JP2561054B2 - 光学活性液晶化合物、強誘電性液晶組成物用添加剤及び強誘電性液晶組成物 - Google Patents

光学活性液晶化合物、強誘電性液晶組成物用添加剤及び強誘電性液晶組成物

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JP2561054B2
JP2561054B2 JP6219229A JP21922994A JP2561054B2 JP 2561054 B2 JP2561054 B2 JP 2561054B2 JP 6219229 A JP6219229 A JP 6219229A JP 21922994 A JP21922994 A JP 21922994A JP 2561054 B2 JP2561054 B2 JP 2561054B2
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ツァイ ウェン・リャング
リー チェイン・ダウ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性液晶化合物に関
し、詳細には強誘電性液晶組成物用添加剤として用いら
れる光学活性液晶化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示技術の発展に伴って液晶ディス
プレイの応用分野も次第に拡大し、初期における簡単な
電子ウォッチの時間表示ディスプレイ素子から、最近で
はコンピューター等の大画面ディスプレイ素子に至るま
でその応用範囲が広がってきた。それに伴って液晶ディ
スプレイの性能や機能も必然的に高度な特性が要求され
る様になり、コントラスト、視野角特性、応答速度など
の特性をさらに向上させるために様々な改善方法がなさ
れてきた。
【0003】そのなかでも、強誘電性液晶(FLC =Ferr
oelectric liquid crystal)をディスプレイ素子として
用いる方法は、これらの特性を向上させることができる
有望な方法として最近注目を集めているものである。そ
のようなディスプレイ技術は、メイヤー(Meyer )など
が強誘電性液晶物質を見出した(J. Physiqe Lett.,119
75, 36 : L-96)ことに端を発して、N. A. Clark とS.
T. Lagerwall が強誘電性液晶を応用した装置、すなわ
ちSSFLC光スイッチ(Surface stabilizedFLC ligh
t valve=表面安定化強誘電性液晶光スイッチ)を提案
することによってその技術を確立させたものである(Ap
pl. Phys. Lett., 1980, 36:899 )。
【0004】上記強誘電性液晶は、強誘電性液晶ディス
プレイ技術の中枢となるものではあるが、実際の応用に
おいては、単一の液晶のみではディスプレイ素子に要求
される全ての性質を具備させることはできないことか
ら、光学活性を有さない液晶混合物のホスト物質に光学
活性液晶化合物を添加することによって強誘電性液晶組
成物を得るというドーパントの方法(Mol. Cryst., Li
q. Cryst., 1982,89:327)を採用することが多い。そ
の場合、該光学活性液晶化合物は高い自発分極(Sponta
neous polarization、以下Ps値と略記する)を誘発す
る作用を備えることが必要であり、それによって応答時
間(τ)を短縮することが可能になる。ここで、τとP
sとの関係は以下の式で表すことができる。 τ=η/(Ps×E) (式中、ηは強誘電性液晶の粘性率、Eは外部から印加
される電圧をそれぞれ表す。)
【0005】上式から明らかな様に、粘性率(η)も応
答時間(τ)に影響を与えていることが分かるが、この
粘性率は光学活性を有さない液晶混合物のホスト物質に
よって左右されるものである。従って、光学活性液晶化
合物の分子設計に当たっては、当該光学活性液晶化合物
によって如何にして高いPs値を誘発させることができ
るかが最も重要な課題となる。
【0006】ところで、米国特許公報(No.4,923,633お
よびNo.5,130,048)には新規な強誘電性液晶組成物用添
加剤が開示されているが、その製造工程は非常に繁雑で
あり、Ps値を誘発させる能力についても、期待するほ
どの効果をもたらしていないのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その第1の目的は多数の非中
心対称性を有する光学活性液晶化合物であって、光安定
性および化学安定性に優れ、かつ高いPs値を誘発する
という作用を備えた新規な化合物を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的は、上記新規な光学活性
液晶化合物からなるスメクチック相を有する強誘電性液
晶組成物用添加剤を提供することになる。更に、本発明
