JPH10294529A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ及びその製造方法

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JPH10294529A
JPH10294529A JP20693797A JP20693797A JPH10294529A JP H10294529 A JPH10294529 A JP H10294529A JP 20693797 A JP20693797 A JP 20693797A JP 20693797 A JP20693797 A JP 20693797A JP H10294529 A JPH10294529 A JP H10294529A
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ジョン・レニー
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
Shinya Nunogami
真也 布上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、基本横モードで連続発振すること
ができ、光ディスクシステム等の光源に適した非点収差
のない良質の出射ビームの実現を図る。 【解決手段】 サファイア基板10上のn型GaNバッ
ファ層11上にn型GaAlNクラッド層13、MQW
の活性層16、及びp型GaAlNクラッド層19を形
成してなり、クラッド層19にストライプ状のリッジを
有するダブルヘテロ構造部と、このダブルヘテロ構造部
上のクラッド層19のリッジ部以外の領域に形成された
光閉込め層とを備え、光閉込め層の屈折率をp型GaA
lNクラッド層の屈折率よりも大きくすることにより、
屈折率分布による導波構造を形成して横モードを制御す
るので、しきい電流密度を低減でき、かつ基本横モード
で連続発振できるInGaAlBN系の半導体レーザ及
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体材料
を用いた半導体レーザ及びその製造方法に係わり、特に
InGaAlBN系材料を用いた半導体レーザ及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの高密度化等で必要と
される短波長光源として、InGaAlN系材料を用い
た半導体レーザの開発が進められている。この種の材料
による半導体レーザでは、短波長化により小さなビーム
に絞ることが可能となり、光ディスクなどの高密度情報
処理用の光源として期待されている。この材料系で電流
注入による発振を実現した構造として、多重量子井戸構
造を用いた半導体レーザが報告されている(例えば下記
文献)。
【0003】1)S.Nakamura, M.Senoh, S.Nagahama,
N.Iwasa, T.Yamada, T.Matsushita, H.Kiyoku and Y.Su
gimoto:"InGaN-based multi-quantum-well-structure l
aser diodes",Jpn.J.Appl.Phys.,35(1996)pp.L74-L76. 2)S.Nakamura, M.Senoh, S.Nagahama, N.Iwasa, T.Ya
mada, T.Matsushita, H.Kiyoku and Y.Sugimoto:"InGaN
multi-quantum-well-structure laser diodes with cl
eaved mirror facets",Jpn.J.Appl.Phys.,35(1996)pp.L
217-L220. バルク活性層に対して薄膜活性層を用いた多重量子井戸
構造は、しきい値を大幅に低減できることが知られてい
る。しかしながら、InGaAlN系材料では未だしき
い電流密度は高く、動作電圧も高いため、連続発振を実
現するためには多くの課題がある。
【0004】InGaAlN系材料で動作電圧が高い原
因の一つは、p型のコンタクト抵抗が極めて大きいこと
である。既に報告されている電極ストライプ構造では、
p型電極ストライプにおける電圧降下が大きく、動作電
圧が高くなると共に、この領域での熱の発生が無視でき
ない。コンタクト抵抗を低減するには電極面積を大きく
すれば良いが、上記電極ストライプ構造では、電極面積
を広げるとしきい電流値も大きくなってしまい、また電
流注入領域が大きいために基本横モード発振も不可能と
なる。
【0005】光ディスクシステム等への応用では、半導
体レーザの出射ビームを極小スポットに絞ることが必要
となるため、基本横モード発振は不可欠であるが、In
GaAlN系レーザでは横モード (transverse-mode)制
御構造が実現されていない。従来の材料系では、例えば
InGaAlP系でリッジストライプ型のSBRレーザ
が報告されているのみである(下記文献)。
【0006】3)M.Ishikawa et al.:Extended Abstrac
ts,19th Conf.Solid State Devises and Materials,Tok
yo(1987)pp.115-118. しかしながら、InGaAlN系レーザでは、上記SB
Rレーザとは材料系が異なるために、この構造をそのま
ま適用することはできない。InGaAlN系レーザに
おける電流狭窄構造としては、 4)特開平8−111558号公報(半導体レーザ素
子)に、GaNを電流狭窄層に用いた構造が開示されて
いる。この構造は、電流狭窄は可能であるが光閉込め作
用はないため、非点収差等のない良質の出射ビームを得
るのは困難である。
【0007】一般に、クラッド層中に設けた電流狭窄層
を光閉込め層としても作用させるためには、その組成や
厚さ、活性層からの距離等を所定の値に設定する必要が
ある。特にInGaAlN系レーザでは、発振波長が短
いために、たとえ組成が同じであっても、厚さや位置に
よって全く異なる導波機構となってしまう。このため、
単に電流狭窄層を設けただけでは安定な基本横モード発
振は得られない。
【0008】また、InGaAlN系の結晶成長では、
GaAlNのようなAlを含む層を厚く成長させると、
下地のGaNとの格子定数が異なるために、Alを含む
層にクラックが発生するという問題がある。このため層
方向(垂直方向)の横モード閉込めがうまく行なわれ
ず、しきい値が増大するか、場合によっては導波モード
自体が存在し得ない場合も起こる。
【0009】一方、光ディスクシステムに用いるための
半導体レーザには、様々な仕様が要求される。特に、追
記型や書替え型では、再生読出し用の低出力半導体レー
ザと消去・記録用の高出力半導体レーザが必要とされ、
それぞれの仕様が異なる。高出力半導体レーザには一般
に超薄膜活性層構造が用いられるが、この構造は必ずし
も読出し用レーザには適していない。読出し用レーザに
は低雑音特性が要求され、このために例えば自励発振型
構造が用いられるが、超薄膜活性層構造では自励発振を
得ることが難しいからである。
【0010】そのため、高周波重畳法やレーザ自体を2
種類用いる方法などが採用されているが、いずれもその
構成が複雑である。また、活性層の膜厚を場所により変
えて2種類のレーザを形成する方法も報告されている
が、この方法には活性層厚の制御が極めて難しいという
問題がある。
【0011】以上のように、この種の半導体レーザには
各種の構造及び製造方法が提案されているが、窒化ガリ
ウム系化合物半導体層の結晶成長が難しいことから、い
ずれにおいても満足できる特性は得られていない。即
ち、窒化ガリウム系化合物半導体層を結晶成長しても良
質の結晶を得ることができず、結晶品質が悪いため活性
層へのキャリア注入を効率的に行うことができない。ま
た、電流狭窄層にストライプ開口を有する構造では、ス
トライプ開口形成のエッチングを行った後の再成長層の
結晶品質が低下し、これが電極コンタクトなどでの電圧
低下を招く要因となっている。
【0012】まとめると、光ディスクなどへの実用に供
する低閾値、低電圧で動作し、高い信頼性を有する青色
半導体レーザを実現するためには、活性層へのキャリア
注入を効率的に行うとともに、電極コンタクトなどでの
電圧降下の抑制が重要である。しかし現状は、未だこれ
らを満足する構成が得られていない。
【0013】さらにまた、光ディスクの高密度化に伴
い、波長の異なる半導体レーザが使用されることにな
る。但し、従来の光ディスクシステムとの互換性が要求
されるため、両方の波長のレーザを必要とする場合があ
る。これは特に、赤色と青色というように波長差が大き
い場合に必要となる。これは、光ディスクのピット深さ
が使用波長で最適化されているためで、再生波長が大幅
に異なると、ピットからの反射による信号のSNが低下
してしまうからである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のIn
GaAlN系の半導体レーザにおいては、横モード制御
構造の作成が難しく、基本横モードで連続発振するレー
ザの実現が困難である。例えば、InGaAlN系の半
導体レーザにおいては、該材料の結晶成長が難しいこと
から良質の結晶層を得ることが難しい。また、ストライ
プ開口形成のエッチングを行った後の再成長層の結晶品
質はさらに低下する。このため、活性層へのキャリア注
入の効率が低下され、しかも電極コンタクトなどでの電
圧降下を生じる。よって、光ディスク等への実用に供す
る低閾値、低電圧で動作し、高い信頼性を有する素子を
実現することは困難である。
【0015】また、窒化ガリウム系化合物半導体層を一
旦エッチングした後の再成長層の品質低下は、半導体レ
ーザに限らず、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた各
種の半導体素子について同様に言えることである。
【0016】また、光ディスクシステムにおける再生読
出しと消去・記録の両方に要求されるレーザ性能は実現
が困難である。
【0017】さらにまた、使用波長が異なり記録密度の
異なる光ディスクシステムの互換性を確保するに必要
な、両者に使える半導体レーザは実現が困難である。
【0018】本発明の目的は、基本横モードで連続発振
することができ、光ディスクシステム等の光源に適した
非点収差のない良質の出射ビームを得ることのできるI
nGaAlBN系の半導体レーザ及びその製造方法を提
供することにある。
【0019】また、本発明の他の目的は、活性層厚制御
等の難しいプロセスを要することなく、光ディスクシス
テムにおける再生読出しと消去・記録の両方に要求され
るレーザ性能を実現することのできる半導体レーザを提
供することにある。
【0020】さらにまた、本発明の他の目的は、設計使
用波長が異なる光ディスクシステム間の互換性確保に必
要な、両者に使える半導体レーザを提供することにあ
る。
【0021】また、本発明の他の目的は、活性層へのキ
ャリア注入を効率的に行うとともに、電極コンタクトな
どでの電圧降下を抑制することができ、光ディスクなど
への実用に供する低閾値、低電圧で動作し、高い信頼性
を有する半導体レーザの製造方法を提供することにあ
る。
【0022】また、本発明の他の目的は、窒化ガリウム
系化合物半導体層を一旦エッチングした後の再成長を良
好に行うことができ、各種半導体素子の特性向上等に寄
与し得る半導体レーザの製造方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る半導体レーザでは、クラッド層より屈折
率の大きい光閉込め層を設け、その損失導波効果又は反
導波効果によって横モードを制御することにより、動作
電圧が低くかつ安定な基本横モードでの連続発振を可能
としている。
【0024】即ち本発明は、窒素を含むIII-V族化合物
半導体からなり、第1導電型のクラッド層とストライプ
状のリッジを有する第2導電型のクラッド層で活性層部
を挟んだダブルへテロ構造部と、このダブルへテロ構造
部の第2導電型クラッド層側に接して少なくともリッジ
部以外の領域に形成された光閉込め層とを備えた半導体
レーザであって、光閉込め層が窒素を含むIII-V族化合
物半導体からなり、該光閉込め層の屈折率が第2導電型
のクラッド層の屈折率より大きいことを特徴とする。
【0025】また本発明は、第1導電型のInx Gay
Alz 1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦
1)からなるクラッド層とストライプ状のリッジを有す
る第2導電型のInu Gav Alw 1-u-v-w N(0≦
u,v,w,u+v+w≦1)からなるクラッド層で活
性層部を挟んだダブルへテロ構造部と、このダブルへテ
ロ構造部の第2導電型クラッド層側に接して少なくとも
リッジ部以外の領域に形成された光閉込め層とを備えた
半導体レーザであって、光閉込め層がInp Gaq Al
r 1-p-q-r N(0≦p≦1,0≦q<1,0≦r≦
1,0<p+r≦1,0<p+q+r≦1)からなり、
該光閉込め層の屈折率が第2導電型のクラッド層の屈折
率より大きいことを特徴とする。
【0026】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。
【0027】(1) 活性層部が、少なくともIna Gab
Alc 1-a-b-c N(0≦a,b,c,a+b+c≦
1)からなる井戸層とIne Gaf Alg 1-e-f-g
(0≦e,f,g,e+f+g≦1)からなる障壁層と
で構成される単一量子井戸又は多重量子井戸を備えてい
ること。
【0028】(2) 障壁層の厚さが井戸層の厚さを越えな
いこと。
【0029】(3) コア領域の総厚dとレーザ発振波長λ
に対し、第1導電型クラッド層の厚さH1及び第2導電
型クラッド層の厚さH2が、 0.18(zd/λ)-1/2≦H1/λ≦0.27(zd
/λ)-1/2 0.18(wd/λ)-1/2≦H2/λ≦0.27(wd
/λ)-1/2 を満たす範囲にあること。
【0030】(4) 井戸層の総厚dact は、0.5μm未
満であること。
【0031】(5) 井戸層の総厚dact は、0.045μ
m以下であること。
【0032】(6) 各クラッド層のAl組成xAl、コア領
域の平均In組成yIn、両組成の和Δx(=xAl
In)、コア領域の総厚Hcoreおよび各クラッド層の厚
さHcladは、発振波長λに対し、Δx・(Hcore/λ)
・(Hclad/λ)≧0.08を満たしていること。
【0033】(7) 上記パラメータが、さらに、Δx・
(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≧0.1を満たしてい
ること。
【0034】(8) 上記パラメータが、Δx・(Hcore
λ)・(Hclad/λ)≦0.2を満たしていること。
【0035】(9) 上記パラメータが、Δx・(Hcore
λ)・(Hclad/λ)≦0.15を満たしていること。
【0036】(10)各クラッド層のAl組成xAlと厚さH
cladとは、xAl・Hclad≦0.1μmを満たしているこ
と。
【0037】(11)各クラッド層のAl組成xAlと厚さH
cladとは、xAl・Hclad≦0.06μmを満たしている
こと。
【0038】(12)コア領域は、活性層を挟むように形成
されたInu Gav Alw 1-u-v-wN(0<u≦1,
0≦v<1,0≦w<1)からなる複数の導波層を含ん
でいる。このとき、コア領域の総厚Hcoreおよびコア領
域の平均In組成yInは、発振波長λに対し、(yIn
1/2 ・(Hcore/λ)≧0.15を満たしていること。 (13)上記パラメータが、さらに、(yIn1/2 ・(H
core/λ)≧0.2を満たしていること。
【0039】(14)光閉込め層が第2導電型クラッド層と
