JP2000196201A - 窒化物半導体レ―ザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レ―ザ素子

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JP2000196201A
JP2000196201A JP25436299A JP25436299A JP2000196201A JP 2000196201 A JP2000196201 A JP 2000196201A JP 25436299 A JP25436299 A JP 25436299A JP 25436299 A JP25436299 A JP 25436299A JP 2000196201 A JP2000196201 A JP 2000196201A
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JP
Japan
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nitride semiconductor
layer
undoped
optical guide
doped
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JP25436299A
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English (en)
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Noriya Ozaki
徳也 小崎
Shuji Nakamura
修二 中村
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長が400nmから540nm、特に43
0nmから540nmのレーザを発振させる際、高い発
光効率を維持した窒化物半導体レーザ素子を提供する。 【構成】 窒化物半導体により形成され、活性層の両側
に光ガイド層、更にクラッド層が設けられたレーザ素子
において、n側、p側の両光ガイド層のInの混晶比を
高くすることで屈折率を高くして、n側、p側の両クラ
ッド層との屈折率差を大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光ダイオード、レーザ
ダイオード等の発光デバイス、又はフォトダイオード等
の受光デバイスに使用される窒化物半導体(AlXGaY
In1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】我々はGaN基板の上に、活性層を含む
窒化物半導体レーザ素子を作製して、世界で初めて室温
での連続発振1万時間以上を達成したことを発表した
(INCS'97 予稿集,October 27-31,1997,P444-446、及び
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L1568-L1571,Part2,N
o.12A,1 December 1997)。さらに、前記レーザ素子より
サファイア基板を除去してGaN単独とすることによ
り、5mW出力でも1万時間以上の連続発振に成功した
ことを発表した(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1998)pp.L309
-L312,及びAppl.Phys.Lett.Vol.72(1998)No.16,2014-20
16)。
【0003】最近のレーザ素子の構造は、基本的に異種
基板上、又はGaN基板上に成長されたn型GaNの上
にInGaNからなるクラック防止層、クラック防止層
に接してAlGaNを含む超格子構造からなるn側クラ
ッド層、n側クラッド層上部に活性層とp側クラッド層
を含むダブルへテロ構造を有する(詳細はJpn.J.Appl.Ph
ys.Vol.37(1998)pp.L309-L312参照)。このレーザ素子は
70mA、閾値電流密度5kA/cm2において、40
8.5nmのシングルモードで発振する。閾値における
電圧は6Vである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在の400nm付近
での発光は青紫色であり、純粋な青色、更に純粋な緑色
のレーザ光を得るには、より長波長の発光が求められて
いる。ピーク波長を長波長にするには活性層の構造を変
えるだけでよいが、長波長側にシフトさせると光の強度
分布の半値幅が大きくなってしまい、光の閉じ込めが困
難になり、しだいに発光効率が悪くなってしまうという
問題が生じてしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこでこのような問題を
解決するために、本発明では光ガイド層の屈折率を高く
し、光ガイド層とクラッド層との屈折率差が大きくなる
ような新規な素子構造とすることで、光導波路にあたる
光ガイド層より内側での光の閉じ込め効率を良くする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に図1を用いて本発明を詳細
