JP4955195B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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本発明は、窒化物半導体素子に関し、より詳細には、高出力で安定した連続発振が可能な窒化物半導体素子に関する。
窒化物半導体基板の上に形成された活性層を含む窒化物半導体素子が、世界で初めて室温での連続発振1万時間以上を達成したことが発表された(例えば、非特許文献1及び2)。
この窒化物半導体素子は、いわゆる、リッジ導波路構造の屈折率導波型のレーザ素子であり、基本的に、サファイア基板上に、部分的に形成されたSiO2膜を介して選択成長させたn型GaNからなる窒化物半導体基板の上に、レーザ素子構造となる窒化物半導体層が複数積層されて構成されている。
ICNS'97 予稿集、October 27-31,1997,P444-446 Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L1568-1571,Part2,No.12A,1 December 1997
しかし、このようなリッジ導波路構造のレーザ素子は、エッチングの深さ、ストライプの高さなどにより、実効屈折率が変化するため、素子特性が大きく影響される。
また、通常、レーザ素子を光ディスクシステムやレーザプリンタへ応用する場合、レーザ光を各光学系により補正・調整する。従って、レーザ素子から照射される光のアスペクト比が大きくなれば、その補正光学系が大規模になり、その設計、製造、またその光学系を経ることによる損失が大きな問題となる。
このようなことから、上述したレーザ素子を読み取り用又は書き込み用光源等のレーザ光源として応用するためには、レーザ素子のさらなる特性向上、特に光学的な特性の向上が必要となる。つまり、レーザ光のビーム形状(すなわち、F.F.P.(ファー・フィールド・パターン)で)のアスペクト比の最適化、光の漏れ防止など、半導体レーザの光導波路の改善が要求される。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、安定的に光を閉じ込めることにより、アスペクト比の最適化、遠視野像及び光導波路の改善等を図るとともに、光の漏れを防止して、閾値を抑え、さらにキンクを防止した高性能で高信頼性、かつ高寿命を実現することができる窒化物半導体素子を提供することを目的とする。
本発明の窒化物半導体素子は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、活性層を含むコア領域を有する窒化物半導体素子であって、前記n型及びp型窒化物半導体層の内の少なくとも一方に、前記コア領域の最外層から順に第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層とを有しており、前記コア領域の最外層と前記第1の窒化物半導体層との間及び前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との間に屈折率差を有することを特徴とする。
また、この窒化物半導体素子は、第1の窒化物半導体層は前記コア領域の最外層よりも屈折率が低く、あるいは第2の窒化物半導体層は第1の窒化物半導体層よりも屈折率が低いことが好ましい。
さらに、コア領域の最外層と第1の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03、あるいは、第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03であることが好ましい。
また、第m(m≧2)のn型窒化物半導体層と第1のp型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03、あるいは、第m(m≧2)のn型窒化物半導体層と前記コア領域の最外層との屈折率差(Δn)は、0.007〜0.05とすることができる。
さらに、n型窒化物半導体層は、コア領域の最外層に接した第1のn型窒化物半導体層から順に第m(m≧2)のn型窒化物半導体層を有しており、p型窒化物半導体層は、前記コア領域の最外層に接した第1のp型窒化物半導体層を有しており、第m(m≧2)のn型窒化物半導体層の屈折率は、第1のp型窒化物半導体層の屈折率より高い構成とすることができる。
また、第1の窒化物半導体層及び/又は前記第2の窒化物半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなることが好ましく、特に、第1の窒化物半導体層及び/又は前記第2の窒化物半導体層は、少なくとも1000Åの膜厚を有するか、あるいは、Alを含む窒化物半導体層と、該Alを含む窒化物半導体層とは組成の異なる窒化物半導体層との超格子構造からなることが好ましい。
さらに、第1の窒化物半導体層は、コア領域の最外層から500〜5000Å程度の位置にあることが好ましい。
本発明によれば、n型及びp型窒化物半導体層の内の少なくとも一方が、屈折率の異なる所定の層を含む。従来はF.F.P.は狭くなるが、N.F.P.は広がるため、閾値の上昇を招いていた。しかし、本発明では、n層又はp層を多層化、特にn層を多層化することにより、F.F.P.が狭くなり、活性層での利得を減少させないで、N.F.Pを広げることができる、これによって、閾値電流を維持することができる。さらに、光の出射角度を上向き、下向き等に調整することができ、光出力効率を向上させて集光率の良好な半導体レーザ素子を得ることができる。
また、第1の窒化物半導体層がコア領域の最外層よりも低い屈折率を有する場合、さらに、第2の窒化物半導体層が第1の窒化物半導体層よりも低い屈折率を有する場合には、安定した光の閉じ込めにより、活性層から照射されるビームを安定化させることができ、レーザ光源として応用が広がる。
