JP2006165407A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

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Hiroaki Matsumura
松村拓明
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Abstract

【課題】
リーク電流や、COD、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反り及びレーザ光のFFPのリップルの発生を抑制し、劈開性に優れた構造を有する窒化物半導体レーザ素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、半導体層にストライプ状の導波路領域と、導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の端面から離間する領域に凹部を有し、凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが露出されてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0<x≦1,0≦y<1,0<x+y≦1)よりなる高品質で量産性に優れた窒化物半導体レーザ素子に関する。
従来から、半導体レーザ素子として、窒化物半導体、特にGaN系半導体を利用して、緑色や青色等の広範囲の発光素子が研究されている。このような半導体レーザ素子の例としては、サファイア基板上にn型コンタクト層、n型クラッド層、n型ガイド層、活性層、p型ガイド層、p型クラッド層、p型コンタクト層が順に形成されている。また、エッチング等によりストライプ状の電流狭窄領域からなる導波路領域が形成され、次いでp電極とn電極が形成されている。さらに、基板を劈開することで共振面を形成して、レーザ発振した光を光出射側の端面から効率的に取り出せる構造が考えられる。
窒化物半導体は、通常、成長基板としてサファイア基板上に成長させるが、サファイアは窒化物半導体との格子不整が13%以上ある。このため、サファイア基板上に成長した窒化物半導体は、結晶欠陥が非常に多い。結晶欠陥が多い半導体層は、駆動時に導波路領域周辺が高光密度となるレーザ素子には不向きであり、更なる高出力レーザを実現させるには問題がある。
そこで、窒化物半導体と格子整合する窒化物半導体による基板を作製する試みがなされている。
例えば、特許文献1には、気相成長の成長表面が平面状態でなく、三次元的なファセット構造を持つようにし、ファセット構造を保ったまま成長させることにより転位を軽減するようにした単結晶窒化ガリウムの結晶成長方法が開示されている。
また、特許文献2には、高転位密度領域と高ルミネッセンス領域とを有する窒化物半導体基板を用いた窒化物半導体レーザ素子について開示されている。
特開2001−102307号公報 特開2003−273470号公報
上記特許文献のような方法によって得られた基板では、ファセット面の境界部分に欠陥が集中し、基板の面内方向において、例えばストライプ状に、結晶欠陥の少ない領域と、結晶欠陥が集中する領域が並存し、電極の配置場所によってはリーク電流が発生するという問題があった。リーク電流は、発光に寄与しない無効電流となるため、電気的、光学的特性等の素子特性が悪化し、素子性能にばらつきが生じ、製品歩留まりの悪化を招くことになる。
また、格子定数の違いから、得られた窒化物半導体基板および基板上に成長させた窒化物半導体層に反りが発生する。そうすると、窒化物半導体層を成長させるときに均一に成長させることができず、得られたレーザ素子の波長にばらつきが起こることがある。また、反りを有するウェハを加工する場合、例えばエッチングによりリッジを形成する際に、ウェハ内でリッジの深さに違いが出やすい。その結果、得られたレーザ素子の光の閉じ込めがウェハ内で一定でなくなり、レーザ特性にもばらつきが生じるという問題がある。
さらに、より優れた高性能が要求される今日においては、更なる特性向上が求められている。特に、FFPについては、リップル(凹凸)のない、ガウシアン形状となることが求められる。活性層への光の閉じ込めは、主として各層の屈折率差によるが、全ての光を閉じ込めるのは困難であり、発光した光の一部がn型クラッド層から漏れだし、クラッド層よりも屈折率が大きい層(例えばnコンタクト層)の中を導波することがある。その導波した光が、nコンタクト層の端面から放出され、出射端面である共振面から放出される主レーザ光に重なるため主レーザ光にノイズ(リップル)が乗り、光ファイバーやレンズなどの光学系へ結合する際に支障を来す原因となっている。
また、より高出力なレーザ素子においては、発振時に出射側端面の光密度が大きくなるので、活性層の光の吸収により結晶が破壊され、CODによる端面劣化が起こりやすいという問題もある。
そこで、本発明は、結晶欠陥の少ない低転位密度領域と、この低転位密度領域よりも結晶欠陥の多い高転位密度領域とを有する窒化物半導体基板を用いた場合においても、リーク電流や、COD、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反り及びレーザ光のFFPのリップルの発生を抑制し、劈開性に優れた構造を有する窒化物半導体レーザ素子とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の前記端面から離間する領域に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の第2の態様は、
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板が、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の第3の態様は、
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板が、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなる凹部を有することを特徴とする。
本発明の窒化物半導体レーザ素子によれば、前記高転位密度領域の上に凹部を形成することにより、リーク電流が窒化物半導体層の高転位密度領域を通って流れることがなく、リーク電流の発生を抑制した構成の窒化物半導体レーザ素子を実現することができ、電気的、光学的特性等の素子特性の悪化や、素子性能のばらつきを防ぐことができる。さらに、凹部を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りを緩和することができる。反りが軽減されることによって、ウェハをバー化もしくはチップ化する際の劈開やミラー形成が容易にできるようになる。また、前記端面から離間する領域に凹部を形成することによって、凹部近傍のレーザ素子内にかかる応力を緩和できる。その結果、劈開面とその近傍のバンドギャップを大きくすることができるため、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。
高ルミネッセンス領域の上に凹部を形成することで、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りを軽減することができる。反りが軽減されることによって、ウェハをバー化もしくはチップ化する際の劈開やミラー形成が容易にできるようになる。
前記凹部(高転位密度領域及び/又は高ルミネッセンス領域の上に形成された凹部)の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることで、リップルの発生を抑制した良好なFFPとすることができる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子によれば、上記のような効果をあげ、歩留まりの良い製品を高品質で提供することができる。
以下、本発明について説明するが、本発明の窒化物半導体レーザ素子は、実施の形態に示された構造に限定されるものではない。また、本発明の窒化物半導体レーザ素子は、全ての波長のレーザ素子において、適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、高転位密度領域170と高ルミネッセンス領域180とを略ストライプ状に有する窒化物半導体基板100上に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が積層され、p型窒化物半導体層にストライプ状のリッジを形成することで設けられた導波路領域と、n型半導体層が露出されてなる凹部200を有する窒化物半導体レーザ素子である。
導波路としては、エッチングによりリッジを設ける、一部の半導体層を再成長させてリッジとする、また、このようなリッジを形成した後にリッジ両脇もしくはリッジ表面及び両脇に半導体層を再成長させた埋め込み型の導波路などがある。また、リッジを有しない利得導波型やインナーストライプ型の導波路としてもよい。また、ストライプ状の導波路は、その幅がほぼ同じである必要はない。このいずれの導波路を用いてもよいが、その中でも、エッチングによりリッジを設けて導波路を形成するのが好ましい。
リッジは、p型窒化物半導体層の一部をエッチング等の手段により除去することで形成することができ、これにより実効屈折率型の導波路を形成することができる。また、p型窒化物半導体層からn型窒化物半導体層までの一部をエッチングして屈折率型の導波路としてもよく、又は、選択成長によりリッジを形成してもよい。リッジは、底面側の幅が広く上面に近づくに従ってストライプ幅が小さくなる順メサ形状に限らず、逆にリッジ底面に近づくにつれてストライプの幅が小さくなる逆メサ形状でもよく、また、積層面に垂直な側面を有するストライプであってもよく、これらが組み合わされた形状でもよい。
