JP4045792B2 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4045792B2
JP4045792B2 JP2001374589A JP2001374589A JP4045792B2 JP 4045792 B2 JP4045792 B2 JP 4045792B2 JP 2001374589 A JP2001374589 A JP 2001374589A JP 2001374589 A JP2001374589 A JP 2001374589A JP 4045792 B2 JP4045792 B2 JP 4045792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride semiconductor
film
layer
ridge stripe
type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001374589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002237661A (ja
Inventor
慎一 長濱
雅彦 佐野
友弥 柳本
裕司 松山
康博 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Corp
Original Assignee
Nichia Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Corp filed Critical Nichia Corp
Priority to JP2001374589A priority Critical patent/JP4045792B2/ja
Publication of JP2002237661A publication Critical patent/JP2002237661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4045792B2 publication Critical patent/JP4045792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は窒化物半導体(AlInGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなるレーザ素子に関し、ファーフィールドパターンが良好となり、特にリップルを低減することができる窒化物半導体レーザ素子。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、実用可能な窒化物半導体レーザ素子として、例えばJpn.J.Appl.Phys.vol.37(1988) pp.L309-L312、Part2,No.cB,15 March 1998の文献に素子構造を提案している。上記文献の技術はサファイア基板上部に、部分的に形成されたSiO膜を介して選択成長された転位の少ないGaNよりなる窒化物半導体層を複数積層してなる素子とすることで、室温での連続発振1万時間以上を可能とするものである。素子構造としては図7のように、選択成長された窒化物半導体基板上に、n−AlGa1−kN(0≦k<1)よりなるn型コンタクト層、In0.1Ga0.9Nよりなるクラック防止層、n−Al0.14Ga0.86N/GaNの多層膜よりなるn型クラッド層、n−GaNよりなるn型光ガイド層、In0.02Ga0.98N/In0.15Ga0.85Nよりなる多重量子井戸構造の活性層、p−Al0.2Ga0.8Nよりなるp型電子閉じ込め層、p−GaNよりなるp型光ガイド層、p−Al0.14Ga0.86N/GaNの多層膜よりなるp型クラッド層、p−GaNよりなるp型コンタクト層により構成されている。
【0003】
さらに上記文献では、光の導波を効率よくするために、p型コンタクト層側からp型クラッド層が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが設けられ、さらにリッジストライプ側面からn型コンタクト層にかけてSiOが形成された実効屈折率型の窒化物半導体素子が記載されている。
【0004】
このSiOは保護膜としての効果だけでなく、導波路領域で十分に光を閉じ込めて横方向の光導波を効率よく行うために有効であり、本発明者らも導波路領域を形成する窒化物半導体よりも低屈折率の膜としてZrO、SiO等を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構造では、例えば出力30mWの高出力動作時において、横方向のFFP(ファーフィールドパターン)はリップルが発生し、非ガウシア分布になってしまうという問題があった。窒化物半導体レーザを光ディスクへの書き込み等を目的とした実用化には非ガウシア分布となるレーザでは、光ディスクへの書き込み等には非常に不適切なものとなるため、リップルがFFPにのらないガウス分布となるレーザ素子が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで発明者らは鋭意研究を重ねた結果、導波路領域において共振器長と垂直な方向となる横方向に導波して端面で反射してきた戻り光が、または導波路領域においてリッジストライプから離れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光が、リップル発生の大きな要因になっていると考え、リップルがFFPにのらないガウス分布となる、あらたな窒化物半導体レーザ素子の構造を得るに至った。その窒化物半導体レーザ素子の構造とは、導波路領域においてリッジストライプから離れた位置において、戻り光を減少させ、また漏れ光をリッジストライプから離れた位置で吸収させることで減少させるものであり、以下のような構成からなる。
【0009】
(1) n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第1の絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する第2の絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
【0010】
(2) 前記第2の絶縁膜は導波路領域の屈折率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収する材料であることを特徴とする。
【0011】
(3) 前記第2の絶縁膜はTiO,Nb Cr、Ta、SiCから選ばれた1つであることを特徴とする。
【0012】
(4) 前記エッチングによって露出された露出面のうち、前記第1の絶縁膜から離れた位置において、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされていることを特徴とする。
【0013】
(5) 該第2の絶縁膜において、該導波路領域の上部に形成された第2の絶縁膜上には第2の絶縁膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする。
【0014】
(6) 該導波路領域の共振器面と異なる側面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とする。
【0015】
(7) n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶縁性第1の膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する金属からなる第2の膜が形成され、導波路領域の共振器面と異なる側面には絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
【0016】
(8) n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶縁性第1の膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する窒化物半導体からなる第2の膜が形成されていることを特徴とする。
【0017】
(9) 前記(7)または(8)の窒化物半導体レーザ素子の、第2の膜は導波路領域の屈折率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収する材料であることを特徴とする。
【0018】
(10) 前記第2の膜はZr、Nb、Ti、Niから選ばれた1つからなる金属膜であることを特徴とする。
【0019】
(11) 前記第2の膜はInGa1−ZN(0<Z<1)であることを特徴とする。
【0020】
(12) 前記(7)〜(11)のうちいずれかの窒化物半導体レーザ素子の、エッチングによって露出された露出面のうち、前記リッジストライプから離れた位置において、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされていることを特徴とする。
【0021】
(13) 前記導波路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して前記第1の膜がリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面から連続して形成されており、さらに該第1の膜上に、該第1の膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする。
【0022】
(14) 前記第2の膜において、該導波路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して、リッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成された前記第1の膜と異なる材料からなる絶縁性を有する第3の膜が形成されており、さらに該第3の絶縁膜上には該第3の膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする。
