JP4211358B2 - 窒化物半導体、窒化物半導体素子及びそれらの製造方法 - Google Patents

窒化物半導体、窒化物半導体素子及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式がInAlGa1−x−yN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で示される窒化物半導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物半導体は、格子定数が一致する実用的な基板が存在しないため、基板との界面で高い密度の転位が発生する。サファイア、スピネル、炭化ケイ素のような窒化物半導体と異なる異種基板の上に、転位密度の低い窒化物半導体を製造するために、窒化物半導体を基板に対して横方向に成長させる方法(以下、「横方向成長法」)が種々提案されている。
【0003】
横方向成長法とは、異種基板の上に、窒化物半導体が成長し易い領域(=易成長領域)と成長しにくい領域(=難成長領域)を交互につくり、易成長領域に選択的に窒化物半導体を成長させ、その窒化物半導体を難成長領域に向かって横方向に伸長させることによって転位密度の低い窒化物半導体を得る方法である。基板の難成長領域の上は、基板から窒化物半導体が成長しておらず、易成長領域にある窒化物半導体から横方向に伸びた窒化物半導体によって覆われているため、基板と窒化物半導体の界面で発生した転位が殆ど表面に現れない。その結果、横方向成長法によって形成された窒化物半導体層は、異種基板の易成長領域の上では高転位密度のままとなるが、難成長領域の上では低転位密度となる。
【0004】
例えば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1998)pp.L309-L312(以下、「非特許文献1」)では、サファイア基板上に成長させた窒化物ガリウム上にSiO等の保護膜を部分的に形成し、この上に窒化ガリウムを成長させている。SiO上には窒化ガリウムが直接成長しないため、SiOが形成されていない領域から窒化ガリウムが成長を開始し、その窒化ガリウムが横方向に伸長してSiOを覆うように成長する。窒化ガリウムとサファイア基板の界面で格子定数差によって発生した転位は、窒化ガリウムの成長と共に縦方向に(=基板に垂直に)転位が進行するが、SiO2保護膜上では窒化ガリウムの成長と共に横方向に(=基板に平行に)進行する。このため、SiO保護膜が形成されていない領域では表面に多量の転位が貫通しているが、SiO保護膜上では転位が表面にあまり現れない。従って、SiO保護膜上に低転位密度な窒化ガリウムを成長できる。
【0005】
特開平10-312971号公報(以下、「特許文献1」)では、上記方法と同様にSiO保護膜を形成した後、窒化ガリウムがSiO保護膜を覆う際にファセット構造を形成するように成長させることにより、転位を斜め方向に進行させ、転位を低減する方法が提案されている。このような方法によっても、SiO保護膜上に低転位密度の窒化ガリウムを成長できる。
【0006】
また、特開平11-145516号公報(以下、「特許文献2」)では、SiO保護膜を形成する代りに、シリコン基板上に成長したAlGaN層をストライプ状にエッチングしてシリコン基板を部分的に露出させ、この上に窒化ガリウムを成長させる。窒化ガリウムはシリコン基板上にはエピタキシャル成長しないため、AlGaN層をシード結晶として、窒化ガリウムが横方向にエピタキシャル成長する。したがって、特許文献1に記載された横方向成長と同様の原理により、シリコン基板の露出部分の上に低転位密度の窒化ガリウムを成長させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10-312971号公報
【特許文献2】
特開平11-145516号公報
【非特許文献1】
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1998)pp.L309-L312
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の横方向成長法によって得た窒化物半導体は、汚染や窒化物半導体へのダメージのために高い結晶品質を安定して得ることが困難であった。即ち、非特許文献1及び特許文献1に開示された方法を用いた場合、SiO膜をエッチングによってパターニングする際に、下地の窒化ガリウム層にダメージが残り、最終的に得られる窒化ガリウム層の結晶品質を低下させる。また、SiO保護膜が窒化ガリウムの成長中にある程度分解するため、窒化物半導体に汚染が発生し易かった。また、特許文献2に開示された方法を用いた場合にも、基板上にシード結晶となるAlGaN層を成長した後、一旦成長炉から取り出してAlGaN層のエッチングを行い、再び成長炉に投入して窒化物半導体を成長させる必要があるため、成長炉から取出してエッチングをする際に汚染が発生し易かった。
【0009】
さらに、従来の横方向成長法によって形成された窒化物半導体層は、周期的に転位密度の低い部分と高い部分が交互に現れる構造となり、全面を均一に低転位密度にすることができなかった。例えば、非特許文献1及び特許文献1に開示されたSiO保護膜を用いる方法では、SiO保護膜上の転位密度を低減することはできるが、それ以外の領域は転位が高密度に残ってしまう。また、特許文献2に開示された、窒化物半導体のエッチングによって異種基板を露出させる方法でも、異種基板を露出させた領域の上は転位密度を低減させることができるか、シード結晶として残した窒化物半導体の上には転位が高密度に残ってしまう。このため、従来の横方向成長法では、全面に渡って均一に転位密度の低い窒化物半導体を成長させることができなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、窒化物半導体の汚染やダメージによる結晶品質の低下が起こり難い、新たな窒化物半導体の横方向成長法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、全面に渡ってほぼ均一に転位密度が低い窒化物半導体層を成長できる、新たな横方向成長法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本件第1発明に係る窒化物半導体の製造方法は、
窒化物半導体と組成が異なる基板の表面ほぼ全面に、該基板及び窒化物半導体と組成が異なる異種材料膜を形成した後、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去することにより、前記基板自身の表面が露出された第1成長領域と、前記異種材料膜が形成された第2成長領域と、を周期的に形成する第1工程と、
前記第2成長領域上の前記異種材料膜を化学的方法によって除去することにより、前記第2成長領域を前記第1成長領域より窒化物半導体が相対的に成長しにくい領域とする第2工程と、
前記基板上に、前記第1成長領域を成長起点として窒化物半導体を成長させる第3工程と、
前記窒化物半導体を、前記第2成長領域上に横方向に伸長させる第4工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
本件発明の方法では、基板上に異種材料膜を周期パターンに製膜した後、化学的に除去することにより、基板上に表面状態の異なる2種類の領域を作り(第1工程〜第2工程)、その表面状態の違いを利用して、一方の領域にのみ窒化ガリウムを選択的に成長させる(第3工程〜第4工程)。即ち、基板表面のうち、異種材料膜を製膜した後に、その異種材料膜をウエットエッチング等の方法によって化学的に除去した領域は、窒化物半導体が成長しにくい表面状態となるため、それ以外の領域に窒化物半導体を選択的に成長させることができる。そして、窒化物半導体の成長が進むと、異種材料膜を化学的に除去した領域に向かって横方向に窒化物半導体が成長する。従って、本件発明の方法では、保護膜や窒化物半導体エッチングを行うことなく、窒化物半導体の横方向成長を起こすことができ、従来の横方向成長の問題点であった窒化物半導体の汚染やダメージを解消することができる。
【0014】
