JP2003124576A - 窒化物半導体基板及びその成長方法 - Google Patents
窒化物半導体基板及びその成長方法Info
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Abstract
陥であり結晶性の良好な窒化物半導体基板及び、その成
長方法を提供する。 【解決手段】基板上に第1の窒化物半導体を成長後、第
1の窒化物半導体表面に凹凸を形成し、この凸部上面は
保護膜で保護されており、その後、凸部以外の露出部を
熱処理し、さらに組成比の異なる第2の窒化物半導体を
第1の窒化物半導体の凹部底面及び側面に成長させ、そ
の後、保護膜を除去し、凸部上面から第3の窒化物半導
体を成長させ低欠陥であり平坦な窒化物半導体基板とす
る。
Description
子、電子デバイス等へ利用できる窒化物半導体(Inx
AlyGa1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦
1)基板の成長方法に関する。
素のような窒化物半導体と異なる異種基板上に、窒化物
半導体を成長させる研究が種々検討されている。これは
発光素子等に利用可能な結晶性のよい窒化物半導体のバ
ルク単結晶を現段階の技術で形成させるのが困難なため
であり、前記に示すような窒化物半導体と異なる異種基
板上に窒化物半導体を成長させる方法が検討されてい
る。しかしながら、格子定数や熱膨張係数が窒化ガリウ
ム等と一致する異種基板が存在しないため異種基板上に
直接に窒化物半導体を成長させると窒化物半導体に結晶
欠陥が多く発生してしまう。そこで、この問題を解決す
べく以下に示す方法が報告されている。
としては、特開平7−202265号、特開平7−16
5498号に、サファイア基板の上にZnOよりなるバ
ッファ層を形成して、そのバッファ層の上に窒化物半導
体を成長させた後、バッファ層を溶解除去する技術が記
載されている。しかしながらサファイア基板の上に成長
されるZnOバッファ層の結晶性は悪く、そのバッファ
層の上に窒化物半導体を成長させても良質の窒化物半導
体基板とすることは難しい。
Vol.37(1998)pp.L309−L312に
はELOG(Epitaxial lateral overgrowth GaN)の成
長方法として、サファイアのC面上に成長させた窒化物
半導体上にSiO2等の保護膜を部分的に形成し、この
上に、100Torrの減圧で、窒化物半導体を成長さ
せることにより、転位の少ない窒化物半導体を得ること
を開示している。このようなELOG成長は、保護膜を
形成し意図的に窒化物半導体を横方向に成長させること
により、転位が窒化物半導体の成長と共に進行すると、
転位は保護膜を有しない部分上にのみ発生するため、保
護膜上には転位欠陥の少ない窒化物半導体を形成するこ
とができる。しかしながら、上記に示す成長方法では、
保護膜上に低欠陥領域を形成できるものの保護膜上への
窒化物半導体の横方向成長時、及び窒化物半導体素子の
成長時に保護膜の分解による汚染が発生していた。その
ため、半導体素子の特性劣化が問題となっていた。
子、受光素子等の電子デバイスに使用される窒化物半導
体素子を形成する際、結晶欠陥が少なく結晶純度の高い
窒化物半導体よりなる基板を形成することができれば、
その基板上に成長させた窒化物半導体素子の結晶性が飛
躍的によくなる。そこで、本発明の目的は、上記課題を
解決した結晶性の良い窒化物半導体基板の成長方法を提
供することにある。
以下(1)〜(7)に示す本発明の構成によって達成す
ることができる。 (1)本発明における窒化物半導体基板は、基板上に、
凹凸の段差を有した第1の窒化物半導体と、該第1の窒
化物半導体の凹部端面及び底面に第1の窒化物半導体と
組成の異なる第2の窒化物半導体と、前記第1の窒化物