図1は、エッチングによりリッジを形成したリッジ導波路型の窒化物半導体レーザ素子である。リッジの側面及びそのリッジから連続するp型窒化物半導体層の上面にかけて埋め込み膜140が形成されている。リッジ上面及び埋め込み膜の上面にはp電極150が、また、窒化物半導体基板100の裏面にはn電極130が設けられている。また、窒化物半導体層120の側面を被覆する保護膜190が、埋め込み膜の上部にまで連続するよう設けられている。p型窒化物半導体層の上部には、保護膜及びp電極と接するパッド電極160が設けられている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態1においては、高転位密度領域の上部に、端面から離間する位置に、n型半導体層が露出されてなる凹部(第1の凹部)200が設けられていることを特徴とする。
(第1の凹部)
窒化物半導体基板の高転位密度領域上に積層された窒化物半導体層は基板の特性を引き継いで高転位となる。高転位密度領域には、結晶成長上、不純物が多く含まれる傾向にあり、抵抗が低い。この高転位密度領域上にPNジャンクションがあると転位を通って意図しない領域に電流が流れる、すなわち、リーク電流が発生することになる。本願のように、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなる第1の凹部を有することで、リーク電流が窒化物半導体層の高転位領域を通って流れることがなく、信頼性の高い安定した構成の窒化物半導体レーザ素子を実現することができる。
また、第1の凹部を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板もしくは窒化物半導体層の反りを軽減することができる。
さらに、第1の凹部を端面から離間する領域に設けることによって、劈開面(端面)とその近傍に局所的に応力がかかることにより導波路領域よりもバンドギャップが大きくなる。これにより、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。端面から離間するのは出射側だけでもよいが、反射側も離間させることで端面の劣化が抑えられ、さらに高い信頼性が得られる。光出射側/光反射側の端面(共振面)から第1の凹部までの距離はそれぞれ少なくとも10μm以上、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは、30μm以上である。また、光出射側/光反射側の端面両方を離間させる場合は、端面から第1の凹部までの距離は少なくとも合わせて20μm以上、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは60μm以上のものが好ましい。このとき、p型半導体層の表面に設ける電極の形状も考慮し、p電極が、凹部形成により露出した活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板と接触しないようにするのがショートを防止するという点で好ましい。
本願では、第1の凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。第1の凹部の深さは、目的に応じて、適宜変更することができ、リーク対策の点からは、少なくとも活性層、好ましくはn型クラッド層が露出されるものが好ましい。また、応力緩和の点からは、より深い凹部を形成するのが好ましく、例えば、基板が露出するまで除去するのが好ましい。
また、凹部の深さは導波路領域全体にわたって一定でも良いし、1つ又は2つ以上の段差がつくように深さを変えても良いし、その段差を複数設けても良い。また、段差ではなく徐々に変化するのでも良く、それらの組み合わせでもかまわない。側面に接するような凹部とする場合は、図9のように、側面に近づくほど深くなるように段差をつけて形成すると、チップ化する際の劈開性が良くなるので好ましい。その場合は、ウェハをバー化する際の劈開部分と直交しないように形成するのが好ましい。
本願では、高転位密度領域を全て除去せず、第1の凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが露出されてなる、としている。すなわち、少なくとも基板側の高転位密度領域を残すことを特徴としている。リーク電流だけが問題となるなら、基板を含めた全部を除去すればよく、その場合は、高転位密度領域を含まない位置で分割すればよいので、凹部を設けるよりも工程を簡略化できてよい。しかしながら、本願のように意図的に高転位密度領域を残すことで、そこに多く含まれる不純物によって、導波路からの漏れ光を吸収させることができ、これにより、FFPの垂直方向においてリップルの発生を抑制した良好ビームを得ることができる。
また、第1の凹部の幅についても、目的に応じて、適宜変更することができる。第1の凹部は、導波路領域の長さ方向に対して垂直な方向において、高転位密度領域よりも幅が広いほうが好ましい。好ましくは、リーク電流の発生をさらに抑制するという点から、高転位密度領域の導波路側の端部から0.1μm以上幅があるもので、さらに好ましくは、0.5μm以上のものである。
第1の凹部の幅は、一定でもよいし、どちらか一方もしくは両方の端面に近づくほど広くなる、または、狭くなっても良い。その場合、徐々に幅が変わっても良いし、急激に変わっても良い。あるいは、幅が狭い凹部と広い凹部を繰り返しても良い。
例えば好ましい一例として、図10のように第1の凹部の幅を端面に近づくほど狭くなるように設けると、劈開面(端面)とその近傍のバンドギャップが導波路中のそれよりも大きくなり、端面近傍で光の吸収が低減されるため、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。
図11のように幅が広い凹部と狭い凹部を規則的に繰り返すようにすると、凹部の幅が狭い部分に対応するp型半導体層の表面にワイヤーを打つ領域を確保できるので、チップを小型化する際に特に有効である。
第1の凹部は、単数設けても、複数設けても良い。複数設ける場合、図12のように導波路と平行に配置してもよいし、図13のようにストライプ方向に配置してもよいし、それらを組み合わせても良い。それぞれの凹部によって幅や深さや形状を変えても良いし、同じでも良い。
第1の凹部は、図1のように窒化物半導体レーザ素子の側面に接して設けられていれば、チップ化が行いやすい。また、図14のように側面から離間して設けられていれば、フェースダウン実装時の安定性が良いという点で好ましい。その両方を組み合わせても良い。
第1の凹部の平面形状、導波路と直交および平行な断面形状は、目的に応じて、適宜変更できる。
第1の凹部の側面は、垂直面でも良いし、傾斜面でも良いし、それらの組み合わせでも良い。傾斜面とすることで、保護膜を被せやすいという点で好ましい。
前記凹部の作製方法としては、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)、スクライバー(ポイントスクライブ、レーザスクライブ又はダイサー等を用いる)などの方法がある。その中でも、マスクを用いたドライエッチングが好ましい。このときのエッチング条件を選択することで、凹部の側面を垂直面や傾斜面にすることもできる。また、マスクのパターンを選択することで凹部の断面の形状を変えることができる。
前記凹部を複数形成する場合、同時に形成することもできるし、別々に形成することもできる。同時に形成すれば、それぞれの凹部の位置関係を精度良く形成できる。また、エッチング工程が1回で済むので工程が簡略化でき、生産性を高めることができる。別々に形成すれば、それぞれの凹部に最適なエッチングの深さやエッチング条件を選択することができ、それぞれの機能に、より効果的な凹部を形成することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態2においては、高ルミネッセンス領域の上部に、凹部(第2の凹部)210が設けられていることを特徴とする。
(第2の凹部)
窒化物半導体基板の高ルミネッセンス領域上に積層された窒化物半導体層は基板の特性を引き継いで高ルミネッセンス領域となる。高ルミネッセンス領域は、低転位密度領域の中でもさらに転位が少ない。そのため、結晶性は優れているものの、抵抗が高く、電流が流れにくいという特性を持つので、高ルミネッセンス領域上に導波路領域を形成するのは好ましいとは言えない。効率よくチップをとれて、しかも高ルミネッセンス領域の上部には導波路領域を形成しないようにするのが望ましい。
また、窒化物半導体基板及びその上に積層された窒化物半導体層の反りが問題となっている。本願のように、高ルミネッセンス領域の上部に活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなる第2の凹部を有することで、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板もしくは窒化物半導体層の反りを軽減することができる。そうすると、高ルミネッセンス領域の上部には導波路領域が形成されないので、導波路の形成において好ましい。
前記第2の凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。応力緩和の点から、少なくとも活性層、好ましくはn型クラッド層が露出されるものである。
第2の凹部の深さは、目的に応じて、適宜変更することができる。導波路領域全体にわたって一定でもよいし、1つ又は2つ以上の段差がつくように深さを変えても良いし、その段差を複数設けても良い。また、段差ではなく徐々に変化するのでも良く、それらの組み合わせでもかまわない。図15のように側面に接する凹部を側面に近づくほど深くなるように段差をつけて形成すると、チップ化する際の劈開性が良くなるので好ましい。その場合は、ウェハをバー化する際の劈開部分と直交しないように形成するのが好ましい。また、図16のように端面に接する凹部を端面に近づくほど深くなるように段差をつけて形成すると、ウェハをバー化する際の劈開性が良くなる。
本願では、高ルミネッセンス領域を全て除去せず、第2の凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが露出されてなる、としている。すなわち、少なくとも基板側の高ルミネッセンス領域を残すことを特徴としている。高ルミネッセンス領域は、導波路を含む領域と結晶性が異なるので、劈開しやすくなるという点では、全て除去するのが好ましい。しかしながら、本願のように意図的に高ルミネッセンス領域を残すことで、導波路からの漏れ光を吸収させることができ、これにより、FFPの垂直方向においてリップルの発生を抑制した良好なビームを得ることができる。
