JP3518455B2 - 窒化物半導体基板の作製方法 - Google Patents

窒化物半導体基板の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード素
子(LED)、レーザダイオード素子(LD)等の発光
素子、太陽電池、光センサ等の受光素子、あるいはトラ
ンジスタ、パワーデバイス等の電子デバイスに用いられ
る窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)よりなる素子等に使用される窒化物半導
体基板の作製方法に関し、特に窒化物半導体からサファ
イアなどの異種基板を良好に分離して窒化物半導体基板
を作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発光出力の良好な窒化物半導体か
らなるLEDが実用化されており、また寿命特性などの
良好な素子特性を有する窒化物半導体からなるLDの実
用性が高まってきている。
【0003】例えば、Appl.Phys.Let
t.,Vol.72,No.16,20April 1
998 pp.2014−2016の文献には、窒化物
半導体の横方向の成長を積極的に利用することで転位の
低減が可能な成長方法でGaNを成長させる方法(以
下、単にELOG成長という場合がある。)により得ら
れたGaNのみからなるGaN基板上に素子構造を成長
させてなるLDが記載されている。そして、前記文献で
は、サファイア基板上にELOG成長により転位の低減
されたGaNを成長させた後、絶縁性のサファイアを除
去した基板と、サファイアを有している基板とにそれぞ
れ同一の素子構造を形成して2種のLDを作製し、それ
ぞれの寿命特性を比較する実験を行っている。その結
果、サファイアを有する基板上のLDは室温での連続発
振が約200時間であるのに対し、サファイアを除去さ
れたGaN基板上のLDは、同条件での連続発振が78
0時間以上となる。このような寿命特性の相違は、サフ
ァイア基板を有するLDではサファイアが絶縁性である
ために素子の駆動により発生する熱を放散しにくいのに
対し、絶縁性のサファイアを研磨により除去してGaN
のみからなるGaN基板を有するLDでは熱の放散が良
好となるために、素子の劣化の進行速度に差が生じるか
らではないかと考えられる。従って、絶縁性のサファイ
アを除去して放熱性を改善することで、寿命特性の向上
が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ELO
G成長後に、サファイア基板を研磨で除去する工程は、
サファイアが硬いために作業時間がかかってしまうばか
りか、GaN基板が欠けたり割れたりしないように注意
を要し、作製工程が煩雑化する。
【0005】一方、研磨以外のGaNからサファイアを
分離する方法として、例えば、Appl.Phys.L
ett.72(5),2 Februay 1998
pp.599−601には、サファイア基板上にGaN
を成長させた後、この成長させたGaN面をSiウエハ
上にエポキシを介して固定し、サファイア/GaN/エ
ポキシ/Siの構造にした後、サファイア側からKrF
パルスエキシマレーザを照射して、サファイアとGaN
とが接している共有面で分離し、GaNからサファイア
を分離する方法が記載されている。この方法では、レー
ザ照射により、GaNとサファイアが接触している共有
面でGaNがレーザ光を吸収してGaNの分解が生じ、
GaNからサファイアを分離することができるものであ
るが、GaNの分解によって発生するN2ガスのガス圧
によりサファイアが割れ、この割れが原因でサファイア
と接触しているGaN面にえぐれた傷が発生する。この
ようなえぐれた傷がGaN面にあると、例えばマイクロ
クラックなどの発生を引き起こす場合がある。マイクロ
クラックが発生すると、寿命特性の低下などの素子特性
の劣化や、歩留まりの低下等を引き起こすことが考えら
れる。さらにGaNのサファイアと接触していた面にえ
ぐれ傷があると、この面に直接n電極を形成しにくくな
るので、えぐれた傷を有するGaN面を研磨する工程が
必要となって工程の煩雑化が生じ、作業工程が増えるこ
とで歩留まりの低下をも引き起こす可能性がある。LD
を実用化するにあたって、寿命特性などの素子特性を良
好にすると共に、量産する場合の歩留まりの向上等も良
好にすることが望まれる。
【0006】そこで、本発明の目的は、窒化物半導体を
成長させる際に用いるサファイアなどの異種基板を良好
に除去して窒化物半導体基板を得ることのできる窒化物
半導体基板の作製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は、
下記(1)〜(11)の構成により達成することができ
る。 (1) 第1の面と第2の面とを有し窒化物半導体と異
なる材料からなる異種基板の第1の面上に、窒化物半導
体からなる下地層を成長させる第1の工程と、前記第1
の工程後に、前記下地層を部分的に異種基板までエッチ
ングして凹凸を形成し、該凹凸が下地層と異種基板との
接触面から1000オングストローム以上の深さで削ら
れており、凹部側面に窒化物半導体の横方向の成長が可
能な面を露出させる第2の工程と、前記第2の工程後
に、前記凹凸を有する下地層上に、第1の窒化物半導体
を成長させ、転位の低減された第1の窒化物半導体を形
成すると共に、凹部底部の異種基板と第1の窒化物半導
体との間に空隙を形成させる第3の工程と、前記第3の
工程後に、前記異種基板の第2の面に電磁波を照射し、
下地層と異種基板との界面で分離して異種基板を取り除
く第4の工程と、を有することを特徴とする窒化物半導
体基板の作製方法。 (2) 前記凹凸の形状が、ストライプ状、碁盤目状、
又はドット状であることを特徴とする前記(1)に記載
の窒化物半導体基板の作製方法。 (3) 前記第2の工程で形成される凹凸が、エッチン
グにより下地層と異種基板との接触面から1000オン
グストローム以上1.0μm以下の深さで削られている
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の窒化物
半導体基板の作製方法。 (4) 前記第2の工程で形成される凹凸が、ストライ
プ状であって、該凸部上部の幅を1μm以上20μm以
下とし、凹部底部の幅を10μm以上40μm以下とす
ことを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導体基
板の作製方法。 (5) 前記第3の工程で成長させる第1の窒化物半導
体の膜厚が、100μm以上であることを特徴とする
(1)に記載の窒化物半導体基板の作製方法。 (6) 前記第3の工程における第1の窒化物半導体
が、前記凹凸を有する下地層上に、成長速度を0.5μ
m/時間以上10μm/時間以下で第2の窒化物半導体
を成長させる第3−1の工程と、前記第3−1の工程後
に、成長速度を10μm/時間以上500μm/時間以
下で、第3の窒化物半導体を成長させる第3−2の工程
とにより形成されてなることを特徴とする前記(1)又
は(5)に記載の窒化物半導体基板の作製方法。 (7) 前記異種基板は、サファイア又はスピネルであ
ことを特徴とすることを特徴とする前記(1)に記載
の窒化物半導体基板の作製方法。 (8) 前記第2の工程で形成された凹凸の凸部上面
が、窒化物半導体が成長しにくい又は成長しない材料か
らなる保護膜で覆われている下地層、又は窒化物半導体
からなる下地層であることを特徴とする前記(1)に記
載の窒化物半導体基板の作製方法。 (9) 前記電磁波が、波長370nm以下の電磁波で
あることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導体
基板の作製方法。 (10) 前記電磁波は、エキシマレーザを用いること
を特徴とする(9)に記載の窒化物半導体基板の作製方
法。 (11) 前記異種基板は、透明であることを特徴とす
る(1)に記載の窒化物半導体基板の作製方法。
【0008】つまり、本発明は上記の如く、透明な異種
基板上に転位の低減できるELOG成長を行う際に、E
LOG成長により異種基板と窒化物半導体との接触面付
近に部分的に空隙の生じるような特定のELOG成長方
法を行うことで、電磁波、例えばレーザ照射によるGa
Nの分解で発生するN2ガスが、異種基板と窒化物半導
体との間に形成された空隙に広がるため、ガス圧による
サファイアの割れを防止し、さらにサファイアの割れが
原因で起こっていたGaNのえぐれ傷をも抑制できる。
さらに、本発明で用いられるELOG成長においては、
窒化物半導体からなる下地層を部分的に異種基板までエ
ッチングして凹凸を形成しているので凹部底部に隙間が
生じており、この隙間の発生により実質的に異種基板と
窒化物半導体とが接触している部分が少なくなるので、
レーザ照射により分解するGaNの面積が少なくなり窒
化物半導体から異種基板を良好に剥離することができ
る。
【0009】以上のように本発明は、転位が低減される
と共に、異種基板と窒化物半導体との接触面積が少なく
且つ異種基板と窒化物半導体との間に空隙が生じるよう
な特定なELOG成長を行う工程と、レーザ照射等によ
りサファイアなどの異種基板を窒化物半導体から除去す
る工程とを組み合わせることで、異種基板を良好に分離
でき、転位が良好に低減された窒化物半導体を得ること
ができる。また、本発明において、電磁波の照射により
GaNの分解で発生するN2ガスは、凹部底部に形成さ
れる隙間に広がるために異種基板の割れやGaNのえぐ
れ傷の発生を引き起こす原因とならなくなったうえに、
隙間に広がったN2ガスの緩やかなガス圧により異種基
