JP2004297098A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する量子井戸構造の活性層を備えた窒化物半導体発光素子の闘値電圧または駆動電圧を下げることを目的とする。
【解決手段】 量子井戸構造の活性層の井戸層と障壁層の間に障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きいAldGa1-dN(0.30≦d≦1)からなる中間層をすべての井戸層の上に形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明はLED、LD(レーザダイオード)等の発光デバイス、またはフォトダイオード等の受光デバイスに利用される窒化物半導体(AlXInYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる素子に関する。
我々はGaN基板の上に、活性層を含む窒化物半導体レーザ素子を作製して、世界で初めて室温での連続発振1万時間以上を達成したことを発表した(非特許文献1,2)。さらに、前記レーザ素子よりサファイア基板を除去してGaN単独とすることにより、5mW出力でも1万時間以上の連続発振に成功したことを発表した(非特許文献3,4)。
最近のレーザ素子の構造は、基本的に異種基板上、又はGaN基板上に成長されたn型GaNの上にInGaNからなるクラック防止層、クラック防止層に接して形成されたAlGaNを含む超格子構造からなるn側クラッド層、n側クラッド層上部に量子井戸構造からなる活性層とp側クラッド層を含むダブルへテロ構造を有する(非特許文献1)。このレーザ素子は70mA、閾値電流密度5kA/cm2において、408.5nmのシングルモードで発振する。閾値における電圧は6Vである。
INCS'97 予稿集,October 27-31,1997,P444-446 Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L1568-L1571,Part2,No.12A,1 December 1997 Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1998)pp.L309-L312 Appl.Phys.Lett.Vol.72(1998)No.16,2014-2016
従来までの活性層は、InGaNからなる井戸層を井戸層よりバンドギャップエネルギーの大きい障壁層で挟んだ量子井戸構造を用い、井戸層と障壁層を繰り返し積層した多重量子井戸構造が発光効率を高めるためには好ましく用いられている。また、これらのInGaNからなる井戸層上に混晶比あるいは組成の違うAlGaInNからなる障壁層を形成するには結晶性の問題から成長温度をそれぞれにあった温度で成長させなければならなく、この場合井戸層よりバンドギャップエネルギーの大きい障壁層の成長温度は井戸層の成長温度より高くしなければならない。
しかしながら井戸層を成長後、障壁層を成長させるために温度を昇温した際、井戸層のInが井戸層の全面にわたって分解してしまい、鋭い発光ピークが得られないという問題があった。また、障壁層を井戸層と同一の温度で成長させても活性層上に続けて窒化物半導体を形成させる際に温度を昇温するため同様の問題があった。これらは多重量子井戸を用いた窒化物半導体発光素子においては無視することのできない大きな問題のひとつである。
そこで本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の目的は、窒化物半導体レーザ素子の発光効率を良くすることを目的とし、量子井戸からなるインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層の井戸層と障壁層の間に障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層を井戸層の上に形成する。このように中間層を形成した後、障壁層の成長温度まで昇温したとき、井戸層のInの分解が部分的に起こり、闘値電圧を下げることが可能となった。また、本発明の第2の目的は、窒化物半導体発光素子の発光効率を良くすることを目的とし、量子井戸からなるインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層の井戸層と障壁層の間に障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きいAlGaNからなる中間層を井戸層の上に形成する。このように中間層を形成した後、障壁層の成長温度まで昇温したとき、井戸層のInの分解が部分的に起こり、駆動電圧や闘値電圧を下げることが可能となった。さらに中間層を形成後、障壁層の成長温度まで昇温したときの中間層の表面形態の違いによって、駆動電圧や闘値電圧を大幅に下げることが可能となった。
本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層を備えた窒化物半導体レーザ素子において、闘値電圧を下げる目的として、
前記障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい少なくとも1つの中間層が前記井戸層の上に成長されているものである。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、上記窒化物半導体レーザ素子において、さらに闘値電圧を下げる目的として、障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層をすべての井戸層の上に成長させたものである。
さらに、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、上記窒化物半導体レーザ素子において、中間層と井戸層との間で量子効果が起こらないように、中間層の膜厚を一原子層以上100オングストローム以下に、障壁層の膜厚を10オングストローム以上400オングストローム以下にしたものである。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、AlxGa1−xN(0≦x≦1)からなるn型クラッド層とAlyGa1−yN(0≦y≦1)からなるp型クラッド層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層を備えた窒化物半導体レーザ素子において、活性層が単一量子井戸構造の窒化物半導体レーザ素子の闘値電圧を下げる目的として、
前記活性層は1つの井戸層と障壁層とを備えた単一量子井戸構造であって、前記井戸層と前記障壁層の間に前記障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層が前記井戸層上に成長されたものである。