また、第2の凹部の幅は、目的に応じて、適宜変更することができる。一定でもいいし、どちらか一方もしくは両方の端面に近づくほど広くなる、または、狭くなってもよい。その場合、徐々に幅が変わっても良いし、急激に変わっても良い。あるいは、幅が狭いのと広いのを繰り返しても良い。
例えば好ましい一例として、図17のように凹部の幅を端面に近づくほど狭くなるように設けると、劈開面(端面)とその近傍のバンドギャップが導波路中のそれよりも大きくなり、端面近傍で光の吸収が低減されるため、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。
図18のように幅が広い凹部と狭い凹部を規則的に繰り返すようにすると、凹部の幅が狭い部分に対応するp型半導体層の表面にワイヤーを打つ領域を確保できるので、チップを小型化する際に特に有効である。
第2の凹部は、単数設けても、複数設けても良い。複数設ける場合、導波路と平行に配置してもよいし、ストライプ方向に配置してもよいし、それらを組み合わせても良い。それぞれの凹部によって長さや幅や深さや形状を変えても良いし、同じでも良い。
第2の凹部は、端面に接していてもよいし、端面から離間していても良いし、その両方を組み合わせても良い。図19のように第2の凹部を両方の端面に接するように凹部を形成すると、窒化物半導体レーザ素子内の応力がさらに緩和され、窒化物半導体基板もしくは窒化物半導体層の反りを軽減することができる。また、第2の凹部を端面から離間する領域に有することによって、劈開面(端面)とその近傍に局所的に応力がかかることにより導波路領域よりもバンドギャップが大きくなる。これにより、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。離間するのは出射側だけでもよいが、反射側にも設けることでCODの発生が抑えられ、さらに高い信頼性が得られる。光出射側/光反射側の端面(共振面)から第2の凹部までの距離はそれぞれ少なくとも10μm、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは、30μm以上である。また、光出射側/光反射側の端面両方を離間させる場合は、端面から第2の凹部までの距離は少なくとも合わせて20μm以上、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは60μm以上のものが好ましい。このとき、p型半導体層の表面に設ける電極の形状も考慮し、p電極が、凹部形成により露出した活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板と接触しないようにするのがショートを防止するという点で好ましい。
第2の凹部は、窒化物半導体レーザ素子の図2のように側面に接して設けられていれば、チップ化が行いやすい。また、図20のように側面から離間して設けられていれば、フェースダウン実装時の安定性が良いという点で好ましい。その両方を組み合わせても良い。
第2の凹部の平面形状、導波路と直交および平行な断面形状は、目的に応じて、適宜変更できる。
第2の凹部の側面は、垂直面でも良いし、傾斜面でも良いし、それらの組み合わせでも良い。傾斜面だったら、保護膜を被せやすいという点で好ましい。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態3においては、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に、凹部(第1の凹部200及び第2の凹部210)がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
(第1の凹部及び第2の凹部)
第1の凹部を形成することによって、リーク電流の発生を抑制することができる。
第1及び第2の凹部を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板若しくは窒化物半導体層の反りを緩和することができる。
前記第1及び第2の凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。リーク対策及び応力緩和の点から、少なくとも活性層、好ましくはn型クラッド層が露出されるものである。
本願では、高転位密度領域と高ルミネッセンス領域を全て除去せず、少なくとも基板側高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域を残すことを特徴としている。すなわち、意図的に高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域を残すことで、導波路から漏れた光を吸収し、FFPの垂直方向においてリップルの発生を抑制した良好なビームを得ることができる。また、光の吸収効率が良くなって、レーザ光のFFPが左右対称である、きれいなビーム形状のレーザ光が得られ、高品質な窒化物半導体レーザ素子を提供することができる。
第1の態様、第2の態様と同様に、第1及び第2の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
例えば、第1の凹部は、端面に接していても良いし、端面から離間していても良いし、その両方を組み合わせても良い。図21のように端面まで凹部を設けることで、リーク電流を完全に防止することが可能となる。また、窒化物半導体レーザ素子内の応力がさらに緩和され、窒化物半導体基板もしくは窒化物半導体層の反りを軽減することができる。図3のように端面から離間して第1の凹部を形成すると、劈開面(端面)とその近傍に局所的に応力がかかることにより導波路領域よりもバンドギャップが大きくなる。これにより、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。離間するのは出射側だけでもよいが、反射側にも設けることでCODの発生が抑えられ、さらに高い信頼性が得られる。光出射側/光反射側の端面(共振面)から第1の凹部までの距離はそれぞれ少なくとも10μm、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは、30μm以上である。また、光出射側/光反射側の端面両方を離間させる場合は、端面から第1の凹部までの距離は少なくとも合わせて20μm以上、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは60μm以上のものが好ましい。このとき、p型半導体層の表面に設ける電極の形状も考慮し、p電極が、凹部形成により露出した活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板と接触しないようにするのがショートを防止するという点で好ましい。
また、図22のように端面に接する凹部を端面に近づくほど深くなるように段差をつけて形成すると、ウェハをバー化する際の劈開性が良くなる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態4においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高転位密度領域の上部の凹部(第1の凹部200)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)を有することを特徴とする。
(第3の凹部)
第3の凹部220を有することで、該凹部が劈開補助溝の役割を果たし、ウェハをバー化する際に劈開性がよくなる。第3の凹部の共振器方向の長さは、10μm以下であることが好ましく、劈開性の点から、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下のものである。また、第3の凹部はその深さを深くするほど劈開性が良くなり好ましい。
このように第3の凹部を設けることで、劈開位置のずれが少なくなるので、共振器長の制御がしやすくなり、光ピックアップの設計が容易になる。
さらに、劈開方向の屈曲が抑制できるので、アレー化した場合、発光点位置をほぼ同じにでき、レンズへの結合効率が高くなる。これにより、結合させるレンズの設計も容易になる。
第1乃至第3の態様と同様に、第3の凹部の位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。このとき、第3の凹部の幅は特に限定されないが、導波路付近まで形成すると、劈開の精度が上がる。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態5においては、高転位密度領域の上部の凹部(第1の凹部200)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
(第4の凹部)
第4の凹部230を有することで、レーザ光のFFP(特にFFPの水平方向)がリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
複数の凹部を共振面に接して、及び/又は共振面の近傍に有することで、導波路領域から水平方向に漏れた光を散乱させることができる。特に出射端面からの漏れ光を散乱効果により低減することができる。また基板側である下方に漏れる光も散乱することができる。上記構成であれば、導波路領域から放出される主レーザ光の波長に依存することなく漏れ光を散乱させることができる。このように第4の凹部を設けることで、導波路領域から漏れた光を吸収する機能を持たせた層を前記半導体基板上に積層する必要もなく工程を簡略化できる。
前記複数の凹部とは、少なくとも2以上の凹部であって、共振面の出射端面側にあることが好ましい。凹部の数について上限を定める必要はないが、ストライプ状の導波路に対して平行方向及び/又は垂直方向に凹部を複数有することが好ましい。凹部同士が接するものでもよいし、複数の凹部が重なっているものでもよい。隣り合う凹部間が等間隔であるものでもよい。