板の剥離を容易にしていると考えられる。
【0010】さらに、本発明において、下地層を部分的
にエッチングして形成される凹凸が、ストライプ形状で
あると、異種基板と下地層との間に生じる空隙がストラ
イプ状となり、ガスが良好に空隙内に広がり、異種基板
のガス圧による割れをより良好に防止できると共に、異
種基板と下地層とが接触している部分が良好に分離し易
くなり好ましい。また、凹凸の形状がストライプ形状で
あると、転位が良好に低減される部分が凹部上方部に同
様のストライプ形状に形成されるので、リッジ形状のス
トライプをこの凹部上方部にあわせて形成すると寿命特
性などの点で良好なレーザ素子などを形成でき好まし
い。
【0011】またさらに、本発明において、第2の工程
で形成される凹凸が、エッチングにより下地層と異種基
板との接触面から1000オングストローム以上の深さ
で削られていることが、空隙を形成するのに好ましい。
異種基板の削られる深さは、1000オングストローム
以上の深さであれば特に限定されないが、深さの上限と
しては、異種基板の厚さより薄くて、削る作業が煩雑と
ならない程度の深さが好ましく、例えば1.0μm以下
が好ましい。さらに異種基板が2000オングストロー
ム〜3000オングストロームの深さで削られている
と、空隙の形成、転位の低減及び作業効率の点で好まし
い。また、削られる深さが上記範囲であると、GaNの
分解で発生するN2ガスが良好に広がる程度の空間とし
て空隙が形成され、サファイアの割れ及びその割れによ
る窒化物半導体のえぐれ傷を良好に防止することができ
好ましい。
【0012】またさらに、本発明において、第3の工程
で成長させる第1の窒化物半導体の膜厚が、100μm
以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは30
0μm以上、さらに好ましくは500μm以上である
と、電磁波を照射する際や、素子構造を形成する際に、
窒化物半導体基板の割れや欠け等を防止し、ハンドリン
グ性等の点で好ましい。第1の窒化物半導体の膜厚の上
限は特に限定されないが、装置や形成時間などを考慮し
て適宜調整され、例えば、1mm以下である。
【0013】またさらに、本発明において、第3の工程
における第1の窒化物半導体が、前記凹凸を有する下地
層上に、成長速度を0.5μm/時間以上10μm/時
間以下で第2の窒化物半導体を成長させる第3−1の工
程と、この工程後に、成長速度を10μm/時間以上5
00μm/時間以下で、第3の窒化物半導体を成長させ
る第3−2の工程とにより形成されてなると、第3−1
の工程で成長速度が遅い成長方法、例えばMOCVD、
で良好に転位を低減でき、第3−2の工程で成長速度の
速い成長方法、例えばHVPE、で厚膜の窒化物半導体
を成長させる際に異常成長等の発生が少なく好ましい。
成長速度の遅い方法により厚膜の窒化物半導体を成長さ
せると、長時間の反応となり異常成長などが発生し易く
なるが、成長速度の速い成長方法により成長させると異
常成長を防止でき、良好な第3の窒化物半導体が得られ
好ましい。また、成長速度の速い方法により薄い膜の窒
化物半導体を成長させる場合には膜厚が調整しにくい
が、成長速度の遅い成長方法により窒化物半導体を成長
させると、凹部側面での窒化物半導体の横方向の成長が
良好に行われ、転位が良好に低減された第2の窒化物半
導体を得ることができ好ましい。
【0014】またさらに、本発明において、第2の工程
で形成された凹凸の凸部上面が、下地層、または凸部上
面が、窒化物半導体が成長しにくい又は成長しない材料
からなる保護膜で覆われている下地層であると、転位の
低減と共に、下地層と異種基板の間に空隙を形成する点
で好ましい。本発明におけるELOG成長としては、凹
部底部に空隙の形成されるような方法であれば特に限定
されないが、例えば好ましくは上記のように凹凸の凸部
上面が下地層、又は保護膜であるような方法が挙げられ
る。
【0015】またさらに、本発明において、電磁波が、
波長370nm以下の電磁波であると、透明な異種基板
を良好に透過でき且つ凹凸の凸部下方部の異種基板と接
触している下地層を構成する窒化物半導体を良好に分解
でき、下地層から異種基板を良好に分離することができ
好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図1〜図7を用いて、本発
明についてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施の形態であるELOG成長後に異種基板側から電磁
波を照射する模式的断面図である。図2〜図4は、本発
明に用いられるELOG成長の各工程により得られるウ
エハの模式的断面図である。図5は、下地層に形成され
る凹凸のストライプ方向を説明するための基板主面側の
平面図である。図6は、本発明に用いられる異種基板の
主面がステップ状にオフアングルされている基板の一部
を拡大して示した模式的断面図である。図7は、サファ
イアの面方位を示すユニットセル図である。
【0017】本発明は、図1に示すように、凹凸を有す
る下地層4上にELOG成長により第1の窒化物半導体
4を成長させることにより、凹部底部の異種基板1と第
1の窒化物半導体4との間に、空隙が形成されており、
このような状態のウエハの異種基板1側から電磁波を照
射することにより、異種基板1と下地層3の接している
共有面から分離でき、異種基板1を除去することができ
るものである。
【0018】このような本発明の窒化物半導体基板の作
製方法は、上記のように少なくとも以下の第1の工程〜
第4の工程により窒化物半導体基板を作製する方法であ
る。まず、図2に示すように、第1の工程により、第1
の面と第2の面とを有し窒化物半導体と異なる材料から
なる電磁波が透過できるような透明な異種基板1の第1
の面上に、窒化物半導体からなる下地層3を成長させ
る。
【0019】次に、図3(a−1)、(b−1)に示す
ように、第2の工程により、窒化物半導体からなる下地
層3を部分的に異種基板1までエッチングして凹凸を形
成することで、凹部側面に窒化物半導体の横方向の成長
が可能な面を露出させる。
【0020】次に、図3(a−2、a−3)、(b−
2、b−3)に示すように、第3の工程により、凹凸を
有する下地層3上に、第1の窒化物半導体4を成長さ
せ、さらに前記第1の窒化物半導体4の成長により凹部
底部の異種基板1と第1の窒化物半導体4との間に空隙
を形成させる。凹部内部は、側面に露出している下地層
3の窒化物半導体面に比べて凹部底部に露出している異
種基板1の面上に窒化物半導体が成長しにくいために、
凹部側面に露出された下地層3の窒化物半導体に、選択
的に第1の窒化物半導体4が横方向の成長から成長を開
始し、凹部の両側面から成長した第1の窒化物半導体4
が凹部内で接合し凹部を覆う。この際に、凹部底部に露
出している異種基板1面には第1の窒化物半導体4が成
長しにくいので、凹部底部の異種基板1と第1の窒化物
半導体4との間には空隙が形成される。
【0021】次に、図1に示すように、第4の工程によ
り、異種基板1の第2の面から電磁波を照射し、異種基
板1と接している下地層3の接触面の窒化物半導体を分
解して異種基板1を除去できるようにし、また分解によ
って発生するN2ガスを空隙内にそって広げることがで
きるので、ガス圧により生じていた異種基板1の割れを
防止すると共に、異種基板1の割れが原因で起こってい
た下地層3のえぐれ傷をも防止できる。このような第1
の工程〜第4の工程を行うことにより、異種基板1を除
去され、転位の低減された窒化物半導体のみからなる窒
化物半導体基板を作製することができる。以下に本発明
の各工程について具体的に説明する。
【0022】[第1の工程]第1の工程は、図2に示さ
れるように、異種基板1上に下地層3を成長させる工程
である。本発明において、異種基板1としては、少なく
とも電磁波を透過できる程度に透明であれば特に限定さ
れないが、例えば具体例としては、C面、R面、及びA
面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(Mg
A124)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、
3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び
窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、従来知られ
ている窒化物半導体と異なる基板材料を用いることがで
きる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネ
ルが挙げられる。異種基板としてサファイアを用いる場
合、サファイアの主面をどの面にするかによって、凹凸
を形成した時の凸部上部と凹部側面の窒化物半導体の面
方位が特定される傾向があり、その面方位によって、窒
化物半導体の成長速度がやや異なることから、凹部側面
に成長し易い面方位がくるように主面を選択してもよ
い。また、異種基板1の第1の面と第2の面とは、下地
層3等を成長させる面と電磁波を照射する面とが異なる
面であることを示すために便宜上記載したものである。
【0023】本発明において、下地層3としては、少な
くとも1層以上の窒化物半導体であれば特に限定されな
いが、好ましくは異種基板1上に低温成長のバッファ層
12を成長させた後、高温成長の窒化物半導体13を成
長させてなることが結晶性やELOG成長の点で好まし
い。バッファ層12としては、AlN、GaN、AlG
aN、InGaN等が用いられる。バッファ層12は、
例えば、900℃以下300℃以上の温度で、膜厚0.
