JPH11195812A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents
窒化物半導体発光素子Info
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- JPH11195812A JPH11195812A JP34897297A JP34897297A JPH11195812A JP H11195812 A JPH11195812 A JP H11195812A JP 34897297 A JP34897297 A JP 34897297A JP 34897297 A JP34897297 A JP 34897297A JP H11195812 A JPH11195812 A JP H11195812A
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Abstract
の出力を向上させると共に、Vfを低下させて素子の信
頼性を向上させる。 【構成】 基板と活性層との間に、基板側から順にアン
ドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がドープ
されたn導電型の第2の窒化物半導体層と、アンドープ
の第3の窒化物半導体層とを有し、前記第2の窒化物半
導体層にn電極が形成されている。第1の窒化物半導体
層はアンドープであるので結晶性の良い下地層となり、
n型不純物を結晶性良く成長でき、第3の窒化物半導体
層は同じくアンドープであるので、第3の窒化物半導体
層が結晶性の良い下地層となる。
Description
lYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなり、
発光ダイオード素子、レーザダイオード素子等の発光素
子に用いられる窒化物半導体発光素子に関する。
D、青色LEDとして、既にフルカラーLEDディスプ
レイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源等の各種光
源で実用化されている。これらのLED素子は基本的
に、サファイア基板上にGaNよりなるバッファ層と、
SiドープGaNよりなるn側コンタクト層と、単一量
子井戸構造のInGaNよりなる活性層と、Mgドープ
AlGaNよりなるp側クラッド層と、MgドープGa
Nよりなるp側コンタクト層とが順に積層された構造を
有しており、20mAにおいて、発光波長450nmの
青色LEDで5mW、外部量子効率9.1%、520n
mの緑色LEDで3mW、外部量子効率6.3%と非常
に優れた特性を示す。
電流下、室温での410nmのレーザ発振を世界で初め
て発表した{例えば、Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)L74、Jp
n.J.Appl.Phys.35(1996)L217等}。このレーザ素子は、
InGaNを用いた多重量子井戸構造(MQW:Multi-
Quantum- Well)の活性層を有するダブルへテロ構造を
有し、パルス幅2μs、パルス周期2msの条件で、閾
値電流610mA、閾値電流密度8.7kA/cm2、4
10nmの発振を示す。また、本出願人は室温での連続
発振にも初めて成功し、発表した。{例えば、日経エレ
クトロニクス 1996年12月2日号 技術速報、Appl.Phys.L
ett.69(1996)3034-、Appl.Phys.Lett.69(1996)4056-
等}、このレーザ素子は20℃において、閾値電流密度
3.6kA/cm2、閾値電圧5.5V、1.5mW出力
において、27時間の連続発振を示す。
体はLEDで既に実用化され、LDでは数十時間ながら
連続発振にまで至っているが、LEDを例えば照明用光
源、直射日光の当たる屋外ディスプレイ等にするために
はさらに出力の向上が求められている。またLDでは閾
値を低下させて長寿命にし、光ピックアップ等の光源に
実用化するためには、よりいっそうの改良が必要であ
る。また前記LED素子は20mAにおいてVfが3.
6V近くある。Vfをさらに下げることにより、素子の
発熱量が少なくなって、信頼性が向上する。またレーザ
素子では閾値における電圧を低下させることは、素子の
寿命を向上させる上で非常に重要である。本発明はこの
ような事情を鑑みて成されたものであって、その目的と
するところは、主としてLED、LD等の窒化物半導体
素子の出力を向上させると共に、Vfを低下させて素子
の信頼性を向上させることにある。
子は、基板と活性層との間に、基板側から順にアンドー
プの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がドープされ
たn導電型の第2の窒化物半導体層と、アンドープの第
3の窒化物半導体層とを有し、前記第2の窒化物半導体
層にn電極が形成されてなることを特徴とする。なお本
発明でアンドープの窒化物半導体層とは意図的に不純物
をドープしない窒化物半導体層を指し、例えば原料に含
まれる不純物、反応装置内のコンタミネーション、意図
的に不純物をドープした他の層からの意図しない拡散に
より不純物が混入した層及び微量なドーピングにより実
質的にアンドープとみなせる層(例えば抵抗率3×10
-1Ω・cm以上)も本発明ではアンドープと定義する。
8×10-3Ω・cm未満であることを特徴とする。第2の
窒化物半導体層の抵抗率が8×10-3Ω・cm以上になる
と、Vfがあまり低下しなくなる傾向にある。抵抗率の
好ましい範囲は6×10-3Ω・cm以下、さらに好ましく
は4×10-3Ω・cm以下である。下限は特に限定しない
が、1×10-5Ω・cm以上に調整することが望ましい。
第2の窒化物半導体層を単層で形成する場合、下限値は
1×10-3Ω・cm以上、一方、第2の窒化物半導体層を
超格子層で構成する場合には1×10-5Ω・cm以上に調
整することが望ましい。なお超格子層とは膜厚100オ
