JP2011082459A - Iii族窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】戻り光に起因するレーザ共振の不安定を低減可能なIII族窒化物半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】III族窒化物半導体レーザ素子11の第1の端面27は、そのへき開面においてスクライブ線からc軸の方向に延びる複数のへき開傷49を有する。c軸は、レーザ構造体13の第1及び第2の面13a、13bに対して傾斜する。へき開傷49は、第1の端面27の発光エリア47と異なるエリア48を通過するが、c軸の傾斜を利用してへき開傷を発光エリア47の近くを通過させることができる。エリア48は、スクライブ線45aの長さに合わせて、c軸方向に延在する帯状の形状を有する。へき開傷49のラフネスは、III族窒化物半導体レーザ素子11の外部から第1の端面27に向かう光LEXの少なくとも一部を反射して、III族窒化物半導体レーザ素子へ外部から入射する光の量を低減できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、III族窒化物半導体レーザ素子に関する。
特許文献1には、エッチングによって共振器面を形成する半導体レーザが記載されている。基板上に半導体層を積層すると共に活性層上の電極を作製した後、素子分離用の溝を形成する。その後に、エッチングにより共振器面を作製する。
特開2000−106470号公報
窒化ガリウム系半導体レーザでは、c面GaN基板上に活性層を形成するとき、その共振器面としてm面を利用できる。この半導体レーザ素子を光学システムに組み込んで使用したとき、この半導体レーザ素子からのレーザ光の一部は、外部に物体によって反射されて、当該半導体レーザ素子へ戻る。この戻り光がまた素子内に入射するとき、戻り光がノイズを生成する。
この窒化ガリウム系半導体レーザでは、その共振器のための端面が、基板及び発光層ともに平滑な鏡面からなる。これ故に、レーザ光の外部からの戻り光がその端面においてほとんど反射することなく、素子内に入射する。入射した光は、レーザ導波路内で本来の共振光と干渉する。この干渉により、レーザ共振が不安定となり、当該窒化ガリウム系半導体レーザからのレーザ光が光学システムにおいてノイズの原因となる。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、戻り光に起因するレーザ共振の不安定を低減可能なIII族窒化物半導体レーザ素子を提供することにある。
本発明の一側面に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、(a)六方晶系III族窒化物半導体からなり半極性主面を有する支持基体と、(b)前記支持基体の前記半極性主面上に設けられた半導体領域とを備える。前記支持基体及び前記半導体領域はレーザ構造体を構成し、前記レーザ構造体は、第1及び第2の端面を有すると共に、前記第1の端面から前記第2の端面に延在するレーザ導波路を含み、前記半導体領域は、第1導電型の窒化ガリウム系半導体からなる第1のクラッド層と、第2導電型の窒化ガリウム系半導体からなる第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、前記第1のクラッド層、前記第2のクラッド層及び前記活性層は、前記半極性主面の法線軸に沿って配列されており、前記支持基体の前記六方晶系III族窒化物半導体のc軸は、前記第1の端面から前記第2の端面へ向かう導波路軸に交差する方向に対して前記法線軸に対して角度ALPHAで傾斜しており、前記活性層は前記導波路軸に沿って延在する窒化ガリウム系半導体層を含み、当該III族窒化物半導体レーザ素子のレーザ共振器は前記第1及び第2の端面を含み、前記レーザ構造体は第1及び第2の面を含み、前記第1の面は前記第2の面の反対側の面であり、前記第1の端面は、前記第1の面のエッジから前記第2の面のエッジまで延在し、前記第1の端面は、前記第1の端面のエッジに設けられたスクライブ線の向きに延在し、前記第1の端面は、前記活性層からの光が出射される発光エリアを有し、前記第1の端面はへき開面であり、また当該へき開面において前記スクライブ線から前記c軸の方向に延びるへき開傷を有する。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、第1の端面は、そのへき開面においてスクライブ線からc軸の方向に延びるへき開傷を有する。c軸は、レーザ構造体の第1及び第2の面に対して傾斜する。へき開傷は、第1の端面の発光エリアと異なるエリアを通過するけれども、c軸の傾斜を利用してへき開傷を発光エリアの近くを通過させることができる。へき開傷は、III族窒化物半導体レーザ素子の外部からIII族窒化物半導体レーザ素子における第1の端面に向かう光の少なくとも一部を反射するために役立つ。このため、外部からIII族窒化物半導体レーザ素子へ入射する光の量を低減できる。これ故に、外部からの光によりレーザ発振の撹乱を低減でき、レーザ発振の安定性を向上できる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられた第1の電極を更に備えることができる。前記支持基体は、前記法線軸及び前記導波路軸に直交する軸の方向に順に設けられた第1〜第3の部分を有し、前記レーザ導波路は前記第1の電極と前記支持基体の前記第2の部分との間に位置し、前記へき開傷は、前記支持基体の前記第2の部分の端面に位置することができる。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、レーザ導波路が第1の電極と支持基体の第2の部分との間に位置すると共に、へき開傷が支持基体の第2の部分の端面に位置する。これ故に、支持基体の第2の部分に入射するノイズ光を低減できる。支持基体の第2の部分はレーザ導波路に近いので、レーザ発振を安定化することに有効である。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記角度ALPHAは65度以上80度以下の範囲にあることができる。このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、スクライブ線の形成位置とc軸の傾斜との関係が良好である。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記レーザ導波路の中心面は前記第1及び第2の面に交差し、前記スクライブ線の端部と前記中心面との間隔は20μm以上であることができる。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、間隔が20μm以上であるとき、スクライブ線の端部をレーザ導波路から離すことができる。