JP3448196B2 - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents
窒化物半導体発光素子Info
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Description
lYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなり、
発光ダイオード素子、レーザダイオード素子等の発光素
子に用いられる窒化物半導体発光素子に関する。
D、青色LEDとして、既にフルカラーLEDディスプ
レイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源等の各種光
源で実用化されている。これらのLED素子は基本的
に、サファイア基板上にGaNよりなるバッファ層と、
SiドープGaNよりなるn側コンタクト層と、単一量
子井戸構造のInGaNよりなる活性層と、Mgドープ
AlGaNよりなるp側クラッド層と、MgドープGa
Nよりなるp側コンタクト層とが順に積層された構造を
有しており、20mAにおいて、発光波長450nmの
青色LEDで5mW、外部量子効率9.1%、520n
mの緑色LEDで3mW、外部量子効率6.3%と非常
に優れた特性を示す。
電流下、室温での410nmのレーザ発振を世界で初め
て発表した{例えば、Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)L74、Jp
n.J.Appl.Phys.35(1996)L217等}。このレーザ素子は、
InGaNを用いた多重量子井戸構造(MQW:Multi-
Quantum- Well)の活性層を有するダブルへテロ構造を
有し、パルス幅2μs、パルス周期2msの条件で、閾
値電流610mA、閾値電流密度8.7kA/cm2、4
10nmの発振を示す。また、本出願人は室温での連続
発振にも初めて成功し、発表した。{例えば、日経エレ
クトロニクス 1996年12月2日号 技術速報、Appl.Phys.L
ett.69(1996)3034-、Appl.Phys.Lett.69(1996)4056-
等}、このレーザ素子は20℃において、閾値電流密度
3.6kA/cm2、閾値電圧5.5V、1.5mW出力
において、27時間の連続発振を示す。
体はLEDで既に実用化され、LDでは数十時間ながら
連続発振にまで至っているが、LEDを例えば照明用光
源、直射日光の当たる屋外ディスプレイ等にするために
はさらに出力の向上が求められている。またLDでは閾
値を低下させて長寿命にし、光ピックアップ等の光源に
実用化するためには、よりいっそうの改良が必要であ
る。また前記LED素子は20mAにおいてVfが3.
6V近くある。Vfをさらに下げることにより、素子の
発熱量が少なくなって、信頼性が向上する。またレーザ
素子では閾値における電圧を低下させることは、素子の
寿命を向上させる上で非常に重要である。本発明はこの
ような事情を鑑みて成されたものであって、その目的と
するところは、主としてLED、LD等の窒化物半導体
素子の出力を向上させると共に、Vfを低下させて素子
の信頼性を向上させることにある。
物半導体発光素子は、基板と活性層との間に、基板側か
ら順にアンドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純
物がドープされたn導電型の第2の窒化物半導体層と、
アンドープの第3の窒化物半導体層とを備え、前記基板
と前記第1の窒化物半導体層との間に、第1の窒化物半
導体層よりも低温で成長されるバッファ層を有する窒化
物半導体発光素子であって、前記第2の窒化物半導体層
は超格子構造でありかつ該第2の窒化物半導体層にn電
極が形成され、前記第3の窒化物半導体層がInGaN
であることを特徴とする。なお本発明でアンドープの窒
化物半導体層とは意図的に不純物をドープしない窒化物
半導体層を指し、例えば原料に含まれる不純物、反応装
置内のコンタミネーション、意図的に不純物をドープし
た他の層からの意図しない拡散により不純物が混入した
層及び微量なドーピングにより実質的にアンドープとみ
なせる層(例えば抵抗率3×10-1Ω・cm以上)も本発
明ではアンドープと定義する。また、超格子層とは膜厚
100オングストローム以下、さらに好ましくは70オ
ングストローム、最も好ましくは50オングストローム
以下の窒化物半導体層を積層した多層膜構造を指す。本
発明の第1の窒化物半導体発光素子では、前記第3の窒
化物半導体層が、In混晶比yが0.1以下であるIn
yGa1−yNであることが好ましい。本発明に係る第
2の窒化物半導体発光素子は、基板と活性層との間に、
基板側から順にアンドープの第1の窒化物半導体層と、
n型不純物がドープされたn導電型の第2の窒化物半導
体層と、アンドープの第3の窒化物半導体層とを備え、
前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間に、第1の
窒化物半導体層よりも低温で成長されるバッファ層を有
する窒化物半導体発光素子であって、前記第2の窒化物
半導体層は超格子構造でありかつ該第2の窒化物半導体
層にn電極が形成され、前記第2の窒化物半導体層の抵
抗率が8×10-3Ω・cm未満で1×10-5Ω・cm以上
であり、前記第1の窒化物半導体層がAlGaNである