さらに、コア領域の最外層と第1の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)及び/又は第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)が、0.004〜0.03である場合には、活性層で発生する光の滞在領域をより一層適切に調整することができ、安定した光の閉じ込めを行うことが可能となり、ひいてはF.F.Pの広がり角の制御が可能となる。
さらに、第m(m≧2)のn型窒化物半導体層と第1のp型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)が0.004〜0.03であるか、第m(m≧2)のn型窒化物半導体層と前記コア領域の最外層との屈折率差(Δn)が0.008〜0.05である場合には、活性層で発生する光の滞在領域をより一層適切に調整することができ、安定した光の閉じ込めを行うことが可能となり、ひいてはF.F.Pの広がり角の制御が可能となる。
また、n型窒化物半導体層側にm層のn型窒化物半導体層を有し、かつp型窒化物半導体層に第1のp型半導体層を含み、第mのn型窒化物半導体層が、第1のp型窒化物半導体層の屈折率よりも高い屈折率を有する場合には、p側での光の閉じ込め効果を強くすることにより、より安定した光の閉じ込めを行うことができる。しかも、n側での閉じ込めをp側よりも弱くすることにより、n側でのキンクの発生を防止することが可能となる。これによって、活性層で発生する光の滞在領域を適切に調整して、安定した光の閉じ込めを行うことにより、垂直横モードマルチ、つまり縦方向マルチを防止するとともに、光強度分布の垂直方向への広がり角を低減させ、アスペクト比を最適化又は低減することができる。その結果、光の漏れによる閾値電圧の増大を防止し、さらに、光出力効率を向上させて集光率が良好で、高信頼性を有する半導体素子を得ることができる。
さらに、第1の窒化物半導体層及び/又は前記第2の窒化物半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなるか、AlGa1−xN(0<x<1)を含む場合には、所望の波長を有する半導体レーザ素子を得る場合に有効となり、特に、Alを含む窒化物半導体層と、該Alを含む窒化物半導体層とは組成の異なる窒化物半導体層との超格子構造からなるか、AlGa1−aN(0<a≦1)とAlGa1−bN(0≦b<1)との超格子構造からなる場合には、その組成及び膜厚にかかわらず、層内部のクラックの発生を防止することができ、より適切な光の閉じ込めを実現することができる。
本発明の窒化物半導体素子は、主として、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、活性層を含むコア領域を有する積層構造により構成されている。
n型及びp型窒化物半導体層を構成する半導体層は、特に限定されるものではなく、例えば、AlN、GaN、AlGaN、AlInGaN、InN等のIII−V族窒化物半導体層が挙げられる。なかでも、Alを含む窒化物半導体層が適当である、具体的にはInAlGa1−y−zN(0≦y、0≦z、y+z≦1)、特に、AlGa1−xN(0<x<1)等の窒化ガリウム系化合物半導体層が好ましい。これらの半導体層は、単層でもよいし、積層構造でもよいし、超格子構造でもよい。例えば、Alを含む窒化物半導体層と、Alを含む窒化物半導体層とは組成の異なる窒化物半導体層との超格子構造、具体的には、AlGa1−aN(0<a≦1)とAlGa1−bN(0≦b<1)との超格子構造が挙げられる。超格子構造を構成する場合には、例えば2種類の組成の層が交互に積層される構造でもよいが、一方の層又は両方の層においてその組成又は膜厚を変化させながら交互に積層される構造でもよい。
n型及びp型窒化物半導体層は、MOVPE、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)等、当該分野で公知の方法のいずれによっても形成することができる。窒化物半導体層は、p型不純物(例えば、Mg、Zn、Cd、Be、Ca、Ba等)又はn型不純物(例えば、Si、Sn、Ge、Se、C、Ti等)がドーピングされることにより、n型又はp型の導電性を有する。ドーピング濃度は、例えば、1×1016〜5×1020cm−3程度が挙げられる。
本発明の窒化物半導体素子においては、n型及びp型窒化物半導体層の少なくとも一方に、好ましくはn型窒化物半導体層に、コア領域の最外層に隣接して、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層がこの順に配置している。ここで、コア領域とは、光導波路領域、つまり、活性層で発生した光を閉じ込め、光波を減衰させずに導波させることができる領域を意味する。通常、活性層とこれを挟む光ガイド層がコア領域を構成する。
n型窒化物半導体層において、コア領域の最外層に隣接して形成される第1のn型窒化物半導体層、さらに第1のn型窒化物半導体層に隣接して形成される第2のn型窒化物半導体層は、それぞれ、光の出射角度を調整するための層、光ガイド層及びクラッド層として機能するものであるが、両層の積層により、これらの機能を調整することができる。これらの層は、それぞれ、コア領域の最外層、第1のn型窒化物半導体層と屈折率差を有していることが必要である。コア領域の最外層と第1の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)及び第1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、それぞれ、0.004〜0.03程度の範囲内であることが好ましい。また、これらの層は、コア領域の最外層から順に屈折率が低くなるように設定されていることが好ましい。このような屈折率差を有する層が順次配置されることにより、光の閉じ込めを緩和して、F.F.P.での光の広がりを抑制することができる。なお、屈折率差が0.04〜0.03の範囲内でない場合には、光の閉じ込めが十分ではなく閾値電流の上昇を招く。
