JP4492013B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はLED(発光ダイオード)、LD(レーザダイオード)等の発光素子、あるいは太陽電池、光センサー等の受光素子、あるいはトランジスタ、集積回路等に使用される窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体は高輝度青色LED、純緑色LEDの材料として、フルカラーLEDディスプレイ、交通信号等で最近実用化されたばかりである。これらの各種デバイスに使用されるLEDは、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、単一量子井戸構造(SQW:Single-Quantum- Well)のInGaNよりなる活性層を有するダブルへテロ構造を有している。青色、緑色等の波長はInGaN活性層のIn組成比を増減することで決定されている。
【0003】
また、本出願人は、最近この材料を用いてパルス電流において、室温での410nmのレーザ発振を発表した(例えば、Jpn.J.Appl.Phys. Vol35 (1996) L74-76)。このレーザ素子はパルス電流(パルス幅2μs、パルス周期2ms)、閾値電流610mA、閾値電流密度8.7kA/cm2、閾値電圧21Vにおいて410nmのレーザ発振を示す。
【0004】
例えば、InGaNを活性層とするダブルへテロ構造のLED素子では、活性層はAlGaNよりなるn型、p型のクラッド層と、GaNよりなるn型、p型のコンタクト層とで挟まれている(例えば、特開平8−83929号参照)。n型コンタクト層、n側クラッド層等のn型層には、Si、Ge等のn型不純物がドープされ、p側コンタクト層、p側クラッド層等のp型層には、Mg、Zn等のp型不純物がドープされている。通常このような構造の場合、n電極が形成されるn型コンタクト層およびp電極が形成されるp側コンタクト層のキャリア濃度は、それぞれのコンタクト層が接するクラッド層と同一か、若しくは高キャリア濃度とされる。つまり基板から順に、高キャリア濃度のn+層、次に低キャリア濃度のn−層、活性層、低キャリア濃度のp−層、高キャリア濃度のp+層の順に積層されるのが通常であった。(ダブルへテロ構造ではないが、例えば特開平6−151963号、特開平6−151964号参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、電極と接触するコンタクト層のキャリア濃度が大きくなると、電極材料との接触抵抗が小さくなって、良好なオーミック性が得られやすい。電極とコンタクト層とのオーミック性が良くなると、LEDではVf(順方向電圧)、LDでは閾値電流が低下しやすくなる。しかしながら、窒化物半導体は結晶欠陥の多い材料であり、このような材料に高キャリア濃度を得るために、高濃度にn型不純物、p型不純物をドープすると、結晶性が悪くなって素子自体の出力が低下しやすい傾向にある。
【0006】
従って本発明はこのような事情を鑑みて成されたものであって、その目的とするところは、さらに結晶性が良く、高出力、高効率の窒化物半導体よりなる素子を提供することにあり、具体的には低閾値電流で連続発振するレーザ素子、及び高効率なLED素子を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
我々はLD、LED等の窒化物半導体素子について、まず、基板の上に成長させるn型層を改良することにより、前記課題が解決できることを新規に見いだし、本発明を成すに至った。即ち本発明の窒化物半導体素子は、窒化物半導体と格子不整合する基板と、窒化物半導体よりなる第1の層と、負電極が形成される窒化物半導体よりなる第2の層とを順に少なくとも有する窒化物半導体素子において、前記窒化物半導体よりなる第1の層は、n型不純物がドープされ、且つ膜厚が0.1μm以上であり、InGa1−XN(0≦X≦1)とAlGa1−YN(0<Y≦1)が積層された超格子層であると共に、前記窒化物半導体よりなる第2の層は、GaNからなり、前記第1の層に接して、前記第1の層よりもn型不純物濃度が大きくなるようにn型不純物がドープされ且つ膜厚が0.2μm以上4μm以下であることを特徴とする。
【0008】
また、さらに格子不整合する基板と窒化物半導体よりなる第1の層との間に、基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和するバッファ層を有する。また、さらに前記格子不整合する基板と窒化物半導体よりなる第1の層との間に、GaN、AlN、AlGaNから選択されるバッファ層を有する。さらに窒化物半導体よりなる第1の層は前記窒化物半導体よりなる第2の層よりも厚い。さらに超格子層を構成する各窒化物半導体層の膜厚は、70オングストローム以下である。さらに第2の層のn型不純物は1×10 17 /cm 〜1×10 21 /cm である。さらに第1の層は、第2の層のn型不純物よりも活性化率の小さいn型不純物がドープされている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の窒化物半導体素子の一構造を示す模式的な断面図であり、具体的にはLED素子の構造を示している。