JPH10145002A - 窒化物半導体素子及び窒化物半導体の成長方法 - Google Patents
窒化物半導体素子及び窒化物半導体の成長方法Info
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- JPH10145002A JPH10145002A JP30425996A JP30425996A JPH10145002A JP H10145002 A JPH10145002 A JP H10145002A JP 30425996 A JP30425996 A JP 30425996A JP 30425996 A JP30425996 A JP 30425996A JP H10145002 A JPH10145002 A JP H10145002A
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Abstract
閾値を低下させて室温で長時間連続発振させることによ
り、信頼性が高く、効率に優れた窒化物半導体素子を実
現する。 【構成】 n型窒化物半導体層を成長させた後、そのn
型窒化物半導体層の表面に微細な凹凸を設けるか、成長
後の窒化物半導体層の最表面に微細な凹凸が形成される
ようにn型窒化物半導体層を成長させ、その後その凹凸
が設けられたn型窒化物半導体層に接して、量子構造を
有し、かつインジウムを含む窒化物半導体よりなる活性
層を成長させることにより、レーザ素子の閾値が低下し
て、長時間連続発振可能となる。
Description
ド)、LD(レーザダイオード)等の発光素子、あるい
は太陽電池、光センサー等の受光素子に使用される窒化
物半導体(In XAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+
Y≦1)よりなる素子と、その素子を構成する窒化物半
導体の成長方法に関する。
色LEDの材料として、フルカラーLEDディスプレ
イ、交通信号等で最近実用化されたばかりである。これ
らのLEDはn型窒化物半導体層と、p型窒化物半導体
層との間に、単一量子井戸構造(SQW:Single-Quant
um- Well)を有するInGaNよりなる活性層を有する
ダブルへテロ構造を有している。青色、緑色等の波長は
InGaN活性層のIn組成比を増減することで決定さ
れている。
パルス電流において、室温での410nmのレーザ発振
を発表した(例えば、Jpn.J.Appl.Phys. Vol35 (1996)
pp.L74-76)。図1に発表したレーザ素子の構造を示
す。このレーザ素子はサファイア基板の上にGaNバッ
ファ層、n−GaN、n−In0.1Ga0.9N、n−Al
0.15Ga0.85N、n−GaN、InGaNよりなる多重
量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum-Well)の活性
層、p−Al0.2Ga0.8N、p−GaN、p−Al0.15
Ga0.85N、p−GaNが順に積層されてなる電極スト
ライプ型のレーザ素子であり。最上層のp型GaNには
ストライプ状のp電極、エッチングにより露出されたバ
ッファ層の上のn−GaNには同じくストライプ状のn
電極が形成されている。このレーザ素子はパルス電流
(パルス幅2μs、パルス周期2ms)において、閾値
電流610mA、閾値電流密度8.7kA/cm2、閾値
電圧21Vと、閾値での電流、電圧がかなり高い。室温
連続発振させるためには、この閾値電流、電圧が下がる
ような、さらに発光効率の高い素子を実現する必要があ
る。
体ではLEDが実用化域に入っており、益々の光度向
上、長寿命が望まれ、LDでは早期室温での連続発振が
望まれている。そのためには素子自体の構造を改良し
て、窒化物半導体デバイスの特性を向上させる必要があ
る。そのためには最も過酷な条件で使用されるレーザ素
子の閾値を低下させて、レーザ素子を連続発振させるこ
とが、最もわかりやすい。従って本発明の目的とすると
ころは、主として窒化物半導体よりなるレーザ素子の閾
値を低下させて室温で長時間連続発振させることによ
り、信頼性が高く、効率に優れた窒化物半導体素子を実
現することにある。これを実現することにより、同時に
LEDの発光効率を向上させ、太陽電池、光センサー等
の受光素子の効率も向上させることができる。そのため
に本発明では、新規な窒化物半導体素子の構造と、その
素子を構成する窒化物半導体の成長方法とを提供する。
子は、n型窒化物半導体層(以下、n型層という。)と
p型窒化物半導体層(以下、p型層という。)との間
に、量子構造を有する活性層が形成されてなる窒化物半
導体素子において、前記活性層は表面に微細な凹凸が設
けられたn型層に接して形成されていることを特徴とす
る。なお量子構造とは、単一量子井戸構造(SQW:Si
ngle-quantum-Well)、MQW、量子ドット、量子箱
等、窒化物半導体の量子効果が現れるような、単一膜厚
