JP3604278B2 - 窒化物半導体レーザー素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザー素子 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は窒化物半導体(InAlGa1−a−bN、0≦a、0≦b、a+b≦1)よりなる窒化物半導体レーザ素子の電極形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々は窒化物半導体基板の上に、活性層を含む窒化物半導体レーザ素子を作製して、世界で初めて室温での連続発振1万時間以上を達成したことを発表した(ICNS'97 予稿集,October 27-31,1997,P444-446、及びJpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L1568-1571、Part2,No.12A,1
December 1997)。基本的な構造としては、サファイア基板上部に、部分的に形成されたSiO膜を介して選択成長されたn−GaNよりなる窒化物半導体基板の上に、レーザ素子構造となる窒化物半導体層が複数積層されてなる。(詳細はJpn.J.Appl.Phys.Vol.36参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図6は従来のレーザ素子の一構造を示す模式断面図である。この図は前記J.J.A.P.に示される図とほぼ同じ図である。この図に示すように従来のレーザ素子ではp−Al0.14Ga0.86N/GaNの超格子構造よりなるp側クラッド層とp−GaNよりなるp側コンタクト層から上にリッジが設けられており、そのリッジの側面とp側クラッド層の平面とに渡って、SiOよりなる絶縁膜が形成され、その絶縁膜を介してp−GaN層と電気的に接続されたp電極が形成されている。リッジのストライプ幅は例えば10μm以下と非常に狭く調整されており、そのストライプ幅の狭いリッジ最表面に、オーミック用のp電極を形成し、さらにはそのp電極の上に直接ボンディングするのは困難である。そのため、この図に示すように、p電極と電気的に接続し、そのp電極よりも大面積を有するpパッド電極が、p側クラッド層の表面に形成された絶縁膜を介して形成される。
【0004】
しかしながらSiOよりなる絶縁膜は、通常、スパッタ、蒸着等のPVD技術を用いて形成されるため、絶縁性の高いSiOになっていないことが多く、Si酸化物の絶縁性が不十分な傾向にある。絶縁性が不十分であると、リッジ以外のp側クラッド層に電流が流れ、閾値が上昇する原因となる。また、p側クラッド層は膜厚が1.0μm以下と他の半導体材料に比べて非常に薄く、さらにAlを含む窒化物半導体で成長されているのでクラッド層内に微細な孔(ピット)が発生しやすい。p側クラッド層の上に形成された絶縁膜の絶縁性が不十分であると、そのピットから電流が流れて、ショートしてしまう恐れがある。
【0005】
一方、電極形成方法について、ストライプ幅の狭いp側コンタクト層の表面にオーミック用のp電極を設けるには非常に細かい作業を必要とする。また絶縁膜形成時に、p側クラッド層の表面に均一な膜厚で絶縁膜を設けないと、膜厚の薄い所に電流が集中して、ショートの原因となる。さらにリッジストライプ形成時にSiOをマスクとして使用すると、クラッド層上部の保護膜を同じSiOで形成することは、両者とも同一のフッ酸で溶けてしまうため、工程上困難である。
【0006】
従って、本発明の目的とするところは、リッジストライプがp層側に設けられてなるレーザ素子において、p側のクラッド層の表面に絶縁性の高い絶縁膜が設けられた信頼性の高いレーザ素子を提供すると共に、簡単な方法で絶縁膜を形成して、その絶縁膜を介して電極を形成しやすくできる電極の形成方法を提供することにある。さらに、新規な電極の構造を提供することによりレーザ素子の閾値を低下させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、第1のp型窒化物半導体を含むp側クラッド層の上に、第2のp型窒化物半導体を含むp側コンタクト層が積層され、そのp側コンタクト層側からエッチングされて、そのp側コンタクト層よりも下の層に、ストライプ状の導波路領域が設けられた窒化物半導体レーザ素子において、そのストライプ導波路のストライプの両側面、およびその側面と連続した窒化物半導体層の平面には、Si酸化物以外で、かつ、屈折率が窒化物半導体よりも小さい絶縁膜が形成され、さらにその絶縁膜を介して、前記ストライプの最上層にあるコンタクト層の表面のほぼ全面に電極が設けられて、さらに前記ストライプの側面と連続した窒化物半導体の平面が、前記p側クラッド層の膜厚方向において、p側クラッド層の下端面より上でかつ下端面からp側コンタクト層方向0.2μmよりも基板側にあることを特徴とする。
【0008】
【0009】
さらに本発明のレーザ素子では、前記ストライプの幅が、4μm〜0.5μmの範囲を有することを特徴とする。さらに好ましくは3μm〜1μmに調整する。4μmよりも広いと横モードが多モードとなりやすく、また0.5μmより狭いと、ストライプの形成が難しく、また電極との接触面積が小さいため、閾値が上昇しやすい。
