JPH1031322A - 画像支持体 - Google Patents

画像支持体

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JPH1031322A
JPH1031322A JP8187214A JP18721496A JPH1031322A JP H1031322 A JPH1031322 A JP H1031322A JP 8187214 A JP8187214 A JP 8187214A JP 18721496 A JP18721496 A JP 18721496A JP H1031322 A JPH1031322 A JP H1031322A
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智雄 小林
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Hirakazu Ezure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の記録及び転写が容易であり、かつ、再
生可能なプラスチックフィルムからなる画像支持体を提
供する。 【解決手段】 プラスチックフィルムからなる基体上
に、その基体表面と化学的に結合した硬化性シリコン化
合物を有する記録層を設けた画像支持体である。その画
像支持体の記録層は、硬化性シリコン化合物と反応性の
プラスチックフィルムからなる基体表面に、硬化性シリ
コン化合物を含む液状組成物を施し、乾燥させることに
より、基体と硬化性シリコン化合物とは化学反応により
結合して形成されていることが好ましく、その記録層
は、熱により画像形成材料の保持面または転写面となる
ことが好ましい。また、プラスチックフィルム基体は、
透明なものを使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式また
は熱転写方式等により画像形成される画像支持体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題が表面化し、限りあ
る資源の有効利用が認識されつつあり、資源の利用削減
対策の一環として、一度使用されたプラスチック等は、
廃棄することなく、再加工して再利用することが社会的
要請になっている。しかし、その再生は、重要な資源の
回収方法になり得るが、再生過程に多くの課題を抱えて
いる。例えば、飲食用PETボトル等の容器は企業によ
る回収が義務づけられるようになってきているが、一度
使用された容器を再利用するには衛生上の問題等があ
り、繰り返し使用するには強度的な問題もある。また、
容器は溶解させて固形プラスチックに戻しても、その表
面の商品印刷物またはその蓋口等の異なる材料が不純物
として含まれることから、同じ品質を有する容器に再生
できるか否かは疑問である。そこで、これらの不純物を
取り除くことも検討されているが、多大の労力を要する
ためコスト高となり、結局のところ消費者にその負担が
求められることになる。
【0003】現在、画像記録支持体として用いられてい
るプラスチックフィルムからなるOHPフィルムも、上
記と同様の問題を有している。OHPフィルムは、特に
企業においては、機密文書等に利用されていることから
データの漏洩等の問題もあり、使い捨てとして焼却処理
されている。このフィルムには画像形成材料を強く定着
させたり発色性をよくするために、表面に受像層が設け
られている。そこで、単にフィルム上の画像を消去しよ
うとしても、その受像層に乱れが生じ、その乱れた部分
が光散乱を起して光の透過性を低下させてしまうことか
ら、OHPフィルムとしては再利用できない。また、画
像を簡単に除去するには、有機溶剤を用いて受像層を溶
解させて剥離すればよいが、受像層がないとOHPフィ
ルムとしては利用できない。仮に、未処理のフィルムを
用いて画像を定着させることができても、全画像を綺麗
に剥離するにはかなりの労力を要することになる。
【0004】一般に、プラスチックフィルムを画像記録
体として用いると、その記録体表面は、有機物で形成さ
れているために傷つき易いものであり、傷を持った画像
記録体に光を透過させると、その傷部分が画像として現
れることになる。特に、透明なPETフィルムやラミネ
ートフィルム等は、通常、ペックの平滑度計による測定
で300秒以上の平滑度を有するものであるため、僅か
なコスリ等によっても直ちに表面が損傷され、それが投
影画面上に汚点として現れてしまうことからその取扱上
の問題がある。また、OHPフィルムを有機溶剤で再生
する場合には、大量の有機溶剤を必要とすること及び再
生装置自体が大きくて複雑かつ高価になることから個人
等では到底対応することができず、ある程度以上の特定
企業に依頼せざるを得ないし、それと同時に、これらの
分別回収、運搬、集積及び装置の稼働等が効率的に行わ
れなければ、エネルギーを大量に消費するためにCO2
の排出量が多くなり、地球環境問題の一つであるCO2
量の増加に伴う地球温暖化現象をさらに助長させること
にもなりかねない。
【0005】一方、画像支持体に作製された画像を、そ
の場で容易に他の媒体に転写させたいという要望があ
り、このような場合、転写性を有する画像転写体が使用
されているが、最近のカラー複写機のように精巧なカラ
ーで複写できる図柄をそのまま紙やフィルム以外の媒