が非常に薄い膜厚で形成された活性層を意味し、具体的
には例えばSQWであれば膜厚が70オングストローム
以下、さらに好ましくは50オングストローム以下の単
一井戸層よりなる活性層を意味し、MQWであれば、障
壁層が150オングストローム以下、さらに好ましくは
100オングストローム以下の膜厚で形成され、障壁層
と前記井戸層とを複数積層してなる活性層を意味する。
量子箱、量子ドットとは、活性層の膜厚の薄い井戸層及
び/又は障壁層の一部が相分離してインジウムの多いイ
ンジウムリッチ領域と、インジウムの少ないインジウム
プアー領域とを形成しており、インジウムリッチ領域と
インジウムプアー領域とが平面上で規則的に並んだよう
な状態になって量子箱を形成している状態を指す。ある
いはInリッチ領域と、Inプアー領域によって生じる
井戸層の厚さが面内で不均一であり、面内方向において
キャリアが閉じこめられるようになっているものも、こ
こでは含んで量子ドット若しくは量子箱というが、量子
箱、量子ドットについては後に詳説する。
して形成されているn型層の凹凸の平均段差が10オン
グストローム〜100オングストロームの範囲内にある
ことを特徴とする。なお凹凸の平均段差は、その窒化物
半導体層の表面荒さを測定することによって決定でき
る。
の態様からなり、その第1の態様は、n型層を成長させ
た後、そのn型層の表面に微細な凹凸を設ける工程と、
その凹凸が設けられたn型層に接して、量子構造を有
し、かつインジウムを含む窒化物半導体よりなる活性層
を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
の窒化物半導体層の最表面に微細な凹凸が形成されるよ
うにn型層を成長させる工程と、凹凸が設けられたn型
窒化物半導体層に接して、量子構造を有し、かつインジ
ウムを含む窒化物半導体よりなる活性層を成長させる工
程とを備えることを特徴とする。
び第2の態様において、前記凹凸の平均段差が10オン
グストローム〜100オングストロームの範囲内にある
ことを特徴とする。
の活性層付近の構造を拡大して示す模式的な断面図を示
す。本発明の窒化物半導体素子は活性層が形成されるn
型層表面に微細な凹凸が設けられている。このn型層の
上に量子構造を有する活性層を成長させると、活性層の
表面にも凹凸が発生する。量子構造を構成する活性層の
単一井戸層の膜厚は70オングストローム以下と非常に
薄い。このような単一膜厚が非常に薄い層を、凹凸のあ
るn型層の表面に成長させると、活性層はその性質を受
け継いで凹凸が発生する、さらにその凹凸により活性層
に組成の不均一が生じやすい傾向にある。つまり、n型
層の凹凸の上に活性層を成長させると、活性層(井戸
層)に注入されたキャリアは、面内方向でn型層、p型
層との層のバンドギャップ差により、キャリアが横方向
に閉じこめられたような形となり量子箱、若しくは量子
ドット構造と同一となり、出力が大幅に向上する。
そのキャリアが活性層の横方向に存在するn型層で閉じ
こめられた状態を示している。このようにn型層に凹凸
ができると、Inを含む活性層はInの組成不均一が起
こりやすくなり、In含有量が少ないInプアー領域
と、In含有量が多いInリッチ領域ができやすくなる
傾向にある。あるいはInを含む活性層をn型層の上に
成長させると、例えばInGaNは成長時に相分離を起
こしやすく、相分離が起きたときにInGaN活性層の
膜厚が不均一になる傾向にある。このため、たとえ下の
n型層の凹凸が小さくても、このInGaNの相分離に
よる凹凸により、さらに活性層の凹凸が大きくなる傾向
にある。このため活性層にできた量子ドット、あるいは
量子箱は凹凸によるキャリアの閉じこめ効果と、In組
成分離による2つの効果よりなる。しかも、前記のよう
に、このInGaN凹凸領域にはInリッチ領域とプア
ー領域とができている。即ち、少なくとも一つの井戸層
を有する活性層の面内において、インジウム組成が不均
一であることは、単一井戸層の面方向においてバンドギ
ャップの異なるInGaN領域(Inリッチ領域、In
プア領域)が存在し、さらに面内方向において、凹凸に
よって起こる横方向のキャリアの閉じこめが存在するこ
とを意味する。従って、活性層に注入されたキャリア
は、Inリッチ領域、あるいは凹凸による横方向の閉じ
こめを受ける。これは三次元的にキャリアが閉じこめら
れた効果に相当する。つまり活性層が量子箱、量子ドッ
ト効果に相当するのである。
注入された電子キャリアと正孔キャリアとが井戸層のI
nリッチ領域、または凹凸によるキャリアの横方向の閉
じこめを受け、三次元的に局在化して、局在エキシトン
あるいはバイエキシトンを形成し、レーザの閾値を低下
させる助けとなると共に出力を向上させているのかも知
れない。Inリッチ領域にはプアー領域に比較して多く
のキャリアが存在し、電子キャリアと正孔キャリアとが
局在してエキシトンに基づく発光、又はバイエキシトン
に基づく発光をする。即ち、Inリッチ領域は量子ドッ