同じ導電型であること。
【0040】(15)光閉込め層のバンドギャップエネルギ
ーが活性層部のバンドギャップエネルギーより小さいこ
と。
【0041】(16)第2導電型クラッド層上のコンタクト
層と光閉込め層とが同一材料であり、ストライプ領域の
第2導電型クラッド層とコンタクト層との間に、両者の
中間のバンドギャップを有するキャップ層が設けられて
いること。
【0042】(17)量子井戸と各クラッド層との間に、屈
折率が量子井戸の平均屈折率より小さくクラッド層の屈
折率より大きい導波層をそれぞれ備え、少なくとも一方
の導波層中又は導波層と量子井戸との間に、バンドギャ
ップエネルギーが導波層のバンドギャップエネルギーよ
り大きいIns Gat Alh 1-s-t-h N(0≦s,
t,h,s+t+h≦1)からなるキャリアオーバーフ
ロー防止層が少なくとも1層設けられていること。
【0043】(18)キャリアオーバーフロー防止層のAl
組成hが、 0<h<0.2 を満たす範囲にあること。
【0044】(19)第1導電型及び第2導電型の各クラッ
ド層はGaAlNからなり、光閉込め層はInGaNま
たはクラッド層よりAl組成の小さいGaAlNからな
ること。
【0045】ここで、光閉込め層は、次の(i) 〜(iii)
のいずれかに示すように形成可能である。(i) 光閉込め
層は、Inp Gaq Alr 1-p-q-r N(0.2≦p≦
0.3,0≦q≦0.8,0≦r≦0.8,0.2≦p
+q+r≦1)からなり、該光閉込め層の屈折率が第2
導電型クラッド層の屈折率より大きい。
【0046】(ii)光閉込め層は、Inp Gaq Alr
1-p-q-r N(0≦p≦0.95,0≦q≦0.95,
0.05≦r≦0.3,0.05≦p+q+r≦1)で
ある。
【0047】(iii) 光閉込め層は、Inp Gaq Alr
1-p-q-r N(0≦p,q,0.05≦r≦0.1,
0.05≦p+q+r≦1)からなり、該光閉込め層の
屈折率が第2導電型クラッド層の屈折率より大きい。
【0048】(20)下地基板として、サファイア又はSi
C基板を用いること。
【0049】(21)第2導電型クラッド層のリッジ部は、
基板側に下に凸、又は基板と反対側に上に凸に形成され
ていること。
【0050】(22)コンタクト層吸収損失αが、α≧10
0cm-1を満たしていること。
【0051】(23)コンタクト層吸収損失αが、α≧50
0cm-1を満たしていること。
【0052】また本発明は、2種のレーザ光を発生する
半導体レーザにおいて、基板上に異なる2種類の活性層
部を設けたダブルヘテロ構造部を積層形成した領域と、
2種類の活性層部のうちの基板側の1種類のみを設けた
ダブルヘテロ構造部を積層形成した領域とを備え、2種
類の活性層部は基板に近い方が遠い方よりもバンドギャ
ップエネルギーが大きいことを特徴とする。
【0053】ここで、各ダブルへテロ構造部は、第1導
電型のInx Gay Alz 1-x-y- z N(0≦x,y,
z,x+y+z≦1)からなるクラッド層とストライプ
状のリッジを有する第2導電型のInu Gav Alw
1-u-v-w N(0≦u,v,w,u+v+w≦1)からな
るクラッド層で活性層部を挟んでなり、第2導電型クラ
ッド層のリッジ部以外の領域に、Inp Gaq Alr
1-p-q-r N(0<p≦1,0≦q<1,0≦r<1,0
<p+r≦1,0<p+q+r≦1)からなり、第2導
電型クラッド層の屈折率よりも大きい屈折率をもつ光閉
込め層が形成されているのが望ましい。
【0054】また、本発明は、活性層がクラッド層で挟
まれたダブルヘテロ接合構造を備えた窒化ガリウム系化
合物半導体(Inx Gay Alz N:x+y+z=1,
0≦x,y,z≦1)からなる半導体レーザで、クラッ
ド層の少な<とも一方の側に、第1導電型のクラッド層
と第1導電型の第1のコンタクト層よりなるストライプ
状のリッジが形成されており、当該リッジ以外の部分に
は当該リッジに接して第2導電型の窒化ガリウム系化合
物半導体層よりなる電流阻止層が形成されており、さら
に当該電流阻止層およびリッジは第1導電型の第2のコ
ンタクト層により埋め込まれており、リッジ幅よりも面
積の広い電極コンタクト部とが形成されていることを特
徴とする。
【0055】また、本発明に係る半導体レーザの製造方
法は、前述した第1のコンタクト層までを結晶成長する
工程と、SiO2 およびレジストを塗布し、ストライプ
状のパターンを形成する工程と、ドライエッチングによ
る選択エッチングによりリッジを形成する工程と、Si
2 をマスクとする選択成長により光閉込め層(電流阻
止層)を形成する工程と、リッジ上のSiO2 マスクを
除去する工程と、光閉込め層(電流阻止層)およびリッ
ジ上部に第2のコンタクト層を成長する工程とを少なく
とも含むことを特徴とする。
【0056】また、本発明に係る製造方法は、窒化ガリ
ウム系化合物半導体(Inx GayAlz N:x+y+
z=1,0≦x,y,z≦1)のドライエッチング工程
において、少なくとも塩素を成分として含む第1のガス
と、少なくともフッ素あるいは酸素を成分として含む第
2のガスとの混合ガスを用いることを特徴とする。
【0057】ここで、第1のガスとしては、Cl2 、B
Cl3 又はSiCl4 が使用可能である。第2のガスと
しては、CF4 ,C2 4 、SF6 、O2 、CO又はC
2が使用可能である。なお、これらの混合ガスを用い
たドライエッチングは、レーザ以外の半導体デバイスの
製造に使用してもよい。
【0058】(作用)本発明によれば、InGaAlB
N系半導体レーザで、ダブルへテロ構造部の一方のクラ
ッド層にリッジ部を設け、このリッジ部以外の領域に、
Inp GaqAlr 1-p-q-r N(0≦p≦1,0≦q
<1,0≦r≦1,0<p+r≦1,0<p+q+r≦
1)からなり、クラッド層より屈折率の大きい光閉込め
層を設けている。この光閉込め層により、電流狭窄を行
なうと共に、屈折率分布による導波構造を形成して横モ
ードを制御するので、しきい電流密度が低減され、かつ
基本横モードでの連続発振が可能となる。
【0059】ここで、上記のような光閉込め層は、ダブ
ルへテロ構造部とは格子定数が大きく異なるためこれを
選択成長するのは不可能と考えられている。このため、
従来のInGaAlN系半導体レーザにおいてクラッド
層のリッジ部以外に光閉込め層を形成するという技術思
想は全く存在しない。しかし、本発明者らの鋭意研究及
び実験により、有機金属化学気相成長(MOCVD)法
や分子線エピタキシー(MBE)法等で各種条件を最適
化することにより、上記のような材料の光閉込め層の選
択成長が可能であることが判明した。
【0060】しかも、In組成が0より大きいInGa
AlBN系光閉込め層を設けた構造では、その下のクラ
ッド層のキャリア密度が高くなることが明らかになっ
た。これは、H等によるMgアクセプタの不活性化が抑
制されることに起因するもので、光閉込め層を設けない
構造に比べてキャリアオーバーフローが大幅に低減され
ることが分った。そして、本発明のような光閉込め層を
設けることによって、従来にないしきい電流密度の低
減、基本横モードでの連続発振が可能となった。
【0061】また本発明によれば、厚膜活性層の低出力
レーザと薄膜活性層の高出力レーザとを同一基板上に形
成できるため、活性層厚制御等の複雑なプロセスを要す
ることなく、光ディスクシステムにおける再生読出しと
消去・記録の両方に要求されるレーザ性能を実現でき
る。
【0062】さらにまた本発明によれば、異なる波長の
レーザを同一基板上に形成できるため、波長の違いによ
る非互換性の問題を解決できる。
【0063】また、本発明に係る製造方法によれば、薄
いコンタクト層でも、電流狭窄層の開口部を平坦に埋込
むことができる。即ち、コンタクト層を薄くできるた
め、コンタクト層での素子抵抗の上昇を招くことなく、
かつ電極コンタクト部が平坦であるために、結晶性も良
好であり、電極コンタクト部での電圧降下を抑制する事
ができるとともに、電流注入を均一に行うことができ
る。このため、低閾値化および信頼性の向上をはかるこ
とができる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。
【0065】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図で
ある。
【0066】図中10はサファイア基板であり、この基
板10の上にGaNバッファ層11,n型GaNコンタ
クト層12,n型GaAlNクラッド層13,n型Ga
N導波層14,n型GaAlNオーバーフロー防止層1
5,InGaN多重量子井戸(MQW)活性層16,p
型GaAlNオーバーフロー防止層17,p型GaN導
波層18,p型GaAlNクラッド層19が成長形成さ
れている。なお、これらの結晶成長はMOCVD法或い
はMBE法によって行われる。
【0067】p型GaAlNクラッド層19はストライ
プ部分を除いてその途中までエッチング除去され、これ
によりクラッド層19にストライプ状のリッジ部が形成
されている。p型GaAlNクラッド層19のリッジ部
以外にn型InGaN光閉込め層20が選択的に埋込み
形成され、さらにクラッド層19及び光閉込め層20上
にはp型GaNコンタクト層21が形成されている。こ
れらの結晶成長も、MOCVD法或いはMBE法によっ
て行われる。
【0068】p型GaNコンタクト層21からn型Ga
AlNクラッド層13までが部分的に除去され、n型G
aNコンタクト層12の一部が露出している。そして、
p型GaNコンタクト層21上にはp側電極22が形成
され、n型GaNコンタクト層12の露出部上にはn側
電極23が形成されている。
【0069】本実施形態におけるレーザの活性層部(以
下、コア領域ともいう)は、InaGa1-a N井戸層/
Ine Ga1-e N障壁層(a≧e)からなる多重量子井
戸(MQW)の活性層16の両側に、GaAlNオーバ
ーフロー防止層15,17及びGaN導波層14,18
を設けたSCH構造となっている。なお本明細書中、コ
ア領域は、両クラッド層間に位置した多層構造部であ
り、具体的には、少なくとも活性層を含んでおり、所望
により、導波層、キャリアオーバーフロー防止層又はそ
の両方を備えている。
【0070】また、本実施形態では、Inx Gay Al
z 1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦1)系
材料からなるn型クラッド層13はIn及びBを含まな
いためGa1-z Alz Nと表記され、さらに活性層16
はAlを含まないため、MQWを構成する井戸層及び障
壁層はそれぞれIna Ga1-a N及びIne Ga1-e
と表記される。同様に、Inu Gav Alw 1-u-v-w
N(0≦u,v,w,u+v+w≦1)系材料からなる
p型クラッド層19はIn及びBを含まないためGa
1-w Alw Nと表記される。
【0071】次に、以上のように構成された半導体レー
ザの作用について説明する。なお、横モード制御、しき
い値低減、キャリアオーバーフロー防止の順に述べる。
【0072】(水平方向横モード制御)本実施形態の半
導体レーザでは、ストライプ外でn型InGaN光閉込
め層20がコア領域に近接しているため、ストライプ外
領域にて等価屈折率が小さくなり、水平方向に屈折率分
布が形成されてモードの閉込めが行われる。
【0073】ここで、n型InGaN光閉込め層20の
In組成は、活性層16におけるIna Ga1-a N井戸
層のIn組成よりも高く設定されている。従って、光閉
込め層20の屈折率は、井戸層の屈折率よりも大きい。
また、光閉込め層20のバンドギャップエネルギーは、
井戸層のバンドギャップエネルギーよりも小さい。
【0074】さらに、光閉込め層20の屈折率はストラ
イプ部のp型GaAlNクラッド層19の屈折率よりも
大きく、光閉込め層20のバンドギャップエネルギーは
ストライプ部のp型GaAlNクラッド層19のバンド
ギャップエネルギーよりも小さい。
【0075】このようにストライプ部より屈折率の大き
い光閉込め層20があるにも拘らず等価屈折率は小さく
なる。この理由は次の通りである。すなわち、光閉込め
層20は発振波長に対して吸収損失が大であるために導
波モードの減衰が大きい。このため、導波モード分布は
光閉込め層20に占める割合が極めて小さい。すなわ
ち、光閉込め層20の等価屈折率への寄与が小さいた
め、結果的にストライプ部より等価屈折率が小さくな
る。
【0076】まとめると、図1に示す構造の半導体レー
ザは、ストライプ外の等価屈折率が小さく、損失が大き
い損失導波構造を有する。この損失導波構造は基本横モ
ードの安定化に極めて有効である。すなわち、ストライ
プ外に損失領域があるため、しみだしの大きい高次モー
ドが基本モードに比べて損失大またはカットオフとなる
ので、基本モードのみが安定に発振できる。
【0077】このような損失導波構造は、光閉込め層2
0としてコア領域よりバンドギャップエネルギーの小さ
い材料を使用することにより、初めて実現できる。光閉
込め層としては、例えばInGaNが大きな吸収損失を
もつので適している。
【0078】続いて、このような横モード制御のための
条件について述べる。
【0079】図2(a)は、ストライプ部とストライプ
外との等価屈折率差Δneqに関し、ストライプ外での光
閉込め層20とコア領域との距離(p型GaN導波層1
7までの距離)hout に対する依存性を示している。図
2(b)は、基本モードに対する損失α0 及び1次モー
ドと基本モードとの損失差Δαに関し、同hout に対す
る依存性を示している。
【0080】これらの図では、ストライプ部の層構造を
n型Ga0.85Al0.15N/n−GaN(0.1μm)/
MQW/p型GaN(0.1μm)/p型Ga0.85Al
0.15Nとし、ストライプ外の層構造をn型Ga0.85Al
0.15N/n型GaN(0.1μm)/MQW/p型Ga
N(0.1μm)/p型Ga0.85Al0.15N(houtμ
m)/n型InGaNとした場合の導波機構が解析され
る。
【0081】同図においてMQWは、In0.18Ga0.82
N井戸層(2nm)/In0.04Ga0.96N障壁層(4n
m)が、5対ある構成と、10対ある構成との2通りが
使用された。
【0082】基本横モードの安定化には、高次モードと
基本モードとの損失差が大きい方が望ましい。図からわ
かるように、この観点からはhout を大きくした方が良
い。しかしhout が大きすぎるとΔneqが小さくなる。
10-4程度の屈折率変化はキャリア注入によるプラズマ
効果によっても生じ得るため、この領域では屈折率分布
による導波構造が不安定となる。従って、hout の値は
0.3μm以下、さらに望ましくは0.2μm以下に設
定するのが良い。
【0083】図3(a)は、hout =0.2μmの場合
のしきい電流密度Jthに関し、ストライプ幅に対する依
存性を示している。図3(b)は、同hout の場合のα
0 、Δαに関し、ストライプ幅に対する依存性を示して
いる。
【0084】ストライプ幅が大きいとΔαが小さくなる
ため高次モードが発生し易くなる。一方ストライプ幅が
小さいと基本モードの損失α0 が大きくなってしきい電
流密度Jthが上昇する。したがって、この場合ストライ
プ幅Wは3μm以上に設定することが望ましい。
【0085】また図4(a)及び図4(b)に示すよう
に、光閉込め層は、その組成も導波機構に大きく影響す
る。これらの図は、ストライプ部の層構造をn型Ga
0.85Al0.15N/n型GaN(0.1μm)/MQW/
p型GaN(0.1μm)/p型Ga0.85Al0.15Nと
し、ストライプ外の層構造をn型Ga0.85Al0.15N/
n型GaN(0.1μm)/MQW/p型GaN(0.