の第3の目的は、上記新規な光学活性液晶化合物を含有
するスメクチック相を有する強誘電性液晶組成物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明の光学活性液晶化合物とは、一般式(I):
【0009】
【化12】
【0010】(式中、R1 は炭素数2〜10のアルキル
基、R2 は炭素数2〜8のアルキル基、Aは
【0011】
【化13】 または
【0012】
【化14】
【0013】であり、mおよびnは1または2の整数、
pおよびqはOまたは1であって、p=Oのときq=O
であり、p=1のときq=1であり、*および**は、
RまたはSの立体配置をそれぞれ示す)で表されること
に要旨を有するものである。
【0014】好適な実施態様では、上記一般式(I)に
おいてR1 は炭素数2〜6の直鎖状アルキル基であり、
2 は炭素数2〜6の直鎖状アルキル基である。上記一
般式(I)で表される本発明の光学活性液晶化合物の好
ましい実施態様は、以下の通りである。
【0015】
【化15】
【0016】
【化16】
【0017】
【化17】
【0018】
【化18】
【0019】
【化19】
【0020】
【化20】
【0021】
【化21】
【0022】
【化22】
【0023】また、本発明の強誘電性液晶組成物用添加
剤は上記光学活性液晶化合物からなるものであることに
要旨を有するものである。更に、本発明の強誘電性液晶
組成物は、上記光学活性液晶化合物を含有することに要
旨を有するものである。
【0024】
【作用】本発明の光学活性液晶化合物は、光学活性有機
酸の代表例として例えば:
【0025】
【化23】 に、光学活性有機アルコールの代表例として例えば
【0026】
【化24】 または
【0027】
【化25】
【0028】を配合し、液晶核分子の両末端にそれぞれ
結合させることによって、多数の非中心対称性を付与す
るものであり、その構造は上記一般式(I)で表される
ものである。本発明の光学活性液晶化合物が高いPs値
を誘発することができるのは、上記光学活性有機酸およ
び光学活性有機アルコールがそれ自体高いPs値を有し
ており、これらを結合させることによってPs値をさら
に増大させることができるからである。その結果、上記
光学活性液晶化合物は強誘電性液晶組成物用添加剤とし
ても有用である。
【0029】本発明の強誘電性液晶添加剤は、上記一般
式(I)で表される光学活性液晶化合物の単独物、もし
くはこれらの混合物からなり、スメクチック液晶におい
て層内分子配列がC相である(Sc相と表す)液晶混合
物、もしくは光学活性を有するC相(Sc* )を含む液
晶混合物に添加することができる。本発明の強誘電性液
晶組成物は上記光学活性液晶化合物を含有しているの
で、良好な強誘電特性を発揮することができる。
【0030】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0031】
【実施例】
<実施例1> 4−{4’−[2(S)−(2(S)−メチルブトキ
シ)プロポキシ]フェニル}安息香酸−4’−{2
(S)−[2(S)−メチルブトキシ]プロピオニルオ
キシ}フェニルエステル(Ia)の合成 この化合物(Ia)は、上記一般式(I)において、m
=2,n=1,p=1,q=1,R1 =C25 ,R2
=C25 ,Aを
【0032】
【化26】 *をS,**をSとしたものであり、請求項8の化合物
に対応するものである。
【0033】まず、5.90gの(S)−乳酸エチル
(1)、11.90gの(S)−1−ヨウ素−2−メチ
ルブタン(2)および13.80gのAg2 Oを丸底フ
ラスコに入れ、超音波にかけながら、50℃で12時間
反応させた。この混合物をエチルエーテルで希釈して濾
過(50ml×4回)した後、5%の水酸化ナトリウム
(50ml×2回)および水(50ml×2回)で有機層を
洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した後、濾過濃縮し
た。得られた粗生成物をシリカゲル中圧液体クロマトグ
ラフィー(MPLC、n−ヘキサン:酢酸エチル=1
5:1)で精製すると3.90gの2(S)−[2
(S)−メチルブトキシ]乳酸エチル(3)が得られた
(収率:40%)。
【0034】次に、3.30gの(3)、2.20gの
水酸化カリウム、20mlのエチルアルコールおよび50
mlの水を丸底フラスコに入れて1時間加熱還流し、エチ
ルアルコールを濃縮除去した後、氷水浴中、10%の塩
酸で中和した。更に塩化メチレンで抽出(80ml×2
回)し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮させ
ると、2.70gの2(S)−[2(S)−メチルブト
キシ]乳酸(4)が得られた(収率:93%)。
【0035】この様にして得られた(4)を0.80
g、0.85gの4−ベンジルオキシフェノール、0.