なお、n型窒化物半導体層においては、コア領域の最外層に隣接して形成される窒化物半導体層は2層に限らず、3層以上、例えば、m層(m≧2)形成してもよい。その上限は特に限定されないが、光の閉じ込め効果を考慮すると10層以下、8層以下、さらに6層以下が適当である。この場合においても、コア領域の最外層から順に屈折率が低くなるように設定されることが好ましい。特に、コア領域の最外層と第mのn型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は0.007〜0.05の範囲内であることが好ましい。このような範囲に設定することにより、光の閉じ込めを緩和しながら、光の漏れを防止することができる。
n型窒化物半導体層の屈折率は、通常、その組成によって調整することができ、例えば、Alの混晶比を大きくすることにより、屈折率を小さくすることができる。例えば、AlGa1−xN(0<x<1)からなる層の場合には、Alの組成比を大きくすることにより、屈折率を小さくすることができる。従って、例えば、第1のn型窒化物半導体層と第2のn型窒化物半導体層との間で0.004〜0.03の屈折率差を得るために、両者においてAlの組成比に0.01〜0.07程度差異を設けることが適当である。
また、AlGa1−aN(0<a≦1)とAlGa1−bN(0≦b<1)との超格子構造からなる場合には、AlGa1−bN(0≦b<1)の膜厚のみを変化させる、つまり、第1のn型窒化物半導体層では厚く、第2のn型窒化物半導体層では薄くすることにより、n型窒化物半導体層の屈折率を調整することができる。
n型窒化物半導体層において、第1のn型窒化物半導体層は、例えば、膜厚1000〜10000Å程度、第2のn型窒化物半導体層は1000〜10000Å程度が適当である。また、n型窒化物半導体層が第1層〜第m層まで形成されている場合は、各層は、例えば、1000〜10000Å程度の膜厚で、その合計が2000〜40000Å程度であることが適当である。
特に、n型窒化物半導体層が、AlGa1−xN(0<x<1)を含んで形成されている場合には、少なくとも、コア領域の最外層から500〜5000Å程度の位置に0.004〜0.03程度の屈折率差を有する層、1500〜20000Å程度の位置に0.004〜0.03程度の屈折率差を有する層が配置することが好ましく、さらに、2500〜25000Å程度の位置に0.004〜0.03程度の屈折率を有する層が配置していることがより好ましい。
n型窒化物半導体層は、上述した第1及び第2のn型窒化物半導体層、・・・第mのn型窒化物半導体層のほかに、クラック防止層、n型コンタクト層等が形成されていることが好ましい。これらの層は、第2のn型窒化物半導体層又は第mのn型窒化物半導体層と、後述する基板との間に設けることが適当である。
また、p型窒化物半導体層においては、n型窒化物半導体層に、上述した第1及び第2のn型窒化物半導体層が形成されているのであれば、必ずしも、第1及び第2のp型窒化物半導体層が形成されていなくてもよいが、少なくとも第1のp型窒化物半導体層が形成されていることが好ましい。この第1のp型窒化物半導体層は、主としてクラッド層として機能するが、光の出射角度を調整する機能をも有する。
第1のp型窒化物半導体層が形成されている場合には、この第1のp型窒化物半導体層とコア領域の最外層との屈折率差は特に限定されないが、例えば、0.01〜0.2程度が適当である。なお、第1のp型窒化物半導体層は、コア領域の最外層よりも屈折率が小さいことが好ましい。これにより、光の閉じ込めを確実に行うことができる。また、第mのn型窒化物半導体層と第1のp型窒化物半導体層との屈折率差は、例えば、0.004〜0.03程度の範囲内であることが好ましい。第1のp型窒化物半導体層は、第mのn型窒化物半導体層よりも屈折率が小さいことが好ましい。さらに、第1のp型窒化物半導体層の膜厚は、例えば、1000〜10000Å程度が適当である。第1のp型窒化物半導体層は、Alを含む窒化物半導体層、特にAlGa1−XN(0<x<1)を含む超格子構造とすることが好ましく、さらにGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とすることが好ましい。また、p側の屈折率をn側よりも小さくするために、Alの混晶比を高く設定したとしても、その膜厚を薄膜化することにより内部のクラックの発生を防止することができ、デバイスの安定性を保つ、つまり、リーク電流を低減させることができる。
p型窒化物半導体層は、上述した第1のp型窒化物半導体層のほかに、キャップ層、電子閉じ込め層、p型コンタクト層等が形成されていてもよい。これらの層は、コア領域と第1のp型窒化物半導体層との間又は第1のp型窒化物半導体層に隣接してコア領域とは反対側に設けることが適当である。
コア領域は、上述したように、通常、活性層と光ガイド層とから構成される。コア領域の膜厚は、活性層及び光ガイド層を併せて、例えば、100Å〜1.5μm程度であることが適当である。
活性層は、Inを含有する窒化物半導体層により形成されるものが適当であり、特に、InGa1-sN(0<s≦1)で表される窒化物半導体からなるものが好ましい。窒化物半導体層は、ノンドープ、n型不純物ドープ、p型不純物ドープのいずれでもよいが、ノンドープ又はn型不純物ドープであることが好ましい。これにより、窒化物半導体素子において高出力化を図ることができる。
活性層は、単層、多層又は量子井戸構造のいずれで形成されていてもよい。量子井戸構造の場合には、Inを含む窒化物半導体が少なくとも井戸層に用いられる。ここで、量子井戸構造としては、多重量子井戸構造、単一量子井戸構造のどちらでもよい。多重量子井戸構造とすることで、出力の向上、発振閾値の低下などが図ることが可能となる。活性層の量子井戸構造としては、井戸層、障壁層を交互に積層したものを用いることができる。また、井戸層に挟まれた障壁層は、特に1層であるもの(井戸層/障壁層/井戸層)に限られず、2層又はそれ以上の層の障壁層を、「井戸層/障壁層(1)/障壁層(2)/障壁層(3)/・・・/井戸層」と、組成、不純物量等の異なる層として複数設けてもよい。また、活性層は、井戸層及び障壁層のいずれが最外層に配置されてもよい。
