JP2006165407A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents
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Abstract
リーク電流や、COD、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反り及びレーザ光のFFPのリップルの発生を抑制し、劈開性に優れた構造を有する窒化物半導体レーザ素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、半導体層にストライプ状の導波路領域と、導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の端面から離間する領域に凹部を有し、凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが露出されてなる。
【選択図】 図1
Description
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の前記端面から離間する領域に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板が、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする。
窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板が、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなる凹部を有することを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態1に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態1においては、高転位密度領域の上部に、端面から離間する位置に、n型半導体層が露出されてなる凹部(第1の凹部)200が設けられていることを特徴とする。
窒化物半導体基板の高転位密度領域上に積層された窒化物半導体層は基板の特性を引き継いで高転位となる。高転位密度領域には、結晶成長上、不純物が多く含まれる傾向にあり、抵抗が低い。この高転位密度領域上にPNジャンクションがあると転位を通って意図しない領域に電流が流れる、すなわち、リーク電流が発生することになる。本願のように、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなる第1の凹部を有することで、リーク電流が窒化物半導体層の高転位領域を通って流れることがなく、信頼性の高い安定した構成の窒化物半導体レーザ素子を実現することができる。
第1の凹部の幅は、一定でもよいし、どちらか一方もしくは両方の端面に近づくほど広くなる、または、狭くなっても良い。その場合、徐々に幅が変わっても良いし、急激に変わっても良い。あるいは、幅が狭い凹部と広い凹部を繰り返しても良い。
例えば好ましい一例として、図10のように第1の凹部の幅を端面に近づくほど狭くなるように設けると、劈開面(端面)とその近傍のバンドギャップが導波路中のそれよりも大きくなり、端面近傍で光の吸収が低減されるため、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。
図11のように幅が広い凹部と狭い凹部を規則的に繰り返すようにすると、凹部の幅が狭い部分に対応するp型半導体層の表面にワイヤーを打つ領域を確保できるので、チップを小型化する際に特に有効である。
図2は、本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態2においては、高ルミネッセンス領域の上部に、凹部(第2の凹部)210が設けられていることを特徴とする。
窒化物半導体基板の高ルミネッセンス領域上に積層された窒化物半導体層は基板の特性を引き継いで高ルミネッセンス領域となる。高ルミネッセンス領域は、低転位密度領域の中でもさらに転位が少ない。そのため、結晶性は優れているものの、抵抗が高く、電流が流れにくいという特性を持つので、高ルミネッセンス領域上に導波路領域を形成するのは好ましいとは言えない。効率よくチップをとれて、しかも高ルミネッセンス領域の上部には導波路領域を形成しないようにするのが望ましい。
例えば好ましい一例として、図17のように凹部の幅を端面に近づくほど狭くなるように設けると、劈開面(端面)とその近傍のバンドギャップが導波路中のそれよりも大きくなり、端面近傍で光の吸収が低減されるため、ウィンドウ効果があらわれ、CODによる端面劣化を防ぐことができる。
図18のように幅が広い凹部と狭い凹部を規則的に繰り返すようにすると、凹部の幅が狭い部分に対応するp型半導体層の表面にワイヤーを打つ領域を確保できるので、チップを小型化する際に特に有効である。
図3は、本発明の実施の形態3に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態3においては、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に、凹部(第1の凹部200及び第2の凹部210)がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
第1の凹部を形成することによって、リーク電流の発生を抑制することができる。
図4は、本発明の実施の形態4に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態4においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高転位密度領域の上部の凹部(第1の凹部200)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)を有することを特徴とする。
第3の凹部220を有することで、該凹部が劈開補助溝の役割を果たし、ウェハをバー化する際に劈開性がよくなる。第3の凹部の共振器方向の長さは、10μm以下であることが好ましく、劈開性の点から、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下のものである。また、第3の凹部はその深さを深くするほど劈開性が良くなり好ましい。
さらに、劈開方向の屈曲が抑制できるので、アレー化した場合、発光点位置をほぼ同じにでき、レンズへの結合効率が高くなる。これにより、結合させるレンズの設計も容易になる。
図5は、本発明の実施の形態5に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態5においては、高転位密度領域の上部の凹部(第1の凹部200)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
(第4の凹部)
第4の凹部230を有することで、レーザ光のFFP(特にFFPの水平方向)がリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