基本的な構造としては、例えばサファイアよりなる基板10の上に、例えばノンドープGaNよりなる低温成長バッファ層11、例えばノンドープGaNよりなる低キャリア濃度の第1の層12、例えばSiドープGaNよりなる高キャリア濃度の第2の層13、例えば単一量子井戸構造のInGaNよりなる活性層14、例えばMgドープAlGaNよりなるp側クラッド層15、例えばMgドープGaNよりなるp側コンタクト層16が順に積層された構造を有している。最上層のp側コンタクト層16のほぼ全面には透光性の正電極17(以下、正電極をp電極という。)が形成され、そのp電極17の表面にはボンディング用のパッド電極18が形成されている。本発明の素子においてn電極19は、n型不純物濃度が小さいか、あるいはn型不純物がドープされていない第1の層12の上に成長された、n型不純物が多くドープされた、キャリア濃度の大きい第2の層13の表面に形成される。つまり、第2の層13が電流注入層としてのn側コンタクト層として作用する。
【0011】
一方、不純物濃度が小さい第1の層12は、負電極が形成されるコンタクト層としてではなく、コンタクト層として作用する第2の層を成長させるための基礎層として作用している。従来のように電流注入層となるn側コンタクト層を数μm以上の膜厚で、高キャリア濃度の単一の窒化物半導体層で構成しようとすると、n型不純物濃度の大きい層を成長させる必要がある。不純物濃度の大きい厚膜の層は結晶性が悪くなる傾向にある。このため結晶性の悪い層の上に、活性層等の他の窒化物半導体を成長させても、結晶欠陥を他の層が引き継ぐことになって結晶性の向上が望めない。そこで本発明では、まずコンタクト層とすべき第2の層を成長させる前に、不純物濃度が小さい、結晶性の良い第1の層を成長させることにより、キャリア濃度が大きく結晶性の良い第2の層を成長させるのである。一般にn型不純物が含まれていないか、あるいはn型不純物濃度が小さい第1の層のキャリア濃度は、第2の層よりも小さい傾向にある。
【0012】
本発明において、第1の層、第2の層にドープされるn型不純物としては、例えばSi、Ge、Sn、C、Tiのように周期律表第IV族元素を挙げることができ、その中でもSi、Geは窒化物半導体にドープしてキャリア濃度、抵抗率等を調整するのに常用される。また窒化物半導体層の場合は半導体層中にできる窒素空孔のためにノンドープ(不純物をドープしない状態)でもn型を示す傾向にあるが、結晶性が良くなるとキャリア濃度の小さい高抵抗な層となる可能性もある。そのため本発明の第1の層の導電型は規定しない。
【0013】
第1の層のn型不純物濃度は、第2の層よりも小さければ良いが、最も好ましくはn型不純物をドープしない状態(以下ノンドープという。)が望ましい。ノンドープのものが最も結晶性が良い窒化物半導体が得られるからである。本発明の場合、むしろ第2の層の不純物濃度の方が重要であり、その範囲は1×1017/cm3〜1×1021/cm3の範囲、さらに好ましくは、1×1018/cm3〜1×1019/cm3に調整することが望ましい。1×1017/cm3よりも小さいとn電極の材料と好ましいオーミックが得られにくくなるので、レーザ素子では閾値電流、電圧の低下が望めず、1×1021/cm3よりも大きいと、素子自体のリーク電流が多くなったり、また結晶性も悪くなるため、素子の寿命が短くなる傾向にある。
【0014】
第1の層にn型不純物をドープする場合には第2の層よりも不純物量を少なくすることによりキャリア濃度の小さい層を形成できる。また、活性化率の小さい(つまり不純物をドープしてもキャリア濃度があまり大きくならない)n型不純物をドープしても良い。しかし、本発明では不純物をドープしないで第1の層を形成する方が結晶性の良いものが得られるため、好ましくはノンドープの状態で第1の層を形成することが望ましい。
【0015】
ここで、バッファ層11について説明する。バッファ層11は、通常0.1μm未満の膜厚で第1の層を成長させる前に、第1の層の成長温度よりも低温で成長される窒化物半導体層である。具体的にはノンドープのGaN、AlN、AlGaN層が挙げられる。この層は第1の層の結晶性を良くするために成長される層であり、また基板の上にバッファ層を成長させると、基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和する作用がある。このバッファ層は通常、多結晶を含む層であるため、キャリア濃度を測定することはほとんど不可能であるか、仮に測定できたとしても、例えば1×1021/cm3以上と非常に大きく、移動度が非常に小さい層である。従って、本発明では基板の上、若しくは第1の層を成長させる前に単一の組成で成長される膜厚0.1μm未満の低温成長バッファ層は、本発明の第1の層には含まれない。またバッファ層は、基板と第1の層と第2の層とは必ずしも接して形成されていることを示すものではなく、基板と第1の層、若しくは第1の層と第2の層との間に、バッファ層等の他の窒化物半導体層が挿入されていても、本発明の範囲内である。