半導体の凸部上面から成長し第2の窒化物半導体を覆う
第3の窒化物半導体とを有する。 (2)前記窒化物半導体基板は、前記第2の窒化物半導
体と第3の窒化物半導体との間には空洞を有することを
特徴とする。 (3)前記窒化物半導体基板は、前記第2の窒化物半導
体はInaGa1−aN(0<a≦1)から成ることを
特徴とする。 (4)本発明の窒化物半導体基板の成長方法は、基板上
に第1の窒化物半導体を成長させ、該第1の窒化物半導
体に開口部を有する保護膜を形成する工程と、前記保護
膜の開口部に凹部を形成し第1の窒化物半導体に凹凸の
段差形状を形成する工程と、前記第1の窒化物半導体の
凹部端面及び底面に第2の窒化物半導体を成長させる工
程と、前記第2の窒化物半導体を成長させた後、保護膜
を取り除き、第1の窒化物半導体の凸部を核として第3
の窒化物半導体を成長させ第2の窒化物半導体を覆う工
程とを有することを特徴とする。 (5)前記窒化物半導体基板の成長方法は、前記第2の
窒化物半導体はInaGa1−aN(0<a≦1)から
成ることを特徴とする。 (6)前記窒化物半導体基板の成長方法は、前記第1の
窒化物半導体に凹凸の段差を形成する工程後、第1の窒
化物半導体の露出部である凹部側面及び底面に熱処理、
又は電磁波照射をする工程を含むことを特徴とする。 (7)前記窒化物半導体基板の成長方法は、前記第1の
窒化物半導体に凹凸の段差を形成する工程後、第1の窒
化物半導体の露出部である凹部側面及び底面にイオン注
入する工程を含むことを特徴とする。
た窒化物半導体基板は、基板上に成長させた段差を有す
る第1の窒化物半導体の凸部上面より選択的に第3の窒
化物半導体を縦方向および横方向に成長させて窒化物半
導体基板としたものであるが、第3の窒化物半導体の成
長時に保護膜を有しないため、保護膜上への横方向成長
とは異なり保護膜が分解することにより結晶特性が劣化
する心配はない。さらに、ELOG成長では窒化物半導
体を保護膜上に横方向成長させた場合に応力が発生し、
さらに、窒化物半導体同士が接合することにより形成さ
れた接合部には結晶欠陥が収束するとともに、接合部に
段差が形成される場合があった。そのため、平坦な窒化
物半導体基板にはならず、この上に窒化物半導体から成
る発光素子等を形成するのは困難であった。しかしなが
ら、本発明における成長方法では、窒化物半導体の成長
を強引に横方向成長させるのではなく、第1の窒化物半
導体上面よりストレスを有さず縦方向及び横方向に第3
の窒化物半導体が成長し、さらに成長が進むことで第3
の窒化物半導体同士が接合し接合部を形成するため、上
記のような問題は起こらず、平坦かつミラー形状である
窒化物半導体基板を提供することができる。また、第1
の窒化物半導体凹部上に成長した第3の窒化物半導体
は、横方向成長領域であり単位面積あたりの欠陥数は1
×107個/cm2以下の窒化物半導体基板となる。
に第3の窒化物半導体を成長させるために第1の窒化物
半導体の凹部底面及び側面には上記に示す第2の窒化物
半導体を形成する。この第2の窒化物半導体は第1の窒
化物半導体や後に選択的に成長させる第3の窒化物半導
体とは組成比や不純物のドープ量が異なるものとする。
このため、第3の窒化物半導体の成長速度を変えること
ができる。つまり、第2の窒化物半導体からの成長速度
を第1の窒化物半導体の凸部上面からの成長速度よりも
大幅に遅くするものである。このような選択成長をする
ことで第1の窒化物半導体の凹凸段差は凹部には空洞を
残した状態で平坦化した窒化物半導体基板とすることが
できる。この空洞はエアギャップの効果があり、基板の
反りを緩和することができる。さらに本発明では第1の
窒化物半導体と第2の窒化物半導体とからの成長速度差
を利用した選択成長であり、さらに凹凸を形成して選択