凹部の平面形状は、円形、三角形、六角形、平行四辺形、波線状等にパターン化することができる。円形状であれば高い散乱効率が得られるため好ましい。特に図23のようにストライプ状の導波路に対して垂直方向に長い波線状の連続したパターンを形成することがリップル抑制には効果的である。これは、共振面に対して傾斜した面を有する凹部を設けることで、導波路領域から漏れた光の散乱が起こって光の進む方向が変わり、主レーザ光に当たらないようにすることができるので好ましいと考えられる。波線状のパターンに限らず、共振面に対して傾斜した面を有する形状であれば同様の効果が得られ好ましい。また、連続したパターンにすることによって、導波路領域から漏れた光が、凹部の間を通り抜けて共振面から放出されることがなく、主レーザ光にリップルが乗らない良好なFFPとすることができる。
また、前記凹部は、出射端面と接する構成であれば、半導体レーザ素子の共振面を同一形状にすることができ好ましい。複数の凹部を有する場合は、全て出射端面と接する、又は交叉する必要はなく、一部の凹部が前記出射端面と接する、又は交叉する構成であればよい。また、前記半導体レーザ素子は、凹部の他に、出射端面に共振面方向に長い矩形状をした溝を有する構成とすることができる。
第1の態様乃至第4の態様と同様に、第4の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態6においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高ルミネッセンス領域の上部の凹部(第2の凹部210)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)を有することを特徴とする。
第2の凹部210を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板若しくは窒化物半導体層の反りを緩和することができる。第3の凹部220を有することで、該凹部が劈開補助溝の役割を果たし、ウェハをバー化する際に劈開性がよくなる。
第1の態様乃至第5の態様と同様に、第2及び第3の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態7においては、高ルミネッセンス領域の上部の凹部(第2の凹部210)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
第2の凹部210を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板若しくは窒化物半導体層の反りを緩和することができる。第4の凹部230を有することで、レーザ光のFFP、特にFFPの水平方向においてリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
第1の態様乃至第6の態様と同様に、第2及び第4の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態8においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に設けられた凹部(第1の凹部200及び第2の凹部210)、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に設けられた複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
第1の凹部を形成することによって、リーク電流の発生を抑制することができる。第1及び第2の凹部を形成することによって、窒化物半導体レーザ素子内の応力が緩和され、窒化物半導体基板若しくは窒化物半導体層の反りを緩和することができる。第3の凹部220を有することで、該凹部が劈開補助溝の役割を果たし、ウェハをバー化する際に劈開性がよくなる。第4の凹部230を有することで、レーザ光のFFP、特にFFPの水平方向においてがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
第1の態様乃至第7の態様と同様に、第1乃至第4の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
(凹部の形成方法)
次に、前述の凹部の形成方法について述べる。尚、ここでは、第1の凹部を用いて例に挙げて説明するが、第2〜第4の凹部の形成方法同様に行うことができる。まず、窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層を成長させる。このとき、窒化物半導体基板は高転位密度領域及び/又は高ルミネッセンス領域を有する基板であり、その上に成長させる半導体層もそれらの両方又はいずれかを有する。基板の成長方法及び各半導体層の成長方法等については、後述のように現在知られている種々の方法を用いることができる。
まず、窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層及びp型半導体層が積層されてなるウェハを半導体成長装置の反応容器から取り出す。次に、p型半導体層の最上層であるp型コンタクト層の表面全面にSiO等よりなる保護膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー技術を用いて単数または複数の開口部を有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンは凹部を形成するためのパターン形状をしており、前記開口部の幅、形成領域等については、前述の通りであり、所望に応じて任意のパターンを選択する。次に、前記第1の凹部の領域の保護膜をエッチングにより除去する。エッチングにはRIE法を用いCF,CHF,SFのようなフッ素系のガスによりエッチングする。次に、剥離液でレジストパターンを除去する。次に、RIE法を用いCl,CCl、BCl、SiClのような塩素系のガスにより窒化物半導体層120をエッチングする。このとき、エッチャントの種類や、エッチング条件等を選択することによって、所望の深さまでエッチングすることができる。このレジストマスクのエッチング工程は、ドライエッチング、ウエットエッチングのいずれでも選択することができるが、より精度高くパターニングするのは、ドライエッチングが好ましい。また、半導体層の損傷を抑制したい場合は、ウエットエッチングを用いることができる。あるいは、ドライエッチングで精度よくパターニングした後、ウエットエッチングを施すことで、ドライエッチングによって祖面化されたレジスト表面を、滑らかな面とすることができる。このようにすることで、後工程において半導体層エッチング時に、マスク形状に起因する縦筋等を低減させることができる。このようにマスク形成工程を種々選択することができるが、マスクの好ましい膜厚等は、後工程においてエッチングする半導体層の膜厚や、マスクの材料等を考慮して、最適な条件を選択することができる。その後、フッ酸で保護膜を除去する。
尚、この凹部形成工程は、複数の凹部(第1の凹部を複数の場合、あるいは、第1〜第4の凹部を組み合わせて複数設ける場合)形成時に、同時に行うこともできる。同時に行うことで、各凹部の深さを均一にしたい場合等はその深さを制御し易く、少ない工程数で種々の凹部を形成することができる。また、各凹部の深さを変えたい場合は、別工程で行うことができる。この場合、例えば、第1の凹部形成用のマスクを形成し、第1の凹部を形成後、再びレジスト等を用いて第2の凹部形成用のマスクを形成して、第2の凹部を第1の凹部と異なる深さまでエッチングする、等、任意の深さの凹部を目的に応じて形成することができる。
次に、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の構成について説明するが、本発明は、以下に限定させるわけではない。
(窒化物半導体基板)
本発明において、窒化物半導体基板としては、III族元素であるB,Ga,Al,In等と窒素の化合物であるGaN,AlN,その他に3元や4元の混晶化合物であるAlGaNやInGaNがある。また窒化物半導体基板には、n型不純物やp型不純物を含有するものを含む。
窒化物半導体基板100の作製方法としては、様々なものがある。気相成長法により窒化物半導体と異なる異種基板上に、ELO法、選択成長法などにより、転位を軽減させた窒化物半導体層120を成長した後、成長基板として用いた異種基板を除去して、単体の窒化物半導体基板を取り出す。異種基板の除去方法としては、研磨、研削、エッチング、レーザ照射等が挙げられる。また、超臨界流体中で結晶成長させる水熱合成法、その他には高圧法、フラックス法で形成されるバルク単結晶を窒化物半導体基板として用いてもよい。
前記気相成長法とは、MOCVD法や、HVPE法等である。サファイアやSiC、GaAs等の異種基板上に窒化物半導体からなるバッファ層を成長する。このとき、バッファ層の成長温度は900℃以下とする。次に前記異種基板上に窒化物半導体を50μm以上の膜厚で成長する。その後、前記異種基板を研磨、電磁波照射(エキシマレーザ照射等)、又はCMP法等により除去する。窒化物半導体の成長面を第1の主面としており、異種基板を除去することで露出した窒化物半導体基板の露出面側を第2の主面とする。以上より窒化物半導体基板100を得ることができる。
前記窒化物半導体基板100は、第1の主面をC面、A面又はM面とする。また、前記第1の主面はC面、A面又はM面等の結晶成長面の他に(000−1)面を有するものであってもよい。更には、前記基板の第2の主面は(000−1)面であることが好ましく、その他には(0001)面を備えているものであってもよい。尚、本明細書において、面指数を示す括弧内のバー(−)は、後ろの数字の上に付すべきバーを表すものとする。また窒化物半導体基板の外周形状は特に限定されず、ウェハ状であっても、矩形状等であってもよい。
窒化物半導体基板100は、転位が面内で周期的に分布しているものがある。例えば、ELO法を用いて低転位密度領域と高転位密度領域170とを交互にストライプ形成したものである。ここで、前記ストライプは、破線状に形成されているものも含む。前記ELO法の具体例としては、基板に凹凸を形成した後、窒化物半導体を再成長させる方法がある。ここで、前記低転位密度領域とは単位面積当たりの転位数が1×10/cm以下、好ましくは1×10/cm以下である。高転位密度領域とは前記低転位密度領域よりも転位密度が高い領域であればよい。これらの転位測定はCL観察やTEM観察等で行う。