に説明する。図1は本発明の素子構造の一実施形態を示
した模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直
な方向で素子を切断した際の図を示している。この図に
おいて1は異種基板、3はSiドープのGaNからなる
コンタクト層、4はSiドープのInGaNからなる中
間層、5はアンドープのAlGaNとSiドープのGa
Nとの超格子構造からなるn側クラッド層、6はアンド
ープのInGaNとアンドープのGaNとの超格子構造
からなるn側光ガイド層、7はInGaN多重量子井戸
構造からなる活性層、8はMgドープのAlGaNから
なるp側キャップ層、9はアンドープのInGaNとM
gドープのGaNとの超格子構造からなるp側光ガイド
層、10はアンドープのAlGaNとMgドープのGa
Nとの超格子構造からなるp側クラッド層、11はMg
ドープのGaNからなるp側コンタクト層を示してい
る。
【0007】本発明はn側、p側両光ガイド層の屈折率
を高くして、n側、p側両クラッド層との屈折率差を大
きくすることにより、光導波路にあたる光ガイド層より
内側での光の閉じ込め効率をよくする。具体的には、従
来までの400nm付近で発光するレーザ素子では、光
ガイド層はInを含まないGaNが使われており、光ガ
イド層の屈折率を大きくすることに限度があった。しか
し、本発明では光ガイド層を屈折率の高いInGaNと
することで、光の閉じ込め効率が良くなり、発光効率の
高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができるように
なった。
【0008】また、本発明の窒化物半導体レーザ素子の
構造で、400nmから540nm、特に430nmか
ら540nmの連続発振が可能である。この発振波長は
活性層中の井戸層の組成で決まり、InXGa1-X
(0.1≦X≦0.6)のXの値、即ちInの混晶比を
大きくしていくと、発振波長も長波長側にシフトしてい
く。
【0009】また、p側の光ガイド層は、Mgドープの
第1の窒化物半導体とアンドープの第2の窒化物半導体
のうち、いずれか一方がInを含む窒化物半導体を有す
る超格子構造、n側の光ガイド層は、アンドープの第3
の窒化物半導体とアンドープの第4の窒化物半導体のう
ち、いずれか一方がInを含む窒化物半導体を有する超
格子構造とする。光ガイド層を単層ではなく多層とする
ことで、結晶性が良くなる。また超格子構造とすること
で、さらに結晶性が良くなり、閾値電圧Vfを低く押さ
えることができる。超格子構造とは、互いに組成の異な
る半導体層を弾性臨界膜厚以下の膜厚で複数層積層した
構造であり、窒化物半導体層同士で超格子構造を作製す
る場合には、単位窒化物半導体層の膜厚は100オング
ストローム以下、さらに好ましくは70オングストロー
ム以下、最も好ましくは40オングストローム以下、1
0オングストローム以上に調整する。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例の係るレーザ素子の
構造を示す模式的な断面図である。以下、この図を元に
実施例1について説明する。なお本発明の発光素子は図
1の構造に限定されるものではない。
【0011】[実施例1] (バッファ層2)2インチφ、C面を主面とするサファ
イアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器内にセッ
トし、500℃でトリメチルガリウム(TMG)、アン
モニア(NH3)を用い、GaNよりなる第1のバッフ
ァ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。第
1のバッファ層成長後、1050℃で同じくGaNより
なる第2のバッファ層を1.5μmの膜厚で成長させ
る。
【0012】(n側コンタクト層3)以上のようにして
作製したサファイア基板上のGaNに、次にアンモニア
とTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、105
0℃でSiを1×1018/cm3ドープしたGaNより
なるn側コンタクト層3を4.5μmの膜厚で成長させ
る。
【0013】(中間層4)次に850℃から950℃、
好ましくは880℃で、TMI(トリメチルインジウ
ム)、TMG、アンモニアを用い、SiドープのIn
0.3Ga0.7Nよりなる中間層5を0.5μm以下の膜
厚、好ましくは0.15μmの膜厚で成長させる。な
お、この中間層は省略が可能である。
【0014】(n側クラッド層5)続いて、TMIを止
めて、TMA(トリメチルアルミニウム)を流し、10
50℃にしてアンドープAl0.15Ga0.85Nよりなる層
を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTM
Aを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/c
3ドープしたn型GaNよりなる層を25オングスト
ロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層し