【0010】
絶縁膜としては、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、BN、AlNの内の少なくとも一種を選択することが望ましく、最も好ましくはZr、Hfの酸化物、BNを用いる。
【0011】
また本発明のレーザ素子の電極形成方法は、第1のp型窒化物半導体を含むp側クラッド層の上に、第2のp型窒化物半導体を含むp側コンタクト層を積層した後、そのp側コンタクト層の表面に、ストライプ状の第1の保護膜を形成する第1の工程と、第1の保護膜を介して、該第1の保護膜が形成されていない部分の窒化物半導体をエッチングして、保護膜直下部分にストライプ状の導波路領域を形成する第2の工程と、第2の工程後、第1の保護膜と異なる材料であって、絶縁性を有する第2の保護膜を、ストライプ導波路の側面及びエッチングされて露出した窒化物半導体層の平面に形成する第3の工程と、第3の工程後、第1の保護膜を除去して、前記第2の保護膜と最上層のp型窒化物半導体層の表面に、そのp側コンタクト層と電気的に接続した電極を形成する第4の工程とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明の電極形成方法では、前記第2の工程において、エッチングストップをp側クラッド層の膜厚方向において、下端面からp側コンタクト層方向0.2μmよりも基板側にある窒化物半導体の平面とすることを特徴とする。エッチングストップとは言うまでもなくエッチングを停止する層であり、このエッチングストップ後に、窒化物半導体にストライプ状の導波路領域が形成され、そのストライプの側面と連続した窒化物半導体の平面が露出される。
【0013】
また、前記第2の工程において、エッチングストップをp側クラッド層の下端面よりも基板側にある窒化物半導体の平面とする。エッチングストップをp側クラッド層下端面よりも基板側にある窒化物半導体平面にすることにより、レーザ素子の閾値が著しく低下する。
【0014】
また本発明の電極形成方法では、前記第1の工程において、p型窒化物半導体層最上層のほぼ全面に第1の保護膜を形成し、その第1の保護膜の上にストライプ状の第3の保護膜を形成した後、その第3の保護膜を介して、第1の保護膜をストライプ状にエッチングする工程により、第1の保護膜を形成することを特徴とする。これは即ち第1の保護膜の形成方法を示すものである。
【0015】
また本発明では、前記第1の工程において、第1の保護膜をリフトオフ法により形成することを特徴とする。
【0016】
さらに、前記第2の保護膜はSi酸化物以外の絶縁材料よりなることを特徴とする。第1の保護膜としては、Siの酸化物よりなり、前記第2の保護膜はTi、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、またはBN、SiC、AlNの内の少なくとも一種を選択し、第2の保護膜として、さらに好ましくはZr、Hfの酸化物、BN、SiCを用いる。第1の保護膜と第2の保護膜とをこれらの材料にすると、保護膜の溶解度差、エッチング速度差により、リフトオフにより第1の保護膜のみが除去できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の電極形成方法の工程を説明するための、窒化物半導体ウェーハの部分的な構造を示す模式的な断面図であり、エッチングにより形成したストライプ導波路に対し垂直方向、即ち共振面に対して平行方向で切断した際の図を示している。本発明の第1の工程では図1(c)に示すように、最上層にあるp側コンタクト層13の上にストライプ状の第1の保護膜61を形成する。
【0018】
第1の保護膜61は、特に絶縁性は問わず、窒化物半導体のエッチング速度と差がある材料であればどのような材料でも良い。例えばSi酸化物(SiOを含む)、フォトレジスト等が用いられ、好ましくは、後に形成する第2の保護膜との溶解度差を設けるために、第2の保護膜よりも酸に対して溶解されやすい性質を有している材料を選択する。酸としてはフッ酸を好ましく用い、そのためフッ酸に対して溶解しやすい材料として、Si酸化物を好ましく用いる。第1の保護膜のストライプ幅(W)としては4μm〜0.5μm、好ましくは3μm〜1μmに調整する。第1の保護膜61のストライプ幅が、おおよそ導波路領域のストライプ幅に相当する。
【0019】
図1(a)、(b)は前記第1の保護膜61を形成するための具体的な工程を示すものである。即ち、図1(a)に示すように、第1の保護膜61をp側コンタクト層13の表面のほぼ全面に形成し、次にその第1の保護膜61の上にストライプ状の第3の保護膜63を形成する。その後、図1(b)に示すように、その第3の保護膜63をつけたまま、第1の保護膜61をエッチングした後、第3保護膜63を除去すれば、図1(c)に示すようなストライプ状の第1の保護膜61を形成することができる。なお第3の保護膜63をつけたままエッチングガス、若しくはエッチング手段等を変えて、p側コンタクト層13側からエッチングすることもできる。
【0020】
