JPH08268971A - 光学活性化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物

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JPH08268971A
JPH08268971A JP7325923A JP32592395A JPH08268971A JP H08268971 A JPH08268971 A JP H08268971A JP 7325923 A JP7325923 A JP 7325923A JP 32592395 A JP32592395 A JP 32592395A JP H08268971 A JPH08268971 A JP H08268971A
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liquid crystal
antiferroelectric
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crystal composition
phase
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JP7325923A
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Maki Ito
真樹 伊藤
Tomoyuki Yui
知之 油井
Masahiro Kino
正博 城野
Teruyo Tomiyama
照予 冨山
Hiroshi Mineta
浩 嶺田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な光学活性化合物とそれにより応答速度
を向上させた反強誘電性液晶組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) で表される光学活性化合
物、それを含む反強誘電性液晶組成物並びに該組成物を
配置した単純マトリックス液晶表示素子。 【化1】 (式中、R1は炭素数 5〜12の直鎖アルキル基、R2は炭素
数 1〜15の直鎖アルキル基、X1, X2はH又はいずれか一
方がF、Y1, Y2はH又はいずれか一方がFであり、A1
CH3又は CF3であり、A1が CH3のとき p=0、A1が CF3
とき p=1で qは 5〜8 の整数である)。 【効果】 反強誘電状態から強誘電状態への応答速度が
改善された反強誘電性液晶組成物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光学活性化合物、
それを含有する反強誘電性液晶組成物、及びそれを用い
た液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液晶
表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでの CRT表
示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大型液
晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。
【0003】しかしながら、現在のネマチック液晶を使
用する限りにおいては、液晶テレビ用に採用されている
アクテイブマトリックス駆動液晶表示素子でも、製造プ
ロセスの複雑さと歩留りの低さにより、その大型化、低
コスト化は容易ではない。又、単純マトリックス駆動の
STN型液晶表示素子にしても、大容量駆動は必ずしも容
易ではなく、応答時間にも限界があり動画表示は困難で
ある。更にネマチック液晶を用いた表示素子は、視野角
が狭いということが、大きな問題になってきている。従
って、ネマチック液晶表示素子は、上記の高性能大型液
晶表示素子への要求を満足するものとはいい難いのが実
状である。
【0004】このような状況のなかで、高速液晶表示素
子として注目されているのが、強誘電性液晶を用いた液
晶表示素子である。クラ−クとラガバ−ルにより発表さ
れた、表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC) 素子は、その
従来にない速い応答速度と広い視野角を有する事が注目
され、そのスイッチング特性に関しては詳細に検討され
ており、種々の物性定数を最適化するため、多くの強誘
電性液晶が合成されている。しかしながら、しきい値特
性が不十分である、層の構造がシェブロン構造をしてい
るなどからコントラストが不良である、高速応答が実現
されていない、配向制御が困難で SSFLCの最大の特徴の
1つである双安定性の実現が容易でない、機械的衝撃に
依って配向が破壊されそれの回復が困難であるなどの問
題があり、実用化にはこれらの問題の克服が必要であ
る。
【0005】これとは別に、SSFLC と異なるスイッチン
グ機構の素子の開発も同時に進められている。反強誘電
相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と呼
ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新しい
スイッチング機構の1つである(Japanese Journal of A
pplied Physics, Vol.27, pp.L729,1988) 。
【0006】反強誘電性液晶素子は、3つの安定な状態
を有する。すなわち、強誘電性液晶素子で見られる、2
つのユニフォ−ム状態(Ur, Ul)と第三状態である。この
第三状態が反強誘電相であることをChandaniらが報告し
ている(Japanese Journal ofApplied Physics, Vol.28,
pp.L1261, 1989、Japanese Journal of AppliedPhysic
s, Vol.28, pp.L1265, 1989)。このような三安定状態間
のスイッチングが、反強誘電性液晶素子の第1の特徴で
ある。反強誘電性液晶素子の第2の特徴は、印加電圧に
対して明確なしきい値が存在することである。更に、メ
モリ−性を有しており、これが反強誘電性液晶素子の第
3の特徴である。これらの優れた特徴を利用することに
より、応答速度が速く、コントラストが良好な液晶表示
素子を実現できる。
【0007】又、もう一つの大きな特徴として、層構造
が、電界により容易にスイッチングする事があげられる
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L
119,1989、Japanese Journal of Applied Physics, Vo
l.29, pp.L111, 1990) 。このことにより、欠陥が極め
て少なく、配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作
製が可能となり、コントラストに優れた液晶素子を実現
できる。更に、強誘電性液晶では殆ど不可能である電圧
階調が、反強誘電性液晶では可能であることが実証さ
れ、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性液晶の
重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国際会議
予稿集、77頁、1993)。
【0008】以上のように、反強誘電性液晶の優位性は
確かなものになりつつあるが、応答速度のより一層の向
上が望まれている。従来提案されてきた反強誘電性液晶
は、あるレベルの表示素子の実現に十分な応答速度を有
しているが、走査線数が 800本以上の高精細表示素子を
実現しようとした場合、応答速度はまだ不十分であり、
より一層の高速化が必要である。また、液晶素子全般の
大きな問題として応答速度の温度に対する依存性が強い
ことがある。反強誘電性液晶素子の場合もこの問題は大
きく、温度依存性の低減が強く望まれている。
【0009】反強誘電性液晶の場合、反強誘電状態から
強誘電状態へ、強誘電状態から反強誘電状態への二つの
スイッチングが存在する。この電圧による二つのスイッ
チング速度、すなわち、応答速度が表示素子の表示品質
を決める重要な因子となる。特に、反強誘電状態から強
誘電状態への応答速度(以下、応答速度I とする)は、
例えば線順次走査する単純マトリックス駆動において、
走査線−ライン当りの書込み速度となるので、一画面を
構成する走査線数を決定することになり重要である。即
ち、応答速度I が速ければ速いほど走査線数を増やすこ
とができ、高精細素子の実現が可能となる。
【0010】また、強誘電状態から反強誘電状態への応
答速度(以下、応答速度IIとする)は、素子の駆動方法
の設計によって必要とされる速度は変わる。例えば、オ
フセット電圧の設定電圧によって変わるが、余りにも応
答速度IIが速い場合は強誘電状態を十分維持できず(明
あるいは暗状態を維持できず)、逆に余りにも遅い場合
は強誘電状態から反強誘電状態への変化(明あるいは暗
状態から暗あるいは明への書換えができない)が起こら
ず、不都合となる。即ち、応答速度IIは駆動方法を決定
した後に最適な応答速度が設定される。以上、高精細な
素子の実現のためには、応答速度I が速いことが重要で
ある。従来提案されてきた反強誘電性液晶は、あるレベ
ルの表示素子の実現に十分な応答速度を有しているが、
走査線数の多い高精細表示素子を実現しようとした場
合、応答速度はまだ不十分であり、より一層の高速化が