体、例えば、布製品等に複写しようとしても、現状では
複写機内を円滑に通過させることは困難である。
【0006】上記した画像支持体に関する問題点を解決
するものとして、一度使用した記録支持体上の画像を消
去して再生する方法が知られており、例えば、特開平2
−55195号公報には、プラスチック、金属、液透過
性のない紙またはセラミックを画像支持体とし、これら
の表面にシリコンシール剤というシリコーンゴムの離型
剤を塗布した消去可能な印刷体が開示されている。この
使用方法は、支持体上に熱溶融性インキで形成された画
像を熱溶融性剥離体を介在させて加熱・加圧し、冷却後
画像を支持体から剥ぎ取り消去するものであるが、シリ
コンシール剤は移行し易いものであるため、装置内の通
紙・搬送ローラー等の接触部分に付着し、紙づまり、ゴ
ミや装置内で浮遊するトナーの付着による紙の汚れ等の
原因となる。そこで、シリコンシール剤の移行を削減す
るために均一な薄層として設けても、凹凸やムラが発生
し、フィルム上に均一に安定して存在できなくなり、投
影画像に支障が発生することになる。また、その移行が
あると、繰り返し再生処理する際に離型剤としての利点
が低下することになり、画像支持体に離型剤が付着した
ような結び付きの弱いものでは記録保存性に欠けるとい
う問題がある。
【0007】画像支持体に離型性を付与させたものとし
ては、以下のものがある。先ず、特開平5−21637
6号公報には、画像消去時に記録面に離型剤を塗布した
記録紙を使用し、記録紙をオフセットし易い材料からな
る媒体に圧接して画像を形成するトナーを転移・除去す
る方法が提案されている。この離型剤としては、シリコ
ーンオイル、フッ化オイル、その他の脂肪族系オイルで
あり、これらのオイルを用いた場合には、十分なトナー
の離型効果を得るために記録紙が透明性を呈する程度に
高濃度に塗布しなければならず、普通紙のイメージを損
ねた低品質な記録紙となってしまうこと及び定着性に劣
るため手などで擦られるだけで容易に画像部分が剥がれ
てしまって記録保存性に欠けるという問題があり、さら
にまた、使用している離型剤が移行性のあるものである
から、上記した特開平2−55195号公報と同様の問
題も有している。
【0008】次に、特開平6−219068号公報に
は、加熱により画像形成材料との密着性を低下させる熱
変性材料、例えば、含フッ素アクリレート材料を熱転写
記録紙に塗布、または含浸させて得られる再生可能な記
録紙が開示されている。しかし、その使用されている記
録紙は、熱転写紙であって普通紙に比べて平滑度が高く
定着性に劣ること、及びそれらの材料は、熱転写記録紙
基材との密着性に劣っていて移行し易いものであるか
ら、複写機装置内においては紙送りローラーと記録紙が
滑りやすくなり、記録紙づまりや位置ずれによる印字不
良が生じることがある。この問題を解消するものとし
て、熱転写記録紙上の一部に熱変性材料を塗布または含
浸させない領域を設けることが提案されているが、この
方法は、製造工程が繁雑になって記録紙が容易に製造で
きず、労力も要するから製造コストが上昇するという問
題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点を解決することを目的とし
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、画
像の記録に使用されたプラスチックスフィルムを容易に
再生できる画像支持体を提供すること、さらに詳しく
は、資源の有効再利用を図り、容易に再生できる透明な
OHPフィルム等の画像支持体を提供することにある。
本発明の他の目的は、画像形成材料の画像支持体上から
他の媒体に容易に転写することができ、画像形成材料を
転写させながらも支持体面を損傷することなく再生でき
る画像支持体を提供することにある。さらに、本発明の
他の目的は、離型性を有する材料が移行することなく、
かつ、画像形成装置内を円滑に通過できる優れた画像支
持体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
画像支持体について鋭意研究を重ねた結果、画像支持体
表面に画像形成材料と離型性の良好な薄膜を直接反応さ
せて設けることにより、画像支持体面を損傷させること
なく画像形成材料が定着した画像を形成することと、そ
の画像を剥離させて転写することとが両立し、さらに単
色の画像のみならず、カラー画像が全面に印字されてい
ても容易に再生できる画像支持体が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の画像支持体は、プラス
チックフィルムからなる基体上に、その基体表面と化学
的に結合した硬化性シリコン化合物を有する記録層を設
けたことを特徴とする。その画像支持体の記録層は、硬
化性シリコン化合物と反応性のプラスチックフィルムか
らなる基体表面に、硬化性シリコン化合物を含む液状組
成物を施し、乾燥させることにより、基体と硬化性シリ
コン化合物とは化学反応により結合して形成されている
ことが好ましい。また、その液状組成物は、硬化性シリ
コーン化合物と分子中に反応性基を持つ変性シリコーン
オイルまたはメチルハイドロジェンシリコーンオイルと
を含有するものであることが好ましい。さらに、その記
録層は、熱により画像形成材料の保持面または転写面と
なることが好ましい。また、プラスチックフィルム基体