また、前記窒化物半導体基板100の表面にオフ角を形成したり、エッチング等で研削したりすることで該表面に新たに露出した面を形成してもよい。前記オフ角は0.02°以上90°以下、好ましくは0.05°以上5°以下である。
前記窒化物半導体基板100に含有されているn型不純物の不純物濃度は、1×1017cm−3〜1×1020cm−3である。
前記窒化物半導体基板100の膜厚は50μm以上1mm以下とするが、好ましくは50μm以上500μm以下とする。この範囲であれば、窒化物半導体レーザ素子を形成した後の劈開が再現性よくすることができる。また窒化物半導体基板の膜厚が50μm未満であればデバイス工程でのハンドリングが困難となる。
前記窒化物半導体基板100は、該基板の表面をウェットエッチング、ドライエッチング、又はCMP処理することで、第1の主面上に任意の凹凸部を形成することができる。ドライエッチングにはRIE(反応性イオンエッチング)、RIBE(反応性イオンビームエッチング)、ECR(電子サイクトロン共鳴)、ICP(高周波誘導結合プラズマ)、FIB(収束イオンビーム)等がある。上記に示すような部分的に結晶成長面を異なる面としている窒化物半導体基板であれば、該基板に発生する応力や歪みを解消するため好ましい。具体的には、該第1の主面を(0001)面とし、その他には(0001)面と異なる結晶成長面である(000−1)面や(11−20)面等を有するものである。
前記窒化物半導体基板100の第2の主面には少なくとも2以上の異なる結晶成長面を有し、具体的には(000−1)面や(0001)面、(11−20)面等を有することが好ましい。このような窒化物半導体基板であれば、該基板上に成長させた窒化物半導体素子は、素子内にかかる応力を抑制しており、劈開時におけるダメージに耐えることが可能である。
前記窒化物半導体基板100は転位密度が1×10/cm以下、好ましくは5×105/cm以下である。この低転位領域の上部にリッジを形成し導波路領域を有することで寿命特性を向上させることができる。また前記窒化物半導体基板は、2軸結晶法による(0002)回折X線ロッキングカーブの半値幅(Full Width at Half Maximum)が2分以下、好ましくは1分以下である。
(窒化物半導体層)
前述のようにして得られる基板上に窒化物半導体層120を成長させる。本製造方法では、基板には結晶欠陥の少ない低転位密度領域と、この低転位密度領域よりも結晶欠陥の多い高転位密度領域170とを有する窒化物半導体基板100を用いる。
前記窒化物半導体層120は、前記窒化物半導体基板100の第1主面上に以下の順で積層される。
本発明の一例として、窒化物半導体レーザ素子は、基板上にn型クラッド層、n型ガイド層、活性層、p型ガイド層、p型クラッド層、p型コンタクト層が順に形成されている。活性層は多重量子井戸構造、又は単一量子井戸構造をしている。また、エッチング等によりストライプ状の電流狭窄領域からなる導波路領域が形成され、次いでp電極とn電極が形成されている。さらに、劈開面を形成後、共振面を形成して、発振光を光出射側の端面から効率的に取り出せるものが挙げられる。
本実施形態では、まずn型クラッド層としてn型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、n型光ガイド層としてAlGa1−xN(0≦x≦0.3)をn型として成長する。前記活性層としては、InAlGa1−x−yN(0<x≦1,0≦y<1,0<x+y≦1)で表される。Al含有量を高くすることで紫外域の発光が可能となる。また長波長側の発光も可能であり360nm〜580nmまでが発光可能となる。また、活性層を量子井戸構造で形成すると発光効率が向上する。ここで、井戸層の組成はInの混晶が0<x≦5である。井戸層の膜厚としては、30〜200オングストロームであり、障壁層の膜厚としては50〜300オングストロームである。次に、p型電子閉じ込め層としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p型光ガイド層としてAlGa1−xN(0≦x≦0.3)、p型クラッド層としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、p型コンタクト層としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるp型層を形成することで窒化物半導体層120としている。また、これらの半導体層にInを混晶させてもよい。前記p型電子閉じ込め層は省略可能である。
前記半導体層は、前記窒化物半導体基板の第1主面上にバッファ層、中間層、クラック防止層を介してn型クラッド層を成長させた構成とすることもできる。
本実施形態の窒化物半導体レーザ素子は、前記活性層の両側に光ガイド層を形成したSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造としている。更にその両側にn型クラッド層を形成する。クラッド層には屈折率の低い窒化物半導体層を設けて光閉じ込めをする。クラッド層はキャリア閉じ込め効果もある。また、前記各層の間に応力緩和層を有する構造としてもよい。
前記活性層の多重量子井戸構造は、障壁層から始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり障壁層で終わっても、井戸層から始まり障壁層で終わっても、また井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。好ましくは障壁層から始まり、井戸層と障壁層のペアを2〜8回繰り返してなるものであって、障壁層で終わるものである。より好ましくは、井戸層と障壁層のペアを2〜3回繰り返してなるものであり、これにより閾値を低下させて寿命特性を向上させるのに好ましい。
n型クラッド層、p型クラッド層は単一層構造、2層構造、又は組成比がお互いに異なる2層からなる超格子構造であっても構わない。n型及びp型クラッド層の総膜厚としてじゃ、0.4〜10μmであり、この範囲であると順方向電圧(Vf)を低減させるために好ましい。また前記クラッド層の全体のAlの平均組成は、0.02〜0.1である。この値は、クラックを抑制し、かつレーザ導波路との屈折率差を得るのに好ましい。
n型不純物のドープ量は、1×1017cm−3〜5×1019cm−3である。n型不純物がこの範囲でドープされていると抵抗率を低くでき且つ結晶性を損なわない。またp型不純物のドープ量は、1×1019cm−3〜5×1021cm−3である。p型不純物がこの範囲でドープされていると結晶性を損なわない。
窒化物半導体基板上には下地層を介してクラッド層を成長させることもできる。前記下地層はAlGa1−aN(0≦a≦0.5)である。これにより、窒化物半導体層120の表面上に発生する転位(貫通転位等)やピットを低減させることができる。前記下地層は単一層構造、または多層積層構造である。n型クラッド層は単一層であれば、一般式はAlGa1−xN(0≦x≦0.2)であって、膜厚は0.5〜5μmである。多層で成長させるには、超格子構造としては第1の層であるAlGa1−xN(0≦x≦0.1)と第2の層であるAlGa1−yN(0.01≦y≦1)との積層構造とする。
前記n型不純物としてはSi,Ge,Sn,S,O,Ti,Zr,Cd等が挙げられ、またp型不純物としてはMgの他にBe,Zn,Mn,Ca,Sr等が挙げられる。不純物の濃度は5×1016cm−3以上1×1021cm−3以下の範囲でドープされることが好ましい。不純物の濃度は1×1021cm−3よりも多いと窒化物半導体層の結晶性が悪くなって、逆に出力が低下する傾向がある。これは変調ドープの場合も同じである。前記基板や窒化物半導体層120は有機金属化学気相成長(MOCVD)法や、ハライド気相エピタキシャル気相成長(HVPE)法、分子線エピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて成長させる。
(導波路領域)
前記p型半導体層にストライプ状の電流狭窄領域からなる導波路領域を形成する。ウェハの表面全面にSiO2等よりなる保護膜を形成する。その上にフォトレジストをコートする。次に、投影露光装置を用いて、400nm以下の紫外光でフォトレジストを露光して、パターン化する。400nm以下の波長の短い光を用いて露光すると、基板が光を吸収するので、基板裏面での光の乱反射がなくなり、精度良くパターニングできるという点で好ましい。このことは、リッジ導波路の形成以外の工程においても同様の効果が得られ、精度良くパターンを形成することができる。さらに前記フォトレジストのパターンをマスクとして保護膜をエッチングして、保護膜をストライプ状にパターン化する。その後、前記フォトレジストを除去して、更に前記保護膜をマスクとしてエッチングを行い、リッジ導波路を形成する。エッチングにはRIE法を用いCl,CCl、BCl、SiClのような塩素系のガスによりエッチングする。導波路領域であるリッジの幅は1.0〜50.0μmとする。導波路領域のストライプ方向の長さは300〜1000μmである。シングルモードのレーザ光とする場合のリッジ部の幅は1.0〜2.0μmとするのが好ましい。前記リッジ部の幅を5μm以上とすれば、200mW以上の出力が可能となる。リッジ部の高さ(エッチングの深さ)は、p型光ガイド層を露出する範囲であればよい。大電流を流すことでリッジ以下では電流が急激に横方向に広がる。そのため、リッジを形成するためのエッチング深さはp型光ガイド層まであるのが好ましい。本発明の窒化物半導体レーザ素子によれば、前記導波路領域は、低転位密度領域の上方に有するものが好ましい。尚この工程は、高転位密度領域170の上部に有する第1の凹部200を形成する工程より前に行うこともできる。