また図1(c)に示すようなストライプ状の第1の保護膜61を形成するにはリフトオフ法を用いることもできる。即ち、ストライプ状の孔が開いた形状のフォトレジストを形成し、そのフォトレジストの上から全面に第1の保護膜を形成し、その後フォトレジストを溶解除去することにより、p側コンタクト層と接触している第1の保護膜のみを残す手段である。なおリフトオフ法でストライプ状の第1の保護膜を形成するよりも、前記図1(a)、(b)のようにエッチングにより形成する方が端面がほぼ垂直で形状が整ったストライプが得られやすい傾向にある。
【0021】
次に本発明の第2の工程では図1(d)に示すように、第1の保護膜61を介して、該第1の保護膜61が形成されていない部分のp側コンタクト層13からエッチングして、第1の保護膜61の直下部分に保護膜の形状に応じたストライプ状の導波路領域を形成する。エッチングを行う場合、エッチストップをどの位置にするかでレーザ素子の構造、特性が異なってくる。エッチストップはp側コンタクト層よりも下の層であればどの窒化物半導体層で止めてもよい。図1に示す例ではp側コンタクト層13の下にあるp側クラッド層12の途中をエッチストップとしている。p側クラッド層の下端面からp側コンタクト層方向0.2μmよりも基板側をエッチストップとすると、ストライプがリッジとなって屈折率導波路型のレーザ素子ができる。下端面とは厚さ方向に対して最も下のクラッド層の面を指し、先にも述べたようにクラッド層の下に光ガイド層がある場合には、ガイド層とクラッド層の界面が下端面に相当する。エッチストップをこの下端面よりも上にすると、エッチング時間が短くなり、またエッチングレートを制御しやすいので、生産技術上都合がよい。また、p側クラッド層がストライプの下に存在しているため、閾値は高くなる傾向にあるが、電極間のショートが少ない素子が容易にできる。
【0022】
一方、また図1には示していないが、エッチストップをp側クラッド層の下端面よりも下にある窒化物半導体とすることもできる。下端面よりも基板側の層をエッチストップとすると、側面の露出する面積が多く、電極がショートしやすい傾向にあるものの、閾値が著しく低下する傾向にあり、その点では好ましい。
【0023】
エッチング手段としては、例えばRIE(反応性イオンエッチング)のようなドライエッチングを用いる場合、第1の工程で多用するSi酸化物よりなる第1の保護膜をエッチングするには、CFのようなフッ素化合物系のガスを用いることが望ましく、第2の工程では窒化物半導体をエッチングするには他のIII−V族化合物半導体で良く用いられている、Cl、CCl、SiClのような塩素系のガスを用いると、Si酸化物との選択比が大きくできるため望ましい。
【0024】
次に第3の工程では、図1(e)に示すように、第1の保護膜61と異なる材料であって、絶縁性を有する第2の保護膜62を、ストライプ状の導波路の側面と、エッチングされて露出した窒化物半導体層(図1eでは、p側クラッド層12)の平面とに形成する。第1の保護膜61は第2の保護膜62と異なる材料よりなるため、エッチング手段に対して、第2の保護膜と選択性を有している。そのため、後に第1の保護膜61のみを、例えばフッ酸で除去すると、次の図1(f)に示すような、p型クラッド層12の表面とストライプの側面との両方に連続した第2の保護膜62を形成することができる。第2の保護膜を連続して形成することにより、高い絶縁性を保持できる。しかも第1の保護膜61の上から連続して第2の保護膜62を形成すると、p側クラッド層12の上に均一な膜厚で形成できるため、膜厚の不均一が起こりにくく、膜厚の不均一に起因する電流の集中も発生しなくなる。なお、第2の工程においてエッチストップをp側クラッド層12の途中としているため、図1(e)では第2の保護膜62はp側クラッド層の平面に形成されるが、エッチストップをp側クラッド層12よりも下にすると、当然第2の保護膜はそのエッチストップした窒化物半導体層の平面に形成されることは言うまでもない。
【0025】
第2の保護膜の材料としてはSiO以外の材料、好ましくはTi、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、BN、SiC、AlNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でもZr、Hfの酸化物、BN、SiCを用いることが特に好ましい。これらの材料はフッ酸に対しても多少溶解する性質を有しているものもあるが、レーザ素子の絶縁層にすれば埋め込み層としてSiOよりもかなり信頼性が高くなる傾向にある。またPVD、CVDのような気相で製膜した酸化物系薄膜は、その元素と酸素とが当量反応した酸化物となりにくいので、酸化物系薄膜の絶縁性に対する信頼性が不十分となりにくい傾向にあるが、本発明で選択した前記元素のPVD、CVDによる酸化物、BN、SiC、AlNはSi酸化物よりも絶縁性に対して信頼性に優れている傾向にある。しかも酸化物の屈折率を窒化物半導体よりも小さいもの(例えばSiC以外のもの)を選択すると、レーザ素子の埋め込み層として非常に都合がよい。さらにまた、第1の保護膜61をSi酸化物とすると、Si酸化物に対して、フッ酸による選択性を有しているため、図1(e)に示すようにストライプ導波路の側面、そのストライプが形成されている平面(エッチストップ層)、及び第1の保護膜61の表面に連続して形成すると、リフトオフ法により、第1の保護膜61のみを除去すると、図1(f)に示すような、平面に対して膜厚が均一な第2の保護膜62を形成することができる。