【0016】
さらに、第1の層、及び第2の層の内の少なくとも一方の層を、膜厚100オングストローム以下の互いに組成が異なる窒化物半導体層が積層された歪み超格子層とすることもできる。超格子層とすると、この層が超格子構造となって窒化物半導体層の結晶性が飛躍的に良くなり、閾値電流が低下する。つまり、超格子層を構成する各窒化物半導体層の膜厚を100オングストローム以下として、弾性歪み限界以下の膜厚としている。このように超格子層を構成する窒化物半導体層の膜厚を弾性歪み限界以下の膜厚とすると、結晶中に微細なクラック、結晶欠陥が入りにくくなり、結晶性の良い窒化物半導体を成長できる。そのため、この超格子層の上に他の窒化物半導体層を成長させても、超格子層が結晶性が良いために他の窒化物半導体層の結晶性も良くなる。従って全体の窒化物半導体に結晶欠陥が少なくなって結晶性が向上するので、閾値電流が低下して、レーザ素子の寿命が向上する。
【0017】
超格子層を構成する窒化物半導体層は互いに組成が異なる窒化物半導体で構成されていれば良く、バンドギャップエネルギーが異なっていても、同一でもかまわない。例えば超格子層を構成する最初の層(A層)をInXGa1-XN(0≦X≦1)で構成し、次の層(B層)をAlYGa1-YN(0<Y≦1)で構成すると、B層のバンドギャップエネルギーが必ずA層よりも大きくなるが、A層をInXGa1-XN(0≦X≦1)で構成し、B層をInZAl1-ZN(0<Z≦1)で構成すれば、A層とB層とは組成が異なるが、バンドギャップエネルギーが同一の場合もあり得る。またA層をAlYGa1-YN(0≦Y≦1)で構成し、B層をInZAl1-ZN(0<Z≦1)で構成すれば、同様に第1の層と第2の層とは組成が異なるがバンドギャップエネルギーが同一の場合もあり得る。本発明の超格子層はこのような組成が異なってバンドギャップエネルギーが同じ構成でも良い。
【0018】
好ましくは超格子層を構成するA層、B層の窒化物半導体はバンドギャップエネルギーが異なるものを積層することが望ましく、超格子層を構成する窒化物半導体の平均バンドギャップエネルギーを活性層よりも大きくするように調整することが望ましい。好ましくは一方の層をInXGa1-XN(0≦X≦1)とし、もう一方の層をAlYGa1-YN(0≦Y≦1、X≠Y=0)で構成することにより、結晶性のよい超格子層を形成することができる。また、AlGaNは結晶成長中にクラックが入りやすい性質を有している。そこで、超格子層を構成するA層を膜厚100オングストローム以下のAlを含まない窒化物半導体層とすると、Alを含む窒化物半導体よりなるもう一方のB層を成長させる際のバッファ層として作用し、B層にクラックが入りにくくなる。そのため超格子層を積層してもクラックのない超格子を形成できるので、結晶性が良くなり、素子の寿命が向上する。これもまた一方の層をInXGa1-XN(0≦X≦1)とし、もう一方の層をAlYGa1-YN(0≦Y≦1、X≠Y=0)とした場合の利点である。
【0019】
超格子層を構成する各窒化物半導体層の膜厚は100オングストローム以下、さらに好ましくは70オングストローム以下、最も好ましくは10オングストローム以上、40オングストローム以下の範囲に調整する。100オングストロームよりも厚いと弾性歪み限界以上の膜厚となり、膜中に微少なクラック、あるいは結晶欠陥が入りやすい傾向にある。井戸層、障壁層の膜厚の下限は特に限定せず1原子層以上であればよいが10オングストローム以上に調整することが望ましい。但し、膜厚の厚い第1の層を超格子層で構成する場合には70オングストローム以下、膜厚が薄く、n型不純物が含まれる第2の層を超格子層とする場合には40オングストローム以下にすることが望ましい。窒化物半導体層の膜厚を薄くすることにより、弾性歪み限界以下の膜厚となるため、窒化物半導体層の結晶欠陥、クラックが少なくなって結晶性が飛躍的に向上することにより、素子寿命が長くなり、信頼性の高い素子を実現できる。
【0020】
超格子層を構成する窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーが互いに異なる場合、n型不純物はバンドギャップエネルギーの大きな方の層に多くドープするか、またはバンドギャップエネルギーの小さな方をノンドープとして、バンドギャップエネルギーの大きな方にn型不純物をドープする方が、閾値電圧、閾値電流が低下しやすい傾向にある。
【0021】
重要なことに、第2の層よりも第1の層を厚く成長させ、第1の層は0.1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上、最も好ましくは1μm以上、20μm以下に調整することが望ましい。第1の層が0.1μmよりも薄いと、不純物濃度の大きい第2の層を厚く成長させなければならず、コンタクト層としての第2の層の結晶性の向上があまり望めない傾向にある。また20μmよりも厚いと、第1の層自体に結晶欠陥が多くなりやすい傾向にある。また第1の層を厚く成長させる利点として、放熱性の向上が挙げられる。つまりレーザ素子を作製した場合に、第1の層で熱が広がりやすくレーザ素子の寿命が向上する。さらにレーザ光の漏れ光が第1の層内で広がって、楕円形に近いレーザ光が得やすくなる。