この後に、レーザの素子容量を低減し、高速化するために、イオン注入を行ってもよい。前記リッジを形成した後、フォトリソグラフィー技術を用いてレジストパターンをリッジ上を含む所定範囲(約5μm幅)を覆うように形成する。そして、ウェハ表面から所定の条件(ドーズ量は、1×1014〜3×1016atms/cm,加速電圧は20〜200KeV)でイオン注入を行う。この際、加速電圧や注入時間を調整することにより、絶縁性領域での不純物の濃度や濃度分布、表面からの深さを制御することが可能である。使用可能なイオン種は、H,He,Li,Be,B,C,N,O,F,Ne,Na,Mg,Al,Si,P,S,Cl,Ar,K,Ca,Sc,Ti,V,Vr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Se,Br,Kr,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Te,I,Xe,Cs,Ba,Hf,Ta,W,Ir,Pt,Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Er,Tm,Yb,Luなどである。この後、前記レジストパターンを剥離液で除去する。
(埋め込み膜)
その後、リッジ部の側面及びリッジ両脇の半導体層表面を埋め込み膜140で保護する。この埋め込み膜とは半導体層よりも屈折率が小さく、絶縁性の材料から選ばれるものである。具体例としては、ZrO,SiO,その他にはV,Nb,Hf,Ta等の酸化物が挙げられる。これら埋め込み膜は、単層でもよく多層膜でもよい。特にリッジを形成した実効屈折率型の導波路領域とする場合は、リッジの深さと、この埋め込み膜の材料及び膜厚によって光の閉込め係数が変化するので、目的とするレーザ特性に応じて、選択するのが好ましい。また、埋め込み膜は絶縁膜とするのが好ましく、これにより電流注入領域を効率よく制御することができる。従って、絶縁性を保持できる程度の膜厚とするのが好ましい。また、その上に設ける電極材料によっては、埋め込み膜(主として絶縁性酸化物)との密着性が悪い場合があるので、上述のように光の閉込めを考慮して選択された埋め込み膜の上に、さらに電極との密着性を考慮した第2の埋め込み膜を形成して多層膜とするなど、目的に応じて選択することができる。
(電極及び保護膜)
リッジ部の側面を埋め込み膜140で保護した後、前記p型コンタクト層の表面にp電極150を形成する。p電極としては、多層構造とする。例えばNi/Au、Ni/Pt等からなる2層構造であれば、まずp型コンタクト層上にNiを50〜200Åの膜厚で形成し、次にAuまたはPt等を500〜3000Åの膜厚で形成する。また、p電極を3層構造にする場合にはNi/Au/Pt、Ni/Au/Pd等があり、NiとAuは2層構造と同じ膜厚であればよく、最終層となるPtやPdは500〜5000Åである。
p電極150を形成した後、オーミックアニールを行う。詳細な条件としては、アニール温度を300℃以上、好ましくは500℃以上とする。またアニールを行う雰囲気を窒素及び/又は酸素を含有する条件とする。
その後、前工程で露出したn型窒化物半導体層の側面等にSiOで保護膜を形成する。次にp電極150の上にパッド電極160を形成する。また前記パッド電極はNi,Ti,Au,Pt,Pd,W等の金属からなる積層体であることが好ましい。例えば、パッド電極はp電極側からW/Pd/Au,またはNi/Ti/Auの順に形成する。パッド電極の膜厚は特に限定されないが、最終層のAuの膜厚を1000Å以上とする。
以上のように、窒化物半導体基板の第1の主面に半導体層及び保護膜、電極等の各種機能膜を形成した後、窒化物半導体基板の第2の主面を研磨し、ウェハの分割を行いやすいようにする。次いで、研磨された窒化物半導体基板の第2の主面にn電極130を形成する。n電極は、窒化物半導体基板の第2の主面に部分的、又は全面に形成されている。窒化物半導体基板の第2の主面にn電極をCVDやスパッタ、蒸着等で形成する。該電極は少なくともTi,Ni,Au,Pt,Al,Pd,W,Rh,Ag,Mo,V,Hfからなる群より選ばれる少なくとも1つを有する。また前記電極における多層構造の最上層はPtまたはAuであることで電極からの放熱性を向上させることが可能となり好ましい。第2の主面に形成する電極の材料にこれらの材料を選択することによって、特に窒化物半導体からなる基板と該電極のオーミック特性が得られる。また、窒化物半導体からなる基板との密着性も良くウェハからバー化又はチップ化するための劈開工程で電極が剥がれることを抑制する効果を有する。n電極の膜厚としては10000Å以下、好ましくは6000Å以下とする。n電極を多層構造とする場合には、具体的には第1の層をV,又はTi,Mo,W,Hf等とする。ここで第1の層の膜厚は500Å以下とする。また第1の層をWにすれば300Å以下とすることが良好なオーミック特性を得ることができ好ましい。第1の層をVとすれば耐熱性が向上するため好ましい。ここでVの膜厚は50Å以上、300Å以下、好ましくは70Å以上200Åとすることで良好なオーミック特性を得ることができる。
前記n電極130がTi/Alであれば膜厚は10000Å以下であって、例えば膜厚は100Å/5000Åとなる。またn電極としては窒化物半導体基板の第2の主面側からTi/Pt/Auの順に積層すれば膜厚は60Å/1000Å/3000Åである。その他のn電極としては窒化物半導体基板の第2の主面側からTi/Mo/Pt/Auとすれば、例えばTi(60Å)/Mo(500Å)/Pt(1000Å)/Au(2100Å)となる。n電極がTi/Hf/Pt/Auとすれば、例えばTi(60Å)/Hf(60Å)/Pt(1000Å)/Au(3000Å)となり、Ti/Mo/Ti/Pt/Auであれば、Ti(60Å)/Mo(500Å)/Ti(500Å)/Pt(1000Å)/Au(2100Å)の順に積層することができる。またはW/Pt/Au,W/Al/W/Au等であれば上記特性を示す。そのほかのn電極としては、窒化物半導体基板の第2の主面側からHf/Al,Ti/W/Pt/Au,Ti/Pd/Pt/Au,Pd/Pt/Au,Ti/W/Ti/Pt/Au,Mo/Pt/Au,Mo/Ti/Pt/Au,W/Pt/Au,V/Pt/Au,V/Mo/Pt/Au,V/W/Pt/Au,Cr/Pt/Au,Cr/Mo/Pt/Au,Cr/W/Pt/Au等がある。またn電極を形成した後300℃以上でアニールしても良い。
前記n電極130は、ウェハ全面に設けることもできるが、分割領域を避けるようにして形成するのが好ましい。即ち、レーザ素子を矩形状に形成する場合は、その素子形状に応じてスクライブラインとなる領域を除く範囲に、矩形状にパターン形成するのが好ましい。これは、後工程である窒化物半導体基板をバー化するためのスクライブ工程において、基板を分割し易くするためである。更にメタライズ電極(省略可能)もn電極と同様のパターン形状でn電極上に形成されると、スクライブしやすくなり、劈開性が向上する。メタライズ電極としてはTi−Pt−Au−(Au−Sn),Ti−Pt−Au−(Au−Ge),Ti−Pt−Au−In,Au/Sn,In、Au/Si,Au/Ge等を用いることができる。
また、前記窒化物半導体基板の第2の主面には段差を形成しても良い。段差を形成することで、前記第2の主面を(000−1)面とすれば、(000−1)面以外の傾斜面を露出することができる。(000−1)面以外の傾斜面は、n極性を示す面における表面積の0.5%以上であることが好ましい。より好ましくは1%以上20%以下である。
ここで、段差とは界面段差が0.1μm以上であって、段差形状はテーパー形状や逆テーパー形状である。また、前記段差の平面形状のパターンはストライプ状、格子状、島状、円状や多角形状、矩形状、くし形状、メッシュ形状から選ばれる凸部及び/または凹部を有する。例えば、円状の凸部を形成すれば、該円状の凸部の直径幅は5μm以上とする。また、凹部溝部の幅は少なくとも3μm以上の幅を有すると電極の剥がれ等がなくなり好ましい。(000−1)面以外の傾斜面を露出するには、オフ角を0.2〜90°の範囲で形成しても良い。前記窒化物半導体基板の第2の主面はn電極130を形成する面であるため、(000−1)面、及び(000−1)面以外の面を有することでオーミック特性を向上させることができる。ここで得られる半導体レーザ素子は、信頼性の高い半導体レーザ素子とすることができる。その後、共晶材料としてAu/Snを形成してもよい。
(分割)
n電極130を形成した後、ストライプ状のp電極150に垂直な方向でウェハをバー状に分割し、共振面を形成する。ウェハをバー状に分割する方法としては、ブレードブレイク、ローラーブレイク、又はプレスブレイク等がある。このように共振面を形成する場合は、半導体の劈開性を利用して分割するのが好ましい。共振面は、リッジと略垂直な面に形成されるので、リッジのストライプ方向に応じてM面(1−100)あるいはA面(11−20)となる。
本実施形態の半導体レーザ素子は、ウェハの分割工程を2段階で行うことが好ましい。すなわち、まず、リッジに略垂直な方向でバー状に分割(劈開)することで共振面を形成し、その後、そのバー状のウエハを個々のチップに分割するのが好ましい。劈開するには、ウエハの端部近傍にスクライブ等によって溝部を形成し、ここを起点として劈開する方法、ウエハの端から端までスクライブして分割する方法、若しくは、スクライブ等によって部分的に溝部を形成して分割する方法、そして、本願の第3の凹部のように、部分的に溝部(凹部)を形成して、劈開補助溝とするなどの方法を用いることができる。このような方法によって、共振面を歩留まりよく形成することができる。
なお共振器長は300〜1000μm、好ましくは400〜900μm、より好ましくは500〜700μmとする。
(ミラー)
次いで、劈開により形成された共振面に反射ミラーを形成する。ミラーを形成することで、共振面を外部雰囲気から保護すると共に、反射率を制御することができるので、光出射側と光反射側とで差を付けることができ、これにより効率よく出射させることができる。反射ミラーはSiOやZrO、TiO、Al、Nb等から成る誘電体多層膜とするのが好ましい。前記反射ミラーは、共振面の光反射側、及び光出射側
に形成することが好ましい。劈開によって形成された共振面であれば、反射ミラーを再現性よく形成することができる。なお、このミラーは用途等によっては省略することも可能である。
更に、バー状になった窒化物半導体基板を電極のストライプ方向に平行に分割して窒化物半導体発光素子をチップ化する。この分割は、半導体層全体をスクライバーやダイサー等によって行うことができる。窒化物半導体発光素子としてチップ化した後の形状は矩形であって、該矩形状の共振面の幅は500μm以下、好ましくは400μm以下とする。以上より、得られる窒化物半導体発光素子はFFPのリップルを抑制した長寿命等の特性を有する。更に本発明では接触抵抗を低減した、対向電極構造の窒化物半導体発光素子であって、接触抵抗率は1.0E−3Ωcm2以下となる。また本発明は窒化物半導体基板の上に複数の導波路領域を有する窒化物半導体発光素子やワイドストライプ部を有する窒化物半導体発光素子とすることもできる。