としては、透明なプラスチックフィルムを使用すること
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像支持体につい
て詳細に説明する。本発明において、画像支持体の基体
としては、従来より画像記録体として用いられている公
知のプラスチックフィルムはいずれも使用可能である
が、特に、OHPに使用できるような光透過性を有する
プラスチックフィルムを使用することが好ましい。光透
過性プラスチックフィルムを用いると、転写時における
画像の剥離状態を媒体の裏面から確認できるという利点
もある。このようなフィルムとしては、例えば、アセテ
ートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファ
イドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフ
ィルム、セロハン等が用いられるが、これらの機械的、
電気的、物理的並びに化学的特性及び加工性等を総合的
に考慮すると、ポリエステルフィルムを用いることが好
ましく、なかでも二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムが特に好ましい。
【0013】本発明の画像支持体における記録層には、
画像支持体の再生を容易にするために、上記プラスチッ
クフィルム基体と化学反応により結合する硬化性シリコ
ン化合物が用いられる。また、画像支持体上に形成され
た画像を容易に転写できるようにするために、記録層は
画像形成材料に対して離型性を有することが必要であ
る。これらのことから、本発明においては、記録層の硬
化性シリコン化合物は、画像形成材料に対して離型性を
有しながらも、基体から他に移行することがなく、した
がって、離脱することがないものであり、また、その記
録層は薄い皮膜であっても画像形成材料の十分な剥離を
容易にするだけでなく、半永久的にその有効性が損なわ
れることがなく再生可能であり、かつ、転写可能な画像
支持体である。さらに、本発明の画像支持体は、上記の
処理が行われているために、表面の耐傷性が向上してい
るものである。
【0014】本発明の記録層には、離型性及び耐傷性を
両立させることができる硬化性シリコン化合物が用いら
れ、具体的には、フッ素含有シリコン化合物、イソシア
ネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シラン
カップリング剤、SiH基を持つシラン化合物または分
子中に反応性基を有する変性シリコーンオイル等が使用
される。この記録層は、これらの硬化性シリコン化合物
からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む
液状組成物を用いて、プラスチックスフィルム基体の表
面を処理することによって形成されるが、さらに、その
液状組成物には、分子中に反応性基を有するシリコーン
オイルを添加することが好ましい。分子中に反応性基を
有するシリコーンオイルには、変性シリコーンオイル及
びメチルハイドロジェンシリコーンオイルがあり、その
変性シリコーンオイルとしては、シラノール変性、カル
ボキシル変性、アミノ変性からなる群から選ばれた少な
くとも1種のシリコーンオイルを含むことが望ましい
が、これらに限られるものではない。
【0015】本発明に用いられる上記の硬化性シリコン
化合物としては、フッ素含有シリコン化合物として、例
えば、CF3 (CH2 2 Si(OCH3 3 、C6
132 4 Si(OCH3 3 、C7 15CONH(C
2 3 Si(OC2 5 3 、C8 172 4 Si
(OCH3 3 、C8 172 4 SiCH3 (OCH
3 2 、C8 172 4 Si(ON=C(CH3
(C2 5 ))3 、C9192 4 Si(OCH3
3 、C9 192 4 Si(NCO)3 、(NCO)3
SiC2 4 6 122 4 Si(NCO)3 、C9
192 4 Si(C2 5 )(OCH3 2 、(CH
3 O)3 SiC2 4 8 162 4 Si(OC
3 3 、(CH3 O)2 (CH3 )SiC9 182
4 Si(CH3 )(CH3 O)2 等の化合物及びこれ
らの加水分解物またはその部分縮合物等が例示できる。
【0016】また、イソシアネートシラン化合物類とし
ては、(CH3 3 SiNCO、(CH3 2 Si(N
CO)2 、CH3 Si(NCO)3 、ビニルシリルトリ
イソシアネート、C6 5 Si(NCO)3 、Si(N
CO)4 、C2 5 OSi(NCO)3 、C8 17Si
(NCO)3 、C1837Si(NCO)3 、(NCO)
3 SiC2 4 (NCO)3 等の化合物及びこれらの加
水分解物または部分縮合物等が例示できる。アルコキシ
シラン化合物としては、一部にSiH基を持つシラン化
合物が含まれるが、Si(OCH3 4 、CH3 Si
(OCH3 3 、HSi(OCH3 3 、(CH3 2
Si(OCH3 2 、CH3 SiH(OCH3 2 、C
6 5Si(OCH3 3 、Si(OC2 5 4 、C
3 Si(OC2 5 3 、(CH3 2 Si(OC2
5 2 、H2 Si(OC2 5 2 、C6 5 Si
(OC2 5 3 、(CH3 2 CHCH2 Si(OC
3 3 、CH3 (CH25 Si(OCH3 3 、C