【0026】
次に本発明の第4の工程では、図1(f)に示すように、第1の保護膜61を除去した後に、次に図1(g)に示すように、第2の保護膜62とp側コンタクト層13の上に、そのp側コンタクト層と電気的に接続したp電極を形成する。本発明では、先に第2の保護膜を先に形成しているために、このp電極を形成する際に、ストライプ幅の狭いコンタクト層のみに形成する必要がなく、大面積で形成できる。しかも、オーミック接触を兼ねた電極材料を選択してオーミックとボンディング用の電極を兼ねた電極とを一緒に形成できる。
【0027】
窒化物半導体レーザ素子では、ストライプ状の導波路領域を形成する場合、ウェットエッチングではエッチングが難しいため、ドライエッチングが用いられる。ドライエッチングでは、第1の保護膜と窒化物半導体との選択性が重要視されるため、第1の保護膜としてSiOが用いられる。しかしながらSiOをエッチストップした層の平面に形成する第2の保護膜にも使用することは、絶縁性が不十分であり、また第1の保護膜と同一材料であるので、第1の保護膜のみを除去することが困難となる。そのため、本発明では、第2の保護膜をSiO以外の材料とすると、第1の保護膜との選択性が得られる、しかも第2の保護膜形成後は窒化物半導体をエッチングしないため、第2の保護膜は、窒化物半導体とのエッチング速さに関して、問題とされない。
【0028】
【実施例】
[実施例1]
図2は本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ導波路に垂直な方向で切断した際の図を示すものである。以下、この図を基に実施例1について説明する。
【0029】
(下地層2)
1インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、GaNよりなるバッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。バッファ層成長後、温度を1050℃にして、同じくGaNよりなる下地層2を4μmの膜厚で成長させる。この下地層は保護膜を部分的に表面に形成して、次に窒化物半導体基板の選択成長を行うための下地層として作用する。
【0030】
(保護膜3)
下地層成長後、ウェーハを反応容器から取り出し、この下地層の表面に、ストライプ状のフォトマスクを形成し、PVD装置によりストライプ幅10μm、ストライプ間隔(窓部)2μmのSiOよりなる保護膜3を形成する。保護膜の形状はストライプの窓部よりも保護膜の面積を大きくする方が、次に成長させる結晶欠陥の少ない窒化物半導体基板が得られる。保護膜の材料としては、例えば酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の酸化物、窒化物、またこれらの多層膜の他、1200℃以上の融点を有する金属等を用いることができる。これらの保護膜材料は、窒化物半導体の成長温度600℃〜1100℃の温度にも耐え、その表面に窒化物半導体が成長しないか、若しくは成長しにくい性質を有している。なおこの保護膜3は窒化物半導体基板4の成長を行うための保護膜であり、本発明の方法の保護膜とは異なる
【0031】
(窒化物半導体基板4)
保護膜形成後、ウェーハを再度MOVPEの反応容器内にセットし、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる窒化物半導体基板4を20μmの膜厚で成長させる。この窒化物半導体基板は保護膜3上部において横方向に成長されたものであるため、結晶欠陥が10個/cm以下と下地層2に比較して2桁以上少なくなる。
【0032】
(n側コンタクト層5)
次に、アンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、窒化物半導体基板1の上に、1050℃でSiを3×1018/cmドープしたGaNよりなるn側コンタクト層5を4μmの膜厚で成長させる。
【0033】
(クラック防止層6)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層6を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0034】
(n側クラッド層7)
続いて、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cmドープしたn型GaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn側クラッド層7を成長させる。
【0035】
(n側光ガイド層8)
続いて、シランガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn側光ガイド層8を0.1μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層8にn型不純物をドープしても良い。
【0036】
(活性層9)