ことを特徴とする。また、本発明に係る第2の窒化物半
導体発光素子では、前記第1の窒化物半導体層が、X値
が0.2以下のAlXGa1−XNであることが好まし
い。さらに、本発明に係る第3の窒化物半導体発光素子
は、基板と活性層との間に、基板側から順にアンドープ
の第1の窒化物半導体層と、n型不純物がドープされた
n導電型の第2の窒化物半導体層と、前記第2の窒化物
半導体層よりも抵抗率が大きい第3の窒化物半導体層と
を備え、前記基板と前記第1の窒化物半導体層との間
に、第1の窒化物半導体層よりも低温で成長されるバッ
ファ層を有する窒化物半導体発光素子であって、前記第
2の窒化物半導体層は超格子構造でありかつ該第2の窒
化物半導体層にn電極が形成され、前記第2の窒化物半
導体層の抵抗率が8×10-3Ω・cm未満で1×10-5
Ω・cm以上であることを特徴とする。本発明に係る第3
の窒化物半導体発光素子では、前記第3の窒化物半導体
層はGaN若しくはInGaNであってもよい。本発明
に係る第3の窒化物半導体発光素子では、前記第1の窒
化物半導体層がGaN若しくはAlGaNであってもよ
い。
層の抵抗率は8×10-3Ω・cm未満であることが好まし
く、前記第2及び第3の窒化物半導体発光素子ではこの
範囲とした。第2の窒化物半導体層の抵抗率が8×10
-3Ω・cm以上になると、Vfがあまり低下しなくなる傾
向にある。抵抗率のより好ましい範囲は6×10-3Ω・
cm以下、さらに好ましくは4×10-3Ω・cm以下であ
る。下限は1×10-5Ω・cm以上に調整することが望ま
しく、前記第2及び第3の窒化物半導体発光素子ではこ
の範囲とした。第2の窒化物半導体層を単層で形成する
場合、下限値は1×10-3Ω・cm以上とすることが好ま
しいが、第2の窒化物半導体層を超格子層で構成する場
合には1×10-5Ω・cm以上に調整することが望まし
い。下限値よりも低抵抗にすると、Si、Ge、Sn等
の不純物量が多くなりすぎて、窒化物半導体の結晶性が
悪くなる傾向にある。
ばAlN、GaN、AlGaN等を400℃〜900℃
において、0.5μm以下の膜厚で成長させることがで
き、基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和、あるい
は第1の窒化物半導体層を結晶性よく成長させるための
下地層として作用する。
が0.5μm以下であることが好ましい。第3の窒化物
半導体層のより好ましい膜厚は0.2μm以下、さらに
好ましくは0.15μm以下に調整する。下限は特に限
定しないが10オングストローム以上、好ましくは50
オングストローム以上、最も好ましくは100オングス
トローム以上に調整することが望ましい。第3の窒化物
半導体層はアンドープの層であり、抵抗率が通常0.1
Ω・cm以上と高いため、この層を厚膜の層で成長すると
逆にVfが低下しにくい傾向にある。
の窒化物半導体層に、n型不純物が変調ドープされてい
てもよい。さらに、第1及び第3の窒化物半導体層は、
例えば、アンドープとして抵抗率は、例えば0.1Ω・
cm以上であってもよい。
板との間に少なくとも3層構造を有する窒化物半導体層
を有している。まず第1の窒化物半導体層はn型不純物
を含む第2の窒化物半導体層を結晶性よく成長させるた
めにアンドープとしている。この層に意図的に不純物を
ドープすると、結晶性が悪くなって、第2の窒化物半導
体層を結晶性良く成長させることが難しい。次に第2の
窒化物半導体層はn型不純物をドープして、抵抗率が低
く、キャリア濃度が高いn電極を形成するためのコンタ
クト層として作用している。従って第2の窒化物半導体
層の抵抗率はn電極材料と好ましいオーミック接触を得
るためにできるだけ小さくすることが望ましく、好まし
くは8×10-3Ω・cm未満とする。次に第3の窒化物半
導体層もアンドープとする。この層をアンドープとする
のは、抵抗率が小さくキャリア濃度の大きい第2の窒化
物半導体層は結晶性があまり良くない。この上に直接、
活性層、クラッド層等を成長させると、それらの層の結
晶性も悪くなるために、その間にアンドープの結晶性の
良い第3の窒化物半導体を介在させることにより、活性
層を成長させる前のバッファ層として作用する。さらに
抵抗率の比較的高いアンドープの層を活性層と第2の窒
化物半導体層との間に介在させることにより、素子のリ
ーク電流を防止し、逆方向の耐圧を高くすることができ
る。なお、第2の窒化物半導体層のキャリア濃度は3×
1018/cm3よりも大きくなる傾向にある。また活性層
はInを含むアンドープの窒化物半導体、好ましくはI
nGaNよりなる井戸層を有する単一量子井戸構造、若
しくは多重量子井戸構造とすることが望ましい。n型不
純物としては第4族元素が挙げられるが、好ましくはS
i若しくはGe、さらに好ましくはSiを用いる。
LED素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下こ
の図を元に、本発明の素子の製造方法について述べる。
容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水
素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇さ
せ、基板のクリーニングを行う。基板1にはサファイア