て超格子層を構成し、総膜厚0.2μm〜1.5μm、
好ましくは0.7μmの超格子よりなるn側クラッド層
5を成長させる。n側クラッド層は、Alを含む窒化物
半導体層、好ましくはAlXGa1-XN(0<X<1)を
含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましく
はGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。
超格子とした場合、不純物はいずれか一方の層に多くを
ドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良く
なる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良
い。
【0015】(n側光ガイド層6)続いて、シランガス
を止め、TMIを流し、850℃〜950℃、好ましく
は880℃でアンドープIn0.1Ga0.9Nよりなる層を
10オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMI
を止めて、アンドープGaNよりなる層を10オングス
トロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層
して超格子層を構成し、総膜厚50オングストローム〜
2500オングストローム、好ましくは500オングス
トローム〜800オングストローム、更に好ましくは7
50オングストロームの超格子よりなるn側光ガイド層
6を成長させる。
【0016】(活性層7)続いて、TMIを流し、75
0℃〜850℃、好ましくは820℃でアンドープIn
0.3Ga0.7Nからなる井戸層を30オングストローム、
アンドープGaNからなるキャップ層を10オングスト
ローム、続いて850℃〜950℃、好ましくは880
℃でアンドープのIn0.1Ga0.9Nからなるバリア層を
60オングストローム成長させ、これを1ペアとして合
計6ペア積層した活性層7を成長させる。
【0017】(p側キャップ層8)次にTMIを止め、
TMAを流し、Mgを1×1020/cm3ドープしたp
型Al0.3Ga0.7Nよりなるキャップ層8を10オング
ストローム以上、0.1μm以下、好ましくは100オ
ングストロームの膜厚で成長させる。
【0018】(p側光ガイド層9)続いて、TMAを止
め、TMIを流し、850℃〜950℃、好ましくは8
80℃で、アンドープIn0.1Ga0.9Nよりなる層を1
0オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMIを
止めて、Mgを1×1018〜3×1018/cm3ドープ
したGaNよりなる層を10オングストロームの膜厚で
成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構
成し、総膜厚50オングストローム〜2500オングス
トローム、好ましくは500オングストローム〜800
オングストローム、更に好ましくは750オングストロ
ームの超格子よりなるp側光ガイド層9を成長させる。
【0019】(p側クラッド層10)続いて、TMAを
流して、850℃〜1050℃でアンドープAl0.15
0. 85Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成
長させ、続いてTMAを止めて、Mgを3×1018〜5
×1018/cm3ドープしたGaNよりなる層を25オ
ングストロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互
に積層して超格子構造を構成し、総膜厚0.2μm〜
1.5μm、好ましくは0.7μmの超格子よりなるp
側クラッド層10を成長させる。
【0020】(p側コンタクト層11)最後に、850
℃〜1050℃でp側クラッド層10の上に、Mgを1
×10 20/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コ
ンタクト層11を150オングストロームの膜厚で成長
させる。p側コンタクト層はp型のInXGaYAl1-X-
YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することが
でき、好ましくはMgをドープしたGaN、InGaN
とすれば、p電極と最も好ましいオーミック接触が得ら
れる。コンタクト層11は電極を構成する層であるの
で、1×1018/cm3以上の高キャリア濃度とするこ
とが望ましい。1×1018/cm3より低いと、電極と
好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。
さらにコンタクト層の組成をGaN、InGaN若しく
は、GaN、InGaNを含む超格子とすると、電極材
料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0021】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
たウエハーを反応容器から取り出し、最上層のp側コン
タクト層11の表面に、所定の形状のマスクを介して、