活性層の膜厚は、例えば、100〜3000Å程度が適当である。特に、量子井戸構造とする場合には、井戸層の膜厚及び井戸層の数は特に限定されないが、例えば、膜厚としては、10〜300Å程度の範囲とすることで、V、閾値電流密度を低減させることができる。数としては、1以上であることが適当である。井戸層の数が4以上である場合には、活性層を構成する各層の膜厚が厚くなると、活性層全体の膜厚が厚くなって、Vの上昇を招くこととなるため、井戸層の膜厚を100Å以下の範囲として、活性層の膜厚を低く抑えることが好ましい。特に井戸層数を2とすることにより、閾値電流密度の低下、寿命特性の向上が認められる。障壁層の膜厚及び組成等は特に限定されないが、井戸層との間にバンドギャップエネルギー差が設けられ、井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きくなるように、井戸層よりIn混晶比の低いInを含む窒化物半導体又はGaN、Alを含む窒化物半導体などを用いることが好ましい。障壁層の膜厚としては、例えば、500Å以下、好ましくは、10〜300Å程度の範囲が挙げられる。
光ガイド層は、窒化物半導体からなり、導波路形成に十分なエネルギーバンドギャップを有していれば、その組成、膜厚等は特に限定されるものではなく、単層、多層、超格子層のいずれの構造を有していてもよい。例えば、上述したn型及びp型窒化物半導体層を構成する半導体を用いることができる。具体的には、波長370〜470nmでは、GaNを用い、それよりも長波長ではInGaN/GaNの多層又は超格子層を用いることが適当である。光ガイド層を構成する窒化物半導体の組成、膜厚、構造等は、n側及びp側において同じでもよいし、異なっていてもよい。
なお、本発明において、コア領域、n型窒化物半導体層及びp型窒化物半導体層の具体的な積層構造は、
第1のp型窒化物半導体層として、AlGaN単層、AlGaN/GaNの多層又は超格子層、
p型光ガイド層として、AlGaN単層、GaN単層、AlGaN/GaNの多層又は超格子層、
活性層として、InGaN単層、InGaN/InGaNの多層又は超格子層、InGaN/GaNの多層又は超格子層、
n型光ガイド層として、GaN単層、InGaN単層、AlGaN単層、GaN/AlGaNの多層又は超格子層、InGaN/AlGaNの多層又は超格子層、AlGaN/AlGaNの多層又は超格子層、
第1のn型窒化物半導体層として、AlGaNの単層、GaN/AlGaNの多層又は超格子層、InGaN/AlGaNの多層又は超格子層、AlGaN/AlGaNの多層又は超格子層、
第2のn型窒化物半導体層として、AlGaNの単層、GaN/AlGaNの多層又は超格子層、InGaN/AlGaNの多層又は超格子層、AlGaN/AlGaNの多層又は超格子層
等が挙げられ、これらの層を任意に組み合わせることができる。特に、超格子層の場合には、一方の層又は両方の層において、その組成を変化させたり、膜厚を変化させたり、組成及び膜厚を変化させることにより、各層の屈折率及び屈折率差を上述したように設定することができる。
また、この窒化物半導体の積層構造は、通常、基板上に積層される。基板としては、窒化物半導体と異なる異種基板を用いてもよいし、窒化物半導体基板を用いてもよい。異種基板としては、例えば、C面、R面及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA1)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で、従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。なかでも、サファイア、スピネルが挙げられる。また、これらの異種基板は、オフアングルしていてもよく、特に、ステップ状にオフアングルしたものを用いることにより、窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性よく成長させることができるため好ましい。さらに、異種基板を用いる場合には、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる窒化物半導体を成長させた後、異種基板を研磨などの方法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種基板を除去してもよい。なお、窒化物半導体基板としては、上述した窒化物半導体からなる基板が挙げられる。
異種基板を用いる場合には、バッファ層(低温成長層)、窒化物半導体(好ましくはGaN)からなる下地層、ELOG(Epitaxially Laterally Overgrowth)成長させた窒化物半導体層、異種基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部を設け、その開口部側面から横方向へ成長させた窒化物半導体層等を介して、上述した窒化物半導体の積層構造を形成することが好ましい。これにより、その上に形成される窒化物半導体の結晶性が良好となる。
ELOG成長させた窒化物半導体層としては、例えば、異種基板上に、窒化物半導体層を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長が困難な保護膜によるマスク領域と、窒化物半導体を成長させる非マスク領域とを、ストライプ状、島状、格子状等で設け、その非マスク領域から窒化物半導体を成長させることで、膜厚方向への成長に加えて、横方向へも成長し、マスク領域上に窒化物半導体が成長した層等が挙げられる。