必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】反強誘電性液晶の課題
は、上述したようにより一層の応答速度の向上、特に、
低温側でのより一層の応答速度の向上である。さらに、
反強誘電相の温度範囲の拡大および高温側にスメクチッ
クA相が存在することが望ましい。応答速度は、M. Nak
agawa によれば反強誘電性液晶の場合、液晶分子の回転
粘性に依存することが示されている(Masahiro Nakaga
wa,Japanese Journal ofApplied Physics,30,1759(199
1))。即ち粘性が低いほど応答速度は速くなる。また、
温度に対する応答速度の変化を見ると、室温付近を境に
してそれ以下の温度では指数関数的に応答速度は低下し
ていく。反強誘電性液晶は、液晶相がスメクチック相で
あるが故に粘性が高く、そのために低温側で粘性が急激
に増大しその粘性抵抗のために応答速度が急激に低下し
ていくものと考えられている。
【0012】この課題の解決策の一つとしては低粘性の
反強誘電性液晶の開発が行われているが、適当なチルト
角、応答速度、及び反強誘電相の温度範囲を持ち、かつ
低粘性であるような反強誘電性液晶は、未だ見いだされ
ていないのが実状である。別の解決策として、素子にヒ
ーターを設置することが考えられている。この方法は、
確実な問題解決策となり得るが、表示素子製造のコスト
アップ等につながり、さらにヒーターによって透過率が
減少するなど実用上有利な方法とはいえない。
【0013】その他の方法として、比較的低粘性の化合
物を合成し、これを液晶組成物に添加し、組成物全体の
粘性を低下させ、もって応答速度の改善を計ろうとする
試みが考えられ、現在のところ最も現実的な解決策にな
り得ると考えらる。この方法で用いる低粘性の物質は、
当然のことながら、分子量の小さいものとなる。しかし
ながら、あまりにも分子量が小さい場合は添加物質が経
時的に揮散したり、組成物の等方相から液晶相への転移
温度が低くなりすぎたりするので不都合である。
【0014】一般にディスプレーとしての反強誘電性液
晶素子を考えたとき、バックライトにより素子の温度は
少なくとも40℃ぐらいになると考えられる。従って、正
常な素子の駆動のためには反強誘電相の上限温度は少な
くとも40℃以上必要であり、望ましくは50℃以上必要で
ある。そして、この温度の高温側に、実用的には良好な
配向を得るためにスメクチックA相を存在させることが
望ましい。また、低温側では少なくとも10℃で素子は駆
動できることが必要である。従って、反強誘電相の下限
温度は少なくとも0℃であることが必要である。本発明
はこの様な観点からなされたものであり、一般式(1) で
示される新規な2環系フェニルエステル化合物を反強誘
電性液晶に混合したとき、広い温度範囲で反強誘電相を
確保できると同時に、スメクチックA相をも存在させる
ことができる、かつ低温で非常に高速な反強誘電性液晶
組成物を得ることができることを見いだし、本発明を完
成したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は第1
に下記一般式(1) で表される光学活性化合物である。
【化3】 (式中、R1は炭素数 5〜12の直鎖アルキル基、R2は炭素
数 1〜15の直鎖アルキル基、X1, X2はH又はいずれか一
方がF、Y1, Y2はH又はいずれか一方がFであり、A1
CH3又は CF3であり、A1が CH3のとき p=0、A1が CF3
とき p=1で qは 5〜8 の整数である)。
【0016】また、第2に上記の一般式(1) で表される
光学活性化合物の少なくとも1種を、反強誘電性液晶ま
たは反強誘電性液晶組成物に含有させてなる反強誘電性
液晶組成物であり、該反強誘電性液晶としては下記一般
式(2) で表されるものが好適である。
【0017】
【化4】 (式(2) のR3は炭素数 4〜12の直鎖アルキル基、R4は炭
素数 1〜12の直鎖アルキル基、Z=H or F、A2= CH3 or C
F3であり、A2が CH3のとき s=0で、R4は炭素数 3〜10の
直鎖アルキル基、A2が CF3で s=0のとき、R4は炭素数 4
〜8 の直鎖アルキル基、A2が CF3で s=1のとき、 tは 5
〜8 の整数、R4は炭素数 1〜6 の直鎖アルキル、C*は不
斉炭素である)。
【0018】さらに、第3に、走査電極と信号電極をマ
トリックス状に配置した基板間に上記第2発明の反強誘
電性液晶組成物を挟持することを特徴とする単純マトリ
ックス液晶表示素子である。
【0019】一般式(1) の光学活性化合物において、R1
の炭素数は 8〜12が好ましい。炭素数が7以下の場合、
反強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶組成物に混合し
た場合は、粘性低下効果は大きく応答速度の向上も著し
いが、チルト角も大きく低下させる傾向がある。また、
炭素数が13以上ではそれ自体の粘性が大きくなるため
か、反強誘電性液晶或いは反強誘電性液晶組成物に混合
した場合、応答速度に対する添加効果は小さくなってく
る。
【0020】一般式(1) の光学活性化合物のキラル部に
用いられているキラル源は、2-ヘキサノールなどの2-ア
ルカノール類であるが、市販品として入手容易なもの
は、2-ヘキサノール、2-オクタノール、2-デカノールな
どである。A1が CH3のとき、p=0 で、R2の炭素数が 3〜
8 である化合物が好ましい。また、フェニル基のフッ素
置換の効果はそれほど劇的ではないがフッ素置換の位置
によっては、無置換の光学活性化合物よりも添加効果は
大きくなる。即ち、X1,X2 のいずれかがF原子の時に Y
1,Y2ともにH原子である光学活性化合物 (実施例8-14,
23-25)、X1,X2 ともにH原子の時にY1,Y2のいずれかが
F原子である光学活性化合物 (実施例15,16,26) 、X1,X
2 いずれかがF原子で Y1,Y2のいずれかがF原子である
光学活性化合物 (実施例17-20)のいずれも無置換の光学
活性化合物に比べ、より応答速度の改善に対する効果は
大きい。
【0021】しかしながら、これらの化合物は、比較的
チルト角を低下させ易いので、その面での制約がある。
A1が CH3のとき、チルト角の低下が小さく、応答速度の
改善も大きいもっとも望ましい光学活性化合物として
は、X2がF原子で X1,Y1,Y2 はいずれもH原子である光
学活性化合物である (実施例8-13, 23-25)。また、A1
CF3のとき、p=1 で q=5, n=2 である光学活性化合物
(実施例21,22)が好ましく、さらにX1, X2, Y1, Y2がH
原子である化合物が好ましい(実施例21) 。
【0022】本発明は、一般式(1) の光学活性化合物の
少なくとも1種を、反強誘電性液晶或は反強誘電性液晶
組成物に混合した反強誘電性液晶組成物として実施され
る。そして、得られた反強誘電性液晶組成物が、反強誘
電相を少なくとも 0℃〜40℃の温度範囲、より好ましく
は少なくとも−20℃〜+50℃の温度範囲に有するように
混合比を選択する。混合割合は、選択する光学活性化合
物の種類あるいは反強誘電性液晶の種類などによって、
その効果は異なるので一義的に決めることは困難である
が、一般式(1) の光学活性化合物を、反強誘電性液晶或
いは反強誘電性液晶組成物に重量規準或いはモル規準
で、 1〜70%、好ましくは 5〜60%、特に10〜50%から
選択できる。また、実用上、この反強誘電相の高温側
に、スメクチックA相を有する組成物とするのが好まし
い。スメクチックA相を有しない場合は、著しく配向性
が悪く高いコントラストを得ることは難しい。
【0023】本発明の一般式(1) の光学活性化合物を混
合する反強誘電性液晶は、上記の一般式(2) の反強誘電
性液晶から選択することが好ましい。一般式(2) の反強
誘電性液晶において、R3の炭素数は 6〜10が好ましい。
炭素数が5以下の場合は、反強誘電相の温度範囲が狭
い、チルト角が極めて小さいことなどから実用上不適当
である。また、炭素数が10を越えるとそれ自体の粘性が
大きくなり、応答速度の改善のために多量の光学活性化
合物の混合が必要となり、チルト角の低下などの他の問
題が発生する。
【0024】一般式(2) の反強誘電性液晶において、A2
が CH3で s=0のとき、R4の炭素数が4, 6, 8である反強
誘電性液晶が好ましい。また、フェニル基のフッ素置換
(一般式(2) の Z) のあるものがより広い温度範囲で反
強誘電性相を発現するので好ましい。また、A2が CF3
s=0のとき、R4の炭素数が 6であるもの、A2が CF3で s
=1のとき、t=5, 7で R4 の炭素数が 2である反強誘電性
液晶が好ましい。
【0025】本発明の反強誘電性液晶組成物は、広い温
度範囲において反強誘電相を有し、かつ、応答速度、特
に反強誘電状態から強誘電状態への応答速度が改善され
たものであり、広い温度範囲で好適に駆動できる反強誘
電性液晶表示素子とすることができる。すなわち、走査
電極と信号電極をマトリックス状に配置した基板間に本
発明の反強誘電性液晶組成物を挟持した単純マトリック
ス液晶表示素子とされ、そして電圧による駆動を、1つ
の反強誘電状態と2つの強誘電状態の間でスイッチング
することにより行う単純マトリックス液晶表示素子とさ
れる。
【0026】本発明において用いられる光学活性な2-ア
ルカノール類は市販のものを使用できる。また、光学活
性な1,1,1-トリフルオロ−7-エトキシ−2-ヘプタノール
及び1,1,1-トリフルオロ−8-エトキシ−2-オクタノール