本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子において、中間層と井戸層との間で量子効果が起こらないように、中間層は障壁層より膜厚が薄く形成されたものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層を備えた窒化物半導体発光素子において、駆動電圧または闘値電圧を下げる目的として、
前記活性層の井戸層と障壁層の間に、障壁層よりバンドギャップエネルギーが大きい少なくとも1つのAlzGa1−zN(0≦z≦1)からなる中間層を有し、かつ該中間層が前記井戸層の上に成長されているものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、上記窒化物半導体発光素子において、さらに駆動電圧または闘値電圧を下げる目的として、障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層をすべての井戸層の上に成長させたものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、上記窒化物半導体発光素子において、中間層と井戸層との間で量子効果が起こらないように、前記中間層の膜厚は一原子層以上100オングストローム以下、障壁層の膜厚は10オングストローム以上400オングストローム以下で、該中間層は該障壁層より膜厚が薄く形成されたものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、AlbGa1−bN(0≦b≦1)からなるn型クラッド層とAlcGa1−cN(0≦c≦1)からなるp型クラッド層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層を備えた窒化物半導体発光素子において、活性層が単一量子井戸構造の窒化物半導体発光素子の駆動電圧または闘値電圧を下げる目的として、
前記活性層は1つの井戸層と障壁層とを備えた単一量子井戸構造であって、前記井戸層と前記障壁層の間に該障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きいAldGa1−dN(0≦d≦1)からなる中間層を備え、かつ該中間層が前記井戸層上に成長されたものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、上記窒化物半導体発光素子において、さらに駆動電圧または闘値電圧を大幅に下げる目的として、前記中間層はAldGa1−dN(0.30≦d≦1)としたものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、上記窒化物半導体発光素子において、井戸層のInが部分的に分解することで、前記中間層の表面が陥没または前記中間層を貫通した複数の領域を有しているものである。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、上記窒化物半導体発光素子において、駆動電圧または闘値電圧を大幅に下げる目的として、前記陥没または貫通した複数の領域の面積は、前記中間層全体の面積の1割以上を占めているものである。
以上説明したように、量子井戸からなるインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層の井戸層と障壁層の間に障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層を井戸層の上に形成することで、発光効率を良くすることができた。特に多重量子井戸構造を用いた窒化物半導体レーザ素子で閾値電圧を大幅に下げることができ、さらにレーザ素子のみならずLED素子でも駆動電圧を大幅に下げることができた。また、これらは中間層を成長後、障壁層の成長温度まで温度を上昇させたときの中間層の表面形態に大きな特徴があり、中間層のAl混晶比をZ≧0.30としたときに大きな効果が現れることがわかった。
以下に本発明の主要な要素である活性層の構成について図を用いて詳細に説明する。実施の形態1では窒化物半導体レーザ素子について、実施の形態2では窒化物半導体LED素子について説明する。また図1は単一量子井戸からなる活性層106(207)を、図2は多重量子井戸からなる活性層106(207)を示した図である。
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1の発光素子は図4に示す構造を有する窒化物半導体レーザ素子であって、n型光ガイド層105とp型光ガイド層108に挟まれたインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層106を備えている。本実施の形態1では、量子井戸からなる活性層106が井戸層11、中間層12、障壁層13で形成され、中間層12のバンドギャップエネルギーは図3に示すように障壁層13のバンドギャップエネルギーより大きく設定されかつ、中間層12はかならず井戸層11を形成後、井戸層11に接して形成されていることを特徴としている。なお、この中間層12は活性層106のどの井戸層11上にあっても良く、少なくとも井戸層11と障壁層13の間に中間層12を有する構成を1つ含んでいればよい。しかしながら中間層12は、活性層106のすべての井戸層11上に形成されていることが最も望ましく、このようにするとさらに闘値電圧を下げることができる。
このように本実施の形態1の窒化物半導体レーザ素子において、中間層12は障壁層13のバンドギャップエネルギーより大きく、即ち活性層106中では最もバンドギャップが大きくなるように構成することにより、闘値電圧を大幅に下げることができる。もし中間層12のバンドギャップエネルギーが障壁層13より小さく井戸層11より大きいと、井戸層11と障壁層13との間の井戸型ポテンシャルが成り立たなくなり、本発明のように閾値電圧を大幅に下げることは不可能である。
また、中間層12の膜厚は障壁層13の膜厚より薄く、一原子層以上100オングストローム以下とすることが好ましい。100オングストロームより厚くなってしまうと、中間層12と井戸層11との間でミニバンドが形成されてしまい発光効率が悪くなってしまう。また、この中間層はできるだけ薄いことが望ましい。
また、障壁層13の膜厚は10オングストローム以上400オングストローム以下とすることができ、また井戸層11の膜厚は10オングストローム以上70オングストローム以下とする。