また、間隔が20μm以上であれば、c軸の傾斜によりへき開傷を発光エリアに近づけることができる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、前記半導体領域に主面上に設けられた絶縁膜を更に備えることができる。前記半導体領域は第1及び第2の光ガイド層を更に含み、前記第1の光ガイド層は前記支持基体と前記活性層との間に設けられ、前記活性層は、前記第1の光ガイド層と前記第2の光ガイド層との間に設けられ、前記活性層並びに前記第1及び第2の光ガイド層は発光層を構成し、前記絶縁膜は、前記導波路軸の方向に延在するストライプ状の開口を有し、前記へき開傷は、所定の領域を規定する境界と前記第1の端面との交差により規定される交差エリアから離れており、前記所定の領域は、前記発光層の縁から5μm以内であり前記開口のストライプ幅で前記導波路軸に沿って延在する。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、交差エリアから5μm以上の距離で離れるので、へき開傷が発光に与える影響を低減できる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記支持基体は、所定の貫通転位密度より大きい第1の貫通転位密度を有する第1の領域と前記所定の貫通転位密度より小さい第2の貫通転位密度を有する第2の領域とを含み、前記レーザ導波路は、前記支持基体の前記第2の領域上に設けられ、前記スクライブ線は、前記支持基体の前記第1の領域上に設けられる。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、大きな貫通転位密度の領域にスクライブ線を設けるので、貫通転位密度の大きな領域からへき開が進行するので、貫通転位密度により規定される結晶品質の程度を利用してへき開傷を形成できる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、前記導波路軸の方向に延在し前記レーザ構造体の形状を規定する第1及び第2の側面を更に備えることができる。前記第1及び第2の側面の延在方向は、前記第1及び第2の端面の延在方向に交差し、前記第1及び第2の側面の各々は、前記六方晶系III族窒化物半導体のa面、m面及びc面のへき開面の方向に延在する基準面に対して傾斜する。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、第1及び第2の側面がc面、a軸及びm軸の方向に延在する基準面に対して傾斜するので、第1及び第2の側面はc面、m面やa面といった低面指数のへき開面ではない。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記第1及び第2の側面の各々は割断面を含むことができる。このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、m面やa面といった低面指数のへき開面を異なる割断面を含むことができる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、前記導波路軸の方向に延在し前記レーザ構造体の形状を規定する第1及び第2の側面を更に備えることができる。前記第1及び第2の側面の各々は、前記六方晶系III族窒化物半導体のc軸、a軸又はm軸の方向に延在するへき開面を含む。
このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、第1及び第2の側面をへき開面により構成できる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記c軸は、前記六方晶系III族窒化物半導体のa軸の方向に傾斜していることができる。或いは、本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子では、前記c軸は、前記六方晶系III族窒化物半導体のm軸の方向に傾斜していることができる。このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、a軸及びm軸のいずれか一方への傾斜により、半極性面を得ることができる。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザ素子は、前記第1の端面上に設けられた誘電体多層膜を更に備えることができる。このIII族窒化物半導体レーザ素子によれば、へき開傷上に誘電体多層膜が設けられるけれども、誘電体多層膜はへき開傷の表面形状に応じた表面を有する。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、戻り光に起因するレーザ共振の不安定を低減可能なIII族窒化物半導体レーザ素子を提供できる。
図1は、本実施の形態に係るIII族窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す図面である。 図2は、III族窒化物半導体レーザ素子における端面を示す図面である。 図3は、III族窒化物半導体レーザ素子における端面に向けて入射すする外部光LEXと発光エリアから出射される出力光LOUTを示す図面である。 図4は、III族窒化物半導体レーザ素子において共振器のための端面上にそれぞれ設けられた誘電体多層膜を示す図面である。 図5は、本実施の形態に係るIII族窒化物半導体レーザ素子を作製する方法の主要な工程を示す工程フロー図である。 図6は、本実施の形態に係るIII族窒化物半導体レーザ素子を作製する方法の主要な工程を模式的に示す図面である。 図7は、結晶格子における{20−21}面を示すと共に、割断により形成された側面の走査型電子顕微鏡像を示す図面である。 図8は、実施例1に示されたレーザーダイオードの構造を示す図面である。 図9は、ストライプコア型のGaN基板の上面を示す図面である。 図10は、GaN基板のm軸方向へのc軸の傾斜角と発振歩留まりとの関係を示す図面である。 図11は、積層欠陥密度と発振歩留まりとの関係を示す図面である。 図12は、基板厚みと発振歩留まりとの関係を示す図面である。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のIII族窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係るIII族窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す図面である。図2は、III族窒化物半導体レーザ素子における端面を示す図面である。