次に、温度を800℃にして、SiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を100オングストロームの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を40オングストロームの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚380オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。活性層は本実施例のようにアンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp型不純物をドープしても良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なお障壁層にのみn型不純物をドープすると閾値が低下しやすい。
【0037】
(p側キャップ層10)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p側光ガイド層11よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなるp側キャップ層7を300オングストロームの膜厚で成長させる。
【0038】
(p側光ガイド層11)
続いてCp2Mg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層11を0.1μmの膜厚で成長させる。
【0039】
(p側クラッド層12)
続いて、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてCp2Mg、TMAを止め、アンドープGaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp側クラッド層12を成長させる。p側クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良い。クラッド層12は、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlGa1−XN(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。p側クラッド層12を超格子構造とすることによって、クラッド層全体のAl混晶比を上げることができるので、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらにバンドギャップエネルギーが大きくなるので、閾値を低下させる上で非常に有効である。さらに、超格子としたことにより、クラッド層自体に発生するピットが超格子にしないものよりも少なくなるので、ショートする確率も低くなる。
【0040】
(p側コンタクト層13)
最後に、1050℃で、p側クラッド層9の上に、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層13を150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コンタクト層はp型のInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極20と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタクト層13は電極を形成する層であるので、1×1017/cm以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1017/cmよりも低いと電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコンタクト層の組成をGaNとすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0041】
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面にSiOよりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)を用いSiClガスによりエッチングし、図2に示すように、n電極を形成すべきn側コンタクト層5の表面を露出させる。このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜としてSiOが最適である。
【0042】
次に本発明の電極形成方法について詳説する。まず、図1(a)に示すように、最上層のp側コンタクト層13のほぼ全面に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO)よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形成した後、第1の保護膜61の上に所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜63を、ストライプ幅2μm、厚さ1μmで形成する。
【0043】
