JP2002237661A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP2002237661A JP2001374589A JP2001374589A JP2002237661A JP 2002237661 A JP2002237661 A JP 2002237661A JP 2001374589 A JP2001374589 A JP 2001374589A JP 2001374589 A JP2001374589 A JP 2001374589A JP 2002237661 A JP2002237661 A JP 2002237661A
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Masahiko Sano
雅彦 佐野
Tomoya Yanagimoto
友弥 柳本
Yuji Matsuyama
裕司 松山
Yasuhiro Kawada
康博 川田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高出力動作時において、横方向のFFP(フ
ァーフィールドパターン)にリップルののらない窒化物
半導体レーザ素子を得る。 【構成】 リッジが設けられた実効屈折率型の窒化物半
導体レーザ素子であって、エッチングによって露出され
た露出面のリッジ近傍およびリッジ側面には、導波路領
域の屈折率よりも小さい値を有する第1の絶縁膜を形成
し、リッジから離れた該露出面および導波路領域の共振
器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大き
い値を有する第2の絶縁膜を形成する。また第2の絶縁
膜は、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する金属
もしくは半導体からなる膜としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化物半導体(Al
Ga1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)
よりなるレーザ素子に関し、ファーフィールドパターン
が良好となり、特にリップルを低減することができる窒
化物半導体レーザ素子。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、実用可能な窒化物半導体
レーザ素子として、例えばJpn.J.Appl.Phys.vol.37(198
8) pp.L309-L312、Part2,No.cB,15 March 1998の文献に
素子構造を提案している。上記文献の技術はサファイア
基板上部に、部分的に形成されたSiO膜を介して選
択成長された転位の少ないGaNよりなる窒化物半導体
層を複数積層してなる素子とすることで、室温での連続
発振1万時間以上を可能とするものである。素子構造と
しては図7のように、選択成長された窒化物半導体基板
上に、n−AlGa1−kN(0≦k<1)よりなる
n型コンタクト層、In0.1Ga0.9Nよりなるク
ラック防止層、n−Al0.14Ga0. 86N/Ga
Nの多層膜よりなるn型クラッド層、n−GaNよりな
るn型光ガイド層、In0.02Ga0.98N/In
0.15Ga0.85Nよりなる多重量子井戸構造の活
性層、p−Al0.2Ga0.8Nよりなるp型電子閉
じ込め層、p−GaNよりなるp型光ガイド層、p−A
0.14Ga0.86N/GaNの多層膜よりなるp
型クラッド層、p−GaNよりなるp型コンタクト層に
より構成されている。
【0003】さらに上記文献では、光の導波を効率よく
するために、p型コンタクト層側からp型クラッド層が
露出するまでエッチングされて、リッジストライプが設
けられ、さらにリッジストライプ側面からn型コンタク
ト層にかけてSiOが形成された実効屈折率型の窒化
物半導体素子が記載されている。
【0004】このSiOは保護膜としての効果だけで
なく、導波路領域で十分に光を閉じ込めて横方向の光導
波を効率よく行うために有効であり、本発明者らも導波
路領域を形成する窒化物半導体よりも低屈折率の膜とし
てZrO、SiO等を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構造では、例えば出力30mWの高出力動作
時において、横方向のFFP(ファーフィールドパター
ン)はリップルが発生し、非ガウシア分布になってしま
うという問題があった。窒化物半導体レーザを光ディス
クへの書き込み等を目的とした実用化には非ガウシア分
布となるレーザでは、光ディスクへの書き込み等には非
常に不適切なものとなるため、リップルがFFPにのら
ないガウス分布となるレーザ素子が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、導波路領域において共振器長と垂直な
方向となる横方向に導波して端面で反射してきた戻り光
が、または導波路領域においてリッジストライプから離
れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光が、リップル発
生の大きな要因になっていると考え、リップルがFFP
にのらないガウス分布となる、あらたな窒化物半導体レ
ーザ素子の構造を得るに至った。その窒化物半導体レー
ザ素子の構造とは、導波路領域においてリッジストライ
プから離れた位置において、戻り光を減少させ、また漏
れ光をリッジストライプから離れた位置で吸収させるこ
とで減少させるものであり、以下のような構成からな
る。
【0007】(1) 実効的に高屈折率領域と低屈折率
領域を設けることで、クラッド層に挟まれた活性層内に
導波路が形成された実効屈折率型の窒化物半導体レーザ
素子において、前記低屈折率領域の一部には光損失領域
が設けられてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ
素子。
【0008】(2) n型窒化物半導体層と多重量子井
戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層
と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくと
も順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくとも
p型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジ
ストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レ
ーザ素子であって、エッチングによって露出された露出
面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面
には導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第1の
絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出
面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波
路領域の屈折率よりも大きい値を有する膜が形成されて
いることを特徴とする。
【0009】(3) n型窒化物半導体層と多重量子井
戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層
と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくと
も順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくとも
p型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジ
ストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レ
ーザ素子であって、エッチングによって露出された露出
面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面
には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第1
の絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れた該露
出面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導
波路領域の屈折率よりも大きい値を有する第2の絶縁膜
が形成されていることを特徴とする。
【0010】(4) 前記第2の絶縁膜は導波路領域の
屈折率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光
を吸収する材料であることを特徴とする。
【0011】(5) 前記第2の絶縁膜はTiO,N
、RhO、Cr、Ta、SiCか
ら選ばれた1つであることを特徴とする。
【0012】(6) 前記エッチングによって露出され
た露出面のうち、前記第1の絶縁膜から離れた位置にお
いて、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導
体層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされてい
ることを特徴とする。
【0013】(7) 該第2の絶縁膜において、該導波
路領域の上部に形成された第2の絶縁膜上には第2の絶
縁膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されて
いることを特徴とする。
【0014】(8) 該導波路領域の共振器面と異なる
側面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振した
レーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半
導体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴
とする。
【0015】(9) n型窒化物半導体層と多重量子井
戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層
と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくと
も順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくとも
p型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジ
ストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レ
ーザ素子であって、エッチングによって露出された露出