尚、異種材料膜を製膜後、化学的に除去した領域において、窒化物半導体の成長が抑制されるのは、基板表面に数分子層程度のごく薄い反応層が残るためと推定される。この反応層は、異種材料膜と基板表面との反応によって生成し、ウエットエッチング等の化学的手段では除去されないが、ドライエッチングや熱分解といった物理的手段によって除去することができる。
【0015】
従って、第1工程において、基板のほぼ全面に異種材料膜を形成した後、異種材料膜の一部をドライエッチング等によって反応層を含めて除去することにより、基板表面を周期的に露出させても良い。
【0016】
また、異種材料膜から露出した領域の基板を除去することにより、基板表面に段差を形成しても良い。基板表面に段差を形成しておくことにより、窒化物半導体が横方向に成長する際の基板と窒化物半導体の干渉が防止できる。また、基板に形成された溝が、基板と窒化物半導体の間の空洞となるので、基板の反りが緩和される。さらに、基板に形成された溝により、窒化物半導体の低転位領域の認識も容易となる。
【0017】
基板には、サファイア、炭化ケイ素、スピネル、シリコン等を用いることができる。また、異種材料膜には、酸化物、窒化物、又は金属膜を用いることが好ましい。具体的には、異種材料膜が、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、窒化酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、Ti等を用いることができる。
【0018】
次に、本件第2発明に係る窒化物半導体の製造方法は、窒化物半導体と組成が異なる基板上に、原料ガスとして、少なくとも、ガリウム源又はアルミニウム源のガスと窒素源のガスとを用いて、気相成長法によって窒化物半導体を成長させる方法であって、
(A)前記基板の表面ほぼ全面に、該基板及び窒化物半導体と組成が異なる異種材料膜を形成した後、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去することにより、前記基板自身の表面が露出された第1成長領域と、前記異種材料膜が形成された第2成長領域と、を周期的に形成し、前記第2成長領域上の前記異種材料膜を化学的方法によって除去することにより、前記第2成長領域を前記第1成長領域より窒化物半導体が相対的に成長しにくい領域とする工程と、
(B)前記基板に低温バッファ層を成長する工程と、
(C)前記基板を前記低温バッファ層の成長温度よりも高温に昇温する工程と、
(D)前記第1成長領域内において、前記低温バッファ層を成長核として窒化物半導体に微視的な横方向成長を起こさせる工程と、
(E)前記第1成長領域に成長した窒化物半導体を、前記第2成長領域を覆うように横方向に伸長させる工程と
を備えることを特徴とする。
【0019】
ここで、「微視的な横方向成長」とは、窒化物半導体が低温成長バッファ層を介して異種基板上に直接成長している領域において、基板と低温成長バッファ層との界面で発生した転位の大部分が、基板との界面近傍から横方向に曲がって進行し、基板に垂直に進行する転位となっていない状態を指す。また、「相対的に成長し易い易成長領域と成長しにくい難成長領域」とは、一方の領域(=易成長領域)が他方の領域(=難成長領域)との対比において相対的に窒化物半導体が成長し易いような、2種類の領域のことを指す。
【0020】
一般的な横方向成長法の場合、窒化物半導体が基板上に直接成長せずに、シードとなる窒化物半導体から横方向に成長している領域(=難成長領域)では、転位が横方向に進行するが、窒化物半導体が低温成長バッファ層を介して基板上に直接成長している領域(=易成長領域)では、基板と低温成長バッファ層との界面で発生した転位は、大部分が基板に垂直か斜めに進行する貫通転位となっている。このため、一般的な横方向成長法では、難成長領域では低転位密度となるが、易成長領域では貫通転位によって高転位密度となり、基板の全面に渡って低転位密度とすることができない。
【0021】
本件第2発明によれば、従来の横方向成長法において、貫通転位が多発する易成長領域内において「微視的な横方向成長」を起こさせるため、基板の全面を低転位密度とすることができる。易成長領域内において、窒化物半導体に「微視的な横方向成長」を起こさせるためには、窒化物半導体が成長する際に核となる低温成長バッファ層の形成密度を低下させれば良い。例えば、窒化物半導体の成長過程において、低温成長バッファ層の分解が促進されるような条件を採用するか、低温成長バッファ層の形成密度を最初から下げておくことにより、窒化物半導体が成長する際の成長核となる低温成長バッファ層の形成密度を低下させることができる。
【0022】
具体的には、
(1)低温成長バッファ成長後の基板昇温過程(=工程(C))において、分解用の窒素源ガスの流量を低下させることにより、昇温中の低温成長バッファ層の分解を促進する、
(2)窒化物半導体層の成長過程(=工程(D))において、窒素源ガスの流量を低下させることにより、第1の窒化物半導体成長中の低温成長バッファ層の分解を促進する、
(3)低温成長バッファ層の成長過程(=工程(B))において、低温成長バッファ層の成長温度を上げる、原料ガスの流量を下げる、成長時間を短くする等により、低温成長バッファ層の形成密度を低下させる、
等の方法によって、窒化物半導体の微視的な横方向成長を促進することができる。
【0023】
上記(1)及び(2)の方法において、窒素源ガスの流量を下げることによって低温成長バッファの分解が促進されるのは、低温成長バッファを構成している窒化物半導体は、金属成分よりも窒素成分の方が脱離し易いため、高温に昇温する過程で窒素源ガスの流量を下げることにより低温成長バッファ層の分解が促進されるからである。
【0024】
これらの方法を用いることにより、窒化物半導体の成長核である低温成長バッファ層の形成密度が下がり、窒化物半導体が易成長領域内で微視的な横方向成長を起こしながら成長するようになる。上記(1)から(3)の方法は、いずれか1つを用いても良いし、複数を組合せても良い。いずれの方法を採用した場合であっても、その具体的な条件は、窒化物半導体が微視的な横方向成長を起こすように定める必要がある。
【0025】
本件第2発明において、基板上に、窒化物半導体が相対的に成長し易い易成長領域と成長しにくい難成長領域とを周期的に交互に形成する工程(=工程(A))は、本件第1発明に従って行うことが好ましい。
即ち、本件第2発明の工程(A)において、基板上に、該基板及び窒化物半導体と組成が異なる異種材料膜を、前記基板表面が周期的に露出するように形成する第1工程と、
前記異種材料膜を化学的方法によって除去する第2工程とを有し、
前記第1工程において露出していた基板部分を易成長領域とし、前記第2工程において前記異種材料膜が除去された基板部分を難成長領域とすることが好ましい。このように、本件第2発明と第1発明を組合せることにより、基板全面に渡って低転位であり、かつ、汚染やダメージによる結晶品質の低下の少ない、極めて優れた窒化物半導体を得ることができる。また、同一反応装置内で連続反応が可能となるため、製造コストも低減される。
【0026】
次に、本件第3発明に係る窒化物半導体は、窒化物半導体と異なる組成を有する基板のほぼ全面に、窒化物半導体以外の異種材料を介さずに成長された窒化物半導体であって、前記窒化物半導体には、前記基板との界面で面密度10cm−2以上の転位が発生している転位発生領域が面方向に周期的に存在し、該転位発生領域において、前記基板と前記窒化物半導体の界面で発生した転位の大部分が該界面直近から横方向に進行していることを特徴とする。
【0027】
このような窒化物半導体は、本件第2発明に係る方法と本件第1発明に係る方法を組合せて、初めて製造できたものである。本件第3発明に係る窒化物半導体は、転位発生領域において転位が界面近傍から横方向に進行しているため、窒化物半導体の表面では全体に渡って低転位密度となる。好ましくは、前記窒化物半導体の表面における転位密度が、全面に渡ってほぼ一定であり、10cm−2以下である。
【0028】
転位発生領域同士の間隔は、転位発生領域の幅と同等以下であることが好ましい。転位発生領域内の転位は表面に到達しないため、転位発生領域の占有比率が相対的に高くても問題ない。むしろ、転位発生領域同士の間隔が狭い方が窒化物半導体が薄くなり、基板との膨張係数差によって発生する反りが少なくなる。