また、活性層106の成長温度は障壁層13の成長温度(以下、第1の温度という。)については750℃以上1100℃以下、井戸層11の成長温度(以下、第2の温度という。)については第1の温度より低く、750℃以上880℃以下。中間層12の成長温度(以下、第3の温度という。)については井戸層11と同温度の第2の温度か、それ以上で第1の温度よりは低い、750℃以上880℃以下とする。しかし、中間層12についてはあまり成長温度が高くなると、井戸層の全面にわたってInが分解してしまうので、本発明の課題の解決に反してしまう。従って中間層12の成長温度は、最も好ましくは井戸層11の成長温度と同温度とする。また、これらの温度は窒化物半導体素子を作成の際、発光させる波長によって井戸層11のInの混晶比は変わってくるので、そのInの混晶比に対応させて最適な温度を決める必要がある。
活性層106は本実施の形態のようにSiなどのn型不純物及び/又はMgなどのp型不純物をドープしてもよいし、またアンドープでも良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良く、井戸層のみにドープしてもよい。また中間層にドープしても良い。なお障壁層にのみn型不純物をドープすると閾値をより低下させることができ好ましい。
また、本発明で用いている窒化物半導体であるInYGa1−YN(0≦Y≦1)のInの混晶比YはバンドギャップエネルギーEgとの関係式、Eg=3.4*(1−Y)+1.95*Y−A*Y*(1−Y)において、A=1としたときに概算された値であり、またAlXGa1−XN(0≦X≦1)のAlの混晶比XはバンドギャップエネルギーEgとの関係式、Eg=3.4*(1−X)+6.2*X−A*X*(1−X)において、A=1としたときに概算された値である。上記2つの関係式の第1項と第2項の係数はそれぞれ、3.4はGaNのバンドギャップエネルギー(eV)を、1.95はInNのバンドギャップエネルギー(eV)を、6.2はAlNのバンドギャップエネルギー(eV)を示している。
なお、これらの活性層の特徴は図1のような単一量子井戸の場合であっても同様であることはいうまでもない。
次に、実施の形態1として活性層106以外の窒化物半導体層などの他の構成について説明する。いうまでもないが、本発明は以下の構成に限られるものではない。
基板101としてはサファイアなどの異種基板、または公知の方法によって得られたGaN基板を用いることができる。また基板101上には、GaNよりなるバッファ層102を形成することが好ましく、これによって後に基板上に形成する窒化物半導体の結晶性を良好にすることができる。このバッファ層102は異種基板上に窒化物半導体を形成するときに特に有効である。なお、異種基板とは窒化物半導体とは異なる材料からなる基板のことをいう。
n型コンタクト層103はn側電極を形成するための層であって、Siなどのn型不純物をドープすることで、オーミック性が良好となるようにする。この層は、p側層を形成した後にp側層からエッチングしてn型コンタクト層の一部を露出させて、露出させたn型コンタクト層103上にn側電極を形成する。
n型コンタクト層103上に形成するクラック防止層はアンドープとすることで基板側からのクラックを低減させるために形成されている。またこのクラック防止層は、InGaNなどで形成し、上部n型クラッド層との屈折率差を設けることで、発光層から発せられた光が異種基板に当たって反射して再び窒化物半導体層に戻ってくるのを防ぐ層として機能させることができる。またこの層は省略してもよい。
n型クラッド層104は発光層への電子の供給層であると共にキャリアおよび光を活性層に閉じこめる層としてはたらき、Siなどのn型不純物をドープした単層、また例えばアンドープ層とn型不純物ドープ層とを交互に積層した超格子構造とすることができる。
n型光ガイド層105は、多重量子井戸構造などの膜厚が薄くなった活性層106の膜厚を補うことで、活性層106とともに光導波路を構成するものである。従って、上部活性層106と屈折率差があまりなく、n型クラッド層104との屈折率差を十分に設けるような組成とする。またこの層は、n型不純物をドープしてもよく、アンドープでもよく、n型不純物がドープされた層とアンドープの層との超格子としてもよい。
活性層106上にあるp側キャップ層107はMgなどのp型不純物を高ドープとすることで活性層106に供給されるn側からの電子に対して不足しがちな正孔を補うことができる。またp型光ガイド層108、p型クラッド層109よりもp型不純物濃度を高くすることで、p側キャップ層107上に形成されるp側層にp型不純物が拡散するようになり好ましい。さらにこの層は活性層106のInの分解を抑える効果もあり、その機能を主として発揮させる場合はアンドープでもよい。また、このp側キャップ層107は省略することもできる。
p型光ガイド層108はMgなどのp型不純物が含まれた層であるが、意図的にp型不純物をドープして形成するのはものはもちろんのこと、p側キャップ層107をp型不純物をドープして形成した場合はp型不純物がp側キャップ層107から拡散されるので、アンドープで形成してもよい。このp型光ガイド層108はn型光ガイド層105と同様に、光導波路を設けるための層で、下部活性層106と屈折率差があまりなく、p型クラッド層109との屈折率差を十分に設けるような組成とする。
p型クラッド層109は発光層への正孔の供給層としてはたらき、例えばMgなどのp型不純物をドープした単層、また例えばアンドープ層とp型不純物ドープ層とを交互に積層した超格子構造を用いて構成することができる。
p型コンタクト層110はp側電極を形成する層であり、Mgなどのp型不純物を比較的多くドープすることで、p側電極とのオーミック性が良好となるようにする。
さらに窒化物半導体レーザ素子においては、p側クラッド層109とp側光ガイド層108との界面付近までエッチングを行い、幅1.5μmのストライプ状の導波路を形成する。このように、活性層106よりも上部にある層をストライプ状のリッジ形状とすることにより、活性層106の発光がストライプリッジの下に集中するようになって閾値を低下させることができる。特にp側クラッド層以上の層をリッジ形状とすることが望ましい。
p側電極はp型コンタクト層110のリッジ最表面にp側オーミック電極120、さらにその上にp側パッド電極121があり、p型コンタクト層110と好ましいオーミックが得られるp側オーミック電極120の材料としては、例えばNi、Pt、Pd、Ni/Au、Ni/Ti/Au、Pt/Au、Pd/Au等を挙げることができる。またp側パッド電極121は実質的なp側オーミック電極120の表面積を広げて、p電極側をワイヤーボンディング、ダイボンディングできるようにするためのものでAuなどが挙げられる。