面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面
には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶縁
性からなる第1の膜が形成され、リッジストライプから
離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる側
面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する金
属からなる第2の膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0016】(10) n型窒化物半導体層と多重量子
井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド
層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なく
とも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくと
もp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッ
ジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体
レーザ素子であって、エッチングによって露出された露
出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側
面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶
縁性からなる第1の膜が形成され、リッジストライプか
ら離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる
側面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する
窒化物半導体からなる第2の膜が形成されていることを
特徴とする。
【0017】(11) 前記(9)または(10)の窒
化物半導体レーザ素子の、第2の膜は導波路領域の屈折
率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸
収する材料であることを特徴とする。
【0018】(12) 前記第2の膜はSi、Zr、N
b、Ti、Niから選ばれた1つからなる金属膜である
ことを特徴とする。
【0019】(13) 前記第2の膜はInGa
1−ZN(0<Z<1)であることを特徴とする。
【0020】(14) 前記(9)〜(13)のうちい
ずれかの窒化物半導体レーザ素子の、エッチングによっ
て露出された露出面のうち、前記リッジストライプから
離れた位置において、さらに少なくとも活性層に接する
n型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体がエッ
チングされていることを特徴とする。
【0021】(15) 前記第2の膜において、前記導
波路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に
接して前記絶縁膜がリッジストライプ近傍およびリッジ
ストライプ側面から連続して形成されており、さらに該
絶縁膜上に、該絶縁膜に接して金属からなるp側パッド
電極が形成されていることを特徴とする。
【0022】(16) 前記第2の膜において、該導波
路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接
して、リッジストライプ近傍およびリッジストライプ側
面に形成された前記第1の膜と異なる材料からなる絶縁
性を有する第3の膜が形成されており、さらに該第3の
絶縁膜上には第3の絶縁膜に接して金属からなるp側パ
ッド電極が形成されていることを特徴とする。
【0023】(17) 前記(9)〜(16)の窒化物
半導体レーザ素子の、導波路領域の共振器面と異なる側
面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレ
ーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導
体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴と
する。
【0024】このような(1)〜(17)の構成にする
ことで、横方向に導波して端面で反射してきた戻り光を
減少させ、リッジストライプから離れた位置で導波路領
域から漏れた漏れ光を吸収させることで減少させること
ができ、リップルがFFPにのらないガウス分布となる
レーザ素子を得ることが可能となった。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する。
図1は本発明における窒化物半導体レーザ素子の導波路
領域を示す模式図である。本発明の導波路は、図1のA
に示されるように、低屈折率領域と高屈折率領域を設
け、クラッド層に挟まれた活性層内に屈折率差を設ける
ことで形成されている。そして、低屈折率領域の一部に
は光損失領域が設けられており、横方向に導波して端面
で反射してきた戻り光を減少させ、およびリッジストラ
イプから離れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光を吸
収させることで減少させることができる。また本発明で
はこの低屈折率領域に、光損失領域の一部を設けること
で、本発明の目的とするFFPにリップルののらない窒
化物半導体レーザ素子が実現される。
【0026】また、本発明は以下のようにも説明でき
る。本発明の導波路は、図1のAに示されるように、低
屈折率領域と高屈折率領域を設け、クラッド層に挟まれ
た活性層内に屈折率差を設けることで形成されている。
そして、低屈折率領域の一部には光損失領域が設けられ
ており、導波路のうち、光損失領域に挟まれた領域を、
利得が得られる領域として、利得領域とすると、本発明
の導波路内には、横方向に実効的な屈折率差を設けるこ
とで形成された第1導波路と、光損失領域を設けること
で形成された第2導波路を有することになる。ここで第
1の導波路を実効屈折率導波路と称し、第2の導波路を
光損失導波路と称する。実効屈折率導波路は、図1のA
に示すように、リッジストライプ構造とすることで導波
路領域において、実効的な屈折率差を設けることで横モ
ードを閉じ込めるものであり、また光損失導波路は、図
1のBに示すように、光の利得領域と光の損失領域を設
けることで横モードを閉じ込めるものである。本発明で
は第1の導波路と、第2の導波路を設け、さらに低屈折
率領域の一部に光損失領域があるように形成すること
で、本発明の目的とするFFPにリップルののらない窒
化物半導体レーザ素子が実現される。
【0027】図1を具体的に説明すると、実効屈折率導
波路(第1導波路)は本発明のレーザ素子のリッジスト
ライプ部にほぼ一致する部位に対向する導波路の部位で
高屈折率領域と低屈折率領域の境界が形成され、光損失
導波路(第2導波路)はリッジストライプから離れたp
型窒化物半導体層露出面上のレーザ光を吸収する材料を
設ける部位に対向する導波路の部位で光の損失領域と光
の利得領域の境界が形成される。
【0028】次に本発明の具体的な実施の形態について
述べる。本発明は以下に示す実施の形態1〜3よりな
る。 (実施の形態1)図2は本発明の一実施の形態である窒
化物半導体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【0029】図2には、多重量子井戸構造の活性層の上
に、p型電子閉じ込め層、p型光ガイド層と、p型クラ
ッド層と、p型コンタクト層とが順に形成され、p型コ
ンタクト層側からp型光ガイド層が露出するまでエッチ
ングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型
の窒化物半導体レーザ素子であり、リッジストライプ側
面及び露出されたp型光ガイド層のリッジストライプ近
傍には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第
1の絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れたp
型光ガイド層の表面には、n型窒化物半導体層にかけ
て、連続して導波路領域の屈折率よりも大きい値を有す
る第2の絶縁膜が形成されており、さらにp型コンタク
ト層表面及び、第1の絶縁膜の表面にはp側オーミック
電極が、p側オーミック電極、第1の絶縁膜の表面及び
p型光ガイド層に接する第2の絶縁膜上にはp側パッド
電極が形成されている。なお、本発明において、第1の
絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜、第2の絶縁膜を絶縁
性を有する第2の膜と呼ぶことがある。
【0030】(第2の絶縁膜:絶縁性を有する第2の
膜)本発明において、窒化物半導体レーザの導波路領域
において共振器長と垂直な方向となる横方向に導波して
端面で反射してきた戻り光(以下、戻り光とする)、お
よび導波路領域においてリッジストライプから離れた位
置で導波路領域から漏れた漏れ光(以下、漏れ光とす
る)を減衰(減少)させるために、導波路領域の屈折率
よりも大きい値を有する第2の絶縁膜を設けている。こ
のように第2の絶縁膜を設けることで、図4に示すよう
にリッジストライプの近傍とリッジストライプから離れ
た位置とでは、光の導波モードは異なるものとなり、リ
ッジストライプから横方向に進んだ光は第2の絶縁膜と
接する部位で、第2の絶縁膜の方に進み、第2の絶縁膜
を導波する。このように第2の絶縁膜を導波することに
より戻り光を減少させることができ、また以下のように
第2の絶縁膜を吸収する材料を選択するか、第2の絶縁
膜上に金属からなるp側パッド電極を形成することによ
り、漏れ光を減少させることができる。
【0031】この第2の絶縁膜は例えば、TiO、N
、RhO、Cr、Ta及びSiC
が挙げられ、これらはすべてAlInGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりも屈
折率の大きい材料である。さらにTiO2は、吸収の効
果があると共に、窒化物半導体層に対して密着性の高い
材料であることから最も好ましい材料である。
【0032】さらに第2の絶縁膜の膜厚は、好ましくは
200オングストローム以上とし、さらに好ましくは1
500オングストローム以上とし、最も好ましくは15
00オングストローム以上、5000オングストローム
以下とする。膜厚を上記範囲にすることで、戻り光およ
び漏れ光を効率的に減少させることができる。1500
オングストローム以上とする理由は、窒化物半導体とし
て、GaNを用いた場合、レーザ発振波長が400nm
(4000オングストローム)、GaNの屈折率が2.