【0023】
(15) 前記(7)〜(14)の窒化物半導体レーザ素子の、導波路領域の共振器面と異なる側面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とする。
【0024】
このような(1)〜(17)の構成にすることで、横方向に導波して端面で反射してきた戻り光を減少させ、リッジストライプから離れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光を吸収させることで減少させることができ、リップルがFFPにのらないガウス分布となるレーザ素子を得ることが可能となった。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。
図1は本発明における窒化物半導体レーザ素子の導波路領域を示す模式図である。本発明の導波路は、図1のAに示されるように、低屈折率領域と高屈折率領域を設け、クラッド層に挟まれた活性層内に屈折率差を設けることで形成されている。そして、低屈折率領域の一部には光損失領域が設けられており、横方向に導波して端面で反射してきた戻り光を減少させ、およびリッジストライプから離れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光を吸収させることで減少させることができる。また本発明ではこの低屈折率領域に、光損失領域の一部を設けることで、本発明の目的とするFFPにリップルののらない窒化物半導体レーザ素子が実現される。
【0026】
また、本発明は以下のようにも説明できる。本発明の導波路は、図1のAに示されるように、低屈折率領域と高屈折率領域を設け、クラッド層に挟まれた活性層内に屈折率差を設けることで形成されている。そして、低屈折率領域の一部には光損失領域が設けられており、導波路のうち、光損失領域に挟まれた領域を、利得が得られる領域として、利得領域とすると、本発明の導波路内には、横方向に実効的な屈折率差を設けることで形成された第1導波路と、光損失領域を設けることで形成された第2導波路を有することになる。ここで第1の導波路を実効屈折率導波路と称し、第2の導波路を光損失導波路と称する。実効屈折率導波路は、図1のAに示すように、リッジストライプ構造とすることで導波路領域において、実効的な屈折率差を設けることで横モードを閉じ込めるものであり、また光損失導波路は、図1のBに示すように、光の利得領域と光の損失領域を設けることで横モードを閉じ込めるものである。本発明では第1の導波路と、第2の導波路を設け、さらに低屈折率領域の一部に光損失領域があるように形成することで、本発明の目的とするFFPにリップルののらない窒化物半導体レーザ素子が実現される。
【0027】
図1を具体的に説明すると、実効屈折率導波路(第1導波路)は本発明のレーザ素子のリッジストライプ部にほぼ一致する部位に対向する導波路の部位で高屈折率領域と低屈折率領域の境界が形成され、光損失導波路(第2導波路)はリッジストライプから離れたp型窒化物半導体層露出面上のレーザ光を吸収する材料を設ける部位に対向する導波路の部位で光の損失領域と光の利得領域の境界が形成される。
【0028】
次に本発明の具体的な実施の形態について述べる。本発明は以下に示す実施の形態1〜3よりなる。
(実施の形態1)
図2は本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【0029】
図2には、多重量子井戸構造の活性層の上に、p型電子閉じ込め層、p型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが順に形成され、p型コンタクト層側からp型光ガイド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であり、リッジストライプ側面及び露出されたp型光ガイド層のリッジストライプ近傍には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第1の絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れたp型光ガイド層の表面には、n型窒化物半導体層にかけて、連続して導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する第2の絶縁膜が形成されており、さらにp型コンタクト層表面及び、第1の絶縁膜の表面にはp側オーミック電極が、p側オーミック電極、第1の絶縁膜の表面及びp型光ガイド層に接する第2の絶縁膜上にはp側パッド電極が形成されている。なお、本発明において、第1の絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜、第2の絶縁膜を絶縁性を有する第2の膜と呼ぶことがある。
【0030】
(第2の絶縁膜:絶縁性を有する第2の膜)
本発明において、窒化物半導体レーザの導波路領域において共振器長と垂直な方向となる横方向に導波して端面で反射してきた戻り光(以下、戻り光とする)、および導波路領域においてリッジストライプから離れた位置で導波路領域から漏れた漏れ光(以下、漏れ光とする)を減衰(減少)させるために、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する第2の絶縁膜を設けている。このように第2の絶縁膜を設けることで、図4に示すようにリッジストライプの近傍とリッジストライプから離れた位置とでは、光の導波モードは異なるものとなり、リッジストライプから横方向に進んだ光は第2の絶縁膜と接する部位で、第2の絶縁膜の方に進み、第2の絶縁膜を導波する。このように第2の絶縁膜を導波することにより戻り光を減少させることができ、また以下のように第2の絶縁膜を吸収する材料を選択するか、第2の絶縁膜上に金属からなるp側パッド電極を形成することにより、漏れ光を減少させることができる。
【0031】
この第2の絶縁膜は例えば、TiO、Nb、RhO、Cr、Ta及びSiCが挙げられ、これらはすべてAlInGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりも屈折率の大きい材料である。さらにTiO2は、吸収の効果があると共に、窒化物半導体層に対して密着性の高い材料であることから最も好ましい材料である。
【0032】
さらに第2の絶縁膜の膜厚は、好ましくは200オングストローム以上とし、さらに好ましくは1500オングストローム以上とし、最も好ましくは1500オングストローム以上、5000オングストローム以下とする。膜厚を上記範囲にすることで、戻り光および漏れ光を効率的に減少させることができる。1500オングストローム以上とする理由は、窒化物半導体として、GaNを用いた場合、レーザ発振波長が400nm(4000オングストローム)、GaNの屈折率が2.5であることから、少なくとも1480オングストロームの膜厚がなければ、光の導波、吸収が効果的に起こらないからで、第2の絶縁膜の膜厚がこれより小さくなると、光は放射してしまう。すなわち、具体的には(レーザの発振波長/活性層の井戸層の屈折率)で、算出した値が下限の膜厚として必要である。また、p側パッド電極の屈折率が第2の絶縁膜の屈折率よりも大きい場合、第2の絶縁膜を5000オングストロームよりも小さくすることで、第2の絶縁膜上に形成されているp側パッド電極でも光を吸収させ、戻り光および漏れ光をさらに減少させることができる。
【0033】
また、第2の絶縁膜の膜厚は好ましくは1500オングストロームとするが、p側パッド電極の膜厚が500オングストローム以上で形成する場合、第2の絶縁膜の膜厚は200オングストローム以上あればよい。第2の絶縁膜は1500オングストロームより小さいと光を放出してしまうが、放出した光はp側パッド電極で吸収されるようになり、戻り光及び漏れ光を減少させる効果はあり、p側パッド電極の膜厚によっては、第2の絶縁膜を200オングストローム以上とすることが可能である。この第2の絶縁膜の下限値を200オングストロームとする理由は窒化物半導体層が少なくとも完全に外部(パッド電極など)と絶縁できる下限値だからである。
【0034】
また第2の絶縁膜は、リッジストライプから離れたp型光ガイド層の表面(エッチング露出面)から連続して導波路領域の共振器面と異なる側面にまで形成する。すなわち共振器長と垂直な方向となる、導波路領域の横方向の端面にも第2の絶縁膜を形成する。導波路領域の横方向の端面に第2の絶縁膜を形成することで、横方向の端面でも光を吸収することができ、さらに漏れ光および戻り光を減少させることができる。
【0035】
(第1の絶縁膜:絶縁性を有する第1の膜)
本発明において、第1の絶縁膜(絶縁性を有する第1の膜)は導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する材料であり、例えばAlInGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりも屈折率の小さい材料として、ZrO、SiOなどが挙げられる。特にZrOは窒化物半導体層に対して密着性が高いことからも好ましい材料である。
【0036】
(エッチングによるリッジストライプ形成)
本発明において、リッジストライプはp型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまで形成する。少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングすることで、レーザ発振できる程度に高屈折領域と低屈折領域との屈折率差を設けることができる。さらにp型窒化物半導体層側から、p型コンタクト層、p型クラッド層、さらにp型光ガイド層の一部を除去して形成することが好ましい。このときエッチングの深さは、活性層に達しない深さとする。好ましくはp型光ガイド層のリッジストライプ部の膜厚を100オングストローム以上とすることにより、良好なビーム形状を有するレーザ素子を得ることができる。さらに好ましくは500オングストローム以上とすることで、その出力において、高出力でも単一モード発振が可能である、そのため、レーザ素子の応用において必要とされる素子の信頼性を十分に確保できるものとなる。