ングストローム以下、さらに好ましくは70オングスト
ローム、最も好ましくは50オングストローム以下の窒
化物半導体層を積層した多層膜構造を指す。下限値より
も低抵抗にすると、Si、Ge、Sn等の不純物量が多
くなりすぎて、窒化物半導体の結晶性が悪くなる傾向に
ある。
体層との間に、第1の窒化物半導体層よりも低温で成長
されるバッファ層を有することを特徴とする。このバッ
ファ層は例えばAlN、GaN、AlGaN等を400
℃〜900℃において、0.5μm以下の膜厚で成長さ
せることができ、基板と窒化物半導体との格子不整合を
緩和、あるいは第1の窒化物半導体層を結晶性よく成長
させるための下地層として作用する。
が0.5μm以下であることを特徴とする。第3の窒化
物半導体層の好ましい膜厚は0.2μm以下、さらに好
ましくは0.15μm以下に調整する。下限は特に限定
しないが10オングストローム以上、好ましくは50オ
ングストローム以上、最も好ましくは100オングスト
ローム以上に調整することが望ましい。第3の窒化物半
導体層はアンドープの層であり、抵抗率が通常0.1Ω
・cm以上と高いため、この層を厚膜の層で成長すると逆
にVfが低下しにくい傾向にある。
基板と活性層との間に、基板側から順に、抵抗率が大き
い第1の窒化物半導体層と、n型不純物がドープされて
抵抗率が第1の窒化物半導体層よりも小さい第2の窒化
物半導体層と、第2の窒化物半導体層よりも抵抗率が大
きい第3の窒化物半導体層とを有し、前記第2の窒化物
半導体層にn電極が形成されてなることを特徴とする。
第1及び第3の窒化物半導体層は、例えばアンドープと
して抵抗率は、例えば0.1Ω・cmよりも大きくし、第
2の窒化物半導体層は、例えばn型不純物をドープして
抵抗率は8×10-3Ω・cmよりも小さくすることができ
る。
板との間に少なくとも3層構造を有する窒化物半導体層
を有している。まず第1の窒化物半導体層はn型不純物
を含む第2の窒化物半導体層を結晶性よく成長させるた
めにアンドープとしている。この層に意図的に不純物を
ドープすると、結晶性が悪くなって、第2の窒化物半導
体層を結晶性良く成長させることが難しい。次に第2の
窒化物半導体層はn型不純物をドープして、抵抗率が低
く、キャリア濃度が高いn電極を形成するためのコンタ
クト層として作用している。従って第2の窒化物半導体
層の抵抗率はn電極材料と好ましいオーミック接触を得
るためにできるだけ小さくすることが望ましく、好まし
くは8×10-3Ω・cm未満とする。次に第3の窒化物半
導体層もアンドープとする。この層をアンドープとする
のは、抵抗率が小さくキャリア濃度の大きい第2の窒化
物半導体層は結晶性があまり良くない。この上に直接、
活性層、クラッド層等を成長させると、それらの層の結
晶性も悪くなるために、その間にアンドープの結晶性の
良い第3の窒化物半導体を介在させることにより、活性
層を成長させる前のバッファ層として作用する。さらに
抵抗率の比較的高いアンドープの層を活性層と第2の窒
化物半導体層との間に介在させることにより、素子のリ
ーク電流を防止し、逆方向の耐圧を高くすることができ
る。なお、第2の窒化物半導体層のキャリア濃度は3×
1018/cm3よりも大きくなる傾向にある。また活性層
はInを含むアンドープの窒化物半導体、好ましくはI
nGaNよりなる井戸層を有する単一量子井戸構造、若
しくは多重量子井戸構造とすることが望ましい。n型不
純物としては第4族元素が挙げられるが、好ましくはS
i若しくはGe、さらに好ましくはSiを用いる。
LED素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下こ
の図を元に、本発明の素子の製造方法について述べる。
容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水
素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇さ
せ、基板のクリーニングを行う。基板1にはサファイア
C面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その
他、スピネル(MgA12O4)のような絶縁性の基板の
他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、Zn
O、GaAs、GaN等の半導体基板を用いることがで
きる。
まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニア
とTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上に
GaNよりなるバッファ層2を約200オングストロー
ムの膜厚で成長させる。
成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇
させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTM
G、アンモニアガスを用い、アンドープGaNよりなる
第1の窒化物半導体層3を1.5μmの膜厚で成長させ
る。第1の窒化物半導体層3は基板に直接成長させるバ
ッファ層よりも高温、例えば900℃〜1100℃で成
長させ、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y
≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではない
が、好ましくはGaN、X値が0.2以下のAlXGa
1-XNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得ら
れやすい。また膜厚は特に問うものではなく、バッファ
層よりも厚膜で成長させ、通常0.1μm以上20μm
以下の膜厚で成長させる。この層はアンドープの層であ