1μm)/p型Ga0.85Al0.15N(0.05μm)/
n型InGaAlNとした場合の導波機構を解析したも
のである。ストライプ外におけるn型InGaAlN層
が光閉込め層に相当する。
【0086】ここで、MQWは、In0.2 Ga0.8 N井
戸層(2nm)/In0.05Ga0.95N障壁層(4nm)
を5対とした構成である。
【0087】ここで、図4(a)は、光閉込め層がIn
x Ga1-x NまたはGa1-x AlxNの場合のストライ
プ内外の等価屈折率差Δneqと組成との関係を示してい
る。xIn≧0.2の領域は、本実施形態の損失導波型に
相当する。この損失導波領域は、図4(b)に示すよう
に、非点隔差(ストライプ幅が5μmの場合)が小さい
ので、光ディスク応用に適したビーム特性を得ることが
できる。
【0088】また、0≦xIn≦0.2の領域は、ストラ
イプ外で垂直方向の導波モードが形成されない領域であ
り、発振モードが不安定となる。
【0089】一方、光閉込め層は、導波層の屈折率より
も小さい屈折率のGa1-x Alx Nを用いた場合、図4
(b)に示すように、導波機構が3つの領域に分類でき
る。第1の領域は、光閉込め層のAl組成がストライプ
部のクラッド層のAl組成より大きく、すなわち光閉込
め層の屈折率がクラッド層の屈折率よりも小さい範囲で
あり、いわゆる実屈折率導波構造となる。
【0090】第2の領域は、光閉込め層のAl組成がク
ラッド層のAl組成に近い範囲であり、小さいΔneq
ために利得導波構造となり、図示するように、極めて大
きい非点隔差をもつ。この種の大きい非点隔差のビーム
は光ディスク応用には適さない。
【0091】第3の領域は、図4(b)中で注目すべき
内容であり、光閉込め層のAl組成がクラッド層のAl
組成より小さく、且つ導波層のAl組成より大きく、す
なわち屈折率がクラッド層より大きく導波層より小さい
範囲であり、非点隔差が小さくなる“反導波領域”を有
している。この反導波領域は、図4(a)に示すよう
に、Δneqが負であり、ストライプ外の等価屈折率がス
トライプ内の等価屈折率より大きくなる。なお、この反
導波領域を利用した実施形態については後述する。
【0092】また、図4(b)では、光閉込め層のAl
組成がクラッド層のAl組成より大きい実屈折率導波領
域でも小さい非点隔差を得られることが示される。
【0093】次に、本発明による損失導波構造あるいは
反導波構造が基本横モードの安定化の点で優れているこ
とについて説明する。
【0094】図5(a)は、利得導波型、実屈折率導波
型、損失導波型および反導波型の非点隔差について、ス
トライプ幅の依存性を示している。図5(b)は、同様
に夫々の導波型について1次モードと基本モードとの導
波損失差Δαについて、ストライプ幅の依存性を示して
いる。ビーム特性は小さい非点隔差が望ましい。基本横
モードの安定化の観点からは、大きいモード損失差が望
ましい。
【0095】図示されるように、利得導波型は、大きい
モード損失差をもつが、極めて大きい非点隔差のため、
光ディスク応用等では使用が困難である。また、実屈折
率導波型は、小さい非点隔差をもつが、モード損失差も
小さいため、ストライプ幅が大きくなると高次モードを
発生させ易い。
【0096】これに対し、損失導波型および反導波型は
小さい非点隔差を有し、かつ大きいストライプ幅でも大
きいモード損失差を確保できる。大きいストライプ幅の
方が作製プロセスが容易であり、設計の自由度も大きく
なることから、本発明による半導体レーザが特性及び作
製の容易さの両方で優れていることがわかる。
【0097】(垂直方向横モード制御)ところで、In
GaAlN系の結晶成長で問題となるのは、例えばGa
AlN層の如き、Alを含む層を厚く成長させると、下
地のGaNとの格子定数が異なるために、Alを含む層
(GaAlN)にクラックが発生することである。この
種のクラックを防ぐには、Al組成を低減するか或いは
GaAlN層の厚さを低減する必要がある。一方、Al
を含む層をレーザのクラッド層に用いるとき、光閉込め
のためにある程度以上の屈折率差(即ち活性層とのAl
組成差)、及びクラッド層厚Hcladが必要である。活性
層総厚d、クラッド層厚Hclad、クラッド層−活性層の
Al組成差ΔXA1と導波モード損失αとの関係を図6
(a)及び図6(b)に示す。
【0098】図から分かるように、ΔXA1が大きく、H
cladが大きい程、αは小さくできるが、実用的にはαは
20cm-1程度まで小さくできれば十分である。そこ
で、αが100cm-1より小さく20cm-1より大きい
範囲を求めると、次の(1)式のようになる。
【0099】 0.18(ΔXA1d/λ)-1/2≦Hclad/λ≦0.27(ΔXA1d/λ)-1/2 …(1) 従って、クラッド層厚Hcladをこの範囲に設定すること
により、結晶成長時にクラックが発生しない程度の厚さ
でかつ損失の少ないレーザ構造が得られる。
【0100】ここで、上記(1)式のInGaAlN系
レーザでもうーつ考慮すべき点は、クラッド層の外側の
層であるコンタクト層等がクラッド層の屈折率よりも大
きい屈折率を有し、かつ発振波長に対して透明である点
である。このため、クラッド層厚Hcladが十分大きくな
いとき、層方向(垂直方向)の導波構造が反導波とな
り、場合によってはしきい値が著しく大きくなってしま
うか、あるいは導波モードが存在しない場合があり得
る。
【0101】図7はSCH−MQW構造におけるクラッ
ド層厚Hclad並びにガイド層厚Hgu ide と、導波モード
の境界線との関係の一例を示している。ここでは層構造
として、n型GaN/n型Ga0.85Al0.15N(Hclad
μm)/n型In0.06Ga0. 94N(Hguide μm)/M
QW/p型In0.06Ga0.94N(Hguide μm)/p型
Ga0.85Al0.15N(Hcladμm)/n型GaNの場合
の計算例を示した。MQWはIn0.2 Ga0.8 N井戸層
(2nm)/In0.05Ga0.95N障壁層(4nm)が1
0対の構成とした。また最外層のGaNの吸収係数は5
00cm-1とした。
【0102】図7の斜線部領域は導波モードが存在しな
い領域である。導波モードが存在する領域では、右下り
の曲線より上が反導波領域であり、右上りの曲線より下
が通常の屈折率導波領域である。境界の曲線上では光閉
込め係数Γが0となり、しきい電流密度Jthが無限大と
なる。この様子を図8(a)及び図8(b)に示した。
【0103】また、図9(a)及び図9(b)に遠視野
像強度分布のクラッド層厚依存性を示した。図9(a)
はHguide =0.1μmの場合であり、図9(b)はH
guid e =0.2μmの場合である。反導波領域のパラメ
ータでは、遠視野像が双峰となっていることがわかる。
図10には井戸層のIn組成が他の値の場合について、
導波モードが存在する領域の境界を示した。
【0104】図8(a)及び図8(b)から明らかなよ
うに、しきい値低減のためには、クラッド層厚H
cladを、導波モードが存在しない領域の境界から十分離
れた値に設定する必要がある。ここでの計算は最外層の
GaNの吸収係数を500cm-1とした場合であるが、
実際には不純物濃度等により、この値は変わり得る。吸
収係数が小さいと、より反導波性が大きくなり、導波モ
ードの存在しないパラメータ領域も広くなる。
【0105】図11には最外層GaNの吸収係数が10
0cm-1の場合の導波モード存在領域の境界を示した。
図10と比較してわかるように、導波モードの存在しな
い領域が大きくなっている。いずれの場合にも、クラッ
ド層厚Hcladや導波層厚Hgu ide 等を所定の範囲に設定
する必要があることが明らかである。このHclad等に対
する条件は(1)式と同様の数式で指定可能である。但
しこの条件は、(1)式が活性層厚dが小さい場合の近
似であり、SCH構造では光が閉込められる領域が導波
層を含む厚い領域となることから、(1)式の(ΔXAl
d/入)-1/2の代わりに(ΔxAld/λ)-1を用いた方
が良好に近似できる。具体的には、図7、図10等から
この条件を以下のように近似できる。
【0106】 Δx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≧0.08 …(2) ここでHcoreは導波層を含めたコア領域(MQW+導波
層)の総厚であり、またΔxはコア領域とクラッド層と
の組成差を表す量で、近似的にコア/クラッドの屈折率
差に比例する。
【0107】ここに示した層構造の例では、Δxを以下
で定義する。
【0108】Δx=xAl+yIn …(3) ここでxAlはクラッド層のAl組成、またyInはコア領
域の平均In組成を表す。クラッド層にInが含まれる
場合には上のxAlの代わりにxAl−xIn(xInはクラッ
ド層のIn組成)を用いればよい。またコア領域にAl
が含まれる場合には同様にyInの代わりにyIn−y
Al(yAlはコア領域の平均Al組成)を用いればよい。
【0109】上に示したn型GaN/n型Ga0.85Al
0.15N(Hcladμm)/n型In0. 06Ga0.94N(H
guide μm)/MQW/p型In0.06Ga0.94N(H
guide μm)/p型Ga0.85Al0.15N(Hcladμm)
/n型GaNの例では、xAl=0.15、yIn=0.0
69(Hguide =0.1 μm、井戸数10の場合)とな
る。この場合に(2)式で与えられるクラッド層厚の条
件はλ=420nmの場合、Hclad≧0.244μmと
なる。なお(2)式の左辺はコア部への光閉込めの度合
を表す量に対応している。
【0110】上記パラメータΔx・(Hcore/λ)・
(Hclad/λ)に対するしきい値の依存性を図12に示
す。この図で縦軸はしきい値を活性層の井戸総厚で割っ
た値、Jth/dact である。図に示すように、Jth/d
act はΔx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)に大きく
依存している。また、この依存性は、図示されるよう
に、最外層であるコンタクト層等の吸収係数の大きさに
よっても変わる。実際にコンタクト層は不純物濃度が極
めて高い場合が多いので、吸収係数も変わり得る。な
お、当然のことながらJthはdact にも依存する。低し
きい値化にはdactも小さくした方が良い。例えば図1
2でΔx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)が十分大き
い場合にJth/dact 〜2×109 cm-3となる。ここ
で、Jth<10kA/cm2 とするためには、dact
0.05μmとする必要がある。別の計算によれば、活
性層総厚が0.05μm以上ではキャリアオーバーフロ
ーの影響も大きくなることがわかった。
【0111】以上から、InGaAlN系レーザでは、
(2)式に示した条件および活性層総厚に対する以下の
範囲で作製することにより、低しきい値での発振が実現
できる。
【0112】dact <0.05μm …(4) また、さらに望ましくは、dact を次の範囲にすると良
い。
【0113】dact ≦0.045μm …(5) なお、図12からわかるように、Δx・(Hcore/λ)
・(Hclad/λ)を次の範囲に設定すれば、コンタクト
層等の吸収係数によらず、低しきい値が実現できる。
【0114】 Δx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≧0.1 …(6) (2)式あるいは(5)式はクラッド層厚Hcladの下限
を与える式であるが、Hcladが大きくなりすぎてもクラ
ッド層での電圧降下増大や前述のクラック発生等の問題
が生ずる。これを回避するためには、Hcladを次の範囲
に設定するのが望ましい。
【0115】xAl・Hclad≦0.1μm …(7) さらに望ましくは次の範囲に設定するのが良い。
【0116】xAl・Hclad≦0.06μm …(8) 実際に図12からも分かるように、Hcladはあまり大き
くする必要はなく、(2)式又は(6)式を満たす範囲
であれば上限を次の(9)式で設定することにより、ク
ラッド層での電圧降下を低減できる。
【0117】 Δx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≦0.2 …(9) さらに図12から、以下の範囲でも十分低いしきい値が
得られる。
【0118】 Δx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≦0.15 …(10) 以上をまとめると、クラッド層厚Hcladの範囲として、
下限は(2)式、さらに望ましくは(6)式で設定し、
上限は(7)式、さらに望ましくは(8)式の範囲、も
しくは(9)式、さらに望ましくは(10)式の範囲に
設定すれば良い。
【0119】これに加えて、活性層井戸層厚dact
(4)式さらに望ましくは(5)式の範囲に設定するこ
とにより、低しきい値での発振を実現できる。
【0120】図7〜図11でもう1つ注目すベき点は、
導波層のIn組成がある程度大きく、かつ導波層厚が大
きい場合には、クラッド層厚にかかわらず、しきい値が
無限大とはならない場合があることである。このような
場合には、導波構造が通常の屈折率導波から反導波に変
わる領域でもしきい値があまり大きく変わらない(図8
(a)及び図8(b)参照)。従って、このような構造
パラメータの範囲でレーザを作製すれば、しきい値が低
く、かつパラメータの許容度も大きいため、極めて有効
である。この範囲は以下の近似式で与えられる。
【0121】 (yIn1/2 ・(Hcore/λ)≧0.15 …(11) さらに望ましくは、以下の範囲に設定すればより許容度
が大きい。
【0122】 (yIn1/2 ・(Hcore/λ)≧0.2 …(12) すなわち、導波層がInを含み、かつ(11)式または
(12)式を満たすように設定すれば、低しきい値で、
作製許容度も大きいレーザを実現できる。
【0123】以上に述べた低しきい値化のための層構造
設計例を図13に示す。この例ではMQWの構造として
In0.2 Ga0.8 N井戸層(2nm)/In0.05Ga
0.95N障壁層(4nm)を1周期とする場合の例を挙げ
たが、勿論これ以外の構成も可能である。図13の例は
全て(2)式および(5)式の条件を満たしている。ま
た[2]〜[8]はこれに加えて(11)式の条件も満
たしている。[6]はさらに(12)式の条件も満たし
ている例である。層構造は対称である必要はなく、
[7]、[8]のように非対称であってもよい。
【0124】図10と図11を比較してわかるように、
コンタクト層等のクラッド層外側の層の屈折率がクラッ
ド層の屈折率より大きい場合には、吸収係数が大きい方
が望ましい。この吸収係数の値は、図12に基づき、次
の(13)式で示される。
【0125】α≧100cm-1 …(13) さらに望ましくはα≧500cm-1 …(14) の範囲にあるのがよい。吸収係数を大きくする方法とし
ては、不純物濃度を高くする以外にも、InGaNコン
タクト層を用いることが有効である。特に井戸層のバン
ドギャップよりも小さいバンドギャップをもつInGa
Nの使用も有効である。
【0126】(しきい値の低減)多重量子井戸(MQ
W)構造はレーザのしきい値低減に有効である。本発明
に係るInGaAlN系の半導体レーザは、このMQW
構造を横モード制御構造と共に用いたことにより、しき
い値低減効果を顕著に示す。これは、MQWによるしき
い値低減に加え横モード制御構造によるしきい値低減の
効果が加わり、またInGaAlN系で大きな問題であ
るコンタクト抵抗も大幅に低減できるからである。
【0127】この効果を、図14(a)〜図14(c)
を用いて説明する。図14(a)は従来の電極ストライ
プ構造のInGaAlNレーザにおける電流分布を示し
ている。この構造では、利得導波による基本横モード発
振を実現するために、電極ストライプ幅を数μmオーダ
ーの極めて小さい値にする必要がある。しかし、ストラ
イプ幅を極めて小さくするととp型コンタクト抵抗が著
しく増大し、この部分における熱の発生によって室温で
の連続発振は殆ど不可能になる。
【0128】これを防ぐには、ストライプ幅を大きくす
るか、しきい値を下げればよい。しかし、前者では基本
横モード発振が得られなくなり、後者では電流密度低減
により、図14(b)のようにコア領域で電流が広がっ
てしまい、やはり基本横モード発振が得られなくなる。
【0129】これに対して、本発明による横モード制御
構造では、光閉込め層により発振横モードが決定される
ため電流値によるモードへの影響は殆どなく、また光閉
込め層が電流狭窄層の役割も果たしているために、電流
値も低減できる。これとMQWによるしきい値低減効果
により、動作電流は大幅に低減できる。さらに、図14
(c)に示したようにp型コンタクト層で電流が広がる
ので、コンタクト抵抗は大幅に低減でき、熱の発生もな
くなる。従って、この構造によって初めて室温での連続
発振が可能となる。
【0130】(キャリアオーバーフロー防止)InGa
AlN系では、前述した成長時のクラックの問題に加
え、高キャリア濃度のp型結晶を得ることが難しいとい
う問題がある。p型クラッド層のキャリア濃度が低い
と、活性層からp型クラッド層への電子のオーバーフロ
ーが起こり、しきい値を著しく増大させてしまう。特
に、クラッド層キャリア濃度が1017cm-3より低い
と、これが顕著である。実際の結晶では、クラッド層に