性を持たせている。この第1の窒化物半導体に形成され
る凹凸の段差は0.1μm以上あればよく、第3の窒化
物半導体を成長時の窒化物半導体基板の膜厚を薄膜化さ
せることもできる。この時、第1の窒化物半導体から第
3の窒化物半導体までのトータル膜厚は5μm程度とす
ることができる。
1−aN(0<a≦1)とする。In aGa1−aNは
熱力学的に不安定であり、700℃以上の高温や水素雰
囲気中で熱分解がおこる。そのため、第2の窒化物半導
体から成長する第3の窒化物半導体は成長速度が遅く、
また多結晶化する。
後、凸部の上面に保護膜を残した状態で熱処理や電磁波
照射、又はイオン注入をすることにより凹部の側面及び
底面に荒れを形成した後に第2の窒化物半導体を形成し
てもよい。これにより保護膜を除去後、第3の窒化物半
導体の成長時に成長速度差を大きくすることができる。
このように凹部底面及び側面に荒れを形成後、InaG
a1−aN(0<a≦1)である第2の窒化物半導体を
成長させることで、より選択的に第1の窒化物半導体の
凸部上面より第3の窒化物半導体を成長させることがで
きる。
化物半導体の成長温度以下であり、窒化物半導体の表面
が熱分解される程度であればよい。好ましくは400℃
以上1050℃以下の温度範囲とする。熱処理の温度が
1050℃以下であれば保護膜下にある第1の窒化物半
導体は熱処理時に分解させることなく露出部である第1
の窒化物半導体凹部を熱分解させることができる。ま
た、熱処理温度が400℃以下であれば分解が不十分と
なり、長時間の熱処理を必要とするため窒化物半導体基
板の製造効率を下げてしまう。
細に説明する。図1〜図5は、本発明の窒化物半導体基
板及びその成長方法について一実施の形態を段階的に示
した模式図である。
法の一実施形態として、まず、図1に示すように、基板
1上に第1の窒化物半導体2を成長させ、その上に開口
部を有する保護膜3を形成し、次に図2に示すように保
護膜3の開口部に凹部を形成し、第1の窒化物半導体2
に段差形状を形成する。次に、図3に示すように、第1
の窒化物半導体の露出部分である凹部底面及び側面に第
2の窒化物半導体4を成長させ、その後、図4に示す工
程では、第1の窒化物半導体凸部上にある保護膜3を取
り除き、続いて図5に示すように第1の窒化物半導体2
を核として第3の窒化物半導体5を成長させる。この第
3の窒化物半導体が第2の窒化物半導体を覆うことで窒
化物半導体基板を形成する。また、保護膜3の開口部に
凹部を形成後、露出している第1の窒化物半導体の凹部
底面及び側面に熱処理や電磁波照射、又はイオン注入を
行い分解面を形成することで、第3の窒化物半導体の成
長速度にさらに選択性を持たせることができる。
説明する。図1は基板1上に、第1の窒化物半導体2を
成長させ、さらに開口部を有する保護膜3を形成させる
工程を行った模式的断面図である。この基板1として
は、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサフ
ァイア、スピネル(MgAl 2O4)のような絶縁性基
板、SiC(6H、4H、3C)、ZnS、ZnO、G
aAs、Si、及び窒化物半導体と格子接合する酸化物
基板、その他には金属基板等を用いることができる。ま
た、同種基板である窒化物半導体を用いることもでき
る。これらの基板はオフアングルを有するもの、ステッ
プ状にオフアングルを有するものでもよい。
いない)を介して、第1の窒化物半導体2を成長させて
もよい。バッファ層としては、InxAlyGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0<x+y≦
1)等が用いられる。バッファ層は、300℃以上90
0℃以下の温度で、膜厚10オングストローム以上0.