【0029】
本件第3発明において、基板は、サファイア、炭化ケイ素、スピネル、シリコン等であることが好ましい。また、本件第3発明の窒化物半導体は、基板から剥離しても良い。
【0030】
本件第3発明に係る窒化物半導体を窒化物半導体基板として用いれば、窒化物半導体レーザのように転位密度に敏感な素子であっても、基板上の自由な位置に形成することが可能となる。また、窒化物半導体LEDのように活性領域が大面積となる素子であっても、活性領域内の全体に渡って低転位密度とできるため、高出力かつ長寿命の素子とすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本件発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
本実施の形態では、基板上で異種材料膜の製膜/除去を行うことにより、保護膜や窒化物半導体のエッチングを利用せずに窒化物半導体の横方向成長を行う方法について説明する。図1(a)〜(f)は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体の製造方法を示す概略断面図である。
【0032】
まず、図1(a)に示すように、基板10のほぼ全面に保護膜12を形成する(=工程(a))。基板10は、窒化物半導体と異なる異種基板であることが好ましく、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgAl)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3C)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子接合する酸化物基板等を用いることができる。これらの基板にはオフ角が形成されていてもよい。また、異種材料膜12は、基板10と異なる組成を有し、基板10の表面で少なくとも1分子層が化学結合するものが好ましく、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、窒化酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の酸化物、窒化物、又は金属膜を用いることができる。
【0033】
また、異種材料膜12は、異種材料膜12と基板10の界面に数〜数10分子層程度のごく薄い反応層が形成されるように、化学的に活性な状態で基板10上に形成されることが好ましい。例えば、プラズマを利用した方法によって製膜を行うことにより、異種材料膜12を化学的に活性にすることができる。プラズマを利用した製膜法としては、プラズマCVD法やECRスパッタ法等が挙げられる。プラズマCVD法は、原料ガスをプラズマによって励起し、原子あるいは分子のラジカルをつくり出して、活性な粒子間の反応により薄膜を堆積する方法である。ECRスパッタ法は、プラズマ生成室で電子サイクロトロン共鳴(ECR)を起こし、プラズマ室から発散する磁界に沿って導き出されたプラズマにより、DCまたはRFを印加したターゲットをスパッタリングして試料室の基板上に薄膜を成膜する技術であり、プラズマ生成室と試料室との間にリング状ターゲットを設置する。
【0034】
また、異種材料膜は、プラズマを利用しないCVD、スパッタリング、及び蒸着法によって製膜しても良い。その場合は、異種材料膜12の製膜後に、異種材料膜12と基板の間に化学結合が生じる程度のエネルギー(少なくとも1分子層の異種材料膜12が基板10表面で化学結合できるエネルギー)をアニール等によって与えることが好ましい。
【0035】
次に、図1(b)に示すように、異種材料膜12の一部を、基板10との界面に生じた反応層を含めて完全に除去し、周期的なパターンを形成する(=工程(b))。異種材料膜12の周期的なパターンは、後から成長する窒化物半導体が平坦に埋まるものであればパターン形状を問わないが、特に、ストライプ状、島状又は格子状にすることが好ましい。異種材料膜12の一部を完全に除去するためには、ドライエッチングにより行うことが好ましい。その代わりに、ウエットエッチングやリフトオフ等の方法によって異種材料膜12を除去した後に、ドライエッチングを行っても良い。また、ウエットエッチングやリフトオフ等の方法によって異種材料膜12を除去した後、界面に生じた反応層が分解する程度の温度に加熱しても良い。
【0036】
尚、工程(a)及び(b)に代えて、適当なマスクを用いることにより、周期的なパターンに異種材料膜12を形成しても良い。例えば、基板10の表面の一部領域をレジスト等の適当なマスクによって覆った状態で異種材料膜12を成長させることにより、周期的なパターンに異種材料膜12を形成することができる。この場合、基板10とマスクが反応層を形成しないようにすることが好ましく、また、マスク除去後の基板10の表面を、ドライエッチングによって清浄化しておくことが好ましい。
【0037】
次に、図1(c)に示すように、残った異種材料膜12を、界面に生じたごく薄い反応層(図示せず)が残るような条件で除去する(=工程(c))。例えば、ウエットエッチングによって異種材料膜12を除去することにより、界面に生じたごく薄い反応層だけを残すことができる。ウエットエッチングの条件は、異種材料膜12の組成に応じて適宜選択すれば良い。例えば、異種材料膜12がSiOから成る場合には、バッファードフッ酸(BHF)によってウエットエッチングを行うことができる。このようにして、基板10は、見かけ上は表面が全面に露出しているが、表面状態の異なる2種類の領域が交互に配列された状態となる。即ち、基板10の表面には、異種材料膜12が界面に生じた反応層を残して除去された領域Aと、界面に生じた反応層を含めて完全に除去された領域Bとが周期的に交互に存在することになる。後述するように、領域Aは、窒化物半導体が成長しにくい難成長領域となり、領域Bは、窒化物半導体が成長し易い易成長領域となる。
【0038】
次に、図(d)に示すように、基板10の上に、低温成長バッファ層(図示せず)を成長後、基板10の温度を昇温し、窒化物半導体14を成長させる(=工程(d))。これにより、みかけ上は基板10の全面が露出しているにも拘わらず、領域Bにのみ第1の窒化物半導体14が成長する。このような選択的な成長が起こる技術的機構は詳細には明らかではないが、次のように推定される。即ち、低温成長バッファ層の成長後に基板10を高温に昇温すると、領域Aに残存していた反応層が熱分解して低温成長バッファ層14が領域Aから除去され、領域Aにおける第1の窒化物半導体14の成長が阻害される。このため、領域Aは窒化物半導体が成長しにくい難成長領域となり、領域Bは窒化物半導体が成長し易い易成長領域となる。
【0039】
ここで、低温成長バッファ14は、基板10と第1の窒化物半導体14の間の格子定数不整を緩和するための層であり、基板10の領域Aに残った反応層が分解しない程度の低温で、好ましくは900℃以下、より好ましくは700℃以下の温度で成長させることが望ましい。低温成長バッファ層14の組成は特に限定されないが、InAlGa1−x−yN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、より好ましくはAlGa1−xN(0≦X≦1)を用いることが望ましい。また、低温成長バッファ層14の膜厚は、10Å以上0.5μm以下であることが好ましい。
【0040】
また、低温成長バッファを成長後の基板の昇温過程は、領域Aに残った界面の反応膜が分解するような条件で、かつ、領域Bの低温成長バッファ層が完全に分解しない温度とする。具体的には、雰囲気温度を900℃以上として、低温成長バッファの分解防止用にNHを0.1リットル/min以上入れることが好ましい。以上の条件より、領域Aに残った反応膜が除去される。尚、反応膜の分解は、300℃程度の低温でも時間をかければ進行させることができる。
【0041】