06gのp−ジメチルアミノピリジン(DMAP)およ
び1.09gのジシクロヘキシルカルボジイミド(DD
C)を10mlの塩化メチレン中に加えて25℃で12時
間攪拌した後濃縮し、シリカゲル充填のカラムクロマト
グラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精
製すると1.50gの固体が得られた(収率:86
%)。得られた固体を0.38gのPd/Cと混合して
水素付加反応を行った後、Pd/Cを濾去して濃縮する
と1.02gの液体(5)が得られた(収率:93
%)。
【0036】これとは別に、25mlのエチルアルコール
中に2.70gの(3)を溶解し、更に1.00gの水
素化ホウ素ナトリウム(NaBH4 )を加えて4時間加
熱還流を行った。この混合液を冷却した後、10mlの水
を加えて10分間攪拌した後、エチルエーテルで抽出
(100ml×3回)した。得られた有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥して濃縮させた。次いでシリカゲル充填の
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=5:1)で精製すると、1.57gの2(S)−[2
(S)−メチルブトキシ]プロピルアルコール(6)が
得られた(収率:75%)。
【0037】この様にして得られた(6)を0.60
g、1.04gのp−ヒドロキシビフェニルギ酸エチル
および1.31gのトリフェニルホスフィン(PPh
3 )を10mlのテトラヒドロフラン(THF)中に溶解
した。この溶液に、窒素雰囲気下、氷水浴中で、0.8
7gのアゾジメチル酸ジメチルエステル(DEAD)お
よび5mlのTHF溶液をゆっくりと滴下した。温度が2
5℃まで回復した時点で、更に12時間攪拌した後、乾
燥濃縮し、シリカゲル充填のカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム=6:1:
3)で精製すると、0.99gの固体が得られた(収
率:65%)。この固体0.60gを、0.18gの水
酸化カリウム、20mlのエチルアルコールおよび10ml
の水を含む溶液中に加え、1時間加熱還流を行った後、
濾過濃縮した。この濃縮物をエチルアルコールで再結晶
させると、0.54gの固体(7)が得られた(収率:
95%)。
【0038】この様にして得られた(7)を120mg、
97mgの液体(5)、5mgのDMAPおよび145mgの
DDCを、3mlの塩化メチレン中に加え、25℃で12
時間攪拌した。これを濃縮した後、シリカゲル充填のカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
クロロホルム=6:1:3)で精製すると、125mgの
目的精製物(Ia)が得られた(収率:62%)。該精
製物の比旋光度[α] D 25 は−42°(C=1.00,
CHCl3 )であり、NMR(核磁気共鳴)分析の結果
は、表1に示す通りである。
【0039】
【表1】 なお、上述した化合物(Ia)の製造工程を以下にまと
めて示す。
【0040】
【化27】
【0041】<実施例2> 4−{2(S)−[2(S)−メチルブトキシ]プロピ
オニルオキシ}安息香酸−4’−{2(S)−[2
(S)−メチルブトキシ]プロポキシ}ジフェニルエス
テル(Ib)の合成:この化合物(Ib)は、上記一般
式(I)において、m=2,n=1,p=1,q=1,
1 =C25 ,R2 =C25 ,Aを
【0042】
【化28】
【0043】*をS,**をSとしたものであり、請求
項11に記載の化合物に対応するものである。
【0044】0.29gの液体(6)および0.63g
のPPh3 を5mlのエチルエーテル中に溶解した。この
溶液を、窒素雰囲気下、氷水浴中で、0.42gのDE
ADと5mlのエチルエーテルを含む溶液中に加え、温度
が25℃にまで回復した時点で更に12時間攪拌した。
これを濃縮した後、シリカゲル充填のカラムクロマトグ
ラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル:塩化メチレン=
10:1:2)で精製することによって粗生成物が得ら
れた。これをエチルアルコールで再結晶させると、0.