5μm以下で成長される。これは基板1と第1の窒化物
半導体2との格子定数不整を緩和するためであり、転位
欠陥を単位面積あたり1×109個/cm2程度まで低
減させる点で好ましい。
物半導体2としては、アンドープの窒化物半導体やS
i、Ge、SnおよびS等のn型不純物をドープしたn
型の窒化物半導体、またはMg等のp型不純物をドープ
したもの、n型不純物とp型不純物を同時ドープさせた
ものを用いることができる。第1の窒化物半導体2は、
900℃〜1200℃で基板上に成長され、第1の窒化
物半導体2の膜厚は凹凸形成に必要な膜厚であれば特に
限定されない。薄膜形成する場合であっても1.0μm
以上であれば結晶表面にピットの少ない平坦な鏡面を形
成することができる。第1の窒化物半導体2は一般式I
nxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦
1、0≦x+y≦1)で示すことができる。
分的に形成される保護膜3としては、熱処理(アニー
ル)や電磁波照射、イオン注入による工程後、保護膜下
にある窒化物半導体を分解させない性質を有する材料を
選択する。熱処理工程においては、好ましくは、酸化ケ
イ素(SiOx)、窒化ケイ素(SixNy)、窒化酸
化ケイ素(SiOxNy)、酸化チタン(TiOx)、
酸化ジルコニウム(ZrOx)等の酸化物、窒化物、ま
たはこれらの多層膜や1200℃以上の融点を有する金
属などの材料も用いることができる。電磁波照射やイオ
ン注入をする場合においても、上記材料を保護膜材料に
用いることができる。
トライプ形状や格子状、又は島状、円形、又は多角形の
開口部を有するものがある。多角形の開口部を有する具
体的なパターン形状としては六角抜き型やその逆パター
ンの六角柱型が挙げられる。ストライプ形状であれば、
第3の窒化物半導体の横方向成長領域はストライプ状に
低欠陥領域となるため、レーザーダイオードに用いるこ
とができる。また、円形や多角形の開口部を形成すれば
第3の窒化物半導体はこれらの開口部の中央部一点で接
合するため基板全体にかかる応力を均等にでき、窒化物
半導体基板の反りを抑制する。さらに円形や多角形のパ
ターンは配列を六回対称や三回対称とすれば平坦化しや
すくなる。
導体2の凹部抜き取り幅に等しい。保護膜のストライプ
幅及び、格子幅としては、特に限定されないが、ストラ
イプで形成した場合、保護膜のストライプ幅は好ましく
は1〜50μm、より好ましくは5〜20μmとする。
また保護膜3の開口部の大きさとしては、例えばストラ
イプ形状である場合、1〜100μmであり、形状を円
形とした場合、保護膜の抜き取り型の直径幅は1〜10
0μmである。保護膜3が形成されていない開口部は、
ストライプ幅よりも狭くすれば第3の窒化物半導体の成
長時に隣接する第1の窒化物半導体の凸部上面から成長
により薄膜で接合させ平坦化することができる。保護膜
を格子状に形成した場合の格子幅は好ましくは5〜50
μm、より好ましくは10〜20μmである。保護膜の
膜厚としては、熱処理工程において、保護膜下にある第
1の窒化物半導体に荒れ等を生じなければよく、特に限
定する必要はないが0.2〜5μmの範囲で形成するこ
とができる。
場合に、基板1を成長面がC面、オリフラ面をA面とす
るサファイアとすれば、このオリフラ面の垂直軸に対し
てなす角をθとし、このθ=0°〜5°の範囲でストラ
イプをずらして形成することで、より成長面が平坦で良
好な結晶が得られる。
ば、CVD、スパッタリング及び、蒸着法等を用い成膜
させることにより、保護膜3を形成し、その後、レジス
トを塗布して、フォトリソグラフィにより保護膜を所定
の形状であるストライプ状又は格子状等にエッチングす
る。
保護膜3を形成した後、図2に示すように 第1の窒化
物半導体に段差を形成させるため、保護膜の開口部より
エッチングを行うことにより凹部を形成する。
り、凹部底面は第1の窒化物半導体とするが、基板を露
出させてもよい。ここで、凹部は、後の工程で第3の窒
化物半導体を成長させた後に凹部内に空洞を有するもの
は、第1の窒化物半導体のエッチング深さを0.2μm
以上とする。
のエッチング方法としては、ウェットエッチング、ドラ
イエッチング等の方法があるが、好ましくは異方性エッ
チングであり、ドライエッチングを用いる。ドライエッ
チングには、例えば反応性イオンエッチング(RI
E)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電
子サイクロトロンエッチング(ECR)、ICPプラズ
マエッチング等の装置があり、いずれもエッチングガス
を適宜選択することで窒化物半導体をエッチングする。
体の露出部である凹部底面及び端面に第2の窒化物半導
体を成長させる。この第2の窒化物半導体は第1の窒化
物半導体や第3の窒化物半導体とは組成比やドーピング
量が異なるものとする。第2の窒化物半導体にはInを
含有するのが好ましい。Inを含有することで、この表
面からは窒化物半導体の再成長がおこりにくい。そのた
め、第3の窒化物半導体を選択的に第1の窒化物半導体