第1の窒化物半導体14は、低温成長バッファ層よりも高温で、好ましくは900℃以上で成長させる。成長温度の上限は、第1の窒化物半導体14自身の分解温度以下であれば、特に限定されない。また、第1の窒化物半導体14は、アンドープの窒化物半導体、及びSi、Ge、SnおよびS等のn型不純物をドープした窒化物半導体、その他にMgやZn等のp型不純物をドープした窒化物半導体、又はn型不純物とp型不純物とを同時ドーピングした窒化物半導体を用いることができる。第1の窒化物半導体14は、一般式InAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。また、第1の窒化物半導体14は、必ずしも単一の層である必要はなく、組成の異なる複数の層が積層されたものであっても良い。
【0042】
次に、図1(e)に示すように、基板10の領域Bに選択的に成長した第1の窒化物半導体14を成長核として、第1の窒化物半導体14の上面及び側面から第2の窒化物半導体16を成長させる(=工程(e))。この第2の窒化物半導体の成長は、領域A(=難成長領域)においてマクロな横方向成長となる。第2の窒化物半導体16は、第1の窒化物半導体14と異なる組成であっても良いが、好ましくは第1の窒化物半導体14と略同一組成とする。また、第2の窒化物半導体16の成長条件は特に限定されないが、第1の窒化物半導体14と同様の条件で成長させることが好ましい。第1の窒化物半導体14と第2の窒化物半導体16の成長条件を略同一とすることにより、第1の窒化物半導体14と第2の窒化物半導体16の間で結晶軸のずれが発生することを防止でき、その結果、第2の窒化物半導体同士の接合部分での転位の発生が抑制される。また、低温成長バッファ層の成長から第2の窒化物半導体16の成長までは同一成長炉内で連続的に行い、途中で成長炉から取出すことによる窒化物半導体への汚染発生を防止することが好ましい。
【0043】
そして、図1(f)に示すように、さらに第2の窒化物半導体16を成長させ、隣接した第1の窒化物半導体14から横方向に伸長した第2の窒化物半導体16同士が互いに接合し、基板10の全面を平坦に覆うようにする(=工程(f))。第1の窒化物半導体14と第2の窒化物半導体16とのトータル膜厚が5μm以上であれば、表面が平坦な窒化物半導体基板を形成することでできる。また、第2の窒化物半導体16の横方向成長が促進されるような成長条件を採用することにより、より薄い膜厚で基板10の全面を平坦に覆うことができる。例えば、V族(窒素)原料とIII族原料との比であるV/III比を小さくする、又はMgを5×1019cm以上の高濃度ドープさせる等の成長条件を採用することにより、窒化物半導体のトータル膜厚が3μm以下であっても平坦な窒化物半導体層を得ることができる。
【0044】
このように成長した第2の窒化物半導体16は、マクロな横方向成長法の原理により、領域A(=難成長領域)において転位密度が低くなる。例えば、CL(カソード・ルミネッセンス)法により測定した窒化物半導体の表面における単位面積あたりの転位欠陥は、図1(f)に示したA領域(=難成長領域)では、1×10個/cm以下、より好ましい条件では5×10個/cm以下、さらに好ましい条件では1×10個/cm以下となる。一方、B領域(易成長領域)では、縦方向に進む貫通転位が残るため、転位数は1×10〜1×1010個/cm程度となる。尚、本実施の形態のように、マクロな横方向成長のみによって窒化物半導体を形成する場合、領域A(=難成長領域)の面積占有率が高くなるようにすることが好ましい。従って、領域A(=難成長領域)の領域B(=易成長領域)に対する面積比は、1〜10倍、より好ましくは1〜5倍とすることが望ましい。
【0045】
このように本件発明の製造方法によれば、基板上で異種材料膜の製膜/除去を行うことにより、保護膜やエッチング等を利用せずに窒化物半導体の横方向成長を行うことができるため、保護膜や窒化物半導体のエッチングによって引き起こされる汚染やダメージの問題を解消して、結晶品質に優れた窒化物半導体を成長させることができる。
【0046】
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1における領域A(=難成長領域)の基板を適当な深さまで除去することにより、基板に段差をつける場合について説明する。このことにより、窒化物半導体が領域A(=難成長領域)においてマクロな横方向成長を起こす際の基板と窒化物半導体の干渉が防止できる。また、基板に形成された溝が、基板と窒化物半導体の間の空洞となるので、基板の反りが緩和される。基板に形成された溝により、窒化物半導体の低転位領域(=領域B)の認識も容易となる。
【0047】
図2(a)〜(e)及び図3(a)〜(b)は、本実施の形態に係る窒化物半導体の製造方法を示す概略断面図である。
まず、図2(a)に示すように、基板10上に保護膜20を成膜する。前記保護膜20は、基板10に溝部を形成するためのマスクとなる。また保護膜20は、後から形成する異種材料膜14よりもエッチングレートより早い材質から成り、後に基板の凸部面上の異種材料膜14を除去するためにある。例えば、異種材料膜として窒化ケイ素(Si)を用いた場合、保護膜20として酸化ケイ素(SiO)等を用いることができる。
【0048】
次に、図2(b)に示すように、保護膜20を所定の形状にパターニングした後、保護膜20をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)、ICP、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、アッシャー等のドライエッチング装置により基板10に溝部を形成する。保護膜20のパターン形状は、実施の形態1における周期パターンと同様に、ストライプ状、格子状、円形又は多角形の島状等とすることができる。
【0049】
オリフラ面がA面であるサファイア基板上において保護膜20をストライプ状にパターニングする場合、オリフラ面の垂直軸に対して左右どちらかにずらして保護膜20をパターニングしてもよい。具体的には、このオリフラ面の垂直軸に対して左右にθ=0°〜5°、好ましくはθ=0.01°〜0.5°の範囲とすることで、後に窒化物半導体を成長させた際の表面をより平坦化させることができる。また、溝部(凹部)の深さが0.1μm以上、溝部(凹部)の幅が1〜100μm、凸部の幅が1〜100μm、凹部幅/凹部深さの比が150以下とすることが好ましい。
【0050】
次に、図2(c)に示すように、基板10上に異種材料膜12を成長させる。異種材料膜12は、実施の形態1で説明した材料の中から、保護膜20よりもエッチングレートが遅いものを選定する。また、異種材料膜12は、基板10の溝部表面において、少なくとも1分子層以上の反応層を形成するように成長させる。
【0051】
次に、図2(d)に示すように、前記保護膜20をウェットエッチング等で選択的に除去することにより、基板10の溝部上にのみ異種材料膜12を残す。保護膜20は、異種材料膜12よりもエッチングレートが早いため、基板の凸部上の異種材料膜12は保護膜20と共に除去される。尚、異種材料膜12は、基板の溝部側面にも成膜されている方が好ましいが、必ずしも成膜されていなくとも良い。
【0052】
尚、この工程の後、基板10の表面をドライエッチングしてもよい。これによって、基板10の凸部上の保護膜20を完全に除去することができる。この場合、保護膜20は成膜時に基板表面で化学結合していてもよいため、異種材料膜と同様の条件で成膜することも可能である。
【0053】
次に、図2(e)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)等でエッチングを続けることにより、異種材料膜12を、基板10との界面に生じた反応層が残るように除去する。このようにして、基板10は、見かけ上は表面が全面に露出しているが、表面状態の異なる2種類の領域が交互に配列された状態となる。即ち、基板10の表面には、異種材料膜12が界面に生じた反応層を残して除去された溝部と、界面に生じた反応層等が残っていない凸部とが周期的に交互に存在することになる。
【0054】
次に、図3(a)に示すように、基板10の上に、低温成長バッファ層13を成長後、基板10の温度を昇温し、窒化物半導体14を成長させる(=工程(d))。これにより、みかけ上は基板10の全面が露出しているにも拘わらず、凸部にのみ第1の窒化物半導体14が成長する。
【0055】