III族窒化物半導体レーザ素子11は、利得ガイド型の構造を有するけれども、本発明の実施の形態は、利得ガイド型の構造に限定されるものではなく、例えば、リッジ構造等であっても良い。III族窒化物半導体レーザ素子11は、レーザ構造体13及び電極15を備える。レーザ構造体13は、第1及び第2の端面27、29を有すると共に、第1の端面27から第2の端面29への方向に延在するレーザ導波路を含む。レーザ構造体13は、支持基体17及び半導体領域19を含む。支持基体17は、六方晶系III族窒化物半導体からなり、また半極性主面17a及び裏面17bを有する。半導体領域19は、支持基体17の半極性主面17a上に設けられている。電極15は、レーザ構造体13の半導体領域19上に設けられる。半導体領域19は、第1のクラッド層21と、第2のクラッド層23と、活性層25とを含む。第1のクラッド層21は、第1導電型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばn型AlGaN、n型InAlGaN等からなる。第2のクラッド層23は、第2導電型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばp型AlGaN、p型InAlGaN等からなる。活性層25は、第1のクラッド層21と第2のクラッド層23との間に設けられる。活性層25は導波路軸WXに沿って延在する窒化ガリウム系半導体層を含み、この窒化ガリウム系半導体層は例えば井戸層25aである。活性層25は窒化ガリウム系半導体からなる障壁層25bを含み、井戸層25a及び障壁層25bは交互に配列されている。井戸層25aは、例えばInGaN等からなり、障壁層25bは例えばGaN、InGaN等からなる。活性層25は、波長360nm以上600nm以下の光を発生するように設けられた量子井戸構造を含むことができる。半極性面の利用により、波長430nm以上550nm以下の光の発生に好適である。第1のクラッド層21、第2のクラッド層23及び活性層25は、半極性主面17aの法線軸NX(ベクトルNV)に沿って配列されている。III族窒化物半導体レーザ素子11のレーザ共振器は第1及び第2の端面27、29を含む。第1の端面27は第1の端面27のエッジに設けられたスクライブ線45aの向きに延在する。また、第2の端面29は第2の端面29のエッジに設けられたスクライブ線45bの向きに延在する。
図1及び図2を参照すると、直交座標系S及び結晶座標系CRが描かれている。法線軸NXは、直交座標系SのZ軸の方向に向く。半極性主面17aは、直交座標系SのX軸及びY軸により規定される所定の平面に平行に延在する。また、図1には、代表的なc面Scが描かれている。支持基体17の六方晶系III族窒化物半導体のc軸は、第1の端面27から第2の端面29へ向かう導波路軸WXに交差する方向に法線軸NXに対して角度ALPHAで傾斜している。傾斜の方向は六方晶系III族窒化物半導体のm軸及びa軸のいずれか一方の方向である。図2を参照すると、第1の端面27は、活性層25からの光が出射される発光エリア47を有する。第1の端面27は例えばへき開面であり、また当該へき開面においてスクライブ線45aからc軸の方向に延びる複数のへき開傷49を有する。図2に示されるへき開傷49は素子11の端から端まで延在するように描かれているが、これは一例である。
III族窒化物半導体レーザ素子11は、絶縁膜31を更に備える。絶縁膜31はレーザ構造体13の半導体領域19の表面19aを覆っており、半導体領域19は絶縁膜31と支持基体17との間に位置する。支持基体17は六方晶系III族窒化物半導体からなる。絶縁膜31は開口31aを有し、開口31aは半導体領域19の表面19aと上記の平面Rとの交差線LIXの方向に延在し、例えば所定幅のストライプ形状を成す。電極15は、開口31aを介して半導体領域19の表面19a(例えば第2導電型のコンタクト層33)に接触を成しており、上記の交差線LIXの方向に延在する。III族窒化物半導体レーザ素子11では、レーザ導波路は、第1のクラッド層21、第2のクラッド層23及び活性層25を含み、また上記の交差線LIXの方向に延在する。半導体領域19には、ストライプ幅の開口幅でキャリアが供給される。レーザ導波路はストライプ開口に沿って延在する。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、第1及び第2の端面27、29は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸又はa軸と法線軸NXとによって規定される平面Rに交差する。III族窒化物半導体レーザ素子11のレーザ共振器は第1及び第2の端面27、29を含み、第1の割断面27及び第2の割断面29の一方から他方に、導波路軸WXが延在している。レーザ構造体13は第1の面13a及び第2の面13bを含み、第1の面13aは第2の面13bの反対側の面である。第1及び第2の端面27、29は、第1の面13aのエッジ13cから第2の面13bのエッジ13dまで延在する。第1及び第2の端面27、29はm面又はa面といったへき開面であることができる。
III族窒化物半導体レーザ素子11は、n側光ガイド層35及びp側光ガイド層37を含む。n側光ガイド層35は、第1の部分35a及び第2の部分35bを含み、n側光ガイド層35は例えばGaN、InGaN等からなる。p側光ガイド層37は、第1の部分37a及び第2の部分37bを含み、p側光ガイド層37は例えばGaN、InGaN等からなる。キャリアブロック層39は、例えば第1の部分37aと第2の部分37bとの間に設けられる。支持基体17の裏面17bには別の電極41が設けられ、電極41は例えば支持基体17の裏面17bを覆っている。
図2(b)は、III族窒化物半導体レーザ素子11の端面を示す図面である。図2(b)を参照すると、走査型電子顕微鏡像が示されている。この像から、へき開傷が、ベクトルVCで示されるc軸の方向に延在している。一方、光導波路が、矢印A1及びA2で示されるエピタキシャル層に位置するとき、光導波路端面の共振器エリアCVTは、へき開傷の延在エリアに比べて優れた平坦性を有する。
図3は、端面27に向けて入射すする外部光LEXと発光エリア47から出射される出力光LOUTを示す図面である。このIII族窒化物半導体レーザ素子11によれば、第1の端面27は、そのへき開面においてスクライブ線からc軸の方向に延びる複数のへき開傷49を有する。c軸は、レーザ構造体13の第1及び第2の面13a、13bに対して傾斜する。へき開傷49は、第1の端面27の発光エリア47と異なるエリア48を通過するけれども、c軸の傾斜を利用してへき開傷を発光エリア47の近くを通過させることができる。ここで、エリア48は、スクライブ線45aの長さに合わせて、c軸方向に延在する帯状の形状を有する。へき開傷49のラフネスは、III族窒化物半導体レーザ素子11の外部から第1の端面27に向かう光LEXの少なくとも一部を反射する。このため、III族窒化物半導体レーザ素子へ外部から入射する光の量を低減できる。これ故に、外部からの光LEXによりレーザ発振の撹乱を低減でき、レーザ発振の安定性を向上できる。第1の端面27において、エリア48のラフネスは、発光エリア47のラフネスよい大きい。