用いるようなAl組成の大きい結晶で特に高キャリア濃
度を得るのが困難のため、問題である。
【0131】低キャリア濃度でもキャリアオーバーフロ
ーが起こるのを防ぐため、本実施形態では、MQW活性
層16と導波層14,18との間に、GaAlNからな
るキャリアオーバーフロー防止層15,17を設けてい
る。このオーバーフロー防止層15,17は5nm〜5
00nmの非常に薄い層であるため、導波モード分布の
形状には殆ど影響を与えないが、活性層とのへテロバリ
アの効果により、キャリアオーバーフローを効果的に防
止することができる。
【0132】このオーバーフロー防止層は、クラッド層
のキャリア濃度が低い場合に特に効果が顕著である。I
nGaAlN系では、比較的高いキャリア濃度のn型G
aAlN層を形成できるため、n側のオーバーフロー防
止層はなくても良い。但し、結晶のモフォロジー改善等
の目的でキャリア濃度を低減する場合には、n側のオー
バーフロー防止層があった方が良い。これは、p側キャ
リアオーバーフロー防止層についても同様であって、1
17cm-3程度或いはそれ以上のキャリア濃度のp型ク
ラッド層を用いる場合には、キャリアオーバーフロー防
止層は不要となる。
【0133】p型クラッド層19のキャリア濃度が低い
場合のp側オーバーフロー防止層17の効果を図15及
び図16に示す。図15はp型クラッド層19のキャリ
ア濃度が1×1016cm-3で、オーバーフロー防止層が
入っていない場合について、バンド構造及び電子と正孔
の分布を示したものである。図から明らかなように、活
性層からp型クラッド層側に著しい電子のオーバーフロ
ーが起こっている。
【0134】これに対して、図16はMQW活性層16
とp側導波層18との間にGa0.85Al0.15Nオーバー
フロー防止層17を設けた場合を示している。この層1
7によりp側への電子のオーバーフローが殆どなくなっ
ていることが分かる。この図では、p側導波層18はノ
ンドープとし、オーバーフロー防止層17もノンドープ
とした。ノンドープのオーバーフロー防止層でも、この
図に示したように顕著な効果があるが、p型にドーピン
グすれば、さらに効果は大きい。
【0135】キャリアオーバーフロー防止の効果は、オ
ーバーフロー防止層Ga1-h AlhNのAl組成hが大
きい程顕著になるが、一方hが大きすぎると、p側から
活性層への正孔の注入が妨げられ、動作電圧上昇の要因
となる。特に、hが0.2を越えると動作電圧上昇が顕
著になる。従って、オーバーフロー防止層のAl組成h
は、 0<h<0.2 …(15) の範囲にあることが望ましい。
【0136】なお、キャリアオーバーフロー防止層はG
aAlNに限るものではなく、更にInを含むものであ
ってもよく、また更にBを含むものであってもよい。即
ちキャリアオーバーフロー防止層は、Ins Gat Al
h 1-s-t-h N(0≦s,t,h,s+t+h≦1)か
らなり、導波層よりもバンドギャップエネルギーが大き
いものであればよい。また、必ずしもMQW層に接して
設ける必要はなく、導波層の途中にあってもよい。さら
に、一層のみである必要もなく、複数層を多段に設けて
もよい。
【0137】上述したように本実施形態によれば、In
GaAlBN系半導体レーザにおいて、ダブルへテロ構
造部にクラッド層のリッジ部を形成し、その側面にクラ
ッド層より屈折率の高い光閉込め層を設けることによ
り、しきい電流密度の低減と共に、基本横モードでの連
続発振を実現することができる。また、光ディスクシス
テム等の光源に適した非点収差のない良質の出射ビーム
を得ることができる。
【0138】(第2の実施形態)図17は、本発明の第
2の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0139】図中30はサファイア基板であり、この基
板30の上にGaNバッファ層31,n型GaNコンタ
クト層32,n型GaAlNクラッド層33,n型Ga
N導波層34,n型GaAlNオーバーフロー防止層3
5,InGaNからなる単一量子井戸(SQW)活性層
36,p型GaAlNオーバーフロー防止層37,p型
GaN導波層38,p型GaAlNクラッド層39が成
長形成されている。なお、これらの結晶成長はMOCV
D法或いはMBE法によって行われる。
【0140】p型GaAlNクラッド層39はストライ
プ部分を除いてその途中までエッチング除去され、これ
によりクラッド層39にストライプ状のリッジ部が形成
されている。p型GaAlNクラッド層39のリッジ部
以外に、n型InGaN光閉込め層40が選択的に埋込
み形成され、さらにクラッド層39及び光閉込め層40
上には、p型GaN層41,p型InGaNコンタクト
層42が成長形成されている。これらの結晶成長も、M
OCVD法或いはMBE法によって行われる。p型In
GaNコンタクト層42からn型GaAlNクラッド層
33までが部分的に除去され、n型GaNコンタクト層
32の一部が露出している。そして、p型GaNコンタ
クト層42上にはp側電極43が形成され、n型GaN
コンタクト層32の露出部上にはn側電極44が形成さ
れている。
【0141】本実施形態が図1に示した第1の実施形態
と異なる点は、活性層部が多重量子井戸ではなく、In
GaNからなる単一量子井戸となっていることである。
単一量子井戸とすることにより、しきい値を低減する設
計が可能である。この場合、光閉込めが小さくなるた
め、通常は導波損失増大によりしきい値が上昇してしま
うが、導波層厚を最適化することにより導波損失を低減
でき、しきい値も下げることが可能である。
【0142】この実施形態では、さらにコンタクト層4
2としてp型InGaNを用いている。p型InGaN
はp型GaNに比べてバンドギャップが小さいので、電
極との間のショットキー障壁を低減でき、コンタクト抵
抗をより低減することが可能となる。
【0143】(第3の実施形態)図18は、本発明の第
3の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0144】図中50はn型SiC基板であり、この基
板50の上にn型ZnOバッファ層51,n型GaN層
52,n型GaAlNクラッド層53,n型GaN導波
層54,n型GaAlNオーバーフロー防止層55,I
nGaN多重量子井戸(MQW活性層)56,p型Ga
AlNオーバーフロー防止層57,p型GaN導波層5
8,p型GaAlNクラッド層59が成長形成されてい
る。なお、これらの結晶成長はMOCVD法、MBE
法、或いは両者の組合わせによって行われる。
【0145】p型GaAlNクラッド層59はストライ
プ部分を除いてその途中までエッチング除去され、これ
によりクラッド層59にストライプ状のリッジ部が形成
されている。p型GaAlNクラッド層59のリッジ部
以外に、n型InGaN光閉込め層60が選択的に埋込
み形成され、さらにクラッド層59及び光閉込め層60
上には、p型GaNコンタクト層61が成長形成されて
いる。そして、p型GaNコンタクト層61上にはp側
電極62が形成され、n型SiC基板50の裏面にはn
側電極63が形成されている。
【0146】本実施形態では、基板50として導電性の
n型SiC基板を用いている。これにより、電流を上下
方向に流すことができるため、マウント等がより容易と
なり、また熱抵抗も低減される。
【0147】以上の実施形態では光閉込め層としてIn
GaNの場合を示したが、本発明はこれに限定するもの
ではなく、バンドギャップエネルギーが活性層よりも小
さいInp Gaq Alr 1-p-q-r N(0<p≦1,0
≦q,r<1,0<p+q+r≦1)であれば良い。ま
た、クラッド層もGaAlNのみならず、Inx Gay
Alz 1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦
1)を用いることができる。
【0148】図15及び図16で示されているようにM
QWへの電子,正孔の注入は一般に不均一となり、しき
い値増加の要因の一つとなる。これは、MQWの層数が
多いほど顕著になる。この不均一を低減するには障壁層
の厚さを小さくすることが有効である。特に、障壁層の
厚さが井戸層の厚さを越えないように設定すると、比較
的均一な注入が得られ、しきい値が低減される。
【0149】(第4の実施形態)図19は本発明の第4
の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図で
ある。
【0150】図中70はサファイア基板であり、この基
板70の上にGaNバッファ層71,n型GaNコンタ
クト層72,n型GaAlNクラッド層73,n型Ga
N導波層74,InGaN多重量子井戸75,p型Ga
N導波層76,p型GaAlNクラッド層77,p型G
aNキャップ層78,p型InGaN光閉込め層79が
形成されている。p型InGaN光閉込め層79は同時
にp型コンタクト層の役割も果たしている。これらの結
晶成長はMOCVD法或いはMBE法によって行われ
る。
【0151】p型GaNキャップ層78及びp型GaA
lNクラッド層77はストライプ部分を除いてクラッド
層の途中までエッチング除去され、これによりクラッド
層77にストライプ状のリッジ部が形成されている。こ
の上にp型InGaN光閉込め層/コンタクト層79が
形成される。この結晶成長もMOCVD法或いはMBE
法によって行われる。
【0152】p型InGaN光閉込め層/コンタクト層
79からn型GaAINクラッド層73までが部分的に
除去され、n型GaNコンタクト層72の一部が露出し
ている。この後、p型InGaN光閉込め層/コンタク
ト層79上にはp側電極80、n型GaNコンタクト層
72の露出部上にはn側電極81が形成される。p側電
極80には、例えばPt/TiN/Ti/Pt/Auの
積層構造、n側電極81には、例えばTi/Auの積層
構造等が用いられる。
【0153】このレーザの活性層部はIna Ga1-a
井戸層/Ine Ga1-e N障壁層(a≧e)からなる多
重量子井戸、及びGaN導波層を設けたSCH構造とな
っている。
【0154】図19に示した構造の特徴はp型InGa
N光閉込め層79がコンタクト層を兼ねていることであ
る。このため、結晶成長は2回で済み、2回目の再成長
も選択成長である必要はない。従って、極めて簡単なプ
ロセスで横モード制御構造が実現できることになる。こ
の構造では、発振波長に対して吸収係数の大きいInG
aN層がストライプ外で活性層に近接して設けられてい
るので、ストライプ外の等価屈折率実数部がストライプ
部より小さくなり、これにより水平方向の横モード閉込
めが実現される。
【0155】一方、この構造における電流狭窄は、p型
GaAlNクラッド層77とp型InGaN光閉込め層
79との間のヘテロ障壁により実現される。即ち、図2
0(a)に示したように、p型GaAlNクラッド層と
p型InGaNコンタクト層との界面における価電子側
のバンド不連続により生じるヘテロ障壁のために、この
界面では電流が殆ど流れない。一方、ストライプ部で
は、p型GaAlNクラッド層77とp型InGaNコ
ンタクト層79との間に両者の中間のバンドギャップエ
ネルギーを有するp型GaNキャップ層78が設けられ
ているために、図20(b)に示したようにヘテロ障壁
高さが低減され、電流が容易に流れる。
【0156】InGaN層を光閉込め層/コンタクト層
に用いることの、もう一つの利点は、その下のクラッド
層のキャリア密度として高い値を実現できることであ
る。本発明者らの実験によれば、In組成が0より大き
いInGaAlNを設けた構造では、その下のクラッド
層のキャリア密度が高くなることが明らかになった。例
えば、GaNコンタクト層のみの場合にはp型クラッド
層のキャリア密度が1×1016cm-3以下であったもの
が、InGaN層を設けることにより、5×1016cm
-3以上とすることができた。これは水素(H)等による
Mgアクセプタの不活性化が抑制されることに起因する
ものである。これにより、InGaAlN光閉込め層を
設けない構造に比べてキャリアオーバーフローが大幅に
低減されることが分った。
【0157】図20の計算例では、p型クラッド層がキ
ャリア密度5×1016cm-3のGa0.85Al0.15N、p
型コンタクト層がキャリア密度1×1017cm-3のIn
0.15Ga0.85N、pキャップ層がキャリア密度1×10
17cm-3のGaNの場合を示している。これらの組み合
わせは、これに限ったものではなく、p型クラッド層と
p型コンタクト層とのヘテロ障壁が電流阻止に十分な大
きさを持っていれば良い。
【0158】図20(a)のp型クラッド層とp型コン
タクト層が、それぞれp型Ga0.85Al0.15N(キャリ
ア密度5×1016cm-3)、p型Inx Ga1-x N(キ
ャリア密度1×1017cm-3)の場合の電流密度−電圧
特性を図21に示す。図20(b)のキャップ層はx=
0のGaNで、この場合には電圧〜3.7Vでレーザ発
振が得られる(この電圧にはコンタクト抵抗等は含めて
いない)。一方、In組成xが大きくなると電流が流れ
難くなることが分る。xが0.1より大きい動作電圧
(〜3.7V)での電流値は1/2以下となり、図19
に示す構造のときに十分な電流狭窄効果が得られる。
【0159】このヘテロ障壁による電流阻止効果は、p
型クラッド層とp型コンタクト層とのバンドギャップ差
だけでなく、2つの層のキャリア密度にも依存する。例
えば、p型クラッド層のキャリア密度が1×1017cm
-3より大きくなると、電流阻止の効果は低減する。従っ
て、図19に示す構造においてヘテロ障壁による電流阻
止効果を十分得るためには、p型クラッド層のキャリア
密度を1×1017cm-3以下、p型クラッド層のAl組
成とp型コンタクト層のIn組成の和を0.25以上と
することが望ましい。また、キャリアオーバーフロー低
減の観点からはp型クラッド層キャリア密度は低すぎな
い方が良く、望ましくは5×1016cm-3以上が良い。
【0160】また、ヘテロ障壁による電流阻止効果はp
型GaAlN/p型InGaNの組み合わせに限るもの
ではない。この材料系は組成によりバンドギャップ差を
大きくとることができるので、価電子帯側のバンド不連
続と同様に、伝導帯側のバンド不連続も大きくなる。図
22に、n型Ga0.85Al0.15N(キャリア密度5×1
17cm-3)、n型Inx Ga1-x N(キャリア密度1
×1018cm-3)をそれぞれクラッド層及びコンタクト
層に用いた場合の電流密度−電圧特性を示す。nコンタ
クト層のIn組成xが大きくなると電流が流れ難くなる
ことが明らかである。この場合にはx≧0.15で十分
な電流阻止効果が得られる。
【0161】(第5の実施形態)図23は、本発明の第
5の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0162】図中90はサファイア基板であり、この基
板90の上にGaNバッファ層91,p型GaNコンタ
クト層92,p型GaAlNクラッド層93,p型Ga
N導波層94,InGaN多重量子井戸95,n型Ga
N導波層96,n型GaAlNクラッド層97,n型G
aNキャップ層98,n型InGaN光閉込め層99が
形成されている。n型InGaN光閉込め層99は同時
にn型コンタクト層の役割も果たしている。
【0163】n型GaNキャップ層98及びn型GaA
lNクラッド層97はストライプ部分を除いてクラッド
層の途中までエッチング除去され、これによりクラッド
層97にストライプ状のリッジ部が形成されている。こ
の上にn型InGaN光閉込め層/コンタクト層99が
形成される。
【0164】n型InGaN光閉込め層/コンタクト層
99からp型GaAlNクラッド層93までが部分的に
除去され、p型GaNコンタクト層92の一部が露出し
ている。この後、n型InGaN光閉込め層/コンタク
ト層99上にはn側電極100、p型GaNコンタクト
層92の露出部上にはp側電極101が形成されてい
る。
【0165】図23に示した構造では、n型InGaN
光閉込め層99がコンタクト層を兼ねている。従って、
図19の場合と同様に、結晶成長は2回で済む。横モー
ド制御の原理は図19の場合と同じであり、また電流狭
窄は、n型GaAlNクラッド層97とn型InGaN
光閉込め層99との間のヘテロ障壁により実現される。
このヘテロ障壁による電流阻止の効果は図22に示した
通りである。
【0166】ヘテロ障壁による電流阻止効果は、2種類
の材料のバンドギャップ差が大きい程顕著であるので、
組成差の大きい組み合わせが望ましい。しかしながら、
一方でストライプ部では、バンドギャップ差が大きすぎ
ると、例え中間のバンドギャップを持つキャップ層を設
けたとしても、電流が流れ難くなる場合もある。これを
改善するには、中間のバンドギャップを持ち、そのバン
ドギャップの値が異なる複数のキャップ層を設けると良
い。
【0167】(第6の実施形態)図24は、本発明の第
6の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0168】図中110はサファイア基板であり、この
基板110の上にGaNバッファ層111,n型GaN
コンタクト層112,n型Ga0.85Al0.15Nクラッド
層113,n型GaN導波層114,InGaN多重量
子井戸115,p型GaN導波層116,p型Ga0.85
Al0.15Nクラッド層117,p型GaN第1キャップ
層118,p型In0.07Ga0.93N第2キャップ層11