5であることから、少なくとも1480オングストロー
ムの膜厚がなければ、光の導波、吸収が効果的に起こら
ないからで、第2の絶縁膜の膜厚がこれより小さくなる
と、光は放射してしまう。すなわち、具体的には(レー
ザの発振波長/活性層の井戸層の屈折率)で、算出した
値が下限の膜厚として必要である。また、p側パッド電
極の屈折率が第2の絶縁膜の屈折率よりも大きい場合、
第2の絶縁膜を5000オングストロームよりも小さく
することで、第2の絶縁膜上に形成されているp側パッ
ド電極でも光を吸収させ、戻り光および漏れ光をさらに
減少させることができる。
【0033】また、第2の絶縁膜の膜厚は好ましくは1
500オングストロームとするが、p側パッド電極の膜
厚が500オングストローム以上で形成する場合、第2
の絶縁膜の膜厚は200オングストローム以上あればよ
い。第2の絶縁膜は1500オングストロームより小さ
いと光を放出してしまうが、放出した光はp側パッド電
極で吸収されるようになり、戻り光及び漏れ光を減少さ
せる効果はあり、p側パッド電極の膜厚によっては、第
2の絶縁膜を200オングストローム以上とすることが
可能である。この第2の絶縁膜の下限値を200オング
ストロームとする理由は窒化物半導体層が少なくとも完
全に外部(パッド電極など)と絶縁できる下限値だから
である。
【0034】また第2の絶縁膜は、リッジストライプか
ら離れたp型光ガイド層の表面(エッチング露出面)か
ら連続して導波路領域の共振器面と異なる側面にまで形
成する。すなわち共振器長と垂直な方向となる、導波路
領域の横方向の端面にも第2の絶縁膜を形成する。導波
路領域の横方向の端面に第2の絶縁膜を形成すること
で、横方向の端面でも光を吸収することができ、さらに
漏れ光および戻り光を減少させることができる。
【0035】(第1の絶縁膜:絶縁性を有する第1の
膜)本発明において、第1の絶縁膜(絶縁性を有する第
1の膜)は導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する
材料であり、例えばAlInGa1−X−YN(0
≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりも屈折率の小さい材料
として、ZrO、SiOなどが挙げられる。特にZ
rOは窒化物半導体層に対して密着性が高いことから
も好ましい材料である。
【0036】(エッチングによるリッジストライプ形
成)本発明において、リッジストライプはp型コンタク
ト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまで形
成する。少なくともp型クラッド層が露出するまでエッ
チングすることで、レーザ発振できる程度に高屈折領域
と低屈折領域との屈折率差を設けることができる。さら
にp型窒化物半導体層側から、p型コンタクト層、p型
クラッド層、さらにp型光ガイド層の一部を除去して形
成することが好ましい。このときエッチングの深さは、
活性層に達しない深さとする。好ましくはp型光ガイド
層のリッジストライプ部の膜厚を100オングストロー
ム以上とすることにより、良好なビーム形状を有するレ
ーザ素子を得ることができる。さらに好ましくは500
オングストローム以上とすることで、その出力におい
て、高出力でも単一モード発振が可能である、そのた
め、レーザ素子の応用において必要とされる素子の信頼
性を十分に確保できるものとなる。
【0037】さらに本発明において、リッジストライプ
の形状としては、順メサ型、逆メサ型のどちらでもよい
が、順メサ型(活性層から離れるにつれてリッジストラ
イプ幅が狭くなる)とすることで、良好な横モードの制
御が実現できる傾向にあり好ましい。
【0038】本発明において、リッジストライプを形成
する際、またリッジストライプ形成時のみでなく、窒化
物半導体をエッチングする際においては、ウェットエッ
チング、ドライエッチング等の方法があり、例えばドラ
イエッチングの方法として、反応性イオンエッチング
(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIB
E)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオ
ンビームエッチング等の装置があり、いずれもエッチン
グガスを適宜選択することで、窒化物半導体をエッチン
グすることができる。
【0039】さらにリッジストライプはレーザ出射面か
ら反射面に架けてリッジストライプ幅が広くなるような
テーパ状に形成してもよい。リッジストライプをテーパ
状にすることによって、水平横モードと垂直横モードと
もにシングルモードが得られ、良好なFFPとなり、本
発明のリップルの低減されたレーザ素子の効果をさらに
増すものとなり好ましい。
【0040】また本発明においてリッジストライプの幅
は、1〜3μmに調整する。リッジストライプの幅を上
記範囲にすることで、単一モードで安定した横モードで
の発振が可能となる。ストライプの幅が、1μm未満で
あるとストライプの形成が困難になり、3μm以上であ
ると横モードが多モードになる傾向にあり、上記1〜3
μmの範囲外にあると、本発明の構造でも安定した横モ
ードにならない傾向にある。好ましくは1.2〜2μm
の範囲にすることで、更に光出力の高い領域での横モー
ドの安定性が増加する。
【0041】(p側パッド電極)本発明において、p側
パッド電極は第2の膜上、さらにp側オーミック電極上
に、それぞれに接して形成されている。このp側パッド
電極は金属からなり、単一の層であってもよく、多層で
あってもよい。p側パッド電極が金属であることから、
第2の膜だけでなくp側パッド電極でも効率よく光を吸
収させ、戻り光および漏れ光をさらに減少させることが
でき、最も好ましい。
【0042】p側パッド電極の膜厚は少なくとも500
オングストローム以上であることが好ましい。上記膜厚
が500オングストローム以上であると、光の吸収が効
率よく行われる。さらに好ましくは2000オングスト
ローム以上とすることで、p型窒化物半導体層表面での
電流を均一に流せるようになり、さらに好ましくは50
00オングストローム以上とすることで、実装時のワイ
ヤーボンディングを容易に行うことができ、信頼性、歩
留が向上する。
【0043】また、本発明は他の実施の形態として、図
3のようなリッジストライプを形成した際に露出した露
出面を、さらにエッチングすることでも本発明の目的を
達成できる。この場合、第2の膜は絶縁膜であることが
好ましく、また第1の絶縁膜から離れた位置において、
少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出す
るまで窒化物半導体をエッチングする。第1の絶縁膜か
ら離れた位置とは第1の絶縁膜が形成されていないエッ
チング露出面上のいずれかの位置のことであり、好まし
くはリッジストライプの側面の最下部からの距離が5μ
m以上であり、さらに好ましくは6μm〜8μmの位置
である。5μm以下にすると光の閉じ込め効果が大きく
なり、光が集中し過ぎて端面破壊が起こりやすくなって
しまう。このようにエッチングすると、導波路領域の横
方向の端面に絶縁性を有する第2の膜と、さらにはp側
パッド電極が順に形成された構造となる。端面に絶縁性
を有する第2の膜と金属からなるp側パッド電極とが形
成されることで、横方向に導波して端面で反射する戻り
光および漏れ光をさらに減少させることができる。
【0044】さらに上記リッジストライプを形成した際
に露出した露出面をエッチングする際、窒化物半導体の
成長方向に対して傾斜を設けるようにエッチングするこ
とが好ましい。窒化物半導体の成長方向に対して平行に
エッチングして形成された端面では、リッジストライプ
下部の導波路領域で発振したレーザ光は、反射して再び
導波路領域を進むことになり、リップル発生の原因とな
るが、傾斜を設けて端面を形成することで、反射した光
は再び導波路領域を進むことがなくなり、第2の膜とし
て、絶縁性を有する膜、金属からなる膜、窒化物半導体
からなる膜いずれの場合でも、設ける効果は絶大とな
る。
【0045】このように傾斜を設けることは、上記図2
(さらには以下に示す図8および図9)を用いて示した
リッジストライプを形成した際に露出した露出面をエッ
チングしない場合でも用いることができ、その場合は、
p型窒化物半導体層まで積層後、n型窒化物半導体層を
露出させてn側オーミック電極等のn側電極を形成する
ためのエッチングの際に、導波路領域の端面を窒化物半
導体層の成長方向に対して傾斜して設けることで、同様
の効果が得られる。
【0046】また、本発明の多重量子井戸構造の活性層
のうち、井戸層はAlInGa1−X−YN(0≦
X、0≦Y、X+Y<1)を用いることができるが、好
ましくはInGa1−YN(0<Y<1)を用いるこ
とができる。
【0047】本発明で課題とされているリップルは42
0nm以下で発振する窒化物半導体レーザ素子の場合に
顕著に発生する。これは多重量子井戸からなる活性層の
井戸層の組成に大きく関係し、420nmより長い範囲
で発振する窒化物半導体レーザ素子はInGa1−p
N(0<p<1)において、Inの混晶比が大きいの
で、Inの組成不均一が大きく、導波路領域での内部ロ
スが大きくなり、端面で反射してきた戻り光、さらには
導波路領域から漏れた漏れ光は、420nm以下で発振
するレーザ素子と比べて小さい。よって、本発明は特に
420nm以下で発振する窒化物半導体レーザにおいて
特に効果を発揮するものである。
【0048】また、本発明において第2の膜は、リッジ
ストライプから離れた露出面に形成されるが、これは少
なくともリッジストライプから0.5μm離れた露出面
から外側に向けて形成されるものであり、この距離を好
ましくは1μm以上2μm以下に設けることで、最も有
効に戻り光および漏れ光を減少させることができる。
【0049】本発明において、その他の層の構成、およ
び層の形成方法などは、特に限定せず、従来知られてい
る窒化物半導体レーザ素子の構成、形成方法を用いるこ
とができる。
【0050】(実施の形態2)次に示す実施の形態2
は、実施の形態1において、第2の絶縁膜のみを金属か
らなる第2の膜とした形態であり、他の構成、またはそ
れによる効果等は実施の形態1と同様である。
【0051】第2の膜として用いる金属としては導波路
領域の屈折率よりも大きい値を有するものであればよ
く、さらに好ましくはレーザ発振波長の光を吸収するも
のであることが好ましい。具体的に好ましい材料として
は、Nbであり、これらの材料は、横方向に導波した光
を金属からなる第2の膜と接する部位で、金属からなる
第2の膜の方に進み、金属からなる第2の膜を導波する
(図4)。このように金属からなる第2の膜を導波する
ことにより戻り光を減少させることができ、また以下の
ように金属からなる第2の膜をレーザ発振波長の光を吸
収する材料を選択するか、金属からなる第2の膜上に金
属からなるp側パッド電極を形成することにより、漏れ
光を減少させることができる。
【0052】第2の膜として金属を用いる場合、好まし
い膜厚としては、200オングストローム以上とし、さ
らに好ましくは1500オングストローム以上、500
0オングストローム以下とする。膜厚を上記範囲にする
ことで、戻り光及び漏れ光を効率的に減少させることが
できる。1500オングストローム以上とする理由は、
上記第2の膜を絶縁膜とした場合と同じ理由であり、5
000オングストローム以下とすることで、金属からな
る第2の膜上に設けるp側パッド電極でも光を吸収さ
せ、戻り光及び漏れ光をさらに減少させることができ
る。
【0053】しかしながら、第2の膜として金属からな
る膜を設ける場合、図8、9に示すように、第2の膜上
に形成されるp側パッド電極は金属からなる第2の膜と
の間に絶縁膜を介して形成される。このp側パッド電極
と金属からなる第2の膜との間に形成される絶縁膜は、