5μm〜10オングストロームで成長される。このよう
に異種基板1上にバッファ層12を900℃以下の温度
で形成すると、異種基板1と高温成長の窒化物半導体1
3との格子定数不正を緩和し、高温成長の窒化物半導体
13の結晶欠陥が少なくなる傾向にある。高温成長の窒
化物半導体13としては、特に限定されないが、例えば
好ましくはアンドープ(不純物をドープしない状態、un
dope)のGaN、又は、Si、Ge、及びS等のいずれ
か1種以上のn型不純物をドープしたGaNを用いるこ
とができる。高温成長の窒化物半導体13は、高温、例
えば具体的には約900℃より高温〜1100℃、好ま
しくは1050℃で異種基板1上に成長される。このよ
うな温度で成長させると、高温成長の窒化物半導体13
は単結晶となる。
【0024】高温成長の窒化物半導体13の膜厚として
は、第2の工程で形成される凹凸の凸部上面が下地層3
である[図3のa−1〜a−3]か、保護膜で覆われて
いる下地層3である[図3のb−1〜b−3]かによっ
て好ましい膜厚が異なる。さらに第2の工程で形成され
る凹凸の形状、例えば凹部の幅や凸部の幅などの大きさ
が異なる。
【0025】以下に第2の工程で形成される凹凸の凸部
上面が下地層3である場合[図3の(a−1)〜(a−
3)]について記載する。凸部上面が下地層3である場
合、高温成長の窒化物半導体13の膜厚は特に限定しな
いが、凹部内部での縦方向の成長を抑えて、横方向の成
長が促進できるように、凹凸の形状を調整することが可
能な膜厚であることが好ましく、少なくとも500オン
グストローム以上、好ましくは5μm以上、より好まし
くは10μm以上の膜厚で形成される。また、凹部開口
部の幅を広くする場合には、凹部の形状を深くすること
が凹部底面に窒化物半導体が成長するのを防止する点で
好ましく、このことから、高温成長の窒化物半導体13
の膜厚は、凹部開口部の幅によって適宜調節される。よ
って、高温成長の窒化物半導体13の膜厚は、開口部の
幅を広くする場合には、上記膜厚の範囲において厚目に
成長されることが好ましい。続いて以下に、凸部上面が
下地層3である場合の第2の工程を説明する。
【0026】[第2の工程:凸部上面が下地層3である
場合]次に、第2の工程は、図3(a−2)に示される
ように、異種基板1上に下地層3(バッファ層12、高
温成長の窒化物半導体13)を成長させた後、下地層3
を部分的に異種基板1までエッチングして凹凸を形成
し、凹部側面に下地層3を構成する窒化物半導体を露出
させる工程である。
【0027】第2の工程において、部分的に異種基板1
までエッチングして凹凸を形成するとは、少なくとも凹
部側面に下地層3を構成する窒化物半導体が露出され、
さらに凹部底部に異種基板1が露出されるように、下地
層3の表面から異種基板1方向に向かって窪みを形成し
てあればよく、下地層3にいずれの形状で凹凸を設けて
もよい。凹凸の形状としては、例えば、ランダムな窪
み、ストライプ状、碁盤目状、ドット状に形成できる。
好ましい形状としては、ストライプ状であり、この形状
とすると、異常成長が少なく、より平坦に埋まり好まし
く、またレーザ素子を形成する際に、より転位の少ない
凹部上方部にリッジ形状のストライプを形成し易くなり
好ましい。
【0028】下地層3に部分的に設けられた凹凸は、少
なくとも異種基板1が露出していればよく、好ましくは
下地層3と異種基板1との接触面から1000オングス
トローム以上の深さで削られていることが空隙を形成す
るのに好ましい。空隙を形成するのに好ましい深さは、
1000オングストローム以上であれば特に限定されな
いが、深さの上限としては、異種基板の厚さより薄く
て、削る作業が煩雑とならない程度の深さが好ましく、
例えば1.0μm以下が好ましい。さらに異種基板1が
2000オングストローム〜3000オングストローム
の深さで削られていると、空隙の形成、転位の低減及び
作業効率の点で好ましい。また、削られる深さが上記範
囲であると、GaNの分解で発生するN2ガスが良好に
広がる程度の空間として空隙が形成され、サファイアの
割れ及びその割れによる窒化物半導体のえぐれ傷を良好
に防止することができ好ましい。
【0029】また、上記のように凹部底部に異種基板1
が露出し、好ましくは特定の範囲の深さにエッチングさ
れていると、ELOG成長により転位を低減する点でも
好ましい。つまり、上記のように異種基板1が少なくと
も露出されていると、凹部底部からの成長が抑制されや
すくなり、凹部開口部から厚膜に成長する第1の窒化物
半導体4の転位を低減し易くなり好ましい。更に、異種
基板1が上記の深さで削られていると、凹部側面から成
長する第1の窒化物半導体4の接合部分での結晶の歪み
を緩和して、転位の発生を防止でき、結晶性の良好な、
面状態の良好な窒化物半導体を成長させることができ好
ましい。接合部分での歪みの緩和は、凹部底部に形成さ
れている空隙が関与していると思われる。つまり、凹部
内部の接合部分がわずかに下側に向かって成長する傾向
を示すが、空隙があるために歪みが緩和されるために結
晶性が良好となると思われる。更に削られている異種基
板1上に空隙が発生していると、転位の少ない凹部上部
の表面と、転位の多い凸部上部の表面との区別がつきや
すくなり、転位の少ない凹部上部表面にリッジ形状のス
トライプを形成し易くなり、製造工程での歩留まりの向
上の点で好ましい。
【0030】凹凸の形状は、凹部側面の長さや、凸部上
部の幅と凹部底部の幅などは、特に限定されないが、少
なくとも凹部内での縦方向の成長が抑制され、凹部開口
部から厚膜に成長する第1の窒化物半導体4が凹部側面
から横方向に成長したものとなるように調整されている
ことが好ましい。凹凸の形状をストライプ状とする場
合、ストライプの形状として特に限定されないが、例え
ばストライプ幅(凸部上部の幅)を1〜20μm、好ま
しくは1〜10μmであり、ストライプ間隔(凹部底部
の幅)を10〜40μm、好ましくは15〜35μmで
あるものを形成することができる。このようなストライ
プ形状を有していると、転位の低減と面状態を良好にす
る点で好ましい。更に、凹部の幅が、上記範囲である
と、転位の少ない凹部上部にリッジ形状のストライプを
形成する際に、凹部の中心部分を避けて、且つ転位の少
ない部分に位置するように形成するのに好ましい。凹部
開口部から成長する第1の窒化物半導体4の部分を多く
するには、凹部底部の幅を広くし、凸部上部の幅を狭く
することで可能となり、このようにすると転位の低減さ
れた部分を多くすることができる。凹部底部の幅を広く
した場合には、凹部の深さを深めにすることが、凹部底
部から成長する可能性のある縦方向の成長を防止するの
に好ましい。
【0031】第2の工程で凹凸を設ける方法としては、
第1の窒化物半導体4を一部分取り除くことができる方
法であればいずれの方法でもよく、例えば好ましくはエ
ッチングが挙げられる。また、結晶性を損なわなければ
ダイシングでもよい。エッチングにより、下地層3に部
分的(選択的)に凹凸を形成する場合は、フォトリソグ
ラフィー技術における種々の形状のマスクパターンを用
いて、ストライプ状、碁盤目状等のフォトマスクを作製
し、レジストパターンを下地層3に形成してエッチング
することにより形成できる。フォトマスクは、エッチン
グして凹凸を形成後に除去される。また、ダイシングで
行う場合は、例えば、ストライプ状や碁盤目状に形成で
きる。
【0032】第2の工程において下地層3をエッチング
する方法には、ウエットエッチング、ドライエッチング
等の方法があり、平滑な面を形成するには、好ましくは
ドライエッチングを用いる。ドライエッチングには、例
えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオン
ビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエ
ッチング(ECR)、イオンビームエッチング等の装置
があり、いずれもエッチングガスを適宜選択することに
より、窒化物半導体をエッチングしてできる。例えば、
本出願人が先に出願した特開平8−17803号公報記
載の窒化物半導体の具体的なエッチング手段を用いるこ
とができる。また、エッチングによって凹凸を形成する
場合、エッチング面(凹部側面)が、図3(a−1)に
示すように、異種基板に対して端面がほぼ垂直となる形
状、又は順メサ形状や逆メサ形状でもよく、あるいは階
段状になるように形成された形状等がある。好ましくは
転位の低減や面状態の良好性などの点から、垂直、逆メ
サ、順メサであり、より好ましくは垂直である。
【0033】また、第2の工程において、凹凸の形状を
ストライプ状とする場合に、ストライプを、図5に示す
ように、オリフラ面を例えばサファイアのA面とし、こ
のオリフラ面の垂直軸に対して左右どちらかに、θ=
0.1°〜0.7°、好ましくはθ=0.1°〜0.5
°ずらして形成すると、成長面がより平坦な良好な結晶
が得られ好ましい。ちなみに、図5のθが0°の場合
は、表面が平坦にならない場合があり、このような状態
の成長面に素子構造を形成すると、素子特性の低下が生
じ易くなる傾向が見られる。表面が平坦であると歩留ま
りの向上の点でも好ましい。
【0034】以下に第2の工程で形成される凹凸の凸部
上面が、保護膜で覆われている下地層3である場合[図
3の(b−1)〜(b−3)]について記載する。凸部
上面が保護膜15で覆われている下地層3である場合、
第1の工程で成長される高温成長の窒化物半導体13の
膜厚は特に限定しないが、下地層3に凹凸を形成する際
に、凹部底部に対し凹部側面に露出している下地層3へ
第1の窒化物半導体4の成長が選択的に優先されるよう
に、第1の窒化物半導体4の成長速度をコントロール可
能な形状に凹凸を形成できる程度の膜厚、具体的には1
00オングストローム以上、好ましくは1〜10μm程
度、好ましくは1〜5μmの膜厚で形成することが望ま
しい。次に、凸部上面が保護膜15で覆われている下地
層3である場合の第2の工程を説明する。
【0035】[第2の工程:凸部上面に保護膜を有する
場合]次に、第2の工程は、図3(b−1)に示される
ように、異種基板1上に成長させた下地層3(バッファ
層12、高温成長の窒化物半導体13)を部分的に異種
基板1までエッチングして凹凸を形成し、凹部側面に下
地層3を構成する窒化物半導体を露出させ、凸部上面に
保護膜15を形成する工程である。
【0036】下地層3に凹凸を形成することにより、成
長可能な面として、第1の窒化物半導体層2の端面と凹
部の底面とを露出させている。凸部上面には、窒化物半
導体が成長しにくい又は成長しない材料からなる保護膜
15が形成されている。更に凹凸の形状は、凹部側面の
下地層3の端面への窒化物半導体の成長が、凹部底面の
異種基板1面への成長に対して優先されるように調整し
て形成されている。
【0037】この場合の凹凸の形状は、特に限定されな
いが、上記のように特定の面に優先して窒化物半導体が
成長するように調整して形成されていればよく、好まし
い凹凸の形状としては、凹部の側面に露出している下地
層3の端面の長さ[図3(b−1)のd]と、凹部の開
口部の幅[図3(b−1)のw]を調整して形成されて
いる。更に好ましくは、凹凸の形状が、露出された下地
層3の端面の長さ(d)と凹部の開口部の幅(w)との
関係、w/dが、0<w/d≦5、好ましくは0<w/
d≦3、より好ましくは0<w/d≦1を示すように調
整して形成されていると、成長速度を良好にコントロー
ルでき下地層3の端面からの成長を促進できる。このよ
うに、下地層3の端面からの成長を優先させることによ
り、凹部の底面での窒化物半導体の成長を中断し易くな
る。凹部の底面は、少なくとも異種基板1が露出してい
ればよいが、好ましくは異種基板1が、前記凸部上部が
下地層3である場合[図3(a−1)の場合]と同様の
深さでエッチングされていることが、転位の低減と共
に、異種基板1を除去する点で好ましい。
【0038】上記のように、凹部底部に異種基板1が露
出、好ましくは異種基板1が特定の深さでエッチングさ
れていると、第3の工程で成長させる第1の窒化物半導
体4の成長が、凹部底部の異種基板1よりも、凹部側面
に露出している下地層3に優先して行われ、凹部底部で
は第1の窒化物半導体4と異種基板1との間に空隙が形
成され、この空隙に第4の工程で電磁波により窒化物半
導体が分解することにより発生するN2ガスが集まり、
ガス圧により生じる異種基板1の割れ及びこの割れによ
り起こる下地層のえぐれ傷を防止することができる。さ
らに異種基板1が上記の範囲の深さでエッチングされて
いると、ガスが良好に空隙内に広がり異種基板1の割れ
をより良好に防止することができ好ましい。またさら
に、異種基板1が、上記の範囲の深さでエッチングされ
ていると、凹部底部からの縦方向の成長をより一層良好
に防止でき、転位の低減の点で好ましい。
【0039】第2の工程において、凸部上面が保護膜1
5で覆われているとは、下地層3を部分的にエッチング
して、下地層3の表面に現れる凹凸の形状にあわせて凸
部の上面に、例えば図3(b−1)のように、保護膜1
5を下地層3の凸部上面に形成することである。凸部上
面の保護膜15の形成面の形状は、特に限定されずいず
れの形状でも良く、例えば、前記w/dの関係に加えて
更に、凹凸を形成された下地層3を上から見た形状が、
ランダムな窪み、ストライプ状、碁盤面状、ドット状に
形成することができる。好ましくはストライプ形状であ
り、このような形状であると、転位の低減と共に、第1
の窒化物半導体の面状態が良好となり好ましく、さらに
凹部底部の空隙の形成と異種基板1を除去する点で好ま
しい。
【0040】凹凸をストライプ状の形状とする場合、ス
トライプの形状として、例えば具体的には、ストライプ
幅を10〜20μm、ストライプ間隔(凹部の開口部)
を2〜5μmのものを形成することができる。上記範囲
であると、転位の低減及び空隙の形成の点で好ましい。
【0041】第2の工程で凹凸を形成する方法として
は、下地層3を部分的に取り除くことができる方法であ
ればいずれの方法でもよいが、エッチングが好ましい。
また、結晶性を損なわない範囲であれば、ダイシングを
用いてもよい。エッチングにより、下地層3に部分的
(選択的)に凹凸を形成する場合は、フォトリソグラフ
ィー技術における種々の形状のマスクパターンを用い
て、ストライプ状、碁盤目状等のフォトマスクを作製
し、レジストパターンを下地層3に形成してエッチング
することにより形成できる。また、ダイシングで行う場
合は、例えば、ストライプ状や碁盤目状に形成できる。
【0042】第2の工程において窒化物半導体をエッチ
ングする方法には、凸部上面が下地層3[図3(a−1
〜a−3)]の場合と同様の方法を用いることができ
る。また、エッチングによって凹凸を形成する場合、エ
ッチング面が、図3(b−1)に示すように異種基板1
に対して下地層3の端面がほぼ垂直となる形状、又は順
メサ形状や逆メサ形状でもよく、下地層3の側面に第1
の窒化物半導体4が成長可能な形状であれば特に限定さ
れない。本発明において、図3(b−1)〜(b−3)
の場合、凹凸のエッチング面が順メサ形状や逆メサ形状
である場合、凹部側面の下地層3の端面の長さは、下地