図6は、本発明の実施の形態6に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態6においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高ルミネッセンス領域の上部の凹部(第2の凹部210)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)を有することを特徴とする。
図7は、本発明の実施の形態7に係る窒化物半導体素子の構成を現すものであって、本実施の形態7においては、高ルミネッセンス領域の上部の凹部(第2の凹部210)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
第1の態様乃至第6の態様と同様に、第2及び第4の凹部の、位置、長さ、幅、深さ、形状、数などを目的に応じて適宜変更することができる。
図8は、本発明の実施の形態8に係る窒化物半導体素子の構成を現すものである。本実施の形態8においては、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に設けられた凹部(第1の凹部200及び第2の凹部210)、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅の中で少なくとも一箇所に設けられた凹部(第3の凹部220)、及び前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び/又は近傍に設けられた複数の凹部(第4の凹部230)を有することを特徴とする。
次に、前述の凹部の形成方法について述べる。尚、ここでは、第1の凹部を用いて例に挙げて説明するが、第2〜第4の凹部の形成方法同様に行うことができる。まず、窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層を成長させる。このとき、窒化物半導体基板は高転位密度領域及び/又は高ルミネッセンス領域を有する基板であり、その上に成長させる半導体層もそれらの両方又はいずれかを有する。基板の成長方法及び各半導体層の成長方法等については、後述のように現在知られている種々の方法を用いることができる。
本発明において、窒化物半導体基板としては、III族元素であるB,Ga,Al,In等と窒素の化合物であるGaN,AlN,その他に3元や4元の混晶化合物であるAlGaNやInGaNがある。また窒化物半導体基板には、n型不純物やp型不純物を含有するものを含む。
前述のようにして得られる基板上に窒化物半導体層120を成長させる。本製造方法では、基板には結晶欠陥の少ない低転位密度領域と、この低転位密度領域よりも結晶欠陥の多い高転位密度領域170とを有する窒化物半導体基板100を用いる。
前記n型不純物としてはSi,Ge,Sn,S,O,Ti,Zr,Cd等が挙げられ、またp型不純物としてはMgの他にBe,Zn,Mn,Ca,Sr等が挙げられる。不純物の濃度は5×1016cm−3以上1×1021cm−3以下の範囲でドープされることが好ましい。不純物の濃度は1×1021cm−3よりも多いと窒化物半導体層の結晶性が悪くなって、逆に出力が低下する傾向がある。これは変調ドープの場合も同じである。前記基板や窒化物半導体層120は有機金属化学気相成長(MOCVD)法や、ハライド気相エピタキシャル気相成長(HVPE)法、分子線エピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて成長させる。
前記p型半導体層にストライプ状の電流狭窄領域からなる導波路領域を形成する。ウェハの表面全面にSiO2等よりなる保護膜を形成する。その上にフォトレジストをコートする。次に、投影露光装置を用いて、400nm以下の紫外光でフォトレジストを露光して、パターン化する。400nm以下の波長の短い光を用いて露光すると、基板が光を吸収するので、基板裏面での光の乱反射がなくなり、精度良くパターニングできるという点で好ましい。このことは、リッジ導波路の形成以外の工程においても同様の効果が得られ、精度良くパターンを形成することができる。さらに前記フォトレジストのパターンをマスクとして保護膜をエッチングして、保護膜をストライプ状にパターン化する。その後、前記フォトレジストを除去して、更に前記保護膜をマスクとしてエッチングを行い、リッジ導波路を形成する。エッチングにはRIE法を用いCl2,CCl4、BCl3、SiCl4のような塩素系のガスによりエッチングする。導波路領域であるリッジの幅は1.0〜50.0μmとする。導波路領域のストライプ方向の長さは300〜1000μmである。シングルモードのレーザ光とする場合のリッジ部の幅は1.0〜2.0μmとするのが好ましい。前記リッジ部の幅を5μm以上とすれば、200mW以上の出力が可能となる。リッジ部の高さ(エッチングの深さ)は、p型光ガイド層を露出する範囲であればよい。大電流を流すことでリッジ以下では電流が急激に横方向に広がる。そのため、リッジを形成するためのエッチング深さはp型光ガイド層まであるのが好ましい。本発明の窒化物半導体レーザ素子によれば、前記導波路領域は、低転位密度領域の上方に有するものが好ましい。尚この工程は、高転位密度領域170の上部に有する第1の凹部200を形成する工程より前に行うこともできる。
その後、リッジ部の側面及びリッジ両脇の半導体層表面を埋め込み膜140で保護する。この埋め込み膜とは半導体層よりも屈折率が小さく、絶縁性の材料から選ばれるものである。具体例としては、ZrO2,SiO2,その他にはV,Nb,Hf,Ta等の酸化物が挙げられる。これら埋め込み膜は、単層でもよく多層膜でもよい。特にリッジを形成した実効屈折率型の導波路領域とする場合は、リッジの深さと、この埋め込み膜の材料及び膜厚によって光の閉込め係数が変化するので、目的とするレーザ特性に応じて、選択するのが好ましい。また、埋め込み膜は絶縁膜とするのが好ましく、これにより電流注入領域を効率よく制御することができる。従って、絶縁性を保持できる程度の膜厚とするのが好ましい。また、その上に設ける電極材料によっては、埋め込み膜(主として絶縁性酸化物)との密着性が悪い場合があるので、上述のように光の閉込めを考慮して選択された埋め込み膜の上に、さらに電極との密着性を考慮した第2の埋め込み膜を形成して多層膜とするなど、目的に応じて選択することができる。
(電極及び保護膜)
リッジ部の側面を埋め込み膜140で保護した後、前記p型コンタクト層の表面にp電極150を形成する。p電極としては、多層構造とする。例えばNi/Au、Ni/Pt等からなる2層構造であれば、まずp型コンタクト層上にNiを50〜200Åの膜厚で形成し、次にAuまたはPt等を500〜3000Åの膜厚で形成する。また、p電極を3層構造にする場合にはNi/Au/Pt、Ni/Au/Pd等があり、NiとAuは2層構造と同じ膜厚であればよく、最終層となるPtやPdは500〜5000Åである。