るため、抵抗率は0.1Ω・cmよりも大きい。また第1
の窒化物半導体層3は、バッファ層よりも高温で成長さ
せる層であるためアンドープでもバッファ層とは区別さ
れる。
0℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不
純物ガスにシランガスを用い、SiドープGaNよりな
る第2の窒化物半導体層3を3μmの膜厚で成長させ
る。この第2の窒化物半導体層3も第1の窒化物半導体
層と同様に、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X
+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではな
いが、好ましくはGaN、X値が0.2以下のAlXGa
1-XNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得ら
れやすい。膜厚は特に問うものではないが、n電極を形
成する層であるので1μm以上20μm以下の膜厚で成
長させことが望ましい。なお素子構造にしない別のサフ
ァイア基板を用い、同様にして第2の窒化物半導体層ま
で成長させたウェーハを用意し、この第2の窒化物半導
体層の抵抗率を測定すると5×10-3Ω・cmであった。
バンドギャップエネルギーが異なる2種類の窒化物半導
体層が積層されてなるか、若しくは同一組成の窒化物半
導体層が積層されてなる超格子構造としても良い。超格
子層にすると第2の窒化物半導体層の移動度が大きくな
って抵抗率がさらに低下するため、特に発光効率の高い
素子が実現できる。超格子構造とする場合には超格子を
構成する窒化物半導体層の膜厚は100オングストロー
ム以下、さらに好ましくは70オングストローム以下、
最も好ましくは50オングストローム以下に調整する。
さらに超格子構造の場合、超格子を構成する窒化物半導
体層にSi、Ge、Sn、S等を変調ドープしても良
い。変調ドープとは、超格子層を構成する窒化物半導体
層の互いに不純物濃度が異なることを指し、この場合、
一方の層は不純物をドープしない状態、つまりアンドー
プでもよい。好ましくは第2の窒化物半導体層を互いに
バンドギャップエネルギーの異なる層を積層した超格子
構造として、いずれか一方の窒化物半導体層にn型不純
物を多くドープすることが望ましく、もう一方の窒化物
半導体層をアンドープとすることが好ましい。なお変調
ドープする場合には、不純物濃度差は1桁以上とするこ
とが望ましい。
スのみを止め、1050℃で同様にしてアンドープGa
Nよりなる第3の窒化物半導体層5を0.15μmの膜
厚で成長させる。この第3の窒化物半導体層5もInX
AlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成で
き、その組成は特に問うものではないが、好ましくはG
aN、X値が0.2以下のAlXGa1-XN、またはY値が
0.1以下のInYGa1-YNとすると結晶欠陥の少ない
窒化物半導体層が得られやすい。InGaNを成長させ
ると、その上にAlを含む窒化物半導体を成長させる場
合に、Alを含む窒化物半導体層にクラックが入るのを
防止することができる。なお第2の窒化物半導体層を単
一の窒化物半導体で成長させる場合、第1の窒化物半導
体層と、第2の窒化物半導体層と、第3の窒化物半導体
層とは同一組成の窒化物半導体を成長させることが望ま
しい。
て、キャリアガスを窒素に切り替え、TMG、TMI
(トリメチルインジウム)、アンモニアを用いアンドー
プIn0.4Ga0.6N層を30オングストロームの膜厚で
成長させて単一量子井戸構造を有する活性層6を成長さ
せる。
0℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg
(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを
1×1020/cm3ドープしたp型Al0.1Ga0.9Nより
なるp側クラッド層7を0.1μmの膜厚で成長させ
る。この層はキャリア閉じ込め層として作用し、Alを
含む窒化物半導体、好ましくはAlYGa1-YN(0<Y
<1)を成長させることが望ましく、結晶性の良い層を
成長させるためにはY値が0.3以下のAlYGa1-YN
層を0.5μm以下の膜厚で成長させることが望まし
い。
で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1
×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コン
タクト層8を0.1μmの膜厚で成長させる。p側コン
タクト層8もInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X
+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではな
いが、好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化
物半導体層が得られやすく、またp電極材料と好ましい
オーミック接触が得られやすい。
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化す
る。
取り出し、最上層のp側コンタクト層8の表面に所定の
形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチン
グ)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、
図1に示すように第2の窒化物半導体層4の表面を露出
させる。
ト層のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNiと
Auを含む透光性のp電極9と、そのp電極9の上にボ
ンディング用のAuよりなるpパッド電極10を0.5