III族窒化物半導体レーザ素子11の第1の電極15は、レーザ構造体13の半導体領域19上に設けられており、支持基体17は第1〜第3の部分18a、18b、18cを有し、これらの部分18a〜18cは法線軸NX及び導波路軸WXに直交する軸の方向(例えばc軸の傾斜方向)に順に配列される。III族窒化物半導体レーザ素子11のレーザ導波路は第1の電極15と支持基体17の第2の部分18bとの間に位置する。へき開傷49は、支持基体17の第2の部分18bの端面に位置し、この端面は端面27の一部である。これ故に、支持基体17の第2の部分18bに入射するノイズ光を低減できる。第2の部分18bはレーザ導波路に近いので、レーザ発振を安定化することに有効である。
また、III族窒化物半導体レーザ素子11では、角度ALPHAは65度以上80度以下の範囲にあることができる。スクライブ線45aの形成位置とc軸の傾斜との関係が良好である。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、スクライブ線45aの端部44aとレーザ導波路の中心面RCとの間隔D1は20μm以上であることができる。ここで、レーザ導波路の中心面RCは第1の面13a及び第2の面13bに(例えば直角の角度で)交差する。中心面RCは、第1の電極15のために絶縁膜31に設けられた開口31aの中心を通過することができる。間隔D1が20μm以上であるとき、スクライブ線の端部をレーザ導波路から離すことができる。また、間隔D1が20μm以上の波にで調整すると共にc軸の傾斜を利用することにより、へき開傷を発光エリアに近づけることができる。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、n側光ガイド層35は支持基体17と活性層25との間に設けられる。活性層25は、n側光ガイド層35とp側光ガイド層37との間に設けられる。活性層35並びに光ガイド層35、37は発光層38を構成する。へき開傷49は、所定の領域を規定する境界と第1の端面27との交差により規定される交差エリアから離れている。ここで、所定のエリアは、導波路軸WXに沿って延在する領域として以下のように規定される。法線軸方向には、発光層38の縁から5μm以内。法線軸方向に直交する方向には、絶縁膜31の開口31aのストライプ幅内。へき開傷49が、所定のエリアから5μm以上の距離で離れるので、発光に与える影響を低減できる。
開口31aの中央線から半径5μmの半円領域を端面27において規定する。このとき、半円領域の円周に接しc軸方向に延在する線分とエピ面13aとの交差点から、レーザ導波路の中心面RCは以下の値で隔置される:
角度ALPHA、値(μm)
65度、 11.8;
70度、 14.6;
75度、 19.3;
80度、 28.8。
上記の値は、5/sin(90−ALPHA)により計算される。
図4は、III族窒化物半導体レーザ素子11において第1及び第2の端面27、29上にそれぞれ設けられた誘電体多層膜43a、43bを示す図面である。図4に示されるように、第1及び第2の端面27、29の少なくとも一方、又はそれぞれに設けられた誘電体多層膜43a、43bを更に備えることができる。端面27、29にも端面コートを適用できる。端面コートにより共振器のための反射率を調整できる。へき開傷49上に誘電体多層膜43a、43bが設けられるけれども、誘電体多層膜43a、43bはへき開傷49の表面形状に応じた表面を有する。
レーザ共振器のための第1及び第2の端面27、29は、m面又はa面といったこれまでのへき開面であることができる。第1及び第2の端面27、29は共振器のためのミラーとしての平坦性、垂直性を有する。これ故に、第1及び第2の端面27、29と、これらの端面27、29間に延在するレーザ導波路とを用いてレーザ発振が可能になる。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、第1及び第2の端面27、29の各々には、支持基体17の端面17c及び半導体領域19の端面19cが現れており、端面17c及び端面19cは誘電体多層膜43aで覆われている。支持基体17の端面17c及び活性層25における端面25cの法線ベクトルNAと活性層25のm軸ベクトルMAとの成す角度は非常に小さく、理想的な形成ではこれらのベクトルは同じ向きである。
図3に示されるように、III族窒化物半導体レーザ素子11は、導波路軸WXの方向に延在しレーザ構造体13の形状を規定する第1及び第2の側面46a、46bを更に備える。III族窒化物半導体レーザ素子11の一形態では、これらの側面46a、46bの各々は、六方晶系III族窒化物半導体のc軸、a軸又はm軸の方向に延在する。この形態では、側面46a、46bをへき開面により構成できる。側面46a、46bは、レーザ構造体13の第1の面13a及び第2の面13bに対して、c軸の傾斜角に応じて傾斜する。これ故に、端面27の形は、直方体というより平行四辺形に近い形状を成す。例えば、へき開面がm面であるとき、側面はa面又はc面であり、へき開面がa面であるとき、側面はm面又はc面であることができる。
或いは、III族窒化物半導体レーザ素子11の別の形態では、第1及び第2の側面46a、46bの各々は、六方晶系III族窒化物半導体のa面、m面及びc面のへき開面の方向に延在する基準面に対して傾斜することができる。この形態では、第1及び第2の側面46a、46bがa軸及びm軸の方向に延在する基準軸に直交する基準面に交差する。これ故に、第1及び第2の側面46a、46bはm面やa面といった低面指数のへき開面ではない。このような形態では、第1及び第2の側面46a、46bの各々は割断面を含むことができる。