以下に、本発明の窒化物半導体素子の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1
この実施例の窒化物半導体素子を図1に示す。この窒化物半導体素子1は、n型窒化物半導体層における第2のn型窒化物半導体層5aとして、Al0.08Ga0.92N(25Å)/GaN(25Å)を220回繰り返した総膜厚1.1μmの超格子構造(平均Al混晶は4%)、第1のn型窒化物半導体層5bとして、Al0.05Ga0.95N(25Å)/GaN(25Å)を60回繰り返した総膜厚3000Åの超格子構造(平均Al混晶は2.5%)であり、コア領域におけるn型光ガイド層6として、
GaN層(1700Å)、活性層7として、In0.05Ga0.95Nからなる障壁層(140Å)/In0.1Ga0.9Nからなる井戸層(70Å)を2回繰り返し、その上にIn0.05Ga0.95Nからなる障壁層(300Å)を形成した総膜厚約720Åの多重量子井戸構造(MQW)、p型ガイド層8として、GaN(1500Å)、p型窒化物半導体層における第1のp型窒化物半導体層9として、Al0.1Ga0.9N(20Å)/GaN(20Å)を300回繰り返した総膜厚4500Åの超格子構造(平均Al混晶は4.9%)の構成を有する。
この窒化物半導体素子1は、以下のように形成することができる。
(基板2)
基板として、異種基板にGaN層を厚膜(100μm)で成長させた後、異種基板を除去して、80μmのGaNからなる窒化物半導体基板を用いる。
このような窒化物半導体基板は、以下のように形成した。
まず、2インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させ、その後、温度を上げて、アンドープのGaNを1.5μmの膜厚で成長させて、下地層とする。
次に、下地層表面にSiOからなるストライプ状のマスクを複数形成する。このマスクは、マスク幅5μm、開口部(窓部)幅15μmとする。このマスク開口部からエッチングすることにより異種基板を露出させ、その後、マスクを除去することで下地層に凹凸を形成する。
さらに、凹凸が形成された下地層を成長核としてGaN層を選択成長させる。この選択成長は、横方向の成長により成膜された領域を有する。この横方向成長領域は低転位領域となる。
その後、異種基板、バッファ層、下地層を除去して、窒化物半導体からなる基板2を得る。
(下地層)
次に、窒化物半導体基板2の上に、温度を1100℃にして、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニアを用い、Al0.05Ga0.95Nよりなる下地層(図示せず)及び下地層を4μmの膜厚で成長させる。この層は、GaNからなる窒化物半導体基板2と、後述するAlGaNのn型コンタクト層3との間で、バッファ層として機能する。横方向成長層又はこれを用いて形成した基板がGaNである場合に、それよりも熱膨張係数の小さい窒化物半導体のAlGa1−aN(0<a≦1)からなる下地層を用いることで、転位やピットを低減させることができる。なかでも、窒化物半導体の横方向成長層であるGaNの上に設けることが好ましい。また、下地層のAl混晶比aが、0<a<0.3であると、結晶性が良好な下地層を形成することができる。
なお、この層は省略することができる。また、この層を後述するn側コンタクト層3として形成してもよい。さらに、この層を形成した後、これと同じ組成のn側コンタクト層3を形成して、下地層とともにn型コンタクト層3にもバッファ効果をもたせてもよい。
(n型コンタクト層3)
得られたバッファ層上にTMG、TMA、アンモニア、不純物ガスとしてシランガスを用い、1100℃でSiドープしたAl0.05Ga0.95Nからなるn型コンタクト層3を4μmの膜厚で成長させる。
なお、基板2の裏面にn電極を形成する対向電極構造とする場合には、このn型コンタクト層は省略することができる。
(クラック防止層4)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を930〜940℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層104を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略してもよい。
(第2のn型窒化物半導体層5a)
次に、温度を1100℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.08Ga0.92NよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを1〜2×1018/cmープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ220回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚1.1μmの多層膜(超格子構造)の第2のn型窒化物半導体層5aを成長させる。この第2のn型窒化物半導体層105aの平均Al混晶は4%である。
(第1のn型窒化物半導体層5b)
続いて、温度を1100℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.05Ga0.95NよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを1×1018/cmドープしたGaNからなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ60回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚3000Åの多層膜(超格子構造)の第1のn型窒化物半導体層5bを成長させる。この第1のn型窒化物半導体層5bの平均Al混晶は2.5%である。