μmの膜厚で形成する。一方エッチングにより露出させ
た第2の窒化物半導体層4の表面にはWとAlを含むn
電極11を形成する。最後にp電極9の表面を保護する
ためにSiO2よりなる絶縁膜12を図1に示すように
形成した後、ウェーハをスクライブにより分離して35
0μm角のLED素子とする。
いて、520nmの純緑色発光を示し、サファイア基板
上にGaNよりなるバッファ層と、SiドープGaNよ
りなるn側コンタクト層と、単一量子井戸構造のInG
aNよりなる活性層と、MgドープAlGaNよりなる
p側クラッド層と、MgドープGaNよりなるp側コン
タクト層とが順に積層された従来の緑色発光LEDに比
較して、20mAにおけるVfで0.1〜0.2V、出
力で5%〜10%向上させることができた。
係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レ
ーザ光の共振方向に垂直な方向で素子を切断した際の構
造を示すものである。以下この図面を元に実施例2につ
いて説明する。
に、実施例1と同様にしてバッファ層21を200オン
グストロームの膜厚で成長させる。
20成長後、温度を1020℃まで上昇させ、1020
℃において、アンドープGaNよりなる第1の窒化物半
導体層22を5μmの膜厚で成長させる。
020℃で不純物ガスにシランガスを用い、Siをドー
プしたn型GaNよりなる第2の窒化物半導体層を3μ
mの膜厚で成長させる。この第2の窒化物半導体層の抵
抗率も5×10-3Ω・cmであった。
を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用
い、アンドープIn0.05Ga0.95Nよりなる第3の窒化
物半導体層24を500オングストロームの膜厚で成長
させる。
0℃にして、原料ガスにTMA、TMG、NH3、Si
H4を用い、Siを1×1017/cm3ドープしたn型Al
0.25Ga0.75N層40オングストロームと、アンドープ
GaN層40オングストロームとを交互に40層ずつ積
層した超格子構造よりなるn側クラッド層を成長させ
る。このn側クラッド層はキャリア閉じ込め層及び光閉
じ込め層して作用する。
℃でSiを1×1019/cm3ドープしたn型GaNより
なるn側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このn側光ガイド層26は、活性層の光ガイド層と
して作用し、GaN、InGaNを成長させることが望
ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに
好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成
長させることが望ましい。このn側光ガイド層はアンド
ープでも良い。
ずSiドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オ
ングストロームの膜厚で成長させる。次にTMIのモル
比を変化させるのみで同一温度で、SiドープIn0.01
Ga0.99Nよりなる障壁層を50オングストロームの膜
厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に井戸
層を積層した多重量子井戸構造とする。
20℃にして、TMG、TMA、アンモニア、Cp2M
gを用い、活性層よりもバンドギャップエネルギーが大
きい、Mgを1×1020/cm 3ドープしたAl0.3Ga
0.7Nよりなるp側キャップ層28を300オングスト
ロームの膜厚で成長させる。このp側キャップ層28は
好ましくはp型とするが、膜厚が薄いため、n型不純物
をドープしてキャリアが補償されたi型としても良い。
p側キャップ層28の膜厚は0.1μm以下、さらに好
ましくは500オングストローム以下、最も好ましくは
300オングストローム以下に調整する。0.1μmよ
り厚い膜厚で成長させると、p側キャップ層28中にク
ラックが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層
が成長しにくいからである。またキャリアがこのエネル
ギーバリアをトンネル効果により通過できなくなる。A
lの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素
子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のA
lYGa1-YNであれば500オングストローム以下に調
整することが望ましい。p側キャップ層28の膜厚の下
限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜
厚で形成することが望ましい。
℃で、Mgを1×1018/cm3ドープしたGaNよりな
るp側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このp側光ガイド層29は、n側光ガイド層26と
同じく、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、I
nGaNを成長させることが望ましく、通常100オン
グストローム〜5μm、さらに好ましくは200オング
ストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望まし
い。なおこのp側光ガイド層は、p型不純物をドープし
たが、アンドープの窒化物半導体で構成することもでき
る。
℃においてMgを1×1020/cm3ドープしたp型Al
0.25Ga0.75N層40オングストロームと、アンドープ
GaN層40オングストロームとを交互に40層ずつ積
層した超格子構造よりなるp側クラッド層30を成長さ
せる。このp側クラッド層はn側クラッド層と同じくキ
ャリア閉じ込め層及び光閉じ込め層して作用し、特にp
側クラッド層側を超格子とすることにより、p層の抵抗
