JPH0725829A - 反強誘電性液晶化合物 - Google Patents

反強誘電性液晶化合物

Info

Publication number
JPH0725829A
JPH0725829A JP19542193A JP19542193A JPH0725829A JP H0725829 A JPH0725829 A JP H0725829A JP 19542193 A JP19542193 A JP 19542193A JP 19542193 A JP19542193 A JP 19542193A JP H0725829 A JPH0725829 A JP H0725829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
compound
formula
phase
synthesis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19542193A
Other languages
English (en)
Inventor
Giichi Suzuki
義一 鈴木
Takashi Hagiwara
隆 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Shell Sekiyu KK filed Critical Showa Shell Sekiyu KK
Priority to JP19542193A priority Critical patent/JPH0725829A/ja
Publication of JPH0725829A publication Critical patent/JPH0725829A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温を含む低温領域で三安定状態を示す反強
誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が期待
でき、さらに反強誘電性混合液晶を構成する成分液晶と
して非常に有効な化合物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3
たは−C25であり、XはCOOまたはCOを表わし、 【化2】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反強誘電性液晶
化合物に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Guest−Host)方式などが開
発され実用化されている。しかし、現在広く利用されて
いるネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数ms
ec〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制
約を受けている。これらの問題を解決するため、STN
方式や薄層トランジスタなどを用いたアクティブマトリ
ックス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、
表示コントラストや視野角などの表示品位は優れたもの
となったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度
を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題とな
っている。このため、応答性のすぐれた新しい液晶表示
方式の開発が要望されており、光学応答時間がμsec
オーダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる強
誘電性液晶の開発が試みられていた。強誘電性液晶は、
1975年、Meyer等によりDOBAMBC(p−
デシルオキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメート)が初めて合成された(Le Jou
rnal de Physique,36巻1975,
L−69)。さらに、1980年、ClarkとLag
awallによりDOBAMBCのサブマイクロ秒の高
速応答、メモリー特性など表示デバイス上の特性が報告
されて以来、強誘電性液晶が大きな注目を集めるように
なった〔N.A.Clark,etal.,Appl.
Phys.Lett.36.899(1980)〕。し
かし、彼らの方式には、実用化に向けて多くの技術的課
題があり、特に室温で強誘電性液晶を示す材料は無く、
表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の配列制御に有効
かつ実用的な方法も確立されていなかった。この報告以
来、液晶材料/デバイス両面からの様々な試みがなさ
れ、ツイスト二状態間のスイッチングを利用した表示デ
バイスが試作され、それを用いた高速電気光学装置も例
えば特開昭56−107216号などで提案されている
が、高いコントラストや適正なしきい値特性は得られて
いない。このような視点から他のスイッチング方式につ
いても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。その
後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有する
液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.D.
L.Chandani,T.Hagiwara,Y.S
uzuki etal.,Japan.J.ofApp
l.Phys.,27,(5),L729−L732
(1988)〕。前記「三状態を有する」とは、第一の
電極基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電
極基板の間に強誘電性液晶が挟まれ前記第一及び第二の
電極基板に電界形成用の電圧が印加されるよう構成され