C面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その
他、スピネル(MgA12O4)のような絶縁性の基板の
他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、Zn
O、GaAs、GaN等の半導体基板を用いることがで
きる。
まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニア
とTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上に
GaNよりなるバッファ層2を約200オングストロー
ムの膜厚で成長させる。
成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇
させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTM
G、アンモニアガスを用い、アンドープGaNよりなる
第1の窒化物半導体層3を1.5μmの膜厚で成長させ
る。第1の窒化物半導体層3は基板に直接成長させるバ
ッファ層よりも高温、例えば900℃〜1100℃で成
長させ、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y
≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではない
が、好ましくはGaN、X値が0.2以下のAlXGa
1-XNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得ら
れやすい。また膜厚は特に問うものではなく、バッファ
層よりも厚膜で成長させ、通常0.1μm以上20μm
以下の膜厚で成長させる。この層はアンドープの層であ
るため、抵抗率は0.1Ω・cmよりも大きい。また第1
の窒化物半導体層3は、バッファ層よりも高温で成長さ
せる層であるためアンドープでもバッファ層とは区別さ
れる。
0℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不
純物ガスにシランガスを用い、SiドープGaNよりな
る第2の窒化物半導体層3を3μmの膜厚で成長させ
る。この第2の窒化物半導体層3も第1の窒化物半導体
層と同様に、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X
+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではな
いが、好ましくはGaN、X値が0.2以下のAlXGa
1-XNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得ら
れやすい。膜厚は特に問うものではないが、n電極を形
成する層であるので1μm以上20μm以下の膜厚で成
長させことが望ましい。なお素子構造にしない別のサフ
ァイア基板を用い、同様にして第2の窒化物半導体層ま
で成長させたウェーハを用意し、この第2の窒化物半導
体層の抵抗率を測定すると5×10-3Ω・cmであった。
バンドギャップエネルギーが異なる2種類の窒化物半導
体層が積層されてなるか、若しくは同一組成の窒化物半
導体層が積層されてなる超格子構造としても良い。超格
子層にすると第2の窒化物半導体層の移動度が大きくな
って抵抗率がさらに低下するため、特に発光効率の高い
素子が実現できる。超格子構造とする場合には超格子を
構成する窒化物半導体層の膜厚は100オングストロー
ム以下、さらに好ましくは70オングストローム以下、
最も好ましくは50オングストローム以下に調整する。
さらに超格子構造の場合、超格子を構成する窒化物半導
体層にSi、Ge、Sn、S等を変調ドープしても良
い。変調ドープとは、超格子層を構成する窒化物半導体
層の互いに不純物濃度が異なることを指し、この場合、
一方の層は不純物をドープしない状態、つまりアンドー
プでもよい。好ましくは第2の窒化物半導体層を互いに
バンドギャップエネルギーの異なる層を積層した超格子
構造として、いずれか一方の窒化物半導体層にn型不純
物を多くドープすることが望ましく、もう一方の窒化物
半導体層をアンドープとすることが好ましい。なお変調
ドープする場合には、不純物濃度差は1桁以上とするこ
とが望ましい。
スのみを止め、1050℃で同様にしてアンドープGa
Nよりなる第3の窒化物半導体層5を0.15μmの膜
厚で成長させる。この第3の窒化物半導体層5もInX
AlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成で
き、その組成は特に問うものではないが、好ましくはG
aN、X値が0.2以下のAlXGa1-XN、またはY値が
0.1以下のInYGa1-YNとすると結晶欠陥の少ない
窒化物半導体層が得られやすい。InGaNを成長させ
ると、その上にAlを含む窒化物半導体を成長させる場
合に、Alを含む窒化物半導体層にクラックが入るのを
防止することができる。なお第2の窒化物半導体層を単
一の窒化物半導体で成長させる場合、第1の窒化物半導
体層と、第2の窒化物半導体層と、第3の窒化物半導体
層とは同一組成の窒化物半導体を成長させることが望ま
しい。
て、キャリアガスを窒素に切り替え、TMG、TMI
(トリメチルインジウム)、アンモニアを用いアンドー
