極を打ち消し合うため、平均
的な自発分極は零となる。このことから、フェリ誘電性
液晶は、反強誘電性液晶と同様に強誘電性液晶に見られ
る焼き付き現象から逃れられる。
【0012】フェリ誘電性液晶に電圧を印加していく
と、強誘電状態に達するよりも低い電圧で、消光位を持
つ領域(ドメイン)が現れる。この領域は、強誘電状態
ほどではないが、法線方向より傾いた方向に光軸を有し
ていることを示している。この中間的な状態が FI(+)ま
たはFI(-) と考えられる。なお、この場合、図2におい
て、電圧 0Vと 4Vの間で連続的な透過光強度の変化で
はなく、階段上の透過光強度が観測されるはずである。
しかし、図2では連続的な透過光強度が観測された。こ
れは FI(+)→FO(+) 、または FI(-)→FO(-) へのしきい
値電圧が明確でないことによると考えられる。本発明で
は、以上説明した中間状態が必ず観測される液晶相をフ
ェリ誘電相と、該フェリ誘電相がその相系列中で最も広
い液晶化合物をフェリ誘電性液晶と呼ぶ。
【0013】さらに、印加電圧を高くすると、電場の向
きに応じ安定な状態である強誘電相FO(+) またはFO(-)
に相転移する。すなわち、図2において透過光強度が飽
和状態(左右の平坦部)となったものが FO(+)またはFO
(-) である。この強誘電状態 FO(+)またはFO(-) では、
フェリ誘電状態 FI(+)またはFI(-)より更に大きな自発
分極が発現することが図1より分かる。以上のように、
フェリ誘電相では、 FI(+)とFI(-) の共存状態を暗、強
誘電状態 FO(+)およびFO(-) を明として使用できる。
【0014】従来の強誘電性液晶は、FO(+) 、FO(-) 間
のスイッチングであったのに対し、フェリ誘電性液晶で
は FO(+)、 FI(+)、FI(-) および FO(-)の4状態間でス
イッチングをするという大きな特徴を有している。ま
た、その表示原理はいずれも液晶の複屈折性を利用した
ものであり、視角依存性の小さな表示素子の作製が可能
である。
【0015】フェリ誘電相は図2に示されているよう
に、一般的にフェリ誘電状態から強誘電状態へ変化する
電圧と、強誘電状態からフェリ誘電状態へ変化する電圧
の差が小さい、即ちヒステリシスの幅が非常にせまい傾
向が強く、V字形の光学応答性を示すのが特徴で、AM
駆動及びAM駆動における階調表示に適した性質を持っ
ている。また、フェリ誘電性液晶の電圧による変化に於
て、フェリ誘電状態から強誘電状態へ変化する電圧であ
るしきい値電圧は、反強誘電性液晶に比べてはるかに小
さい傾向を有し、フェリ誘電性液晶はAM駆動に適して
いるといえる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在ま
でに合成されたフェリ誘電性液晶の数は極めて少なく、
更に従来知られていたフェリ誘電性液晶単体は、AM駆
動素子への応用を考えたとき、次のような問題点があっ
た。まず、フェリ誘電性液晶は、電圧に対する光学応答
においてヒステリシスの幅は極めて小さいが、完全にな
くなってはいない。そのため階調表示に問題が生じてき
ており、出来るだけヒステリシスの幅を無くすことが求
められている。次に、フェリ誘電性液晶は配向性がそれ
ほど優れていない。そのため現在のネマチック液晶を用
いたアクティブマトリックス駆動表示素子に比べて、コ
ントラストの点で劣っている。本発明は、これらの点を
改善することにあり、フェリ誘電性液晶のヒステリシス
を小さくし、かつ配向性を改善する添加物及びこれを含
有するAM駆動に好適に使用されるそれを含むフェリ誘
電性液晶組成物に関する。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1) で示されるフェニルエステル化合物であ
り、該フェニルエステル化合物は液晶相を有しないもの
であることがフェリ誘電性液晶組成物としたときの物性
が優れたものが得られ好ましい。また、本発明は、下記
一般式(1) で示されるフェニルエステル化合物を下記一
般式(2) で示されるフェリ誘電性液晶に添加してなるフ
ェリ誘電性液晶組成物である。
【0018】
【化3】 (式(1) 中、mは 5〜12、nは 1〜4 、pは 1〜8 の整
数、X、Yは水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ
素原子である。式(2) 中、rは炭素数 6〜12の直鎖アル
キル基、ZはH原子またはF原子、qは 2〜4 の整数、
sは 2又は4 の整数である。)
【0019】該一般式(1) であらわされるフェニルエス
テル化合物の添加量は組成物の1〜50モル%が好まし
く、より好ましくは1〜30モル%である。フェリ誘電性
液晶液晶組成物としては、該フェリ誘電相の高温側の転
移温度が40℃以上で、低温側の転移温度が 0℃以下であ
り、該フェリ誘電相よりも高温側にスメクチックA相を
有することが好ましい。そして、本発明のフェリ誘電性
液晶液晶組成物は、各画素毎に薄膜トランジスタあるい
はダイオード等の非線形能動素子を設置した基板間に狭
持して、アクティブマトリクス液晶表示素子とされ、そ
れは非線形能動素子を用いた液晶の電圧による駆動を2
つのフェリ誘電状態と2つの強誘電状態、及びその中間
状態へのスイッチングにて行われる。
【0020】本発明におけるフェリ誘電性液晶は、本発
明者らの特願平8-91235 号によって容易に製造できる。
その製造法の概略を一般式(2) において p=3, q=2 であ