引き続いて、スクライブ線の形成及び押圧により作製される割断面の形成を説明する。この形態では、図1に示されるように、支持基体17の厚さDSUBは400μm以下であることが好ましい。このIII族窒化物半導体レーザ素子では、レーザ共振器のための良質な割断面を得るために好適である。III族窒化物半導体レーザ素子11では、支持基体17の厚さDSUB(図1参照)は50μm以上100μm以下であることが更に好ましい。このIII族窒化物半導体レーザ素子11では、側面のための良質な割断面を得るために更に好適である。また、ハンドリングが容易になり、生産歩留まりを向上させることができる。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、法線軸NXと六方晶系III族窒化物半導体のc軸との成す角度ALPHAは45度以上であることが好ましく、また80度以下であることが好ましい。45度未満及び135度を越える角度では、押圧により形成される端面がm面からなる可能性が高くなる。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、更に好ましくは、法線軸NXと六方晶系III族窒化物半導体のc軸との成す角度ALPHAは63度以上であることが好ましく、また80度以下であることが好ましい。また、角度ALPHAは100度以上であることが好ましく、また117度以下であることが好ましい。63度未満及び117度を越える角度では、押圧により形成される側面の一部に、m面が出現する可能性がある。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。
半極性主面17aは、{20−21}面、{10−11}面、{20−2−1}面、及び{10−1−1}面のいずれかであることができる。更に、これらの面から−4度以上+4度以下の範囲で微傾斜した面も前記主面として好適である。これら典型的な半極性面17aにおいて、当該III族窒化物半導体レーザ素子11のレーザ共振器を構成できる程度の十分な平坦性及び垂直性の第1及び第2の端面27、29を提供できるので、側面として十分に使用できる。また、これらの典型的な面方位にわたる角度の範囲において、十分な平坦性及び垂直性を示す側面が得られる。
III族窒化物半導体レーザ素子11では、支持基体17の積層欠陥密度は1×10cm−1以下であることができる。積層欠陥密度が1×10cm−1以下であるので、偶発的な事情により割断面の平坦性及び/又は垂直性が乱れる可能性が低い。また、支持基体17は、GaN、AlN、AlGaN、InGaN及びInAlGaNのいずれかからなることができる。これらの窒化ガリウム系半導体からなる基板を用いるとき、側面として利用可能な端面27、29を得ることができる。AlN又はAlGaN基板を用いるとき、偏光度を大きくでき、また低屈折率により光閉じ込めを強化できる。InGaN基板を用いるとき、基板と発光層との格子不整合率を小さくでき、結晶品質を向上できる。
図5は、本実施の形態に係るIII族窒化物半導体レーザ素子を作製する方法の主要な工程を示す図面である。図6(a)を参照すると、基板51が示されている。工程S101では、III族窒化物半導体レーザ素子の作製のための基板51を準備する。基板51の六方晶系III族窒化物半導体のc軸(ベクトルVC)は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸方向に法線軸NXに対して有限な角度ALPHAで傾斜している。これ故に、基板51は、六方晶系III族窒化物半導体からなる半極性主面51aを有する。
工程S102では、基板生産物SPを形成する。図6(a)では、基板生産物SPはほぼ円板形の部材として描かれているけれども、基板生産物SPの形状はこれに限定されるものではない。基板生産物SPを得るために、まず、工程S103では、レーザ構造体55を形成する。レーザ構造体55は、半導体領域53及び基板51を含んでおり、工程S103では、半導体領域53は半極性主面51a上に形成される。半導体領域53を形成するために、半極性主面51a上に、第1導電型の窒化ガリウム系半導体領域57、発光層59、及び第2導電型の窒化ガリウム系半導体領域61を順に成長する。窒化ガリウム系半導体領域57は例えばn型クラッド層を含み、窒化ガリウム系半導体領域61は例えばp型クラッド層を含むことができる。発光層59は窒化ガリウム系半導体領域57と窒化ガリウム系半導体領域61との間に設けられ、また活性層、光ガイド層及び電子ブロック層等を含むことができる。窒化ガリウム系半導体領域57、発光層59、及び第2導電型の窒化ガリウム系半導体領域61は、半極性主面51aの法線軸NXに沿って配列されている。これらの半導体層はエピタキシャル成長される。半導体領域53上は、絶縁膜54で覆われている。絶縁膜54は例えばシリコン酸化物からなる。絶縁膜54の開口54aを有する。開口54aは例えばストライプ形状を成す。
工程S104では、レーザ構造体55上に、アノード電極58a及びカソード電極58bが形成される。また、基板51の裏面に電極を形成する前に、結晶成長に用いた基板の裏面を研磨して、所望の厚さDSUBの基板生産物SPを形成する。電極の形成では、例えばアノード電極58aが半導体領域53上に形成されると共に、カソード電極58bが基板51の裏面(研磨面)51b上に形成される。アノード電極58aはX軸方向に延在し、カソード電極58bは裏面51bの全面を覆っている。これらの工程により、基板生産物SPが形成される。基板生産物SPは、第1の面63aと、これに反対側に位置する第2の面63bとを含む。半導体領域53は第1の面63aと基板51との間に位置する。
工程S105では、図6(b)に示されるように、基板生産物SPの第1の面63aをスクライブする。このスクライブは、レーザスクライバ10aを用いて行われる。スクライブによりスクライブ溝65aが形成される。図6(b)では、基板生産物のエッジに5つのスクライブ溝が既に形成されており、レーザビームLBを用いてスクライブ溝65bの形成が進められている。スクライブ溝65aの長さは、交差線AISの長さよりも短く、交差線AISの一部分にレーザビームLBの照射が行われる。交差線AISは、六方晶系III族窒化物半導体のm軸又はa軸及び法線軸NXによって規定される平面と第1の面63aとの交差により規定される。レーザビームLBの照射により、特定の方向に延在し半導体領域に到達する溝が第1の面63aに形成される。また、スクライブ溝65aは、例えば基板生産物SPの一エッジにだけでなくなく、レーザ素子の幅のピッチでレーザ素子毎に基板生産物SPの表面の内側にも形成される。これによりレーザ素子毎にスクライブ溝を形成できる。
工程S106では、図6(c)に示されるように、基板生産物SPの第2の面63bへの押圧により基板生産物SPの分離を行って、基板生産物SP1及びレーザバーLB1を形成する。押圧は、例えばブレード69といったブレイキング装置を用いて行われる。ブレード69は、一方向に延在するエッジ69aと、エッジ69aを規定する少なくとも2つのブレード面69b、69cを含む。また、基板生産物SP1の押圧は支持装置71上において行われる。支持装置71は、支持面71aと凹部71bとを含み、凹部71bは一方向に延在する。凹部71bは、支持面71aに形成されている。基板生産物SP1のスクライブ溝65aの向き及び位置を支持装置71の凹部71bの延在方向に合わせて、基板生産物SP1を支持装置71上において凹部71bに位置決めする。凹部71bの延