幅1.5μmのストライプからなるSiO2よりなる保
護膜を作製する。保護膜形成後、RIE(反応性イオン
エッチング)を用い、図1に示すように、p側クラッド
層10とp側光ガイド層9との界面付近までエッチング
を行い、幅1.5μmのストライプ状の導波路を形成す
る。
【0022】ストライプ導波路形成後、SiO2マスク
をつけたまま、窒化物半導体層の表面にZrO2よりな
る絶縁膜を形成する。絶縁膜形成後、バッファードフッ
酸に浸潰して、p側コンタクト層上に形成したSiO2
を溶解除去し、リフトオフ法によりSiO2と共に、p
側コンタクト層上にあるZrO2を除去する。
【0023】このように、活性層よりも上部にある層を
ストライプ状のリッジ形状とすることにより、活性層の
発光がストライプリッジの下に集中するようになって閾
値が低下する。特に超格子よりなるp側クラッド層10
以上の層をリッジ形状とすることが望ましい。
【0024】次にリッジ表面にSiO2マスクを形成
し、RIEにてエッチングを行い、n側コンタクト層3
の表面を露出させる。次にp側コンタクト層11のリッ
ジ最表面にNiとAuよりなるp電極20をストライプ
状に形成する。p側コンタクト層と好ましいオーミック
が得られるp電極20の材料としては、例えばNi、P
t、Pd、Ni/Au、Pt/Au、Pd/Au等を挙
げることができる。
【0025】一方、TiとAlよりなるn電極22を先
ほど露出させたn側コンタクト層3の表面にストライプ
状に形成する。n側コンタクト層3と好ましいオーミッ
クの得られるn電極22の材料としてはAl、Ti、
W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若しくは合金が好
ましい。
【0026】次に図1に示すようにp電極20と、n電
極22との間に露出した窒化物半導体層の表面にSiO
2よりなる絶縁膜30を形成し、この絶縁膜30を介し
てp電極20と電気的に接続したpパッド電極21、お
よびn電極22と電気的に接続したnパッド電極23を
形成する。このpパッド電極22は実質的なp電極21
の表面積を広げて、p電極側をワイヤーボンディング、
ダイボンディングできるようにする作用がある。一方、
nパッド電極23はn電極22の剥がれを防止する作用
がある。
【0027】以上のようにして、p、n両パッド電極形
成後、サファイア基板のa面に沿った、窒化物半導体の
M面(窒化物半導体を六角柱で表した場合にその六角柱
の側面に相当する面)でGaNを劈開してウエハーをバ
ー状とし、そのバーの劈開面に共振面を作製する。共振
面作製後、さらに共振面に垂直な方向でバー状のウエハ
ーを切断してレーザチップとした。
【0028】次にそれぞれの電極をワイヤーボンディン
グして、室温でレーザ発振を試みたところ、室温におい
て閾値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0V
で、発振波長455nmの連続発振が確認され、100
0時間以上の寿命を示した。
【0029】[実施例2]実施例1において、活性層中
の井戸層の組成をIn0.53Ga0.47Nとした他は同様に
してレーザ素子を作製したところ、室温において閾値電
流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振
波長520nmの連続発振が確認され、500時間以上
の寿命を示した。
【0030】[実施例3]実施例1において、活性層中
のキャップ層の組成をAl0.1Ga0.9Nとした他は同様
にしてレーザ素子を作製したところ、閾値電流密度2.
0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振波長455
nmの連続発振が確認され、500時間以上の寿命を示
した。
【0031】[実施例4]実施例1において、n側光ガ
イド層を積層後、続いて、TMIを流し、750℃〜8
50℃、好ましくは820℃でアンドープIn0.3Ga
0.7Nからなる井戸層を30オングストローム、アンド
ープGaNからなるキャップ層を10オングストロー
ム、続いてTMIを止め、850℃〜950℃、好まし
くは880℃でアンドープのGaNからなるバリア層を
60オングストローム成長させ、これを1ペアとして合
計6ペア積層した活性層7を成長させた。その他は実施
例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、実施例
1と同様の結果が得られた。
【0032】[実施例5]実施例1において、活性層7
を形成後、続いてアンドープIn0.1Ga0.9Nよりなる
層を10オングストローム、Mgを1層目だけ1×10
20/cm3ドープし、2層目以降は1×1018〜3×1
18/cm3ドープしたGaNよりなる層を10オング
ストローム、それらの層を交互に積層して超格子層を構
成し、総膜厚750オングストロームの超格子よりなる
p側光ガイド層9を成長させる以外は同様にしてレーザ
素子を作製した。その結果、実施例1とほぼ同様の結果
が得られた。
【0033】[実施例6]2インチφ、C面を主面とす
るサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器