3 (CH2 7 Si(OC2 5 3 、CH3 (CH
2 11Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 15Si
(OC2 5 3 、CH3 (CH2 17Si(OC2
5 3 等の化合物及びこれらの加水分解物または部分縮
合物等が例示できる。
【0017】シランカップリング剤としては、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラ
ン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等のアクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン等のアミノシラン類等が挙げられ
る。
【0018】本発明において、記録層を形成する液状組
成物に添加される、分子中に反応性基を持つシリコーン
オイルとしては、シラノール変性、カルボキシル変性、
アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メタク
リル変性、メルカプト変性及びフェノール変性のシリコ
ーンオイル等が挙げられる。この中で、シラノール変性
オイル、カルボキシル変性オイル、メチルハイドロジェ
ンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルは、
多数のものが無色透明であるために好ましい。他の変性
シリコーンオイルも、着色や変色の問題がないものであ
れば、十分に利用することができる。これらのシリコー
ンオイルと硬化性シリコン化合物の添加比率は、目的に
応じて任意に変更することが可能である。しかし、その
添加比率は、硬化性シリコン化合物に対するシリコーン
オイルの配合量が0.5〜40重量%とすることが好ま
しい。シリコーンオイルの配合量が少なすぎると定着し
た画像形成材料の剥離が困難になり、また、過剰になる
と基体表面にベタ付き感が生じることになる。
【0019】記録層にシリコーンオイルが添加される
と、シリコーンオイルと硬化性シリコン化合物との相互
作用により皮膜の画像形成材料の剥離性向上及び膜の耐
久性向上に寄与する。この詳細な機構は不明であるが、
シリコーンオイル鎖が硬化性シリコン化合物と複雑に絡
み合い、表面に存在する各種有機基、特に、極性基及び
イオン結合性のミクロな分布を結果的に制御して、画像
形成材料の剥離に最適な表面構造が形成されることによ
るものと考えられる。また、これらの選ばれた各化合物
が、分子間で絡み合うことにより耐久性のより一層の向
上に寄与する。また、変性シリコーンオイルの粘度は、
硬化性シリコン化合物との組合せを考慮して決定される
が、5〜10000センチストークス(cSt)のもの
が好ましい。
【0020】基体表面に記録層を形成する液状組成物に
は、上記した化合物の他に、離型性及び耐傷性の有効性
を損なわない量のアルミニウム化合物、チタニウム化合
物、ジルコニウム化合物、フッ素化合物等が含まれてい
てもよい。例えば、アルミニウムイソプロピレート、ア
ルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムtert
−ブチレート、テトラiso−プロピルチタネート、テ
トラn−ブチルチタネート、テトラiso−ブチルチタ
ネート、テトラsec−ブチルチタネ−ト、テトラte
rt−ブチルチタネート、テトラn−ペンチルチタネー
ト、テトラiso−ペンチルチタネート、テトラn−ヘ
キシルチタネート、テトラn−ヘプチルチタネート、テ
トラn−オクチルチタネート、テトラiso−オクチル
チタネート、テトラn−ノニルチタネート、テトラメチ
ルジルコネート、テトラエチルジルコネート、テトラi
so−プロピルジルコネート、テトラn−プロピルジル
コネート、テトラn−ブチルジルコネート、テトラis
o−ブチルジルコネート、テトラtert−ブチルジル
コネート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプ
ロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジソ
プロピレート、ジn−ブトキシアルミニウムモノエチル
アセトアセテート、アルミニウムジn−ブトキサイドメ
チルアセトアセテート、アルミニウムジイソブトキサイ
ドモノメチルアセトアセテート、アルミニウムジsec
−ブトキサイドモノエチルアセトアセテート、アルミニ
ウムジiso−プロポキサイドモノエチルアセトアセテ
ート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アル
ミニウムiso−プロポキサイドモノアセチルアセトネ
ート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エ
チルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチル
アセトアセテート)、環状アルミニウムオキサイドアシ
レート化合物、ジ−iso−プロポキシチタン−ビス
(アセチルアセトネート)、ジn−ブトキシチタン−ビ
ス(アセチルアセトネート)、テトラオクチレングリコ
ールチタネート、テトラキスアセチルアセトンジルコネ
ート等が例示できる。