次に、図1(b)に示すように第3の保護膜63形成後、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CFガスを用い、第3の保護膜63をマスクとして、前記第1の保護膜をエッチングして、ストライプ状とする。その後エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去することにより、図1(c)に示すようにp側コンタクト層13の上にストライプ幅2μmの第1の保護膜61が形成できる。
【0044】
さらに、図1(d)に示すように、ストライプ状の第1の保護膜61形成後、再度RIEによりSiClガスを用いて、p側コンタクト層13、およびp側クラッド層12をエッチングして、ストライプ状の導波路領域(この場合、リッジストライプ)を形成する。ストライプを形成する際、そのストライプの断面形状を図2に示すような順メサの形状とすると、横モードがシングルモードとなりやすく非常に好ましい。このストライプ形状は本発明のストライプ導波路の形状全てについて適用可能である。
【0045】
リッジストライプ形成後、ウェーハをPVD装置に移送し、図1(e)に示すように、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる第2の保護膜62を、第1の保護膜61の上と、エッチングにより露出されたp側クラッド層12の上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0046】
第2の保護膜62形成後、ウェーハを600℃で熱処理する。このようにSiO以外の材料を第2の保護膜として形成した場合、第2の保護膜製膜後に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することにより、第2の保護膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ酸)に対して溶解しにくくなり、この工程を加えることがさらに望ましい。
【0047】
次に、ウェーハをフッ酸に浸漬し、図1(f)に示すように、第1の保護膜61をリフトオフ法により除去する。
【0048】
次に図1(g)に示すように、p側コンタクト層13の上の第1の保護膜61が除去されて露出したそのp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電極20を形成する。但しp電極20は100μmのストライプ幅として、この図に示すように、第2の保護膜62の上に渡って形成する。
【0049】
第2の保護膜形成後、一番最初に露出させたn側コンタクト層5の表面にはTi/Alよりなるn電極21をストライプと平行な方向で形成する。
【0050】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmとした後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状に劈開し、劈開面(11−00面、六角柱状の結晶の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。共振器面にSiOとTiOよりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図2に示すようなレーザ素子とする。なお共振器長は300〜500μmとすることが望ましい。
【0051】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、閾値電流密度2.9kA/cmにおいて室温連続発振を示した。さらに電流値を上げて出力を上げ、40mWとしても、素子自体にショートは発生せず、50時間以上の連続発振を続けた。
【0052】
一方、第2の保護膜をSiOとした従来のものは、閾値電流密度はほぼ同じで連続発振したが、出力を40mWとすると、即、電極間でショートが発生するものがあった。
【0053】
[実施例2]
実施例1において、ストライプ導波路形成後、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、BNを0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0054】
[実施例3]
実施例1において、ストライプ導波路形成後、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、Hf酸化物(主としてHfO)を0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0055】
[実施例4]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、SiCを0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0056】
[実施例5]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、Ti酸化物(主としてTiO)を0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、閾値がやや高くなり、40mWの出力において、寿命が40時間とやや短くなった。
【0057】