てなる液晶電気光学装置において、図1Aで示される三
角波電圧を印加したとき、無電界時に分子配向と透過率
が第一の安定状態〔図3の(a)および図1Dの2〕を
有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し分子配
向と透過率が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定
状態〔図3の(b)および図1Dの1〕を有し、さらに
他方の電界方向に対し前記第一及び第二の安定状態とは
異なる第三の分子配向と透過率の安定状態〔図3の
(c)および図1Dの3〕を有することを意味する。な
お、この三安定状態を利用する液晶電気光学装置につい
ては、本出願人は特願昭63−70212号として出願
し、特開平2−153322号として公開されている。
三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさらに詳しく
説明する。クラーク/ラガウェル(Clark−Lag
awall)により提案された表面安定化強誘電性液晶
素子では、S*C相において強誘電性液晶分子が図2
(a),(b)のように一方向に均一配向した2つの安
定状態を示し、印加電界の方向により、どちらか一方の
状態に安定化され、電界を切ってもその状態が保持され
る。しかしながら実際には、強誘電性液晶分子の配向状
態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイスト二状態
を示したり、層が「く」の字に折れ曲ったシエブロン構
造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角が小
さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化段階
へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘電
性液晶は三安定状態を示すS*(3)相では、上記液晶電
気光学装置において、無電界時には、図3(a)に示す
ごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾いて配列し、液
晶分子の双極子はお互に打ち消し合っている。したがっ
て、液晶層全体として自発分極は打ち消されている。こ
の分子配列を示す液晶相の透過率は、図1Dの2に対応
している。さらに、(+)又は(−)のしきい値より充
分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)に
示すように液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。すなわち、“反”
強誘電性液晶のS*(3)相においては、無電界時の
“反”強誘電相と印加電界の極性による2つの強誘電相
が安定になり、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直
流的しきい値を持って三安定状態間スイッチングを行う
ものである。このスイッチングに伴う液晶分子配列の変
化により印加電圧に応じて図4に示すダブル・ヒステリ
シスを描いて光透過率が変化する。このダブル・ヒステ
リシスに、図4の(A)に示すようにバイアス電圧を印
加して、さらにパルス電圧を重畳することによりメモリ
ー効果を実現できる特徴を有する。さらに、電界印加に
より強誘電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ構
造となる。一方、無電解時の安定状態の“反”強誘電相
では類似ブックシエルフ構造となる。この電界印加によ
る層構造スイッチングが液晶層に動的シエアーを与える
ため駆動中に配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実
現できる。そして、“反”強誘電性液晶では、プラス側
とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像表
示を行なうため、自発分極に基づく内部電界の蓄積によ
る画像の残像現象を防止することができる。これらの結
果、“反”強誘電性液晶は、1)高速応答が可能で、
2)高いコントラストと広い視野角および3)良好な配
向特性とメモリー効果が実現できる、非常に有用な液晶
化合物と言える。“反”強誘電性液晶の三安定状態を示
す液晶相については、1)A.D.L.Chandan
i etal.,Japan J.Appl.Phy
s.,28,L−1265(1989)、2)H.Or
ihara etal.,JapanJ.Appl.P
hys.,29,L−333(1990)に報告されて
おり、“反”強誘電的性質にちなみS*CA相(Anti
ferroelectricSmectic C*相)
と命名している。本発明者らは、この液晶相が三安定状
態間のスイッチングを行なうためS*(3)相と命名し
た。三安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)を相系列
に有する液晶化合物は、本出願人の出願した特開平1−
316367号、特開平1−316372号、特開平1
−316339号、特開平2−28128号及び市橋等
の特開平1−213390号公報があり、また三安定状
態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人は特開
平2−40625号、特開平2−173724号におい
て新しい提案を行っている。“反”強誘電性液晶を液晶
ディスプレイへ応用する場合、1)動作温度範囲、2)
応答速度、3)自発分極、4)ヒステリシス特性等を単
一液晶で全て満足させることは困難であり、通常十数種
類の混合液晶として調製して用いられる。特に、1)の
動作温度範囲では、室温を含む低温度域で安定したディ
スプレイ動作特性を示す“反”強誘電性液晶の開発が望
まれている。しかしながら、室温を含む低温領域で
“反”強誘電性S*(3)相を安定して発現し、かつ高速