【0037】
さらに本発明において、リッジストライプの形状としては、順メサ型、逆メサ型のどちらでもよいが、順メサ型(活性層から離れるにつれてリッジストライプ幅が狭くなる)とすることで、良好な横モードの制御が実現できる傾向にあり好ましい。
【0038】
本発明において、リッジストライプを形成する際、またリッジストライプ形成時のみでなく、窒化物半導体をエッチングする際においては、ウェットエッチング、ドライエッチング等の方法があり、例えばドライエッチングの方法として、反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択することで、窒化物半導体をエッチングすることができる。
【0039】
さらにリッジストライプはレーザ出射面から反射面に架けてリッジストライプ幅が広くなるようなテーパ状に形成してもよい。リッジストライプをテーパ状にすることによって、水平横モードと垂直横モードともにシングルモードが得られ、良好なFFPとなり、本発明のリップルの低減されたレーザ素子の効果をさらに増すものとなり好ましい。
【0040】
また本発明においてリッジストライプの幅は、1〜3μmに調整する。リッジストライプの幅を上記範囲にすることで、単一モードで安定した横モードでの発振が可能となる。ストライプの幅が、1μm未満であるとストライプの形成が困難になり、3μm以上であると横モードが多モードになる傾向にあり、上記1〜3μmの範囲外にあると、本発明の構造でも安定した横モードにならない傾向にある。好ましくは1.2〜2μmの範囲にすることで、更に光出力の高い領域での横モードの安定性が増加する。
【0041】
(p側パッド電極)
本発明において、p側パッド電極は第2の膜上、さらにp側オーミック電極上に、それぞれに接して形成されている。このp側パッド電極は金属からなり、単一の層であってもよく、多層であってもよい。p側パッド電極が金属であることから、第2の膜だけでなくp側パッド電極でも効率よく光を吸収させ、戻り光および漏れ光をさらに減少させることができ、最も好ましい。
【0042】
p側パッド電極の膜厚は少なくとも500オングストローム以上であることが好ましい。上記膜厚が500オングストローム以上であると、光の吸収が効率よく行われる。さらに好ましくは2000オングストローム以上とすることで、p型窒化物半導体層表面での電流を均一に流せるようになり、さらに好ましくは5000オングストローム以上とすることで、実装時のワイヤーボンディングを容易に行うことができ、信頼性、歩留が向上する。
【0043】
また、本発明は他の実施の形態として、図3のようなリッジストライプを形成した際に露出した露出面を、さらにエッチングすることでも本発明の目的を達成できる。この場合、第2の膜は絶縁膜であることが好ましく、また第1の絶縁膜から離れた位置において、少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体をエッチングする。第1の絶縁膜から離れた位置とは第1の絶縁膜が形成されていないエッチング露出面上のいずれかの位置のことであり、好ましくはリッジストライプの側面の最下部からの距離が5μm以上であり、さらに好ましくは6μm〜8μmの位置である。5μm以下にすると光の閉じ込め効果が大きくなり、光が集中し過ぎて端面破壊が起こりやすくなってしまう。このようにエッチングすると、導波路領域の横方向の端面に絶縁性を有する第2の膜と、さらにはp側パッド電極が順に形成された構造となる。端面に絶縁性を有する第2の膜と金属からなるp側パッド電極とが形成されることで、横方向に導波して端面で反射する戻り光および漏れ光をさらに減少させることができる。
【0044】
さらに上記リッジストライプを形成した際に露出した露出面をエッチングする際、窒化物半導体の成長方向に対して傾斜を設けるようにエッチングすることが好ましい。窒化物半導体の成長方向に対して平行にエッチングして形成された端面では、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレーザ光は、反射して再び導波路領域を進むことになり、リップル発生の原因となるが、傾斜を設けて端面を形成することで、反射した光は再び導波路領域を進むことがなくなり、第2の膜として、絶縁性を有する膜、金属からなる膜、窒化物半導体からなる膜いずれの場合でも、設ける効果は絶大となる。
【0045】
このように傾斜を設けることは、上記図2(さらには以下に示す図8および図9)を用いて示したリッジストライプを形成した際に露出した露出面をエッチングしない場合でも用いることができ、その場合は、p型窒化物半導体層まで積層後、n型窒化物半導体層を露出させてn側オーミック電極等のn側電極を形成するためのエッチングの際に、導波路領域の端面を窒化物半導体層の成長方向に対して傾斜して設けることで、同様の効果が得られる。
【0046】
また、本発明の多重量子井戸構造の活性層のうち、井戸層はAlInGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)を用いることができるが、好ましくはInGa1−YN(0<Y<1)を用いることができる。
【0047】
本発明で課題とされているリップルは420nm以下で発振する窒化物半導体レーザ素子の場合に顕著に発生する。これは多重量子井戸からなる活性層の井戸層の組成に大きく関係し、420nmより長い範囲で発振する窒化物半導体レーザ素子はInGa1−pN(0<p<1)において、Inの混晶比が大きいので、Inの組成不均一が大きく、導波路領域での内部ロスが大きくなり、端面で反射してきた戻り光、さらには導波路領域から漏れた漏れ光は、420nm以下で発振するレーザ素子と比べて小さい。よって、本発明は特に420nm以下で発振する窒化物半導体レーザにおいて特に効果を発揮するものである。
【0048】
また、本発明において第2の膜は、リッジストライプから離れた露出面に形成されるが、これは少なくともリッジストライプから0.5μm離れた露出面から外側に向けて形成されるものであり、この距離を好ましくは1μm以上2μm以下に設けることで、最も有効に戻り光および漏れ光を減少させることができる。
【0049】
本発明において、その他の層の構成、および層の形成方法などは、特に限定せず、従来知られている窒化物半導体レーザ素子の構成、形成方法を用いることができる。
【0050】
(実施の形態2)
次に示す実施の形態2は、実施の形態1において、第2の絶縁膜のみを金属からなる第2の膜とした形態であり、他の構成、またはそれによる効果等は実施の形態1と同様である。
【0051】
第2の膜として用いる金属としては導波路領域の屈折率よりも大きい値を有するものであればよく、さらに好ましくはレーザ発振波長の光を吸収するものであることが好ましい。具体的に好ましい材料としては、Nbであり、これらの材料は、横方向に導波した光を金属からなる第2の膜と接する部位で、金属からなる第2の膜の方に進み、金属からなる第2の膜を導波する(図4)。このように金属からなる第2の膜を導波することにより戻り光を減少させることができ、また以下のように金属からなる第2の膜をレーザ発振波長の光を吸収する材料を選択するか、金属からなる第2の膜上に金属からなるp側パッド電極を形成することにより、漏れ光を減少させることができる。
【0052】
第2の膜として金属を用いる場合、好ましい膜厚としては、200オングストローム以上とし、さらに好ましくは1500オングストローム以上、5000オングストローム以下とする。膜厚を上記範囲にすることで、戻り光及び漏れ光を効率的に減少させることができる。1500オングストローム以上とする理由は、上記第2の膜を絶縁膜とした場合と同じ理由であり、5000オングストローム以下とすることで、金属からなる第2の膜上に設けるp側パッド電極でも光を吸収させ、戻り光及び漏れ光をさらに減少させることができる。
【0053】
しかしながら、第2の膜として金属からなる膜を設ける場合、図8、9に示すように、第2の膜上に形成されるp側パッド電極は金属からなる第2の膜との間に絶縁膜を介して形成される。このp側パッド電極と金属からなる第2の膜との間に形成される絶縁膜は、図8のように、リッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成された絶縁性を有する第1の膜が、リッジストライプ側面から連続して形成されたものでもよいし、図9のように、絶縁性を有する第1の膜と異なる材料からなる絶縁性を有する第3の膜が形成されたものでもよい。p側パッド電極と金属からなる第2の膜との間に形成される絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜とした場合、製造工程が簡略化される点で好ましいが、異なる材料とした場合、リッジストライプから離れた位置に置いて導波路上に順に形成される金属からなる第2の膜、絶縁膜、p側パッド電極の3層を導波路から離れるにしたがって、屈折率が導波路領域の屈折率よりも段階的に大きくなるように材料を適宜選択することができ、本発明の効果として特に大きいものが得られる。具体的に最も好ましい材料の構成としては、第2の膜をNb、絶縁膜をSiO、p側パッド電極をRhOである。またp側パッド電極のRhOは、NiとAuの合金を1500オングストローム以下(例えばNiを100オングストロームとAuを1400オングストローム)の膜厚で形成することで、段階的に屈折率が大きくなるという特性を損ねることなく、パッド電極のはがれ防止効果も具備することができる。
【0054】
(実施の形態3)
次に示す実施の形態3は、実施の形態1において、第2の膜を、絶縁性を有するものや金属ではなく、半導体からなる膜としたものある。他の構成、またはそれによる効果等は実施の形態1と同様である。
【0055】