【0022】
一方、第2の層は0.2μm以上、4μm以下に調整することが望ましい。0.2よりも薄いと、後で負電極を形成する際に、第2の層を露出させるようにエッチングレートを制御するのが難しく、一方、4μm以上にすると不純物の影響で結晶性が悪くなる傾向にある。これは、第1の層、第2の層を超格子層で構成する場合も同様である。超格子層で第1の層、第2の層を構成する場合には、それぞれの超格子層全体の層の膜厚を指すことは言うまでもない。第1の層を超格子で20μm以上積むことは、非常に手間がかかり製造工程上不向きである。但し、第2の層を超格子層で形成する場合では4μm以上の膜厚で形成しても良いが、第1の層と同様に厚膜で成長させると非常に手間が係る。
【0023】
【実施例】
以下実施例において本発明を詳説する。図2は本発明の一実施例のレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直な方向で素子を切断した際の構造を示すものである。以下この図面を元に本発明の素子を説明する。なお、本明細書において示す一般式InXAlYGa1-X-YNは単に窒化物半導体の組成比を示すものであって、例えば異なる層が同一の一般式で示されていても、それらの層のX値、Y値等が一致しているものではない。
【0024】
[実施例1]
サファイア(C面)よりなる基板20を反応容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。基板20にはサファイアC面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その他、スピネル(MgA 24)のような絶縁性の基板の他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、GaN等の半導体基板を用いることができる。
【0025】
(バッファ層21)
続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上にGaNよりなるバッファ層2を約200オングストロームの膜厚で成長させる。バッファ層20、AlN、GaN、AlGaN等が、900℃以下の温度で、0.1μm未満、好ましくは数十オングストローム〜数百オングストロームで形成できる。このバッファ層は基板と窒化物半導体との格子定数不正を緩和するために形成されるが、窒化物半導体の成長方法、基板の種類等によっては省略することも可能である。
【0026】
(第1の層22)
バッファ層20成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガスを用い、キャリア濃度1×1018/cm3のノンドープGaNよりなる第1の層22を5μmの膜厚で成長させる。第1の層はInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではない。
【0027】
(第2の層23)
続いて、1050℃でTMG、アンモニア、不純物ガスにシランガスを用い、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる第2の層23を1μmの膜厚で成長させる。この第2の層23のキャリア濃度はドープ量と同じ1×1019/cm3であった。特にSiのような活性化率の高いn型不純物はドープした不純物量とほぼ同じだけのキャリア濃度が得られるため、以下の説明においてSiがドープされたn型窒化物半導体はSiのドープ量でもって、キャリア濃度が示されているものとする。第2の層の組成もInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではなく、第1の層22、第2の層23を異なる組成の窒化物半導体で構成しても良い。
【0028】
(クラック防止層24)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニア、シランガスを用い、Siを1×1019/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなるクラック防止層24を500オングストロームの膜厚で成長させる。このクラック防止層10はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させることにより、Alを含む窒化物半導体層中にクラックが入るのを防止することができる。なおこのクラック防止層は100オングストローム以上、0.5μm以下の膜厚で成長させることが好ましい。100オングストロームよりも薄いと前記のようにクラック防止として作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層24は成長方法、成長装置等の条件によっては省略することもでき、特に第2の層23を超格子構造とした場合には省略できる。
【0029】
(n側クラッド層25)