【0021】さらに、シリカ、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコ
ーン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリロニ
トリル系樹脂等の微粒子を混合してもよい。フッ素化合
物としては、例えば、フルオロオレフィン系樹脂、具体
的には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプ
ロピルビニルエーテル等が例示でき、これらは2種以上
混合して使用してもよく、さらに、ビニルエーテル類、
具体的には、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル等と硬化剤を導入した共重合体として用い
ることが望ましい。また、式X−CF2(OC2 4
p (OCH2 q OCF2 −Xで示されるパーフルオロ
ポリエーテル、具体的には、XがOCN−C3 6 (C
3 )NHCO−で表されるイソシアネート変性物、−
COOHで表されるカルボキシル基変性物、−CH2
H、−CF2 −CH2 ((OCH2 CH2 n )OH等
で表されるアルコール変性物、−COORで表されるエ
ステル変性物等が挙げられる。さらに、重なり合ったフ
ィルムを剥がす際に生じる静電気による帯電を制御する
ために、導電剤として、酸化第二錫やITO等の金属酸
化物や、界面活性剤として、アニオン系、カチオン系、
非イオン系界面活性剤等を混合してもよい。
【0022】以上の材料を少なくとも1種以上用いるこ
とにより、画像形成材料に対して離型剤を有し、また、
耐傷性の良好な基体表面を形成することができるが、こ
の機能を損なわない限り、その他の材料を混合して用い
てもよい。
【0023】本発明において、プラスチックスフィルム
基体表面に記録層を形成する際の塗布法あるいは含浸法
としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコー
ティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティン
グ法、ビードコーティング法、エアーコーティング法、
カーテンコーティング法、ロッドバーコーティング法、
ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用さ
れる。上記の塗布された基材表面を記録層に形成するに
は、風乾による乾燥でもよいが、加熱乾燥を行うと画像
形成材料との離型性が増大することになる。この理由と
しては、プラスチック表面と反応した成分が配列あるい
は配向するためであると推定されているが明確ではな
い。この加熱には、オーブンに入れるか、オーブンを通
すか、または、加熱ロールに接触させる等の通常使用さ
れる方法が採用される。
【0024】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例中の「部」は、「重量部」を意味
する。 実施例1 攪拌子をセットしたフラスコに、フッ素含有シリコン化
合物として下記式(I)の化合物16.4部、下記式
(II)の化合物5部及びテトラメトキシシラン5.6部
を入れ、溶剤としてイソプロピルアルコール1200部
及び2−メチル−2−プロパノール2000部を加え
た。
【化1】
【0025】次に、この溶液に有機アルミニウム化合物
としてアルミニウムトリスアセチルアセトネート2.2
部を添加してよく撹拌し、これに1%塩酸水溶液を6.
7部を徐々に滴下した。滴下終了後25℃に保温し7日
間放置して液状組成物を調整した。さらに、この液状組
成物に、変性シリコーンオイルとして分子片末端に水酸
基を有するシラノール変性ジメチルシロキサン(XF3
968:東芝シリコン社製)2部を混合することにより
塗布液を得た。得られた塗布液を、約50μmの二軸延
伸ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム(ト
レリナ:東レ社製)に浸漬塗布し、10分間風乾させた
後、115℃で60分間オーブン中で加熱乾燥すること
により、膜厚約0.1μmの記録層を形成したフィルム
からなる画像支持体を作製した。
【0026】得られたフィルムを複写機に100回通し
たところ、その表面には傷やフィルム詰まり(ジャム)
等は発生しなかった。次に、そのフィルムに電子写真装
置(Vivace500:富士ゼロックス社製)を用い
て、文字やベタ画像を含む画像を定着させたが、その画
像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等が認められず、OH
Pフィルムとして用いても画像は鮮明に投影された。次
に、フィルム上の画像面を綿100%のTシャツに合わ
せ、その裏面からアイロンで加熱すると、その画像は全
てTシャツに転写移行させることができた。その際、フ
ィルムには何らの傷も発生しないため、再使用すること
ができた。この画像定着及び転写作業を20回繰り返し
たが、フィルムは、その透明性及び画像の転写性が初期
と殆んど変わらず、また、傷も殆んど目に付かない状態
であり、十分に再生できる画像支持体であった。
【0027】比較例1 実施例1において、プラスチックフィルムとして、未処
理のPPSフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に