は本発明者らが既に明らかにした方法(特開平4-983
号)によって製造できる。
【0027】本発明の一般式(1) の光学活性化合物の製
造法を反応式で略記すると下記である。 (1) R1COCl + HO-Ph(F)-COOH → R1COO-Ph(F)-COOH (2) (1) + SOCl2 → R1COO-Ph(F)-COCl (3) AcO-Ph(F)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(F)-COCl (4) (3) + HOCH*A1R2 → AcO-Ph(F)-COOC*HA1R2 (5) (4) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph(F)-COOC*HA1R2 (6) (2) + (5) → 目的化合物 上記において、Ph(F), Ph(F)は 2又は3 位にF置換され
ていてもよい1,4-フェニレン基、AcO-はアセチル基(CH3
COO-) 、C*は不斉炭素、R1, A1, R2はそれぞれ上記一般
式(1) に対応したものを示す。
【0028】上記製造法について、以下に簡単に説明す
る。(1) は脂肪族酸塩化物と適宜、核をフッ素置換され
ていてもよいp-ヒドロキシ安息香酸との反応によるエス
テル(1) の製造である。(2) は塩化チオニルによるエス
テル(1) の塩素化である。(3) はアセトキシ安息香酸の
塩化チオニルによる塩素化である。(4) は(3) の塩化物
とアルコール (光学活性アルコールを含む) との反応に
よるエステル(4) の製造である。(5) はエステル(4) の
ベンジルアミンによる脱アセチルである。(6) は塩素化
物(2) と脱アセチル物(5) との反応である。
【0029】また、本発明で用いる反強誘電性液晶 (一
般式(2))は、下記のような方法によって製造される。 (a) AcO-Ph(F)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(F)-COCl (b) (1) + HOC*HA2R4 → AcO-Ph(F)-COO-C*HA2R4 (c) (2) + (PhCH2NH2) → HO-Ph(F)-COO-C*HA2R4 (d) R3O-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → R3O-Ph-Ph-COCl (e) (3) + (4) → 反強誘電性液晶 上記において、AcO-は CH3COO-基、 Ph(F)は 3位にF置
換していてもよい (式(2) のZ=H or F) 1,4-フェニレン
基、R3, R4, A2はそれぞれ上記一般式(2) に対応したも
のを示し、また、C*は不斉炭素、Phはフェニル基又は1,
4-フェニレン基をそれぞれ示す。
【0030】上記製造法について、以下に簡単に説明す
る。(a) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ安
息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(b) は
塩素化物(a) と光学活性アルコールとの反応によるエス
テル化である。(c) は(b) のエステルの脱アセチル化で
ある。(d) はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩
素化反応である。(e) はエステルの脱アセチル化物であ
るフェノール(c) と塩素化物(d) との反応による液晶の
生成である。
【0031】
【効果】本発明は、新規な2環系フェニルエステル化合
物を提供する。そして、本発明の新規な2環系フェニル
エステル化合物は、反強誘電性液晶組成物の1成分とし
て含有させたとき、広い温度範囲にわたって応答速度の
高速化をもたらし、一方、その他の特性を損ねることが
小さいため、広い温度範囲にわたって表示品質の高い反
強誘電性液晶表示素子を実現できる。
【0032】
【実施例】次に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定され
るものではない。 実施例1 R-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル−4
-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート(式(1): R1=C10
H21, A1=CH3, X1-Y2=H, p=0, R2=C6H13 (E1))。 (1) 4-ウンデカノイルオキシ安息香酸の製造 p-ヒドロキシ安息香酸 12.7g (0.0917モル) をジクロロメ
タン 150ml(ミリリットル)に加え、この懸濁液にトリエチルア
ミン 10.2g(0.0917モル)を加えて溶液が均一になるまで攪
拌した。この溶液にウンデカノイルクロリド 19.7g(0.0
96モル) をジクロロメタンが還流しない程度の速度で加
え、その後4-ジメチルアミノピリジン 1.0g(0.0085モル)
を加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物に1N塩酸を加
え、エーテルで抽出した。エーテルを留去し得られた粗
生成物をヘキサンで洗浄した。乾燥し目的のカルボン酸
を 20.6g得た(収率85%)。
【0033】(2) 4-アセトキシ-1-(1-メチルヘプチルオ
キシカルボニル)ベンゼンの製造 4-アセトキシ安息香酸 10.8g (0.06モル) に塩化チオニ
ル 60ml を加え還流下で7時間反応させた。次に過剰の
塩化チオニルを留去してから、ピリジン 10ml、R-2-オ
クタノール 5.24g(0.0402モル)滴下した。滴下後1昼夜室
温で攪拌し、その後エーテル 200mlで希釈して、有機層
を希塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、水の順で洗浄
し、硫酸マグネシュウムで乾燥した。溶媒を留去して粗
製の目的物をヘキサン/酢酸エチルを溶媒とするシリカ
ゲルカラムクロマトで精製して目的物 10.6g (収率90
%)得た。
【0034】(3) 4-ヒドロキシ-1-(1-メチルヘプチルオ
キシカルボニル)ベンゼンの製造 上記(2) で得た化合物 10.6g (0.0361モル) を、エタノー
ル 250mlに溶解させて、ベンジルアミン 7.74g(0.0772モ
ル)を滴下した。更に室温で1昼夜攪拌した後、エーテル
300mlで希釈して、希塩酸、水の順で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を留去してから、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで単離精製し、目的物 8.9g
(0.0356モル) を得た(収率98%)。
【0035】(4) R-4-(1-メチルヘプチルキシルオキシ
カルボニル)フェニル−4-n-ウンデカノイルオキシベン
ゾエートの製造 上記(1) で得た化合物 3.1ミリモルに塩化チオニル 15m
l を加え、5時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを
留去した後、ピリジン 2ml、上記(3) で得た化合物 2.1
2 ミリモルを加え、室温で 10 時間反応させた。反応終
了後、エーテル300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナトリ
ウム水溶液、水の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。次に、溶媒を留去してから、シリカゲ
ルクロマトグラフィーで単離し、最終目的物(E1) 0.99g
(0.00184モル) 得た(収率87%)。最終目的物の物性など
の測定結果を下記に示した。
【0036】実施例2、3 R-4-(1-メチルペンチルオキシカルボニル)フェニル−4
-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート(式(1): R1=C10
H21, A1=CH3, X1-Y2=H, p=0, R2=C4H9 (E2))、R-4-(1-
メチルノニルオキシカルボニル)フェニル−4-n-ウンデ
カノイルオキシベンゾエート(式(1): R1=C10H21, A1=C
H3, X1-Y2=H, p=0, R2=C8H17 (E3)) の製造。実施例1
において、R-2-オクタノールの代わりに、R-2-ヘキサノ
ール又はR-2-デカノールを使用した以外は、実施例1と
全く同様にして最終目的物を得た。物性などの測定結果
を下記に示した。
【0037】下記に実施例1〜3で得た目的物(E1-E3)
の化学式を示した。また、下記表1にこの化合物のH-NM
R データ、表2に相系列を測定した結果を下記に示し
た。下記した物性値等の測定は以下のようにした。相の
同定は、テクスチャヤー観察、DSC(示差走差熱量計) 測
定により行った。応答速度及びチルト角は、ラビング処
理したポリイミド薄膜を有する ITO電極付の液晶セル
(セル厚 1.8μm)に、等方相の状態で充填した。この
セルを、毎分1℃で徐冷して、SA相で液晶を配向させ
た。セルを直交する偏光板間に液晶の層方向がアナライ
ザーまたはポーラライザーと平行になるように設置し
た。液晶セルに、周波数 10Hz 、35Vのステップ電圧を
印加して、透過光変化が10から90%に変化するに要する
時間を応答時間と定義して、応答速度を測定した。