凸部上面から成長させることができる。なお、第1の窒
化物半導体にInを含有する場合は、より第2の窒化物
半導体のIn含有比を高くすればよい。第2の窒化物半
導体は、第1の窒化物半導体の凹部底面及び側面にのみ
形成されているため、後に成長させる第3の窒化物半導
体は第2の窒化物半導体に接触せずに成長させることも
できる。そのため、ELO法のような保護膜上に窒化物
半導体を成長させる場合では、保護膜と窒化物半導体と
の間に応力が発生し、窒化物半導体同士の接合部に段差
が生じ平坦化できない等の課題があったが本発明ではこ
のような問題はなくなる。さらに、保護膜がSiO 2等
であれば、窒化物半導体の成長時に分解すれば窒化物半
導体の結晶性を低下させる汚染源となるが、本発明では
窒化物半導体と異なる材質を保護膜として用いない。本
発明では窒化物半導体の四元混晶から二元混晶とする第
2の窒化物半導体に保護膜と同様の作用を持たせるのみ
である。窒化物半導体基板を形成後にも、窒化物半導体
内に保護膜は存在せず、そのため結晶性はよく、この上
に形成される発光素子や受光素子の寿命特性の向上が期
待できる。
一般式InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0
≦y≦1、0≦x+y≦1)で示すことができる。好ま
しくはInを含有するものであり、一般式InaGa
1−aN(0<a≦1)で示すことができる。成長温度
は600℃以上900℃以下の低温であり、成長雰囲気
は窒素雰囲気が好ましい。また、Si、Ge、Sn、S
等のn型不純物やMg、Zn等のp型不純物をドープし
た窒化物半導体、さらにはn型不純物とp型不純物を同
時ドープさせた窒化物半導体を用いることができる。こ
の場合、第2の窒化物半導体は第1の窒化物半導体より
もドープ量を多くすることで、第3の窒化物半導体の成
長に選択性を持たせることができる。
に第1の窒化物半導体の凹部底面及び側面に熱処理や電
磁波照射、又はイオン注入をすることが好ましい。熱処
理をすれば保護膜下の第1の窒化物半導体凸部以外の露
出部は表面分解がおこる。表面に荒れが生じ、表面が平
坦ではなくなる。そのため、この上に第2の窒化物半導
体を成長すれば、第2の窒化物半導体は多結晶化がおこ
り、第3の窒化物半導体の成長にさらに選択性をもたせ
ることができる。イオン注入でも同様の効果がある。熱
処理とは窒化物半導体基板を昇温させることで、第1の
窒化物半導体の露出部表面に分解面を形成させるもので
ある。この分解面を形成することで、第3の窒化物半導
体の成長速度に選択性を持たせることができる。つま
り、保護膜下にある第1の窒化物半導体の凸部上面から
の成長を選択的に行うことができる。熱処理では温度を
400℃以上とし好ましくは600℃以上1050℃以
下とする。熱処理の時間は特に限定しないが1〜60分
とする。
た後、図5に示すように第3の窒化物半導体5を成長さ
せる。保護膜を除去する方法には、ドライエッチングや
ウェットエッチングを用いることができ、どちらの方法
も窒化物半導体の結晶性を低下させることなく保護膜を
除去することができる。この保護膜を除去させることに
より、SiO2等の保護膜が保護膜上に成長する窒化物
半導体の成長時に分解拡散することによる窒化物半導体
の異常成長や結晶性の低下等の問題を抑制することがで
きる。
面を有する窒化物半導体基板を形成することができる。
また、窒化物半導体基板に空洞を有するため応力を抑制
した低欠陥である窒化物半導体基板が得られる。ここ
で、第1の窒化物半導体の凸部上面から選択的に第3の
窒化物半導体を成長させるため、第3の窒化物半導体を
横方向、縦方向に成長後には、結晶欠陥を低減させ、さ
らに空間を形成することができる。
nxAlyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y
≦1)によって表され、アンドープの窒化物半導体、お
よびSi、Ge、Sn、S等のn型不純物をドープした
窒化物半導体、またはMg、Zn等のp型不純物をドー
プした窒化物半導体、さらにはn型不純物とp型不純物
を同時ドープさせた窒化物半導体を用いることができ
る。第3の窒化物半導体5の成長温度は、900〜11
00℃である。また、この第3の窒化物半導体5の膜厚
は、5μm以上あれば表面を平坦に埋めることができ
る。
法は、前記成長工程を繰り返し行うことにより更に結晶
欠陥を低減させることもできる。さらに、第1の窒化物
半導体を多角形や円形の凹部抜き取り形状として形成し
た窒化物半導体基板とすることもできる。このような多
角形や円形の凹部抜き取り形状であれば、第3の窒化物
半導体は第1の窒化物半導体の凸部上面を核として成長
し、第3の窒化物半導体同士の接合部を一点とすること
ができる。
て、窒化物半導体を成長させる方法としては、特に限定
されないが、MOVPE(有機金属気相成長法)、HV
PE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキ
シー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等の
方法を適用できる。
L測定により単位面積あたりの結晶欠陥を1×107個
/cm2以下とし、発光素子、その他の電子デバイスに
用いることができる。
に限定されない。 [実施例1]C面を主面とし、オリフラ面をA面とする
サファイア基板1を用い、MOCVD装置を用い、温度
を500℃、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニ
アとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイ
ア基板1上にGaNよりなるバッファ層を200オング
ストロームの膜厚で成長させた。
圧条件で温度を1050℃にして、原料ガスにTMG
(トリメチルガリウム)を162μmol/min(V
/III比=2200)、アンモニアを0.36mol/
minを用い、アンドープGaNよりなる第1の窒化物
半導体2を5μmの膜厚で成長させた。第1の窒化物半
導体の表面写真を図7に示す。この表面は荒れがない。
によりSiO2よりなる保護膜を0.3μmの膜厚で成
膜した。次にストライプ状のフォトマスクを形成し、エ
ッチングにより保護膜のストライプ幅10μm、開口部
の幅を10μmとした。なお、この保護膜3のストライ
プ方向はサファイアA面に対して垂直な方向とし、その
後、露出部である第1の窒化物半導体2を4μmエッチ
ングすることにより第1の窒化物半導体に凹凸を形成し
た。
3を残した状態で、熱処理を900℃で20分間、アン
モニア及び水素雰囲気で行った。その後、第2の窒化物
半導体4をNH3、TEG、TMIを原料として用い、
成長温度700℃、窒素雰囲気でIn0.6Ga0.4
Nを1000Åで成長させた。
残ったSiO2保護膜をバッファードフッ酸(BHF)
で完全に取り除いた。保護膜を除去後の表面写真を図8
に示す。図8は、保護膜下にあった第1の窒化物半導体
2と第2の窒化物半導体4とがストライプ状にある表面
写真である。保護膜下にあった第1の窒化物半導体2は
表面に荒れ等はなく、図7に等しい。しかし、熱処理
後、第2の窒化物半導体In0.6Ga0.4Nを成長
させた領域では荒れが生じている。また、多結晶化して
いる部分もある。
3の窒化物半導体5を第1の窒化物半導体2の凸部上面
より選択的に成長させた。第3の窒化物半導体5は第1
の窒化物半導体2の凸部上面を核として縦方向及び横方
向に成長することで、お互いに接合し平坦化する。成長
条件としては、原料ガスにTMG230μmol/mi
n(V/III比=890)、アンモニアを0.2mol
/minを用い、アンドープGaNを常圧で、温度を1
050℃で、膜厚を10μmの膜厚で成長させた。
CL(カソード・ルミネッセンス)で測定すると、図9
に示すように単位面積あたりの欠陥数は8×106個/
cm 2以下となった。また、図10は断面SEM写真で
あり凹部に空洞を有し、かつ第3の窒化物半導体を成長
後、平坦化した窒化物半導体基板を示す。
化物半導体にGaNを用いた以外は同様の条件で窒化物
半導体を成長させた。
G、NH3を原料とし、成長温度600℃、膜厚100
0Åで成長させた。得られた窒化物半導体基板はCL
(カソード・ルミネッセンス)で測定すると、単位面積
あたりの欠陥数は1×107個/cm2以下となった。
図11は断面SEM写真であり凹部に空洞を有し平坦化
した窒化物半導体基板を示す。
開口部である第1の窒化物半導体2をサファイア基板が
露出するまでエッチングする他は同様にして窒化物半導
体を成長させる。その結果、実施例1と同様に良好な結
果を得ることができる。
幅を6μmとし、開口部の幅を14μmとする他は同様
にして窒化物半導体を成長させる。その結果、実施例1
と同様に良好な結果を得ることができる。
た窒化物半導体基板上に以下の順で窒化物半導体素子
(図6に示す)を形成する。
ていない)]前記窒化物半導体基板をMOCVD装置の
反応容器内にセットし、1050℃で窒化物半導体に、
TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルア
ルミニウム)、アンモニアを用い、Al0.05Ga
0.95Nよりなるアンドープn型コンタクト層を1μ
mの膜厚で成長させる。この層は、窒化物半導体基板と
n型コンタクト層をはじめとする半導体素子との間で、
緩衝層としての機能を有する。
プn型コンタクト層上にTMG、TMA、アンモニア、
不純物ガスとしてシランガスを用い、1050℃でSi
ドープしたAl0.05Ga0. 95Nよりなるn型コ
ンタクト層103を4μmの膜厚で成長させる。
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アン
モニアを用い、温度を900℃にしてIn0.07Ga
0.93Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜
厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能
である。
050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモ
ニアを用い、アンドープのAl0.05Ga0.95N
よりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TM
Aを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを
5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を
25Åの膜厚で成長させる。この操作を200回繰り返
しA層とB層との積層構造とし、総膜厚1μmの多層膜
(超格子構造)よりなるn型クラッド層を成長させる。
スを止め、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモ
ニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド
層105を0.15μmの膜厚で成長させる。このn型
光ガイド層105は、n型不純物をドープしてもよい。
し、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TM
G及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガス
を用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn
0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を140Åの膜
厚で成長させ、シランガスを止め、アンドープのIn
0.13Ga0.8 7Nよりなる井戸層を25Åの膜厚
で成長させることにより、障壁層/井戸層/障壁層/井
戸層の順に積層し、最後に障壁層として、TMI、TM
G及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.05G
a0.95Nを成長させる。活性層106は、総膜厚5
00Åの多重量子井戸構造(MQW)となる。
次に、活性層と同じ温度で、原料ガスにTMA、TMG
及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCp2Mg
(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを
1×1019/cm3ドープしたAl0.3Ga0.7
Nよりなるp型電子閉じ込め層を100Åの膜厚で成長
させる。
g、TMAを止め、温度を1050℃にして、原料ガス
にTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよ
りなるp型光ガイド層107を0.15μmの膜厚で成
長させる。
℃でアンドープAl0.05Ga0.95NよりなるA
層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、C
p2Mgを用いて、Mgを1×1020/cm3ドープ
したGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させ、そ
れを90回繰り返して総膜厚0.45μmの超格子層よ
りなるp型クラッド層8を成長させる。p型クラッド層
は、GaNとAlGaNとを積層した超格子構造とす
る。p型クラッド層108を超格子構造とすることによ
って、クラッド層全体のAl混晶比を上げることができ
るので、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらに
バンドギャップエネルギーが大きくなるので、しきい値
を低下させる上で非常に有効である。
50℃で、p型クラッド層109の上に、TMG、アン
モニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm
3ドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層10
9を150Åの膜厚で成長させる。以上、窒化物半導体
素子とする。
て、窒化物半導体素子を積層させた後、窒化物半導体基
板を反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層
の表面にSiO2よりなる保護膜を形成して、RIE
(反応性イオンエッチング)法でエッチングを行い、n
電極を形成すべきn型コンタクト層103の表面を露出
させる。
IEを用いてエッチングすることにより、ストライプ状
の導波路領域としてリッジをストライプ幅を1.8μm
で形成する。このエッチング深さはp型クラッド層まで
エッチングすることで、ストライプ状の光導波路領域と
する。その後、スパッタ装置を用いて第1の絶縁膜であ
るTiO2を膜厚500Åで形成する。その後、リッジ
側壁部とレジスト上部の第1の絶縁膜を除去し、第2の