プIn0.4Ga0.6N層を30オングストロームの膜厚で
成長させて単一量子井戸構造を有する活性層6を成長さ
せる。
0℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg
(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを
1×1020/cm3ドープしたp型Al0.1Ga0.9Nより
なるp側クラッド層7を0.1μmの膜厚で成長させ
る。この層はキャリア閉じ込め層として作用し、Alを
含む窒化物半導体、好ましくはAlYGa1-YN(0<Y
<1)を成長させることが望ましく、結晶性の良い層を
成長させるためにはY値が0.3以下のAlYGa1-YN
層を0.5μm以下の膜厚で成長させることが望まし
い。
で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1
×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コン
タクト層8を0.1μmの膜厚で成長させる。p側コン
タクト層8もInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X
+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではな
いが、好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化
物半導体層が得られやすく、またp電極材料と好ましい
オーミック接触が得られやすい。
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化す
る。
取り出し、最上層のp側コンタクト層8の表面に所定の
形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチン
グ)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、
図1に示すように第2の窒化物半導体層4の表面を露出
させる。
ト層のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNiと
Auを含む透光性のp電極9と、そのp電極9の上にボ
ンディング用のAuよりなるpパッド電極10を0.5
μmの膜厚で形成する。一方エッチングにより露出させ
た第2の窒化物半導体層4の表面にはWとAlを含むn
電極11を形成する。最後にp電極9の表面を保護する
ためにSiO2よりなる絶縁膜12を図1に示すように
形成した後、ウェーハをスクライブにより分離して35
0μm角のLED素子とする。
いて、520nmの純緑色発光を示し、サファイア基板
上にGaNよりなるバッファ層と、SiドープGaNよ
りなるn側コンタクト層と、単一量子井戸構造のInG
aNよりなる活性層と、MgドープAlGaNよりなる
p側クラッド層と、MgドープGaNよりなるp側コン
タクト層とが順に積層された従来の緑色発光LEDに比
較して、20mAにおけるVfで0.1〜0.2V、出
力で5%〜10%向上させることができた。
係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レ
ーザ光の共振方向に垂直な方向で素子を切断した際の構
造を示すものである。以下この図面を元に実施例2につ
いて説明する。
に、実施例1と同様にしてバッファ層21を200オン
グストロームの膜厚で成長させる。
20成長後、温度を1020℃まで上昇させ、1020
℃において、アンドープGaNよりなる第1の窒化物半
導体層22を5μmの膜厚で成長させる。
020℃で不純物ガスにシランガスを用い、Siをドー
プしたn型GaNよりなる第2の窒化物半導体層を3μ
mの膜厚で成長させる。この第2の窒化物半導体層の抵
抗率も5×10-3Ω・cmであった。
を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用
い、アンドープIn0.05Ga0.95Nよりなる第3の窒化
物半導体層24を500オングストロームの膜厚で成長
させる。
0℃にして、原料ガスにTMA、TMG、NH3、Si
H4を用い、Siを1×1017/cm3ドープしたn型Al
0.25Ga0.75N層40オングストロームと、アンドープ
GaN層40オングストロームとを交互に40層ずつ積
層した超格子構造よりなるn側クラッド層を成長させ
る。このn側クラッド層はキャリア閉じ込め層及び光閉
じ込め層して作用する。
℃でSiを1×1019/cm3ドープしたn型GaNより
なるn側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このn側光ガイド層26は、活性層の光ガイド層と
して作用し、GaN、InGaNを成長させることが望
ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに
好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成
長させることが望ましい。このn側光ガイド層はアンド
ープでも良い。
ずSiドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オ
ングストロームの膜厚で成長させる。次にTMIのモル