【0038】
【表1】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 E1 (δ,ppm) 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2 E2 〃 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2 E3 〃 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2
【0039】
【化5】
【0040】
【表2】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E1 I (28) SA (22) SCA* (12) Cr E2 I (31) SA (22) SCγ* (18) SCA* (<0) CrE3 I (21) SA (13.2) SCA* (13) Cr 注) なお、表2中の括弧内の数値は相転移の温度 (℃) を示す。また、 I:等方相、SA:スメクチックA相、 SCA* :反強誘電性のスメクチックC相、 SIA*:反強誘電性のスメクチックI相、 SCγ* :フェリ誘電相、 Cr :結晶相 をそれぞれ示す。
【0041】実施例4〜7 R-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル−4
-n-ノナノイルオキシベンゾエート(式(1): R1=C8H17,
A1=CH3, X1-Y2=H, p=0, R2=C6H13 (E4)) 、R-4-(1-メチ
ルヘプチルオキシカルボニル)フェニル−4-n-デカノイ
ルオキシンゾエート(式(1): R1=C9H19, A1=CH3, X1-Y2
=H, p=0, R2=C6H13 (E5)) 、R-4-(1-メチルヘプチルオ
キシカルボニル)フェニル−4-n-ドデカノイルオキシベ
ンゾエート(式(1): R1=C11H23, A1=CH3, X1-Y2=H, p=
0, R2=C6H13 (E6))、R-4-(1-メチルヘプチルオキシカル
ボニル)フェニル−4-n-トリデカノイルオキシベンゾエ
ート(式(1): R1=C12H25, A1=CH3, X1-Y2=H, p=0, R2=C
6H13 (E7))の製造。実施例1において、ウンデカノイル
クロライドの代わりに、ノナノイルクロライド、デカノ
イルクロライド、ドデカノイルクロライド、トリデカノ
イルクロライドを使用した以外は、実施例1と全く同様
にして目的物をそれぞれ製造した。物性などの測定結果
を下記に示した。略号等は表1、2と同様である。
【0042】
【表3】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 E4 (δ,ppm) 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2 E5 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2 E6 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2 E7 2.6 7.3 8.3 7.2 8.1 5.2
【0043】
【化6】
【0044】
【表4】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E4 I (25) Cr E5 I (27) SA (10) SCA* (0) Cr E6 I (30) SA (29.5) Cr E7 I (35) Cr
【0045】実施例8 R-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル−2
-フルオロ−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート
(式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H,p=0, R
2=C6H13 (E8)) の製造。実施例1における4-ウンデカ
ノイルオキシ安息香酸の代わりに、2-フルオロ−4-ウン
デカノイルオキシ安息香酸を用いた以外は、実施例1と
全く同様にして目的物を合成した。物性などの測定結果
を下記に示した。略号等は表1、2と同様である。
【0046】実施例9、10 R-4-(1-メチルペンチルオキシカルボニル)フェニル−2
-フルオロ−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0,
R2=C4H9 (E9))、R-4-(1-メチルノニルオキシカルボニ
ル)フェニル−2-フルオロ−4-n-ウンデカノイルオキシ
ベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0,
R2=C8H17 (E10))の製造。実施例8におけるR-2-オクタ
ノールの代わりに、R-2-ヘキサノール、R-2-デカノール
を用いて、実施例8と全く同様にして目的物をそれぞれ
製造した。物性などの測定結果を下記に示した。略号等
は表1、2と同様である。
【0047】
【表5】E8-E10のH-NMR データ 水素原子番号 1 2 3 4 5 6 E8 (δ,ppm) 2.6 7.1 8.2 7.2 8.1 5.2 E9 2.6 7.1 8.2 7.2 8.1 5.2 E10 2.6 7.1 8.1 7.3 8.1 5.2
【0048】
【化7】
【0049】
【表6】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E8 I (22) SA (0.8) SCA* (<0) Cr E9 I (22) SA (-12) Cr E10 I (18) SA (8) Cr
【0050】実施例11〜13 R-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル−2
-フルオロ−4-n-デカノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C9H19, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0, R
2=C6H13 (E11)) 、R-4-(1-メチルヘプチルオキシカル
ボニル)フェニル−2-フルオロ−4-n-ドデカノイルオキ
シベンゾエート (式(1): R1=C11H23, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0,
R2=C6H13 (E12))、R-4-(1-メチルヘプチルオキシカル
ボニル)フェニル−2-フルオロ−4-n-トリデカノイルオ
キシベンゾエート (式(1): R1=C12H25, A1=CH3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0,
R2=C6H13 (E13))の製造。
【0051】実施例8における2-フルオロ−4-ウンデカ
ノイルオキシ安息香酸の代わりに、2-フルオロ−4-デカ
ノイルオキシ安息香酸(実施例11)、2-フルオロ−4-ド
デカノイルオキシ安息香酸(実施例12)、2-フルオロ−
4-トリデカノイルオキシ安息香酸(実施例13)を用いた
以外は、実施例1と全く同様にして目的化合物をそれぞ
れ製造した。物性などの測定結果を下記に示した。略号
等は表1、2と同様である。
【0052】
【化8】
【0053】
【表7】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 E11(δ,ppm) 2.6 7.1 8.2 7.3 8.1 5.2 E12 2.6 7.1 8.2 7.3 8.1 5.2 E13 2.6 7.1 8.2 7.3 8.1 5.2
【0054】
【表8】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E11 I (20) SA (-29) Cr E12 I (25) SA (15) SCA* (13) Cr E13 I (23) SA (21) Cr
【0055】実施例14 R-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フェニル−3-
フルオロ−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート(式
(1): R1=C10H21, A1=CH3, X1=F, X2,Y1,2=H, p=0, R2=C
8H17 (E14))の製造。実施例1における4-ウンデカノイ
ルオキシ安息香酸の代わりに3-フルオロ−4-ウンデカノ
イルオキシ安息香酸、2-オクタノールの代わりに2-デカ
ノールを用いた以外は、実施例1と全く同様にして目的
物を製造した。物性などの測定結果を下記に示した。略
号等は表1、2と同様である。
【0056】実施例15 R-3-フルオロ-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フ
ェニル−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート(式
(1): R1=C10H21, A1=CH3, Y2=F, X1,2,Y1=H, p=0, R2=C
8H17 (E15))の製造。実施例1における4-アセトキシ安
息香酸の代わりに、2-フルオロ−4-アセトキシ安息香
酸、2-オクタノールの代わりに2-デカノールを用いた以