9,p型In0.15Ga0.85N光閉込め層120が形成さ
れている。p型InGaN光閉込め層120は同時にp
型コンタクト層の役割も果たしている。また、図中の1
21はp側電極、122はn側電極である。
【0169】この図に示した構造ではp型Ga0.85Al
0.15Nクラッド層117とp型In0.15Ga0.85N光閉
込め層120との組成差が大きくバンドギャップ差が大
きいために、ヘテロ障壁による電流阻止効果が大きい。
一方、ストライプ部のクラッド層上には、p型Ga0.85
Al0.15Nクラッド層117とp型In0.15Ga0.85
光閉込め層120との中間のバンドギャップを持つ2種
類のキャップ層を設けてある。バンドギャップはp型ク
ラッド層,第1キャップ層,第2キャップ層,光閉込め
層の順に小さくなっていくため、ヘテロ障壁が段階的に
低減され、より電流が流れ易い構造となっている。
【0170】図24の実施形態では中間バンドギャップ
を持つキャップ層を2層としたが、これに限るものでは
なく、クラッド層と光閉込め層とのバンドギャップ差に
応じて、さらに多段階のキャップ層を導入することも勿
論可能である。
【0171】(第7の実施形態)図25は、本発明の第
7の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0172】図中130はサファイア基板であり、この
基板130の上にGaNバッファ層131,n型GaN
コンタクト層132,n型Ga0.85Al0.15Nクラッド
層133,n型GaN導波層134,InGaN多重量
子井戸135,p型GaN導波層136,p型Ga0.85
Al0.15N第1p型クラッド層137,p型Ga0.85
0.15N第2p型クラッド層138,p型GaN第1キ
ャップ層139,p型In0.07Ga0.93N第2キャップ
層140,p型In0.15Ga0.85N光閉込め層141が
形成されている。p型InGaN光閉込め層141は同
時にp型コンタクト層の役割も果たしている。また、図
中の142はp側電極、143はn側電極である。
【0173】各層のキャリア密度は、第1p型クラッド
層137が5×1017cm-3、第2p型クラッド層13
8が5×1016cm-3、また第1キャップ層139,第
2キャップ層140,光閉込め層/コンタクト層141
はいずれも1×1017cm-3とした。
【0174】この図に示した構造の特徴は、活性層側の
第1p型クラッド層137のキャリア密度を大きくして
動作時のキャリアオーバーフローを低減すると共に、光
閉込め層141と接する第2p型クラッド層のキャリア
密度を比較的低くして、ヘテロ障壁による電流阻止効果
を確保している点である。ストライプ部で電流が流れる
原理は図19、図23及び図24の場合と同様である。
【0175】(第8の実施形態)図26は、本発明の第
8の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0176】図中150はサファイア基板であり、この
基板150の上にGaNバッファ層151,n型GaN
コンタクト層152,n型Ga0.85Al0.15Nクラッド
層153,n型GaN導波層154,InGaN多重量
子井戸155,p型GaN導波層156,p型Ga0.85
Al0.15N第1p型クラッド層157,p型Ga0.85
0.15N第2p型クラッド層158,p型Ga0.85Al
0.15N第3p型クラッド層159,p型GaNキャップ
層160,p型In0.1 Ga0.9 N光閉込め層161が
形成されている。p型InGaN光閉込め層161は、
同時にp型コンタクト層の役割も果たしている。また、
図中の162はp側電極、163はn側電極である。
【0177】この実施形態における各層のキャリア密度
は、第1p型クラッド層157が5×1017cm-3、第
2p型クラッド層158が5×1016cm-3、第3p型
クラッド層159が5×1017cm-3、また、キャップ
層160、光閉込め層/コンタクト層161はいずれも
1×1017cm-3である。
【0178】この図に示した構造の特徴は、活性層側の
第1p型クラッド層157のキャリア密度を大きくして
動作時のキャリアオーバーフローを低減すると共に、光
閉込め層161と接する第2p型クラッド層のキャリア
密度を比較的低くして、ヘテロ障壁による電流阻止効果
を確保し、さらにキャップ層160と接する第3p型ク
ラッド層のキャリア密度を高くして、ストライプ部でよ
り電流が流れ易いようにしていることである。
【0179】(第9の実施形態)図27は、本発明の第
9の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面図
である。
【0180】図中170はサファイア基板であり、この
基板170の上にGaNバッファ層171,n型GaN
コンタクト層172,n型Ga0.85Al0.15Nクラッド
層173,n型GaN導波層174,InGaN多重量
子井戸175,p型GaN導波層176,p型Ga0.85
Al0.15N第1p型クラッド層177,p型Ga0.85
0.15N第2p型クラッド層178,p型Ga0.85Al
0.15N第3p型クラッド層179,p型GaNキャップ
層180,p型In0.1 Ga0.9 N光閉込め層181,
p型In0.1 Ga0.9 Nコンタクト層182が形成され
ている。また、図中の183はp側電極、184はn側
電極である。
【0181】この実施形態における各層のキャリア密度
は、第1p型クラッド層177が5×1017cm-3、第
2p型クラッド層178が5×1016cm-3、第3p型
クラッド層179が5×1017cm-3、キャップ層18
0が1×1017cm-3、光閉込め層181が1×1017
cm-3、コンタクト層182が5×1017cm-3であ
る。
【0182】この図に示した構造の特徴は、図26に示
した第8の実施形態における特徴に加えて、p電極側
に、さらにキャリア密度の高いコンタクト層182を設
けていることである。これにより、コンタクト抵抗が低
減されるために、動作電圧を大幅に低減することができ
る。
【0183】なお、このようなキャリア密度の高いコン
タクト層を設ける構造は、この実施形態に限るものでは
なく、第4〜第7の実施形態構造に対しても適用できる
ことはいうまでもない。
【0184】(第10の実施形態)図28は、本発明の
第10の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0185】図中190はサファイア基板であり、この
基板190の上にGaNバッファ層191,n型GaN
コンタクト層192,p型InGaN光閉込め層193
が形成されている。p型InGaN光閉込め層193及
びn型GaNコンタクト層192の上部は、その一部が
エッチングされ、ストライプ状の溝が形成される。この
上に、n型GaAlNクラッド層194,n型GaN導
波層195,InGaN多重量子井戸196,p型Ga
N導波層197,p型GaAlNクラッド層198,p
型GaN層199,p型InGaNコンタクト層200
が形成されている。つまり、n型GaAlNクラッド層
194に下側に凸のリッジ部が形成されている。また、
図中の201はp側電極、202はn側電極である。
【0186】この実施形態では、光閉込め層193が活
性層より基板側に位置している。ストライプ両側では光
閉込め層193と量子井戸活性層196とが近接してい
るために、光閉込め層193の吸収損失の影響で等価屈
折率の実数部が小さくなり、これにより形成された等価
屈折率分布によって、水平方向の横モード閉込めが実現
される。また、この光閉込め層193は同時に、電流狭
窄層としての働きも持っている。
【0187】図28の構造を作製する際の結晶成長は、
1回目の成長及び2回目の成長共にMOCVD法又はM
BE法で行われる。この構造も結晶成長が2回で済むと
いう利点がある。
【0188】(第11の実施形態)図29は、本発明の
第11の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0189】図中210はサファイア基板であり、この
基板210の上にGaNバッファ層211,p型GaN
コンタクト層212,p型InGaN光閉込め層213
が形成されている。p型InGaN光閉込め層213及
びp型GaNコンタクト層212の上部は、その一部が
エッチングされ、ストライプ状の溝が形成される。この
上に、p型GaAlNクラッド層214,p型GaN導
波層215,InGaN多重量子井戸216,n型Ga
N導波層217,n型GaAlNクラッド層218,n
型GaN層219,n型InGaNコンタクト層220
が形成されている。また、図中の221はp側電極、2
22はn側電極である。
【0190】この実施形態では、各層の導電型が図28
に示した実施形態とは一部を除いて逆になっている。横
モード閉込めが光閉込め層213により実現されている
点は図28の場合と同様であるが、図29の実施形態に
おける電流狭窄はp型GaAlNクラッド層214とp
型InGaN光閉込め層213とのヘテロ障壁により実
現されている。この原理は、前記図19、図24〜図2
7等で示したものと同様である。
【0191】これまでの実施形態では、コンタクト層と
してInGaNを用いた場合を示したが、この材料に限
定されるものではなく、InGaBN或いはInGaA
lBNとしても良い。特にp型コンタクト層の場合、p
型InGaBN或いはp型InGaAlBNとすること
によって、低抵抗のコンタクト層が得られた。また、他
の各層も本発明の条件を満たす範囲で、InGaAlB
Nを用いることができる。
【0192】また、基板もサファイア基板に限定される
ものではなく、SiC,ZnO,MgAl2 4 ,Nd
GaO3 ,LiGaO2 、Y3 Al5 12(YAG),
3Fe5 12(YIG)等を用いることができる。
【0193】(第12の実施形態)図30は、本発明の
第12の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0194】図中230はサファイア基板であり、この
基板230の上にGaNバッファ層231,n型GaN
コンタクト層232,n型Ga0.85Al0.15Nクラッド
層233,n型GaN導波層234,InGaN多重量
子井戸235,p型GaN導波層236,p型Ga0.85
Al0.15Nクラッド層237,p型GaNキャップ層2
38,p型InGaNコンタクト層239,n型In
0.1 Ga0.9 N光閉込め層240,p型InGaNコン
タクト層241が形成されている。また、図中の242
はp側電極、243はn側電極である。
【0195】この実施形態のレーザは次のように作製さ
れる。即ち、まずサファイア基板230の上にGaNバ
ッファ層231,n型GaNコンタクト層232,n型
GaAlNクラッド層233,n型GaN導波層23
4,InGaN多重量子井戸235,p型GaN導波層
236,p型GaAlNクラッド層237,p型GaN
キャップ層238,p型InGaNコンタクト層239
までを順次成長する。この上にSiO2 膜を形成し、フ
ォトリソグラフィ等によりストライプ部を除いてp型I
nGaNコンタクト層239,p型GaNキャップ層2
38及びp型GaAlNクラッド層237の一部をエッ
チングで除去することによって、ストライプ状のリッジ
を形成する。
【0196】次に、2回目の成長でn型InGaN光閉
込め層240及びp型InGaNコンタクト層241を
形成する。この2回目の成長はストライプ部のSiO2
膜を残したまま行われ、これによりSiO2 上には結晶
成長は起こらず、ストライプ外領域のみに成長する、い
わゆる選択成長によって行われる。なお、n電極側のエ
ッチングは2回目の成長の前でも後でも可能である。
【0197】本実施形態の特徴は、一見複雑な構造にも
拘らず、結晶成長が2回で済む点である。また、コンタ
クト層がストライプ部及びストライプ外にも形成されて
いるために、全面電極構造をとることができ、p型In
GaNコンタクト層241にも電流が広がることによっ
て、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0198】(第13の実施形態)図31は本発明の第
13の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す斜視
図である。
【0199】本実施形態における層構造は図30に示し
た第12の実施形態とほぼ同じであるので、その詳しい
説明は省略する。異なる部分は、図30におけるp型I
nGaNコンタクト層239及び241の代わりにp+
型GaN層250及び251を用いていることである。
この層はp型GaNキャップ層238よりキャリア密度
を高く(例えば7×107 cm-3)設定してあるため、
電流が広がり易いと共に、コンタクト抵抗も低減でき
る。
【0200】また、図31の実施形態では、n側電極を
両側に設けた対称構造としている。これにより、ストラ
イプ部での電流分布も対称性が良くなり、より安定な基
本横モード発振を実現できる。
【0201】(第14の実施形態)図32は本発明の第
14の実施形態に係る半導体レーザの構成を示す断面図
である。図中260はサファイア基板であり、この基板
260の上にGaNバッファ層261、n型GaNコン
タクト層262、n型Ga0.85Al0.15Nクラッド層2
63、n型GaN導波層264、InGaN多重量子井
戸(MQW)活性層265、p型GaN導波層266、
p型Ga0.85Al0.15Nクラッド層267、p型GaN
キャップ層268が成長形成されている。p型GaNキ
ャップ層268およびp型GaAlNクラッド層267
はストライプ部分を除いてその途中までエッチング除去
され、これによりクラッド層267にストライプ状のリ
ッジ部が形成されている。p型GaAlNクラッド層2
67のリッジ部以外の領域にn型Ga0.93Al0.07N光
閉込め層269が選択的に埋込み形成され、さらにキャ
ップ層268、クラッド層267及び光閉込め層269
上にはp型GaNコンタクト層270が形成されてい
る。なお、271はp電極、272はn電極である。
【0202】本実施形態の特徴は光閉込め層269にク
ラッド層267よりAl組成の小さいGaAlNを用い
ていることである。これにより水平方向に反導波構造が
形成され、水平横モードが安定化される。
【0203】反導波構造は基本的にはストライプ外の等
価屈折率が大きい場合に実現されるが、良好なビーム特
性を得るためにはストライプ内との等価屈折率差の絶対
値を所定の値より大きく設定することが重要である。前
述した図4からわかるように、|Δneq|≧2×10-3
の領域に設定することにより、非点隔差の小さい特性が
得られる。図32の実施形態の例では、光閉込め層のA
l組成を0.05≦xAl≦0.1の領域に設定すること
により、ビーム特性としても優れた反導波構造を実現で
きる。
【0204】上述したように本実施形態によれば、In
GaAlBN系半導体レーザにおいて、ダブルヘテロ構
造部の一方のクラッド層にリッジ部を形成し、このリッ
ジ部側面にクラッド層より屈折率の高い光閉込め層を設
けることにより、しきい電流密度が低減され、かつ安定
な基本横モードでの連続発振が可能となる。
【0205】(第15の実施形態)図33は本発明の第
15の実施形態に係る半導体レーザの構成を示す断面図
である。図中280はサファイア基板であり、この基板
280の上にGaNバッファ層281、n型GaNコン
タクト層282、n型Ga0.85Al0.15Nクラッド層2
83、n型GaN導波層284、InGaN多重量子井
戸(MQW)活性層285、p型GaN導波層286、
p型Ga0.85Al0.15Nクラッド層287、p型GaN
キャップ層288が成長形成されている。p型GaNキ
ャップ層288およびp型GaAlNクラッド層287
はストライプ部分を除いてエッチング除去され、これに
よりクラッド層287にストライプ状のリッジ部が形成
されている。p型GaAlNクラッド層287のリッジ
部以外の領域にn型Ga0.93Al0.07N光閉込め層28
9が選択的に埋め込み形成され、さらにキャップ層28
8、クラッド層287及び光閉込め層289上にはp型
GaN層290、p型InGaNコンタクト層291が
形成されている。292はp電極、293はn電極であ
る。
【0206】本実施形態では光閉込め層289がp型G
aN導波層286に接して形成されている点が図32の
実施形態とは異なる。このような構造においても反導波
構造が実現されることは言うまでもない。
【0207】(第16の実施形態)図34は本発明の第
16の実施形態に関わる半導体レーザの構成を示す断面
図である。図中300はサファイア基板であり、この基
板300の上にGaNバッファ層301、n型GaNコ
ンタクト層302、n型Ga0.85Al0.15Nクラッド層
303、n型GaN導波層304、InGaN多重量子
井戸(MQW)活性層305、p型GaN導波層30
6、p型InGaNキャップ層307、p型GaN層3
08、p型Ga0.85Al0.15Nクラッド層309が成長
形成されている。p型GaAlNクラッド層309、p
型GaN層308はストライプ部分を除いてエッチング
除去され、これにより、クラッド層309にストライプ
状のリッジ部が形成されている。この上にp型Ga0.93
Al0.07N光閉込め層310、p型GaNコンタクト層