ト又は量子箱を構成する。従って、凹凸のあるn型層の
表面に形成されたInGaNよりなる量子構造の活性層
が、量子ドット若しくは量子箱を構成しやすくなるため
に、出力が大幅に向上すると推察される。従って、活性
層を単一量子井戸構造(SQW:Single quantum wel
l)、多重量子井戸構造(MQW:Multi quantum well)
のような量子井戸構造で構成する場合、少なくともIn
含む窒化物半導体よりなる井戸層を有することが必要で
あり、単一井戸層の好ましい膜厚は70オングストロー
ム以下、さらに好ましくは50オングストローム以下の
膜厚に調整する。MQWの場合、障壁層は井戸層よりも
バンドギャップエネルギーが大きい窒化物半導体層で構
成し、膜厚は150オングストローム以下、さらに好ま
しくは100オングストローム以下に調整する。
に現れるn型層表面の凹凸段差は10オングストローム
以上、100オングストローム以下、さらに好ましくは
10オングストローム以上、60オングストローム以
下、最も好ましくは10オングストローム以上、40オ
ングストローム以下である。10オングストロームより
も小さいと、量子ドットの基底エネルギー準位がバリア
ー層のエネルギーバリアをエネルギー的にオーバーフロ
ーし、前記量子ドット、量子箱の効果が現れにくい傾向
にある。また100オングストロームよりも大きいと、
活性層の結晶性が悪くなって、発光出力が低下する傾向
にある。
形成されたn型層と同一種類のn型不純物をドープする
と、レーザ素子では閾値電流がさらに低下する。活性層
に、n型不純物をドープすると、伝導帯と価電子帯との
間に、さらに不純物レベルのエネルギー準位が形成され
る。そのため電子キャリアはより深い不純物レベルのエ
ネルギー準位に落ち、そこで電子キャリアと正孔キャリ
アとが再結合してより小さなエネルギーhν’を放出す
る。このことは電子キャリアがよりいっそう局在化し、
このいっそう局在化して形成されたエキシトンの効果に
より窒化物半導体素子、特にレーザ素子の閾値が低下す
るものと推測される。また活性層とn型層も同じ不純物
が含まれているので、互いの層間で不純物が拡散して
も、悪影響を及ぼすことがない。n型不純物としては、
Si、Ge、Sn等、周期律表第4A族、第4B族、第
6A族及び第6B族より選択される少なくとも一種の元
素が挙げられるが、特に好ましくはSiを用いる。
n型層を成長させた後、そのn型層の表面に微細な凹凸
を設けるには、例えば以下の方法がある。
ある。エッチングには大きく分けてドライエッチング
と、ウエットエッチングとがあるが、好ましくはドライ
エッチングを用いる。ドライエッチングには、反応性イ
オンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチ
ング(RIBE)、電子サイクロトロン共鳴エッチング
(ECR)、イオンミリング、光励起エッチング等の装
置が挙げられる。いずれもエッチング室内にガスを導入
して、そのガスを活性化させて、窒化物半導体をエッチ
ングする装置であり、ガスの種類を適宜選択することに
より、表面荒さを調整することができる。例えばRIE
であれば、活性Siと活性Clとを含む雰囲気で窒化物
半導体をエッチングできる。ウエットエッチングであれ
ば、例えばリン酸と硫酸の混酸を用いることができる。
リシング)する手段である。研磨剤としては例えばダイ
ヤモンド、SiC、WC等がある。研磨時の研磨剤の粒
度、研磨圧力等を適宜調整して、n型層の表面に微細な
凹凸を設ける。
いて、成長後の窒化物半導体層の最表面に微細な凹凸が
形成されるようにn型層を成長させるには、例えば以下
の方法で成長させることができる。
n型層にn型不純物を多量にドープして、最後に不純物
を多量に含むn型層を成長させる方法がある。不純物を
多量に含む層の膜厚は特に限定するものではないが、1
000オングストローム以下となるように調整すること
が望ましい。1000オングストロームよりも不純物を
多くドープした層を形成すると、n型層自体の結晶性が
悪くなりすぎて、結晶性の良い活性層を成長させること
が難しくなる傾向にある。n型不純物の好ましいドープ
量は1×1018/cm3以上、さらに好ましくは1×10
19/cm3以上、最も好ましくは1×1020/cm3以上に調
整する。
層結晶の成長速度を早くして、今まで成長させてきたn
型層よりも、故意に結晶性を悪くする方法がある。この
方法によると、成長速度を早める層の膜厚も特に限定す
るものではないが、10オングストローム以上、100
0オングストローム以下に調整することが望ましい。成
長速度としては、結晶成長方法によっても異なるが、例
えばMOVPE法では今まで成長させてきた結晶の成長
速度に比較して、1.5倍〜10倍の成長速度で成長さ
せる。
機金属気相成長法(MOVPE)、分子線気相成長法
(MBE)、有機金属分子線気相成長法(MOMB
E)、ハライド気相成長法(HDVPE)法等、従来提