外は実施例1と全く同様にして目的物を製造した。物性
などの測定結果を下記に示した。略号等は表1、2と同
様である。
【0057】実施例16 R-2-フルオロ-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フ
ェニル−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾエート(式
(1): R1=C10H21, A1=CH3, Y1=F, X1,2,Y2=H, p=0, R2=C
8H17 (E16))の製造。実施例1における4-アセトキシ安
息香酸の代わりに、3-フルオロ−4-アセトキシ安息香
酸、2-オクタノールの代わりに2-デカノールを用いた以
外は実施例1と全く同様にして目的物を製造した。物性
などの測定結果を下記に示した。略号等は表1、2と同
様である。
【0058】
【化9】
【0059】
【表9】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 7 E14(δ,ppm) 2.6 7.3 8.0 8.0 7.3 8.2 5.2 E15 2.6 7.3 8.2 7.1 7.1 8.0 5.2 E16 2.6 7.2 8.3 7.3 7.9 5.2 −
【0060】
【表10】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E14 I (5) Cr E15 I (24) SA (22) SCA* (8) Cr E16 I (3) Cr
【0061】実施例17〜20 R-2-フルオロ-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フ
ェニル−3-フルオロ−4-n-ウンデカノイルオキシベンゾ
エート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X1,Y1=F, X2,Y2=H, p=0,
R2=C8H17 (E17)) 、R-2-フルオロ-4-(1-メチルノニル
オキシカルボニル)フェニル−2-フルオロ−4-n-ウンデ
カノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X2,Y1=F, X1,Y2=H, p=0,
R2=C8H17 (E18)) 、R-3-フルオロ-4-(1-メチルノニル
オキシカルボニル)フェニル−3-フルオロ−4-n-ウンデ
カノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X1,Y2=F, X2,Y1=H, p=0,
R2=C8H17 (E19)) 、R-3-フルオロ-4-(1-メチルノニル
オキシカルボニル)フェニル−2-フルオロ−4-n-ウンデ
カノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CH3, X2,Y2=F, X1,Y1=H, p=0,
R2=C8H17 (E20))の製造。
【0062】実施例1における4-アセトキシ安息香酸の
代わりに、2-フルオロ−4-アセトキシ安息香酸及び3-フ
ロオロ−4-アセトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸の代わりに、3-フロオロ−4-ヒドロキシ安息香酸及び
2-フロオロ−4-ヒドロキシ安息香酸、2-オクタノールの
代わりに2-デカノールを用いた以外は実施例1と全く同
様にして目的物をそれぞれ製造した。物性などの測定結
果を下記に示した。略号等は表1、2と同様である。
【0063】
【化10】
【0064】
【表11】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 E17 (δ,ppm) 2.6 7.3 8.1 7.3 8.0 5.2 E18 2.6 7.1 8.2 7.4 7.9 5.2 E19 2.6 7.3 8.0 7.1 8.0 5.2 E20 2.6 7.0 8.1 7.1 8.0 5.2
【0065】
【表12】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E17 I (-14) Cr E18 I (6) Cr E19 I (1) SA (-7) Cr E20 I (19) SA (13) SCA* (1) Cr
【0066】実施例21 R-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキシルオキ
シカルボニル)フェニル−4-n-ウンデカノイルオキシベ
ンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CF3, X1-Y2=H, p=1, q=5, R2=
C2H5 (E21))の製造。実施例1における2-オクタノー
ルの代わりに1,1,1-トリフルオロ−7-エトキシ−2-ヘプ
タノールを用いる以外は実施例1と全く同様にして光学
活性化合物を製造した。物性などの測定結果を下記に示
した。略号等は表1、2と同様である。
【0067】実施例22 R-4-(1-トリフルオロメチル−6-エトキシヘキシルオキ
シカルボニル)フェニル−2-フルオロ−4-n-ウンデカノ
イルオキシベンゾエート (式(1): R1=C10H21, A1=CF3, X2=F, X1,Y1,2=H, p=1,
q=5, R2=C2H5 (E22))の製造。実施例8における2-オク
タノールの代わりに1,1,1-トリフルオロ−7-エトキシ−
2-ヘプタノールを用いた以外は実施例15と全く同様に
して光学活性化合物を製造した。物性などの測定結果を
下記に示した。略号等は表1、2と同様である。
【0068】
【化11】
【0069】
【表13】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 7 8 E21 (δ,ppm) 2.6 7.3 8.2 7.2 8.1 5.6 3.4 1.2 E22 2.6 7.1 8.2 7.4 8.2 5.6 3.4 1.2
【0070】
【表14】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E21 I (-19) Cr E22 I (-31) Cr
【0071】実施例23〜26 R-4-(1-メチルブチルオキシカルボニル)フェニル−2-
フルオロ−デカノイルオキシベンゾエート (式(1): R1=C9H19, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0, A1=CH3, R
2=C3H7 (E23)) 、R-4-(1-メチルペンチルオキシカル
ボニル)フェニル−2-フルオロ−デカノイルオキシベン
ゾエート (式(1): R1=C9H19, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0, A1=CH3, R
2=C4H9 (E24)) 、R-4-(1-メチルヘキシルオキシカル
ボニル)フェニル−2-フルオロ−デカノイルオキシベン
ゾエート (式(1): R1=C9H19, X2=F, X1,Y1,2=H, p=0, A1=CH3, R
2=C5H11 (E25)) 、R-4-(1-メチルオクチルオキシカル
ボニル)フェニル−2-フルオロ−デカノイルオキシベン
ゾエート (式(1): R1=C9H19, Y2=F, X1,2,Y1=H, p=0, A1=CH3, R
2=C7H15 (E26))の製造。
【0072】実施例1における4-ウンデカノイルオキシ
安息香酸の代わりに、2-フルオロ−4-デカノイルオキシ
安息香酸 (実施例23〜25) 或いは4-デカノイルオキシ安
息香酸 (実施例26) を用い、また、4-ヒドロキシ-1-(1-
メチルヘプチルオキシカルボニル) ベンゼンの代わりに
4-ヒドロキシ-1-(1-メチルブチルオキシカルボニル)ベ
ンゼン (実施例23) 、4-ヒドロキシ-1-(1-メチルペンチ
ルオキシカルボニル)ベンゼン (実施例24) 、4-ヒドロ
キシ-1-(1-メチルヘキシルオキシカルボニル)ベンゼン
(実施例25) 、4-ヒドロキシ-1-(1-メチルオクチルオキ
シカルボニル)ベンゼン (実施例26) を用いて、実施例
1と同様な方法により目的物を得た。物性などの測定結
果を下記に示した。略号等は表1、2と同様である。
【0073】
【表15】水素原子番号 1 2 3 4 5 6 7 E23 (δ,ppm) 2.6 7.0 7.0 8.2 7.3 8.2 5.2 E24 2.6 7.1 7.1 8.1 7.3 8.1 5.2 E25 2.6 7.1 7.1 8.2 7.3 8.2 5.2 E26 2.6 7.3 8.2 7.1 7.1 8.0 5.3
【0074】
【化12】
【0075】
【表16】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) E23 I (27) SA (1) SCA* (-12) Cr E24 I (25) SA (-12) SCγ*(-14) Cr E25 I (21) SA (-3) SC* (-18) CrE26 I (26) SA (22) SC* (- 8) Cr
【0076】実施例27〜29 上記で得た光学活性化合物であるE1-E3 を下記の反強誘
電性液晶A (以下、AF1 と記す)にそれぞれ30wt%添加
した混合物の相系列、応答速度、チルト角などを測定し