24gの固体が得られた(収率:30%)。この固体を
85mgのPd/C(10%)と混合して水素付加反応を
行った後、Pd/Cを濾去して濃縮すると、0.19g
の固体(8)が得られた(収率:70%)。
【0045】これとは別に、0.80gの液体(4)、
1.25gの4−ヒドロキシ安香酸ベンジルエステル、
0.06gのDMAPおよび1.09gのDDCを、1
0mlの塩化メチレン中に加えて、25℃で12時間攪拌
した。これを濃縮した後、シリカゲル充填のカラムクロ
マトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル:クロロホ
ルム=6:1:3)で精製すると、1.38gの生成物
が得られた(収率:62%)。このうち、0.41gの
当該生成物を0.10gのPd/C(10%)と混合し
て水素付加反応させた後、Pd/Cを濾去して濃縮する
と、0.24gの固体(9)が得られた(収率:80
%)。
【0046】次に、8mlの固体(8)と84mgの固体
(9)を用い、実施例1と同様にしてエステル化反応を
行って83mgの目的組成物(Ib)を得た(収率:55
%)。該化合物の比旋光度[α]D 25 は−46.5°
(C=1.01,CHCl3 )であり、NMRの分析結
果は、表2に示す通りである。
【0047】
【表2】 上述した化合物(Ib)の製造工程を以下にまとめて示
す。
【0048】
【化29】
【0049】<実施例3>実施例1で得られた化合物
(Ia),実施例2で得られた化合物(Ib)、および
実施例1と実質的に同様の方法で得られた化合物(I
c)〜(Id)をそれぞれ10%モル比率で、液晶ホス
ト物質:w82(Ps値:ほぼゼロ、Aldrich,32, 779-
1 を購入)と均一に混合した後、得られた液晶組成物の
液晶性質およびPs値を測定した。ここでPs値は、Ma
rtinot-Lagarade (1976), J. Phys.,37, C-3, p.129
に記載の方法に準じて、外挿によりPs(外挿)値を測
定した。上記化合物の構造、並びに得られた液晶組成物
中の液晶性質及びPs値の測定結果を表3に併記する。
なお、表中K(Crystal )=結晶相、Sc* =キラルス
メクチックC相、N* =キラルネマチック相、I(Isot
ropy)=等方相、°は℃をそれぞれ示しており、後述す
る表6も同様の略号を用いている。
【0050】
【表3】
【0051】この表から明らかな様に、本実施例で得ら
れた液晶組成物は、いずれも高いPs値を誘発すること
ができ、そのなかでも特に光学活性液晶化合物(Id)
を用いた場合は、Ps=300nc/cm2という最も高い値
を示すことが分かった。
【0052】<実施例4> 4−{2(S)−[2(S)−メチルブトキシ]プロピ
オニルオキシ}ジフェニル−4−[2(S)−オクチル
オキシ]安息香酸エステル(Ih)の合成:この化合物
は、上記一般式(I)において、m=1,n=2,p=
0,q=0,R1 =C613,R2 =C25 ,Aを
【0053】
【化30】
【0054】*をS,**をSとしたものであり、請求
項5に記載の化合物に対応するものである。
【0055】まず、0.26gの4−[2(S)−オク
チルオキシ]安息香酸(10)と0.33gの2(S)
−[2(S)−メチルブトキシ]プロピオン酸−4−ヒ
ドロキシビフェニルエステル(11)を用い、実施例1
と実質的に同様にしてエステル化反応を行うことによっ
て0.28gの目的生成物(Ih)を得た(収率:50
%)。該化合物の比旋光度[α]D 25 は−25.7°
(C=1.01,CHCl3 )であり、NMRの分析結
果は、表4に示す通りである。
【0056】
【表4】 上述した化合物(Ih)の製造工程を以下にまとめて示
す。
【0057】
【化31】
【0058】<実施例5> 4−{4−[2(S)−(2(S)−メチルブトキシ)
プロピオニルオキシ]フェニル}安息香酸−4−[2
(R)−オクチルオキシ}フェニルエステル(Io)の
合成:この化合物は、上記一般式(I)においてm=
1,n=2,p=0,q=0,R1 =C613,R2
25 ,Aを
【0059】
【化32】 *をR,**をSとしたものであり、請求項6に対応す
るものである。
【0060】110mgの4−[2(R)−オクチルオキ
シ]フェノール(12)と178mgの4−{4’−[2
(S)−(2(S)−メチルブトキシ)プロピオニルオ
キシ]フェニル}安息香酸(13)を用い、実施例1と
実質的に同様にしてエステル化反応を行うことによって
170mgの目的生成物(Io)を得た(収率:60
%)。該化合物の比旋光度[α]D 25 は−25.7°
(C=1.00,CHCl3)であり,NMRの分析結
果は表5に示す通りである。
【0061】
【表5】 上述した化合物(Io)の製造工程を以下にまとめて示
す。
【0062】
【化33】
【0063】<実施例6>実施例4で得られた化合物
(Ih)、実施例5で得られた液晶化合物(Io)およ