応答を示す“反”強誘電性液晶は未だ見い出されていな
い。なお、特開平5−32973号公報には3つの環が
連結した光学活性化合物を含む液晶組成物が開示されて
いるが、実施例のいずれもが、前記3つの環のうち1つ
が複素環よりなるものであって、本発明の化合物とは異
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
を含む低温領域で三安定状態を示す反強誘電性S*(3)
相を安定的に示し、かつ高速応答が期待でき、さらに反
強誘電性混合液晶を構成する成分液晶として非常に有効
な化合物を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、一般式
【化5】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3
たは−C25であり、XはCOOまたはCOを表わし、
【化6】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物に関する。
【0005】本発明の第二は、一般式
【化7】 (式中、R1,R2,Rf,Xおよび*はいずれも前記と
同一である)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関す
る。
【0006】本発明の第三は、一般式
【化8】 (式中、R1,R2および*はいずれも前記と同一であ
る)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関する。
【0007】つぎに、本発明の製造例を示す。 (製造例1)反応式は、化10、化11に示す。ターフ
ェニルに無水塩化アルミニウムと塩化アセチルを作用さ
せてフリーデルクラフト反応を行うことにより−1を
製造する。なお、ここで用いるフリーデルクラフト試薬
としては、無水塩化アルミニウム(AlCl3)の他に
AlBr3、FeCl3、SnCl4、SbCl5等を用い
ることができる。次いで、次亜臭素酸ナトリウム(Na
OBr)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO4)など
の次亜ハロゲン酸によりハロホルム反応でアセチル基
(CH3CO基)を酸化してカルボキシル基(COOH
基)に変換して−2を製造する。このものを、通常の
方法によりエチルエステル誘導体−3にする。更に、
前記したフリーデルクラフト反応、その後にバイヤー−
ビリガー酸化を行ない化合物−5を製造する。次に、
KOH、NaOH等の塩基を用いて加水分解を行い、
−6を得る。−6のOH基、COOH基を各々メトキ
シメチル基およびエチルエステル基に変換して−8を
製造する。次いでエチルエステル基をKOH等の塩基を
用いて前述した方法によりCOOH基に戻し、光学活性
1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノールと脱水縮合
剤を用いてエステル化を行ない、−10を製造する。
ここで脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド−アミノピリジン系、2−クロロ−1,3,5−ト
リニトロベンゼンとピリジン系、さらにN−N′−カル
ボニルジイミダゾール等が用いられる。次いで、−1
0のメトキシメチル基をHCl等の酸を用いて室温にて
OH基に変換したのち、アルカノイルクロリド、
【化9】 と反応させて目的化合物−12を製造することができ
る。 (以下余白)
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】 注(1):DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドの
略称である。
【0010】(製造例2)反応式は、化12に示す。4
−ブロモアニソールにトリイソプロピルボレートを−5
0℃以下の低温で作用させ、化合物−1を製造し、次
いで、4−ブロモ−4′−シアノビフェニルとカップリ
ング反応させて化合物−2を製造する。これをKOH
等の塩基存在下、水−エタノール溶液中にてニトリル基
をカルボキシル基に変換し、さらに、HBrおよびアル
カノイルクロライドを順次作用させて化合物−5を製
造する。さらに酸クロリド−6に誘導し、さらに1,
1,1−トリフルオロ−2−アルカノール等の光学活性
アルコールとエステル反応を行ない目的化合物−7を
製造することができる。 (以下余白)
【0011】
【化12】
【0012】
【実施例】 実施例1
【化13】 4−n−オクチルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1
−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p
−ターフェニルの合成 反応式はつぎのとおりである。
【化14】
【化15】
【0013】化合物(2)の合成 化合物(1)172g、ベンゼン860ml及びアセチ
ルクロリド353gを−5℃に冷却し、無水塩化アルミ
ニウム200gを分散投入した。同温度で1時間、10
℃でさらに1時間反応させた。固形物を濾取し、メタノ
ール4lで分散洗浄した後、クロロホルムから再結晶し
て121gの化合物(2)を得た。収率59%
【0014】化合物(3)の合成 化合物(2)50gをジオキサン2lに溶解し、次亜臭
素酸ナトリウム水溶液(Br2151gと20%NaO
H水溶液780gから調整)を加えて60℃で2時間反
応した。室温まで冷却した後、塩酸を加えて酸性にし、
結晶を濾取し、水洗した。結晶をテトラヒドロフラン
(THF)3lに加熱溶解し、不溶解物を濾別した後、
濾液を500mlまで濃縮し、析出した結晶を濾取して
44gの化合物(3)を得た。
収率88%
【0015】化合物(4)の合成 化合物(3)44gをクロロホルム450ml及び塩化
チオニル450mlとともに4時間加熱還流した後、溶
媒及び塩化チオニルを減圧留去した。残渣に3%トリエ