が下がり閾値がより低下しやすい傾向にある。
ラッド層30の上に、1050℃でMgを2×1020/
cm3ドープしたGaNよりなるp側コンタクト層31を
150オングストロームの膜厚で成長させる。
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型不純物がドープされた層
をさらに低抵抗化する。
取り出し、図2に示すように、RIE装置で最上層のp
側コンタクト層31と、p側クラッド層30とをエッチ
ングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状と
する。特に活性層よりも上にあるAlを含む窒化物半導
体層以上の層をリッジ形状とすることにより、活性層の
発光がリッジ下部に集中して、横モードが単一化しやす
く、閾値が低下しやすい。リッジ形成後、リッジ表面に
マスクを形成し、図2に示すように、ストライプ状のリ
ッジに対して左右対称にして、n電極34を形成すべき
第2の窒化物半導体層23の表面を露出させる。
のほぼ全面にNiとAuよりなるp電極32を形成す
る。一方、TiとAlよりなるn電極34をストライプ
状の第2の窒化物半導体層23のほぼ全面に形成する。
なおほぼ全面とは80%以上の面積をいう。このように
p電極32に対して左右対称に第2の窒化物半導体層2
3を露出させて、その第2の層23のほぼ全面にn電極
を設けることも、閾値を低下させる上で非常に有利であ
る。さらに、p電極とn電極との間にSiO2よりなる
絶縁膜35を形成した後、その絶縁膜35を介してp電
極32と電気的に接続したAuよりなるpパッド電極3
3を形成する。
成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨
剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファ
イア基板20をラッピングし、基板の厚さを50μmと
する。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリ
シングして基板表面を鏡面状とする。
ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈
開面に共振器を作製する。共振器面にSiO2とTiO2
よりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極32に平
行な方向で、バーを切断してレーザ素子とする。この素
子をヒートシンクに設置して室温でレーザ発振を試みた
ところ、室温において、閾値電流密度2.5kA/c
m2、閾値電圧4.0Vで、発振波長405nmの連続発
振が確認され、500時間以上の寿命を示し、従来の窒
化物半導体レーザ素子に比較して10倍以上寿命が向上
した。
化物半導体層5成長時に、温度を800℃にしてTM
G、TMI、アンモニアを用い、アンドープIn0.05G
a0.95N層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る他は実施例1と同様にしてLED素子を得たところ、
実施例1とほぼ同等の特性を有する素子が得られた。
は、活性層と基板との間にあるアンドープの第1の窒化
物半導体層で、n型不純物がドープされた第2の窒化物
半導体の結晶性を維持するように成長できるので、次に
n型不純物をドープした第2の窒化物半導体層が結晶性
よく厚膜で成長できる。さらにアンドープの第3の窒化
物半導体がその層の上に成長させる窒化物半導体層のた
めの結晶性の良い下地層となる。そのため第2の窒化物
半導体層の抵抗率を低下できて、キャリア濃度が上がる
ために、非常に効率の良い窒化物半導体素子を実現する
ことができる。このように本発明によれば、Vf、閾値
の低い発光素子が実現できるため、素子の発熱量も少な
くなり、信頼性が向上した素子を提供することができ
る。
示す模式断面図。
を示す模式断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と活性層との間に、基板側から順に
アンドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がド
ープされたn導電型の第2の窒化物半導体層と、アンド
ープの第3の窒化物半導体層とを有し、前記第2の窒化
物半導体層にn電極が形成されてなることを特徴とする
窒化物半導体発光素子。 - 【請求項2】 前記第2の窒化物半導体層の抵抗率が8
×10-3Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1に
記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項3】 前記基板と前記第1の窒化物半導体層と
の間に、第1の窒化物半導体層よりも低温で成長される
バッファ層を有することを特徴とする請求項1または2
に記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項4】 前記第3の窒化物半導体層の膜厚が0.
5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の内
のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項5】 基板と活性層との間に、基板側から順
に、抵抗率が大きい第1の窒化物半導体層と、n型不純
物がドープされて抵抗率が第1の窒化物半導体層よりも
小さい第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層
よりも抵抗率が大きい第3の窒化物半導体層とを有し、
前記第2の窒化物半導体層にn電極が形成されてなるこ
とを特徴とする窒化物半導体発光素子。
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