してフィルムからなる画像支持体を作製し、評価した。
得られたフィルムを複写機に100回通したところ、フ
ィルム表面には多数の傷が発生しており、このフィルム
は初期にはOHPフィルムとして使用できても、長期使
用には耐え難いものであった。また、そのフィルムに通
常の複写を行ったものは、その画像をTシャツに良好に
転写することができず、また、フィルム表面にはアイロ
ンの押し付けによる部分的な傷が生じて繰り返し使用す
ることができなかった。
【0028】実施例2 イソシアネートシラン化合物としてメチルシリルトリイ
ソシアネート60部及びフェニルシリルトリイソシアネ
ート20部を使用し、さらに、硬化反応調整剤としてモ
ノオクチルアシッドホスフェート8部、溶剤として酢酸
エチル2400部、ジグライム100部、シラノール変
性シリコーンオイルとしてα,ω−ジハイドロキシポリ
ジメチルシロキサンオイル(25℃における粘度;10
00cSt)2.0部を撹拌混合することにより塗布液
を得た。得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にし
てフィルムからなる画像支持体を作製し、評価した。そ
の結果、得られたフィルムは、ジャム等を引き起こさ
ず、また、画像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等がな
く、これをOHPフィルムとして用いても画像は鮮明に
投影された。また、この画像定着及び転写作業を同様に
20回繰り返し行ったが、フィルムは、その透明性及び
画像の転写性も殆ど変わることがなく、また傷も殆ど目
に付かない状態であり、十分に再生できる画像支持体で
あった。
【0029】実施例3 イソシアネートシラン化合物としてメチルシリルトリイ
ソシアネート80部、シラノール変性シリコーンオイル
としてα,ω−ジハイドロキシポリジメチルシロキサン
オイル(25℃における粘度;2000cSt)8部、
硬化反応調整剤としてジブチルアシッドホスフェート3
部、溶剤として酢酸エチル2000部を撹拌混合するこ
とにより塗布液を得た。得られた塗布液を用いて、実施
例1と同様にしてフィルムからなる画像支持体を作製
し、評価した。その結果、得られたフィルムは、ジャム
等を引き起こさず、また、画像には、ぼけ、滲み及び画
質欠陥等がなく、これをOHPフィルムとして用いても
画像は鮮明に投影された。また、この画像定着及び転写
作業を同様に20回繰り返し行ったが、フィルムは、そ
の透明性及び画像の転写性も殆ど変わることがなく、ま
た傷も殆ど目に付かない状態であり、十分に再生できる
画像支持体であった。
【0030】比較例2 実施例3において用いたシラノール変性シリコーンオイ
ルを、未変性のポリジメチルシロキサンオイル(KF9
6:信越シリコーン社製、25℃における粘度;200
0センチストーク)8部に代えた以外は、実施例3と同
様にしてフィルムからなる画像支持体を作製し、評価し
た。その結果、得られたフィルムは、層構成が劣悪なも
のであり、10枚目位からジャムが引き続き頻繁に起こ
ったので30枚の通過で取りやめた。定着性はOHPフ
ィルムとして使用できるものの、ベタ付き感があった。
転写性は初期には良好であったが、画像転写においては
徐々に悪くなり、10回繰り返したところで画像の剥離
がかなり発生したため終了した。いずれの現象も、オイ
ルがフィルムから他の接触物に移行したために引き起さ
れたものと思われる。
【0031】実施例4 アルコキシシラン化合物としてCH3 Si(OCH3
3 28.0部と溶剤として酢酸エチル1870部を撹拌
混合し、さらに、メチルハイドロジェンシリコーンオイ
ル(KF99:信越化学社製)2.0部を添加して撹拌
混合することにより塗布液を得た。得られた塗布液を、
約75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム(ルミラー:東レ社製)に浸漬塗布し、
10分間風乾した後、120℃で10分間オーブンで加
熱乾燥することによりフィルムからなる画像支持体を作
製した。このフィルムを評価するために、複写機に10
0回通したところ、表面のキズやフィルム詰まり(ジャ
ム)等は引き起こさなかった、このフィルム上に、カラ
ー電子写真装置(A color935:富士ゼロック
ス社製)を用いて文字やベタ画像を含む画像を定着させ
た。画像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認められな
かった。次に、この画像付きのフィルムを、綿100%
のハンカチに画像面を合わせ、裏面からアイロンで加熱
すると画像が全てハンカチに転写移行できた。その際、
フィルムには傷は発生することがなく再使用することが
できた。この画像定着及び転写作業を10回繰り返し行
ったが、フィルムの画像の転写性は殆ど変わらず、また
傷も殆ど目に付かない状態であり、十分に再生できる画
像支持体であった。
【0032】実施例5 シランカップリング剤としてトリメトキシビニルシラン
25.0部、イソシアネートシラン化合物としてテトラ
イソシアネートシラン15.0部及び溶剤として酢酸エ
チル1860部を撹拌混合し、さらに、アミノ変性シリ
コーンオイル(TSF4702:東芝シリコーン社製)
1.5部を添加して撹拌混合することにより塗布液を得
た。この塗布液を用いて、実施例4と同様にしてフィル