n電極130を形成した後、ストライプ状のp電極150に垂直な方向でウェハをバー状に分割し、共振面を形成する。ウェハをバー状に分割する方法としては、ブレードブレイク、ローラーブレイク、又はプレスブレイク等がある。このように共振面を形成する場合は、半導体の劈開性を利用して分割するのが好ましい。共振面は、リッジと略垂直な面に形成されるので、リッジのストライプ方向に応じてM面(1−100)あるいはA面(11−20)となる。
次いで、劈開により形成された共振面に反射ミラーを形成する。ミラーを形成することで、共振面を外部雰囲気から保護すると共に、反射率を制御することができるので、光出射側と光反射側とで差を付けることができ、これにより効率よく出射させることができる。反射ミラーはSiO2やZrO2、TiO2、Al2O3、Nb2O5等から成る誘電体多層膜とするのが好ましい。前記反射ミラーは、共振面の光反射側、及び光出射側
に形成することが好ましい。劈開によって形成された共振面であれば、反射ミラーを再現性よく形成することができる。なお、このミラーは用途等によっては省略することも可能である。
MOCVD反応装置において、サファイア又はGaAs基板を配置して、温度を500℃にする。次に、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させる。バッファ層を成長した後、温度を1050℃にして、同じくGaNよりなる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
続いて、1050度でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG,アンモニア、シランガスを用い、Siを1×1019/cm3でドープしたAl0.03Ga0.97Nよりなる層を膜厚2μmで成長させる。なお、このn型クラッド層は超格子層とすることもできる。
続いてシランガスをとめ、1050℃でアンドープGaNよりなるn型光ガイド層を0.19μmの膜厚で成長させる。このn型光ガイド層にn型不純物をドープしても良い。
次に、温度を800℃にしてSiドープIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を140Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度でIn0.07Ga0.93Nよりなる井戸層を70Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、層膜厚560Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。
次に、温度を1050℃に上げ、TMG,TMA,アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p型光ガイド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.25Ga0.75Nよりなるp型キャップ層を100Åの膜厚で成長させる。該p型キャップ層は省略可能である。
続いてCp2Mg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp型キャップ層よりも小さい、アンド−プGaNよりなるp型光ガイド層を0.125μmの膜厚で成長させる。
続いて1050℃でアンドープAl0.10Ga0.90Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてCp2Mg、TMAを止め、アンドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.4μmの超格子層よりなるクラッド層を成長させる。
最後に、1050℃で、p側クラッド層の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。
最後にp電極に平行な方向で、バーをチップ化することで半導体レーザ素子とする。なお共振器長は600μmとする。本実施例により形成された第1の凹部の共振器方向の長さは540μm、共振面と平行方向の長さは30μm、深さは0.5μmである。
実施例1において、第1の凹部を形成する代わりに、高ルミネッセンス領域の上部において、前記端面から30μm離間するp型半導体層の表面に形成される開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部を形成する。第2の凹部の共振器方向の長さは540μm、共振面と平行方向の長さは30μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例2のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、凹部を形成しないものと比較して、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。
実施例1において、高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部において、p型半導体層の表面に形成される開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第2の凹部を形成する。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。第1の凹部及び第2の凹部の大きさは実施例1及び実施例2と同様である。実施例3のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示した。凹部を形成しないものと比較して、リーク電流による製品歩留まりの悪化を改善することができる。また、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。
実施例1において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第1の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に矩形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第3の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例4のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例1と比較して、ウェハをバー化する際に劈開性が向上する。
実施例1において、第1の凹部に加えて、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部及び第4の凹部を形成する。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例5のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例1と比較して、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