チルアミンエタノール溶液3lを加えて12時間加熱撹
拌した。溶媒を減圧留去した後、テトラヒドロフラン2
lを加えて、不溶物を濾過し、濾液を減圧留去して得ら
れた結晶をベンゼンで洗浄して化合物(4)35gを得
た。収率71%
【0016】化合物(5)の合成 化合物(4)29.2gをメチレンクロリド290ml
に溶解し、無水塩化アルミニウム30.9gを加えた
後、アセチルクロリド18.3gを滴下した。加熱還流
下で4時間反応した。氷水に反応液を分散し、クロロホ
ルムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して2
4.1gの化合物(5)を得た。 収率
72%
【0017】化合物(6)の合成 化合物(5)27.0gをメチレンクロリド540ml
に溶解し、ギ酸121g、無水酢酸46g、濃硫酸15
gを加えた後、氷冷下で35%過酸化水素水を滴下し
た。8時間加熱還流した後、氷水に分散し、クロロホル
ムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して1
6.5gの化合物(6)を得た。
収率58%
【0018】化合物(7)の合成 化合物(6)16.5gをエタノール500mlに溶解
し、50%水酸化カリウム水溶液34gを加えて5時間
還流した。塩酸を加えてpH1とした後、さらに1時間
還流した。室温まで冷却して析出している結晶を濾取
し、水洗、乾燥して12.5gの化合物(7)を得た。
収率94%
【0019】化合物(8)の合成 化合物(7)25.0g、エタノール1l、テトラヒド
ロフラン1l及び濃硫酸100gの混合物を3時間加熱
撹拌し、不溶解物を熱濾過した後、放冷し析出した結晶
を濾取した。結晶を水で洗浄した後、乾燥して23.1
gの化合物(8)を得た。
収率85%
【0020】化合物(9)の合成 化合物(8)13.7g、クロロメチルメチルエーテル
13.0g、無水炭酸カリウム22.2gをジメチルホ
ルムアミド(DMF)70ml中で24時間100℃で
加熱撹拌した。冷却後、水500mlを加えて析出した
固形物を濾取した。これをテトラヒドロフラン600m
lに溶解し、不溶解物を濾別した後、溶媒を減圧留去し
た。残渣にメタノールを加えて、析出する結晶を濾取
し、乾燥して10.1gの化合物(9)を得た。
収率64%
【0021】化合物(10)の合成 化合物(9)22.8g、エタノール950ml及び5
0%水酸化カリウム水溶液64gを4時間加熱還流し
た。反応混合物に希塩酸を加えてpHを3〜4に調整し
た後、結晶を濾取し、水洗、乾燥して21.0gの化合
物(10)を得た。
収率100%
【0022】化合物(11)の合成 化合物(10)11.1gをメチレンクロリド200m
lに溶解し、(R)−(+)−1,1,1−トリフロロ−2
−オクタノール7.0g、ジメチルアミノピリジン50
mg及びEDC−HCl〔EDC−HClは、1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイ
ミド・塩酸塩のことである。〕7.0gを加えて室温で
24時間撹拌した。反応液を水洗した後、乾燥し、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し、さらにメタノールから再結晶すること
により8.0gの化合物(11)を得た。収率48%
【0023】化合物(12)の合成 化合物(11)8.0gをアセトン170mlに溶解
し、濃塩酸17mlを加えて室温で2時間撹拌した。反
応液に水300mlを加えて氷冷し析出する結晶を濾取
した。結晶を10%含水アセトンで洗浄した後、乾燥し
て6.5gの化合物(12)を得た。
収率89%
【0024】化合物(13)の合成 化合物(12)2.0gをメチレンクロリド20mlに
溶解し、トリエチルアミン0.54gを加えた後、ノナ
ノイルクロリド1.0gを滴下した。室温で12時間撹
拌した後、希塩酸、飽和食塩水、飽和重ソウ水、食塩水
で順次洗浄した後、乾燥し溶媒を減圧留去した。得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次
にODSフラッシュクロマトグラフィー及びエタノール
再結晶によって精製することによって化合物(13)
1.2gを得た。収率46%
【0025】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表1】
【0026】実施例2
【化16】 4−n−ノニルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1.0gの代りにデカノイルクロリド1.0g
を用いて実施例1と全く同様な方法によって製造し、目
的化合物1.1gを得た。
【0027】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表2】 Sxは高次のスメクチック液晶相である。
【0028】実施例3
【化17】 4−n−デシルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1gの代りにウンデカノイル1.1gを用いて
実施例1と全く同様な方法によって、目的化合物1.2
gを得た。
【0029】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表3】
【0030】実施例4
【化18】 4−n−オクチルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1
−トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いる(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用いて全く同様の方法で目的化合物1.1gを得た。
【0031】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表4】
【0032】実施例5
【化19】 4−n−ノニルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにデカノイルクロ
リド1.0gを用いた以外は実施例1と全く同様の方法
で、目的化合物1.1gを得た。
【0033】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表5】
【0034】実施例6
【化20】 4−n−デシルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールの代りに
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにウンデカノイル
クロリド1.2gを用いた以外は実施例1と全く同様の
方法で、目的化合物1.2gを得た。
【0035】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表6】
【0036】実施例7 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚1.9μmの液晶セルに、実施例1と4
で得られた液晶化合物をそれぞれIsotropic相
において充填し、それぞれの液晶薄膜セルを作成した。
作成した液晶セルを2枚の偏光板を直交させたフォトマ
ルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、電圧0Vの状態で暗
視野となるように配置した。この液晶セルを0.1〜
1.0℃/1分間の温度勾配にてS*(3)相が現われる
温度TcA℃まで徐冷する。さらに徐冷して、TcAから
(A)に示す−5℃、−10℃、−20℃、−30℃の
各温度において図5(A)に示す±40Vのパルス電圧
を印加する。図5(B)に示す透過率の変化から求めた
応答速度をτr、τd、τとし、実施例1と後述の比較
例1の化合物のデータを図6に、実施例4と従来の比較
例2の化合物のデータを図7にそれぞれ示した。実施例
のものに較べて、比較例のものの応答速度が遅いことは
図6、7より明らかである。
【0037】比較例1
【化21】 4−n−オクチルオキシ−4″−(1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−ターフ
ェニルの合成 4″−n−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン
酸1.6gを過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間
加熱した後、未反応の塩化チオニルを留去して4″−n
−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン酸塩化物
を得た。前記酸塩化物を塩化メチレン50mlに溶解し
た溶液に、1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノー
ル0.7g、トリエチルアミン0.4gおよびジメチル
アミノピリジン0.1gを塩化メチレン50mlに溶解
したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応させ
た。次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて
抽出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリウム
水溶液、そして水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、溶媒を留去して、粗生成物を得た。これ
をシリカゲルクロマトグラフ法により精製して、光学活
性な目的化合物1.1gを得た。相転移点の測定には該
化合物を無水エタノールにて再結晶して更に精製して用
いた。ホットステージ付偏光顕微鏡観察による目的化合
物の相転移温度(℃)は次の通りである。
【表7】
【0038】比較例2 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオキシカ
ルボニル)−4″−オクチルオキシターフェニルの合成
【化22】 実施例1の化合物(11)の合成における1,1,1−
トリフルオロ−2−オクタノールに代えて1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノールを用いて合成を行い、目
的物を得た。ホットステージの偏光顕微鏡観察により次
の相転移温度(℃)を得た。
【表8】 但し、S*(3)は光学的三安定状態液晶相を示す。
【0039】
【効果】本発明のアルキルカルボニルオキシ側鎖やアル
キルカルボニル側鎖を有するターフェニル骨格から成る
反強誘電性液晶化合物は、アルキル側鎖や比較例に示す
アルキルオキシ側鎖を有するターフェニル骨格型のもの
に比較して、反強誘電相S*(3)相の温度範囲が、15
〜25℃程度低温領域に拡張し、更に、交番電場に対す
る応答時間τ、τr、τdともに著しく高速の応答時間
を示すことが明らかとなった。従って、本発明の反強誘
電性化合物は、実用温度領域において三安定状態を示す
反強誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が
期待でき、さらに反強誘電性液晶組成物を構成する成分
液晶として、実用温度範囲と高速応答を付与するのに有
効な反強誘電性液晶を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二安定状態液晶の、Dは三安定状態液晶
の、それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】本発明の“反”強誘電性液晶分子の三つの安定
した配向状態を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対応して
ダブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを
示す印加電圧−光透過率特性図である。
【図5】Aは印加電圧と時間の関係を示し、Bはその印
加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を示すグラ
フである。
【図6】実施例1と比較例1の化合物の相転移温度と応
答速度の比較データを示すグラフである。
【図7】実施例4と比較例2の化合物の相転移温度と応
答速度の比較データを示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
    る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3
    たは−C25であり、XはCOOまたはCOを表わし、 【化2】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
    の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
    り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
    液晶化合物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化3】 (式中、R1,R2,Rf,Xおよび*はいずれも前記と
    同一である)で表わされる反強誘電性液晶化合物。
  3. 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、R1,R2および*はいずれも前記と同一であ
    る)で表わされる反強誘電性液晶化合物。
JP19542193A 1993-07-13 1993-07-13 反強誘電性液晶化合物 Pending JPH0725829A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19542193A JPH0725829A (ja) 1993-07-13 1993-07-13 反強誘電性液晶化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19542193A JPH0725829A (ja) 1993-07-13 1993-07-13 反強誘電性液晶化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0725829A true JPH0725829A (ja) 1995-01-27

Family

ID=16340802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19542193A Pending JPH0725829A (ja) 1993-07-13 1993-07-13 反強誘電性液晶化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0725829A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214270A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Fujifilm Corp トリアジン誘導体、液晶組成物、異方性材料、及びそれを用いた液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214270A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Fujifilm Corp トリアジン誘導体、液晶組成物、異方性材料、及びそれを用いた液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0228128A (ja) ナフタレン骨格を含む液晶化合物
JP2760836B2 (ja) ジオキサン系液晶物質
JPH059157A (ja) フエニルエステル系液晶物質
JP3210730B2 (ja) 反強誘電性液晶セル
JPH09165356A (ja) 反強誘電性液晶化合物及び反強誘電性液晶組成物
JP3255965B2 (ja) 反強誘電性液晶化合物
JPH0725829A (ja) 反強誘電性液晶化合物
JP3262559B2 (ja) 光学活性1―メチルペンチル基を有する液晶化合物
JPH0665154A (ja) 液晶化合物
JP3186825B2 (ja) 液晶化合物
JPH05202028A (ja) チオフェン環を有する光学活性化合物
JP2796722B2 (ja) 光学素子用液晶
JP2900599B2 (ja) 液晶物質
JP3249602B2 (ja) 反強誘電性液晶化合物
JP3095435B2 (ja) 液晶化合物
JP3333078B2 (ja) 応答速度の温度依存性に優れた反強誘電性液晶化合物
JPH0632770A (ja) 反強誘電性液晶化合物
JPH08113553A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH08253441A (ja) 五員環中に不斉炭素をもつ液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH09157264A (ja) ピペラジン骨格を有する反強誘電性液晶化合物及び組成物
JPH10158219A (ja) 新規な反強誘電性液晶化合物およびそれを含む反強誘電性液晶組成物
JPH05246953A (ja) 液晶化合物
JPH08291138A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH08268970A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH1180094A (ja) 液晶化合物、反強誘電性液晶組成物およびそれを用いた液晶素子