(コア領域:n型光ガイド層6)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層6を1700Åの膜厚で成長させる。また、n型不純物をドープしてもよい。
(コア領域:活性層7)
次に、温度を900℃にして、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを1×1018/cmドープしたIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層(B)を140Åの膜厚で、シランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nよりなる井戸層(W)を70Åの膜厚で、この障壁層(B)、井戸層(W)を、(B)/(W)/(B)/(W)の順に積層する。最後に最上部の障壁層として、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TEG及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.05Ga0.95Nを300Åの膜厚で成長させる。活性層7は、総膜厚約720Åの多重量子井戸構造(MQW)となる。
(p型電子閉じ込め(キャップ)層)
次に、同温又は昇温して、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cmドープしたAl0.3Ga0.7Nよりなるp型電子閉じ込め層(図示せず)を100Åの膜厚で成長させる。この層は、特に設けられていなくてもよいが、設けることで電子閉じ込めとして機能し、閾値の低下に寄与するものとなる。また、ここでは、p型電子閉じ込め層108からp型不純物のMgが、それに隣接する最上部の障壁層に拡散して、最上部の障壁層にMgが5〜10×1016/cm程度ドープされた状態となる。
(コア領域:p型光ガイド層8)
次に、温度を1100℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、GaNよりなるp型光ガイド層8を1500Åの膜厚で成長させる。
このp型光ガイド層8は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め層、後述するp型クラッド層9等の隣接層からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cmとなってp型を示す。また、この層は成長時に意図的にMgをドープしてもよい。
(第1のp型窒化物半導体層9)
続いて、1100℃でアンドープAl0.1Ga0.9Nからなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、CpMgを用いて、MgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、それを90回繰り返して総膜厚4500Åの超格子層からなる第1のp型窒化物半導体層9を成長させる。この第1のp型窒化物半導体層9の平均Al混晶は4.9%である。
第1のp型窒化物半導体層9は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしてもよい。
(p型コンタクト層10)
最後に、1050℃で、第1のp型窒化物半導体層9の上に、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNからなるp型コンタクト層10を150Åの膜厚で成長させる。p型コンタクト層10はp型のInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極120と最も好ましいオーミック接触が得られる。p型コンタクト層10は電極を形成する層であるので、1×1017/cm以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1017/cmよりも低いと電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにp型コンタクト層10の組成をGaNとすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
反応終了後、反応容器内において、ウエハを窒素雰囲気中、700〜1000℃でアニーリングを行い、p型窒化物半導体層をさらに低抵抗化する。なお、このアニーリングは省略してもよい。
(リッジの形成)
以上のようにして窒化物半導体の積層構造を形成した後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層10の表面にSiOよりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)によりSiClガスを用いてエッチングし、図1に示すように、n電極を形成するn型コンタクト層3の表面を露出させる。このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜としてSiOが最適である。
次に、導波路領域として、リッジストライプを形成する。
まず、最上層のp型コンタクト層10のほぼ全面に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO)からなる第1の保護膜(図示せず)を0.5μmの膜厚で形成し、その後、第1の保護膜の上に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CFガスを用い、ストライプ幅1.6μmの第1の保護膜とする。この第1の保護膜をマスクとして用いて、さらにRIEにより、p型コンタクト層10及び第1のp型窒化物半導体層9、p型光ガイド層8の一部をエッチングし、p型光ガイド層8の膜厚が0.1μmとなるように、リッジストライプを形成する。