図8のように、リッジストライプ近傍およびリッジスト
ライプ側面に形成された絶縁性を有する第1の膜が、リ
ッジストライプ側面から連続して形成されたものでもよ
いし、図9のように、絶縁性を有する第1の膜と異なる
材料からなる絶縁性を有する第3の膜が形成されたもの
でもよい。p側パッド電極と金属からなる第2の膜との
間に形成される絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜とした
場合、製造工程が簡略化される点で好ましいが、異なる
材料とした場合、リッジストライプから離れた位置に置
いて導波路上に順に形成される金属からなる第2の膜、
絶縁膜、p側パッド電極の3層を導波路から離れるにし
たがって、屈折率が導波路領域の屈折率よりも段階的に
大きくなるように材料を適宜選択することができ、本発
明の効果として特に大きいものが得られる。具体的に最
も好ましい材料の構成としては、第2の膜をNb、絶縁
膜をSiO、p側パッド電極をRhOである。またp
側パッド電極のRhOは、NiとAuの合金を1500
オングストローム以下(例えばNiを100オングスト
ロームとAuを1400オングストローム)の膜厚で形
成することで、段階的に屈折率が大きくなるという特性
を損ねることなく、パッド電極のはがれ防止効果も具備
することができる。
【0054】(実施の形態3)次に示す実施の形態3
は、実施の形態1において、第2の膜を、絶縁性を有す
るものや金属ではなく、半導体からなる膜としたものあ
る。他の構成、またはそれによる効果等は実施の形態1
と同様である。
【0055】第2の膜として用いる半導体としては導波
路領域の屈折率と等しいか、それよりも大きい値を有す
るものであればよく、さらに好ましくはレーザ発振波長
の光を吸収するものであることが好ましい。レーザ発振
波長の光を吸収するものとは、言い換えると、多重量子
井戸層のうち、井戸層のバンドギャップエネルギーに等
しいか、それよりも小さいバンドギャップエネルギーの
窒化物半導体であり、第2の膜として、井戸層のバンド
ギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネル
ギーの窒化物半導体を用いると、漏れ光を吸収させる効
果は全く起こらない。またこの第2の膜は、同じ窒化物
半導体層上に形成するので、結晶性よく形成することが
できる。
【0056】さらに第2の膜として用いる半導体の好ま
しい材料を具体的に説明すると、上記記載の井戸層のバ
ンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエ
ネルギーの窒化物半導体として、井戸層のバンドギャッ
プエネルギーとの差が0.1eV以上0.3eV以下で
形成することを特徴とする。井戸層がInGa1−
N(0<X≦1)の場合、第2の膜はInGa1−Z
N(0<Z<1かつX<Z)となり、必ずInを含むも
のとなり、InGaN形成時のInは混晶比が大きいほ
ど、Inの偏析が起こりやすいという公知の事実から、
Inは吸収係数が大きいので、吸収させるという効果が
顕著にあらわれる。しかしながら、InGaNのInの
混晶比を大きくしすぎると第2の膜の結晶表面があれて
しまい、その上に形成するパッド電極、または絶縁膜が
はがれやすくなってしまうので、好ましくなくこれらの
ことから、上記0.1eV以上0.3eVとすることが
好ましい。
【0057】これらの材料を適宜選択し用いることで、
横方向に導波した光が、窒化物半導体からなる第2の膜
と接する部位で、第2の膜の方に進み、第2の膜を導波
する(図4)。このように窒化物半導体からなる第2の
膜を導波することにより戻り光を減少させることができ
る。
【0058】第2の膜として半導体を用いる場合、好ま
しい膜厚としては、200オングストローム以上、20
00オングストローム以下とすることで、戻り光および
漏れ光を効率的に減少させることができる。とくにIn
Ga1−ZN(0<Z<1)を用いる場合は、500
オングストローム以上1500オングストローム以下と
する。500オングストローム以上とすることで、In
GaNがほぼ均一な膜厚で形成され、戻り光および漏れ
光を減少させる効果を再現性よく発揮することができ、
1500オングストローム以下とすることで、第2の膜
の表面があれることなく、その上に形成する材料との密
着性も良くなる。ここで、第2の膜をInGaNとする
場合、金属や絶縁性を有する膜を設ける場合よりも薄く
形成できるが、これはバンド端吸収によるもので、表面
をあらすことなく吸収させるという両者の効果を奏す
る。
【0059】また窒化物半導体からなる第2の膜上に金
属からなるp側パッド電極を形成することにより、さら
に漏れ光を減少させることができる。しかしながら、第
2の膜として窒化物半導体からなる膜を設ける場合、第
2の膜上に形成されるp側パッド電極は窒化物半導体か
らなる第2の膜との間に絶縁膜を介して形成される。こ
のp側パッド電極と窒化物半導体からなる第2の膜との
間に形成される絶縁膜は、図8に示すように、リッジス
トライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成された
絶縁性を有する第1の膜が、リッジストライプ側面から
連続して形成されたものでもよいし、図9に示すよう
に、絶縁性を有する第1の膜と異なる材料からなる絶縁
性を有する第3の膜が形成されたものでもよい。p側パ
ッド電極と窒化物半導体からなる第2の膜との間に形成
される絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜とした場合、製
造工程が簡略化される点で好ましいが、異なる材料とし
た場合、リッジストライプから離れた位置において導波
路上に順に形成される窒化物半導体からなる第2の膜、
絶縁膜、p側パッド電極の3層を導波路から離れるにし
たがって、屈折率が導波路領域の屈折率よりも段階的に
大きくなるように材料を適宜選択することができ、本発
明の効果として特に大きいものが得られる。具体的に好
ましい3層の構成としては、第2の膜をInGaN(井
戸層のInGa1−XN(0<X≦1)よりもバンド
ギャップエネルギーが小さく、その差が0.1eV以上
0.3eV以下のInGaN)、絶縁膜をSiO、p
側パッド電極をRhOである。またp側パッド電極のR
hOは、NiとAuの合金を1500オングストローム
以下(例えばNiを100オングストロームとAuを1
400オングストローム)の膜厚で形成することで、段
階的に屈折率が大きくなるという特性を損ねることな
く、パッド電極のはがれ防止効果もさらに増大すること
ができる。
【0060】以下に実施例を示すが、いうまでもなく、
窒化物半導体レーザ素子の構造、および形成方法はこれ
に限るものではない。
【0061】
【実施例】[実施例1]図2は本発明の一実施例に係る
レーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライ
プ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示す
ものである。以下、この図を基に実施例1について説明
する。
【0062】図2には、窒化物半導体と異なる異種基板
101上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる
下地層102、SiドープのGaNよりなるn型コンタ
クト層103、クラック防止層104、アンドープのA
lGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型ク
ラッド層105、アンドープGaNよりなるn型光ガイ
ド層106、SiドープのInGaNからなる障壁層と
アンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積
層することで、多重量子井戸を構成する活性層107、
MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層10
8、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層10
9、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超
格子からなるp型クラッド層110、MgドープのGa
Nよりなるp型コンタクト層111が順に積層された積
層構造となっており、n型コンタクト層103が露出さ
れ、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層110
が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが
形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リ
ッジストライプ近傍、すなわちリッジストライプ側面か
ら連続してなるp型クラッド層露出面のうちリッジスト
ライプに近い側、およびリッジストライプ側面には第1
の絶縁膜301が、またリッジストライプから離れた位
置、すなわちリッジストライプ側面から連続してなるp
型クラッド層露出面のうちリッジストライプから遠い側
に、導波路領域の共振器面と異なる側面にまで第2の絶
縁膜302が形成されている。言いかえればp型窒化物
半導体層露出面のうち、第1の絶縁膜301はリッジス
トライプに接して設けられており、第2の絶縁膜302
はリッジストライプに接しないで設けられている。さら
に、電極としてp側には、第1の絶縁膜及びリッジスト
ライプ上部のp型窒化物半導体層露出面にはp側オーミ
ック電極201が、またp側オーミック電極201上お
よび第1、第2の絶縁膜上にはp側パッド電極202が
設けられ、n側には、n型コンタクト層上にはn側オー
ミック電極203、n側オーミック電極203上および
第2の絶縁膜上にはn側パッド電極204が設けられて
いる。
【0063】ここで、本実施例では、基板として窒化物
半導体と異なる異種基板101を用いているが、GaN
基板などの窒化物半導体からなる基板を用いても良い。
ここで、異種基板としては、例えば、C面、R面、及び
A面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(M
gA1のような絶縁性基板、SiC(6H、4
H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、
及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物
半導体を成長させることが可能で従来から知られてお
り、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができ
る。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネル
が挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしてい
てもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたもの
を用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性
よく成長させるため好ましい。更に、異種基板を用いる
場合には、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる
窒化物半導体を成長させた後、異種基板を研磨などの方
法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子
構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種
基板を除去する方法でも良い。