[実施例6]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、V酸化物(主としてV)を0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例5とほぼ同等の特性を示した。
【0058】
[実施例7]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、Nb酸化物(主としてNb)を0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例5とほぼ同等の特性を示した。
【0059】
[実施例8]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、Ta酸化物(主としてTa)を0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例5とほぼ同等の特性を示した。
【0060】
[実施例9]
実施例1において、第2の保護膜62を形成する際に、PVD装置で、AlNを0.5μmの膜厚で連続して形成する他は実施例と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例5とほぼ同等の特性を示した。
【0061】
[実施例10]
実施例1において、p側コンタクト層13成長後、そのp側コンタクト層13の上に2μmのストライプ状の開口部を有するフォトレジストを、0.5μmの膜厚で形成した後、そのフォトレジストの上から、Si酸化物(主として、SiO)よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形成する。その後リフトオフ法により、フォトレジストを溶解除去することにより、図1(c)に示すような2μmのストライプ幅を有する第1の保護膜61を形成する。後は実施例1と同様にしてレーザ素子を作製したところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0062】
[参考例1]
図3は本発明の参考例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下この図を元に参考例1について説明する。
【0063】
(窒化物半導体基板4’)
実施例1において、下地層2の表面にストライプ状の保護膜3形成後、ウェーハを再度MOVPEの反応容器内にセットし、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNを5μmの膜厚で成長させる。その後、ウェーハをHVPE(ハイドライド気相成長法)装置に移送し、原料にGaメタル、HClガス、及びアンモニアを用い、アンドープGaNよりなる窒化物半導体基板4’を200μmの膜厚で成長させる。このようにMOVPE法により保護膜3の上に窒化物半導体を成長させた後、HVPE法で100μm以上のGaN厚膜を成長させると結晶欠陥は実施例1に比較してもう一桁以上少なくなる。窒化物半導体基板4’成長後、ウェーハを反応容器から取り出し、サファイア基板1、バッファ層2、保護膜3、アンドープGaN層を研磨により除去し、窒化物半導体基板4’単独とする。
【0064】
後は実施例1と同様にして、研磨側と反対側の窒化物半導体基板4’の上にn側コンタクト層5〜p側コンタクト層13までを積層する。
【0065】
p側コンタクト層13成長後、実施例1と同様にして、ストライプ状の第1の保護膜61を形成した後、第2の工程において、エッチングストップをn側コンタクト層5の表面とする。後は実施例と同様にして、ZrOを主成分とする第2の保護膜62をストライプ導波路の側面、及びn側コンタクト層5の表面に形成した後、それぞれのコンタクト層に電極を形成して、図3に示すような構造のレーザ素子とする。なお共振面を形成する場合、窒化物半導体基板の劈開面は実施例1と同じM面とする。このレーザ素子は実施例1に比較して、閾値電流密度は1.8kA/cmにまで低下し、寿命は3倍以上向上した。
【0066】
[参考例2]
図4は本発明の他の参考例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下この図を元に参考例2について説明する。
【0067】
参考例1において、窒化物半導体基板4'を作製する際にHVPE装置において原料にシランガスを加え、Siを1×1018/cmドープしたGaNよりなる窒化物半導体基板4''を200μmの膜厚で成長させる。なおSi濃度は1×1017/cm〜5×1019/cmの範囲とすることが望ましい。窒化物半導体基板4''成長後、参考例1と同様にしてサファイア基板1、バッファ層2、保護膜3、アンドープGaN層を研磨して除去し、窒化物半導体基板4''単体とする。
【0068】
次にこの窒化物半導体基板4''の上に実施例1と同様にして、クラック防止層6〜p側コンタクト層13までを積層成長させる。