案されている窒化物半導体の成長方法を用いることがで
きる。
る、窒化物半導体よりなるレーザ素子を作製する工程
を、図面を参照しながら詳説する。
るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レー
ザ光の共振方向に対して垂直な方向で素子を切断した際
の図を示している。
容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水
素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇さ
せ、基板のクリーニングを行う。基板1にはサファイア
C面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その
他、スピネル(MgA12O4)のような絶縁性の基板を
用いることができる。絶縁性基板では、得られるレーザ
素子は同一面側にn電極と、p電極が形成された構造と
なる。絶縁性基板の他、SiC(6H、4H、3Cを含
む)、ZnS、ZnO、GaAs、GaN等の半導体基
板を用い、上下にある窒化物半導体層にn電極と、p電
極を設ける構造とすることもできるし、絶縁性基板のよ
うに同一面側の窒化物半導体層にn、p両電極を形成す
ることもできる。
アガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメ
チルガリウム)とを用い、基板1上にGaNよりなるバ
ッファ層2を約200オングストロームの膜厚で成長さ
せる。バッファ層はAlN、GaN、AlGaN等が、
900℃以下の温度で、膜厚数十オングストローム〜数
百オングストロームで形成できる。このバッファ層は基
板と窒化物半導体との格子定数不正を緩和するために形
成されるが、窒化物半導体の成長方法、基板の種類等に
よっては省略することも可能である。
温度を1030℃まで上昇させる。1030℃になった
ら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物
ガスにシランガスを用い、n型コンタクト層3として、
Siを8×1018/cm3ドープしたSiドープn型Ga
N層を、800オングストローム/minの速さで、5μ
m成長させる。n型コンタクト層はInXAlYGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することが
でき、特にGaN、InGaN、その中でもSi若しく
はGeをドープしたGaNで構成することにより、キャ
リア濃度の高いn型層が得られ、またn電極と好ましい
オーミック接触が得られる。n電極の材料としてはA
l、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若しく
は合金が好ましいオーミックが得られる。
TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニ
ア、不純物ガスにシランガスを用い、同じく800オン
グストローム/minの成長速度で、Siを8×1018/c
m3ドープしたSiドープIn0.1Ga0.9Nよりなるクラ
ック防止層4を500オングストロームの膜厚で成長さ
せる。このクラック防止層4はInを含むn型の窒化物
半導体、好ましくはInGaNで成長させることによ
り、次に成長させるAlを含むn型クラッド層5を厚膜
で成長させることが可能となり、非常に好ましい。LD
の場合は、光閉じ込め層となる層を、好ましくは0.1
μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来ではGa
N、AlGaN層の上に直接、厚膜のAlGaNを成長
させると、後から成長させたAlGaNにクラックが入
るので素子作製が困難であったが、このクラック防止層
4が、次に成長させるAlを含むn型クラッド層5にク
ラックが入るのを防止することができる。なおこのクラ
ック防止層は100オングストローム以上、0.5μm
以下の膜厚で成長させることが好ましい。100オング
ストロームよりも薄いと前記のようにクラック防止とし
て作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が
黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層4は成
長方法、成長装置等の条件によっては省略することもで
きるがLDを作製する場合には成長させる方が望まし
い。このクラック防止層4はn型コンタクト層3内に成
長させても良い。
TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、NH3、
SiH4を用い、同じく800オングストローム/minの
成長速度で、Siを8×1018/cm3ドープしたSiド
ープn型Al0.2Ga0.8Nよりなるn型クラッド層5を