在方向にブレイキング装置のエッジの向きを合わせて、第2の面63bに交差する方向からブレイキング装置のエッジを基板生産物SP1に押し当てる。交差方向は好ましくは第2の面63bにほぼ垂直方向である。これによって、基板生産物SPの分離を行って、基板生産物SP1及びレーザバーLB1を形成する。押し当てにより、第1及び第2の端面67a、67bを有するレーザバーLB1が形成され、これらの端面67a、67bの少なくとも発光層の端面には、半導体レーザに適用可能な程度の垂直性及び平坦性の共振ミラーを形成できると共に、これらの端面67a、67bにおける発光エリアの除く帯状のエリアには、スクライブ線に応じたへき開傷を形成できる。
形成されたレーザバーLB1は、上記の分離により形成された第1及び第2の端面67a、67bを有し、端面67a、67bの各々は、第1の面63aから第2の面63bにまで延在する。これ故に、端面67a、67bは、当該III族窒化物半導体レーザ素子のレーザ共振器を構成し、XZ面に交差する。端面67a、67bは、六方晶系III族窒化物半導体のm軸又はa軸に直交する面に沿って延在し、へき開面である。
この方法によれば、六方晶系III族窒化物半導体のa軸の方向に基板生産物SPの第1の面63aをスクライブした後に、基板生産物SPの第2の面63bへの押圧により基板生産物SPの分離を行って、新たな基板生産物SP1及びレーザバーLB1を形成する。これ故に、m軸又はa軸に交差するように、レーザバーLB1に第1及び第2の端面67a、67bが形成される。この端面形成によれば、第1及び第2の端面67a、67bに当該III族窒化物半導体レーザ素子のレーザ共振器を構成できる程度の十分な平坦性及び垂直性が提供されると共に、当該III族窒化物半導体レーザ素子毎のスクライブ線に応じたへき開傷を形成できる。
工程S108では、レーザバーLB1の端面67a、67bに誘電体多層膜を形成して、レーザバー生産物を形成する。工程S109では、このレーザバー生産物を個々の半導体レーザのチップに分離する。
c軸がa軸又はm軸の方向に傾斜しているけれども、レーザバー生産物を個々の半導体レーザのチップに分離するときに、実質的に直方体形状の半導体素子を作製することができる。この半導体素子の側面は、へき開面と異なる割断面からなる。この割断面を得るためには、へき開面の形状と同様に、スクライブ線の形成とこれに引き続き押圧を行う。この割断面を得るための角度ALPHAは、45度以上80度以下及び100度以上135度以下の範囲であることができる。45度未満及び135度を越える角度では、押圧により形成される端面がm面からなる可能性が高くなる。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。更に好ましくは、角度ALPHAは、63度以上80度以下及び100度以上117度以下の範囲であることができる。45度未満及び135度を越える角度では、押圧により形成される端面の一部に、m面が出現する可能性がある。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。半極性主面51aは、{20−21}面、{10−11}面、{20−2−1}面、及び{10−1−1}面のいずれかであることができる。更に、これらの面から−4度以上+4度以下の範囲で微傾斜した面も前記主面として好適である。これら典型的な半極性面において、十分な平坦性及び垂直性で当該III族窒化物半導体レーザ素子のための側面を提供できる。
また、基板51は、GaN、AlN、AlGaN、InGaN及びInAlGaNのいずれかからなることができる。これらの窒化ガリウム系半導体からなる基板を用いるとき、レーザ共振器として利用可能な端面を得ることができる。基板51は好ましくはGaNからなる。
基板生産物SPを形成する工程S104において、結晶成長に使用された半導体基板は、基板厚が400μm以下になるようにスライス又は研削といった加工が施され、第2の面63bが研磨により形成された加工面であることができる。この基板厚では、当該III族窒化物半導体レーザ素子の側面を構成できる程度の十分な平坦性、垂直性の側面を歩留まりよく形成できる。第2の面63bが研磨により形成された研磨面であり、研磨されて基板厚が100μm以下であれば更に好ましい。また、基板生産物SPを比較的容易に取り扱うためには、基板厚が50μm以上であることが好ましい。
III族窒化物半導体レーザ素子の側面は、ダイシング等により作製される加工面であってもよいが、半極性面51a上にエピタキシャルに成長された複数の窒化ガリウム系半導体層への押圧によるブレイクによって形成される。半極性面51a上へのエピタキシャル膜であるが故に、III族窒化物半導体レーザ素子の側面がへき開面又は割断面であることができる。これらへき開面又は割断面は、ダイシング等により作製された加工面ではない。しかしながら、半極性面51a上へのエピタキシャル膜の積層のブレイクにおいて、III族窒化物半導体レーザ素子の側面は平坦性及び垂直性を有する。割断面の作製の具体例を示すために、引き続く実施例を説明する。
(実施例1)
以下の通り、半極性面GaN基板を準備し、割断面の垂直性を観察した。基板には、HVPE法で厚く成長した(0001)GaNインゴットからm軸方向に75度の角度で切り出した{20−21}面GaN基板を用いた。GaN基板の主面は鏡面仕上げであり、裏面は研削仕上げされた梨地状態であった。基板の厚さは370μmであった。
梨地状態の裏面側に、ダイヤモンドペンを用いて、c軸を基板主面に投影した方向に垂直にケガキ線を入れた後、押圧して基板を割断した。得られた割断面の垂直性を観察するため、走査型電子顕微鏡を用いてa面方向から基板を観察した。
図7(a)は、割断面をa面方向から観察した走査型電子顕微鏡像であり、右側の端面(側面として設けられる面)が割断面である。割断面は半極性主面に対して、平坦性及び垂直性を有することがわかる。
(実施例2)
引き続く説明から理解されるように、この割断面は、レーザの共振器として適用できる程度の品質を有しているので、素子側面として純分に利用可能である。実施例1では、半極性{20−21}面を有するGaN基板において、c軸を基板主面に投影した方向に垂直にケガキ線を入れて押圧して得た割断面は、基板主面に対して平坦性及び垂直性を有することがわかった。以下の通り、図8に示されるレーザーダイオードを有機金属気相成長法により成長した。原料にはトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)、アンモニア(NH)、シラン(SiH)を用いた。基板71を準備した。基板71には、HVPE法で厚く成長した(0001)GaNインゴットからm軸方向に0度から90度の範囲の角度でウェハスライス装置を用いて切り出し、m軸方向へのc軸の傾斜角度ALPHAが、0度から90度の範囲の所望のオフ角を有するGaN基板を作製した。例えば、75度の角度で切り出したとき、{20−21}面GaN基板が得られ、図7(b)に示される六方晶系の結晶格子において参照符号71aによって示されている。