層3の表面(凸部上面)から凹部の底面までの高さを前
記下地層3の端面の長さ(d)とする。
【0043】第2の工程で用いられる保護膜15として
は、保護膜15の表面に窒化物半導体が成長しないか、
若しくは成長しにくい性質を有する材料が挙げられる。
保護膜15として、例えば酸化ケイ素(SiOX)、酸
化チタン(TiOX)、酸化ジルコニウム(ZrOX)、
酸化アルミニウム(Al23)等の酸化物、窒化ケイ素
(SiXY)等の窒化物、またこれらの多層膜の他、N
i、Mo、Ti、W等の1200℃以上の融点を有する
金属等をあげることができる。これらの保護膜材料は、
窒化物半導体の成長温度600℃〜1100℃の温度に
も耐え、その表面に窒化物半導体が成長しないか、成長
しにくい性質を有している。保護膜材料を窒化物半導体
表面に形成するには、例えば蒸着、スパッタ、CVD等
の気相製膜技術を用いることができる。
【0044】また、第2の工程において、保護膜15
は、凹凸を下地層3に形成する方法が、エッチングであ
る場合と、ダイシングである場合とで、形成のされ方が
多少異なる。まずエッチングで凹凸を形成する場合、下
地層3上に保護膜15を形成後、その上にレジスト膜を
形成しパターンを転写し露光、現像して部分的に保護膜
15を形成した後、下地層3をエッチングすることで凹
凸の形成を行う。次に、ダイシングで段差を形成する場
合、下地層3の表面上に保護膜15を形成し、この上か
ら所望の形状にダイシング・ソーで下地層3に凹凸を形
成すると、凸部の上面部分のみに保護膜15が残る。
【0045】保護膜15の膜厚は、特に限定せず、第3
の工程で凹部の下地層3の端面から優先して成長を始め
る第1の窒化物半導体4が、保護膜15上をあたかも成
長したかのように第1の窒化物半導体4が横方向に成長
し易いように調整されていることが好ましい。例えば、
保護膜15は薄く形成された方が、保護膜15上で隣接
して成長してきた第1の窒化物半導体4同士が接合し易
くなると考えられる。凸部上面に保護膜15を形成する
場合、凹部底面での第1の窒化物半導体4の縦方向の成
長を防止する一実施の形態として、凹部底部に異種基板
1を少なくとも露出させることと、第1の窒化物半導体
層の露出された端面の長さと凹部の開口部の幅を調整す
ることを挙げたが、これに限定されない。
【0046】次に、凸部上面が下地層3の場合及び保護
膜15で覆われている下地層3の場合の第3の工程につ
いて説明する。 [第3の工程:凸部上面が下地層3の場合及び保護膜の
場合]第3の工程は、図3(a−3,a−4)(b−
3,b−4)に示されるように、前記凹凸を形成された
下地層3上に、第1の窒化物半導体4を成長させる工程
である。第1の窒化物半導体4としては、特に限定され
ないが、例えば具体的に好ましくは、アンドープ(不純
物をドープしない状態、undope)のGaN、又は、S
i、Ge、及びS等のいずれか1種以上のn型不純物を
ドープしたGaNを用いることができる。第1の窒化物
半導体4は、下地層3を構成する高温成長の窒化物半導
体13と同様に高温、例えば具体的には約900℃より
高温〜1100℃、好ましくは1050℃で凹凸を有す
る下地層3上に成長される。このような温度で成長させ
ると、第1の窒化物半導体4は単結晶となる。第1の窒
化物半導体4の膜厚としては、特に限定されないが、1
00μm以上、好ましくは200μm以上、より好まし
くは300μm以上、さらに好ましくは500μm以上
であると、電磁波を照射する際や、素子構造を形成する
際に、窒化物半導体基板の割れや欠け等を防止し、ハン
ドリング性等の点で好ましい。第1の窒化物半導体4の
膜厚の上限は特に限定されないが、装置や形成時間など
を考慮して適宜調整され、例えば、1mm以下である。
【0047】さらに、本発明において、第3の工程にお
ける第1の窒化物半導体4が、図4(a−4)、(b−
4)に示すように、前記凹凸を有する下地層3上に、成
長速度を0.5μm/時間以上10μm/時間以下で第
2の窒化物半導体17を成長させる第3−1の工程と、
この工程後に、成長速度を10μm/時間以上500μ
m/時間以下で、第3の窒化物半導体18を成長させる
第3−2の工程とにより形成されてなることが好まし
い。つまり、第3−1の工程で成長速度が遅い成長方
法、例えばMOCVD、で良好に転位を低減でき、第3
−2の工程で成長速度の速い成長方法、例えばHVP
E、で厚膜の窒化物半導体を成長させる際に異常成長等
の発生が少なく好ましい。成長速度の遅い方法により厚
膜の窒化物半導体を成長させると、長時間の反応となり
異常成長などが発生し易くなるが、成長速度の速い成長
方法により成長させると異常成長を防止でき好ましい。
また、成長速度の速い方法により薄い膜の窒化物半導体
を成長させる場合には膜厚が調整しにくいが、成長速度
の遅い成長方法により窒化物半導体を成長させると、凹
部側面での窒化物半導体の横方向の成長が良好に行わ
れ、転位が低減された良好な第1の窒化物半導体(第3
−1の工程では第2の窒化物半導体)を得ることができ
好ましい。
【0048】以下に第3−1の工程及び第3−2の工程
を順に説明する。まず、第3−1の工程は、図4(a−
4)に示すように、凹凸を有する下地層3上に、成長速
度を0.5μm/時間以上10μm/時間以下で、窒化
物半導体の横方向の成長を利用し転位の低減される方法
により第2の窒化物半導体17を成長させる工程であ
る。上記第2の窒化物半導体17を成長させる成長速度
は、上記のように10μm/時間以下0.5μm/時間
以上、好ましくは7μm/時間以下1μm/時間以上、
より好ましくは5μm/時間以下1.5μm/時間以上
である。成長速度が上記範囲であると、ELOG成長の
際に、転位の伝播を良好に抑制でき、また第2の窒化物
半導体17の膜厚を調整するのに好ましい。このような
成長速度を有する具体的な成長方法として、特に限定さ
れないが、例えばMOCVDが挙げられる。
【0049】第2の窒化物半導体17としては、特に限
定されないが、GaNよりなる窒化物半導体が好まし
い。また、第3の窒化物半導体22は、アンドープで
も、不純物をドープされてもよい。第3の窒化物半導体
22が、アンドープであると結晶性の点で好ましい。ま
た、第2の工程でのELOG成長の際に、前記第1の工
程のELOG成長の場合と同様に、p型不純物及び/ま
たはn型不純物をドープすると、窒化物半導体の横方向
の成長が促進され、転位の低減及び隣接の窒化物半導体
同士の接合部分での空隙発生の防止の点で好ましい。第
2の窒化物半導体17の膜厚は、特に限定されず、少な
くとも凹凸を覆うことのできる膜厚以上であり、例えば
具体的な膜厚としては、好ましくは1〜50μm、より
好ましくは2〜40μm、さらに好ましくは7〜20μ
mである。上記範囲の膜厚であると、凹凸を良好に覆う
ことができ、転位の伝播の抑制の点で好ましい。
【0050】次に、図4(a−4)に示すように、第3
−2の工程では、上記第3−1の工程により形成された
第2の窒化物半導体17上に、成長速度を500μm/
時間以下10μm/時間以上で、第3の窒化物半導体1
8を成長させる。第3−2の工程で、第3の窒化物半導
体18を成長させる成長速度は、上記のように500μ
m/時間以下10μm/時間以上、好ましくは100μ
m/時間以下50μm/時間以上である。第3の窒化物
半導体18を成長させる速度が、上記範囲であると、第
3の窒化物半導体18を上記の膜厚に成長させる際に、
異常成長が防止でき、更に第3の窒化物半導体18の成
長面がきれいとなり好ましい。成長速度が上記範囲とな
る具体的な方法としては、特に限定されないが、例えば
HVPE等が挙げられる。
【0051】第3−2の工程で成長される第3の窒化物
半導体18としては、特に限定されないが、GaNから
なる窒化物半導体が結晶性の点などから好ましい。ま
た、第3の窒化物半導体18は、アンドープでも不純物
をドープされてもよいが、アンドープであると結晶性の
点で好ましい。
【0052】第3の窒化物半導体18の膜厚は、前記第
2の窒化物半導体17の膜厚より厚く成長される。第3
の窒化物半導体18の膜厚としては、特に限定されない
が、第4の工程で電磁波を照射する際、電磁波を照射後
に異種基板1を除去する際、又はデバイス構造を形成す
る際等の物理的強度に耐えられ、欠けや割れ等の生じに
くい膜厚以上で、装置の大きさや操作がし易い範囲の膜
厚が望ましい。例えば、第3の窒化物半導体18の具体
的な膜厚としては、好ましくは50μm〜1000μ
m、より好ましくは80μm〜500μmである。この
ような範囲の膜厚であると、欠けや割れ等の発生が防止
でき好ましい。
【0053】また、第3−1の工程において、第2の窒
化物半導体17を成長させる際に、不純物(例えばS
i、Ge、Sn、Be、Zn、Mn、Cr、及びMg
等)をドープして成長させる、または窒化物半導体の原
料となるIII族とV族の成分のモル比(III/Vの
モル比)を調整して成長させる等により、横方向の成長
を縦方向の成長に比べて促進させ転位を低減させる点で
好ましく、さらに第2の窒化物半導体17の表面の面状
態を良好にする点で好ましい。
【0054】また、第2の窒化物半導体17を成長させ
る際の圧力を、常圧以上の加圧条件で成長させてもよ
い。第2の窒化物半導体17を常圧以上の反応条件で成
長させると、第2の窒化物半導体17の表面の面状態を
良好にするのに好ましい。ここで、常圧以上の加圧条件
とは、常圧(意図的に圧力を加えない状態の圧力)か
ら、装置などを調整し意図的に圧力を加えて加圧条件に
した状態で反応を行うことである。具体的な圧力として
は、常圧以上の圧力であれば特に限定されないが、好ま
しくは常圧(ほぼ1気圧)〜2.5気圧であり、好まし
い圧力としては、常圧〜1.5気圧である。このような
圧力の条件下で第2の窒化物半導体17を成長させる
と、第2の窒化物半導体17の表面の面状態を良好にす
る点で好ましい。
【0055】第3の工程において、凸部上面が下地層3
である場合、凹部内部では凹部の側面から横方向に成長
するものと、凹部底部から縦方向に成長するものとがあ
ると思われるが、成長し続ける過程で、凹部側面から成
長した第1の窒化物半導体4同士が接合し、凹部底部か
らの成長を抑制する。また、凹部底部に異種基板1が露
出しているため、第1の窒化物半導体4(第2の窒化物
半導体17を含む)の成長は、選択的に凹部側面に横方
向の成長をはじめ凹部側面から成長した第1の窒化物半
導体4同士が接合する。その結果、凹部開口部から成長
した第1の窒化物半導体4には転位がほとんど見られな
い。凹部底部からの縦方向の成長は、凹部側面からの横
方向の成長に比べ、成長速度が遅い又は成長しないと思
われる。このように、凹部底部の表面が、サファイアな
どの異種基板1、好ましくは異種基板1が上記のような
深さで削られていると、凹部底部からの第1の窒化物半
導体4の成長が抑制され、凹部側面からの第1の窒化物
半導体4の成長が良好となり、転位の低減の点で好まし
い。また、凸部上面が下地層3である場合の凸部上面か
ら成長した第1の窒化物半導体4の部分には、凹部開口
部から成長するものに比べてやや多めの転位が見られ
る。しかし、凸部上部に縦方向に成長を始める窒化物半
導体も、縦方向に成長する速度よりも、凹部開口部に向
かって横方向に成長する傾向があり、凹凸を形成しない
で縦方向に成長させた場合に比べれば転位が低減する。
また、第1の窒化物半導体4上に、際度、第2及び第3
の工程を繰り返すことで、凸部上部の転位をなくすこと
ができる。また、凸部上部と凹部内部から成長した第1
の窒化物半導体4は、成長の過程で接合する。
【0056】更に、第3の工程において、第1の窒化物
半導体4を成長させる際に、圧力を常圧以上の加圧条件
に調整することにより、第1の窒化物半導体4の表面が
異常成長の少ない平坦な良好な面状態となる。
【0057】また、上記したように第2及び第3の工程
を繰り返す場合、下地層3に形成した凹部上部に第1の
窒化物半導体4に形成される凸部が、下地層3に形成し
た凸部上部に第1の窒化物半導体4に形成される凹部
が、それぞれ位置するように第1の窒化物半導体4に部
分的に凹凸を形成する。そして凹凸を形成された第1の
窒化物半導体4上に新たな窒化物半導体を成長させる。
新たな窒化物半導体は、全体的に転位の少ない窒化物半
導体となり好ましい。新たな窒化物半導体としては第1
の窒化物半導体4と同様のものを成長させる。また、第
2及び第3の工程を繰り返す場合、第1の窒化物半導体
4の膜厚を、繰り返さない場合に比べて、薄く成長さ
せ、第1の窒化物半導体4に形成される凹部底面がサフ
ァイアなどの異種基板1面となるように第1の窒化物半
導体4をエッチングすると、転位のより少ない面状態の
良好な新たな窒化物半導体が得られ好ましい。
【0058】一方、第3の工程において、凸部上面が保
護膜で覆われている下地層3である場合には、凹部内部
の成長は、上記とほぼ同様であるが、凸部上面に成長す
る第1の窒化物半導体4はやや異なる。つまり、凸部上
面には保護膜15が形成されているために、凸部上面に
は直接第1の窒化物半導体4は成長せず、凹部内部から
成長してきた第1の窒化物半導体4が保護膜15上に向
かって横方向の成長により成長し、保護膜15を覆う。
このように直接第1の窒化物半導体4は成長しないが、
凹部内部から成長してきた第1の窒化物半導体4が横方
向の成長をすることであたかも、保護膜15上に成長し
たかのようになる。そして、凹部内部から成長する第1
の窒化物半導体4及び凸部上面に成長する第1の窒化物
半導体4ともに転位の低減された、さらに保護膜15上
にはほとんど転位の見られない窒化物半導体となる。ま
た、保護膜15を用いる場合も、転位のさらなる低減の
ために、第1の窒化物半導体4上に第2の工程及び第3
の工程を繰り返し行ってもよい。
【0059】また、以下に異種基板1のその他の好まし
い一実施の形態について記載する。異種基板1として
は、異種基板となる材料の主面をオフアングルさせた基
板、さらにステップ状にオフアングルさせた基板を用い
たほうが好ましい(図6参照)。オフアングルさせた基
板を用いると、表面に3次元成長が見られず、ステップ
成長があらわれ表面が平坦になり易い。更にステップ状
にオフアングルされているサファイア基板のステップに
沿う方向(段差方向)が、サファイアのA面に対して垂
直に形成されていると、窒化物半導体のステップ面がレ
ーザの共振器方向と一致し、レーザ光が表面粗さにより
乱反射されることが少なくなり好ましい。
【0060】更に好ましい異種基板1としては、(00
01)面[C面]を主面とするサファイア、(112−
0)面[A面]を主面とするサファイア、又は(111)
面を主面とするスピネルである。ここで異種基板1が、
(0001)面[C面]を主面とするサファイアであると
き、前記下地層3に形成される凹凸のストライプ形状
が、そのサファイアの(112−0)面[A面]に対して
垂直な軸から左右いずれかに0.1°〜0.7°ずらし
てストライプ形状を有していること[窒化物半導体の例
えば<1−100>[M軸方向]から図5に示すように垂
直軸の左右のいずれかにθ=0.1°〜0.7°ずらし
てストライプを形成すること]が好ましく、また、オフ
アングルのオフ角θ(図6に示すθ)は好ましくは0.