た結果を下記の表17、18に示した。 AF1 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C6H13 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は3-位にF置換
(式(2) のZ=F)した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素で
ある。
【0077】物性値等の測定は以下のようにした。相の
同定は、テクスチャヤー観察、DSC(示差走差熱量計) 測
定により行った。応答速度及びチルト角は、ラビング処
理したポリイミド薄膜を有する ITO電極付の液晶セル
(セル厚 1.8μm)に、等方相の状態で充填した。この
セルを、毎分1℃で徐冷して、SA相で液晶を配向させ
た。セルを直交する偏光板間に液晶の層方向がアナライ
ザーまたはポーラライザーと平行になるように設置し
た。液晶セルに、周波数 10Hz 、35Vのステップ電圧を
印加して、透過光変化が10から90%に変化するに要する
時間を応答時間と定義して、応答速度を測定した。ま
た、0.2Hz の+−40V の三角波電圧を印加してセルを回
転し、その回転角度からチルト角を求めた。
【0078】実施例30〜33 実施例4〜7で得られた光学活性化合物であるE4〜E7を
液晶AF1 に30wt%添加し、得られた混合物の相系列、応
答速度、チルト角などを実施例35と同様にして測定した
結果を同様に下記に表17、18に示した。物性などの
測定結果を下記に示した。
【0079】
【表17】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) 成分 重量比 液晶AF1 I(140)SA(121)SCA*(20)SIA*(<0)Cr 実27 I(104)SA(79) SCA*(<0)Cr AF1/E1 =70/30 実28 I(106)SA(79) SCA*(<0)Cr AF1/E2 =70/30 実29 I(105)SA(79) SCA*(<0) Cr AF1/E3 =70/30 実30 I(100)SA(69) SCA*(<0)Cr AF1/E4 =70/30 実31 I(106)SA(79) SCA*(<0)Cr AF1/E5 =70/30 実32 I(106)SA(81) SCA*(<0)Cr AF1/E6 =70/30 実33 I(104)SA(80) SCA*(<0)Cr AF1/E7 =70/30 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0080】
【表18】 応答速度I 応答速度II チルト角 測定温度(℃) 60 40 20 60 40 20 60 40 20 液晶AF1 854 1305 1935 611 2145 7885 29.9 29.4 28 実27(+E1) 10 69 223 378 1300 6910 26 27 27 実28(+E2) 16 215 732 147 690 2950 24 26 26 実29(+E3) 7 27 115 241 360 1950 25 26 26 実30(+E4) 5 14 75 130 484 2780 20 23 24 実31(+E5) 7 31 177 282 1000 6910 24 26 26 実32(+E6) 22 123 252 450 1360 8190 26 28 28実33(+E7) 34 185 418 468 1710 5340 27 28 29 注) 応答速度I : 反強誘電状態から強誘電状態への速度、単位 μ秒。 応答速度II: 強誘電状態から反強誘電状態への速度、単位 μ秒。
【0081】表17において、液晶AF1 の反強誘電相の
温度範囲は 121℃〜20℃であり、この液晶は反強誘電相
の下限温度が20℃と高く、少なくとも20℃以上でないと
駆動できない。これに対して、E1〜E7の光学活性化合物
を30wt%添加した液晶組成物は、この下限温度が0℃以
下となり、表示素子として好ましい反強誘電相の温度範
囲を示すものとなる。また、表18から、反強誘電状態
から強誘電状態への応答速度I は、液晶AF1では遅く、
実用上課題があった。これに対して、E1〜E7の光学活性
化合物を、液晶AF1 に30wt%添加した反強誘電性液晶組
成物は、応答速度I を大幅に早くし、実用可能な液晶組
成物となったものである。但し、E4の光学活性化合物
は、チルト角を低下させる負の効果も比較的強く示し
た。
【0082】実施例34〜39 実施例8〜13で得られた光学活性化合物であるE8〜E13
をそれぞれ液晶AF1 に、30wt%添加し、混合物の相系
列、応答速度、チルト角などを同様にして測定した結果
を下記の表19、20に示した。略号等は表1、2と同
様である。表19から、E8〜E13 の光学活性化合物を30
wt%添加した液晶組成物は、反強誘電相の下限温度が0
℃以下となり、表示素子として好ましい反強誘電相の温
度範囲を示すものとなる。表20から、E8〜E13 の光学
活性化合物は、反強誘電性液晶の応答速度の改善、特に
反強誘電から強誘電への応答速度の向上に、顕著な効果
を示した。しかしながら、E10 の化合物は、チルト角を
低下させる負の効果がやや強かった。
【0083】
【表19】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) 成分 重量比 実34 I(108)SA(81)SCA*(<0)Cr AF1/E8 =70/30 実35 I(106)SA(72)SCA*(<0)Cr AF1/E9 =70/30 実36 I(100)SA(66)SCA*(<0)Cr AF1/E10=70/30 実37 I(94) SA(63)SCA*(<0)Cr AF1/E11=70/30 実38 I(99) SA(70)SCA*(<0)Cr AF1/E12=70/30 実39 I(99) SA(71)SCA*(<0)Cr AF1/E13=70/30 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0084】
【表20】 応答速度I 応答速度II チルト角 測定温度(℃) 60 40 20 60 40 20 60 40 20 液晶AF1 854 1305 1935 611 2145 7885 29.9 29.4 28 実34 8 40 140 281 922 5440 25 27 27 実35 6 53 307 120 431 2740 20 24 25 実36 6 13 54 138 657 1760 19 24 25 実37 11 43 665 2900 22 23 実38 5 35 477 1560 23 26 27実39 6 26 540 1120 23 27 27 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。 実37 : SCA*の上限温度が低いので、60℃の測定せず。 実38,39: 配向状態不良のため、20℃の測定せず。
【0085】実施例40、41 実施例14、16で得た光学活性化合物であるE14, E16を液
晶AF1 にそれぞれ、30wt%添加し、混合物の相系列、応
答速度、チルト角などを同様にして測定した結果を下記
表21、22に示した。略号等は表1、2と同様であ
る。表22から明らかなように、E14, E16の光学活性化
合物は反強誘電性液晶の応答速度の改善、特に反強誘電
から強誘電への応答速度の向上に、顕著な効果を示し
た。しかしながら、チルト角を低下させる負の効果がや
や強かった。 参考例1 実施例15で得た光学活性化合物であるE15 を液晶AF1 に
30wt%添加し、混合物の相系列、応答速度、チルト角な
どを測定した結果を表21、22に示した。低温側では
応答速度I がかえって遅くなった。
【0086】
【表21】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) 成分 重量比 実40 I(95) SA(64)SCγ*(59)SCA*(<0)Cr AF1/E14=70/30 実41 I(98) SA(60)SCA*(<0)Cr AF1/E16=70/30 参1 I(105)SA(79)SCγ*(77)SCA*(<0)Cr AF1/E15=70/30 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0087】
【表22】 応答速度I 応答速度II チルト角 測定温度(℃) 60 40 20 60 40 20 60 40 20 実40 9 36 887 2140 20 22 実41 12 52 949 4890 21 23参1 34 526 4350 266 824 3230 26 28 28 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。 実40,41 : SCA* の上限温度が低いので、60℃の測定せず。
【0088】実施例42〜45 実施例17〜20で得た光学活性化合物であるE17-E20 を反
強誘電性液晶AF1 に30wt%添加し、混合物の相系列、応
答速度、チルト角などを実施例34と同様にして測定した
結果を同様に下記表23、24に示した。表24から、
E17-E20 の光学活性化合物は反強誘電性液晶の応答速度
の改善、特に反強誘電から強誘電への応答速度の向上に
効果を示した。しかし、E17-E19の光学活性化合物はチ
ルト角を低下させる負の効果も示した。
【0089】