成長前に、基板の積層欠陥密度を調べるため、カソードルミネッセンス法によって、基板を観察した。カソードルミネッセンスでは、電子線によって励起されたキャリアの発光過程を観察するが、積層欠陥が存在すると、その近傍ではキャリアが非発光再結合するので、暗線状に観察される。その暗線の単位長さあたりの密度(線密度)を求め、積層欠陥密度と定義した。ここでは、積層欠陥密度を調べるために、非破壊測定のカソードルミネッセンス法を用いたが、破壊測定の透過型電子顕微鏡を用いてもよい。透過型電子顕微鏡では、a軸方向から試料断面を観察したとき、基板から試料表面に向かってm軸方向に伸びる欠陥が、支持基体に含まれる積層欠陥であり、カソードルミネッセンス法の場合と同様に、積層欠陥の線密度を求めることができる。
この基板71を反応炉内のサセプタ上に配置した後に、以下の成長手順でエピタキシャル層を成長した。まず、厚さ1000nmのn型GaN72を成長した。次に、厚さ1200nmのn型InAlGaNクラッド層73を成長した。引き続き、厚さ200nmのn型GaNガイド層74a及び厚さ65nmのアンドープInGaNガイド層74bを成長した後に、GaN厚さ15nm/InGaN厚さ3nmから構成される3周期MQW75を成長した。続いて、厚さ65nmのアンドープInGaNガイド層76a、厚さ20nmのp型AlGaNブロック層77及び厚さ200nmのp型GaNガイド層76bを成長した。次に、厚さ400nmのp型InAlGaNクラッド層77を成長した。最後に、厚さ50nmのp型GaNコンタクト層78を成長した。
SiOの絶縁膜79をコンタクト層78上に成膜した後に、フォトリソグラフィを用いて幅10μmのストライプ窓をウェットエッチングにより形成した。ここで、以下のようにストライプ方向にコンタクト窓を形成した。レーザストライプがA方向:<11−20>方向に向く。
ストライプ窓を形成した後に、Ni/Auから成るp側電極80aとTi/Alから成るパッド電極を蒸着した。次いで、GaN基板(GaNウエハ)の裏面をダイヤモンドスラリーを用いて研磨し、裏面がミラー状態の基板生産物を作製した。このとき、接触式膜厚計を用いて基板生産物の厚みを測定した。厚みの測定には、試料断面からの顕微鏡によっても行っても良い。顕微鏡には、光学顕微鏡や、走査型電子顕微鏡を用いることができる。GaN基板(GaNウエハ)の裏面(研磨面)にはTi/Al/Ti/Auから成るn側電極80bを蒸着により形成した。
これら2種類のレーザストライプに対する共振器ミラーの作製には、波長355nmのYAGレーザを用いるレーザスクライバを用いた。レーザスクライバを用いてブレイクした場合には、ダイヤモンドスクライブを用いた場合と比較して、発振チップ歩留まりを向上させることが可能である。スクライブ溝の形成条件として以下のものを用いた:レーザ光出力100mW;走査速度は5mm/s。形成されたスクライブ溝は、例えば、長さ30μm、幅10μm、深さ40μmの溝であった。800μmピッチで基板の絶縁膜開口箇所を通してエピ表面に直接レーザ光を照射することによって、スクライブ溝を形成した。共振器長は600μmとした。半導体レーザのための共振ミラーをへき開により形成した。
次いで、ブレードを用いて、半導体レーザのための側面を割断により作製した。基板裏側に押圧によりブレイクすることによって、レーザチップを作製した。より具体的に、{20−21}面のGaN基板について、結晶方位と割断面との関係を示したものが、図7(b)と図7(c)である。図7(b)は、レーザ素子のための側面81a、81bが半極性面71aと共に示される。側面81a、81bは半極性面71aにほぼ直交しているが、従来のc面、m面又はa面等のこれまでのへき開面とは異なる。図7(c)はレーザストライプを<11−20>方向に設けた場合であり、半極性面71aと共にレーザ共振器のための端面81c、81dが示される。端面81c、81dは、半極性面71aにほぼ直交しており、本実施例ではa面から構成される。
ブレイクによって形成された割断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、顕著な凹凸は観察されなかった。このことから、割断面の平坦性(凹凸の大きさ)は、20nm以下と推定される。更に、割断面の試料表面に対する垂直性は、−5度から+5度の範囲内であった。
レーザバーの端面に真空蒸着法によって誘電体多層膜をコーティングした。誘電体多層膜は、SiOとTiOを交互に積層して構成した。膜厚はそれぞれ、50〜100nmの範囲で調整して、反射率の中心波長が500〜530nmの範囲になるように設計した。片側の反射面を10周期とし、反射率の設計値を約95%に設計し、もう片側の反射面を6周期とし、反射率の設計値を約80%とした。
図9は、実施の形態において使用可能なGaN基板の一構造を示す図面である。基板11は、c軸方向に伸びる貫通転位密度が第1の貫通転位密度より大きい複数の第1の領域12aと、c軸方向に伸びる貫通転位密度が第1の貫通転位密度より小さい複数の第2の領域12bとを含むことができる。基板11の主面11aには第1および第2の領域12a、12bが現れている。基板11の主面11aにおいて、第1および第2の領域12a、12bの幅は、それぞれ、例えば500マイクロメートル及び5000マイクロメートルである。第1および第2の領域12a、12bは所定の方向に交互に配置されている。基板が窒化ガリウムからなるとき、所定の方向は該窒化ガリウムのa軸またはm軸の方向であることができる。このとき、このGaN基板は、図9に示されるように、ストライプコア型GaN主面を示す。第1および第2の領域12a、12bは、a軸またはm軸とc軸とによって規定される面に沿って延在することができる。
第1の領域12aは高転位密度の欠陥集中領域の半導体部であり、第2の領域12bは低転位密度の欠陥低減領域の半導体部である。基板11の低転位密度の領域に窒化物系半導体発光素子を作製することによって、発光素子の発光効率、信頼性を向上させることができる。第2の領域12bの貫通転位密度は1×10cm−2未満であると、実用に十分な信頼性をもつ半導体レーザが得られる。
このIII族窒化物半導体レーザ素子11によれば、大きな貫通転位密度の領域12aにスクライブ線を設けることが良い。このため、貫通転位密度の大きな領域12aからへき開が進行するので、貫通転位密度により規定される結晶品質の程度を利用してへき開傷を形成できる。また、このへき開傷は、c軸方向に形成される。