リッジ幅としては、1〜3μm程度、好ましくは1.5〜2μm程度が挙げられる。このような範囲とすることにより、例えば、光ディスクシステムの光源として、優れたスポット形状、ビーム形状のレーザ光が得られる。また、本発明の窒化物半導体素子は、リッジ構造の屈折率導波型に限らず、利得導波型でもよく、リッジにおいて、リッジ側面を再成長により埋め込んだBH構造又はリッジを再成長により埋め込む構造、電流狭窄層を設けた構造であってもよい。
(保護膜の形成)
次いで、第1の保護膜の上から、Zr酸化物(主としてZrO)からなる第2の保護膜11を、第1の保護膜の上と、エッチングにより露出されたp型光ガイド層8の上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
第2の保護膜11形成後、ウエハを600℃で熱処理する。このようにSiO以外の材料を第2の保護膜として形成した場合、第2の保護膜成膜後に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することにより、第2の保護膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ酸)に対して溶解しにくくなるため、この工程を加えることがさらに望ましい。
なお、第2の保護膜11としては、リッジ側面に埋込層として機能する膜であれば、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Hf及びTaの少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlN等を利用することができる。なかでも、Zr、Hfの酸化物、BN、SiCを用いることが好ましい。また、埋込層として、半絶縁性、i型窒化物半導体、リッジ部とは逆導電型の窒化物半導体、電流狭窄層とするにはAlGaNなどのAlを含む窒化物半導体等を用いてもよい。さらに、エッチングなどによりリッジを設けずに、B、Alなどのイオンを注入し、非注入領域をストライプ状として、電流が流れる領域とする構造としてもよい。この際に用いられる窒化物半導体としては、InAl1−yGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y=1)が好ましい。
次に、ウエハをフッ酸に浸漬し、第1の保護膜をリフトオフ法により除去する。このことにより、p型コンタクト層10の上に設けられていた第1の保護膜及び第2の保護膜11の一部が除去されて、p型コンタクト層10が露出される。
以上のようにして、図1に示すように、リッジストライプの側面及びそれに連続する平面(p型光ガイド層8の露出面)に第2の保護膜11が形成される。
(電極の形成)
続いて、露出したp型コンタクト層11の表面にNi/Auからなるp電極12を形成する。p電極12は100μmのストライプ幅として、図1に示すように、第2の保護膜11の上に渡って形成する。
また、n型コンタクト層3の表面に、Ti/Alからなるストライプ状のn電極14をリッジストライプと平行な方向で形成する。
(パッド電極の形成)
p電極12及びn電極14を含む素子の表面にSiOからなる誘電体多層膜13を形成する。この誘電体多層膜13上であって、p電極12及びn電極14の上方に開口を有するマスクを形成し、誘電体多層膜13をエッチングして、p電極12及びn電極14を露出させる。これらの上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)からなるパット電極16、15をそれぞれ設ける。
その後、ストライプ状のp電極12、n電極14に垂直な方向で、窒化物半導体のM面(GaNのM面、(11−00)など)でバー状に分割し、さらにバー状のウエハをチップに分割してレーザ素子を得る。この時、共振器長は、650μmである。
また、エッチング端面の共振面には誘電体多層膜からなる反射膜が設けられるが、劈開面の共振器面にも、劈開後に反射膜及び/又は保護膜を設けてもよい。反射膜及び/又は保護膜としては、SiO、TiO、ZrO、ZnO、Al、MgO又はポリイミドの単層膜又は積層膜が挙げられる。膜厚は、例えば、λ/4n(λは波長、nは材料の屈折率)、保護膜として機能させるためにλ/2nが挙げられる。
素子加工工程で、エッチング端面を形成せずに、すなわち、n電極形成面(n側コンタクト層3)だけを露出させ、一対の劈開面を共振器面とするレーザ素子としてもよい。バー状のウエハをチップに分割する際にも、窒化物半導体(単体基板)の劈開面を用いることができ、バー状に劈開したときの劈開面に垂直な窒化物半導体(GaN)を六方晶系で近似したM面、A面({1010})で劈開して、チップを取り出してもよく、また、バー状に劈開する際に、窒化物半導体のA面を用いてもよい。
このようにして得られた窒化物半導体素子1は、室温においてしきい値2.8kA/cm2、5〜30mWの出力において発振波長405nmの連続発振であった。また、得られた素子の寿命は、60℃、5mWの連続発振において、2000〜3000時間であった。
さらに、この窒化物半導体素子1の広がり角及びアスペクト比を、それぞれ測定した。その結果を図2及び図3に示す。
なお、比較例として、上述した窒化物半導体素子1において、第2のn型窒化物半導体層5a及び第1のn型窒化物半導体層5bを設ける代わりに、n型クラッド層として、Al0.08Ga0.92N(25Å)/GaN(25Å)を繰り返し、総膜厚1.4μmの超格子構造(平均Al混晶は4%)を1層のみ形成し、上記と同様に、広がり角及びアスペクト比を測定した。
実施例2
この実施例は、図1における窒化物半導体素子の第2のn型窒化物半導体層5aを、超格子構造の2層構造とする以外、実施例1の窒化物半導体素子と同様である。
実施例1と同様にクラック防止層までを形成し、その上に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.12Ga0.88NよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚8000Åの多層膜(超格子構造)よりなる第2のn型窒化物半導体層の下層を形成する。この第2のn型窒化物半導体層105aの下層の平均Al混晶は6%である。