絶縁膜であるZrO2を膜厚550Åで形成する。その
後、剥離液によりリッジ上部を露出させる。
タクト層上にp側電極をNi/Auで形成し、エッチン
グにより露出したn型コンタクト層上にはTi/Alよ
りなるn型電極を形成する。このp側電極は、リッジ上
にストライプ形成されており、同じくストライプ形成さ
れているn側電極とは平行な方向で形成する。次に、光
反射端面にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を
設けた後、p側電極、及びn側電極上にNi−Ti−A
u(1000Å−1000Å−8000Å)よりなるパ
ット電極をそれぞれ形成する。
トシンクに設置し、それぞれのパッド電極にワイヤーボ
ンディングをすることで窒化物半導体レーザダイオード
とする。以上より、この窒化物半導体レーザダイオード
を用いて、室温においてしきい値2.8kA/cm2、
5〜30mWの出力においてリップルが発生せず、30
00時間以上の寿命特性を有する発振波長405nmの
連続発振の窒化物半導体レーザダイオードとすることが
できる。
て、窒化物半導体素子を積層させた基板よりレーザアレ
イを形成する。本実施例のレーザアレイは5つのストラ
イプ構造に対して2つのn電極を有するものである。5
つのストライプのリッジ幅は20μmであり、ストライ
プ間隔は4μmとする。絶縁膜ZrO2を膜厚0.2μ
mで窒化物半導体素子の上面に形成する。その後、スト
ライプのリッジ上のみ絶縁膜を取り除き、p型コンタク
ト層と接触するようにp電極Ni/Auをリッジ上にス
トライプ形状で形成する。さらに、5つのストライプに
対して両側に露出しているn型コンタクト層上にn電極
Ti/Alをp電極と同様にストライプ形状に形成す
る。
りなる誘電体多層膜を設け、各電極上にNi−Ti−A
u(1000Å−1000Å−8000Å)よりなるパ
ッド電極を形成する。この窒化物半導体素子をチップ化
し、ヒートシンクに設置し、それぞれのパッド電極にワ
イヤーボンディングをすることで窒化物半導体レーザア
レイとする。これにより300mW以上の高出力が可能
となる。
よれば、応力を有することなく、第1の窒化物半導体上
面より第3の窒化物半導体を縦方向及び横方向に成長さ
せることで表面を平坦化した低欠陥の窒化物半導体基板
を提供することができる。
工程を示す模式的断面図である。
工程を示す模式的断面図である。
工程を示す模式的断面図である。
工程を示す模式的断面図である。
工程を示す模式的断面図である。
造を示す模式的断面図である。
物半導体基板の表面写真である。
物半導体基板の表面写真である。
物半導体基板の表面CL写真である。
化物半導体基板の断面SEM写真である。
化物半導体基板の断面SEM写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 基板上に、凹凸の段差を有した第1の窒
化物半導体と、該第1の窒化物半導体の凹部端面及び底
面に第1の窒化物半導体と組成の異なる第2の窒化物半
導体と、前記第1の窒化物半導体の凸部上面から成長し
第2の窒化物半導体を覆う第3の窒化物半導体とを有す
る窒化物半導体基板。 - 【請求項2】 前記第2の窒化物半導体と第3の窒化物
半導体との間には空洞を有することを特徴とする請求項
1に記載の窒化物半導体基板。 - 【請求項3】 前記第2の窒化物半導体はInaGa
1−aN(0<a≦1)から成ることを特徴とする請求
項1または2に記載の窒化物半導体基板。 - 【請求項4】 基板上に第1の窒化物半導体を成長さ
せ、該第1の窒化物半導体に開口部を有する保護膜を形
成する工程と、前記保護膜の開口部に凹部を形成し第1
の窒化物半導体に凹凸の段差形状を形成する工程と、前
記第1の窒化物半導体の凹部端面及び底面に第2の窒化
物半導体を成長する工程と、前記第2の窒化物半導体を
成長した後、保護膜を取り除き、第1の窒化物半導体の
凸部を核として第3の窒化物半導体を成長させ第2の窒
化物半導体を覆う工程とを有することを特徴とする窒化
物半導体基板の成長方法。 - 【請求項5】 前記第2の窒化物半導体はInaGa
1−aN(0<a≦1)から成ることを特徴とする請求
項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。 - 【請求項6】 前記第1の窒化物半導体に凹凸の段差を
形成する工程後、第1の窒化物半導体の露出部である凹
部側面及び底面に熱処理、又は電磁波照射をする工程を
含むことを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基
板の成長方法。 - 【請求項7】 前記第1の窒化物半導体に凹凸の段差を
形成する工程後、第1の窒化物半導体の露出部である凹
部側面及び底面にイオン注入する工程を含むことを特徴
とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
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