次に温度を1050℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、NH3、SiH4を用い、Siを1×1019/cm3ドープしたn型Al0.25Ga0.75Nよりなるn側クラッド層25を0.5μmの膜厚で成長させる。このn側クラッド層25はキャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させることが望ましく、100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させることにより、結晶性の良いクラッド層が形成できる。
【0030】
(n側光ガイド層26)
続いて、1050℃でSiを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなるn側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層26は、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、InGaNを成長させることが望ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。このn側の光ガイド層はノンドープでも良い。
【0031】
(活性層27)
次に、原料ガスにTMG、TMI、アンモニア、シランガスを用いて活性層27を成長させる。活性層27は温度を800℃に保持して、まずSiを8×1018/cm3でドープしたIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させる。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度で、Siを8×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に井戸層を積層した多重量子井戸構造とする。活性層にドープする不純物は本実施例のように井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なおn型不純物をドープすると閾値が低下する傾向にある。
【0032】
(p側キャップ層28)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、活性層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cm3ドープしたAl0.1Ga0.9Nよりなるp側キャップ層28を300オングストロームの膜厚で成長させる。このp側キャップ層28は好ましくはp型とするが、膜厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャリアが補償されたi型としても良い。p側キャップ層28の膜厚は0.1μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以下、最も好ましくは300オングストローム以下に調整する。0.1μmより厚い膜厚で成長させると、p側キャップ層28中にクラックが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長しにくいからである。またキャリアがこのエネルギーバリアをトンネル効果により通過できなくなる。Alの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa1-YNであれば500オングストローム以下に調整することが望ましい。p側キャップ層28の膜厚の下限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜厚で形成することが望ましい。
【0033】
(p側光ガイド層29)
続いて、1050℃で、Mgを1×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp側光ガイド層26を0.2μmの膜厚で成長させる。このp側光ガイド層29は、n側光ガイド層26と同じく、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、InGaNを成長させることが望ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。なおこのp側光ガイド層は、p型不純物をドープしたが、ノンドープの窒化物半導体で構成することもできる。
【0034】
(p側クラッド層30)
続いて1050℃で、Mgを1×1020/cm3ドープしたAl0.25Ga0.75Nよりなるp側クラッド層30を0.5μmの膜厚で成長させる。この層はn側クラッド層25と同じく、キャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させることが望ましく、100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させると結晶性の良いクラッド層が成長できる。
【0035】