n側電極はn型コンタクト層103上にn側オーミック電極122、さらにその上にn側パッド電極123があり、n型コンタクト層103と好ましいオーミックが得られるn側オーミック電極122の材料としてはAl、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金属もしくは合金が挙げられる。またn側パッド電極123はn側オーミック電極122の剥がれを防止する作用がありAuなどが挙げられる。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2の発光素子は、図5に示すように、n型クラッド層であるn型第2多層膜層206とp型クラッド層であるp型多層膜層208に挟まれたインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層207を備えた窒化物半導体LED素子である。実施の形態2の活性層207は、実施の形態1で記されている活性層106と同様の形態であるか、さらに中間層12を以下のような組成としている。
すなわち中間層12の組成はAlZGa1−ZN(0≦Z≦1)とし、好ましくはAlZGa1−ZN(0.30≦Z≦1)とする。本実施の形態2の素子は中間層12におけるAlの混晶比を0.30以上とすることで、この中間層を設ける効果がさらに顕著に現れること、およびその効果は中間層12を成長後、障壁層13の成長温度まで温度を上昇させたときの中間層12の表面形態と大きな関連があることを見いだし、LED素子に適用したものである。図6〜図9は中間層12を820℃で形成後、温度を1050℃まで昇温した際の中間層12の表面形態をAFM(原子間力顕微鏡)で観察したものである。図6はAlの混晶比Z=0.15、図7はZ=0.30、図8はZ=0.45、図9はZ=0.60であり、図を見てもわかるようにAlの混晶比がZ≧0.30になると、中間層12の表面が陥没または貫通した複数の領域を有する網目構造となる。これは中間層12であるAlGaNを低温で形成しているため、このAlGaNの結晶性および膜厚が不均一であり、中間層12を成長後、障壁層13の成長温度まで温度を上昇させたとき、AlGaNの結晶性の悪いところおよび/または膜厚の薄いところで井戸層11の一部のInが分解してしまい、中間層12の表面が陥没または貫通し、井戸層11の表面の一部などが露出したものと考えられる。さらにこの陥没または貫通した領域は中間層12の表面積の1割以上となるAl混晶比Zが0.30以上の時、駆動電圧が大きく低下することがわかった。この結果を図10に本発明の窒化物半導体LED素子におけるAl混晶比に対する駆動電圧の変化をして示す。
なお、本発明の実施の形態2における活性層の各層の好ましい膜厚等は実施の形態1と同様である。
また、これらの活性層の特徴は図1のような単一量子井戸の場合であっても同様であることは言うまでもない。
すなわち量子井戸からなる活性層207が井戸層11、中間層12、障壁層13で形成され、中間層12のバンドギャップエネルギーは図3に示すように障壁層13のバンドギャップエネルギーより大きく設定されかつ、中間層12はかならず井戸層11を形成後、井戸層11に接して形成されていることを特徴としている。なお、この中間層12は活性層207のどの井戸層11上にあっても良く、少なくとも井戸層11と障壁層13の間に中間層12を有する構成を1つ含んでいればよい。しかしながら中間層12は、活性層207のすべての井戸層11上に形成されていることが最も望ましく、このようにするとさらに闘値電圧を下げることができる。
また、中間層12の膜厚は障壁層13の膜厚より薄く、一原子層以上100オングストローム以下とすることが好ましい。100オングストロームより厚くなってしまうと、中間層12と井戸層11との間でミニバンドが形成されてしまい発光効率が悪くなってしまう。また、この中間層はできるだけ薄いことが望ましい。
また、障壁層13の膜厚は10オングストローム以上400オングストローム以下とすることができ、また井戸層11の膜厚は10オングストローム以上70オングストローム以下とする。
次に、実施の形態2として活性層207以外の窒化物半導体層などの他の構成について説明する。いうまでもないが、本発明は以下の構成に限られるものではない。
基板201としてはサファイアなどの異種基板、または公知の方法によって得られたGaN基板を用いることができる。また、基板201上にはGaNよりなるバッファ層202を形成することが好ましく、これによって後に基板上に形成する窒化物半導体の結晶性を良好にすることができる。このバッファ層202は異種基板上に窒化物半導体を形成するときに特に有効であり、基板の種類、成長方法等によっては省略もできる。また、このバッファ層はAlの割合の小さいAlGaNを用いることもできる。
第1のアンドープGaN層203はバッファ層202よりも高温でアンドープのGaNを形成したものであり、この層を設けることでバッファ層202と同じく窒化物半導体の結晶性を良好にすることができる。
n型コンタクト層204はn側電極を形成するための層であって、Siなどのn型不純物をドープすることでオーミック性を良好となるようにする。この層は、後にp側層からエッチングしてn型コンタクト層204の一部を露出させて、露出させたn型コンタクト層204上にn側電極を形成する。
n型第1多層膜層205は静電耐圧を低下させる目的で、n型第2多層膜層206はアンドープの超格子構造とすることで発光出力を良好にする目的で形成され、n型第2の多層膜層206のみ、またはn型第2の多層膜層206およびn型第1の多層膜層205とで、公知のn型クラッド層を構成するものである。
p型多層膜層208は例えばMgなどのp型不純物をドープした超格子構造とすることで公知のp型クラッド層のはたらきをする。
p型コンタクト層209はp側電極を形成する層であり、例えばMgなどのp型不純物を比較的多くドープすることで、p側電極とのオーミック性が良好となるようにする。
また、p側電極、n側電極に関しては第1の実施に記されている構成と同じである。
また、実施の形態2は窒化物半導体LED素子を例に説明したものであるが、LED素子に限られず、窒化物半導体レーザ素子でもよい。
図4は本発明の一実施例の係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図である。以下、この図を元に実施例1について説明する。なお本発明の発光素子は図4の構造に限定されるものではない。
[実施例1]
(バッファ層102)
2インチφ、C面を主面とするサファイア上に公知の方法によって得られたGaN基板101をMOVPE反応容器内にセットし、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなる第1のバッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。第1のバッファ層成長後、昇温して同じくGaNよりなる第2のバッファ層を1.5μmの膜厚で成長させる。
(n側コンタクト層103)
次にアンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn側コンタクト層103を4μmの膜厚で成長させる。
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させる。