第2の膜として用いる半導体としては導波路領域の屈折率と等しいか、それよりも大きい値を有するものであればよく、さらに好ましくはレーザ発振波長の光を吸収するものであることが好ましい。レーザ発振波長の光を吸収するものとは、言い換えると、多重量子井戸層のうち、井戸層のバンドギャップエネルギーに等しいか、それよりも小さいバンドギャップエネルギーの窒化物半導体であり、第2の膜として、井戸層のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーの窒化物半導体を用いると、漏れ光を吸収させる効果は全く起こらない。またこの第2の膜は、同じ窒化物半導体層上に形成するので、結晶性よく形成することができる。
【0056】
さらに第2の膜として用いる半導体の好ましい材料を具体的に説明すると、上記記載の井戸層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーの窒化物半導体として、井戸層のバンドギャップエネルギーとの差が0.1eV以上0.3eV以下で形成することを特徴とする。井戸層がInGa1−XN(0<X≦1)の場合、第2の膜はInGa1−ZN(0<Z<1かつX<Z)となり、必ずInを含むものとなり、InGaN形成時のInは混晶比が大きいほど、Inの偏析が起こりやすいという公知の事実から、Inは吸収係数が大きいので、吸収させるという効果が顕著にあらわれる。しかしながら、InGaNのInの混晶比を大きくしすぎると第2の膜の結晶表面があれてしまい、その上に形成するパッド電極、または絶縁膜がはがれやすくなってしまうので、好ましくなくこれらのことから、上記0.1eV以上0.3eVとすることが好ましい。
【0057】
これらの材料を適宜選択し用いることで、横方向に導波した光が、窒化物半導体からなる第2の膜と接する部位で、第2の膜の方に進み、第2の膜を導波する(図4)。このように窒化物半導体からなる第2の膜を導波することにより戻り光を減少させることができる。
【0058】
第2の膜として半導体を用いる場合、好ましい膜厚としては、200オングストローム以上、2000オングストローム以下とすることで、戻り光および漏れ光を効率的に減少させることができる。とくにInGa1−ZN(0<Z<1)を用いる場合は、500オングストローム以上1500オングストローム以下とする。500オングストローム以上とすることで、InGaNがほぼ均一な膜厚で形成され、戻り光および漏れ光を減少させる効果を再現性よく発揮することができ、1500オングストローム以下とすることで、第2の膜の表面があれることなく、その上に形成する材料との密着性も良くなる。ここで、第2の膜をInGaNとする場合、金属や絶縁性を有する膜を設ける場合よりも薄く形成できるが、これはバンド端吸収によるもので、表面をあらすことなく吸収させるという両者の効果を奏する。
【0059】
また窒化物半導体からなる第2の膜上に金属からなるp側パッド電極を形成することにより、さらに漏れ光を減少させることができる。しかしながら、第2の膜として窒化物半導体からなる膜を設ける場合、第2の膜上に形成されるp側パッド電極は窒化物半導体からなる第2の膜との間に絶縁膜を介して形成される。このp側パッド電極と窒化物半導体からなる第2の膜との間に形成される絶縁膜は、図8に示すように、リッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成された絶縁性を有する第1の膜が、リッジストライプ側面から連続して形成されたものでもよいし、図9に示すように、絶縁性を有する第1の膜と異なる材料からなる絶縁性を有する第3の膜が形成されたものでもよい。p側パッド電極と窒化物半導体からなる第2の膜との間に形成される絶縁膜を絶縁性を有する第1の膜とした場合、製造工程が簡略化される点で好ましいが、異なる材料とした場合、リッジストライプから離れた位置において導波路上に順に形成される窒化物半導体からなる第2の膜、絶縁膜、p側パッド電極の3層を導波路から離れるにしたがって、屈折率が導波路領域の屈折率よりも段階的に大きくなるように材料を適宜選択することができ、本発明の効果として特に大きいものが得られる。具体的に好ましい3層の構成としては、第2の膜をInGaN(井戸層のInGa1−XN(0<X≦1)よりもバンドギャップエネルギーが小さく、その差が0.1eV以上0.3eV以下のInGaN)、絶縁膜をSiO、p側パッド電極をRhOである。またp側パッド電極のRhOは、NiとAuの合金を1500オングストローム以下(例えばNiを100オングストロームとAuを1400オングストローム)の膜厚で形成することで、段階的に屈折率が大きくなるという特性を損ねることなく、パッド電極のはがれ防止効果もさらに増大することができる。
【0060】
以下に実施例を示すが、いうまでもなく、窒化物半導体レーザ素子の構造、および形成方法はこれに限るものではない。
【0061】
【実施例】
[実施例1]
図2は本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示すものである。以下、この図を基に実施例1について説明する。
【0062】
図2には、窒化物半導体と異なる異種基板101上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる下地層102、SiドープのGaNよりなるn型コンタクト層103、クラック防止層104、アンドープのAlGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型クラッド層105、アンドープGaNよりなるn型光ガイド層106、SiドープのInGaNからなる障壁層とアンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積層することで、多重量子井戸を構成する活性層107、MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層108、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層109、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超格子からなるp型クラッド層110、MgドープのGaNよりなるp型コンタクト層111が順に積層された積層構造となっており、n型コンタクト層103が露出され、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層110が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リッジストライプ近傍、すなわちリッジストライプ側面から連続してなるp型クラッド層露出面のうちリッジストライプに近い側、およびリッジストライプ側面には第1の絶縁膜301が、またリッジストライプから離れた位置、すなわちリッジストライプ側面から連続してなるp型クラッド層露出面のうちリッジストライプから遠い側に、導波路領域の共振器面と異なる側面にまで第2の絶縁膜302が形成されている。言いかえればp型窒化物半導体層露出面のうち、第1の絶縁膜301はリッジストライプに接して設けられており、第2の絶縁膜302はリッジストライプに接しないで設けられている。さらに、電極としてp側には、第1の絶縁膜及びリッジストライプ上部のp型窒化物半導体層露出面にはp側オーミック電極201が、またp側オーミック電極201上および第1、第2の絶縁膜上にはp側パッド電極202が設けられ、n側には、n型コンタクト層上にはn側オーミック電極203、n側オーミック電極203上および第2の絶縁膜上にはn側パッド電極204が設けられている。
【0063】
ここで、本実施例では、基板として窒化物半導体と異なる異種基板101を用いているが、GaN基板などの窒化物半導体からなる基板を用いても良い。ここで、異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA1のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたものを用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性よく成長させるため好ましい。更に、異種基板を用いる場合には、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる窒化物半導体を成長させた後、異種基板を研磨などの方法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種基板を除去する方法でも良い。
【0064】
基板として、(0001)C面を主面とするサファイア基板を用いた。この時、オリフラ面はA面であった。窒化物半導体を成長させる基板としては、サファイア(主面がC面、R面、A面)の他、SiC、ZnO、スピネル(MgAl)、GaAs等、窒化物半導体を成長させるために知られている、窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板を用いることができる。また、GaNなどの窒化物半導体からなる基板上に直接積層しても良い。
【0065】
(バッファ層)
1インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、GaNよりなるバッファ層(図示せず)を200Åの膜厚で成長させる。
【0066】
(下地層102)
バッファ層成長後、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる下地層102を4μmの膜厚で成長させる。この層は、素子構造を形成する各層の成長において基板として作用する。このように、異種基板上に、窒化物半導体の素子構造を形成する場合には、低温成長バッファ層、窒化物半導体の基板となる下地層を形成すると良い。
【0067】
(n型コンタクト層103)
次に、アンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、窒化物半導体基板1の上に、1050℃でSiを3×1018/cmドープしたGaNよりなるn型コンタクト層103を4μmの膜厚で成長させる。
【0068】