0.5μmの膜厚で成長させる。この第1のn型クラッ
ド層5はキャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層として
作用し、上記のようにAlを含む窒化物半導体、好まし
くはAlGaNを成長させることが望ましく、100オ
ングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは5
00オングストローム以上、1μm以下で成長させるこ
とにより、結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成でき
る。
cm3ドープしたSiドープn型GaNよりなるn型光ガ
イド層6を、同じく800オングストローム/minの成
長速度で、0.2μm成長させる。このn型光ガイド層
6は、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、In
GaNを成長させることが望ましく、通常100オング
ストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングス
トローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。
室温に戻してから、ウェーハを取り出し、RIE装置に
移送する。ついでRIE装置にて、Cl2とSiCl4ガ
スを用い、n型光ガイド層6の表面全体をわずかにエッ
チングする。エッチング終了後、原子間力電子顕微鏡で
n型光ガイド層の表面を観察したところ、およそ30オ
ングストロームの表面荒さが測定できた。
移送し、原料ガスにTMG、TMI、アンモニア、シラ
ンガスを用いて活性層7を成長させる。活性層7は温度
を800℃に保持して、まずSiを8×1018/cm3で
ドープしたIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。次にTMIのモル比
を変化させるのみで同一温度で、Siを8×1018/cm
3ドープしたIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を50
オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2回
繰り返し、最後に井戸層を積層した多重量子井戸構造の
活性層7を成長させる。活性層のn型不純物は本実施例
のように井戸層、障壁層両方にドープしても良く、また
いずれか一方にドープしてもよい。
TMA、NH3、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグ
ネシウム)を用い、活性層よりもバンドギャップエネル
ギーが大きい、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nよりな
るp型キャップ層8を300オングストロームの膜厚で
成長させる。このp型キャップ層8はp型としたが、膜
厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャリアが補償
されたi型としても良く、最も好ましくはp型とする。
p型キャップ層8の膜厚は0.1μm以下、さらに好ま
しくは500オングストローム以下、最も好ましくは3
00オングストローム以下に調整する。0.1μmより
厚い膜厚で成長させると、p型キャップ層8中にクラッ
クが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成
長しにくいからである。またキャリアがこのエネルギー
バリアをトンネル効果により通過できなくなる。また、
Alの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD
素子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上の
AlYGa1-YNであれば500オングストローム以下に
調整することが望ましい。p型キャップ層8の膜厚の下
限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜
厚で形成することが望ましい。
ルギーがp型キャップ層8よりも小さい、Mgドープp
型GaNよりなるp型光ガイド層9を0.2μmの膜厚
で成長させる。この層は、活性層の光ガイド層として作
用し、n型光ガイド層6と同じくGaN、InGaNで
成長させることが望ましい。また、この層はp型クラッ
ド層10を成長させる際のバッファ層としても作用し、
100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは2
00オングストローム〜1μmの膜厚で成長させること
により、好ましい光ガイド層として作用する。
ルギーがp型光ガイド層9よりも大きい、Mgドープp
型Al0.2Ga0.8Nよりなるp型クラッド層10を0.