次に、図3(b)に示すように、窒化物半導体14を横方向に成長させることで表面が平坦化した窒化物半導体を形成する。溝部には成長核となる低温成長バッファ層が殆どないため、溝部から窒化物半導体14が成長した場合でも成長速度は遅く溝部を埋めるほどの成長はできない。そのため、基板溝部には前記空洞が形成される。尚、低温成長バッファ層13と窒化物半導体14の間に異なる組成の窒化物半導体を単層又は複数層(超格子層を含む)で成長させてもよい。
【0056】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1において、窒化物半導体層の成長条件を工夫することにより、基板全体に渡って均一に転位密度の低い窒化物半導体層を成長させる方法について説明する。本実施の形態は、実施の形態1の工程(d)以外は、実施の形態1と同様であるので、異なる点についてのみ説明する。
【0057】
本実施の形態では、実施の形態1の工程(d)において、低温成長バッファ層(図示せず)を成長後、基板10の温度を昇温し、窒化物半導体14を成長させる際に、低温成長バッファ層の形成密度が低くなるような条件を採用する。これにより、第1の窒化物半導体14の成長核(=低温成長バッファ層)がまばらになり、図4に示すように、第1の窒化物半導体14が領域B内で微視的な横方向成長を起こしながら成長する。即ち、基板10と低温成長バッファ層(図示せず)との界面で発生した転位18は、基板10との界面ごく近傍で横方向に曲がって進行し、一部は閉ループを形成する。従って、実施の形態1では高転位密度であった領域Bにおいても貫通転位が殆どなくなり、基板10の全面に渡って均一に転位密度が低減された窒化物半導体を得ることができる。
【0058】
第1の窒化物半導体14に微視的な横方向成長を起こさせる具体的な方法について説明する。ここでは、ガリウム源ガスと窒素源ガスとを用い、有機金属気相成長法によって、窒化ガリウムからなる低温成長バッファ層と第1の窒化物半導体層14を成長させる方法を例として説明する。図5は、工程(d)における成長温度プロファイルを示すグラフである。図5に示すように、(i)時間t〜tにおいて、基板温度をT℃まで上昇/下降させてサーマルクリーニングを行った後、(ii)時間t〜tにおいて、ガリウム源ガスと窒素源ガスを流しながら基板温度T℃で低温成長バッファ層の成長を行い、(iii)時間t〜tにおいて、低温成長バッファ層の分解防止用に窒素源ガスを流しながら、基板温度をT℃からT℃まで上昇させ、(iv)時間t以降において、ガリウム源ガスと窒素源ガスを流しながら第1の窒化物半導体層を成長させる。
【0059】
第1の窒化物半導体14に微視的な横方向成長を起こさせるには、第1の窒化物半導体が成長する際の低温成長バッファ層の形成密度を低下させれば良い。例えば、図5に示した一連の過程において、低温成長バッファ層の分解が促進されるような条件を採用するか、低温成長バッファ層の形成密度を最初から下げておくことにより、第1の窒化物半導体が成長する際の低温成長バッファ層の形成密度を低下させることができる。
【0060】
具体的には、
(1)上記(iii)の基板の昇温過程において、分解用の窒素源ガスの流量を低下させることにより、昇温中の低温成長バッファ層の分解を促進する、
(2)上記(iv)の第1窒化物半導体層の成長過程において、窒素源ガスの流量を低下させることにより、第1の窒化物半導体成長中の低温成長バッファ層の分解を促進する、
(3)上記(ii)の低温成長バッファ層の成長過程において、成長温度Tを上げる、ガリウム源ガス及び窒素源ガスの流量を下げる、成長時間(t3〜t4)を短くする等により、低温成長バッファ層の形成密度を低下させる、
等の方法によって、第1の窒化物半導体14の微視的な横方向成長を促進することができる。
【0061】
上記(1)及び(2)の方法において、窒素源ガスの流量を下げることによって低温成長バッファの分解が促進されるのは、低温成長バッファを構成している窒化ガリウムは、ガリウム成分よりも窒素成分の方が脱離し易いため、高温に昇温する過程で窒素源ガスの流量を下げることにより低温成長バッファ層の分解が促進されるからである。尚、この方法は、窒化ガリウムから成る低温成長バッファ層のみならず、InAlGa1−x−yN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で表される窒化物半導体一般から成る低温成長バッファ層に適用できる。
【0062】
上記(1)から(3)の方法は、いずれか1つを用いても良いし、複数を組合せても良い。いずれの方法を採用した場合であっても、その具体的な条件は、第1の窒化物半導体が微視的な横方向成長を起こすように定める必要がある。
【0063】
例えば、上記(ii)の低温成長バッファ層の成長過程において、低温成長バッファ層の形成密度を低下させる場合(=上記(3)の方法)、成長温度Tを900℃以上とするか、成長時間(t〜t)を30秒〜15分とすることが望ましい。
【0064】
これらの方法を用いることにより、第1の窒化物半導体14の成長核(=低温成長バッファ層)がまばらになり、第1の窒化物半導体14が図1(d)の領域B(=易成長領域)内で微視的な横方向成長を起こしながら成長するようになる。従って、実施の形態1では高転位密度であった領域B(=易成長領域)においても転位が低減され、基板10の全面に渡って均一に転位密度が低減された窒化物半導体を得ることができる。
【0065】
図6(a)は、本実施の形態に係る方法によって得られた窒化物半導体を上面からカソードルミネッセンス観察(以下、「CL観察」)した観察像を示す写真である。対比のため、図6(b)に従来の横方向成長方法(=非特許文献1に記載の方法)によって得られた窒化物半導体のCL観察像を示す。図6(a)及び(b)において、黒い影となった部分が、転位が集中している部分である。図6(b)に示す従来の横方向成長方法では、低転位密度の領域と高転位密度の領域が周期的に交互に現れているのに対し、図6(a)に示す本実施の形態に係る方法では、前面が均一に低転位密度となっている。本実施の形態に係る方法により、基板の全面に渡って単位面積あたりの転位密度を10cm−2以下に、より好ましい条件では5×10cm−2以下にすることができる。
【0066】
また、図7は、図6(a)に示す窒化物半導体を断面方向からTEM観察した像を示す写真である。図7に示すように、基板と窒化物半導体の界面では面密度10cm−2以上の転位が領域B(=易成長領域)で周期的に発生しているが、発生した転位が界面の近傍(=界面から5μm以内の位置)から横方向に進行しており、微視的な横方向成長をしていることがわかる。このため、領域B(=易成長領域)において基板と窒化物半導体の界面で発生した転位は、窒化物半導体の表面に到達していない。従って、図7に示すように、基板表面では領域A(難成長領域)も領域B(易成長領域)も一様に転位密度が低くなっている。
【0067】
尚、実施の形態1や実施の形態2に係る方法では、基板の領域A(=難成長領域)だけがマクロな横方向成長の原理によって低転位となるため、領域A(=難成長領域)の面積が領域B(易成長領域)の面積に対して相対的に広くなるようにする必要があった。しかし、本実施の形態に係る方法では、図2に示すように、領域B(=易成長領域)内の第1の窒化物半導体層14が微視的な横方向成長を起こし、貫通転位が殆ど発生しないため、領域A(=難成長領域)を領域B(=易成長領域)に対して広く取る必要がない。従って、本実施の形態では、領域A(=難成長領域)の領域B(=易成長領域)に対する面積比は、0.5〜2倍、難成長領域(領域A)の面積を比較的狭くすることにより、マクロな横方向成長をさせる距離が短くて済むため、より薄膜で窒化物半導体を平坦に形成することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、実施の形態1の方法を前提として説明したが、窒化物半導体に微視的な横成長を起こさせることによって基板全面を低転位とする方法は、他のマクロな横成長方法にも適用することができる。
【0069】
尚、実施の形態1乃至3では、窒化物半導体を有機金属化学気相成長法(=MOCVD法)によって成長させることを前提として説明したが、上記説明した原理はHVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOVPE(有機金属気相成長法)等にも適用することができる。
【0070】
実施の形態4.