(クラック防止層104)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層104を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0069】
(n型クラッド層105)
続いて、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cmドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn型クラッド層105を成長させる。
【0070】
(n型光ガイド層106)
続いて、シランガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn型光ガイド層106を0.2μmの膜厚で成長させる。このn型光ガイド層8にn型不純物をドープしても良い。
【0071】
(活性層107)
次に、温度を800℃にして、SiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を100Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0. Ga0.8Nよりなる井戸層を40Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚380Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層107を成長させる。活性層は本実施例のようにアンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp型不純物をドープしても良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なお障壁層にのみn型不純物をドープすると閾値が低下しやすい。
【0072】
(p側キャップ層108)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、CpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p型光ガイド層11よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなるp側キャップ層108を300Åの膜厚で成長させる。
【0073】
(p型光ガイド層109)
続いてCpMg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープGaNよりなるp型光ガイド層109を0.2μmの膜厚で成長させる。
【0074】
このp型光ガイド層109は、アンドープ、すなわち意図的にドープしない状態で成長させるが、p側キャップ層、p型クラッド層の隣接する層からのMg拡散が起こり、実際にはMg濃度が5×1016/cmとなり、Mgがドープされた層となる。
【0075】
(p型クラッド層110)
続いて、TMAを流し、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、CpMgを流し、MgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、繰り返し積層することで、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp型クラッド層110を成長させる。p型クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良い。クラッド層110は、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlGa1−XN(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。p型クラッド層110を超格子構造とすることによって、クラッド層全体のAl混晶比を上げることができるので、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらにバンドギャップエネルギーが大きくなるので、閾値を低下させる上で非常に有効である。さらに、超格子としたことにより、クラッド層自体に発生するピットが超格子にしないものよりも少なくなるので、ショートの発生も低く抑えることができる。
【0076】
(p型コンタクト層111)
最後に、1050℃で、p型クラッド層110の上に、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層111を150Åの膜厚で成長させる。p型コンタクト層はp型のInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極201と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタクト層111は電極を形成する層であるので、1×1017/cm以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1017/cmよりも低いと電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコンタクト層の組成をGaNとすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0077】
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウエーハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面にSiOよりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)を用いSiClガスによりエッチングし、図2に示すように、n電極を形成すべきn型コンタクト層103の表面を露出させる。このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜としてSiOが最適である。
【0078】
次にストライプ状のリッジストライプ導波路を形成する方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、p型窒化物半導体層401の最上層のp型コンタクト層のほぼ全面に、スパッタ装置などのPVD装置により、Si酸化物(主として、SiO)よりなる第1の保護膜402を0.5μmの膜厚で形成した後、第1の保護膜402の上に所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよりなる第2の保護膜403を、ストライプ幅2μm、厚さ1μmで形成する。ここで、第1の保護膜402は、特に絶縁性は問わず、窒化物半導体のエッチング速度と差がある材料であればどのような材料でも良い。例えばSi酸化物(SiOを含む)、フォトレジスト等が用いられ、好ましくは、後に形成する第1の絶縁膜との溶解度差を設けるために、第1の絶縁膜よりも酸に対して溶解されやすい性質を有している材料を選択する。酸としてはフッ酸を好ましく用い、そのためフッ酸に対して溶解しやすい材料として、Si酸化物を好ましく用いる。
【0079】
次に、図5(b)に示すように第2の保護膜403形成後、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CFガスを用い、第2の保護膜403をマスクとして、前記第1の保護膜402をエッチングして、ストライプ状とする。
【0080】
その後エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去することにより、p型コンタクト層の上にストライプ幅2μmの第1の保護膜402が形成できる。
【0081】
さらに、図5(c)に示すように、ストライプ状の第1の保護膜402形成後、再度RIEによりSiClガスを用いて、p型コンタクト層、およびp型クラッド層、p型光ガイド層をエッチングして、p型光ガイド層のエッチングされた領域(リッジストライプ部以外の領域)における膜厚が1000Åとなる深さのストライプ状の導波路領域として、リッジストライプを形成する。
【0082】
さらに、図5(d)に示すように、リッジストライプ形成後、さらにリッジストライプから離れた位置に、所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜404を形成する。第3の保護膜は第2の保護膜と同様の材料を用いるのが好ましい。
【0083】
第3の保護膜404を形成後、ウエーハをスパッタ装置などのPVD装置に移送し、図5(e)に示すように、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる第1の絶縁膜405を、第1の保護膜402の上と、エッチングにより露出されたp型光ガイド層の上(リッジストライプ部以外の領域)と、第3の保護膜404上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0084】
ここで、第1の絶縁膜405の材料としてはSiO以外の材料、好ましくはZrO、Ta、AlNを用いることが望ましい。これらの材料は導波路を形成する窒化物半導体よりも屈折率が小さい材料である。また、フッ酸に対しても多少溶解する性質を有しているものもあるが、レーザ素子の絶縁層にすれば埋め込み層としてSiOよりもかなり信頼性が高くなる傾向にある。またPVD、CVDのような気相で成膜した酸化物系薄膜は、その元素と酸素とが当量反応した酸化物となりにくいので、酸化物系薄膜の絶縁性に対する信頼性が不十分となりにくい傾向にあるが、本発明で選択した前記元素のPVD、CVDによる酸化物、BN、SiC、AlNはSi酸化物よりも絶縁性に対して信頼性に優れている傾向にある。しかも酸化物の屈折率を窒化物半導体よりも小さいもの(例えばSiC以外のもの)を選択すると、レーザ素子の埋め込み層として非常に都合がよい。さらにまた、第1の保護膜402をSi酸化物とすると、Si酸化物に対して、フッ酸による選択性を有しているため、図5(e)に示すようにストライプ導波路の側面、そのストライプが形成されている平面(エッチストップ層)、及び第1の保護膜402の表面に連続して形成すると、リフトオフ法により、第1の保護膜402のみを除去すると、図5(f)に示すような、平面に対して膜厚が均一な第1の絶縁膜405を形成することができる。