5μmの膜厚で成長させる。この層はn型クラッド層5
と同じく、キャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層とし
て作用し、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlG
aNを成長させることが望ましく、100オングストロ
ーム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オング
ストローム以上、1μm以下で成長させることにより、
結晶性の良いキャリア閉じ込め層が形成できる。
層を有する量子構造の活性層7の場合、その活性層7に
接して、膜厚0.1μm以下のAlを含むp型キャップ
層8を設け、そのp型キャップ層8よりも活性層から離
れた位置に、p型キャップ層8よりもバッドギャップエ
ネルギーが小さいp型光ガイド層9を設け、そのp型光
ガイド層9よりも活性層から離れた位置に、p型光ガイ
ド層9よりもバンドギャップが大きいAlを含む窒化物
半導体よりなるp型クラッド層10を設けることは非常
に好ましい。しかもp型キャップ層8の膜厚を0.1μ
m以下と薄く設定してあるため、キャリアのバリアとし
て作用することはなく、p層から注入された正孔が、ト
ンネル効果によりp型キャップ層8を通り抜けることが
できて、活性層で効率よく再結合し、LDの出力が向上
する。つまり、注入されたキャリアは、p型キャップ層
8のバンドギャップエネルギーが大きいため、半導体素
子の温度が上昇しても、あるいは注入電流密度が増えて
も、キャリアは活性層をオーバーフローせず、p型キャ
ップ層8で阻止されるため、キャリアが活性層に貯ま
り、効率よく発光することが可能となる。従って、半導
体素子が温度上昇しても発光効率が低下することが少な
いので、閾値電流の低いLDを実現することができる。
なお、本発明においては、LDを作成する場合に活性層
7から上の層は、窒化物半導体で発振しやすい最も好ま
しい構成を示したが、本発明では活性層から上のp型層
の構成は特に規定するものではない。
50℃でMgドープp型GaNよりなるp型コンタクト
層11を0.5μmの膜厚で成長させる。p型コンタク
ト層11はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMg
をドープしたGaNとすれば、p電極21と最も好まし
いオーミック接触が得られる。なお、p型コンタクト層
と好ましいオーミックが得られるp電極の材料として
は、例えばNi、Pd、Ni/Au等を挙げることがで
きる。
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化す
る。
取り出し、図3に示すように、RIE装置でにより最上
層のp型コンタクト層11と、p型クラッド層10とを
エッチングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ
形状とする。このように、活性層よりも上部にあるp型
層をストライプ状のリッジ形状とすることにより、活性
層の発光がストライプリッジの下に集中するようになっ
て閾値が低下する。特に活性層よりも上にあるAlを含
むp型窒化物半導体層以上の層をリッジ形状とすること
が好ましい。リッジ形成後、リッジ表面にマスクを形成
し、図3に示すように、ストライプ状のリッジに対して
左右対称にして、n型コンタクト層3の表面を露出させ
る。
Auよりなるp電極21をストライプ状に形成する。一
方、TiとAlよりなるn電極22をストライプ状のn
型コンタクト層3のほぼ全面に形成する。なおほぼ全面
とは80%以上の面積をいう。
電極21との間に露出した窒化物半導体層の表面にSi
O2よりなる絶縁膜30を形成し、この絶縁膜30を介
してp電極21と電気的に接続したパッド電極23を形
成する。このパッド電極23は実質的なp電極21の表
面積を広げて、p電極側をワイヤーボンディングできる
ようにする作用がある。
成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨
剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファ
イア基板1をラッピングし、基板の厚さを50μmとす
る。ラッピング後、さらに細かい研磨剤で1μmポリシ
ングして基板表面を鏡面状とする。
ストライプ状の電極に垂直な方向でバー状に劈開し、劈
開面に共振器を作製する。なお劈開面はサファイア基板
の上に成長した窒化物半導体面の
系で近似した場合に、その六角柱の側面に相当する四角
形の面(M面)に相当する面である。この他、RIE等
のドライエッチング手段により端面をエッチングして共
振器を作製することもできる。またこの他、劈開面を鏡
面研磨して作成することも可能である。
なる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向
で、バーを切断してレーザチップとした。次にチップを
フェースアップ(基板とヒートシンクとが対向した状
態)でヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤ
ーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたとこ
ろ、室温において、閾値電流密度1.5kA/cm2、閾
値電圧6Vで、発振波長405nmの連続発振が確認さ
れ、3日間の連続発振を確認した。
イド層6成長後、n型光ガイド層6の表面をダイヤモン
ド粉を含む研磨剤を用いて、わずかにポリシングする。
ポリシング後に同様にして、n型光ガイド層の表面を観
察すると、およそ50オングストロームの表面荒さが観