以下に、本発明の窒化物半導体発光素子の実施例を示す。しかし本発明はこれに限定されない。
[実施例1]
MOCVD反応装置において、サファイア又はGaAs基板を配置して、温度を500℃にする。次に、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させる。バッファ層を成長した後、温度を1050℃にして、同じくGaNよりなる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
下地層を成長した後、ウェハを反応容器から取り出し、この下地層の表面に、ストライプ状のフォトマスクを形成し、CVD装置によりストライプ幅10〜300μm、ストライプ間隔(窓部)5〜300μmのSiOよりなる保護膜を形成する。
保護膜を形成した後、ウェハをHVPE(ハイドライド気相成長法)装置に移送し、原料にGaメタル、HClガス、及びアンモニアを用い、n型不純物として酸素をドーピングしながらGaNよりなる窒化物半導体を400μmの膜厚で成長させる。このようにHVPE法で保護幕の上に窒化物半導体を成長させながら100μm以上のGaN膜厚を成長させると結晶欠陥は二桁以上少なくなる。ここで、異種基板等を研磨、研削、CMPまたはレーザ照射等により剥離したGaNを窒化物半導体基板100とする。ここで、GaNの膜厚は400μm程度である。また該GaN基板は少なくとも導波路形成領域下においては転位密度が1×10/cm以下である。
本発明の窒化物半導体発光素子は、半導体基板上にn型クラッド層を成長させる構成であるが、前記半導体基板とn型クラッド層との間に低温成長バッファ層、中間層、クラック防止層を介して半導体層としてもよい。
(n型クラッド層)
続いて、1050度でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG,アンモニア、シランガスを用い、Siを1×1019/cmでドープしたAl0.03Ga0.97Nよりなる層を膜厚2μmで成長させる。なお、このn型クラッド層は超格子層とすることもできる。
(n型光ガイド層)
続いてシランガスをとめ、1050℃でアンドープGaNよりなるn型光ガイド層を0.19μmの膜厚で成長させる。このn型光ガイド層にn型不純物をドープしても良い。
(活性層)
次に、温度を800℃にしてSiドープIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を140Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度でIn0.07Ga0.93Nよりなる井戸層を70Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、層膜厚560Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。
(p型キャップ層)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG,TMA,アンモニア、CpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p型光ガイド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.25Ga0.75Nよりなるp型キャップ層を100Åの膜厚で成長させる。該p型キャップ層は省略可能である。
(p型光ガイド層)
続いてCpMg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp型キャップ層よりも小さい、アンド−プGaNよりなるp型光ガイド層を0.125μmの膜厚で成長させる。
(p型クラッド層)
続いて1050℃でアンドープAl0.10Ga0.90Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてCpMg、TMAを止め、アンドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.4μmの超格子層よりなるクラッド層を成長させる。
なお、p型クラッド層は超格子構造でなくてもよく、例えば、MgドープのAl0.05Ga0.95N(膜厚0.45μm)で形成されていてもよい。
(p型コンタクト層209)
最後に、1050℃で、p側クラッド層の上に、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。
以上のようにして窒化物半導体が積層されたウェハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面全面にSiO2よりなる保護膜を形成して、次に、フォトリソグラフィー技術を用いて、高転位密度領域の上部において、高転位密度領域の幅よりも広く、前記端面から30μm離間するp型半導体層の表面に形成される開口部を有するレジストパターンを形成する。前記開口部の領域の保護膜をRIE(反応性イオンエッチング)を用いCHFガスによりエッチングする。次に、剥離液でレジストパターンを除去する。次に、窒化物半導体層をRIEを用いて、n型クラッド層が露出するまでSiCl4ガスによりエッチングする。その後、フッ酸で保護膜を除去する。以上によりn型クラッド層を露出させ、第1の凹部を形成する。
次にウェハの表面全面にストライプ状のSiOよりなる保護膜を形成して、RIEを用いてSiClガスによりエッチングする。以上によりストライプ状の導波路領域であるリッジ部を形成する。次に前記リッジ部の側面をZrOから成る埋め込み層140で保護する。
次に、p型コンタクト層及び埋め込み層140の上の表面にNi(100Å)/Au(1500Å)よりなるp電極150を形成する。p電極を形成した後、Si酸化膜(SiO2)からなる保護膜をp電極の上及び埋め込み膜の上及び半導体層の側面に0.5μmの膜厚で、スパッタリング成膜により形成する。p電極を形成した後に600℃でオーミックアニールを行う。
次に、保護膜で覆われていない露出しているp電極上に連続して、Ni(1000Å)/Ti(1000Å)/Au(8000Å)で形成し、pパッド電極160を形成する。
その後、窒化物半導体基板の第2の主面にはV(100Å)/Pt(2000Å)/Au(3000Å)よりなるn電極130を形成する。
次に、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記端面に接する位置に有する前記凹部溝を劈開補助溝として窒化物半導体基板のn電極の形成面側からバー状に劈開し、劈開面(1−100面、六角柱状の結晶の側面に相当する面=M面)を共振面とする。
次に、光出射側共振器面にスパッタ装置を用いて、Alからなる保護膜を形成する。次いで、光反射側の共振器面には、Alの上に、(SiO/ZrO)を3回繰り返し積層した合計7層からなる誘電体多層膜を形成した。
最後にp電極に平行な方向で、バーをチップ化することで半導体レーザ素子とする。なお共振器長は600μmとする。本実施例により形成された第1の凹部の共振器方向の長さは540μm、共振面と平行方向の長さは30μm、深さは0.5μmである。
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、p電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、閾値電流密度2.9kA/cm2において室温で良好な連続発振を示す。また、第1の凹部を形成しないものと比較して、リーク電流による製品歩留まりの悪化及びCODによる端面劣化を改善することができる。また、ウェハの反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。
[実施例2]
実施例1において、第1の凹部を形成する代わりに、高ルミネッセンス領域の上部において、前記端面から30μm離間するp型半導体層の表面に形成される開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部を形成する。第2の凹部の共振器方向の長さは540μm、共振面と平行方向の長さは30μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例2のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、凹部を形成しないものと比較して、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。
[実施例3]
実施例1において、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部において、p型半導体層の表面に形成される開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第2の凹部を形成する。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。第1の凹部及び第2の凹部の大きさは実施例1及び実施例2と同様である。実施例3のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示した。凹部を形成しないものと比較して、リーク電流による製品歩留まりの悪化を改善することができる。また、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。
[実施例4]
実施例1において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第1の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に矩形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第3の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例4のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例1と比較して、ウェハをバー化する際に劈開性が向上する。