ムからなる画像支持体を作製し、評価した。このフィル
ムに定着した画像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認
められなかった。その画像の転写は良好であり、また、
フィルムにはキズが入ることなく再使用することがで
き、この画像定着及び転写作業を10回繰り返し行った
が、フィルムの画像の転写性は殆ど変わらず、傷も殆ど
目に付かない状態であり、十分に再生できる画像支持体
であった。
【0033】比較例3 実施例4において用いた硬化性シリコン化合物を、フッ
素樹脂(フロラードFC722:住友3M社製)に代え
た以外は、実施例4と同様にしてPETフィルムからな
る画像支持体を作製した。このフィルムを実施例4と同
様の評価を行った。その結果、連続して複写機に通した
ところ、15枚目位から頻繁にジャムを起こしたため、
30回で取りやめた。また画像の定着性が悪く、一部オ
フセットを起こし、画像が定着されない部分が生じてし
まったため、ハンカチへの転写を行うこともできなかっ
た。
【0034】実施例6 シランカップリング剤としてγ−(メタクリロキシプロ
ピル)トリメトキシシラン(KBM503:信越化学社
製)30.0部、シラノール変性シリコーンオイルとし
てα、ω−ジハイドロキシポリジメチルシロキサンオイ
ル(25℃における粘度;1000cSt)2.0部、
溶剤として酢酸エチル1860部を添加し、これを撹拌
混合することにより塗布液を得た。この塗布液を用い
て、実施例4と同様にしてフィルムからなる画像支持体
を作製し、評価した。このフィルムに定着した画像に
は、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認められなかった。そ
の画像の転写は良好であり、また、フィルムはキズが入
ることなく再使用することができ、この画像定着及び転
写作業を10回繰り返し行ったが、フィルムの画像の転
写性は殆ど変わらず、傷も殆ど目に付かない状態であ
り、十分に再生できる画像支持体であった。
【0035】実施例7 アルコキシシラン化合物としてCH3 Si(OCH3
3 28.0部と溶剤として酢酸エチル1870部とを撹
拌混合し、さらに、シラノール変性シリコーンオイルと
してジメチルシロキサンオイル(YF3800:東芝シ
リコーン社製)1.0部と、メチルハイドロジェンシリ
コーンオイル(KF99:信越化学社製)1.0部を添
加し、これを撹拌混合することにより塗布液を得た。こ
の塗布液を用いて、実施例4と同様にしてフィルムから
なる画像支持体を作製し、評価した。このフィルムに定
着した画像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認められ
なかった。その画像の転写は良好であり、また、フィル
ムはキズが入ることなく再使用することができ、この画
像定着及び転写作業を10回繰り返し行ったが、フィル
ムの画像の転写性は殆ど変わらず、傷も殆ど目に付かな
い状態であり、十分に再生できる画像支持体であった。
【0036】実施例8 アルコキシシラン化合物としてCH3 Si(OCH3
3 32.0部と溶剤として酢酸エチル1800部とを撹
拌混合し、さらに、シラノール変性シリコーンオイルと
してジメチルシロキサンオイル(YF3800:東芝シ
リコーン社製)1.0部と、アミノ変性シリコーンオイ
ル(TSF4702:東芝シリコーン社製)1.5部を
添加し、これを撹拌混合することにより塗布液を得た。
この塗布液を用いて、実施例4と同様にしてフィルムか
らなる画像支持体を作製し、評価した。このフィルムに
定着した画像には、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認めら
れなかった。その画像の転写は良好であり、また、フィ
ルムはキズが入ることなく再使用することができ、この
画像定着及び転写作業を10回繰り返し行ったが、フィ
ルムの画像の転写性は殆ど変わらず、傷も殆ど目に付か
ない状態であり、十分に再生できる画像支持体であっ
た。
【0037】実施例9 イソシアネートシラン化合物としてC1837Si(NC
O)3 26.0部と溶剤として酢酸エチル970部とを
撹拌混合し、さらに、イソシアネートシラン化合物とし
てC9 192 4 Si(NCO)3 2.6部及びカル
ボキシ変性シリコーンオイル(X−22−3710:信
越化学社製)1.6部を添加し、1昼夜25℃で撹拌混
合することにより塗布液を得た。この塗布液を用いて、
実施例4と同様にしてフィルムからなる画像支持体を作
製し、評価した。このフィルムに定着した画像には、ぼ
け、滲み及び画質欠陥等は認められなかった。その画像
の転写は良好であり、また、フィルムはキズが入ること
なく再使用することができ、この画像定着及び転写作業
を10回繰り返し行ったが、フィルムの画像の転写性は
殆ど変わらず、傷も殆ど目に付かない状態であり、十分
に再生できる画像支持体であった。
【0038】実施例10 イソシアネートシラン化合物としてC1837Si(NC
O)3 10.0部と溶剤として酢酸エチル970部とを
撹拌混合し、さらに、イソシアネートシラン化合物とし
てC9 192 4 Si(NCO)3 6.0部、C8
17Si(NCO)3 10.0部及びメチルシリルトリイ
ソシアネート2.6部と上記カルボキシ変性シリコーン
オイル1.6部とを添加し、これを撹拌混合することに