(n側クラッド層104)
続いて、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn側クラッド層104を成長させる。
(n側光ガイド層105)
次に、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、同様の温度で、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層105を750オングストロームの膜厚で成長させる。
(活性層106)
次に、温度を880℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層13を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、シランガスを止め、アンドープのIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層11を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、Al0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚580オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
(p側キャップ層107)
次にTMIを止め、Cp2Mgを流し、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側キャップ層107を100オングストロームの膜厚で成長させる。
(p側光ガイド層108)
続いてCp2Mg、TMAを止め、1050℃で、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層108を0.1μmの膜厚で成長させる。このp型光ガイド層108は、アンドープとして成長させるが、p側キャップ層107からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3となりp型を示す。
(p側クラッド層109)
続いてCp2Mgを止め、TMAを流し、1050℃でアンドープAl0.2Ga0.8Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを流し、Mg濃度が1×1019/cm3からなるアンドープGaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp側クラッド層109を成長させる。
(p側コンタクト層110)
最後に、p側クラッド層109の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層110を150オングストロームの膜厚で成長させる。
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウエハーを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層110の表面に、所定の形状のマスクを介して、幅1.5μmのストライプからなるSiO2よりなる保護膜を作製する。保護膜形成後、RIE(反応性イオンエッチング)を用い、図4に示すように、p側クラッド層109とp側光ガイド層108との界面付近までエッチングを行い、幅1.5μmのストライプ状の導波路を形成する。
ストライプ導波路形成後、SiO2マスクをつけたまま、窒化物半導体層の表面にZrO2よりなる絶縁膜を形成する。絶縁膜形成後、バッファードフッ酸に浸潰して、p側コンタクト層110上に形成したSiO2を溶解除去し、リフトオフ法によりSiO2と共に、p側コンタクト110層上にあるZrO2を除去する。
次にリッジ表面にSiO2マスクを形成し、RIEにてエッチングを行い、n側コンタクト層103の表面を露出させる。
次にp側コンタクト層110のリッジ最表面にNiとAuよりなるp側オーミック電極120をストライプ状に形成する。
一方、TiとAlよりなるn側オーミック電極122を先ほど露出させたn側コンタクト層103の表面にストライプ状に形成する。
次に図4に示すようにp側オーミック電極120と、n側オーミック電極122との間に露出した窒化物半導体層の表面にSiO2よりなる絶縁膜130を形成し、この絶縁膜130を介してp側オーミック電極120と電気的に接続したp側パッド電極121、およびn側オーミック電極122と電気的に接続したn側パッド電極123を形成する。
以上のようにして、p、n両パッド電極形成後、サファイア基板のA面に沿った、窒化物半導体のM面(窒化物半導体を六角柱で表した場合にその六角柱の側面に相当する面)でGaNを劈開してウエハーをバー状とし、そのバーの劈開面に共振面を作製する。共振面作製後、さらに共振面に垂直な方向でバー状のウエハーを切断してレーザチップとした。
次にそれぞれの電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、Inの分解を押さえることができ、鋭い発光ピークが得られ、室温において閾値電流密度2.0kA/cm2、発振波長450nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。また闘値電圧も4.0Vと大きく下げることができた。
[比較例1]
実施例1と比較するために活性層を以下のようにしてレーザ素子を作製した。
(活性層)
温度を880℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、シランガスを止め、アンドープのIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層、井戸層をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層を形成して、総膜厚550オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層を成長させる。
以上のようにした他は実施例1と同様に作製したところ発光ピークはブロードしており、闘値電圧は4.6Vであった。
[実施例2]
実施例1において、活性層106を以下のようにした。
(活性層106)
温度を880℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなる障壁層13を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、アンドープのIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層11を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、Al0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚580オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