本実施例のように量子構造の井戸層を有する活性層を有するダブルへテロ構造の半導体素子の場合、その活性層27に接して、活性層よりもバンドギャップエネルギーが大きい膜厚0.1μm以下の窒化物半導体よりなるキャップ層、好ましくはAlを含む窒化物半導体よりなるp側キャップ層28を設け、そのp側キャップ層28よりも活性層から離れた位置に、p側キャップ層28よりもバンドギャップエネルギーが小さいp側光ガイド層29を設け、そのp側光ガイド層29よりも活性層から離れた位置に、p側光ガイド層29よりもバンドギャップが大きい窒化物半導体、好ましくはAlを含む窒化物半導体よりなるp側クラッド層30を設けることは非常に好ましい。しかもp側キャップ層28の膜厚を0.1μm以下と薄く設定してあるため、キャリアのバリアとして作用することはなく、p層から注入された正孔が、トンネル効果によりキャップ層28を通り抜けることができて、活性層で効率よく再結合し、LDの出力が向上する。つまり、注入されたキャリアは、キャップ層28のバンドギャップエネルギーが大きいため、半導体素子の温度が上昇しても、あるいは注入電流密度が増えても、キャリアは活性層をオーバーフローせず、キャップ層28で阻止されるため、キャリアが活性層に貯まり、効率よく発光することが可能となる。
【0036】
(p側コンタクト層31)
最後に、p側クラッド層30の上に、1050℃でMgを2×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp側コンタクト層31を150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コンタクト層31はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極32と最も好ましいオーミック接触が得られる。なお、p側コンタクト層と好ましいオーミックが得られるp電極32の材料としては、例えばNi、Pd、Ag、Ni/Au等を挙げることができる。さらに、p側コンタクト層31の膜厚は500オングストローム以下、さらに好ましくは300オングストローム以下、最も好ましくは200オングストローム以下に調整することが望ましい。なぜなら、抵抗率が高いp型窒化物半導体層の膜厚を500オングストローム以下に調整することにより、さらに抵抗率が低下するため、閾値での電流、電圧が低下する。またp型層から除去される水素が多くなって抵抗率が低下しやすい傾向にある。さらに、このコンタクト層31を薄くする効果には、次のようなことがある。例えば、p型AlGaNよりなるp側クラッド層に、膜厚が500オングストロームより厚いp型GaNよりなるp側コンタクト層が接して形成されており、仮にクラッド層とコンタクト層の不純物濃度が同じで、キャリア濃度が同じである場合、p側コンタクト層の膜厚を500オングストロームよりも薄くすると、クラッド層側のキャリアがコンタクト層側に移動しやすくなって、p側コンタクト層のキャリア濃度が高くなる傾向にある。そのためキャリア濃度の高いコンタクト層に電極を形成すると良好なオーミックが得られる。
【0037】
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型不純物がドープされた層をさらに低抵抗化する。
【0038】
アニーリング後、ウェーハを反応容器から取り出し、図2に示すように、RIE装置で最上層のp側コンタクト層31と、p側クラッド層30とをエッチングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形状とする。特に活性層よりも上にあるAlを含む窒化物半導体層以上の層をリッジ形状とすることにより、活性層の発光がリッジ下部に集中して、横モードが単一化しやすく、閾値が低下しやすい。リッジ形成後、リッジ表面にマスクを形成し、図2に示すように、ストライプ状のリッジに対して左右対称にして、n電極33を形成すべき第2の層23の表面を露出させる。n電極33の材料としてはAl、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若しくは合金が好ましいオーミックが得られる。
【0039】
次にp側コンタクト層31の表面にNiとAuよりなるp電極32をストライプ状に形成する。一方、TiとAlよりなるn電極33をストライプ状の第2の層23のほぼ全面に形成する。なおほぼ全面とは80%以上の面積をいう。このようにp電極32に対して左右対称に第2の層23を露出させて、その第2の層23のほぼ全面にn電極を設けることも、閾値を低下させる上で非常に有利である。
【0040】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファイア基板20をラッピングし、基板の厚さを50μmとする。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリシングして基板表面を鏡面状とする。
【0041】