【表23】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) 成分 重量比 実42 I (89)SA(82)SCγ*(78)SCA*(<0)Cr AF1/E17=70/30 実43 I (97)SA(67)SCγ*(62)SCA*(<0)Cr AF1/E18=70/30 実44 I (91)SA(69)SCγ*(66)SCA*(<0)Cr AF1/E19=70/30 実45 I(100)SA(70)SCγ*(67)SCA*(<0)Cr AF1/E20=70/30 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0090】
【表24】 応答速度I 応答速度II チルト角 測定温度(℃) 60 40 20 60 40 20 60 40 20 実42 14 2260 21 21 実43 9 44 1035 5150 19 22 実44 13 76 581 1790 21 23実45 6 154 1560 236 595 2025 22 26 27 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。 実42 : 配向不良のため、応答速度は40℃のみ測定した。 実43,44 : SCA*の上限温度が低いので60℃の測定せず。
【0091】実施例46、47 実施例1で得た光学活性化合物であるE1を反強誘電性液
晶AF1 に10wt%、50wt%添加し、混合物の相系列、応答
速度、チルト角などを同様にして測定した結果を同様に
表25、26に示した。 実施例48 実施例21で得られた光学活性化合物であるE21 を反強誘
電性液晶AF1 に10、30wt%添加してその効果を検討し
た。30wt%添加した場合は、等方相が室温以下まで存在
し、物性を測定することができなかった。10wt%添加し
た場合の物性値を実施例48として表25、26に示し
た。 参考例2 実施例22で得られた光学活性化合物であるE22 を反強誘
電性液晶AF1 に10wt%添加したが、等方相が室温以下ま
で存在し、物性の測定ができなかった。
【0092】
【表25】 相系列 (括弧内の数値は転移温度 (℃)) 成分 重量比 実46 I(126)SA(107) SCγ*(105)SCA*(<0)Cr AF1/E1 =90/10 実47 I(87) SA (60) SCγ* (58)SCA*(<0)Cr AF1/E1 =50/50 実48 I(102)SA(101) SCγ* (99)SCA*(<0)Cr AF1/E21=90/10 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0093】
【表26】 応答速度I 応答速度II チルト角 測定温度(℃) 60 40 20 60 40 20 60 40 20 実46 783 834 1065 476 1550 7855 29 29 28 実47 30 76 1265 5440 25 25実48 94 187 361 385 1260 5925 29 29 28 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。 実47 : SCA*の上限温度が低いので、60℃の測定せず。
【0094】実施例49〜53 (注記 95-002) 上記で得た光学活性化合物であるE3, E4, E5を下記式で
示される反強誘電性液晶AF2(以下、AF2 と記す) をそれ
ぞれ40モル%混合して液晶組成物を調製した。また、E5
をそれぞれ30モル%(実施例51)、50モル%(実施例5
2) 混合して液晶組成物を調製した。 AF2 : n-C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(C
H2)5OC2H5 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は3-位にF置換
(式(2) のZ=F)した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素で
ある。相の同定および応答時間を測定した結果を表2
7、28に示した。
【0095】実施例54 E5を下記式で示される反強誘電性液晶AF3(以下、AF3 と
記す) に50モル%混合して液晶組成物を調製した。 AF3 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(C
H2)5OC2H5 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は3-位にF置換
(式(2) のZ=F)した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素で
ある。相の同定および応答時間を測定した結果を表2
7、28に示した。表28より、反強誘電性液晶AF2, A
F3はもともと応答時間に優れた液晶であるが、特に応答
時間I が改善された。
【0096】
【表27】 相 系 列 成分 モル比 液晶AF2 I(81)SC*(79)SCA*(<-50)Cr 液晶AF3 I(90)SCA*(<-20)Cr 実49 I(64)SA(57)SCA*(<-20)Cr AF2/E3 =60/40 実50 I(62)SA(57)SCA*(<-20)Cr AF2/E4 =60/40 実51 I(60)SA(52)SC*(51)SCA*(<-20)Cr AF2/E5 =60/40 実52 I(64)SA(58)SCA*(<-20)Cr AF2/E5 =70/30 実53 I(58)SA(49)SCA*(<-20)Cr AF2/E5 =50/50 実54 I(61)SA(50)SCA*(<-20)Cr AF3/E5 =50/50 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0097】
【表28】 応答時間I 応答時間II 測定温度 液晶AF2 21 716 30 ℃ 液晶AF3 22 303 30 実49 13 651 30 実50 13 1300 30 実51 15 1770 30 実52 15 1285 30 実53 13 651 30 実54 13 296 30 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。
【0098】実施例55〜59 液晶AF3 に、光学活性化合物E8, E14, E15, E16 をそれ
ぞれ30モル%混合した反強誘電性液晶組成物 (実施例55
〜58) 、および光学活性化合物E21 を40モル%混合した
反強誘電性液晶組成物 (実施例59) を調製して、相系
列、応答時間を測定した結果を表29、30に示した。
液晶AF3 はもともと応答時間に優れた液晶であるが、本
実施例の光学活性化合物を混合することにより更に応答
時間I が改善された。
【0099】
【表29】 相 系 列 成分 モル比 実55 I(65)SA(55)SCA*(<-20)Cr AF3/E8 =70/30 実56 I(59)SA(47)SCA*(<-20)Cr AF3/E14=70/30 実57 I(65)SC(61)SCA*(<-20)Cr AF3/E15=70/30 実58 I(62)SA(51)SCA*(<-20)Cr AF3/E16=70/30 実59 I(55)SCA*(<0)Cr AF3/E21=60/40 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0100】
【表30】 応答時間I 応答時間II 測定温度 実55 16 685 30 ℃ 実56 17 639 30 ℃ 実57 18 846 30 ℃ 実58 16 513 30 ℃ 実59 18 312 30 ℃ 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。
【0101】実施例60〜63 液晶AF3 に、光学活性化合物 E17〜E20 をそれぞれ30モ
ル%混合し反強誘電性液晶組成物を調製して、相系列、
応答時間を測定した結果を表31、32に示した。 実施例64 下記式で表される反強誘電性液晶AF4 に光学活性化合物
E11 を30モル%混合して反強誘電性液晶組成物を調製
し、相系列、応答時間を測定した結果を表31、32に
示した。 AF4 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(C
H2)7OC2H5 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は3-位にF置換
(式(2) のZ=F)した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素で
ある。
【0102】参考例3、4 実施例11で得た光学活性化合物である E11を下記の反強
誘電性液晶AF8 に40モル%(参考例3)、50モル%(参
考例4)混合して、相系列、応答時間の測定を試みた。 AF8 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-C*H(CF3)(CH2)5OC
2H5 式中のPhは1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素である。相
系列は下記表31に示した。応答時間は、電圧印加中に
結晶化が進行し測定できなかった。
【0103】