比を変化させるのみで同一温度で、SiドープIn0.01
Ga0.99Nよりなる障壁層を50オングストロームの膜
厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に井戸
層を積層した多重量子井戸構造とする。
20℃にして、TMG、TMA、アンモニア、Cp2M
gを用い、活性層よりもバンドギャップエネルギーが大
きい、Mgを1×1020/cm 3ドープしたAl0.3Ga
0.7Nよりなるp側キャップ層28を300オングスト
ロームの膜厚で成長させる。このp側キャップ層28は
好ましくはp型とするが、膜厚が薄いため、n型不純物
をドープしてキャリアが補償されたi型としても良い。
p側キャップ層28の膜厚は0.1μm以下、さらに好
ましくは500オングストローム以下、最も好ましくは
300オングストローム以下に調整する。0.1μmよ
り厚い膜厚で成長させると、p側キャップ層28中にク
ラックが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層
が成長しにくいからである。またキャリアがこのエネル
ギーバリアをトンネル効果により通過できなくなる。A
lの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素
子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のA
lYGa1-YNであれば500オングストローム以下に調
整することが望ましい。p側キャップ層28の膜厚の下
限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜
厚で形成することが望ましい。
℃で、Mgを1×1018/cm3ドープしたGaNよりな
るp側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させ
る。このp側光ガイド層29は、n側光ガイド層26と
同じく、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、I
nGaNを成長させることが望ましく、通常100オン
グストローム〜5μm、さらに好ましくは200オング
ストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望まし
い。なおこのp側光ガイド層は、p型不純物をドープし
たが、アンドープの窒化物半導体で構成することもでき
る。
℃においてMgを1×1020/cm3ドープしたp型Al
0.25Ga0.75N層40オングストロームと、アンドープ
GaN層40オングストロームとを交互に40層ずつ積
層した超格子構造よりなるp側クラッド層30を成長さ
せる。このp側クラッド層はn側クラッド層と同じくキ
ャリア閉じ込め層及び光閉じ込め層して作用し、特にp
側クラッド層側を超格子とすることにより、p層の抵抗
が下がり閾値がより低下しやすい傾向にある。
ラッド層30の上に、1050℃でMgを2×1020/
cm3ドープしたGaNよりなるp側コンタクト層31を
150オングストロームの膜厚で成長させる。
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型不純物がドープされた層
をさらに低抵抗化する。
取り出し、図2に示すように、RIE装置で最上層のp
側コンタクト層31と、p側クラッド層30とをエッチ
ングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状と
する。特に活性層よりも上にあるAlを含む窒化物半導
体層以上の層をリッジ形状とすることにより、活性層の
発光がリッジ下部に集中して、横モードが単一化しやす
く、閾値が低下しやすい。リッジ形成後、リッジ表面に
マスクを形成し、図2に示すように、ストライプ状のリ
ッジに対して左右対称にして、n電極34を形成すべき
第2の窒化物半導体層23の表面を露出させる。
のほぼ全面にNiとAuよりなるp電極32を形成す
る。一方、TiとAlよりなるn電極34をストライプ
状の第2の窒化物半導体層23のほぼ全面に形成する。
なおほぼ全面とは80%以上の面積をいう。このように
p電極32に対して左右対称に第2の窒化物半導体層2
3を露出させて、その第2の層23のほぼ全面にn電極
を設けることも、閾値を低下させる上で非常に有利であ
る。さらに、p電極とn電極との間にSiO2よりなる
絶縁膜35を形成した後、その絶縁膜35を介してp電
極32と電気的に接続したAuよりなるpパッド電極3
3を形成する。
成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨
剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファ
イア基板20をラッピングし、基板の厚さを50μmと
する。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリ
シングして基板表面を鏡面状とする。
ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈
開面に共振器を作製する。共振器面にSiO2とTiO2
よりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極32に平