【0064】基板として、(0001)C面を主面とす
るサファイア基板を用いた。この時、オリフラ面はA面
であった。窒化物半導体を成長させる基板としては、サ
ファイア(主面がC面、R面、A面)の他、SiC、Z
nO、スピネル(MgAl )、GaAs等、窒化
物半導体を成長させるために知られている、窒化物半導
体と異なる材料よりなる異種基板を用いることができ
る。また、GaNなどの窒化物半導体からなる基板上に
直接積層しても良い。
【0065】(バッファ層)1インチφ、C面を主面と
するサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容
器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガ
リウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、Ga
Nよりなるバッファ層(図示せず)を200Åの膜厚で
成長させる。
【0066】(下地層102)バッファ層成長後、温度
を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アン
ドープGaNよりなる下地層102を4μmの膜厚で成
長させる。この層は、素子構造を形成する各層の成長に
おいて基板として作用する。このように、異種基板上
に、窒化物半導体の素子構造を形成する場合には、低温
成長バッファ層、窒化物半導体の基板となる下地層を形
成すると良い。
【0067】(n型コンタクト層103)次に、アンモ
ニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、窒
化物半導体基板1の上に、1050℃でSiを3×10
18/cmドープしたGaNよりなるn型コンタクト
層103を4μmの膜厚で成長させる。
【0068】(クラック防止層104)次に、TMG、
TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、
温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nより
なるクラック防止層104を0.15μmの膜厚で成長
させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0069】(n型クラッド層105)続いて、105
0℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、ア
ンモニアを用い、アンドープAl0.16Ga0.84
Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMA
を止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/c
ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で
成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構
成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn型クラッド
層105を成長させる。
【0070】(n型光ガイド層106)続いて、シラン
ガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn
型光ガイド層106を0.2μmの膜厚で成長させる。
このn型光ガイド層8にn型不純物をドープしても良
い。
【0071】(活性層107)次に、温度を800℃に
して、SiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる
障壁層を100Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度
で、アンドープIn0. Ga0.8Nよりなる井戸層
を40Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回
交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚380Å
の多重量子井戸構造(MQW)の活性層107を成長さ
せる。活性層は本実施例のようにアンドープでもよい
し、またn型不純物及び/又はp型不純物をドープして
も良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良
く、いずれか一方にドープしてもよい。なお障壁層にの
みn型不純物をドープすると閾値が低下しやすい。
【0072】(p側キャップ層108)次に、温度を1
050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp
Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p
型光ガイド層11よりもバンドギャップエネルギーが大
きい、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al
0.3Ga0.7Nよりなるp側キャップ層108を3
00Åの膜厚で成長させる。
【0073】(p型光ガイド層109)続いてCp
g、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネ
ルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープ
GaNよりなるp型光ガイド層109を0.2μmの膜
厚で成長させる。
【0074】このp型光ガイド層109は、アンドー
プ、すなわち意図的にドープしない状態で成長させる
が、p側キャップ層、p型クラッド層の隣接する層から
のMg拡散が起こり、実際にはMg濃度が5×1016
/cmとなり、Mgがドープされた層となる。
【0075】(p型クラッド層110)続いて、TMA
を流し、1050℃でアンドープAl0.16Ga
0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続い
てTMAを止め、CpMgを流し、MgドープGaN
よりなる層を25Åの膜厚で成長させ、繰り返し積層す
ることで、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp型ク
ラッド層110を成長させる。p型クラッド層は少なく
とも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバ
ンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層
した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方の層
に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性
が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープして
も良い。クラッド層110は、Alを含む窒化物半導体
層、好ましくはAlGa1−XN(0<X<1)を含
む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくは
GaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。p
型クラッド層110を超格子構造とすることによって、
クラッド層全体のAl混晶比を上げることができるの
で、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらにバン
ドギャップエネルギーが大きくなるので、閾値を低下さ
せる上で非常に有効である。さらに、超格子としたこと
により、クラッド層自体に発生するピットが超格子にし
ないものよりも少なくなるので、ショートの発生も低く
抑えることができる。
【0076】(p型コンタクト層111)最後に、10
50℃で、p型クラッド層110の上に、Mgを1×1
20/cmドープしたp型GaNよりなるp型コン
タクト層111を150Åの膜厚で成長させる。p型コ
ンタクト層はp型のInAlGa1−X−YN(0
≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好
ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極20
1と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタク
ト層111は電極を形成する層であるので、1×10
17/cm以上の高キャリア濃度とすることが望まし
い。1×1017/cmよりも低いと電極と好ましい
オーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコ
ンタクト層の組成をGaNとすると、電極材料と好まし
いオーミックが得られやすくなる。
【0077】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
たウエーハを反応容器から取り出し、最上層のp型コン
タクト層の表面にSiOよりなる保護膜を形成して、
RIE(反応性イオンエッチング)を用いSiCl
スによりエッチングし、図2に示すように、n電極を形
成すべきn型コンタクト層103の表面を露出させる。
このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護
膜としてSiOが最適である。
【0078】次にストライプ状のリッジストライプ導波
路を形成する方法について説明する。まず、図5(a)
に示すように、p型窒化物半導体層401の最上層のp
型コンタクト層のほぼ全面に、スパッタ装置などのPV
D装置により、Si酸化物(主として、SiO)より
なる第1の保護膜402を0.5μmの膜厚で形成した
後、第1の保護膜402の上に所定の形状のマスクをか
け、フォトレジストよりなる第2の保護膜403を、ス
トライプ幅2μm、厚さ1μmで形成する。ここで、第
1の保護膜402は、特に絶縁性は問わず、窒化物半導
体のエッチング速度と差がある材料であればどのような
材料でも良い。例えばSi酸化物(SiOを含む)、
フォトレジスト等が用いられ、好ましくは、後に形成す
る第1の絶縁膜との溶解度差を設けるために、第1の絶
縁膜よりも酸に対して溶解されやすい性質を有している
材料を選択する。酸としてはフッ酸を好ましく用い、そ
のためフッ酸に対して溶解しやすい材料として、Si酸
化物を好ましく用いる。
【0079】次に、図5(b)に示すように第2の保護
膜403形成後、RIE(反応性イオンエッチング)装
置により、CFガスを用い、第2の保護膜403をマ
スクとして、前記第1の保護膜402をエッチングし
て、ストライプ状とする。
【0080】その後エッチング液で処理してフォトレジ
ストのみを除去することにより、p型コンタクト層の上
にストライプ幅2μmの第1の保護膜402が形成でき
る。
【0081】さらに、図5(c)に示すように、ストラ
イプ状の第1の保護膜402形成後、再度RIEにより
SiClガスを用いて、p型コンタクト層、およびp
型クラッド層、p型光ガイド層をエッチングして、p型
光ガイド層のエッチングされた領域(リッジストライプ
部以外の領域)における膜厚が1000Åとなる深さの
ストライプ状の導波路領域として、リッジストライプを
形成する。
【0082】さらに、図5(d)に示すように、リッジ
ストライプ形成後、さらにリッジストライプから離れた
位置に、所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよ
りなる第3の保護膜404を形成する。第3の保護膜は
第2の保護膜と同様の材料を用いるのが好ましい。