より塗布液を得た。この塗布液を用いて、実施例4と同
様にしてフィルムからなる画像支持体を作製し、評価し
た。このフィルムに定着した画像には、ぼけ、滲み及び
画質欠陥等は認められなかった。その画像の転写は良好
であり、また、フィルムはキズが入ることなく再使用す
ることができ、この画像定着及び転写作業を10回繰り
返し行ったが、フィルムの画像の転写性は殆ど変わら
ず、傷も殆ど目に付かない状態であり、十分に再生でき
る画像支持体であった。
【0039】実施例11 イソシアネートシラン化合物としてC9 192 4
i(NCO)3 20.0部と溶剤として酢酸エチル97
0部とを撹拌混合し、さらに、イソシアネートシラン化
合物として(NCO)3 SiC2 4 6 122 4
Si(NCO)3 4.6部、Si(NCO)4 4.0
部、シラノール変性シリコーンオイル(X−22−16
0AS:信越化学社製)1.6部、硬化反応調整剤とし
てモノオクチルアシッドホスフェート3.0部を添加
し、これを撹拌混合して塗布液を得た。この塗布液を用
いて、実施例4と同様にしてフィルムからなる画像支持
体を作製し、評価した。このフィルムに定着した画像に
は、ぼけ、滲み及び画質欠陥等は認められなかった。そ
の画像の転写は良好であり、また、フィルムはキズが入
ることなく再使用することができ、この画像定着及び転
写作業を10回繰り返し行ったが、フィルムの画像の転
写性は殆ど変わらず、傷も殆ど目に付かない状態であ
り、十分に再生できる画像支持体であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の画像支持体は、画像を容易に他
の媒体に転写でき、その再生を容易に何度も繰り返し行
うことができ、安定性の良好なものであり、また、白黒
画像のみならずカラー画像、特に全面ベタ画像でも、十
分に画像定着及び転写の再生が可能である。さらに、画
像支持体表面の硬化性シリコン化合物は、化学反応によ
り支持体と結合していることから移行することがなく、
したがって、この支持体と接触する部材等に悪影響を及
ぼさないという優れた利点を有する。また、本発明によ
れば、フィルムの高度な再利用を図ることができるか
ら、地球環境分野から見ても資源の利用削減及び大気中
へのCO2 の排出量削減(地球温暖化防止)に寄与する
ものである。さらに、本発明は、複写に要するフィルム
使用量が削減できるから、複写1枚当りの単価が低下
し、経済性にも優れているものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムからなる基体上
    に、該基体表面と化学的に結合した硬化性シリコン化合
    物を有する記録層を設けたことを特徴とする画像支持
    体。
  2. 【請求項2】 記録層が、硬化性シリコン化合物と反応
    性のプラスチックフィルムからなる基体表面に、硬化性
    シリコン化合物を含む液状組成物を施し、乾燥させるこ
    とにより、基体と硬化性シリコン化合物とが化学反応に
    より結合してなることを特徴とする請求項1に記載の画
    像支持体。
  3. 【請求項3】 液状組成物が、硬化性シリコン化合物と
    分子中に反応性基を持つ変性シリコーンオイルまたはメ
    チルハイドロジェンシリコーンオイルとを含有すること
    を特徴とする請求項2に記載の画像支持体。
  4. 【請求項4】 硬化性シリコン化合物が、フッ素含有シ
    リコン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコシ
    キシラン化合物、シランカップリング剤及びSiH基を
    持つシラン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1
    種の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の画
    像支持体。
  5. 【請求項5】 反応性基を持つ変性シリコーンオイル
    が、シラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性
    シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルから
    なる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴と
    する請求項3に記載の画像支持体。
  6. 【請求項6】 記録層が、熱により画像形成材料を保持
    する面または転写する面であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の画像支持体。
  7. 【請求項7】 基体が、透明なプラスチックフィルムで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の画像支
    持体。
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JP2001134004A (ja) * 1999-11-02 2001-05-18 Oike Ind Co Ltd 画像受像体

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