実施形態1〜3で得られた窒化物半導体上に、さらに窒化物半導体を厚膜成長させ、この厚膜成長時に転位欠陥を収束させることで、さらに転位欠陥を低減した窒化物半導体を製造することができる。通常、非特許文献1や特許文献1に記載された横方向成長させた窒化物半導体上に、窒化物半導体を厚膜成長すれば、結晶軸のチルトの影響を受けて厚膜成長後の表面が平坦にならない。しかし、本件発明に係る窒化物半導体では、結晶軸のチルトや横方向成長による応力がなく、さらに窒化物半導体同士の接合部に段差がないため、厚膜成長させた後もクラックが無く、表面が平坦かつ鏡面となる。
【0071】
GaNの厚膜成長であれば、HVPE法で行う場合、HClガスとGa金属が反応することでGaClやGaClを形成し、Ga塩化物がアンモニアと反応することで転位密度を1×10個/cm以下の低転位であって、300μm以上のGaNを基板上に堆積させることができる。GaNは結晶性がよいため、研磨やレーザ照射による基板除去時に割れ等が発生せず窒化物半導体のみから成る単体基板を容易に形成することができる。窒化物半導体から成る単体基板は、裏面電極構造とするLEDやLD等を形成することが可能となる。
【0072】
実施の形態5.
実施の形態1〜4で説明した窒化物半導体は、いずれも窒化物半導体素子を形成するための窒化物半導体基板として使用することが可能である。
本実施の形態では、実施形態1〜4で形成した窒化物半導体を窒化物半導体基板として、その上に窒化物半導体レーザ素子を形成することを説明する。
【0073】
図8は、実施の形態1〜4で得られた窒化物半導体202の上に、窒化物半導体レーザ素子を形成した例を示す概略断面図である。
まず、窒化物半導体202の上に、不純物ノンドープAlGa1−xN(0≦X<1)層203、n型コンタクト層204としてn型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦X<1)を5μm程度で成長させる。このn型コンタクト層上にクラック防止層205としてn型不純物ドープInGa1−xN(0≦X<1)を0.2μm程度で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。続いて、クラック防止層上にn型クラッド層206を成長させる。このn型クラッド層としては、超格子構造であるのが好ましく、アンドープAlGa1−xN(0≦X<1)よりなる層と、n型不純物をドープしたn型GaNよりなる層とを交互に積層して総膜厚1.2μm程度の超格子構造よりなるn型クラッド層を成長させる。続いて、アンドープGaNよりなるn側光ガイド層207を0.1μm程度の膜厚で成長させる。このn側光ガイド層はn型不純物をドープしてもよい。
【0074】
次に、障壁層にノンドープInGa1−xN(0≦X≦1)と井戸層にn型不純物ドープInGa1−xN(0≦X≦1)とからなる単一量子井戸構造、又は多重量子井戸構造である活性層208を成長させる。多重量子井戸構造であれば、障壁層と井戸層とを同一温度で1〜15回程度、好ましくは2〜5回で交互に積層し、最後に障壁層とし総膜厚を200〜500Åとする。
【0075】
次に、活性層上にp側キャップ層209としてp型不純物をドープしたp型AlGa1−xN(0≦X<1)を成長させる。このp側キャップ層は膜厚を50〜500Å程度で成長させる。続いて、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層210を0.05〜0.5μm程度の膜厚で成長させる。このp側光ガイド層210は、p型不純物をドープしてもよい。次に、p側光ガイド層上にp型クラッド層211を成長させる。このp型クラッド層としては、n型クラッド層と同様に超格子構造であるのが好ましく、アンドープAlGa1−xN(0≦X<1)よりなる層と、p型不純物をドープしたp型GaNよりなる層とを交互に積層して総膜厚0.3〜0.8μm程度の超格子構造よりなるp側クラッド層を成長させる。最後に、p側クラッド層の上に、p型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦X≦1)からなるp型コンタクト層212を成長させる。
【0076】
ここで、不純物濃度としては、特に限定する必要はないが、好ましくはn型不純物、及びp型不純物は1×1018/cm〜1×1020/cmとする。また、前記n型不純物としてはSi、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、Cd等が挙げられ、p型不純物としてはBe、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr等が挙げられる。
【0077】
次に、前記窒化物半導体基板上に窒化物半導体レーザ素子を形成後、p側電極とn側電極とを同一面側に形成する場合には、n側電極を形成するためにn型コンタクト層をエッチングにより露出させる。次に、ストライプ状の光導波路領域を形成するためにエッチングすることによりリッジを形成する。ここで、エッチングはリッジを形成するには異方性エッチングであるのが好ましく、例えばRIE(反応性イオンエッチング)装置等を使用する。ここで形成されるリッジ幅としては本発明においては後工程で形成する埋め込み層や出力にもよるが、リッジ幅は1.0〜3.0μmと広くすることができる。また、エッチング深さとしては窒化物半導体素子内の少なくともp側クラッド層までエッチングするものとする。さらに、リッジ形状は、順メサ型、逆メサ型、垂直型から成り、これらの形状であれば横方向の光閉じ込めができ好ましい。
【0078】
尚、実施の形態1及び2に記載された方法で製造された窒化物半導体を用いた場合、基板のA領域のみが低転位となっているため、レーザのリッジを基板のA領域(=難成長領域)の上に形成することが好ましい。一方、実施の形態3に記載された方法で製造された窒化物半導体を用いる場合、基板の全面に渡って均一に低転位となっているため、レーザのリッジの形成位置は基板の面内で自由に決めることができる。
【0079】
リッジを形成後、露出したリッジの側壁部からリッジの両側表面の窒化物半導体層上に絶縁体である絶縁体から成る埋め込み膜(例えば、ZrOやダイヤモンドライクカーボン、ガラス等)をスパッタ法等により形成する。この埋め込み膜の効果としては、電流狭窄、及び横方向の光閉じ込めである。横方向の光閉じ込めをするためには窒化物半導体層との間に屈折率差を設ける必要があり、またコア領域内に光を閉じ込めるには窒化物半導体よりも屈折率の小さい材料を埋め込み層に用いる。また、縦方向の光閉じ込めは屈折率の高いコア領域と、屈折率の低いp、n型クラッド層とで屈折率差をつけることでコア内に光を閉じ込めている。
【0080】
その後、p側電極214を形成するためにリッジ最上面に成膜された埋め込み層を除去後、露出したp型コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp側電極をストライプ状に形成し、p側電極を形成後、n型コンタクト層の表面にTi/Alよりなるn電極213をリッジストライプと平行に形成する。次に取り出し電極であるパッド電極(図示sれていない)をp側電極、及びn側電極上に形成する。
【0081】
また、p側電極をNi/Au/RhOとし、p側パッド電極をRhO/Pt/Auとする組み合わせとすることもできる。パッド電極を形成する前に、SiO、TiO等から成る誘電体多層膜を共振器面(光出射端面側)に形成してもよい。この誘電体多層膜を有することにより高出力時における光出射端面の端面劣化を抑制することができる。また、埋め込み膜、ダメージ保護膜215を形成する。さらに、共振器面を形成した後、該共振器面に誘電体多層膜を形成し、電極に平行な方向で切断してチップ化して窒化物半導体レーザ素子とする。この窒化物半導体レーザ素子をヒートシンクに設置し、ワイヤーボンディングし、キャップで封止することで窒化物半導体レーザダイオードとする。
【0082】
以上により得られた窒化物半導体レーザダイオードを用いて室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、閾値電流密度2.9kA/cm2において連続発振を示し、5mW程度の低出力時だけでなく50mW以上、好ましくは80mW以上の高出力時でもキンクが発生せず、3000時間以上の寿命特性を示す。
【0083】
実施の形態7.