る化合物について示せば、次の通りである。 (1) AcO-Ph(3X)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(3X)-COCl (2) (1) + CF3C*H(OH)(CH2)3OC2H5 → AcO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)3OC2H5 (3) (2) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)3OC2H5 (4) R-O-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → R-O-Ph-Ph-COCl (5) (3) + (4) → 目的フェリ誘電性液晶 式中、AcO はアセチル基、-Ph(3X)-は3-位へのF置換し
ていてもよい1,4-フェニレン基、Ph- はフェニル基、-P
h-は1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。
【0021】上記製造法を簡単に説明すると次の通りで
ある。(1) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(2)
は塩化物(1) と光学活性アルコールとの反応によるエス
テルの生成である。(3) はエステル(2) の脱アセチル化
である。(4) は 4'-アルキルオキシビフェニル−4-カル
ボン酸の塩素化である。(5) はフェノール(3) と塩化物
(4) との反応による液晶の製造である。
【0022】
【発明の効果】本発明は、新規なフェニルエステル化合
物とそれを含むフェリ誘電性液晶組成物を提供する。そ
して、本発明により提供された新規なフェリ誘電性液晶
組成物は、ヒステリシスが大幅に減少し、かつ配向性に
優れている。そのため表示品質の高いフェリ誘電性液晶
表示素子を実現できる。
【0023】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 (一般式(1): m=6, n=1, p=1, X=H, Y=
H (E1)) 4-(2,2,2-トリフルオロエトキシカルボニ
ル)-ヘプタノイルオキシベンゼンの製造。
【0024】(1) 4-ヘプタノイルオキシ安息香酸の製
造。 4-ヒドロキシ安息香酸 12.2g(0.1モル) をジクロロメタ
ン 140ml(ミリリットル)に溶解した。そこにトリエチルアミン
16ml 、n-ヘプタン酸クロライド 18.1g (0.11モル) お
よびジメチアミノピリジン 0.97g (0.0079モル) を順次
加え、室温で1昼夜攪拌した。これに10%塩酸 50mlを
加え、エーテル 100mlで3回抽出した。有機層を食塩水
00mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒留去後、ヘキサン 400mlで洗浄し、目的の4-ヘ
プタノイルオキシ安息香酸 23.9g(収率82%)を得た。
【0025】(2) 4-(2,2,2-トリフルオロエトキシカル
ボニル)-ヘプタノイルオキシベンゼンの製造。 上記(1) で得た4-ヘプタイルオキシ安息香酸 0.5g(0.00
17モル) に塩化チオニル 10ml を加え、4時間加熱還流
した。塩化チオニルを留去し、得られた酸クロライドの
全量をトルエンに溶かした。そこに、2,2,2-トリフルオ
ロエタノール0.08g(0.0015モル) 及びピリジン 0.27g
(0.0034モル) を加え、室温で24時間攪拌した。ここ
に、水 10ml を加え、30分間攪拌した後、1N塩酸 20ml
を加えジクロロメタン 20ml で 2回抽出した。有機層を
水 20ml で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去し、粗生物 0.5g を得た。これをシリカ
ゲルクロマトグラフィーで単離し、目的物 0.42g (収率
76%)を得た。
【0026】実施例2 (一般式(1): m=10, n=1, p
=1, X=H, Y=H (E2)) 4-(2,2,2-トリフルオロエト
キシカルボニル)-ウンデカノイルオキシベンゼンの製
造。 実施例1のn-ヘプタン酸クロライドの代わりに、n-ウン
デシル酸クロライドを用いた以外は、実施例1と全く同
様にして目的物を得た。
【0027】実施例3 (一般式(1): m=9, n=1, p=
1, X=H, Y=F (E3)) 3-フルオロ-4-(2,2,2-トリ
フルオロエトキシカルボニル)-デカノイルオキシベンゼ
ンの製造。 実施例1において、4-ヒドロキシ安息香酸の代わりに2-
フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸を、n-ヘプタン酸クロ
ライドの代わりにn-カプリル酸クロライドを用いた以外
は、実施例1と全く同様にして目的物を得た。
【0028】実施例4 (一般式(1): m=9, n=1, p=
1, X=F, Y=H (E4)) 2-フルオロ-4-(2,2,2-トリ
フルオロエトキシカルボニル)-デカノイルオキシベンゼ
ンの製造。 実施例3において、2-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸
の代わりに3-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸を用いた
以外は、実施例3と全く同様にして目的物を得た。
【0029】実施例5 (一般式(1): m=9, n=1, p=