行な方向で、バーを切断してレーザ素子とする。この素
子をヒートシンクに設置して室温でレーザ発振を試みた
ところ、室温において、閾値電流密度2.5kA/c
m2、閾値電圧4.0Vで、発振波長405nmの連続発
振が確認され、500時間以上の寿命を示し、従来の窒
化物半導体レーザ素子に比較して10倍以上寿命が向上
した。
化物半導体層5成長時に、温度を800℃にしてTM
G、TMI、アンモニアを用い、アンドープIn0.05G
a0.95N層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る他は実施例1と同様にしてLED素子を得たところ、
実施例1とほぼ同等の特性を有する素子が得られた。
は、活性層と基板との間にあるアンドープの第1の窒化
物半導体層で、n型不純物がドープされた第2の窒化物
半導体の結晶性を維持するように成長できるので、次に
n型不純物をドープした第2の窒化物半導体層が結晶性
よく厚膜で成長できる。さらにアンドープの第3の窒化
物半導体がその層の上に成長させる窒化物半導体層のた
めの結晶性の良い下地層となる。そのため第2の窒化物
半導体層の抵抗率を低下できて、キャリア濃度が上がる
ために、非常に効率の良い窒化物半導体素子を実現する
ことができる。このように本発明によれば、Vf、閾値
の低い発光素子が実現できるため、素子の発熱量も少な
くなり、信頼性が向上した素子を提供することができ
る。
示す模式断面図。
を示す模式断面図。
Claims (9)
- 【請求項1】 基板と活性層との間に、基板側から順に
アンドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がド
ープされたn導電型の第2の窒化物半導体層と、アンド
ープの第3の窒化物半導体層とを備え、前記基板と前記
第1の窒化物半導体層との間に、第1の窒化物半導体層
よりも低温で成長されるバッファ層を有する窒化物半導
体発光素子であって、 前記第2の窒化物半導体層は超格子構造でありかつ該第
2の窒化物半導体層にn電極が形成され、 前記第3の窒化物半導体層がInGaNであることを特
徴とする窒化物半導体発光素子。 - 【請求項2】 前記第3の窒化物半導体層が、In混晶
比yが0.1以下であるInyGa1−yNであること
を特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項3】 基板と活性層との間に、基板側から順に
アンドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がド
ープされたn導電型の第2の窒化物半導体層と、アンド
ープの第3の窒化物半導体層とを備え、前記基板と前記
第1の窒化物半導体層との間に、第1の窒化物半導体層
よりも低温で成長されるバッファ層を有する窒化物半導
体発光素子であって、 前記第2の窒化物半導体層は超格子構造でありかつ該第
2の窒化物半導体層にn電極が形成され、 前記第2の窒化物半導体層の抵抗率が8×10-3Ω・cm
未満で1×10-5Ω・cm以上であり、 前記第1の窒化物半導体層がAlGaNであることを特
徴とする窒化物半導体発光素子。 - 【請求項4】 前記第1の窒化物半導体層が、X値が
0.2以下のAlXGa1−XNであることを特徴とす
る請求項3記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項5】 基板と活性層との間に、基板側から順に
アンドープの第1の窒化物半導体層と、n型不純物がド
ープされたn導電型の第2の窒化物半導体層と、前記第
2の窒化物半導体層よりも抵抗率が大きい第3の窒化物
半導体層とを備え、前記基板と前記第1の窒化物半導体
層との間に、第1の窒化物半導体層よりも低温で成長さ
れるバッファ層を有する窒化物半導体発光素子であっ
て、 前記第2の窒化物半導体層は超格子構造でありかつ該第
2の窒化物半導体層にn電極が形成され、 前記第2の窒化物半導体層の抵抗率が8×10-3Ω・cm
未満で1×10-5Ω・cm以上であることを特徴とする
窒化物半導体発光素子。 - 【請求項6】 前記第3の窒化物半導体層がGaN若し
くはInGaNであることを特徴とする請求項5記載の
窒化物半導体発光素子。 - 【請求項7】 前記第1の窒化物半導体層がGaN若し
くはAlGaNであることを特徴とする請求項5又は6
記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項8】 前記第3の窒化物半導体層の膜厚が0.
5μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のうち
のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子。 - 【請求項9】 前記超格子構造の第2の窒化物半導体層
に、n型不純物が変調ドープされていることを特徴とす
る請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の窒化物半
導体発光素子。
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-
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