基板研磨後、研磨面側をスクライブして、ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈開面に共振器を作製する。共振器面にSiO2とTiO2よりなる誘電体超格子を形成し、最後にp電極32に平行な方向で、バーを切断してレーザチップとした。次にチップをフェースアップ(基板とヒートシンクとが対向した状態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極をボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、室温において、閾値電流密度3.0kA/cm2、閾値電圧4.5Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、30時間以上の寿命を示した。
【0042】
[実施例2]
実施例1において、第2の層23成長時に、Siを1×1019/cm3ドープしたAl0.1Ga0.9Nよりなる層を20オングストローム成長させ、続いてSiを同量でドープしたn型GaNよりなる層を20オングストローム成長させる。そして、この操作をそれぞれ200回繰り返し、キャリア濃度1×1019/cm3の総膜厚0.8μmの超格子層よりなる第2の層23を形成する。
【0043】
次に、クラック防止層24を成長させずに、実施例1と同様にして第2の層23の上に直接n側クラッド層25を成長させ、後は同様にして図2のレーザ素子の構造となるように窒化物半導体を積層する。
【0044】
成長後、リッジを形成した後、第2の層23の表面をエッチングして露出させる。なお第2の層23の表面にはSiドープGaNよりなる井戸層が露出した。後は実施例1と同様にして電極を形成してレーザ素子としたところ、室温において、閾値電流密度2.8kA/cm2、閾値電圧4.3Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、40時間以上の寿命を示した。
【0045】
[実施例3]
実施例2において、第2の層23成長時に、Siを2×1019/cm3ドープしたAl0.1Ga0.9Nよりなる層を30オングストローム成長させ、続いてノンドープのGaNよりなる層を30オングストローム成長させる。この操作をそれぞれ200回繰り返し、総膜厚1.2μmの超格子層よりなる第2の層23を形成する。後は実施例2と同様にレーザ素子を作製したところ、閾値電流密度2.7kA/cm2、閾値電圧4.1Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、50時間以上の寿命を示した。
【0046】
このように超格子層を第2の層23として、n電極を形成する層とすると閾値電圧が低下する傾向にある。これはHEMTに類似した効果が現れたのではないかと推察される。例えば、n型不純物がドープされたバンドギャップの大きい窒化物半導体層と、バンドギャップが小さいノンドープの窒化物半導体層とを積層した超格子層では、n型不純物を添加した層と、ノンドープの層とのヘテロ接合界面で、障壁層側が空乏化し、バンドギャップの小さい層側の厚さ前後の界面に電子(二次元電子ガス)が蓄積する。この二次元電子ガスがバンドギャップの小さい側にできるので、電子が走行するときに不純物による散乱を受けないため、超格子の電子の移動度が高くなり、抵抗率が低下する。従って超格子を電極形成時のコンタクト層とすると、移動度が大きくなって素子の電圧が低下すると推察されるが詳しいことは不明である。
【0047】
[実施例4]
実施例1において、第1の層22成長時に、ノンドープのn型GaNよりなる井戸層を40オングストローム、次にノンドープのn型Al0.1Ga0.9Nよりなる障壁層を60オングストローム成長させる。この操作をそれぞれ200回繰り返し、平均キャリア濃度5×1017/cm3の総膜厚2μmの超格子層よりなる第1の層22を形成する。
【0048】
次に実施例1と同様にして、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる第2の層23を1μmの膜厚で成長させ、その上にクラック防止層24を成長させ、後は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、実施例2とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が作製できた。
【0049】
[実施例5]
実施例1において、第1の層成長時に、Siを1×1018/cm3ドープしたn型GaNとする他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、同じく室温において、閾値電流密度3.1kA/cm2、閾値電圧4.6Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、25時間以上の寿命を示した。
【0050】
[実施例6]
この実施例は図1のLED素子を元に説明する。実施例1と同様にしてサファイアよりなる基板10の上に、ノンドープGaNよりなるバッファ層11を600℃で成長させた後、バッファ層11の上にキャリア濃度1×1018/cm3のノンドープn型GaNよりなる第1の層12を4μm成長させ、次にSiを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる第2の層13を1μm成長させる。