以上のようにした他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、発光ピークも鋭く、室温において闘値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振波長480nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
[実施例3]
実施例1において、活性層106を以下のようにした。
(活性層106)
温度を880℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.28Ga0.72Nよりなる障壁層13を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、アンドープのIn0.50Ga0.50Nよりなる井戸層11を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、Al0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚580オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
以上のようにした他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、発光ピークも鋭く、室温において闘値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振波長510nmの連続発振が確認され、500時間以上の寿命を示した。
[実施例4]
実施例1において、活性層106を以下のようにした。
(活性層106)
温度を820℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層13を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、同温度でシランガスを止め、アンドープのIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層11を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、Al0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚580オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
以上のように障壁層13の成長温度を井戸層11と同じにした他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、発光ピークも鋭く、室温において閾値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.2Vで、発振波長450nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
[実施例5]
実施例1において、活性層106を以下のようにした。
(活性層106)
温度を880℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層13を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、シランガスを止め、アンドープのIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層11を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、Al0.45Ga0.55Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚580オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
以上のように中間層12のAlの混晶比を0.45とした他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、実施例1とほぼ同等の特性を得ることができた。
[実施例6]
実施例1において、活性層106の中間層12をAl0.15Ga0.85Nとした他は同様にしてレーザ素子を作製したところ、鋭い発光ピークが得られ、Inの分解を押さえることができたが、闘値電圧は4.4Vと大きく下げることはできなかったが、中間層を形成しないときと比べて低下がみられた。
[実施例7]
実施例1において、活性層106を以下のようにした。
(活性層106)
温度を880℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層13を60オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、シランガスを止め、アンドープのIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層11を30オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、同温度でTMAを用い、GaNよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに5回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚660オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層106を成長させる。
以上のようにした他は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、発光ピークも鋭く、室温において闘値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.2Vで、発振波長480nmの連続発振が確認され、500時間以上の寿命を示した。
[実施例8]
図5は本発明の一実施例に係る窒化物半導体LED素子の構造を示す模式的な断面図である。以下、この図を元に実施例8について説明する。なお本発明の発光素子は図5の構造に限定されるものではない。
(バッファ層202)
2インチφ、C面を主面とするサファイア上に公知の方法によって得られたGaN基板201(サファイア基板でもよい)をMOVPEの反応容器内にセットし、TMGとアンモニアを用い、GaN基板201上にGaNよりなるバッファ層202を約200オングストロームの膜厚で成長させる。