本実施の形態では、実施形態1〜4で形成した窒化物半導体を窒化物半導体基板として、その上に窒化物半導体発光ダイオードを形成することを説明する。
尚、実施の形態1及び2で形成した窒化物半導体の場合、発光ダイオードのチップ面積がある程度以上となると、発光領域内に低転位領域と高転位領域が混在することになる。一方、実施の形態3で形成した窒化物半導体の場合、基板全面が均一に低転位となっているため、チップ面積の大きな発光ダイオードであっても、発光領域内を全て低転位とすることができる。
【0084】
まず、実施の形態1から4で形成した窒化物半導体の上に不純物ノンドープAlGa1−xN(0≦X<1)層を3μm以下の膜厚で成長させる。その上に、n型コンタクト層としてn型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦X<1)を3〜5μm程度で成長させる。その上にアンドープGaN/n型不純物ドープGaN/アンドープGaNから成る変調ドープ層をトータル膜厚5000Å以下、好ましくは3500Å程度で成長させる。その上にInGaNとGaN砥から成る超格子層を5〜15ペア、好ましくは7〜10ペアの範囲内でトータル膜厚1000Å以下で成長させる。その上に活性層として多重又は単一量子井戸構造でInGa1−xN(0≦X<1)のペアで積層させる。ここで障壁層及び/又は井戸層はn型不純物(Si等)がドープされている。次に、前記活性層上に超格子構造から成るp型クラッド層を形成する。p型クラッド層はInGa1−xN(0≦X<1)とAlGa1−xN(0≦X<1)とのペアであって、膜厚はそれぞれ数十Å程度であって、少なくとも一方にp型不純物(Mg等)がドープされている。またラストクラッド層はAlGa1−xN(0≦X<1)が2000Å程度で積層されており、トータル膜厚は2500Å以下とする。その上にはpコンタクト層としてp型不純物ドープのGaN層が1000Å程度で成長させる。以上よりIF20mAでVf3.5V以下、出力5mW以上のLED素子を得ることができる。
【0085】
尚、実施の形態2で形成した窒化物半導体の上にLED素子を形成した場合、基板の段差溝部が空洞であるため、乱反射による光取り出し効率が空洞無しLEDに比べて1.2倍以上よい。また、基板側を光取り出し面としたフリップチップ構造のLEDにおいても光取り出し効率が1.2倍以上となる。
【0086】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが本発明はこれに限定されない。
[実施例1]
本実施例では、実施の形態2に係る窒化物半導体基板の具体例について説明する。まず、C面を主面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板10を用い、プラズマCVD装置を用い、圧力20Pa、RFを80W、SiHを5sccm、NOを200sccm、温度を360℃としてSiOから成る保護膜20を膜厚1.5μmで成膜する(図2(a))。次に、保護膜20をプラズマエッチングによりパターン幅をA領域14μm、B領域6μmに形成後、サファイア基板のエッチングも行い段差を形成する。前記基板の溝部は幅14μm、深さ0.3μmで形成する(図2(b))。この時、基板の凸部面上には保護膜20が残っている。
【0087】
次にECR装置を用い、SiNから成る異種材料膜12をサファイア基板10上に膜厚0.4μmで成膜する(図2(c))。Arを20sccm、Nを5sccm、RFを500W、マイクロ波500W、ターゲットをSi、温度を常温とする。尚、SiNではなく、SiOから成る異種材料膜12をプラズマCVD法で製膜する場合は、圧力20Pa、RFを120W、SiHを5sccm、NOを200sccm、温度を360℃とする。
【0088】
次にBHFを用いてウェットエッチングを40分間行い、保護膜SiO220を選択的に除去する(図2(d))。ここで保護膜20上の異種材料膜12も除去される。さらに、基板の凸部面上の保護膜を完全に除去するために前記基板表面をドライエッチングする。以上より、基板の凸部面を露出するが、凸部の上面が面化される。
【0089】
次にサファイア基板10の溝部に成膜された異種材料膜12をBHFで3時間ウェットエッチングする。以上より溝部にはサファイア基板10との界面で1分子層が化学結合した反応膜を残し、かつ凸部上面は露出面となったサファイア基板を形成できる(図2(e))。
【0090】
次に、MOCVD装置を用い、連続反応を行う。装置内の雰囲気温度を550℃とし、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板10上にGaNよりなる低温成長バッファ層13を200オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、連続反応でMOCVD装置内の雰囲気温度を1060℃とし、その後、雰囲気温度を1070℃、キャリアガスを水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用いて、GaNよりなる第1の窒化物半導体14を成長させる。第1の窒化物半導体14は低温成長バッファ層13を成長核としてラテラル成長させる(図3(a))。さらにラテラル成長を続けることで第1の窒化物半導体14同士が接合して、窒化物半導体層を膜厚7μmで形成する(図3(b))。
【0091】
以上より得られた窒化物半導体基板は窒化物半導体のトータル膜厚が7μmであり、表面は鏡面かつ平坦化しておりチルトがなく、表面における単位面積あたりの転位数が1×10個/cm以下の窒化物半導体基板を形成する。
【0092】
[実施例2]
実施例1において、第2の窒化物半導体の成長条件に10ppmの濃度のシランガスを5cc加える。その他は、実施例1と同様に成長させる。得られる窒化物半導体基板は低転位欠陥であってSiを2×1018cmドープしたn型窒化物半導体基板を得ることができる。
【0093】
[実施例3]
本実施例では、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体基板の具体例について説明する。
まず、C面を主面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板10を用い、プラズマCVD装置を用い、圧力20Pa、RFを80W、SiHを5sccm、NOを200sccm、温度を360℃としてSiOから成る保護膜20を膜厚0.1μmで成膜する(図1(a))。次に、保護膜20をプラズマエッチングによって2μm幅で2μm間隔の短冊状にエッチングしてサファイア基板10を露出させる(パターン幅がA領域2μm、B領域2μm、図1(b))。
【0094】
次に前記保護膜20をA領域において反応層(図示されていない)のみとするために、BHFによってウェットエッチングを行う。この時、エッチングレートはSiOを0.3μm/minでエッチングするものとする。以上より、基板上面において保護膜がない状態に見える(図1(c))。
【0095】
次に、MOCVD装置を用いて連続反応を行う。まず、前記基板10を反応炉に移し、装置内の雰囲気温度を1140℃とし、キャリアガスに水素を用いて10分間待機する。その後、雰囲気温度を530℃とし、キャリアガスに水素を用い、原料ガスとしてアンモニアを0.18mol/min、TMG(トリメチルガリウム)を9.7μm/minで流すことにより、サファイア基板10上にGaNよりなる低温成長バッファ層13を120オングストロームの膜厚で成長させる。
【0096】
その後、MOCVD装置内において、アンモニアの流量を0.04mol/minまで下げ、更に温度を1160℃まで昇温する。さらに、雰囲気温度を1160℃とし、キャリアガスを水素、原料ガスにはアンモニアを0.04mol/min、TMG(トリメチルガリウム)を43.7mol/min流し、第1の窒化物半導体層14を形成する(図1(d))。
【0097】
さらに、成長条件を同一に保ったまま、第1の窒化物半導体層14(B領域)を成長核としたラテラル成長で第2の窒化物半導体層15を形成する。
【0098】
以上より得られた窒化物半導体基板は窒化物半導体のトータル膜厚が32.5μmであり、表面は鏡面であり、表面における単位面積あたりの転位数が6.3×10個/cm以下である窒化物半導体基板を得ることができた。
【0099】
[実施例4]
実施例3において、前記基板10を反応炉に移し、装置内の雰囲気温度を1140℃とし、キャリアガスに水素を用いて待機時間を1分とする。さらに、低温成長バッファ層13を上記と同一条件で膜厚165Åとする。また、その後の雰囲気温度を1170℃とする以外は同条件とすることで、表面における単位面積あたりの転位数が同レベルでトータル膜厚が17.8μmである窒化物半導体基板を得ることができた。
【0100】
[実施例5]
実施例3において、窒化物半導体の成長条件にシランガスを加える他は、実施例1と同様に成長させる。得られる窒化物半導体基板は低転位欠陥であってSiドープのn型窒化物半導体基板を得ることができる。
【0101】
[実施例6]
実施例3において、基板にSiCを用いる他は、実施例1と同様に窒化物半導体を成長させる。得られる窒化物半導体基板は実施例1とほぼ同様の作用効果を有する窒化物半導体基板となる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本件発明の窒化物半導体の製造方法によれば、保護膜や窒化物半導体のエッチングを行わずに横方向成長を行うことができるため、窒化物半導体の汚染やダメージによる結晶品質の低下を抑制することができる。また、本件発明の窒化物半導体の製造方法によれば、「微視的な横方向成長」を起こすことにより、全面に渡ってほぼ均一に転位密度が低い窒化物半導体層を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(f)は、本発明の実施の形態1(又は3)における窒化物半導体の製造工程を示す概略断面図である。
【図2】 図2(a)〜(e)は、本発明の実施の形態2における窒化物半導体の製造工程を示す概略断面図である。