【0083】第3の保護膜404を形成後、ウエーハを
スパッタ装置などのPVD装置に移送し、図5(e)に
示すように、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる
第1の絶縁膜405を、第1の保護膜402の上と、エ
ッチングにより露出されたp型光ガイド層の上(リッジ
ストライプ部以外の領域)と、第3の保護膜404上に
0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0084】ここで、第1の絶縁膜405の材料として
はSiO以外の材料、好ましくはZrO、Ta
、AlNを用いることが望ましい。これらの材料は導
波路を形成する窒化物半導体よりも屈折率が小さい材料
である。また、フッ酸に対しても多少溶解する性質を有
しているものもあるが、レーザ素子の絶縁層にすれば埋
め込み層としてSiOよりもかなり信頼性が高くなる
傾向にある。またPVD、CVDのような気相で成膜し
た酸化物系薄膜は、その元素と酸素とが当量反応した酸
化物となりにくいので、酸化物系薄膜の絶縁性に対する
信頼性が不十分となりにくい傾向にあるが、本発明で選
択した前記元素のPVD、CVDによる酸化物、BN、
SiC、AlNはSi酸化物よりも絶縁性に対して信頼
性に優れている傾向にある。しかも酸化物の屈折率を窒
化物半導体よりも小さいもの(例えばSiC以外のも
の)を選択すると、レーザ素子の埋め込み層として非常
に都合がよい。さらにまた、第1の保護膜402をSi
酸化物とすると、Si酸化物に対して、フッ酸による選
択性を有しているため、図5(e)に示すようにストラ
イプ導波路の側面、そのストライプが形成されている平
面(エッチストップ層)、及び第1の保護膜402の表
面に連続して形成すると、リフトオフ法により、第1の
保護膜402のみを除去すると、図5(f)に示すよう
な、平面に対して膜厚が均一な第1の絶縁膜405を形
成することができる。
【0085】第1の絶縁膜405形成後、ウエーハを6
00℃で熱処理する。このようにSiO以外の材料を
第1の絶縁膜として形成した場合、第1の絶縁膜成膜後
に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半
導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することに
より、第1の絶縁膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ
酸)に対して溶解しにくくなり、この工程を加えること
がさらに望ましい。
【0086】次に、ウエーハをフッ酸に浸漬し、図5
(f)に示すように、第1の保護膜402をリフトオフ
法により除去する。
【0087】次に図6(a)に示すように、p型コンタ
クト層の上の第1の保護膜402が除去されて露出した
そのp型コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電
極406を形成する。但しp電極406は100μmの
ストライプ幅として、この図に示すように、第1の絶縁
膜405の上に渡って形成する。第1の絶縁膜形成後、
既に露出させたn型コンタクト層103の表面にはTi
/Alよりなるn側オーミック電極203をストライプ
と平行な方向で形成する。
【0088】次に図6(b)に示すように、第3の保護
膜404を除去し、p型窒化物半導体層を露出させる。
【0089】次に図6(c)に示すように、p側オーミ
ック電極上と、n側オーミック電極の一部とを覆うよう
にフォトレジストからなる第4の保護膜407を形成す
る。
【0090】第4の保護膜407を形成後、ウエーハを
スパッタ装置などのPVD装置に移送し、図6(d)に
示すように、TiOよりなる第2の絶縁膜408を全
面(、さらに全面から導波路領域の共振器面と異なる側
面まで連続して)に形成し、さらに図6(e)に示すよ
うに、第4の保護膜407を除去することでリッジスト
ライプ近傍と、n側オーミック電極上の第2の絶縁膜を
除去する。
【0091】次に、p、n電極上にNi−Ti−Au
(1000Å−1000Å−8000Å)よりなるp側
パッド電極202およびn側パッド電極204をそれぞ
れ形成する。
【0092】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウエーハのサファイア基板を研磨して70μmと
した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側か
らバー状に劈開し、劈開面((11−00)面、六方晶
系の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。こ
の共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜
を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断し
て図2に示すようなレーザ素子とする。なおこの時の共
振器長は800μmであった。
【0093】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.5であっ
た。さらに図10は本実施例と比較例1との水平横モー
ドにおけるFFPを比較したものであるが、これを見て
もわかるように、第2の絶縁膜を形成したことで、戻り
光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比
べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0094】[実施例2]図3は本発明の他の実施例に
係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありスト
ライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を
示すものである。以下、この図をもとに実施例2につい
て説明する。
【0095】図3には、実施例1と同様に積層された積
層構造であり、n型コンタクト層103が露出され、ま
たp型窒化物半導体層が、p型光ガイド層109が露出
するまでエッチングされて、リッジストライプが形成さ
れており、さらにリッジストライプを形成した際の露出
面であるp型光ガイド層109を、第1の絶縁膜301
から離れた位置に置いて、n型光ガイド層106が露出
するまでエッチングされている。そして、絶縁性を有す
る第1の膜301がp型窒化物半導体層露出面のうち、
リッジストライプ近傍、すなわちリッジストライプ側面
から連続してなるp型光ガイド層露出面のうちリッジス
トライプに近い側、およびリッジストライプ側面に形成
され、またリッジストライプから離れた位置、すなわち
リッジストライプ側面から連続してなるp型光ガイド層
露出面のうちリッジストライプから遠い側および、p型
光ガイド層露出面をエッチングして形成された導波路領
域の横方向の端面および該端面から連続してn型光ガイ
ド層露出面に絶縁性を有する第2の膜302が形成され
ている。
【0096】まずリッジストライプを形成するまでは実
施例1と同様にして形成する。リッジストライプ形成
後、リッジストライプの側面の最下部からの距離が7μ
mより内側をフォトレジストおよびZrOでマスク
し、7μmより外側を、n型光ガイド層の表面が露出す
るまでエッチングする。
【0097】その後は、実施例1と同様に、p側オーミ
ック電極、n側オーミック電極、TiOよりなる第2
の絶縁膜、p側パッド電極、n側パッド電極を形成す
る。このとき第2の絶縁膜はp型光ガイド層露出面から
導波路領域の共振器面と異なる側面、さらにn型コンタ
クト層露出面にまで渡って形成される。
【0098】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウエーハのサファイア基板を研磨して70μmと
した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側か
らバー状に劈開し、劈開面((11−00)面、六方晶
系の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。こ
の共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜
を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断し
て図3に示すようなレーザ素子とする。なおこの時の共
振器長は800μmであった。
【0099】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.5であっ
た。さらに第2の絶縁膜を形成したことで、戻り光およ
び漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリ
ップルの発生を大幅に抑制できる。
【0100】[比較例1]各層を積層したあと、図7の
ように第2の絶縁膜を形成しないで、リッジストライプ
から離れた位置の窒化物半導体上には第1の絶縁膜40
5が接するように形成される以外は、実施例1と同様に
して窒化物半導体レーザ素子を得る。得られたレーザ素
子は、発振波長400〜420nm、発振しきい値電流
密度2.9kA/cmにおいて単一横モードで発振し
たが、水平横モードのFFPはリップルが発生するもの
となる。
【0101】[実施例3]図8は本発明の他の実施例に
かかるレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありス
トライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造
を示すものである。
【0102】図8には、窒化物半導体と異なる異種基板
501上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる
下地層502、SiドープのGaNよりなるn型コンタ
クト層503、クラック防止層504、アンドープのA
lGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型ク
ラッド層505、アンドープGaNよりなるn型光ガイ
ド層506、SiドープのInGaNからなる障壁層と
アンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積
層することで、多重量子井戸を構成する活性層507、
MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層50
8、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層50
9、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超
格子からなるp型クラッド層510、MgドープのGa
Nよりなるp型コンタクト層511が順に積層された積
層構造となっており、n型コンタクト層503が露出さ
れ、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層510
が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが
形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リ
ッジストライプから離れた位置に第2の膜702として
Nbが形成されており、さらに残りのp型窒化物半導体
層露出面、リッジストライプの側面および第2の膜上お
よび導波路領域の共振器面と異なる側面には絶縁膜70
1が形成されている。
【0103】まずリッジストライプを形成するまでは実