実施例2において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第2の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に矩形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部及び第3の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。その他は実施例2と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例6のレーザ素子においては、実施例2とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例2と比較して、ウェハをバー化する際に劈開性が向上する。
実施例2において、第2の凹部に加えて、前記導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第2の凹部及び第4の凹部を形成する。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例2と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例7のレーザ素子においては、実施例2とほぼ同様に良好な連続発振を示す。また、実施例2と比較して、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
実施例3において、窒化物半導体レーザ素子の結晶成長面を矩形とし、第1の凹部及び第2の凹部に加えて、導波路領域から離間するp型半導体層の表面において、前記矩形を形成する四隅に形成される矩形の開口部と、第3の凹部よりも導波路に近い位置で光出射側共振面に接して、及び近傍に3個ずつの六角形の開口部を有するレジストパターンを形成して、第1の凹部乃至第4の凹部を形成する。第3の凹部の共振器方向の長さは2μm、共振面と平行方向の長さは50μm、深さは0.5μmである。第4の凹部の直径は2μm、深さは0.5μmである。その他は実施例3と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。実施例8のレーザ素子においては、実施例3とほぼ同様に良好な連続発振を示す。凹部を形成しないものと比較して、リーク電流による製品歩留まりの悪化を改善することができる。また、窒化物半導体基板さらにはその上に積層された窒化物半導体層の反りが緩和され、劈開やミラー形成時の歩留まりが向上する。それに加えて、特にFFPの水平方向においてレーザ光のFFPがリップルの発生を抑制した良好な単一モードを実現することができる。
実施例1において、窒化物半導体基板上に中間層及びクラック防止層を介して、n型クラッド層を成長させる。また、凹部の底面は基板が露出するように形成する以外は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。
実施例1において、n型クラッド層を超格子構造とする。その他は実施例1と同様の条件で半導体レーザ素子を形成する。本実施例におけるn型クラッド層は、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.1Ga0.9Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚2μmとするものである。実施例11のレーザ素子においては、実施例1とほぼ同様に良好な連続発振を示した。
110・・・pnジャンクション
120・・・窒化物半導体層
130・・・n電極
140・・・埋め込み膜
150・・・p電極
160・・・パッド電極
170・・・高転位密度領域
180・・・高ルミネッセンス領域
190・・・保護膜
200・・・第1の凹部
210・・・第2の凹部
220・・・第3の凹部
230・・・第4の凹部
Claims (11)
- 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、高転位密度領域の上部の前記端面から離間する領域に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。 - 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。 - 窒化物半導体基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層されてなる半導体層を有し、
該半導体層にストライプ状の導波路領域と、該導波路領域の長さ方向に対して垂直な端面に共振面を有する窒化物半導体レーザ素子において、
前記窒化物半導体基板は、高転位密度領域と、それよりも転位密度が低い低転位密度領域と、該低転位密度領域中に高ルミネッセンス領域とを有し、
前記窒化物半導体層は、少なくとも高転位密度領域及び高ルミネッセンス領域の上部に凹部を有し、
該凹部の底面は、活性層、n型半導体層、窒化物半導体基板のいずれかが、露出されてなることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。 - 前記凹部は、高転位密度領域の上部において、前記導波路領域の長さ方向に対して垂直な方向の幅が高転位密度領域の幅より広い請求項1または3に記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記凹部は、前記導波路領域の片側または両側に、単数もしくは複数形成されている請求項1から4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記凹部は、少なくとも1つが、前記端面から離間する領域に形成されている請求項1から5のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記凹部は、少なくとも1つが、前記端面と略垂直な半導体層の側面から離間する領域に形成されている請求項1から6のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記凹部は、少なくとも1つが、導波路領域から離間し、且つ、前記端面から凹むよう形成されている請求項2から7のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記凹部は、少なくとも1つが、導波路領域から離間し、且つ、前記側面から凹むよう形成されている請求項1から8のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記導波路領域は、低転位密度領域の上方に有する請求項1から9のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
- 前記窒化物半導体基板は、前記高転位密度領域と前記高ルミネッセンス領域とを略ストライプ状に交互に有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
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