(第1のアンドープGaN層203)
バッファ層202成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガスを用い、第1のアンドープGaN層203を1μmの膜厚で成長させる。
(n型コンタクト層204)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを3×1019/cm3ドープしたGaNよりなるn型コンタクト層204を4μmの膜厚で成長させる。
(n型第1多層膜層205)
次にシランガスのみを止め、1050℃で、TMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaNからなる下層を3000オングストロームの膜厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しSiを4.5×1018/cm3ドープしたGaNからなる中層を300オングストロームの膜厚で成長させ、更に続いてシランガスのみを止め、同温度にてアンドープGaNからなる上層を50オングストロームの膜厚で成長させ、3層からなる総膜厚3350オングストロームのn型第1多層膜層205を成長させる。
(n型第2多層膜層206)
次に、同様の温度で、アンドープGaNよりなる第2の窒化物半導体層を40オングストローム成長させ、次に温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、アンドープIn0.13Ga0.87Nよりなる第1の窒化物半導体層を20オングストローム成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第2+第1の順で交互に10層づつ積層させ、最後にGaNよりなる第2の窒化物半導体層を40オングストローム成長さた超格子構造の多層膜よりなるn型第2多層膜層206を640オングストロームの膜厚で成長させる。
(活性層207)
TMG、TMI、アンモニア、シランガスを用い、1050℃でSiを5×1017/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなる障壁層13を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を820℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、In0.3Ga0.7Nよりなる井戸層11を30オングストロームの膜厚で成長させる。さらにTMG、TMA、アンモニアを用い、アンドープのAl0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに4回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚1400オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層207を成長させる。
(p型多層膜層208)
次に、温度1050℃でTMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを5×1019/cm3ドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第3の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニア、Cp2Mgを用いMgを5×1019/cm3ドープしたIn0.02Ga0.98Nよりなる第4の窒化物半導体層を25オングストロームの膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第3+第4の順で交互に5層ずつ積層し、最後に第3の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させた超格子構造の多層膜よりなるp型多層膜層208を365オングストロームの膜厚で成長させる。
(p型コンタクト層209)
続いて1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層209を700オングストロームの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。さらにアニーリング後、ウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層209の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp型コンタクト層側からエッチングを行い、図5に示すようにn型コンタクト層204の表面を露出させる。
エッチング後、最上層にあるp型コンタクト層209のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNiとAuを含む透光性のp側電極210と、エッチングにより露出させたn型コンタクト層204の表面にはWとAlを含むn側電極211を形成してLED素子とした。
このLED素子は順方向電圧20mAにおいて、470nmの青色発光を示し、駆動電圧は3.0Vであった。また、障壁層の成長温度まで昇温時の中間層12の表面形態は図7であった。
[比較例2]
実施例8と比較するために活性層を以下のようにしてLED素子を作製した。
(活性層)
TMG、TMI、アンモニア、シランガスを用い、1050℃でSiを5×1017/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を820℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、In0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を30オングストロームの膜厚で成長させる。さらにこの障壁層、井戸層を4回繰り返して積層し、最後に障壁層を形成して、総膜厚1350オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層を成長させる。
以上のようにした他は実施例8と同様に作製したところ発光ピークはブロードしており、駆動電圧は3.8Vであった。
[比較例3]
実施例8と比較するために活性層を以下のようにしてLED素子を作製した。
(活性層)