内にセットし、500℃でトリメチルガリウム(TM
G)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバ
ッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る。バッファ層成長後、1050℃で同じくGaNより
なる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
【0034】下地層成長後、ウエハーを反応容器から取
り出し、この下地層の表面に、ストライプ幅10μm、
ストライプ間隔(窓部)2μmのSiO2よりなる保護
膜を形成する。保護膜形成後、ウエハーを再度MOVP
Eの反応容器内にセットし、温度を1050℃にして、
TMG、アンモニアを用い、アンドープGaN層を10
μm成長させ、SiO2の表面を覆う。成長後、ウエハ
ーをMOVPE装置からHVPE装置に移送しGaメタ
ルとアンモニア、HCl、シランガスを用い、Siを1
×1018/cm3ドープしたn型GaN層を200μm
の膜厚で成長させる。
【0035】n型GaN層形成後、実施例1と同様にし
て、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層、p側キ
ャップ層、p側光ガイド層、p側クラッド層、p側コン
タクト層の順で積層していく。さらにRIEによってn
側コンタクト層の表面を露出させ、リッジ、p電極、n
電極をそれぞれ形成し、窒化物半導体のM面でGaNを
劈開することによって共振面を形成し、レーザチップを
得た。
【0036】電極をワイヤーボンディングして、室温で
レーザ発振を試みたところ、実施例1と同様に、室温に
おいて閾値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.
0Vで、発振波長455nmの連続発振が確認され、1
000時間以上の寿命を示した。
【0037】[実施例7]図2は本発明の他の実施例に
係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、図
1と同じくレーザ光の共振方向に垂直な方向で素子を切
断した際の図を示している。以下この図を元に実施例7
について説明する。まず1インチ角のSiドープGaN
基板2を用意する。このGaN基板は、以下のようにし
て成長させたものである。
【0038】(GaN基板2)2インチφ、C面を主面
とするサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応
容器内にセットし、500℃でトリメチルガリウム(T
MG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなる
バッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る。バッファ層成長後、1050℃で同じくGaNより
なる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
【0039】下地層成長後、ウエハーを反応容器から取
り出し、この下地層の表面に、ストライプ幅10μm、
ストライプ間隔(窓部)2μmのSiO2よりなる保護
膜を形成する。保護膜形成後、ウエハーを再度MOVP
Eの反応容器内にセットし、温度を1050℃にして、
TMG、アンモニアを用い、アンドープGaN層を10
μm成長させ、SiO2の表面を覆う。成長後、ウエハ
ーをMOVPE装置からHVPE装置に移送しGaメタ
ルとアンモニア、HCl、シランガスを用い、Siを1
×1018/cm3ドープしたn型GaN層を200μm
の膜厚で成長させる。ここまでは実施例3と同じである
が、さらにn型GaN層成長後、サファイア基板側から
研磨して、サファイア基板、バッファ層、下地層、保護
膜を除去することにより、総膜厚170μmのSiドー
プGaNからなるGaN基板2を作製する。Siドープ
GaNのSi濃度は5×1017〜1×1019/cm3
範囲に調整することが望ましい。
【0040】得られたGaN基板2上に、n側クラッド
層から、p側コンタクト層までを実施例1と同様にして
積層し、続いてp側をリッジ形状とする。リッジ形成
後、p側コンタクト層11のリッジ最表面にNi/Au
よりなるp電極20をストライプ状に形成し、p電極2
0以外の最表面の窒化物半導体層にSiO2よりなる絶
縁膜30を形成し、この絶縁膜を介してp電極20と電
気的に接続したpパッド電極21を形成する。p側電極
形成後、GaN基板の窒化物半導体が積層されていない
第2の主面上にn電極22としてTi/Alよりなるオ
ーミック電極及びTi、Pt、Au、Au/Snの4層
よりなるメタライズ電極を全面に形成する。
【0041】以上のようにして電極を形成後、窒化物半
導体のM面でGaN基板を劈開してウエハーをバー状と
し、そのバーの劈開面に共振面を作製する。共振面作製
後、さらに共振面に垂直な方向でバー状のウエハーを切
断してレーザチップとした。
【0042】次にp電極側をワイヤーボンディング、n
電極側をステムなどの支持体とダイボンディングして、