施例1と同様にして形成する。次に、フォトレジストを
全面に塗布し、p型窒化物半導体露出面のうち、リッジ
ストライプから離れた位置において、第2の膜形成部を
露光により露出させる。
【0104】つぎにウエーハをスパッタ装置に入れ、ス
ッパッタリングによりNbを300オングストロームの
膜厚で形成した後、エッチング液で処理してフォトレジ
ストのみを除去する。
【0105】さらにウエーハをスパッタ装置などのPV
D装置に移送し、Zr酸化物(主としてZrO)より
なる絶縁性を有する第1の膜701を、第1の保護膜
(マスク)の上と、エッチングにより露出されたp型光
ガイド層の上(リッジストライプ部以外の領域)と、第
2の膜上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0106】第1の膜形成後、ウエーハを600℃で熱
処理する。熱処理以降は実施例1と同様にしてレーザ素
子を得る。なおこの時の共振器長は800μmであっ
た。
【0107】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.8であっ
た。さらに図11は本実施例と比較例1との水平横モー
ドにおけるFFPを比較したものであるが、これを見て
もわかるように、第2の膜として金属のNbを形成した
ことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、
比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0108】[実施例4]図8は実施例3で、第2の膜
として金属のNbを用いるときのレーザ素子の構造を示
す模式的な断面図であるが、これを用いて実施例4を説
明する。実施例4は第2の膜として半導体のInGaN
が形成されたものである。
【0109】まずリッジストライプを形成するまでは実
施例1と同様にして形成する。次に、p型窒化物半導体
露出面全面に、ZnOよりなる保護膜を形成する。この
ときZnOよりなる保護膜は、リッジストライプから離
れた位置において、第2の膜形成部を除いて形成する。
続いてMOVPE装置でInGaNを750オングスト
ロームの膜厚でリッジストライプ部、ZnO膜上、p型
窒化物半導体層露出面の全面に形成する。そしてウエー
ハをリン酸と硫酸の混合溶液に浸漬してZnO膜を除去
する。
【0110】次に、ウエーハをスパッタ装置などのPV
D装置に移送し、Zr酸化物(主としてZrO)より
なる絶縁性を有する第1の膜を、第1の保護膜(マス
ク)の上と、エッチングにより露出されたp型光ガイド
層の上(リッジストライプ部以外の領域)と、第2の膜
上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0111】第1の膜405形成後、ウエーハを600
℃で熱処理する。熱処理以降は実施例1と同様にしてレ
ーザ素子を得る。なおこの時の共振器長は800μmで
あった。
【0112】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.7であっ
た。さらに図12は本実施例と比較例1との水平横モー
ドにおけるFFPを比較したものであるが、これを見て
もわかるように、第2の膜として窒化物半導体のInG
aNを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させ
ることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅
に抑制できる。
【0113】[実施例5]図9は本発明の他の実施例に
かかるレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありス
トライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造
を示すものである。
【0114】図9には、窒化物半導体と異なる異種基板
501上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる
下地層502、SiドープのGaNよりなるn型コンタ
クト層503、クラック防止層504、アンドープのA
lGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型ク
ラッド層505、アンドープGaNよりなるn型光ガイ
ド層506、SiドープのInGaNからなる障壁層と
アンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積
層することで、多重量子井戸を構成する活性層507、
MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層50
8、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層50
9、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超
格子からなるp型クラッド層510、MgドープのGa
Nよりなるp型コンタクト層511が順に積層された積
層構造となっており、n型コンタクト層503が露出さ
れ、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層510
が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが
形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リ
ッジストライプから離れた位置に第2の膜302として
Nbが形成されており、さらに残りのp型窒化物半導体
層露出面、リッジストライプの側面には、絶縁性を有す
る第1の膜701としてZrOが形成されており、第
2の膜上および導波路領域の共振器面と異なる側面には
第1の膜701と異なる絶縁性を有する第3の膜703
としてSiOが形成されている。
【0115】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.7であっ
た。さらに第2の膜として金属のNbを形成したこと
で、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較
例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0116】[実施例6]実施例6は第2の膜としてI
nGaNを用いるもので、他の構成は実施例5および図
9で示すものと同じである。なお、このときのInGa
Nの形成方法は実施例4と同様にする。
【0117】このレーザ素子をヒートシンクに設置し、
それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜42
0nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおい
て単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFP
を測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同
程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.6であっ
た。さらに第2の膜702として窒化物半導体のInG
aNを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させ
ることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅
に抑制できる。
【0118】
【発明の効果】以上のように、本発明では導波路領域に
おいてリッジストライプから離れた位置において、戻り
光および漏れ光を吸収させる構造とすることで、戻り光
およhび漏れ光を減少させ、FFPにリップルののらな
い窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体レーザ素子の導波路領域を示す模
式図、
【図2】本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体レー
ザ素子の模式的断面図、
【図3】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レ
ーザ素子の模式的断面図、
【図4】本発明の導波路領域での光導波機構を説明する
図、
【図5】本発明の一実施の形態に係る製造方法を説明す
る模式的断面図、
【図6】本発明の一実施の形態に係る製造方法を説明す
る模式的断面図、
【図7】比較例として用いた従来の窒化物半導体レーザ
素子の模式的断面図、
【図8】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レ
ーザ素子の模式的断面図、
【図9】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レ
ーザ素子の模式的断面図、
【図10】本発明の実施例1に係る窒化物半導体レーザ
素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較
した図、
【図11】本発明の実施例3に係る窒化物半導体レーザ
素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較
した図、
【図12】本発明の実施例4に係る窒化物半導体レーザ
素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較
した図。
【符号の説明】
101、501・・・異種基板、 102、502・・・下地層、 103、503・・・n型コンタクト層、 104、504・・・クラック防止層、 105、505・・・n型クラッド層、 106、506・・・n型光ガイド層、 107、507・・・活性層、 108、508・・・p側キャップ層、 109、509・・・p型光ガイド層、 110、510・・・p型クラッド層、 111、511・・・p型コンタクト層、 201、406、601・・・p側オーミック電極、 202、602・・・p側パッド電極、 203、603・・・n側オーミック電極、 204、604・・・n側パッド電極、 301、405、701・・・第1の絶縁膜(絶縁性を
有する第1の膜)、 302、408・・・第2の絶縁膜(第2の膜)、 401・・・p型窒化物半導体層、 402・・・第1の保護膜、 403・・・第2の保護膜、 404・・・第3の保護膜、 407・・・第4の保護膜、 702・・・第2の膜、 703・・・第3の膜(絶縁性を有する第3の膜)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 裕司 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 川田 康博 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 5F058 BA20 BB01 BD01 BD05 BE02 5F073 AA13 AA74 AA83 CA17 CB05 DA05 DA16 DA25 DA32 DA33 EA18 FA27

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実効的に高屈折率領域と低屈折率領域を設
    けることで、クラッド層に挟まれた活性層内に導波路が
    形成された実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子にお
    いて、 前記低屈折率領域の一部には光損失領域が設けられてな
    ることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の