測できた。その後は実施例1と同様にして活性層、p型
層等を成長させて同じくレーザ素子としたところ、閾値
電流密度1.5kA/cm2、閾値電圧6Vにおいて、2
日間の連続発振を確認した。これは凹凸段差が大きくな
ったことにより寿命がやや低下したものと推察される。
ド層6を成長させる工程を次のように行う。即ち温度を
1030℃に保持して、Siを8×1018/cm3ドープ
したSiドープn型GaNよりなるn型光ガイド層6
を、同じく800オングストローム/minの成長速度
で、0.16μm成長させる。0.16μm成長したと
同時に、TMGガス、アンモニアガスを止めずに、シラ
ンガスのみの流量を多くして、光ガイド層を連続して3
0秒間成長させ、最後の400オングストローム分の膜
厚の光ガイド層をSiを高濃度でドープする。この最後
の400オングストローム分のn型光ガイド層のSi濃
度は1×1021/cm3であった。成長後、ウェーハを反
応容器から取り出し、実施例と同様にして表面荒さを測
定したところ、40オングストロームであった。後は実
施例1と同様にして、このn型光ガイド層の上に、活性
層、p型層を成長させレーザ素子を作製したところ、実
施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が作製でき
た。
ド層6を成長させる工程を次のように行う。即ち温度を
1030℃に保持して、Siを8×1018/cm3ドープ
したSiドープn型GaNよりなるn型光ガイド層6
を、同じく800オングストローム/minの成長速度
で、0.16μm成長させ、0.16μm成長したと同
時に、原料ガスの流量を倍にして、1600オングスト
ローム/minの成長速度で、光ガイド層を連続して15
秒間成長させ、最後の400オングストローム分の膜厚
の光ガイド層を倍の成長速度で成長させる。成長後、ウ
ェーハを反応容器から取り出し、実施例と同様にして表
面荒さを測定したところ、30オングストロームであっ
た。後は実施例1と同様にして、このn型光ガイド層の
上に、活性層、p型層を成長させレーザ素子を作製した
ところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子
が作製できた。
成長させた後、その表面荒さを測定するために、ウェー
ハを反応容器から取り出しているが、実際のレーザ素子
は反応容器から取り出さずに、基板の上に窒化物半導体
層を連続してp型コンタクト層まで成長させている。
グレートを変えて、n型光ガイド層6の表面荒さを10
0オングストロームとする他は同様にしてレーザ素子を
得たところ、同じく閾値電流密度1.5kA/cm2、閾
値電圧6Vで1時間の連続発振を確認した。
変えて、n型光ガイド層6の表面荒さを150オングス
トロームとする他は同様にしてレーザ素子を得たとこ
ろ、連続発振は確認できなかったが、パルス幅200μ
s、パルス周期2msのパルス電流において100日間
の発振を確認した。
導体素子は微細な凹凸を有するn型層に接して、量子構
造を有する活性層を成長させることにより素子の出力が
格段に向上する。これはインジウムを含む活性層が量子
ドット構造、量子箱構造になりやすいためと推察され
る。従って、高出力で、長寿命なレーザ素子を実現でき
る。レーザ素子が改善されたことにより、レーザ素子よ
りも緩やかな条件で使用されるLED素子はさらに信頼
性もよくなる。また、本発明の技術は、LED、LDの
ような発光デバイスだけではなく、トランジスタ、FE
T、MOS等の窒化物半導体をを用いた全ての電子デバ
イスに適用できることはいうまでもない。
図。
の構造を示す模式断面図。
示す模式断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体
層との間に、量子構造を有する活性層が形成されてなる
窒化物半導体素子において、前記活性層は表面に微細な
凹凸が設けられたn型窒化物半導体層に接して形成され
ていることを特徴とする窒化物半導体素子。 - 【請求項2】 前記n型窒化物半導体層の表面の凹凸の
平均段差が10オングストローム〜100オングストロ
ームの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の
窒化物半導体素子。 - 【請求項3】 n型窒化物半導体層を成長させた後、そ
のn型窒化物半導体層の表面に微細な凹凸を設ける工程
と、その凹凸が設けられたn型窒化物半導体層に接し
て、量子構造を有し、かつインジウムを含む窒化物半導
体よりなる活性層を成長させる工程とを備えることを特
徴とする窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項4】 成長後の窒化物半導体層の最表面に微細
な凹凸が形成されるようにn型窒化物半導体層を成長さ
せる工程と、凹凸が設けられたn型窒化物半導体層に接
して、量子構造を有し、かつインジウムを含む窒化物半
導体よりなる活性層を成長させる工程とを備えることを
特徴とする窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項5】 前記n型窒化物半導体層表面の凹凸の平
均段差が10オングストローム〜100オングストロー
ムの範囲内にあることを特徴とする請求項3または4に
記載の窒化物半導体の成長方法。
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- 1996-11-15 JP JP30425996A patent/JP3424465B2/ja not_active Expired - Fee Related
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