【0085】
第1の絶縁膜405形成後、ウエーハを600℃で熱処理する。このようにSiO以外の材料を第1の絶縁膜として形成した場合、第1の絶縁膜成膜後に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することにより、第1の絶縁膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ酸)に対して溶解しにくくなり、この工程を加えることがさらに望ましい。
【0086】
次に、ウエーハをフッ酸に浸漬し、図5(f)に示すように、第1の保護膜402をリフトオフ法により除去する。
【0087】
次に図6(a)に示すように、p型コンタクト層の上の第1の保護膜402が除去されて露出したそのp型コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電極406を形成する。但しp電極406は100μmのストライプ幅として、この図に示すように、第1の絶縁膜405の上に渡って形成する。第1の絶縁膜形成後、既に露出させたn型コンタクト層103の表面にはTi/Alよりなるn側オーミック電極203をストライプと平行な方向で形成する。
【0088】
次に図6(b)に示すように、第3の保護膜404を除去し、p型窒化物半導体層を露出させる。
【0089】
次に図6(c)に示すように、p側オーミック電極上と、n側オーミック電極の一部とを覆うようにフォトレジストからなる第4の保護膜407を形成する。
【0090】
第4の保護膜407を形成後、ウエーハをスパッタ装置などのPVD装置に移送し、図6(d)に示すように、TiOよりなる第2の絶縁膜408を全面(、さらに全面から導波路領域の共振器面と異なる側面まで連続して)に形成し、さらに図6(e)に示すように、第4の保護膜407を除去することでリッジストライプ近傍と、n側オーミック電極上の第2の絶縁膜を除去する。
【0091】
次に、p、n電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなるp側パッド電極202およびn側パッド電極204をそれぞれ形成する。
【0092】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウエーハのサファイア基板を研磨して70μmとした後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状に劈開し、劈開面((11−00)面、六方晶系の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。この共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図2に示すようなレーザ素子とする。なおこの時の共振器長は800μmであった。
【0093】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.5であった。さらに図10は本実施例と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較したものであるが、これを見てもわかるように、第2の絶縁膜を形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0094】
[実施例2]
図3は本発明の他の実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示すものである。以下、この図をもとに実施例2について説明する。
【0095】
図3には、実施例1と同様に積層された積層構造であり、n型コンタクト層103が露出され、またp型窒化物半導体層が、p型光ガイド層109が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが形成されており、さらにリッジストライプを形成した際の露出面であるp型光ガイド層109を、第1の絶縁膜301から離れた位置に置いて、n型光ガイド層106が露出するまでエッチングされている。そして、絶縁性を有する第1の膜301がp型窒化物半導体層露出面のうち、リッジストライプ近傍、すなわちリッジストライプ側面から連続してなるp型光ガイド層露出面のうちリッジストライプに近い側、およびリッジストライプ側面に形成され、またリッジストライプから離れた位置、すなわちリッジストライプ側面から連続してなるp型光ガイド層露出面のうちリッジストライプから遠い側および、p型光ガイド層露出面をエッチングして形成された導波路領域の横方向の端面および該端面から連続してn型光ガイド層露出面に絶縁性を有する第2の膜302が形成されている。
【0096】
まずリッジストライプを形成するまでは実施例1と同様にして形成する。
リッジストライプ形成後、リッジストライプの側面の最下部からの距離が7μmより内側をフォトレジストおよびZrOでマスクし、7μmより外側を、n型光ガイド層の表面が露出するまでエッチングする。
【0097】
その後は、実施例1と同様に、p側オーミック電極、n側オーミック電極、TiOよりなる第2の絶縁膜、p側パッド電極、n側パッド電極を形成する。このとき第2の絶縁膜はp型光ガイド層露出面から導波路領域の共振器面と異なる側面、さらにn型コンタクト層露出面にまで渡って形成される。
【0098】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウエーハのサファイア基板を研磨して70μmとした後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状に劈開し、劈開面((11−00)面、六方晶系の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。この共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図3に示すようなレーザ素子とする。なおこの時の共振器長は800μmであった。
【0099】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.5であった。さらに第2の絶縁膜を形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0100】
[比較例1]
各層を積層したあと、図7のように第2の絶縁膜を形成しないで、リッジストライプから離れた位置の窒化物半導体上には第1の絶縁膜405が接するように形成される以外は、実施例1と同様にして窒化物半導体レーザ素子を得る。得られたレーザ素子は、発振波長400〜420nm、発振しきい値電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードで発振したが、水平横モードのFFPはリップルが発生するものとなる。
【0101】
[実施例3]
図8は本発明の他の実施例にかかるレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示すものである。
【0102】
図8には、窒化物半導体と異なる異種基板501上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる下地層502、SiドープのGaNよりなるn型コンタクト層503、クラック防止層504、アンドープのAlGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型クラッド層505、アンドープGaNよりなるn型光ガイド層506、SiドープのInGaNからなる障壁層とアンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積層することで、多重量子井戸を構成する活性層507、MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層508、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層509、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超格子からなるp型クラッド層510、MgドープのGaNよりなるp型コンタクト層511が順に積層された積層構造となっており、n型コンタクト層503が露出され、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層510が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リッジストライプから離れた位置に第2の膜702としてNbが形成されており、さらに残りのp型窒化物半導体層露出面、リッジストライプの側面および第2の膜上および導波路領域の共振器面と異なる側面には絶縁膜701が形成されている。
【0103】
まずリッジストライプを形成するまでは実施例1と同様にして形成する。次に、フォトレジストを全面に塗布し、p型窒化物半導体露出面のうち、リッジストライプから離れた位置において、第2の膜形成部を露光により露出させる。
【0104】
つぎにウエーハをスパッタ装置に入れ、スッパッタリングによりNbを300オングストロームの膜厚で形成した後、エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去する。
【0105】
さらにウエーハをスパッタ装置などのPVD装置に移送し、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる絶縁性を有する第1の膜701を、第1の保護膜(マスク)の上と、エッチングにより露出されたp型光ガイド層の上(リッジストライプ部以外の領域)と、第2の膜上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0106】