【表31】 相 系 列 成分 モル比 液晶AF3 I(90)SCA*(<-20)Cr 実60 I(57)SCA*(<-20)Cr AF3/E17=70/30 実61 I(63)SA(49)SCA*(-20)Cr AF3/E18=70/30 実62 I(59)SCA*(<-20)Cr AF3/E19=70/30 実63 I(62)SA(53)SCA*(<-20)Cr AF3/E20=70/30 液晶AF4 I(77) SCα*(76)SCA*(<-20)Cr 実64 I(58)SA(47)SCA*(<0)Cr AF4/E11=70/30 液晶AF8 I(100)SA(93)SCA*(43)Cr 参3 I(65) SA(42)SCA*(24)Cr AF8/E11=60/40 参4 I(58) SA(33)SCA*(16)Cr AF8/E11=50/50 注) : 略号等の記載は表2と同じ。
【0104】
【表32】 応答時間I 応答時間II 測定温度 液晶AF3 22 303 30 ℃ 実60 16 370 30 ℃ 実61 17 683 30 ℃ 実62 19 498 30 ℃ 実63 18 770 30 ℃ 液晶AF4 148 488 30 ℃ 実64 43 783 30 ℃ 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。
【0105】液晶AF3 はもともと応答時間に優れた液晶
であるが、本実施例の光学活性化合物を混合することに
より更に応答時間Iが改善された。また、液晶AF4 は応
答時間Iが遅く、実用上問題であったが本実施例で得ら
れた光学活性化合物を混合することによって、大幅に応
答時間を改善することができた。
【0106】実施例65〜68 反強誘電性液晶AF2 に、光学活性化合物E23, E24をそれ
ぞれ30モル%、光学活性化合物E25, E26をそれぞれ20モ
ル%混合し反強誘電性液晶組成物を調製して、相系列、
応答時間を測定した結果を表33、34に示した。
【0107】
【表33】 相 系 列 成分 モル比 実65 I(64)SA(53)SCA*(<-20)Cr AF2/E23=70/30 実66 I(67)SA(57)SCA*(<-20)Cr AF2/E24=70/30 実67 I(66)SA(58)SC*(53)SCA*(<-20)Cr AF2/E25=80/20 実68 I(68)SA(63)SC*(62)SCA*(<-20)Cr AF2/E26=80/20 注) : 略号等の記載は表2と同じ。なお、SCα* ;カイラルスメクチックα相
【0108】
【表34】 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。
【0109】実施例69〜71 実施例11で得た光学活性化合物E11 を、下記式で表さ
れる反強誘電性液晶AF5, AF6, AF7 にそれぞれ30モル%
混合し反強誘電性液晶組成物を調製して、相系列、応答
時間を測定した結果を表35、36に示した。 AF5 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C8H17 AF6 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C4H9 AF7 : n-C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)C6H13 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は3-位にF置換
(式(2) のZ=F)した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素で
ある。
【0110】
【表35】 相 系 列 成分 モル比 液晶AF5 I(131)SA(114)SC*(113)SCA*(23)SIA*(<0)Cr 液晶AF6 I(149)SA(129)SCA*(20)SIA*(-12)SX(<-20)Cr 液晶AF7 I(110)SA(108)SCA*(10)SX(<0)Cr 実69 I(96) SA(63)SCA*(<-10)Cr AF5/E11=70/30 実70 I(108)SA(71)SCA*(<-10)Cr AF6/E11=70/30 実71 I(86) SA(72)SCA*(<-10)Cr AF7/E11=70/30 注) : 略号等の記載は表2と同じ。なお、SX : 未同定の液晶相。
【0111】
【表36】 応答時間I 応答時間II チルト角 測定温度 液晶AF5 351 1430 29 30 ℃ 液晶AF6 −*1 −*1 30 30 ℃ 液晶AF7 −*1 −*1 37 30 ℃ 実69 26 2645 23 30 ℃ 実70 148 3370 23 30 ℃ 実71 38 867 31 30℃ 注) 応答速度I,IIの記載は表18と同じ。 *1 : しいき値電圧が 20 V/μm以上と極めて大きく、測定条件下での応 答速度の測定は出来なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07M 7:00 (72)発明者 冨山 照予 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 (72)発明者 嶺田 浩 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表される光学活性化合
    物。 【化1】 (式中、R1は炭素数 5〜12の直鎖アルキル基、R2は炭素
    数 1〜15の直鎖アルキル基、X1, X2はH又はいずれか一
    方がF、Y1, Y2はH又はいずれか一方がFであり、A1
    CH3又は CF3であり、A1が CH3のとき p=0、A1が CF3
    とき p=1で qは 5〜8 の整数である)。
  2. 【請求項2】 該一般式(1) のR1の炭素数が 8-12 であ
    る請求項1記載の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 該一般式(1) のA1が CH3, p=0 で、R2
    炭素数が 3-8である光学活性化合物である請求項1記載
    の光学活性化合物。
  4. 【請求項4】 該一般式(1) のA1が CF3, p=1 で、q=5
    、R2の炭素数が 2である請求項1記載の光学活性化合
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式(1) で表される光
    学活性化合物の少なくとも1種を、反強誘電性液晶また
    は反強誘電性液晶組成物に含有させてなる反強誘電性液
    晶組成物。
  6. 【請求項6】 該反強誘電性液晶組成物が、少なくとも
    0〜40℃の温度範囲に反強誘電相を有するものである請
    求項5記載の反強誘電性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 該反強誘電性液晶組成物が、反強誘電相
    の高温側に少なくともスメクチックA相を有するもので
    ある請求項5記載の反強誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 該反強誘電性液晶が下記一般式(2) で表
    される請求項5記載の反強誘電性液晶組成物。 【化2】 (式(2) のR3は炭素数 4〜12の直鎖アルキル基、R4は炭
    素数 1〜12の直鎖アルキル基、Z=H or F、A2= CH3 or C
    F3であり、A2が CH3のとき s=0で、R4は炭素数 3〜10の
    直鎖アルキル基、A2が CF3で s=0のとき、R4は炭素数 4
    〜8 の直鎖アルキル基、A2が CF3で s=1のとき、 tは 5
    〜8 の整数、R4は炭素数 1〜6 の直鎖アルキル、C*は不
    斉炭素である)。
  9. 【請求項9】 該一般式(2) のR3の炭素数が 6〜10であ
    る請求項8記載の反強誘電性液晶組成物。
  10. 【請求項10】 該一般式(2) のA2が CH3で s=0のと
    き、R4の炭素数が 4,6, 8である請求項8記載の反強誘
    電性液晶組成物。
  11. 【請求項11】 該一般式(2) のA2が CF3で s=0のと
    き、R4の炭素数が 6である請求項8記載の反強誘電性液
    晶組成物。
  12. 【請求項12】 該一般式(2) のA2が CF3で s=1のと
    き、t=5, 7、R4の炭素数が 2である請求項8記載の反強
    誘電性液晶組成物。
  13. 【請求項13】 該反強誘電性液晶組成物が、少なくと
    も 0〜40℃の温度範囲に反強誘電相を有し、該反強誘電
    相の高温側に少なくともスメクチックA相を有するもの
    である請求項8記載の反強誘電性液晶組成物。
  14. 【請求項14】 走査電極と信号電極をマトリックス状
    に配置した基板間に請求項7記載の反強誘電性液晶組成
    物を挟持することを特徴とする単純マトリックス液晶表
    示素子。
  15. 【請求項15】 該単純マトリックス液晶表示素子によ
    る電圧による駆動を、1つの反強誘電状態と2つの強誘
    電状態の間でスイッチングするにより行うことを特徴と
    する請求項14記載の単純マトリックス液晶表示素子。
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JP2013155309A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Kyoto Univ 液晶素子

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