【0051】
次にIn0.4Ga0.6Nよりなる膜厚30オングストロームの単一量子井戸構造よりなる活性層14を成長させ、さらに、Mgを5×1019/cm3ドープしたMgドープp型Al0.2Ga0.9Nよりなるp側クラッド層15を0.5μm成長させ、その上に、Mgを5×1019/cm3ドープしたMgドープp型GaNよりなるp側コンタクト層16を0.2μm成長させる。
【0052】
成長後、ウェーハを反応容器から取り出し実施例1と同様にして、アニーリングを行った後、p方コンタクト層16側からエッチングを行いn電極19を形成すべき第2の層13の表面を露出させる。最上層のp側コンタクト層16のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNi−Auよりなる透光性のp電極17を形成し、そのp電極17の上にAuよりなるパッド電極18を形成する。露出した第2の層の表面にもTi−Alよりなるn電極19を形成する。
【0053】
以上のようにして電極を形成したウェーハを350μm角のチップに分離してLED素子としたところ、If20mAにおいて520nmの緑色発光を示し、Vfは3.1Vであった。これに対し、第1の層と、第2の層を単一のSiドープGaN(Si:1×1019/cm3)で構成したLED素子のVfは3.4Vであった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、ますノンドープの窒化物半導体よりなる第1の層の上に、n型不純物をドープした第2の層を形成して、その第2の層に負電極を形成すると、結晶性が良くキャリア濃度の高い第2の層が形成できるために、閾値電流、電圧が低下し、非常の効率の良い素子を実現できる。さらに本発明の素子をレーザ素子に適用することにより、閾値電流、閾値電圧が低い、室温で連続発振する短波長のレーザ素子を得ることができる。このようなレーザ素子が得られたことにより、CVD、光ファイバー等の光通信用の光源として、非常に有意義である。さらにまた本発明は窒化物半導体を用いたLED、受光素子等の他の光デバイスにも適用可能である。例えばLED素子に本発明を適用すると、Vf(順方向電圧)が低下した非常に効率の高いLEDを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るLED素子の構造を示す模式断面図。
【図2】本発明の他の実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【符号の説明】
10、20・・・・基板
11、21・・・・バッファ層
12、22・・・・第1の層
13、23・・・・第2の層
14、27・・・・活性層
15、30・・・・p側クラッド層
16、31・・・・p側コンタクト層
17、32・・・・p電極
19、33・・・・n電極

Claims (7)

  1. 窒化物半導体と格子不整合する基板と、窒化物半導体よりなる第1の層と、負電極が形成される窒化物半導体よりなる第2の層とを順に少なくとも有する窒化物半導体素子において、
    前記窒化物半導体よりなる第1の層は、n型不純物がドープされ、且つ膜厚が0.1μm以上であり、InGa1−XN(0≦X≦1)とAlGa1−YN(0<Y≦1)が積層された超格子層であると共に、
    前記窒化物半導体よりなる第2の層は、GaNからなり、前記第1の層に接し、前記第1の層よりもn型不純物濃度が大きくなるようにn型不純物がドープされ且つ膜厚が0.2μm以上4μm以下であることを特徴とする窒化物半導体素子。
  2. 前記格子不整合する基板と窒化物半導体よりなる第1の層との間に、基板と窒化物半導体との格子不整合を緩和するバッファ層を有する請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 前記格子不整合する基板と窒化物半導体よりなる第1の層との間に、GaN、AlN、AlGaNから選択されるバッファ層を有する請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記窒化物半導体よりなる第1の層は前記窒化物半導体よりなる第2の層よりも厚い請求項1乃至3のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  5. 前記超格子層を構成する各窒化物半導体層の膜厚は、70オングストローム以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  6. 前記第2の層のn型不純物は1×1017/cm〜1×1021/cmである請求項1乃至5のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  7. 前記第1の層は、第2の層のn型不純物よりも活性化率の小さいn型不純物がドープされている請求項1乃至6のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
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