室温でレーザ発振を試みたところ、実施例1と同様に室
温において閾値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧
4.0Vで、発振波長455nmの連続発振が確認さ
れ、1000時間以上の寿命を示した。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では光ガイ
ド層の屈折率を高くし、光ガイド層とクラッド層との屈
折率差が大きくなるような新規な素子構造とすること
で、光導波路にあたる光ガイド層より内側での光の閉じ
込め効率が良くなり、400nmから540nm、特に
430nmから540nmにおいて、発光効率の高い窒
化物半導体レーザ素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の窒化物半導体素子の一実施の
形態を示した模式的断面図である。
【図2】図2は、本発明の窒化物半導体素子の別の実施
の形態を示した模式的断面図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・異種基板 2・・・GaN基板 3・・・n側コンタクト層 4・・・中間層 5・・・n側クラッド層 6・・・n側光ガイド層 7・・・活性層 8・・・p側キャップ層 9・・・p側光ガイド層 10・・・p側クラッド層 11・・・p側コンタクト層 20・・・p電極 21・・・pパッド電極 22・・・n電極 23・・・nパッド電極 30・・・絶縁膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化物半導体により形成され、活性層の両
    側に光ガイド層、更にクラッド層が設けられたレーザ素
    子において、 前記光ガイド層は、p側の光ガイド層はMgドープの第
    1の窒化物半導体とアンドープの第2の窒化物半導体と
    からなる多重構造を有し、n側の光ガイド層はアンドー
    プの第3の窒化物半導体とアンドープの第4の窒化物半
    導体とからなる多重構造を有することを特徴とする窒化
    物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】前記p側の光ガイド層は、Mgドープの第
    1の窒化物半導体とアンドープの第2の窒化物半導体の
    うち、いずれか一方がInを含む窒化物半導体を有する
    超格子構造からなることを特徴とする請求項1に記載の
    窒化物半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】前記n側の光ガイド層は、アンドープの第
    3の窒化物半導体とアンドープの第4の窒化物半導体の
    うち、いずれか一方がInを含む窒化物半導体を有する
    超格子構造からなることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】前記クラッド層のうち、p側のクラッド層
    はMgドープの第5の窒化物半導体とアンドープの第6
    の窒化物半導体とからなる多重構造を有することを特徴
    とする請求項1から請求項3に記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  5. 【請求項5】前記クラッド層のうち、n側のクラッド層
    はSiドープの第7の窒化物半導体とアンドープの第8
    の窒化物半導体とからなる多重構造を有することを特徴
    とする請求項1から請求項4に記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  6. 【請求項6】前記p側のクラッド層は、Mgドープの第
    5の窒化物半導体とアンドープの第6の窒化物半導体の
    うち、どちらか一方がAlを含む窒化物半導体を有する
    超格子構造からなることを特徴とする請求項4に記載の
    窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】前記n側のクラッド層は、Siドープの第
    7の窒化物半導体とアンドープの第8の窒化物半導体の
    うち、どちらか一方がAlを含む窒化物半導体を有する
    超格子構造からなることを特徴とする請求項5に記載の
    窒化物半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】前記活性層の井戸層がアンドープのInX
    Ga1-XN(0.1≦X≦0.6)であることを特徴と
    する請求項1から請求項7に記載の窒化物半導体レーザ
    素子。
  9. 【請求項9】前記活性層とp側光ガイド層との間にMg
    ドープのAlYGa1-YN(0≦Y≦1)からなるp側の
    キャップ層を100オングストロームの厚さで設けるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8に記載の窒化物半
    導体レーザ素子。
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