第1の膜形成後、ウエーハを600℃で熱処理する。熱処理以降は実施例1と同様にしてレーザ素子を得る。なおこの時の共振器長は800μmであった。
【0107】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.8であった。さらに図11は本実施例と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較したものであるが、これを見てもわかるように、第2の膜として金属のNbを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0108】
[実施例4]
図8は実施例3で、第2の膜として金属のNbを用いるときのレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であるが、これを用いて実施例4を説明する。実施例4は第2の膜として半導体のInGaNが形成されたものである。
【0109】
まずリッジストライプを形成するまでは実施例1と同様にして形成する。次に、p型窒化物半導体露出面全面に、ZnOよりなる保護膜を形成する。このときZnOよりなる保護膜は、リッジストライプから離れた位置において、第2の膜形成部を除いて形成する。続いてMOVPE装置でInGaNを750オングストロームの膜厚でリッジストライプ部、ZnO膜上、p型窒化物半導体層露出面の全面に形成する。そしてウエーハをリン酸と硫酸の混合溶液に浸漬してZnO膜を除去する。
【0110】
次に、ウエーハをスパッタ装置などのPVD装置に移送し、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる絶縁性を有する第1の膜を、第1の保護膜(マスク)の上と、エッチングにより露出されたp型光ガイド層の上(リッジストライプ部以外の領域)と、第2の膜上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0111】
第1の膜405形成後、ウエーハを600℃で熱処理する。熱処理以降は実施例1と同様にしてレーザ素子を得る。なおこの時の共振器長は800μmであった。
【0112】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.7であった。さらに図12は本実施例と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較したものであるが、これを見てもわかるように、第2の膜として窒化物半導体のInGaNを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0113】
[実施例5]
図9は本発明の他の実施例にかかるレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示すものである。
【0114】
図9には、窒化物半導体と異なる異種基板501上に、バッファ層、アンドープのGaNよりなる下地層502、SiドープのGaNよりなるn型コンタクト層503、クラック防止層504、アンドープのAlGaN/SiドープのGaNの超格子からなるn型クラッド層505、アンドープGaNよりなるn型光ガイド層506、SiドープのInGaNからなる障壁層とアンドープのInGaNよりなる井戸層とを繰り返し積層することで、多重量子井戸を構成する活性層507、MgドープのAlGaNからなるp側キャップ層508、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層509、アンドープのAlGaN/MgドープのGaNの超格子からなるp型クラッド層510、MgドープのGaNよりなるp型コンタクト層511が順に積層された積層構造となっており、n型コンタクト層503が露出され、またp型窒化物半導体層が、p型クラッド層510が露出するまでエッチングされて、リッジストライプが形成されており、p型窒化物半導体層露出面のうち、リッジストライプから離れた位置に第2の膜302としてNbが形成されており、さらに残りのp型窒化物半導体層露出面、リッジストライプの側面には、絶縁性を有する第1の膜701としてZrOが形成されており、第2の膜上および導波路領域の共振器面と異なる側面には第1の膜701と異なる絶縁性を有する第3の膜703としてSiOが形成されている。
【0115】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.7であった。さらに第2の膜として金属のNbを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0116】
[実施例6]
実施例6は第2の膜としてInGaNを用いるもので、他の構成は実施例5および図9で示すものと同じである。なお、このときのInGaNの形成方法は実施例4と同様にする。
【0117】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cmにおいて単一横モードでの室温連続発振を示した。次にFFPを測定したところ、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、おおよそ1.6であった。さらに第2の膜702として窒化物半導体のInGaNを形成したことで、戻り光および漏れ光を減少させることができ、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できる。
【0118】
【発明の効果】
以上のように、本発明では導波路領域においてリッジストライプから離れた位置において、戻り光および漏れ光を吸収させる構造とすることで、戻り光およhび漏れ光を減少させ、FFPにリップルののらない窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体レーザ素子の導波路領域を示す模式図、
【図2】本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的断面図、
【図3】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的断面図、
【図4】本発明の導波路領域での光導波機構を説明する図、
【図5】本発明の一実施の形態に係る製造方法を説明する模式的断面図、
【図6】本発明の一実施の形態に係る製造方法を説明する模式的断面図、
【図7】比較例として用いた従来の窒化物半導体レーザ素子の模式的断面図、
【図8】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的断面図、
【図9】本発明の他の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的断面
図、
【図10】本発明の実施例1に係る窒化物半導体レーザ素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較した図、
【図11】本発明の実施例3に係る窒化物半導体レーザ素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較した図、
【図12】本発明の実施例4に係る窒化物半導体レーザ素子と比較例1との水平横モードにおけるFFPを比較した図。
【符号の説明】
101、501・・・異種基板、
102、502・・・下地層、
103、503・・・n型コンタクト層、
104、504・・・クラック防止層、
105、505・・・n型クラッド層、
106、506・・・n型光ガイド層、
107、507・・・活性層、
108、508・・・p側キャップ層、
109、509・・・p型光ガイド層、
110、510・・・p型クラッド層、
111、511・・・p型コンタクト層、
201、406、601・・・p側オーミック電極、
202、602・・・p側パッド電極、
203、603・・・n側オーミック電極、
204、604・・・n側パッド電極、
301、405、701・・・第1の絶縁膜(絶縁性を有する第1の膜)、
302、408・・・第2の絶縁膜(第2の膜)、
401・・・p型窒化物半導体層、
402・・・第1の保護膜、
403・・・第2の保護膜、
404・・・第3の保護膜、
407・・・第4の保護膜、
702・・・第2の膜、
703・・・第3の膜(絶縁性を有する第3の膜)。

Claims (15)

  1. n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
    エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する第1の絶縁膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する第2の絶縁膜が形成されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記第2の絶縁膜は導波路領域の屈折率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収する材料であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記第2の絶縁膜はTiO,Nb Cr、Ta、SiCから選ばれた1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記エッチングによって露出された露出面のうち、前記第1の絶縁膜から離れた位置において、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記第2の絶縁膜において、前記導波路領域の上部に形成された第2の絶縁膜上には第2の絶縁膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記導波路領域の共振器面と異なる側面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
    エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶縁性第1の膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する金属からなる第2の膜が形成され、導波路領域の共振器面と異なる側面には絶縁膜が形成されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  8. n型窒化物半導体層と多重量子井戸構造の活性層と、その上に少なくともp型光ガイド層と、p型クラッド層と、p型コンタクト層とが少なくとも順に形成され、該p型コンタクト層側から少なくともp型クラッド層が露出するまでエッチングされてリッジストライプが設けられた実効屈折率型の窒化物半導体レーザ素子であって、
    エッチングによって露出された露出面のリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面には、導波路領域の屈折率よりも小さい値を有する絶縁性第1の膜が形成され、リッジストライプから離れた該露出面および導波路領域の共振器面と異なる側面には、導波路領域の屈折率よりも大きい値を有する窒化物半導体からなる第2の膜が形成されていることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記第2の膜は導波路領域の屈折率よりも大きい値を有しかつ、レーザ発振波長の光を吸収する材料であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 前記第2の膜はZr、Nb、Ti、Niから選ばれた1つからなる金属膜であることを特徴とする請求項7又は請求項9に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 前記第2の膜はInGa1−ZN(0<Z<1)であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  12. 前記エッチングによって露出された露出面のうち、前記リッジストライプから離れた位置において、さらに少なくとも活性層に接するn型窒化物半導体層が露出するまで窒化物半導体がエッチングされていることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  13. 前記導波路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して前記第1の膜がリッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面から連続して形成されており、さらに該第1の膜上に、該第1の膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  14. 前記導波路領域の上部に形成された第2の膜上には第2の膜に接して、リッジストライプ近傍およびリッジストライプ側面に形成された前記第1の膜と異なる材料からなる絶縁性を有する第3の膜が形成されており、
    さらに該第3の膜上には該第3の膜に接して金属からなるp側パッド電極が形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項13のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  15. 前記導波路領域の共振器面と異なる側面が、リッジストライプ下部の導波路領域で発振したレーザ光が該側面において帰還しない程度に、窒化物半導体層の成長方向に対して傾斜を設けていることを特徴とする請求項7乃至請求項14のいずれか1つに記載の窒化物半導体レーザ素子。
JP2001374589A 2000-12-07 2001-12-07 窒化物半導体レーザ素子 Expired - Fee Related JP4045792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001374589A JP4045792B2 (ja) 2000-12-07 2001-12-07 窒化物半導体レーザ素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000373454 2000-12-07
JP2000-373454 2000-12-07
JP2001374589A JP4045792B2 (ja) 2000-12-07 2001-12-07 窒化物半導体レーザ素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002237661A JP2002237661A (ja) 2002-08-23
JP4045792B2 true JP4045792B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=26605457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001374589A Expired - Fee Related JP4045792B2 (ja) 2000-12-07 2001-12-07 窒化物半導体レーザ素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4045792B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349485A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Toyoda Gosei Co Ltd レーザダイオード素子
JP5028640B2 (ja) 2004-03-26 2012-09-19 日亜化学工業株式会社 窒化物半導体レーザ素子
JP4551121B2 (ja) 2004-05-24 2010-09-22 シャープ株式会社 半導体レーザ装置
JP2007095758A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ
US8073031B2 (en) 2008-03-03 2011-12-06 Sharp Kabushiki Kaisha Laser diode with improved heat dissipation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002237661A (ja) 2002-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7796663B2 (en) Semiconductor laser device
WO2001095446A1 (fr) Dispositif de laser a semi-conducteur et son procede de fabrication
JP3647236B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2003258382A (ja) GaN系レーザ素子
JP3716974B2 (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JP4291960B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP4991025B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2000196201A (ja) 窒化物半導体レ―ザ素子
JP4126878B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体レーザ
JP3604278B2 (ja) 窒化物半導体レーザー素子
JP4045792B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP4457417B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3888080B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP3685682B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3878707B2 (ja) 窒化物系半導体レーザ素子の製造方法
JP4955195B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP2003142769A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP5010096B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子及びそれを用いたld装置
JP4118025B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体レーザ素子
JP3925066B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2005101536A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3968959B2 (ja) 窒化物半導体素子の製造方法
JP4815734B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3849876B2 (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JPH11195840A (ja) 窒化物半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4045792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees