JPH10502601A - ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーンの車輪転向方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーン(l)の車輪転向方法に関する。このクレーンは、ギア装置(16)を有する電動機(26)を有し、この電動機は走行装置として機能する。クレーンの車輪を転向する際、車輪の転向を防ぐロック装置(15)を解除し、各車輪対(4)が所望の角度に転向するまで走行装置によってクレーンを駆動し、各車輪の転向を防ぐロック装置(15)をロックする。車輪対における車輪のうちの一方(4a)のみをクレーンの走行装置によって作用させ、他方(4b)を自由に回転可能にしておく。

Description

【発明の詳細な説明】 ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーンの車輪転向方法および装置 本発明は、請求の範囲第１項の前段に定義した方法、および請求の範囲第３項 の前段に定義した装置に関するものであり、ゴムタイヤ車輪等で走行するクレー ンの車輪を転向させるものである。 先行技術では、ゴムタイヤ車輪で走行するクレーンのサブシャーシは、２本の 大きな車輪を前後に有し、これらの車輪は、転向して平行になり、横方向に走行 することができる。この転向は、とくに転向用に設けられた平面、たとえば大理 石スラブの上で車輪を液圧シリンダまたはその集合体で同じ方向に転向させるこ とによって行なわれる。別の方法は、車輪を転向動作中、地面から持ち上げてお くことである。２本の大車輪に代って、サブシャーシに１対の小車輪を設けても よく、その両方を駆動輪とする。動力伝達は通常、チェーン伝導装置および伝動 チェーンを有する開放ギアによって実現される。 米国特許第3,081,883号には、クレーンのサブシャーシに４本の平行車輪を設 け、外側の２本を駆動輪とした方式が開示されている。サブシャーシは、駆動輪 のチェーンギアを有する走行装置を別々の方向に動作させることによって転向さ せることができる。 従来技術装置の欠点は、転向が困難なことである。わずかに２つの動作位置、 すなわち°および90°しかなく、たとえば保守のためにクレーンを斜めに向ける ことは、非常に困難であり、実際上は不可能である。また、液圧装置であるため 、多くの部品を必要とし、したがって漏液する箇所が多い。しかも、チェーンギ アの場合、保守を要する恐れのある箇所が多く、またチェーンギアはスペースを とる。 本発明の目的は、上述の欠点を解消し、ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーン を転向させる新規で有利な方式を提供することである。これは、請求の範囲第１ 項の特徴段に記載されたことを特徴とする本発明の方法で達成される。また、本 発明による装置は、請求の範囲第３項の特徴段に記載されたことを特徴とす る。 本発明の他の実施例は、他の請求の範囲に記載の事項を特徴とする。 本発明の利点は、転向動作によって生ずる力を反転させ、クレーンが転向中、 静止状態にあることである。他の利点は、液圧装置などの他の装置を付加するこ となく車輪を転向でき、この転向を場所を選ばずに行なうことができることであ る。さらに他の利点は、車輪を無段階で転向でき、そのため、クレーンを斜めに 、または円を描いて走行させることができることである。また、この転向によっ てタイヤが著しく摩耗することはない。 次に、本発明を添付図面を参照して１つの実施例により詳細に説明する。 第１図はクレーンの上面斜視図、 第２図は、サブシャーシにある１対の車輪のシャフト装置をサブシャーシの長 手方向に見た図、 第３図は、サブシャーシの１本の車輪および走行装置の側面を示す図、 第４図は、クレーンを横方向に操舵する際のサブシャーシの１対の車輪の相対 位置を示す上面図、 第５図は、クレーンを縦方向に操舵する際のサブシャーシの１対の車輪の相対 位置を示す上面図、 第６図は、クレーンを円を描いて走行させる際のサブシャーシの１対の車輪の 相対位置を示す上面図である。 本方法を説明するために、まず、クレーンの走行・転向ギアの構造を説明する 。第１図は本発明に使用するクレーン１を示し、４つのサブシャーシ組立体３が フレーム構体の２本の下部ビーム２にクレーンの下部の隅で取り付けられている 。各サブシャーシは２対の車輪４を有し、これらは、各車輪対の間の水平シャフ トの中央が垂直管５に装着され、この垂直管は、サブシャーシの端部に配置され て垂直管の垂直軸を中心にピボットするようになっている。クレーンにはまた、 クレーンに電力を供給するディーゼル発電機６と、配電装置７も設けられている 。クレーンの走行装置は、第１図に示されていないが、車輪対４に関連して配置 され、たとえば、２次シャフト19、ギア装置16、電動機28、および電動機のシャ フトに作用するブレーキ29を有する。 第２図はその構造を詳細に示す。サブシャーシの両端部において、垂直管５が サブシャーシから下方に延び、この管は、中空であり、底部に向けて内側が円錐 状になっている。円錐状部の上端部には、軸受け10用の空間があり、また円錐状 部の下端部には、下部軸受け12用の空間がある。各車輪対４は、垂直管内の円錐 孔に装着されて、円錐孔の垂直軸を中心にキングピン８によってピボットするこ とができる。このキングピンは、軸受け10用の上部円筒状軸受け領域９と、軸受 け12用の下部円筒状軸受け領域11とを含む。キングピンの両軸受け領域の間の部 分は、上部に向かうほど円錐状に狭くなり、したがって軸受け領域９の直径は軸 受け領域11のそれより短い。軸受け領域11の直下でキングピンは、円柱状フラン ジ13を有し、その直径は軸受け領域11のそれより長い。このフランジは、軸受け 12に支持面を提供し、キングピンは、車輪対４の車輪4aおよび4bの間のギア装置 16のフレームに緊締ボルト27によってこのフランジで緊締されている。 垂直管５の下端には、バンドブレーキ15などのロック装置もあり、これは、垂 直管およびキングピン８のフランジ13に作用し、ブレーキが保持位置にあるとき は垂直管の下端およびフランジの円周部に対してバネ駆動で押圧され、この保持 位置によって、垂直管が１対の車輪とギアボックスの組合せに対して回転しない ようにしている。ブレーキは、車輪の回転時にはスピンドルモータ（図示せず） 等によって解放される。フランジ13と垂直管の下端との間にはパッキング14もあ り、これによって、軸受けの潤滑剤がバンドブレーキの制動領域に接触しないよ うにしている。 このギア装置の２次シャフト19は、ギアボックス16のフレームに基本的に水平 の位置に装着されている。このシャフトの第１の端部には緊締ブッシュ20があり 、これは、ウエッジと適切にロックし、ブッシュの周縁部に固定された緊締フラ ンジ18に囲まれている。軸方向の動きを防ぐため、ブッシュ20は２次シャフト19 にボルト22および端部フランジ21によって緊締されている。このフランジを通っ てボルト22は、ブッシュ20およびシャフト19に延びている。シャフト19の第２の 端部には、シャフト19を中心に回転する緊締ブッシュ23が装着されている。この ブッッシュは、フランジの周縁部に固定され第１の端部にある緊締フランジ18と 同じ緊締フランジによって囲まれている。緊締ブッシュ23は中空であり、そ の内表面には、シャフト19を囲む軸受け23および25を受けるように配置された空 間を有している。塵埃が軸受けに侵入しないように、緊締ブッシュ23の開放端部 はカバー26で封止されている。 車輪対４の駆動輪4aは、そのリム17が緊締フランジ18にボルト18で緊締され、 駆動輪4aは、確実に駆動されて２次シャフト19とともに２次シャフトと同じ方向 に回転する。さらに、車輪対４の自由輪4bは、そのリムが緊締フランジ18にボル トで緊締され、これによって自由輪4bは、２次シャフトの回転に無関係に緊締ブ ッシュ23とともに自由に回転する。電動機28は、クレーンの走行モータとして機 能し、一方の端部がギア装置16に接続されている。電動機の他方の端部にはブレ ーキがある。 クレーンを転向させる方法は次のように行なわれる。通常、クレーンを横方向 （第４図における矢印２９で示す方向）に向ける場合、サブシャーシ３の各車輪 対４をサブシャーシの長手方向に前後にする。ロック装置として機能するバンド ブレーキ15をロックし、車輪4aのみが駆動輪として動作するが、クレーンは、バ ンドブレーキのロック作用により直線状に走行する。走行方向を変えたいときは 、バンドブレーキを解放する。これによって車輪対は、その車輪対の対称に位置 する垂直軸を中心に転向することができ、この垂直軸は、サブシャーシの端部で 垂直管５の垂直軸、およびキングピン８の垂直回転軸と一致している。転向動作 が生ずるが、これは、各車輪対の車輪のうちの一方のみが駆動車輪として動作し 、他方は自由輪であるからである。一方の端部において、両サブシャーシ組立体 の車輪対は、クレーンの転向につれて反対の方向に同時に転向するように構成さ れ、これによって転向動作に起因する力が反転してクレーンが静止状態にとどま る。第４図における車輪の位置と比較すると、第５図の左側の上のサブシャーシ の車輪対は、反時計方向に転向していて（小さい矢印で示す）、右側の上のサブ シャーシの車輪対は、時計方向（小さい矢印で示す）に転向している。同図の下 側のサブシャーシ組立体では、転向方向が反対である。転向の後、バンドブレー キ15をロックし、クレーンは別な方向に向きを変えることができる。転向動作は 、クレーンの走行装置によって行なうことができ、これは、たとえば上述の電動 機28およびギアを備えたギアボックス16を有する。 第５図において、クレーンの各車輪は長手方向の走行方向（矢印３０で示す） に位置している。サブシャーシでは、２対の車輪が並んで位置し、上述の実施例 のように前後にはない。各走行電動機28は、この場合、サブシャーシ３の片側に あるが、上述の実施例ではこれらはサブシャーシの長手方向に位置していた。 第６図は円形（矢印３１）に操舵する場合を示し、これは本発明によって可能 になった。円形状の操舵を可能にするため、１つのサブシャーシの両車輪対とも 、クレーンの大きさに応じた角度で転向する。この角度は、２対の車輪について 若干、異なる。第６図は、一方の端部における相続く２つのサブシャーシ組立体 の各車輪対が異なる方向に転向することを示している。この図では、左側のサブ シャーシの各車輪対が反時計方向に転向し、右側のサブシャーシの各車輪対が時 計方向に転向している。下側の端部では、各車輪対の転向方向が反対である。斜 め走行の場合、全車輪は常に同じ方向に転向する。 クレーンの駆動および転向動作は、PLC制御によって行なわれる。２次シャフ ト19はパルス検出装置を有し、これは２次シャフトの指定された零点から始まる 転向角を算出する。パルス算出情報は制御回路に供給され、制御回路はこれを電 動機28に転送する。パルス検出装置によって行なわれる計算は車輪の転向角を示 し、各車輪を所望の角度にこの装置によって調整することもできる。第４図に示 す横方向、および第５図に示す長手方向の各位置において、パルス検出装置は、 ９０度隔てた過剰制御限界値を有している。これらの制御限界値では、パルス検 出器情報が０になり、システムは常に各車輪の位置を知ることになる。各車輪の 角度は、ゼロ検出器の位置を変えることによって調整する。ゼロ検出器は制御限 界として機能し、ゼロ点に配置されている。これは、従来技術システムで用いら れ直接位置の変更が困難であったホール／ピンの組合せ装置より、はるかに車輪 角度の調整が容易な方法である。 本発明の様々な実施例が上述の例に限定されず、添付の請求の範囲の記載内で 変更してもよいことは、当業者に明らかである。たとえば、走行装置を様々に変 更して上述の方法を実現することができる。さらに、転向動作に起因する力を、 上述のように端部のみならずサブシャーシにおいて、反対にすることもできる。 そうすれば、サブシャーシにおける２対の車輪は同時に別々な方向に転向し、こ れによって転向力がサブシャーシにおいて反転する。他の可能な適用例は、サブ シャーシ組立体を全く使用せず、サブシャーシに代ってクレーンの各隅にただ１ 対の車輪を設けたものである。

【手続補正書】 【提出日】１９９７年３月１９日 【補正内容】 請求の範囲 ２本の下部ビームを有するフレームと、 各下部ビームの両隅に配設されたサブシャーシ組立体と、 各サブシャーシ組立体に配設された車輪対とを含み、 該車輪対は、該車輪対の車輪の間に伸びる水平シャフトを有し、該水平シャフ トの中央部は、前記サブシャーシ組立体の端部に位置する垂直管に装着されて前 記車輪対が該垂直管を中心にピボット回転可能であり、該車輪対のそれぞれにお ける第１の車輪は駆動輪であり、第２の車輪は自由輪であり、さらに、 前記車輪対のそれぞれに接続され、電動機およびギア装置を含むクレーン走行 ・転向装置と、 前記車輪対のそれぞれに配設され、該車輪対が転向するのを防ぎ、該車輪対を ある位置にロックするロック装置とを含むクレーンにおいて、 前記垂直管の内部には、その軸を中心にピボットするキングピンがあり、該ピ ンの下端部は、前記車輪対の間に位置する前記ギア行装置のフレームに固定され 、前記ピンは前記ロック装置とロック可能であり、 前記ギア装置のフレームには、第２のシャフトが実質的に水平の位置に装着さ れて、該シャフトの一方の端部が駆動されて第１の車輪を回転させ、第２の車輪 は第２のシャフトの他方の端部に装着されて自由に回転し、これによって前記車 輪対およびギア装置ならびに電動機が固定的に一体の装置を形成していることを 特徴とするクレーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．クレーンの車輪が車輪対(4)として配置され、該クレーンはギア装置(16)を 有する電動機(28)を含み、該電動機は走行装置として機能し、該クレーンの車輪 は、前記走行装置でクレーンを動作させることによって、前記車輪対(4)のそれ ぞれが所望の角度になるまで転向され、ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーン(1 )の車輪転向方法において、該方法は、該クレーンの前記車輪を転向する際、車 輪対における車輪のうちの一方(4a)のみを前記走行装置によって作用させ、他方 (4b)を自由に回転可能にしておくことを特徴とするゴムタイヤ車輪等で走行する クレーンの車輪転向方法。 ２．請求の範囲第１項記載の方法において、該クレーンはPLC制御によって制御 され、制御システムには連続して前記車輪の転向角を通知することを特徴とする クレーンの車輪転向方法。 ３．ギア装置(16)を有する電動機(28)を含み、該電動機は走行装置として機能し 、クレーンの車輪が車輪対(4)として配置されたゴムタイヤ車輪等で走行するク レーン(l)の車輪転向装置において、該装置は、各車輪対(4)における第１の車輪 (4a)が駆動輪であり、第２の車輪(4b)が自由輪であることを特徴とするゴムタイ ヤ車輪等で走行するクレーンの車輪転向装置。 ４．各車輪対(4)が走行装置(16、28)に接続され、各車輪対にバンドブレーキ(15 )などのロック装置が設けられ、該ロック装置によって前記車輪対の転向を防ぐ 請求の範囲第３項記載の車輪転向装置において、該転向装置は、前記ロック装置 をロックすると、前記走行装置によって該クレーンが前記車輪の回転方向に走行 し、前記ロック装置を解除すると、前記走行装置によって前記車輪が所望の位置 に転向することを特徴とするクレーンの車輪転向装置。