2, X=H, Y=H (E5)) 4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオ
ロプロピルオキシカルボニル)-デカノイルオキシベンゼ
ンの製造。 実施例1において、n-ヘプタン酸クロライドの代わりに
n-カプリル酸クロライドを、2,2,2-トリフルオロエタノ
ールの代わりに2,2,3,3,3-ペンタフルオロ−1-プロパノ
ールを用いた以外は実施例1と全く同様にして目的物を
得た。
【0030】実施例6 (一般式(1): m=9, n=1, p=
3, X=H, Y=H (E6)) 4-(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフ
ルオロブチルオキシカルボニル)-デカノイルオキシベン
ゼンの製造。 実施例5において、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ−1-プロ
パノールの代わりに、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ−
1-ブタノールを用いた以外は実施例5と全く同様にして
目的物を得た。
【0031】実施例7 (一般式(1): m=9, n=1, p=
7, X=H, Y=H (E7)) 4-(1H,1H-ペンタデカフルオ
ロオクチルオキシカルボニル)-デカノイルオキシベンゼ
ンの製造。 実施例5において、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ−1-プロ
パノールの代わりに、1H,1H-ペンタデカフルオロ−1-オ
クタノールを用いた以外は実施例5と全く同様にして目
的物を得た。
【0032】実施例8 (一般式(1): m=9, n=1, p=
9, X=H, Y=H (E8)) 4-(1H,1H-ノナデカフルオロ
デシルオキシカルボニル)-デカノイルオキシベンゼンの
製造。 実施例5において、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ−1-プロ
パノールの代わりに、1H,1H-ノナデカフルオロ−1-デカ
ノールを用いた以外は実施例5と全く同様にして目的物
を得た。
【0033】実施例9 (一般式(1): m=9, n=2, p=
6, X=H, Y=H (E9)) 4-(1H,1H,2H,2H-トリデカフ
ルオロオクチルオキシカルボニル)-デカノイルオキシベ
ンゼンの製造。 実施例5において、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ−1-プロ
パノールの代わりに、1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ−
1-オクタノールを用いた以外は実施例5と全く同様にし
て目的物を得た。
【0034】実施例10 (一般式(1): m=9, n=1, p
=7, X=H, Y=F (E10)) 3-フルオロ-4-(1H,1H-ペ
ンタデカデカフルオロオクチルオキシカルボニル)-デカ
ノイルオキシベンゼンの製造。 実施例7において、4-ヒドロキシ安息香酸の代わりに、
2-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸を用いた以外は実施
例7と全く同様にして目的物を得た。
【0035】実施例11 (一般式(1): m=9, n=1, p
=7, X=F, Y=H (E11)) 2-フルオロ-4-(1H,1H-ペ
ンタデカデカフルオロオクチルオキシカルボニル)-デカ
ノイルオキシベンゼンの製造。 実施例10において、2-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香
酸の代わりに、3-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸を用
いた以外は実施例11と全く同様にして目的物を得た。
【0036】実施例1〜11で得た化合物 (E1〜E11)の
NMRスペクトルデーターを表1に、その化学式を化
4、化5に、示した。また、DSC(示差走査熱量計) の測
定により求めた融点を表1に併せて示した。なお、E1〜
E11 の化合物のテクスチャー観察からは液晶相の存在は
認められなかった。
【0037】
【表1】 実施例 化合物 プロトン番号 融点 No. 符号 1 2 3 4 (℃) 1 E1 2.6 7.2 8.1 4.7 31 2 E2 2.6 7.2 8.1 4.7 28 3 E3 2.6 7.0 8.0 4.7 30 4 E4 2.6 7.2 7.9 4.7 34 5 E5 2.6 7.2 8.0 4.8 28 6 E6 2.6 7.2 8.1 4.8 27 7 E7 2.6 7.2 8.1 4.8 57 8 E8 2.6 7.2 8.1 4.8 79 9 E9 2.6 7.2 8.1 2.6 60 10 E10 2.6 7.0 8.0 4.8 51 11 E11 2.6 7.2 7.9 4.8 45
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】実施例12 下記の式で示されるフェリ誘電性液晶(2A)に、実施例2
で得られたフェニルエステル化合物(E2)を20モル%添加
して、フェリ誘電性液晶組成物を得た。相系列、ヒステ
リシス、配向性を測定した結果を表2に示した。 2A : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)
3OC2H5 式中の-Ph-は1,4-フェニレン基、-Ph(3F)-は3-位置にフ
ッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素である。
【0041】相の同定を、テクスチャー観察、コノスコ
ープ像の観察及びDSC(示差走差熱量計)の測定により行
なった。コノスコープ像の観察はフェリ誘電相の同定に
有力な手段である。コノスコープ像の観察は文献(J. Ap
pl. Phys. 31, 793, (1992))にしたがって行った。
【0042】ヒステリシスなどは次の手順で測定した。
絶縁膜(SiO2 、膜厚50nm) 、ITO 電極付きのガラス基板
をポリイミドコーティング後(膜厚約80nm)、一対のガ
ラス基板の片方のみをラビング処理した。粒径1.6μm
のスペーサを介し、一対のガラス基板を貼り合わせテス
トセルとした。セル厚は2μmであった。液晶が等方相
となる温度まで加熱し、毛細管現象によりテストセル中
に前記液晶を注入した。その後、1℃/分の速度で徐冷
し液晶を平行配向させた。次に、25℃において、テスト
セルに、±10V, 50mHzの3角波電圧を印加し、駆動を行
いヒステリシスを観測した。
【0043】25℃において、空セルを直交する偏光板間
におき、光の透過光量を求め、この透過光量を0%とと
した。次にテストセルをおき、強誘電状態の透過光量を
求め、この透過光量を 100%とした。25℃において、こ
のテストセルに印加電圧 0の状態において、光の透過光
量を求め、この光漏れの値により、配向性の優劣の評価
とした。また、比較のために、フェリ誘電性液晶(2A)に
ついて、測定温度を40℃とする他は上記と同様にして特
性評価した結果を表2に示した。
【0044】
【表2】 光漏れ 測定温度 相 系 列 (%) (℃) 実施例12 Cr(<-20)SCγ*(71)SA(83)I 1.0 25 液晶2A Cr(34)SCγ*(101)SA(103)I 3.0 40 上記相系列中の () 内の数値は転移温度 (℃) 、Crは結
晶相、SCγ* はカイラルスメクチックCγ相(フェリ誘
電相)、SAはスメクチックA相、Iは等方相をそれぞれ
示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェリ誘電相における分子配列状態を示す。FI
(+), FI(-)はフェリ誘電状態、FO(+), FO(-)は強誘電状
態を表す。
【図2】フェリ誘電相の三角波電圧に対する光学応答を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶺田 浩 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で示されるフェニルエス
    テル化合物。 【化1】 (式中、mは 5〜12、nは 1〜4 、pは1〜10の整数、
    X、Yは水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ素原
    子である。)
  2. 【請求項2】 該一般式(1) で示される化合物が、液晶
    相を有しない請求項1記載のフェニルエステル化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) で示されるフェニルエス
    テル化合物を下記一般式(2) で示されるフェリ誘電性液
    晶に添加してなるフェリ誘電性液晶組成物。 【化2】 (式(1) 中、mは 5〜12、nは 1〜4 、pは 1〜8 の整
    数、X、Yは水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ
    素原子である。式(2) 中、rは炭素数 6〜12の直鎖アル
    キル基、ZはH原子またはF原子、qは 2〜4 の整数、
    sは 2又は4 の整数である。)
  4. 【請求項4】 該一般式(2) において、Rの炭素数が9
    である請求項3記載のフェリ誘電性液晶液晶組成物。
  5. 【請求項5】 該一般式(1) で示されるフェニルエステ
    ル化合物の添加量が組成物の1〜50モル%である請求項
    3記載のフェリ誘電性液晶液晶組成物。
  6. 【請求項6】 該一般式(1) で示されるフェニルエステ
    ル化合物の添加量が組成物の1〜30モル%である請求項
    3記載のフェリ誘電性液晶液晶組成物。
  7. 【請求項7】 該フェリ誘電相の高温側の転移温度が40
    ℃以上で、低温側の転移温度が 0℃以下であり、該フェ
    リ誘電相よりも高温側にスメクチックA相を有する請求
    項3記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のフェリ誘電性液晶組成物
    を、各画素毎に薄膜トランジスタあるいはダイオード等
    の非線形能動素子を設置した基板間に狭持することを特
    徴とするアクティブマトリクス液晶表示素子
  9. 【請求項9】 非線形能動素子を用いた液晶の電圧によ
    る駆動を2つのフェリ誘電状態と2つの強誘電状態、及
    びその中間状態へのスイッチングにて行う請求項7記載
    のアクテイ ブマトリックス液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532613A (ja) * 1998-12-11 2002-10-02 クラリアント ゲーエムベーハー 広い作動温度範囲を有する強誘電性アクティブマトリックスディスプレイ

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