311が形成されている。312はp電極、313はn
電極である。
【0208】本実施形態では、光閉込め層310がp型
であるため、結晶成長は2回で済む。この構造では、p
型Ga0.93Al0.07N光閉込め層310とp型InGa
Nキャップ層307とのヘテロ障壁により電流狭窄が行
なわれる。すなわち、ストライプ外では、このヘテロ障
壁により電流は流れない。一方、ストライプ部ではp型
GaN層308がp型InGaNキャップ層307とp
型GaAlNクラッド層309との間に形成されている
ため、ヘテロ障壁が低減されて電流が流れる。また、p
型Ga0.93Al0.07N光閉込め層310の屈折率がp型
Ga0.85Al0. 15Nクラッド層309より大きいので、
これによる反導波構造で光閉込めが実現される。
【0209】(第17の実施形態)図35は本発明の第
17の実施形態に係る半導体レーザの構成を示す断面図
である。図中320はサファイア基板であり、この基板
320の上にGaNバッファ層321、n型GaNコン
タクト層322、n型Ga0.85Al0.15Nクラッド層3
23、n型GaN導波層324、InGaN多重量子井
戸(MQW)活性層325、p型GaN導波層326、
p型Ga0.85Al0.15N第1クラッド層327、p型G
0.9 Al0.1 N第2クラッド層328が成長形成され
ている。p型Ga0.9 Al0.1 N第2クラッド層32
8、p型Ga0.85Al0.15N第1クラッド層327は、
ストライプ部分を除いてエッチング除去され、これによ
り、クラッド層にストライプ状のリッジ部が形成されて
いる。クラッド層327、328のリッジ部以外の領域
にp型InGaN光閉込め層329が選択的に埋込み形
成され、さらに、クラッド層328及び光閉込め層32
9上にはp型GaNコンタクト層330が形成されてい
る。331はp電極、332はn電極である。
【0210】本実施形態の導波機構は第1の実施形態と
同様に損失導波型であるが、リッジ形状が上部で広くな
っている点がこれまでの実施形態と異なる。このような
リッジ形状とすることにより、第2クラッド層328中
で電流が広がるために、素子の直列抵抗を低減すること
ができる。この構造は、クラッド層をAl組成の異なる
GaAlNで構成した多層構造とし、化学エッチングに
よるエッチング速度の差を利用して実現できる。
【0211】図36は上記実施形態の構造を作成するエ
ッチング方法を示したものである。図中、反応容器34
0は、内部の側壁に沿ってコイル状の金属電極341が
設けられ、且つスターラー342及びNaOH溶液34
3を保持している。ここで、スターラー342は、図示
しない容器外のコントローラから回転磁場を受けて回転
し、NaOH溶液343を攪拌する。NaOH溶液34
3には、GaN系多層構造を形成した基板344が浸さ
れる。
【0212】この基板344は、容器外の直流電源34
5の正側に接続されている。また、容器内の金属電極3
41は、直流電源345の負側に接続されている。ここ
で、直流電源345をオン状態とすると、基板344は
電気化学的にエッチングされる。
【0213】このような電気化学的エッチングにより、
エッチングプロファイルを図35の実施形態に示したよ
うな形状に制御することが可能である。すなわち、図3
7に示したように、Al組成の高いGaAlN程エッチ
ング速度が大きいために、図35に示した形状が実現さ
れる。また、本実施形態ではp型GaN導波層326が
エッチング停止層としての役割も果たしている。
【0214】なお、エッチングプロファイルを制御する
ための多層構造は、図35に示した2層構造に限らず、
3層以上でも良く、さらに例えばGa0.85Al0.15Nか
らGaNまで連続的に組成を変化させたグレーデッド層
であっても良い。また、エッチング溶液もNaOHに限
定されるものではなく、KOH、HF系溶液、HPO3
等の溶液を用いることができる。
【0215】(第18の実施形態)図38は本発明の第
18の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断面
図である。図中350はサファイア基板であり、この基
板350の上にGaNバッファ層351、n型GaNコ
ンタクト層352、n型Ga0.85Al0.15Nクラッド層
353、n型GaN導波層354、InGaN多重量子
井戸(MQW)活性層355、p型GaN導波層35
6、p型Ga0.85Al0.15N第1クラッド層357、p
型Ga0.9 Al0.1 N第2クラッド層358、p型Ga
Nキャップ層359が成長形成されている。p型GaN
キャップ層359、p型Ga0.9 Al0. 1 N第2クラッ
ド層358、p型Ga0.85Al0.15N第1クラッド層3
57は、ストライプ部分を除いてエッチング除去され、
これにより、クラッド層にストライプ状のリッジ部が形
成されている。クラッド層577、578のリッジ部以
外の領域にp型InGaN光閉込め層360が形成され
ている。361はp電極、362はn電極である。
【0216】本実施形態における電流狭窄は、p型Ga
0.85Al0.15N第1クラッド層357とp型InGaN
光閉込め層360とのヘテロ障壁により実現される。ま
た、エッチングプロファイル制御に関しては上述した通
りである。
【0217】(第19の実施形態)図39〜図40は、
本発明の第19の実施形態に係る半導体レーザの製造工
程図である。図39(a)に示すように、サファイア基
板370上には、有機金属気相成長法(MOCVD法)
により、GaNからなる10〜200nm厚のバッファ
層371、Siドープのn型GaNからなる4μm厚の
n型コンタクト層372、Siドープのn型Ga0.8
0.2 Nからなる250nm厚のn型クラッド層37
3、Siドープのn型GaNからなる200nm厚の導
波層374、Siドープのn型GaAlNオーバーフロ
ー防止層375が順次形成される。
【0218】続いて、n型GaAlNオーバーフロー防
止層375上には、1.5nm厚のノンドープIn0.25
Ga0.75N及び3nm厚のノンドープIn0.05Ga0.95
Nの2種類のInGaN層を50周期繰り返して構成さ
れる多重量子井戸(MQW)構造の活性層376が形成
される。
【0219】そして、活性層376上には、Mgドープ
のp型GaAlNオーバーフロー防止層377、Mgド
一プのp型GaNからなる200nm厚の導波層37
8、Mgドープのp型Ga0.8 Al0.2 Nからなるp型
クラッド層379、Mgドープのp型GaNからなる
0.3μm厚のキャップ層380が順次形成される。
【0220】次に、p型GaNキャップ層380上に
は、熱CVD法により、SiO2 膜からなる400nm
厚の無機マスク層381が堆積される。続いて、無機マ
スク層381上には、レジスト(AZ4110)が1μ
m厚に塗布され、光露光プロセスにより、レジストにス
トライプパターンが転写される。現像後、ウェハーは、
120℃の窒素雰囲気のオーブンに20分間保持され、
ポストペーキングされる。その後、無機マスク層381
のSiO2 膜がエッチングされ、無機マスク層とレジス
ト層からなる2層のマスク層が形成される。
【0221】次に、図39(b)に示すように、反応性
イオンビームエッチング(RIBE)法により、p型G
aNキャップ層380は、p型GaAlNクラッド層3
79が露出するまでストライプ状にエッチングされる。
【0222】ここで、p型GaAlNクラッド層の厚さ
は約0.3μmと薄いため、オーバーエッチングによ
り、僅かに薄くなっても光の閉込め効果に影響を与え
る。このため、本エッチング工程ではオーバーエッチン
グを極力小さくする必要がある。そこで、本実施形態で
は、エッチングガスとしてCl2 ガスと、SF6 との混
合ガスを用いることにより、GaNとGaAlNの選択
エッチングを行なった。
【0223】マイクロ波パワー200W、イオン加速電
圧500V、Cl2 ガス圧力0.4mTorr一定と
し、SF6 ガスを添加した際のGaNとGa1-x Alx
N(x=0.2)の選択比の変化を図41に示す。縦軸
はエッチングにおけるGaNの選択比であり、横軸は混
合ガスにおけるSF6 の分圧比である。
【0224】SF6 ガスの圧力が増加するに従い、選択
比が増加する。これは、SF6 ガスを添加することによ
り、GaAlN層のエッチングに際し、表面に脱離し難
いエッチング反応生成物であるAlの塩化物が生成され
るためである。
【0225】これにより、GaAlN層のエッチング速
度は遅くなり、結果としてGaNとの選択比が大きくな
る。本実施形態では、添加ガスとしてSF6 ガスを用い
たが、少なくともFを成分として含むガス、例えばCF
4 等でも同じ効果が得られる。また、選択エッチング
は、例えばO2 、CO、CO2 等の如き、少なくともO
を成分として含むガスであれば実行可能である。理由
は、GaAlN層のエッチングの際に、脱離し難いAl
の酸化物が表面に生成されるためである。
【0226】さらに、GaN層380とGaAlN層3
79との界面で精密にエッチングを停止するには、選択
エッチングとエッチング過程のその場観察法とを併用す
ることが好ましい。本実施形態では、レーザ干渉によ
り、エッチング深さをモニタした。具体的には、エッチ
ング試料表面に波長650nmのレーザ光を照射し、反
射光を検出する。このとき、レーザ光は、試料表面およ
び試料内部の界面から反射し、これらの反射光の間で干
渉が生じるため、エッチングの進行に伴い、反射光強度
が振動する。この振動の検出により、エッチング量及び
ヘテロ界面が観察可能となる。このその場観察法による
と、選択エッチング法と併用したとき、GaAlNのエ
ッチング速度が遅いため、GaN層380のエッチング
時の反射光強度の振動の周期と、GaAlN層379の
エッチング時の反射光強度の振動周期とでは大きな差が
生じる。従って、周期が変化する時点でエッチングを終
了すれば、最小のオーバーエッチング量でエッチングを
終了できる。
【0227】以上の方法により、本実施形態では、Ga
AlN層379のオーバーエッチング量40nm以下で
エッチングを終了できる。エッチング工程の後、ウェハ
をH2 SO4 :H2 2 :H2 O溶液中に浸け、レジス
トマスクとエッチング残留物とが除去される。レジスト
マスク除去後、露出されたSiO2 マスクは、次の工程
である選択成長のマスクとしても使用できる。
【0228】以上の処理の後、図39(c)に示すよう
に、MOCVDによる第2回目の成長により、Siドー
プのn型GaNからなる0.5μm厚の光閉込め層(電
流狭窄層)382がp型GaNキャップ層380の側面
に沿ってp型GaAlNクラッド層379上に形成され
る。第2回目の成長後、ウェハは、弗化アンモニウム溶
液中に浸けられ、SiO2 マスクが除去され、p型Ga
Nキャップ層380が露出される。
【0229】次いで、図40(d)に示すように、MO
CVDによる第3回目の成長により、p型GaNキャッ
プ層380上及びp型GaAlNクラッド層379上に
Mgドープのp型GaNからなる0.5μm厚のコンタ
クト層383が形成される。次に、Cl2 ガスを用いた
RIBEにより、n型GaNコンタクト層372が露出
するまでウェハの一部がエッチングされ、メサが形成さ
れる。
【0230】その後、図40(e)に示すように、n側
の電極384およびp側の電極385が形成され、半導
体レーザが作製された。
【0231】従来、同様のレーザにおいては、第1回目
の成長により、n型GaN電流狭窄層382までを成長
させ、その後、ドライエッチングにより電流狭窄層38
2に開口部を開け、第2回目の成長によりp型GaNコ
ンタクト層380を成長させるという製造方法もある。
しかし、この従来方法の場合、成長中にn型GaN電流
狭窄層382へMOCVD反応管周辺からのMgの取込
まれが生じるため電流狭窄層を厚くする必要があり、そ
のため電流狭窄層の開口部のp型GaNコンタクト層を
厚くしなければならず、素子抵抗を増大させるという問
題がある。また、従来方法の場合、電流狭窄層開口部に
ドライエッチング/再成長界面ができ、この界面を電流
が流れるため、界面でのリーク等の素子特性劣化が懸念
される問題がある。
【0232】しかし、本実施形態によれば、n型GaN
電流狭窄層382は第2回目の成長で積層するため、M
OCVD反応管周辺からのMgの取込まれが無く、n型
GaN電流狭窄層382を薄く形成できる。また、ドラ
イエッチング/再成長界面を電流が流れないため、界面
でのリークの問題がない。
【0233】上述したように本実施形態によれば、窒化
ガリウム系化合物半導体層の選択エッチングを実現でき
る。さらに、エッチング量を精度よくモニタできるた
め、クラッド層にリッジ部を形成する工程において精度
よくエッチング量を制御できる。これにより、電流狭窄
層と活性層の距離を設計通りの値にできるので、閾値電
流密度の低減と共に、基本横モードでの連続発振を実現
する半導体レーザを製造することができる。
【0234】(第20の実施形態)図42〜図43は本
発明の第20の実施形態に係る半導体レーザの製造工程
図である。
【0235】本実施形態は、次の2つの点で第19の実
施形態とは異なる。1点目は、図42(b)に示すよう
に、p型GaAlNクラッド層379に代えて、ドライ
エッチングにより、リッジとその両側の平坦部をもつp
型GaAlNクラッド層390が形成されている。2点
目は、図42(c)に示すように、p型GaAlNクラ
ッド層390からなるリッジがその側部に沿ってn型I
nGaN電流狭窄層382により埋込まれたことであ
る。
【0236】この構造では、電流狭窄層382が、リッ
ジの両側で活性層376に近接するため、InGaN電
流狭窄層382の吸収損失の影響により生じる水平方向
の実効屈折率分布により光閉込めが行われる。このと
き、リッジの両側のGaAlNの厚さは、電流狭窄層3
82と活性層376との距離に影響するため、レーザを
安定に横モードで発振させる観点から厳密に制御されな
ければならない。
【0237】そこで前述同様に、図42(a)に示す積
層工程の後、リッジの形成工程において、選択エッチン
グ技術とレーザ干渉モニターとを組合わせて用いる。エ
ッチングには、Cl2 ガスとSF6 との混合ガスと、R
IBE法とを用いる。エッチング条件は、Cl2 ガス圧
力0.4mTorr、SF6 ガス圧力0.15mTor
r、マイクロ波パワー200W、イオン加速電圧500
Vである。
【0238】p型GaNキャップ層380上にはマスク
が形成され、p型GaNキャップ層380におけるマス
ク以外の領域からエッチングが施される。エッチングの
進行はレーザ干渉モニタにより観察される。上記条件で
は、GaN/GaAlNの選択比が1.25程度であ
り、GaAlNのエッチング速度が遅いため、GaNと
GaAlNとの界面において、レーザ干渉モニタにおけ
るレーザ光の反射強度の振動周期が変化する。反射強度
の振動周期が150nmに相当し、GaN/GaAlN
界面が検出されてから、振動が1.3周期現れたとき、
エッチングを停止した。その結果、図42(b)に示す
ように、リッジの両側のp型GaAlNクラッド層39
0の厚さとして設計通りの100nmを残してエッチン
グを停止できた。
【0239】このドライエッチング工程において、本実
施形態とは異なり、選択エッチング技術を適用せず、C
2 ガスのみを用いた場合、GaNとGaAINとはほ
ぼ等速エッチングとなる。この等速エッチングでは、レ
ーザ干渉モニタにおける振動周期のGaN/GaAlN
界面での変化が僅かであるため、界面の検出が不正確と
なる。このため、エッチング量のモニタの精度が不十分
である。
【0240】一方、本発明に係る製造方法では、選択エ
ッチングを用いることにより、十分な精度でエッチング
量を制御でき、本発明構造の半導体レーザの製造が可能
となった。
【0241】以上のようにリッジ形成の後、図42
(c)に示すように、第2回目の成長でn型InGaN
電流狭窄層382が選択形成される。さらにSiO2
スク除去の後、図43(d)に示すように、第3回目の
成長でp型GaNコンタクト層383が形成される。こ
のp型GaNコンタクト層383は、ドライエッチング
により、n型GaNコンタクト層384が露出するまで
エッチングされてメサが形成される。その後、図43
(e)に示すように、p型GaNコンタクト層383上
にp側電極385が形成され、n型GaNコンタクト層
384上にn側電極384が形成され、半導体レーザが
製造される。
【0242】ここで、本実施形態では、電流狭窄層38
2としてn型InGaN層を埋込む場合について説明し
たが電流狭窄層382の材料としては、n型GaAlN
層などの他の材料であっても良い。
【0243】(第21の実施形態)図44(a)〜図4
4(d)は本発明の第21の実施形態に係わる半導体レ
ーザの製造工程図である。本実施形態が第20の実施形
態と異なる点は、図44(c)に示すように、選択成長
ではなくリッジ全体をn型InGaN電流狭窄層391
により埋込んだことである。
【0244】このレーザ構造でも、図44(a)に示す
工程の後、図44(b)に示すように、ドライエッチン
グにより、p型GaAlNクラッド層390をリッジと
その両側の平坦部とを有する形状にする必要がある。こ
こで、リッジの両側のGaAlNの厚さは、電流狭窄層
391と活性層376との距離に影響を与えるので、第
20の実施形態と同様に、レーザの安定な横モード発振
の観点から厳密に制御される必要がある。
【0245】本実施形態においても、第20の実施形態