    活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型
    クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形
    成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラ
    ッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライ
    プが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子
    であって、 エッチングによって露出された露出面のリッジストライ
    プ近傍およびリッジストライプ側面には導波路領域の屈
    折率よりも小さい値を有する第1の膜が形成され、リッ
    ジストライプから離れた該露出面および導波路領域の共
    振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大
    きい値を有する第2の膜が形成されていることを特徴と
    する窒化物半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の
    活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型
    クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形
    成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラ
    ッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライ
    プが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子
    であって、 エッチングによって露出された露出面のリッジストライ
    プ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の
    屈折率よりも小さい値を有する第1の絶縁膜が形成さ
    れ、リッジストライプから離れた該露出面および導波路
    領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率
    よりも大きい値を有する第2の絶縁膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化
    物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】前記第2の絶縁膜は導波路領域の屈折率よ
    りも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収す
    る材料であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物
    半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】前記第2の絶縁膜はTiO,Nb
    、RhO、Cr、Ta 、SiCから
    選ばれた1つであることを特徴とする請求項3または請
    求項4に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】前記エッチングによって露出された露出面
    のうち、前記第1の絶縁膜から離れた位置において、さ
    らに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露
    出するまで窒化物半導体がエッチングされていることを
    特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1つに記載
    の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】前記第2の絶縁膜において、前記導波路領
    域の上部に形成された第2の絶縁膜上には第2の絶縁膜
    に接して金属からなるp側パッド電極が形成されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1つ
    に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】前記導波路領域の共振器面と異なる側面
    が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレー
    ザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体
    層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とす
    る請求項3乃至請求項7のいずれか1つに記載の窒化物
    半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の
    活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型
    クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形
    成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラ
    ッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライ
    プが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子
    であって、 エッチングによって露出された露出面のリッジストライ
    プ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の
    屈折率よりも小さい値を有する絶縁性からなる第1の膜
    が形成され、リッジストライプから離れた該露出面およ
    び導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域
    の屈折率よりも大きい値を有する金属からなる第2の膜
    が形成されていることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 【請求項10】n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造
    の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p
    型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に
    形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型ク
    ラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストラ
    イプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素
    子であって、 エッチングによって露出された露出面のリッジストライ
    プ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の
    屈折率よりも小さい値を有する絶縁性からなる第1の膜
    が形成され、リッジストライプから離れた該露出面およ
    び導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域
    の屈折率よりも大きい値を有する窒化物半導体からなる
    第2の膜が形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】前記第2の膜は導波路領域の屈折率より
    も大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収する
    材料であることを特徴とする請求項9または請求項10
    に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  12. 【請求項12】前記第2の膜はSi、Zr、Nb、T
    i、Niから選ばれた1つからなる金属膜であることを
    特徴とする請求項9または請求項11に記載の窒化物半
    導体レーザ素子。
  13. 【請求項13】前記第2の膜はInGa1−ZN(0
    <Z<1)であることを特徴とする請求項10または請
    求項11に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  14. 【請求項14】前記エッチングによって露出された露出
    面のうち、前記リッジストライプから離れた位置におい
    て、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体
    層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされている
    ことを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1
    つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  15. 【請求項15】前記第2の膜において、前記導波路領域
    の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して前
    記絶縁膜がリッジストライプ近傍およびリッジストライ
    プ側面から連続して形成されており、さらに該絶縁膜上
    に、該絶縁膜に接して金属からなるp側パッド電極が形
    成されていることを特徴とする請求項9乃至請求項14
    のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  16. 【請求項16】前記第2の膜において、該導波路領域の
    上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して、リ
    ッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成
    された前記第1の膜と異なる材料からなる絶縁性を有す
    る第3の膜が形成されており、さらに該第3の膜上には
    第3の絶縁膜に接して金属からなるp側パッド電極が形
    成されていることを特徴とする請求項9乃至請求項15
    のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  17. 【請求項17】前記導波路領域の共振器面と異なる側面
    が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレー
    ザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体
    層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とす
    る請求項9乃至請求項16のいずれか1つに記載の窒化
    物半導体レーザ素子。
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