1°〜0.5°、より好ましくは0.1°〜0.2°で
ある。
【0061】また(112−0)面[A面]を主面とする
サファイアであるとき、前記凹凸のストライプ形状はそ
のサファイアの(11−02)面[R面]に対して垂直な
軸から上記A面の場合と同様にずらしてストライプ形状
を有していることが好ましく、また(111)面を主面
とするスピネルであるとき、前記凹凸のストライプ形状
はそのスピネルの(110)面に対して上記サファイア
の場合と同様にストライプ形状を有していることが好ま
しい。ここでは、凹凸がストライプ形状の場合について
記載したが、本発明においてサファイアのA面及びR
面、スピネルの(110)面に窒化物半導体が横方向に
成長し易いので、これらの面に第1の窒化物半導体4等
の端面が形成されるように凹凸の形成を考慮することが
好ましい。また、上記のように各面に対する垂直軸から
わずかにずらしてストライプを形成すると表面モフォロ
ジーの点で好ましい。
【0062】本発明において用いられる異種基板1につ
いて図を用いて更に詳細に説明する。図7はサファイア
の結晶構造を示すユニットセル図である。まず、C面を
主面とするサファイアを用い、凹凸はサファイアA面を
基準にしてストライプ形状とする場合について説明す
る。例えば、図5は主面側のサファイア基板の平面図で
ある。この図はサファイアC面を主面とし、オリエンテ
ーションフラット(オリフラ)面をA面としている。こ
の図5に示すように凹凸のストライプをA面に対して垂
直な軸の左右いずれかにθ=0.1°〜0.7°ずらし
た方向で、互いに平行なストライプを形成する。図5に
示すように、サファイアC面上に窒化物半導体を選択成
長させた場合、窒化物半導体は面内ではA面に対して平
行な方向で成長しやすく、垂直な方向では成長しにくい
傾向にある。従ってA面に対して上記のようにややずら
した方向でストライプを設けると、ストライプとストラ
イプの間の窒化物半導体がつながって成長しやすくな
り、ELOG成長が容易に可能となると考えられるが詳
細は定かではない。更に表面モフォロジーが良好とな
る。
【0063】次に、A面を主面とするサファイア基板を
用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例え
ばオリフラ面をR面とすると、前記A面の場合と同様に
R面に対して垂直な軸からわずかにずらした方向に、互
いに平行なストライプを形成することにより、ストライ
プ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾向にあ
るため、転位の少ない窒化物半導体層を成長させること
ができ、さらに良好な表面モフォロジーを得ることがで
きる。
【0064】また次に、スピネル(MgAl24)に対
しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半
導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(11
0)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して
平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(11
0)面に対してほぼ垂直方向、好ましくは上記サファイ
アの場合と同様にわずかにずらした方向にストライプを
形成すると窒化物半導体層と隣接する窒化物半導体同士
が保護膜の上部でつながって、転位の少ない結晶を成長
できる。なおスピネルは四方晶であるため特に図示して
いない。
【0065】また、以下に、オフアングルされたサファ
イア基板のステップに沿う方向が、サファイア基板のA
面に対して垂直に形成されてなる場合について図6を用
いて説明する。ステップ状にオフアングルしたサファイ
アなどの異種基板1は、図6に示すようにほぼ水平なテ
ラス部分Aと、段差部分Bとを有している。テラス部分
Aの表面凹凸は少なく、ほぼ規則正しく形成されてい
る。このようなオフ角θを有するステップ状部分は、基
板全体にわたって連続して形成されていることが望まし
いが、特に部分的に形成されていてもよい。なおオフ角
θとは、図6に示すように、複数の段差の底部を結んだ
直線と、最上層のステップの水平面との角度を示すもの
とする。また異種基板は、オフ角が0.1°〜0.5
°、好ましくは0.1°〜0.2°である。オフ角を上
記範囲とすると、第1の窒化物半導体2表面は細かな筋
状のモフォロジーとなり、エピタキシャル成長表面(第
2の窒化物半導体3表面)は波状のモフォロジーとな
り、この基板を用いて得られる窒化物半導体素子は平滑
で、特性も長寿命、高効率、高出力、歩留まりの向上し
たものが得られる。
【0066】次に、電磁波を照射して異種基板1を除去
する第4の工程について説明する。 [第4の工程]第4の工程は、図1に示すように、異種
基板1の第1の面上に下地層3及び第1の窒化物半導体
4を成長させた後、異種基板1の第2の面から電磁波を
照射し、異種基板1と接触している面の下地層3を分解
し、異種基板1と下地層3とが接している共有面で分離
して、異種基板1を除去する工程である。電磁波として
は、特に限定されないが、少なくとも下地層3を構成す
る窒化物半導体が吸収でき、さらに吸収により窒化物半
導体が分解することで異種基板1を除去できるような電
磁波が挙げられる。窒化物半導体が吸収できる電磁波と
しては、下地層3を構成する窒化物半導体のバンドギャ
ップエネルギーより大きい値を示す電磁波であり、例え
ばレーザ等を挙げることができる。具体的なレーザとし
ては、下地層3が吸収できる発振波長のレーザであれば
よく、例えば、発振波長が約370nm以下のレーザ光
を発振できる各種レーザが好ましい。このような発振波
長が370nm以下となるレーザとしては、特に限定さ
れないが、例えばエキシマレーザ[ArF(193n
m)、KrF(248.5nm)、XeCl(308n
m)など]等が挙げられる。
【0067】電磁波の照射時間としては、特に限定され
ず、異種基板1の第2の面から電磁波を照射し、下地層
3が分解して異種基板1を除去できる程度に照射すれば
よく、電磁波の種類により適宜調整して行われる。例え
ば具体例としては、KrFエキシマレーザを用い、レー
ザ光を1mm×50mmの線状にして、異種基板1の第
2の面全面をスキャンさせ、レーザ光を照射させる。
【0068】また、異種基板1の第2の面に電磁波を照
射する際、異種基板1の第1の面上に下地層3を介して
形成された第1の窒化物半導体4の面を、支持体に固定
して異種基板1の第2の面から電磁波を照射してもよ
い。このようにウエハを固定して電磁波を照射すると、
ウエハの割れを防止する点で好ましい。また、支持体に
第1の窒化物半導体4の面を固定する場合、ワックス
類、金属材料、接着剤などを用いてもよい。
【0069】また、第1の窒化物半導体4の面を支持体
に金属等で固定する前に、金属などの形成などにより第
1の窒化物半導体4の結晶性が損なわれないように、保
護膜を形成してもよい。保護膜としては特に限定されな
いがSiO2、SiN等を用いることができる。支持体
としては、特に限定されないが、高温に耐えられ、硬く
割れにくい物理的強度のある材料が挙げられ、例えば具
体的には、サファイア等を用いることができる。
【0070】異種基板1上に下地層3等の窒化物半導体
を成長させると、格子定数が異なるために反りが生じる
が、レーザ光などの電磁波を照射する際には、異種基板
1の第2の面が平らになるようにすることが、電磁波を
良好に照射でき異種基板1の除去が良好となり好まし
い。
【0071】異種基板1の第2の面に電磁波を照射する
と、異種基板1と下地層3の接触面の窒化物半導体が分
解し、異種基板1の除去が可能となる。また、ウエハを
支持体に固定して電磁波を照射し異種基板1を除去する
場合、異種基板1を除去後に、固定するために用いてい
た金属材料、ワックス類、又は接着剤等を、各材料に適
した方法により除去する。この固定するために用いた材
料を除去する方法としては、特に限定されないが、窒化
物半導体の結晶性等へ悪影響を及ぼさないような方法が
好ましい。
【0072】本発明の窒化物半導体基板の作製方法によ
り得られる窒化物半導体基板上に形成される窒化物半導
体素子を構成するデバイス構造としては、特に限定され
ないず、いずれのデバイス構造を成長させてもよい。本
発明の方法で得られる窒化物半導体基板は、転位が低減
されていると共に、異種基板1の割れを防止でき、窒化
物半導体にえぐれ傷が形成されていないので、本発明の
窒化物半導体基板上にデバイス構造を形成してなる素子
は、素子特性が良好とな。例えば窒化物半導体素子を構
成する窒化物半導体としては、特に限定されず、少なく
ともn型窒化物半導体、活性層、及びp型の窒化物半導
体が積層されていればよい。例えば、n型窒化物半導体
層として、超格子構造を有するn型窒化物半導体層を有
し、この超格子構造のn型層にn電極を形成することの
できるn型窒化物半導体が形成されているもの等が挙げ
られる。活性層としては、例えばInGaNを含んでな
る多重量子井戸構造の活性層が挙げられる。また、窒化
物半導体素子構造を形成するその他の構成は、例えば電
極、素子の形状等、いずれのものを適用させてもよい。
窒化物半導体素子の一実施の形態を実施例に参考例とし
て示したが、これに限定されない。
【0073】本発明において、窒化物半導体を成長させ
る方法は、特に限定されないがMOVPE(有機金属気
相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE
(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学
気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られ
ている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法は、
MOCVD法であり、結晶をきれいに成長させることが
できる。しかし、MOCVD法は時間がかかるため、膜
厚が厚い場合には時間の短い方法で行うことが好まし
い。また使用目的によって種々の窒化物半導体の成長方
法を適宜選択し、窒化物半導体の成長を行うことが好ま
しい。
【0074】
【実施例】以下に本発明の一実施の形態である実施例を
示す。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0075】[実施例1]実施例1における各工程を図
1〜図4を用いて示す。
【0076】[第1の工程]異種基板1として、図6に
示すようにステップ状にオフアングルされたC面を主面
とし、オフアングル角θ=0.15°、ステップ段差お
よそ20オングストローム、テラス幅Wおよそ800オ
ングストロームであり、オリフラ面をA面とするサファ
イア基板1を用いる。
【0077】<下地層3>上記サファイア基板1上に、
下記のバッファ層12と高温成長の窒化物半導体13と
を成長させ、下地層3を形成する(図2参照)。 (バッファ層12)このサファイア基板1をMOCVD
の反応容器内にセットし、温度を510℃にして、キャ
リアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリ
メチルガリウム)とを用い、サファイア基板1上にGa
Nよりなるバッファ層12を200オングストロームの
膜厚で成長させる。 (高温成長の窒化物半導体13)バッファ層成長後、T
MGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させ、10
50℃になったら、原料ガスにTMG、アンモニアを用
い、アンドープGaNよりなる高温成長の窒化物半導体