[実施例5]
実施例1において、第1の凹部に加えて、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第4の凹部を形成する。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例5のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例1と比較して、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
[実施例6]
実施例2において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第2の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に矩形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部及び第3の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。その他は実施例2と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例6のレーザ素子においては、実施例2とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例2と比較して、ウェハをバー化する際に劈開性が向上する。
[実施例7]
実施例2において、第2の凹部に加えて、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部及び第4の凹部を形成する。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例2と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例7のレーザ素子においては、実施例2とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例2と比較して、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
[実施例8]
実施例3において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第1の凹部及び第2の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に形成される矩形の開口部と、第3の凹部よりも導波路に近い位置で光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部乃至第4の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例3と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例8のレーザ素子においては、実施例3とほぼ同様に良好な連続発振を示す。凹部を形成しないものと比較して、リーク電流による製品歩留まりの悪化を改善することができる。また、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。それに加えて、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
[実施例9]
実施例1において、窒化物半導体基板上に中間層及びクラック防止層を介して、n型クラッド層を成長させる。また、凹部の底面は基板が露出するように形成する以外は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。
前記クラック防止層は、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなり、0.15μmの膜厚で成長させる。実施例10のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。クラック防止層を設けることによって、基板及び半導体層の反りは大きくなるが、形成する凹部の深さを深くすることで、反りを緩和することができる。また、凹部の幅を大きくすることによっても同様の効果を得られる。
[実施例10]
実施例1において、n型クラッド層を超格子構造とする。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。本実施例におけるn型クラッド層は、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.1Ga0.9Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚2μmとするものである。実施例11のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示した。
本発明の半導体レーザ素子は、全てのデバイス、例えば、光ディスク、光通信システム、又は印刷機、測定器等に利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態6に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態7に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態8に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の模式的斜視図である。
符号の説明
100・・・窒化物半導体基板
110・・・pnジャンクション
120・・・窒化物半導体層
130・・・n電極
140・・・埋め込み膜
150・・・p電極
160・・・パッド電極
170・・・高転位密度領域
180・・・高ルミネッセンス領域
190・・・保護膜
200・・・第1の凹部
210・・・第2の凹部
220・・・第3の凹部
230・・・第4の凹部

Claims (11)

  1. 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
    該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
    前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
    前記窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の前記端面から離間する領域に凹部を有し、
    該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
    該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
    前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
    前記窒化物半導体層は、少なくとも高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
    該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  3. 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
    該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
    前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
    前記窒化物半導体層は、少なくとも高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
    該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記凹部は、高転位密度領域の上部において、前記導波路領域の長さ方向に対して垂直な方向の幅が高転位密度領域の幅より広い請求項1または3に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記凹部は、前記導波路領域の片側または両側に、単数もしくは複数形成されている請求項1から4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記凹部は、少なくとも1つが、前記端面から離間する領域に形成されている請求項1から5のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記凹部は、少なくとも1つが、前記端面と略垂直な半導体層の側面から離間する領域に形成されている請求項1から6のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記凹部は、少なくとも1つが、導波路領域から離間し、且つ、前記端面から凹むよう形成されている請求項2から7のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記凹部は、少なくとも1つが、導波路領域から離間し、且つ、前記側面から凹むよう形成されている請求項1から8のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 前記導波路領域は、低転位密度領域の上方に有する請求項1から9のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 前記窒化物半導体基板は、前記高転位密度領域と前記高ルミネッセンス領域とを略ストライプ状に交互に有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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