び実施例1と実質的に同様にして得られた化合物(I
f)、(Ig)、(Ii)、(Ik)〜(Im)を用
い、実施例3に記載の測定方法に準じて得られた液晶組
成物における液晶性質およびPs値を測定した。これら
化合物の構造および得られた測定結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】この表から明らかな様に、本実施例で得ら
れた液晶組成物は、いずれも高いPs値を誘発すること
ができることが分かった。
【0066】<実施例7>比較例として、下記の4種類
の非光学活性液晶化合物をそれぞれ併記する比率で混合
し、得られた混合物の液晶相とその相転移温度を測定し
た。
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
【化37】 その測定結果は以下の通りである。
【0071】
【表7】
【0072】なお表中、K,Sc、N、Iおよび°はそ
れぞれ前と同じ意味であり、SA はスメクチックA相を
示す。
【0073】<実施例8>表3において最も大きいPs
値が得られた光学活性液晶化合物(Id):20重量%
を、実施例7で合成したSC 相を有する液晶混合物中に
添加することにより、強誘電性液晶組成物を得た。得ら
れた組成物の液晶相、相転移温度および応答速度は、下
記の通りである。
【0074】
【表8】
【0075】なお表中、K,Sc、N、I、°およびS
A はそれぞれ前と同じ意味である。 応答速度:52μsec 印加電圧:±15V 上記の結果から明らかな様に、本実施例で得られた液晶
組成物は、高速応答性を有することが分かる。
【0076】
【発明の効果】本発明の光学活性液晶化合物は、多くの
非中心対称性を有すると共に、大きな自発分極を誘発す
る作用があるので、強誘電性液晶組成物の添加剤として
好適に用いられることができる。この様にして得られた
強誘電性液晶組成物は、高速応答性という特徴を有す
る。また、本発明の光学活性液晶化合物は製造方法が簡
単であり、かつ原料として安価で入手し易い乳酸を用い
ているので、製造コストも安価であるという利点を有す
る。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜10のアルキル基、 R2 は炭素数2〜8のアルキル基、 Aは 【化2】 または 【化3】 であり、 mおよびnは1または2の整数、 pおよびqはOまたは1であって、p=Oのときq=O
    であり、p=1のときq=1であり、 *および**は、RまたはSの立体配置をそれぞれ示
    す)で表されることを特徴とする光学活性液晶化合物。
  2. 【請求項2】 R1 が炭素数2〜6の直鎖状アルキル基
    である請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  3. 【請求項3】 R2 が炭素数2〜6の直鎖状アルキル基
    である請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  4. 【請求項4】 一般式: 【化4】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  5. 【請求項5】 一般式: 【化5】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  6. 【請求項6】 一般式: 【化6】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  7. 【請求項7】 一般式: 【化7】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  8. 【請求項8】 一般式: 【化8】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  9. 【請求項9】 一般式: 【化9】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  10. 【請求項10】 一般式: 【化10】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  11. 【請求項11】 一般式: 【化11】 (式中、*および**はそれぞれ前と同じ意味)で表さ
    れる請求項1に記載の光学活性液晶化合物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    学活性液晶化合物からなることを特徴とするスメクチッ
    ク相を有する強誘電性液晶組成物用添加剤。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    学活性液晶化合物を含有することを特徴とするスメクチ
    ック相を有する強誘電性液晶組成物。
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