続いて、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.08Ga0.92NよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ60回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚3000Åの多層膜(超格子構造)よりなる第2のn型窒化物半導体層の上層を成長させる。この第2のn型窒化物半導体層の上層の平均Al混晶は4%である。
その後、実施例1と同様に、第1のn型窒化物半導体層以降を形成し、窒化物半導体素子を得る。
得られた窒化物半導体素子の広がり角及びアスペクト比を、それぞれ測定した。その結果を図2及び図3に併せて示す。
図1及び2の結果から、実施例1及び2のように、コア領域の外側に、屈折率が異なる窒化物半導体層を2層又は3層以上設けることにより、比較例に比べて、光の閉じ込め効果が緩和されていることに起因して、F.F.P.における光の広がり角度を抑えることができ、これによって、アスペクト比を低減させることができることが確認された。
本発明は、LED(発光ダイオード)、SLD(スーパールミネッセントダイオード)、LD(レーザダイオード)等の発光素子に幅広く利用することができ、特に、光ディスクシステムやレーザプリンタへ好適に応用するすることが可能となる。
本発明の窒化物半導体素子の実施例を示す概略断面図である。 本発明の窒化物半導体素子の出射光の広がり角を示すグラフである。 本発明の窒化物半導体素子の出射光のアスペクト比を示すグラフである。
符号の説明
1 窒化物半導体素子
2 基板
3 n型コンタクト層
4 クラック防止層
5a 第2のn型窒化物半導体層
5b 第1のn型窒化物半導体層
6 n型光ガイド層
7 活性層
8 p型光ガイド層
9 第1のp型窒化物半導体層
10 p型コンタクト層
11 第2の保護膜
12 p電極
13 誘電体多層膜
14 n電極
15、16 パット電極

Claims (11)

  1. n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、活性層を含むコア領域を有する窒化物半導体素子であって、
    n型窒化物半導体層は、コア領域の最外層から順に第1のn型窒化物半導体層と、第2のn型窒化物半導体層を有しており、
    p型窒化物半導体層は、前記コア領域の最外層に接した第1のp型窒化物半導体層を有しており、
    前記コア領域の最外層と第1のn型窒化物半導体層との間及び前記第1のn型窒化物半導体層と第2のn型窒化物半導体層との間に屈折率差を有し、
    前記第1のn型窒化物半導体層は前記コア領域の最外層よりも屈折率が低く、
    前記第2のn型窒化物半導体層は前記第1のn型窒化物半導体層よりも屈折率が低く、かつ
    第2のn型窒化物半導体層の屈折率は、前記第1のp型窒化物半導体層の屈折率より高いことを特徴とする窒化物半導体素子。
  2. 前記コア領域は、少なくともn型ガイド層を含む請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. コア領域の最外層と第1のn型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03である請求項1又は2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 第1のn型窒化物半導体層と第2のn型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03である請求項1〜3のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  5. 第2のn型窒化物半導体層と第1のp型窒化物半導体層との屈折率差(Δn)は、0.004〜0.03である請求項1〜4のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  6. 第2のn型窒化物半導体層と前記コア領域の最外層との屈折率差(Δn)は、0.007〜0.05である請求項5に記載の窒化物半導体素子。
  7. 第1のn型窒化物半導体層及び/又は前記第2のn型窒化物半導体層及び/又は前記第1のp型窒化物半導体層は、Alを含む窒化物半導体からなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  8. 第1のn型窒化物半導体層及び/又は第2のn型窒化物半導体層及び/又は前記第1のp型窒化物半導体層は、少なくとも1000Åの膜厚を有する請求項1〜7のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  9. 第1のn型窒化物半導体層及び/又は前記第2のn型窒化物半導体層及び/又は前記第1のp型窒化物半導体層は、Alを含む窒化物半導体層と、該Alを含む窒化物半導体層とは組成の異なる窒化物半導体層との超格子構造からなる請求項1〜8のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  10. 第1のn型窒化物半導体層は、コア領域の最外層から500〜5000Å程度の位置にある請求項1〜9のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
  11. 前記屈折率差により、前記コア領域における光の閉じ込めを緩和している請求項1〜10のいずれか1つに記載の窒化物半導体素子。
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