13を5μmの膜厚で成長させる。
【0078】[第2の工程]次に、バッファ層12及び
高温成長の窒化物半導体13からなる下地層3を成長
後、ストライプ状のフォトマスクを形成し、CVD装置
によりストライプ幅(凸部の上部になる部)3μm、ス
トライプ間隔(凹部底部となる部分)15μmにパター
ニングされたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装置
によりSiO2膜の形成されていない部分の高温成長の
窒化物半導体13をサファイア基板1を露出させ、さら
にサファイア基板1を、ほぼ2000オングストローム
の深さまでエッチングして凹凸を形成することにより、
凹部側面に下地層3を構成する窒化物半導体の面を露出
させる。凹凸を形成した後、凸部上部のSiO2を除去
することにより凹凸を形成する[図3(a−1)参
照]。なお、下地層3に形成される凹凸のストライプ方
向は、図5に示すように、オリフラ面に対して垂直な軸
から右側に0.35°ずれた方向で形成する。
【0079】[第3−1の工程]次に、下地層3に凹凸
を形成した後、ウエハをMOCVDの反応容器に移し、
1050℃にて、原料ガスにTMG、アンモニア、Cp
2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、
アンドープのGaNよりなる第2の窒化物半導体17を
15μmの膜厚で成長させる[図4(a−4)、及び図
3(a−2)参照]。但し、第2の窒化物半導体17の
成長速度は、3μm/時間とした。また、第3−1の工
程により、凹部底部にはストライプ状に空隙が形成され
ている。また、凹部上方部に成長した第2の窒化物半導
体17にはほとんど転位が見られない。
【0080】[第3−2の工程]次に、第2の窒化物半
導体17上に、アンドープのGaNからなる第3の窒化
物半導体18をHVPE装置により200μmの膜厚で
成長させる[図4(a−4)及び図3(a−3)参
照]。但し、第3の窒化物半導体18の成長速度は、5
0μm/時間とした。
【0081】[第4の工程]次に、図1に示すように、
サファイア基板1の第3の窒化物半導体18が形成され
ていない面から、波長248nmのKrFエキシマレー
ザを用いて、出力600J/cm2で、レーザ光を1m
m×50mmの線状にして、サファイア基板1の下地層
3等が形成されていない第2の面全面をスキャンして照
射する。レーザを照射することにより、サファイア基板
1と下地層3との界面を分解することでサファイア基板
1を除去することができ、下地層3、第2の窒化物半導
体17、及び第3の窒化物半導体18からなる窒化物半
導体基板を得ることができる。得られた窒化物半導体基
板は、レーザ照射する際にサファイア基板1の割れが防
止でき、下地層3のサファイア基板1を除去された面に
はえぐれ傷が生じてなく、良好にサファイア基板1を除
去することができたので、除去面の良好な、しかも転位
の低減されている良好な基板である。
【0082】[実施例2]実施例1において、第2の工
程を下記のように変更する他は同様にして窒化物半導体
基板を作製する。
【0083】[第2の工程]下地層3を成長後、下地層
3上にストライプ状のフォトマスクを形成し、CVD装
置によりストライプ幅15μm、ストライプ間隔(凹部
の開口部の幅)2μmのSiO2よりなる保護膜15を
1μmの膜厚で形成し、続いて、RIE装置によりサフ
ァイア基板1までエッチング、さらにサファイア基板1
を、ほぼ2000オングストロームの深さまでエッチン
グして凹凸を形成することにより下地層3を構成する窒
化物半導体面を露出させる[図3(b−1)参照]。凸
部上面には保護膜15が形成されている。なお、下地層
3に形成される凹凸のストライプ方向は、図5に示すよ
うに、オリフラ面に対して垂直な軸から右側に0.35
°ずれた方向で形成する。
【0084】上記のような第2の工程の後、実施例1と
同様に第3−1の工程、第3−2の工程、及び第4の工
程を行い、サファイア基板1を除去してなる窒化物半導
体を得る。ここで、第3−1の工程により第2の窒化物
半導体17を成長させた後、保護膜15で覆われている
凸部上方部に成長した第2の窒化物半導体17及び凹部
上部に成長した第2の窒化物半導体17にはほとんど転
位が見られない。また、凹部底部のサファイア基板1と
第2の窒化物半導体17の間には空隙が形成されてい
る。以上のようにして得られた窒化物半導体基板は、レ
ーザ光を照射することで良好にサファイア基板1を除去
でき、実施例1と同様にえぐれ傷がなく良好であり、ま
た転位も良好に低減されている。
【0085】
【発明の効果】本発明の窒化物半導体基板の作製方法
は、上記の如く、特定のELOG成長を用いることによ
って異種基板と異種基板上に成長する窒化物半導体との
間に、空隙を部分的に形成することができ、このような
状態で異種基板に電磁波を照射すると、異種基板と接し
ている窒化物半導体が分解して異種基板を分離して除去
することができる。さらに電磁波を照射することで窒化
物半導体が分解するが、この際に発生するN2ガスがE
LOG成長によって形成された空隙に広がり、ガス圧に
よる異種基板の割れを良好に防止することができると共
に、その割れにより起こっていた窒化物半導体のえぐれ
傷をも良好に防止することができる。その結果、えぐれ
傷のなく転位の低減された結晶性及び面状態の良好な窒
化物半導体基板を得ることができる。さらにまた、本発
明の窒化物半導体基板の作製方法は、従来の技術に比べ
て、簡略化され、さらに歩留まりの向上が可能となる。
さらにまた、本発明の作製方法では、大口径基板の作製
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態であるウエハに
電磁波を照射している模式的断面図である。
【図2】図2は、本発明に用いられるELOG成長の各
工程により得られるウエハの模式的断面図である。
【図3】図3は、本発明に用いられるELOG成長の各
工程により得られるウエハの模式的断面図である。
【図4】図4は、本発明に用いられるELOG成長の各
工程により得られるウエハの模式的断面図である。
【図5】図5は、下地層に形成される凹凸のストライプ
方向を説明するための基板主面側の平面図である。
【図6】図6は、本発明に用いられる異種基板の主面が
ステップ状にオフアングルされている場合の基板の一部
を拡大して示した模式的断面図である。
【図7】図7は、サファイアの面方位を示すユニットセ
ル図である。
【符号の説明】
1・・・異種基板 3・・・下地層 4・・・第1の窒化物半導体 12・・・バッファ層 13・・・高温成長の窒化物半導体 15・・・保護膜 17・・・第2の窒化物半導体 18・・・第3の窒化物半導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/268 H01L 21/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の面と第2の面とを有し窒化物半導
    体と異なる材料からなる異種基板の第1の面上に、窒化
    物半導体からなる下地層を成長させる第1の工程と、前
    記第1の工程後に、前記下地層を部分的に異種基板まで
    エッチングして凹凸を形成し、該凹凸が下地層と異種基
    板との接触面から1000オングストローム以上の深さ
    で削られており、凹部側面に窒化物半導体の横方向の成
    長が可能な面を露出させる第2の工程と、前記第2の工
    程後に、前記凹凸を有する下地層上に、第1の窒化物半
    導体を成長させ、転位の低減された第1の窒化物半導体
    を形成すると共に、凹部底部の異種基板と第1の窒化物
    半導体との間に空隙を形成させる第3の工程と、前記第
    3の工程後に、前記異種基板の第2の面に電磁波を照射
    し、下地層と異種基板との界面で分離して異種基板を取
    り除く第4の工程と、を有することを特徴とする窒化物
    半導体基板の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記凹凸の形状が、ストライプ状、碁盤
    目状、又はドット状であることを特徴とする請求項1に
    記載の窒化物半導体基板の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程で形成される凹凸が、エ
    ッチングにより下地層と異種基板との接触面から100
    0オングストローム以上1.0μm以下の深さで削られ
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物
    半導体基板の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程で形成される凹凸が、ス
    トライプ状であって、凸部上部の幅を1μm以上20μ
    m以下とし、凹部底部の幅を10μm以上40μm以下
    とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体
    基板の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記第3の工程で成長させる第1の窒化
    物半導体の膜厚が、100μm以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の窒化物半導体基板の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の工程における第1の窒化物半
    導体が、前記凹凸を有する下地層上に、成長速度を0.
    5μm/時間以上10μm/時間以下で第2の窒化物半
    導体を成長させる第3−1の工程と、前記第3−1の工
    程後に、成長速度を10μm/時間以上500μm/時
    間以下で、第3の窒化物半導体を成長させる第3−2の
    工程とにより形成されてなることを特徴とする請求項1
    又は5に記載の窒化物半導体基板の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記異種基板は、サファイア又はスピネ
    ルであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導
    体基板の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の工程で形成された凹凸の凸部
    上面が、窒化物半導体が成長しにくい又は成長しない材
    料からなる保護膜で覆われている下地層、又は窒化物半
    導体からなる下地層であることを特徴とする請求項1に
    記載の窒化物半導体基板の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記電磁波が、波長370nm以下の電
    磁波であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半
    導体基板の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記電磁波は、エキシマレーザを用い
    ことを特徴とする請求項9に記載の窒化物半導体基板
    の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記異種基板は、透明であることを特
    徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板の作製方
    法。
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