【図3】 図3(a)及び(b)は、図2(e)に続く窒化物半導体の製造工程を示す概略断面図である。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体の製造方法によって製造された窒化物半導体を示す模式断面図である。
【図5】 図5は、窒化物半導体の製造工程における温度プロファイルを示すグラフである。
【図6】 図6(a)は、本発明の実施の形態3で製造された窒化物半導体のCL観察像であり、図6(b)は、従来の横方向成長によって製造された窒化物半導体のCL観察像である。
【図7】 図7は、本発明の実施の形態3で製造された窒化物半導体の断面TEM観察像である。
【図8】 図8は、本発明の実施の形態5で製造された窒化物半導体レーザを示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 基板、
12 異種材料膜、
13 低温成長バッファ層、
14 第1の窒化物半導体層、
16 第2の窒化物半導体層、
18 転位、
20、保護膜

Claims (28)

  1. 窒化物半導体と組成が異なる基板の表面ほぼ全面に、該基板及び窒化物半導体と組成が異なる異種材料膜を形成した後、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去することにより、前記基板自身の表面が露出された第1成長領域と、前記異種材料膜が形成された第2成長領域と、を周期的に形成する第1工程と、
    前記第2成長領域上の前記異種材料膜を化学的方法によって除去することにより、前記第2成長領域を前記第1成長領域より窒化物半導体が相対的に成長しにくい領域とする第2工程と、
    前記基板上に、前記第1成長領域を成長起点として窒化物半導体を成長させる第3工程と、
    前記窒化物半導体を、前記第2成長領域上に横方向に伸長させる第4工程と、
    を備えたことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記第2工程において、ウエットエッチングにより前記異種材料膜を除去することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記第1工程において、プラズマを利用した成膜法により前記異種材料膜を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記第1工程において、ドライエッチングにより前記異種材料膜の一部を除去することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  5. 前記第1工程において、前記異種材料膜の一部を除去することにより、前記基板自身の表面が粗面化されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  6. 前記第1工程において、基板の一部を除去して前記基板表面に凹部を形成した後、前記基板のほぼ全面前記異種材料膜を形成し、前記基板自身の表面が露出するように凸部表面の前記異種材料膜を除去することにより、前記凸部表面に前記第1成長領域を形成し、前記凹部に前記第2成長領域を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  7. 前記第3工程において、前記窒化物半導体を、該窒化物半導体よりも低温で成長させたバッファ層を介して、前記基板上に成長させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  8. 窒化物半導体と組成が異なる基板上に、原料ガスとして、少なくとも、ガリウム源又はアルミニウム源のガスと窒素源のガスとを用いて、気相成長法によって窒化物半導体を成長させる方法であって、
    (A)前記基板の表面ほぼ全面に、該基板及び窒化物半導体と組成が異なる異種材料膜を形成した後、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去することにより、前記基板自身の表面が露出された第1成長領域と、前記異種材料膜が形成された第2成長領域と、を周期的に形成し、前記第2成長領域上の前記異種材料膜を化学的方法によって除去することにより、前記第2成長領域を前記第1成長領域より窒化物半導体が相対的に成長しにくい領域とする工程と、
    (B)前記基板に低温バッファ層を成長する工程と、
    (C)前記基板を前記低温バッファ層の成長温度よりも高温に昇温する工程と、
    (D)前記第1成長領域内において、前記低温バッファ層を成長核として窒化物半導体に微視的な横方向成長を起こさせる工程と、
    (E)前記第1成長領域に成長した窒化物半導体を、前記第2成長領域を覆うように横方向に伸長させる工程と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  9. 前記工程(D)において、前記窒化物半導体が微視的な横成長をする程度に、前記工程(C)において、前記基板昇温時の窒素源ガス流量を抑制することを特徴とする請求項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  10. 前記工程(C)において、前記基板昇温時の前記窒素源ガスの流量を全ガス流量の1/100〜1/5とすることを特徴とする請求項記載の窒化物半導体の製造方法。
  11. 前記工程(D)において、前記窒化物半導体が微視的な横成長をする程度に、前記窒化物半導体成長時の窒素源ガス流量を抑制することを特徴とする請求項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  12. 前記工程(D)において、前記窒化物半導体成長時の窒素源ガス流量を全ガス流量の1/50〜1/5とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体の製造方法。
  13. 前記工程(D)において、前記窒化物半導体が微視的な横成長をする程度に、前記工程(B)において、前記低温バッファ層の成長密度を抑制することを特徴とする請求項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  14. 前記工程(A)において、前記第2成長領域上の前記異種材料膜を除去する前記化学的方法がウエットエッチングであることを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  15. 前記工程(A)において、プラズマを利用した成膜法により前記異種材料膜を形成することを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  16. 前記工程(A)において、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去する方法がドライエッチングであることを特徴とする請求項8乃至15のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  17. 前記工程(A)において、前記異種材料膜の一部を前記基板自身の表面が露出するように除去することにより、前記第1成長領域の前記基板自身の表面が粗面化されることを特徴とする請求項8乃至16のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  18. 前記基板が、サファイア、炭化ケイ素、スピネル、シリコンから成る群から選択された1種であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  19. 前記異種材料膜が、酸化物、窒化物、又は金属膜のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  20. 前記異種材料膜が、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、窒化酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、Tiから成る群から選択された1種であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  21. 前記窒化物半導体の成長後、前記基板を剥離することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の窒化物半導体の製造方法。
  22. 窒化物半導体を基板として有する窒化物半導体発光素子の製造方法であって、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の製造方法によって前記窒化物半導体を製造することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  23. 窒化物半導体と異なる組成を有する基板のほぼ全面に、窒化物半導体以外の異種材料を介さずに成長された窒化物半導体であって、
    前記窒化物半導体には、前記基板との界面で面密度10cm−2以上の転位が発生している転位発生領域が面方向に周期的に存在し、
    該転位発生領域において、前記基板と前記窒化物半導体の界面で発生した転位の大部分が該界面直近から横方向に進行していることを特徴とする窒化物半導体。
  24. 前記窒化物半導体の表面における転位密度が、全面に渡ってほぼ一定であることを特徴とする請求項23に記載の窒化物半導体。
  25. 前記窒化物半導体の表面における転位密度が、全面に渡って10cm−2以下であることを特徴とする請求項23又は24記載の窒化物半導体。
  26. 前記基板が、サファイア、炭化ケイ素、スピネル、シリコンから成る群から選択された1種であることを特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項に記載の窒化物半導体。
  27. 前記基板に成長された前記窒化物半導体が、前記基板から剥離されたことを特徴とする請求項23乃至26のいずれか1項に記載の窒化物半導体。
  28. 請求項23乃至27のいずれか1項に記載の窒化物半導体を基板として有する窒化物半導体素子。
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