と同じく本発明による選択エッチング技術とレーザ干渉
モニタとを組合せて用いる。その結果、図44(c)に
示す如き構造の半導体レーザを製造できる。
【0246】(第22の実施形態)図45は、本発明の
第22の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0247】図中400はn型SiC基板であり、この
基板400の上にn型ZnO層401,n型GaN層4
02,n型GaAlNクラッド層403,GaN導波層
404,Inj Ga1-j Nからなる第1の活性層40
5,及びGaN導波層406が順次形成され、更に第1
の領域Aを除く第2の領域Bには、Ink Ga1-k Nか
らなる第2の活性層407及びGaN導波層408が形
成されている。そして、第1の領域A及び第2の領域B
において、p型GaAlNクラッド層411a及びb,
n型InGaN光閉込め層412a及びb,p型GaN
コンタクト層413a及びbが形成されている。なお、
これらの結晶成長はMOCVD法、MBE法、或いは両
者の組合せによって行われる。また、414a及びbは
p側電極、415はn側電極である。
【0248】ここで、第1の活性層405のバンドギャ
ップEg1 ,厚さd1と、第2の活性層407のバンド
ギャップEg2 ,厚さd2とは、 Eg1 >Eg2 …(16) d1>d2 …(17) となるように設定されている。具体的には、第1の活性
層405のIn組成j=0.05,厚さ100nm、第
2の活性層407のIn組成k=0.15,厚さ10n
mとした。これは、発振波長でλ1=380nm,λ2
=410nmに相当する。
【0249】このレーザ構造の第1の領域Aでは、活性
層が第1の活性層405のみであるため、この活性層4
05の波長380nmで発振する。一方、第2の領域B
では第1の活性層405と第2の活性層407とが存在
するが、第2の活性層407のバンドギャップの方が小
さいため、誘導放出再結合は第2の活性層407で起こ
る。従って、この領域では410nmで発振することに
なる。
【0250】第1の領域Aの活性層405は100nm
と比較的厚いため、自励発振しやすい構造となってお
り、戻り光雑音の少ない特性が得られる。一方、第2の
領域Bでは10nmと薄い活性層407のため、光パワ
ー密度を低減でき、高出力での発振が可能である。従っ
て、この構造のレーザは、光ディスク応用において第1
の領域Aのレーザを読出し用、第2の領域Bのレーザを
記録用として用いることができる。
【0251】しかも本実施形態では、リッジを形成する
クラッド層411の側面に活性層405,407よりも
バンドギャップエネルギーの小さい光閉込め層412を
埋込み形成しているので、各々の領域A,Bにおいてレ
ーザの発振しきい電流密度が低減され、かつ基本横モー
ドでの連続発振が可能となる。
【0252】図45に示した半導体レーザの製造工程を
図46〜図47を参照して説明する。まず、図46
(a)に示すように、n型SiC基板400の上に、n
型ZnO層401,n型GaN層402,n型GaAl
Nクラッド層403,GaN導波層404,Inj Ga
1-j N活性層(第1活性層)405,GaN導波層40
6,Ink Ga1-k N活性層(第2活性層)407,G
aN導波層408を順次成長する。
【0253】次いで、図46(b)に示すように、第1
の領域Aにおける導波層408と活性層407をエッチ
ングで除去する。このとき、活性層405は導波層40
6で保護されているので、最終構造で界面再結合による
非発光成分の増加は防止できる。
【0254】次いで、図46(c)に示すように、全面
にp型GaAlNクラッド層411を成長し、その上に
SiO2 膜421をスパッタ法等で形成する。
【0255】次いで、図47(d)に示すように、Si
2 膜421のパターニングを行って、これをマスクと
して領域A及びBにそれぞれリッジを形成する。
【0256】次いで、図47(e)に示すように、Si
2 マスクをつけたまま、選択成長によって電流狭窄を
兼ねた光閉込め層412を成長する。
【0257】次いで、図47(f)に示すように、Si
2 マスクを除去した後、p型GaNコンタクト層41
3を成長し、p側電極414、n側電極415を形成す
る。最後に、領域Aと領域Bとの間にドライエッチング
で溝を形成して素子分離を行うことによって、前記図4
5に示した構造が完成する。
【0258】上述したように本実施形態によれば、厚膜
活性層の低出力レーザと薄膜活性層の高出力レーザとを
同一基板上に形成しているため、活性層厚制御等の難し
いプロセスを要することなく、光ディスクシステムにお
ける再生読出しと消去・記録の両方に要求されるレーザ
性能を実現することができる。また、異なる波長のレー
ザを同一基板上に形成できるため、波長の違いによる非
互換性の問題を解決できる。
【0259】(第23の実施形態)図48は、本発明の
第23の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。なお、図19と同一部分には同一符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0260】本実施形態の構造及び製造方法は第22の
実施形態の場合とほぼ同様であるが、第22の実施形態
と異なる点は、第1の活性層405に代えて膜厚d1の
第1の活性層425を有し、且つ第2の活性層407に
代えて、第1の活性層の膜厚よりも大きい膜厚d2をも
つ第2の活性層427を備えたことである。
【0261】すなわち、第1の活性層425の膜厚d1
と第2の活性層427の膜厚d2との関係を、 d1<d2 …(18) としたことである。即ち、d1=10nm,d2=10
0nmとした。また、第2の領域Bにp型InGaN吸
収層428を設けた。この吸収層428は可飽和吸収体
として働き、自励発振がより容易に起こる構造としてあ
る。この構造の場合には、光ディスク応用において第1
の領域Aのレーザを記録用、第2の領域Bのレーザを読
出し用として用いることになる。
【0262】(第24の実施形態)図49は、本発明の
第24の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0263】図中430はサファイア基板であり、この
基板430の上にGaNバッファ層431,n型GaN
コンタクト層432,n型GaAlNクラッド層43
3,n型GaN導波層434,InGaN多重量子井戸
からなる第1の活性層435,アンドープGaN導波層
436,InGaN多重量子井戸からなる第2の活性層
437,p型GaN導波層438,p型GaAlNクラ
ッド層439,p型GaNキャップ層440,p型In
GaN光閉込め層441,p型InGaNコンタクト層
442が形成されている。また、図中の443及び44
4はp電極、445はn側電極である。
【0264】ここで、第1の多重量子井戸活性層435
のバンドギャップEg1 と第2の多重量子井戸活性層4
37のバンドギャップEg2 とは Eg1 >Eg2 となるように設定されている。具体的には、第1の多重
量子井戸活性層の井戸層のIn組成を0.15とし、第
2の多重量子井戸活性層のIn組成を0.8とした。そ
れぞれの発振波長は青色及び赤色に相当する。第2の多
重量子井戸活性層のIn組成は通常のGaNレーザに比
べて大きいが、むしろInNに近い組成であるために結
晶としては高品質のものが得られる。
【0265】このように青色及び赤色のレーザが集積さ
れている構造が実現できるため、光ディスク応用におい
て極めて有用である。即ち、高密度化に伴って異なる波
長のレーザを用いるシステムの場合に、本実施形態のよ
うなレーザを用いることにより、従来のシステムとの互
換性が容易に実現されることになる。
【0266】図50は、図49に示した実施形態のレー
ザにおける電極の配置例を示したものである。この例の
ようにn電極側は共通にできるため、例えばボンディン
グワイヤは3つで良い。
【0267】(第25の実施形態)図51は、本発明の
第25の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0268】図中450はサファイア基板であり、この
基板450の上にGaNバッファ層451,n型GaN
コンタクト層452,n型GaAlNクラッド層45
3,n型GaN導波層454,InGaN多重量子井戸
からなる第1の活性層455,アンドープGaN導波層
456,InGaN多重量子井戸からなる第2の活性層
457,p型GaN導波層458,p型GaAlNクラ
ッド層459,p型GaNキャップ層460,p+ 型G
aNコンタクト層461,n型InGaN光閉込め層4
62,p+ 型GaNコンタクト層463が形成されてい
る。また、図中の464及び465はp側電極、466
はn側電極である。
【0269】第1の多重量子井戸活性層455のバンド
ギャップEg11 と第2多重量子井戸活性層457のバ
ンドギャップEg2 とは Eg1 >Eg2 となるように設定されている。これにより左側のレーザ
ではEg2 のバンドギャップに相当する波長で、また右
側のレーザではEg1 のバンドギャップに相当する波長
で発振する。
【0270】(第26の実施形態)図52は、本発明の
第26の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0271】レーザの基本層構造は前記図28に示した
ものと同じであるので、その詳しい説明は省略する。こ
の実施形態においても、第1の多重量子井戸活性層19
6のバンドギャップEg1 と第2の多重量子井戸活性層
470のバントギャップEg2 との関係を上述のように
設定することによって、それぞれ異なる波長での発振が
可能である。
【0272】(第27の実施形態)図53は、本発明の
第27の実施形態に係わる半導体レーザの構成を示す断
面図である。
【0273】この実施形態における半導体レーザの基本
構造は図51に示した例と同様であるので、その詳しい
説明は省略する。この実施形態では、接合面ダウンのマ
ウント例を示してある。
【0274】図中の480はヒートシンクである。ヒー
トシンク480としては、Cuなどの他、BNやダイヤ
モンド等、熱伝導率の高い材料を用いると効果的であ
る。このヒートシンク480には図に示したような段差
を設けてあり、その上にメタライズによる金属層(例え
ばTi/Pt/Au層)481〜484が形成されてい
る。また、490は電極間を分離するための分離溝であ
る。各メタライズ層と半導体レーザの電極とは、AuS
n等の半田材485〜489により圧着されている。
【0275】本実施形態のように接合面ダウンのマウン
トとすることにより、素子の熱抵抗が低減され、より高
温での発振が可能となる。
【0276】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0277】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
本横モードで連続発振することができ、光ディスクシス
テム等の光源に適した非点収差のない良質の出射ビーム
を得ることのできるInGaAlBN系の半導体レーザ
及びその製造方法を提供できる。
【0278】また、本発明によれば、活性層厚制御等の
難しいプロセスを要することなく、光ディスクシステム
における再生読出しと消去・記録の両方に要求されるレ
ーザ性能を実現することのできる半導体レーザを提供で
きる。
【0279】さらにまた、本発明によれば、設計使用波
長が異なる光ディスクシステム間の互換性確保に必要
な、両者に使える半導体レーザを提供できる。
【0280】また、本発明によれば、活性層へのキャリ
ア注入を効率的に行うとともに、電極コンタクトなどで
の電圧降下を抑制することができ、光ディスクなどへの
実用に供する低閾値、低電圧で動作し、高い信頼性を有
する半導体レーザの製造方法を提供することにある。
【0281】また、本発明によれば、窒化ガリウム系化
合物半導体層を一旦エッチングした後の再成長を良好に
行うことができ、各種半導体素子の特性向上等に寄与し
得る半導体レーザの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる半導体レーザ
の構成を示す断面図。
【図2】ストライプ内外の等価屈折率差Δneq、基本モ
ードに対する損失α0 ,損失差Δαに関し、光閉込め層
−コア領域間の距離hout に対する依存性を示す図。
【図3】しきい値電流密度Jth、損失α0 ,損失差Δα
に関し、ストライプ幅Wに対する依存性を示す図。
【図4】ストライプ内外の等価屈折率差Δneqおよびビ
ームの非点隔差と、光閉込め層の組成との関係を示す
図。
【図5】各導波型における非点隔差および損失差Δαに
関し、ストライプ幅に対する依存性を示す図。
【図6】活性層総厚d、クラッド層厚Hclad並びにクラ
ッド層−活性層のAl組成差XA1と、導波モード損失α
との関係を示す図。
【図7】SCH−MQW構造におけるクラッド層厚clad
並びに導波層厚Hguide と、導波モードとの関係を示す
図。
【図8】しきい値電流密度Jth、光閉込め係数Γに関
し、クラッド層厚clad並びに導波層厚Hguide との関係
を示す図。
【図9】遠視野像強度分布のクラッド層厚依存性を示す
図。
【図10】SCH−MQW構造におけるクラッド層厚
clad並びに導波層厚Hguide と、導波モードの境界線と
の関係を示す図。
【図11】SCH−MQW構造におけるクラッド層厚
clad並びに導波層厚Hguide と、導波モードの境界線と
の関係を示す図。
【図12】単位井戸層厚当りのしきい値電流密度Jth
act に関し、光閉込め量Δx・(Hcore/λ)・(H
clad/λ)に対する依存性を示す図。
【図13】同実施形態における半導体レーザの層構造の
設計例を示す図。
【図14】本発明によるしきい値低減効果を説明するた
めの模式図。
【図15】オーバーフロー防止層を設けない場合のバン
ド構造及び電子と正孔の分布を示す図。
【図16】オーバーフロー防止層を設けた場合のバンド
構造及び電子と正孔の分布を示す図。
【図17】本発明の第2の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図18】本発明の第3の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図19】本発明の第4の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図20】ヘテロ障壁による電流阻止効果の原理を示す
図。
【図21】p−GaAlN/p−InGaN界面を持つ
構成における電流密度−電圧特性を示す図。
【図22】n−GaAlN/n−InGaN界面を持つ
構成における電流密度−電圧特性を示す図。
【図23】本発明の第5の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図24】本発明の第6の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図25】本発明の第7の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図26】本発明の第8の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図27】本発明の第9の実施形態に係わる半導体レー
ザの構成を示す断面図。
【図28】本発明の第10の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図29】本発明の第11の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図30】本発明の第12の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図31】本発明の第13の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す斜視図。
【図32】本発明の第14の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図33】本発明の第15の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図34】本発明の第16の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図35】本発明の第17の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図36】同実施形態におけるエッチング方法を説明す
るための模式図。
【図37】同実施形態におけるエッチング方法を説明す
るための模式図。
【図38】本発明の第18の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図39】本発明の第19の実施形態に係わる半導体レ
ーザの製造工程図。
【図40】同実施形態における半導体レーザの製造工程
図。
【図41】同実施形態における選択比とガス組成との関
係を示す図。
【図42】本発明の第20の実施形態に係わる半導体レ
ーザの製造工程図。
【図43】同実施形態における半導体レーザの製造工程
図。
【図44】本発明の第21の実施形態に係わる半導体レ
ーザの製造工程図。