TMG、TMI、アンモニア、シランガスを用い、1050℃でSiを5×1017/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を820℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、In0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を30オングストロームの膜厚で成長させる。さらにバンドギャップエネルギーが障壁層と井戸層との間にあるアンドープのIn0.15Ga0.85Nよりなる中間層を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層、井戸層、中間層の3層構造をさらに4回繰り返して積層し、最後に障壁層を形成して、総膜厚1400オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層を成長させる。以上のように中間層のバンドギャップエネルギーを障壁層より小さく、井戸層よりも大きくした他は実施例8と同様に作製したところ、駆動電圧は下がることなく4.0Vであった。
[実施例9]
実施例8において、活性層207の中間層12をAl0.45Ga0.55Nとした他は同様にしてLED素子を作製した。
このLED素子は順方向電圧20mAにおいて、470nmの青色発光を示し、駆動電圧は3.0Vであった。また、障壁層の成長温度まで昇温時の中間層12の表面形態は図8であった。
[実施例10]
実施例8において、活性層207の中間層12をAl0.60Ga0.40Nとした他は同様にしてLED素子を作製した。
このLED素子は順方向電圧20mAにおいて、470nmの青色発光を示し、駆動電圧は2.8Vであった。また、障壁層の成長温度まで昇温時の中間層12の表面形態は図9であった。
[実施例11]
実施例8において、活性層207の中間層12をAl0.15Ga0.85Nとした他は同様にしてLED素子を作製した。
このLED素子は順方向電圧20mAにおいて、470nmの青色発光を示し、駆動電圧は3.6Vであった。また、障壁層の成長温度まで昇温時の中間層12の表面形態は図6であった。
[実施例12]
実施例8において、活性層207を以下のようにした。
(活性層207)
TMG、TMI、アンモニア、シランガスを用い、1050℃でSiを5×1017/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなる障壁層13を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を820℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、In0.8Ga0.2Nよりなる井戸層11を30オングストロームの膜厚で成長させる。さらにTMG、TMA、アンモニアを用い、アンドープのAl0.3Ga0.7Nよりなる中間層12を10オングストロームの膜厚で成長させる。この障壁層13、井戸層11、中間層12の3層構造をさらに4回繰り返して積層し、最後に障壁層13を形成して、総膜厚1400オングストロームの多重量子井戸(MQW)からなる活性層207を成長させる。
以上のように井戸層11のInの混晶比を0.8とした他は実施例8と同様にしてLED素子を作製したところ、順方向電圧20mAにおいて、570nmの黄色発光を示し、駆動電圧は2.9Vと、同条件で中間層12を形成しないときの駆動電圧3.7Vと比べて大きな低下が見られた。
本発明における単一量子井戸からなる活性層近傍の構造を模式的に示した断面図。 本発明における多重量子井戸からなる活性層近傍の構造を模式的に示した断面図。 本発明における活性層近傍のエネルギーレベルの相関を示した図。 本発明の一実施例に係る窒化物半導体レーザ素子の構造を示す模式的な断面図。 本発明の他の実施例に係る窒化物半導体LED素子の構造を示す模式的な断面図。 本発明の一実施の製造工程で見られる中間層の表面形態を示したAFM像。 本発明の他の実施の製造工程で見られる中間層の表面形態を示したAFM像。 本発明の他の実施の製造工程で見られる中間層の表面形態を示したAFM像。 本発明の他の実施の製造工程で見られる中間層の表面形態を示したAFM像。 Al混晶比Zと、駆動電圧との関係を示す図。
符号の説明
11・・・井戸層、
12・・・中間層、
13・・・障壁層、
101・・・GaN基板(またはサファイア基板)、
102・・・バッファ層、
103・・・n型コンタクト層、
104・・・n型クラッド層、
105・・・n型光ガイド層、
106・・・活性層、
107・・・p側キャップ層、
108・・・p型光ガイド層、
109・・・p型クラッド層、
110・・・p型コンタクト層、
120・・・p側オーミック電極、
121・・・p側パッド電極、
122・・・n側オーミック電極、
123・・・n側パッド電極、
130・・・絶縁膜、
201・・・GaN基板(またはサファイア基板)、
202・・・バッファ層、
203・・・アンドープGaN層、
204・・・n型コンタクト層、
205・・・n型第1多層膜層、
206・・・n型第2多層膜層、
207・・・活性層、
208・・・p型多層膜層、
209・・・p型コンタクト層、
210・・・p側電極、
211・・・n側電極。

Claims (5)

  1. n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層を備えた窒化物半導体レーザ素子において、
    前記活性層の井戸層と障壁層の間に、前記障壁層よりバンドギャップエネルギーが大きい少なくとも1つの中間層を有し、かつ該中間層が前記井戸層の上に成長されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記活性層において、すべての井戸層上にそれぞれ中間層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記中間層の膜厚は一原子層以上100オングストローム以下、障壁層の膜厚は10オングストローム以上400オングストローム以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. AlxGa1−xN(0≦x≦1)からなるn型クラッド層とAlyGa1−yN(0≦y≦1)からなるp型クラッド層の間にインジウムを含む窒化物半導体からなる井戸層を有する活性層を備えた窒化物半導体レーザ素子において、
    前記活性層は1つの井戸層と障壁層とを備えた単一量子井戸構造であって、前記井戸層と前記障壁層の間に該障壁層よりバンドギャップエネルギーの大きい中間層を備え、かつ該中間層が前記井戸層上に成長されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記活性層の中間層は障壁層より膜厚が薄いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。

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