p側コンタクト層13成長後、実施例1と同様にして、ストライプ状の第1の保護膜61を形成した後、第2の工程において、エッチングストップを図4に示すn側クラッド層7の表面とする。後は実施例と同様にして、ZrOを主成分とする第2の保護膜62をストライプ導波路の側面と、n側クラッド層7の表面とに形成した後、その第2の保護膜を介してp電極20を形成する。一方、窒化物半導体基板の裏面側のほぼ全面にn電極21を形成する。電極形成後、窒化物半導体基板のM面で劈開して、共振面を作製し、図3に示すような構造のレーザ素子としたところ、参考例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0069】
なお参考例2のレーザ素子を作製する工程において、第2の工程においてエッチングストップを、窒化物半導体基板の上に積層した種々の半導体層とした場合に、レーザ素子の閾値電流密度と、エッチング深さとの関係を示している。Aはp側クラッド層12の上端面から0.1μm入ったところ、Bはp側クラッド層が0.2μmで残ったところ、Cはp側光ガイド層11の中央、Dはn側光ガイド層8の中央、Eはn側クラッド層7の中央、Fは基板上端面から0.1μm入ったところを示している。この図に示すように、エッチングストップをp側クラッド層の下端面よりも基板側の層とすると閾値が著しく低下することが分かる。また、B点よりも深くエッチングすると、2.0kA/cm以下の閾値電流密度が得られる。2.0kA/cmより閾値が高くなると、高出力で500時間以上連続発信させた場合に、レーザ素子が切れやすい傾向にある。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレーザ素子ではストライプ導波路領域の側面、及びその側面と連続した窒化物半導体の平面に、絶縁性に優れて信頼性が高い保護膜が形成されているために、その保護膜の上に電極を形成して、高電流を流しても、電極間でショートせずにレーザ素子の寿命を延ばすことができる。さらにその位置をp側クラッド層下端面より基板側にすることにより、閾値が著しく低下したレーザ素子を作製できる。また本発明の方法によると、ほぼ均一な膜厚でクラッド層の上に保護膜が形成できるので、電流の集中が起こることが少ない。また第1の保護膜の材料と、第2の保護膜との材料を異ならせているために、保護膜によるエッチング手段による選択性を用いて、再現性よく電極形成を行うことができる。このように本発明は、これからレーザ素子を高出力にして長寿命化するために、非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の各工程を説明するための、各工程においてそれぞれ得られるウェーハの部分的な構造を示す模式断面図。
【図2】本発明の一実施例にかかるレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【図3】本発明の参考例に係るレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【図4】本発明の他の参考例に係るレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【図5】エッチングストップ層と、レーザ素子の閾値電流密度との関係を示す図。
【図6】従来のレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【符号の説明】
1・・・異種基板
2・・・下地層
3・・・窒化物半導体基板成長用の保護膜
4、4’4''・・・窒化物半導体基板
5・・・n側コンタクト層
6・・・クラック防止層
7・・・n側クラッド層
8・・・n側光ガイド層
9・・・活性層
10・・・p側キャップ層
11・・・p側光ガイド層
12・・・p側クラッド層
13・・・p側コンタクト層
61・・・第1の保護膜
62・・・第2の保護膜
63・・・第3の保護膜
20・・・p電極
21・・・n電極

Claims (3)

  1. 第1のp型窒化物半導体を含むp側クラッド層の上に、第2のp型窒化物半導体を含むp側コンタクト層が積層され、そのp側コンタクト層側からエッチングされて、p側コンタクト層よりも下の層に、ストライプ状の導波路領域が設けられた窒化物半導体レーザ素子において、そのストライプ導波路のストライプの両側面、およびその側面と連続した窒化物半導体層の平面には、Si酸化物以外で、かつ、屈折率が窒化物半導体よりも小さい絶縁膜が形成され、さらにその絶縁膜を介して、前記ストライプの最上層にあるコンタクト層の表面のほぼ全面に電極が設けられており、前記ストライプの両側面と連続した窒化物半導体の平面が、p側クラッド層の膜厚方向において、p側クラッド層の下端面より上でかつ下端面からp側コンタクト層方向0.2μmよりも基板側にあることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記絶縁膜が、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、BN、AlNの内の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記ストライプの幅が、4μm〜0.5μmの範囲を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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