【図45】本発明の第22の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図46】同実施形態における半導体レーザの製造工程
図。
【図47】同実施形態における半導体レーザの製造工程
図。
【図48】本発明の第23の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図49】本発明の第24の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図50】図49に示した実施形態のレーザにおける電
極の配置例を示す図。
【図51】本発明の第25の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図52】本発明の第26の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【図53】本発明の第27の実施形態に係わる半導体レ
ーザの構成を示す断面図。
【符号の説明】
10,30,70,90,110,130,150,1
70,190,210,230,260,280,30
0,320,344,350,370,430,450
…サファイア基板 11,31,52,71,91,111,131,15
1,171,191,211,231,261,28
1,301,321,351,371,402,43
1,451…GaNバッファ層 12,32,72,112,132,152,172,
192,212,232,262,282,302,3
22,352,372,432,452…n型GaNコ
ンタクト層 13,33,53,73,97,113,133,15
3,173,194,218,233,263,28
3,303,323,353,373,403,43
3,453…n型GaAlNクラッド層 14,34,54,74,96,114,134,15
4,174,195,217,234,264,28
4,304,324,354,374,404,43
4,454…n型GaN導波層 15,35,55,375…n型GaAlNオーバーフ
ロー防止層 16,56,75,95,115,135,155,1
75,196,216,235,265,285,30
5,325,355,376,435,437,45
5,457…InGaN多重量子井戸(MQW)活性層 17,37,57,377…p型GaAlNオーバーフ
ロー防止層 18,38,58,76,94,116,136,15
6,176,197,215,236,266,28
6,306,326,356,378,438,458
…p型GaN導波層 19,39,59,77,93,117,137,13
8,157,158,159,177,178,17
9,198,214,237,267,287,30
9,327,328,357,358,379,39
0,411a,439,459…p型GaAlNクラッ
ド層 20,40,60,79,99,120,141,16
1,181,193,213,213,240,26
9,289,310,329,412a,441,46
2…光閉込め層 21,41,61,78,92,118,139,16
0,180,199,250,251,268,27
0,288,308,359,360,380,38
3,413a,413b,440,460,461,4
62…p型GaN層 22,43,62,80,101,121,142,1
83,201,221,242,271,292,31
2,361,362,385,414a,414b,4
43,444,464,465…p側電極 23,44,63,81,100,122,143,1
84,202,222,243,272,293,31
3,384,415,445,466…n側電極 36…GaN単一量子井戸(SQW)活性層 42,119,140,200,220,239,24
1,307…p型InGaN層 50,400…n型SiC基板 51,401…n型ZnOバッファ層 98,219…n型GaN層 340…反応容器 341…金属電極 342…スターラー 343…NaOH溶液 345…直流電源 381…無機マスク層 382,391…電流狭窄層 405,407,425,427…活性層 406,408,436…GaN導波層 421…SiO2 膜 428…吸収層 480…ヒートシンク 481〜484…金属層 485〜489…半田材 490…分離溝 Eg1 ,Eg2 …バンドギャップ d1,d2…厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 真理子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 布上 真也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石川 正行 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素を含む III−V族化合物半導体から
    なる半導体レーザであって、 基板と、 基板上に形成された第1導電型クラッド層と、 この第1導電型クラッド層上に形成された少なくとも活
    性層を含むコア領域と、 このコア領域上に形成され、ストライプ状のリッジを有
    する第2導電型クラッド層と、 前記第1導電型クラッド層、前記コア領域及び前記第2
    導電型クラッド層からなるダブルヘテロ構造と、 前記第2導電型クラッド層上に前記リッジの側部に沿っ
    て選択的に形成された光閉込め層と、 この光閉込め層上及び前記第2導電型クラッド層のリッ
    ジ上に形成された第2導電型コンタクト層と、 この第2導電型コンタクト層上に形成された第1電極
    と、 前記基板における前記第1導電型クラッド層とは異なる
    領域に形成された第2電極とを備え、 前記光閉込め層は、窒素を含む III−V族化合物半導体
    からなり、該光閉込め層の屈折率が前記第2導電型クラ
    ッド層の屈折率より大きいことを特徴とする半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記コア領域内の活性層は、少なくともIna Gab
    c 1-a-b-c N(0≦a,b,c,a+b+c≦1)
    からなる井戸層とIne Gaf Alg 1-e-f- g N(0
    ≦e,f,g,e+f+g≦1)からなる障壁層とで構
    成される単一量子井戸又は多重量子井戸であることを特
    徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記第1導電型クラッド層がInx Gay Alz
    1-x-y-z (0≦x,y,z,x+y+z≦1)からな
    り、前記第2導電型クラッド層がInu Gav Alw
    1-u-v-w (0≦u,v,w,u+v+w≦1)からな
    り、 前記コア領域の総厚dと発振波長λに対し、前記第1導
    電型クラッド層の厚さH1及び前記第2導電型クラッド
    層におけるリッジを含む厚さH2が、 0.18(zd/λ)-1/2≦H1/λ≦0.27(zd
    /λ)-1/2 0.18(wd/λ)-1/2≦H2/λ≦0.27(wd
    /λ)-1/2 を満たす範囲にあることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記光閉込め層の導電型は、前記第2導電型クラッド層
    の導電型と同じであることを特徴とする半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記光閉込め層のバンドギャップエネルギーは、前記活
    性層のバンドギャップエネルギーより小さいことを特徴
    とする半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記第2導電型クラッド層のリッジと前記第2導電型コ
    ンタクト層との間に形成され、前記第2導電型クラッド
    層のバンドギャップエネルギーと前記第2導電型コンタ
    クト層のバンドギャップエネルギーとの中間の値のバン
    ドギャップエネルギーをもつ第2導電型キャップ層を備
    えており、 前記光閉込め層と前記第2導電型コンタクト層とは、同
    一材料からなる1つの層であることを特徴とする半導体
    レーザ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記コア領域は、 前記活性層を挟むように形成され、前記量子井戸の平均
    屈折率より小さくかつ各クラッド層の屈折率より大きい
    屈折率を有する複数の導波層と、 少なくとも一方のクラッド層と前記活性層との間に形成
    され、Ins Gat Alh 1-s-t-h N(0≦s,t,
    h,s+t+h≦1)からなり、前記導波層のバンドギ
    ャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギ
    ーを有するキャリアオーバーフロー防止層とを備えてい
    ることを特徴とする半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体レーザにおい
    て、 前記キャリアオーバーフロー防止層のAl組成hは、0
    <h<0.2を満たす範囲にあることを特徴とする半導
    体レーザ。
  9. 【請求項9】 窒素を含む III−V族化合物半導体から
    なる半導体レーザであって、 基板と、 基板上に形成され、Inx Gay Alz 1-x-y-z
    (0≦x,y,z,x+y+z≦1)からなる第1導電
    型クラッド層と、 この第1導電型クラッド層上に形成された少なくとも活
    性層を含むコア領域と、 このコア領域上に形成され、Inx Gay Alz
    1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦1)からな
    り、ストライプ状のリッジを有する第2導電型クラッド
    層と、 前記第1導電型クラッド層、前記コア領域及び前記第2
    導電型クラッド層からなるダブルヘテロ構造と、 前記第2導電型クラッド層の少なくとも一部に接して形
    成された第2導電型コンタクト層と、 この第2導電型コンタクト層上に形成された第1電極
    と、 前記基板における前記第1導電型クラッド層とは異なる
    領域に形成された第2電極とを備え、 前記活性層は、Ina Gab Alc 1-a-b-c N(0≦
    a,b,c,a+b+c≦1)からなる井戸層とIne
    Gaf Alg 1-e-f-g N(0≦e,f,g,e+f+
    g≦1)からなる障壁層とで構成される単一量子井戸ま
    たは多重量子井戸からなり、 前記井戸層の総厚dact は、0.5μm未満であり、 前記各クラッド層のAl組成xAl、コア領域の平均In
    組成yIn、両組成の和Δx(=xAl+yIn)、前記コア
    領域の総厚Hcoreおよび前記各クラッド層の厚さHclad
    は、発振波長λに対し、 Δx・(Hcore/λ)・(Hclad/λ)≧0.08を満
    たしていることを特徴とする半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 窒素を含む III−V族化合物半導体か
    らなる半導体レーザであって、 基板と、 基板上に形成され、Inx Gay Alz 1-x-y-z
    (0≦x,y,z,x+y+z≦1)からなる第1導電
    型クラッド層と、 この第1導電型クラッド層上に形成され、Ina Gab
    Alc 1-a-b-c N(0≦a,b,b,a+b+c≦
    1)からなる井戸層とIne Gaf Alg 1-e- f-g
    (0≦e,f,g,e+f+g≦1)からなる障壁層と
    で構成される単一量子井戸または多重量子井戸の活性層
    を含むコア領域と、 このコア領域上に形成され、Inx Gay Alz
    1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦1)からな
    り、ストライプ状のリッジを有する第2導電型クラッド
    層と、 前記コア領域、前記第1導電型クラッド層および第2導
    電型クラッド層からなるダブルヘテロ構造部と、 前記第2導電型クラッド層の少なくとも一部に接して形
    成された第2導電型コンタクト層と、 この第2導電型コンタクト層上に形成された第1電極
    と、 前記基板における前記第1導電型クラッド層とは異なる
    領域に形成された第2電極とを備え、 前記コア領域は、前記活性層を挟むように形成されたI
    u Gav Alw 1- u-v-w N(0<u≦1,0≦v<
    1,0≦w<1)からなる複数の導波層を含み、 前記コア領域の総厚Hcoreおよびコア領域の平均In組
    成yInは、発振波長λに対し、(yIn1/2 ・(Hcore
    /λ)≧0.15を満たしていることを特徴とする半導
    体レーザ。
  11. 【請求項11】 窒素を含む III−V族化合物半導体か
    らなる半導体レーザであって、 基板と、 前記基板上に選択的に形成された第1の第1導電型クラ
    ッド層と、 この第1の第1導電型クラッド上に形成され、少なくと
    も活性層を含む第1のコア領域と、 この第1のコア領域上に形成され、ストライプ状のリッ
    ジを有する第1の第2導電型クラッド層と、 前記第1の第1導電型クラッド層、前記第1のコア領域
    及び第1の第2導電型クラッド層を有する第1のダブル
    ヘテロ構造と、 前記第1の第2導電型クラッド層上にリッジの側部に沿
    って選択的に形成された第1の光閉込め層と、 この第1の光閉込め層上及び前記第2導電型クラッド層
    のリッジ上に形成された第1の第2導電型コンタクト層
    と、 この第1の第2導電型コンタクト層上に形成された第1
    電極と、 前記基板上における前記第1の第1導電型クラッド層と
    は異なる領域に選択的に形成された第2の第1導電型ク
    ラッド層と、 この第2の第1導電型クラッド上に形成され、少なくと
    も第1及び第2の活性層を含む第2のコア領域と、 この第2のコア領域上に形成され、ストライプ状のリッ
    ジを有する第2の第2導電型クラッド層と、 前記第2の第1導電型クラッド層、前記第2のコア領域
    及び第2の第2導電型クラッド層を有する第2のダブル
    ヘテロ構造と、 前記第2の第2導電型クラッド層上にリッジの側部に沿
    って選択的に形成された第2の光閉込め層と、 この第2の光閉込め層上及び前記第2導電型クラッド層
    のリッジ上に形成された第2の第2導電型コンタクト層
    と、 この第2の第2導電型コンタクト層上に形成された第2
    電極と、 前記基板における前記第1及び第2の導電型クラッド層
    とは異なる領域に形成された共通電極とを備え、 前記第1のコア領域の活性層及び前記第2のコア領域の
    第1の活性層は、前記第2の活性層よりも前記基板に近
    い位置に同時に形成され、且つ前記第2の活性層のバン
    ドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネ
    ルギーを有し、 前記各第1導電型クラッド層は、Inx Gay Alz
    1-x-y-z N(0≦x,y,z,x+y+z≦1)からな
    り、 前記各第2導電型クラッド層は、Inu Gav Alw
    1-u-v-w N(0≦u,v,w,u+v+w≦1)からな
    り、 前記光閉込め層は、Inp Gaq Alr 1-p-q-r
    (0<p≦1,0≦q,r<1,0<p+q+r≦1)
    からなり、前記第2導電型クラッド層の屈折率よりも大
    きい屈折率を有していることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  12. 【請求項12】 窒素を含む III−V族化合物半導体か
    らなる半導体レーザの製造方法であって、 基板上に少なくとも、第1導電型クラッド層、少なくと
    も活性層を含むコア領域、第2導電型クラッド層及び第
    2導電型キャップ層を順次結晶成長させる工程と、 この第2導電型キャップ層上に選択的にSiO2 層およ
    びレジスト層からなるストライプ状のマスクを形成する
    工程と、 ドライエッチングにより、前記第2導電型キャップ層に
    おける前記マスク以外の領域を少なくとも前記第2導電
    型クラッド層を露出させるまで選択的に除去し、ストラ
    イプ状のリッジを形成する工程と、 前記マスクを用いた選択成長により、前記第2導電型ク
    ラッド層上に前記リッジの側部に沿って電流阻止層を形
    成する工程と、 前記マスクを除去して前記第2導電型キャップ層を露出
    させる工程と、 前記第2導電型キャップ層上及び前記電流阻止層上に第
    2導電型コンタクト層を成長させる工程とを含んでいる
    ことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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