半導体レーザのための側面を割断により作製できることを示す。垂直な側面の半導体レーザの利点としては例えば以下のものがある。半導体レーザ光は互いに向かい合う反射鏡(共振器)の間で励起、増幅されていく。活性層がこの割断面である反射面に垂直に配置していれば活性層に沿って増幅されながら進行した光は結晶端の反射面で反射され、向きを180度変えて進行する。この反射面である側面が垂直であれば、対向した反射面で光がロスすることなく往復するが、垂直からずれていくに従い、反射した光の光路が共振器からずれ、対向する反射面に垂直に向かうことができなくなるため、ロスが増加していく。したがって、反射面値なる側面は垂直であることが望ましい。半導体レーザのための側面に適用する割断面の品質を評価するために、割断面を光共振器の端面として有するレーザダイオードを作製した。GaN基板のm軸方向へのc軸の傾斜角と発振歩留まりとの関係を調べた結果、図10が得られた。本実施例では、発振歩留まりについては、(発振チップ数)/(測定チップ数)と定義した。また、図10は、基板の積層欠陥密度が1×10(cm−1)以下の基板であり、かつレーザストライプが(1)M方向のレーザにおいて、プロットしたものである。図10から、オフ角が45度以下では、発振歩留まりが極めて低いことがわかる。端面状態を光学顕微鏡で観察した結果、45度より小さい角度では、ほとんどのチップでm面が出現し、垂直性が得られないことがわかった。また、オフ角が63度以上80度以下の範囲では、垂直性が向上し、発振歩留まりが50%以上に増加することがわかる。これらの事実から、GaN基板のオフ角度の範囲は、63度以上80度以下が最適である。なお、この結晶的に等価な端面を有することになる角度範囲である、100度以上117度以下の範囲でも、同様の結果が得られる。
図10に示されたデータは以下のものである。
傾斜角、歩留まり
10 0.1
43 0.2
58 50
63 65
66 80
71 85
75 80
79 75
85 45
90 35。
レーザダイオードの側面は、光共振器のための端面に求められるほど厳格な平坦性及び垂直性を必要しないので、上記の範囲よりも広い範囲の傾斜角においても、割断によりレーザダイオードの側面を形成できることが示される。
積層欠陥密度と発振歩留まりとの関係を調べた結果、図11が得られた。発振歩留まりの定義については、上記と同様である。図11から、積層欠陥密度が1×10(cm−1)を超えると急激に発振歩留まりが低下することがわかる。また、端面状態を光学顕微鏡で観察した結果、発振歩留まりが低下したサンプルでは、端面の凹凸が激しく平坦な割断面が得られていないことがわかった。積層欠陥の存在によって、割れ易さに違いが出たことが原因と考えられる。このことから、基板に含まれる積層欠陥密度が1×10(cm−1)以下である必要がある。
図11に示されたデータは以下のものである。
積層欠陥密度(cm−1)、歩留まり
500 80
1000 75
4000 70
8000 65
10000 20
50000 2。
レーザダイオードの側面は、光共振器のための端面に求められるほど厳格な平坦性及び垂直性を必要しないので、上記の範囲よりも広い範囲の積層欠陥密度においても、割断によりレーザダイオードの側面を形成できることが示される。
基板厚みと発振歩留まりとの関係を調べた結果、図12が得られた。発振歩留まりの定義については、上記と同様である。また、図12では、基板の積層欠陥密度1×10(cm−1)以下であり、かつレーザストライプが(1)M方向のレーザにおいて、プロットした。図12から、基板厚みが100μmよりも薄く50μmよりも厚いときに、発振歩留まりが高い。これは、基板厚みが100μmよりも厚いと、割断面の垂直性が悪化することによる。また、50μmよりも薄いと、ハンドリングが困難で、チップが破壊され易くなることによる。これらのことから、基板の厚みは、50μm以上100μm以下が最適である。
図12に示されたデータは以下のものである。
基板厚、歩留まり
48 10
80 65
90 70
110 45
150 48
200 30
400 20。
レーザダイオードの側面は、光共振器のための端面に求められるほど厳格な平坦性及び垂直性を必要しないので、上記の範囲よりも広い範囲においても、割断によりレーザダイオードの側面を形成できることが示される。
(実施例3)
実施例2では、{20−21}面を有するGaN基板上に、半導体レーザのための複数のエピタキシャル膜を成長した。上記のように、スクライブ溝の形成と押圧とによって素子の側面が形成された。これらの側面のための面方位の候補を見いだすために、(20−21)面に90度近傍の角度を成し、a面とは異なる面方位を計算により求めた。以下の角度及び面方位が、(20−21)面に対して90度近傍の角度を有する。具体的な面指数、{20−21}面に対する角度
(−1016): 92.46度;
(−1017): 90.10度;
(−1018): 88.29度。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
11…III族窒化物半導体レーザ素子、13…レーザ構造体、13a…第1の面、13b…第2の面、13c、13d…エッジ、15…電極、17…支持基体、17a…半極性主面、17b…支持基体裏面、17c…支持基体端面、19…半導体領域、19a…半導体領域表面、19c…半導体領域端面、21…第1のクラッド層、23…第2のクラッド層、25…活性層、25a…井戸層、25b…障壁層、27、29…割断面、ALPHA…角度、Sc…c面、NX…法線軸、31…絶縁膜、31a…絶縁膜開口、35…n側光ガイド層、37…p側光ガイド層、39…キャリアブロック層、41…電極、43a、43b…誘電体多層膜、MA…m軸ベクトル、BETA…角度、DSUB…支持基体厚さ、51…基板、51a…半極性主面、SP…基板生産物、57…窒化ガリウム系半導体領域、59…発光層、61…窒化ガリウム系半導体領域、53…半導体領域、54…絶縁膜、54a…絶縁膜開口、55…レーザ構造体、58a…アノード電極、58b…カソード電極、63a…第1の面、63b…第2の面、10a…レーザスクライバ、65a…スクライブ溝、65b…スクライブ溝、LB…レーザビーム、SP1…基板生産物、LB1…レーザバー、69…ブレード、69a…エッジ、69b、69c…ブレード面、71…支持装置、71a…支持面、71b…凹部

Claims (12)

  1. III族窒化物半導体レーザ素子であって、
    六方晶系III族窒化物半導体からなり半極性主面を有する支持基体と、
    前記支持基体の前記半極性主面上に設けられた半導体領域と
    を備え、
    前記支持基体及び前記半導体領域はレーザ構造体を構成し、
    前記レーザ構造体は、第1及び第2の端面を有すると共に、前記第1の端面から前記第2の端面に延在するレーザ導波路を含み、
    前記半導体領域は、第1導電型の窒化ガリウム系半導体からなる第1のクラッド層と、第2導電型の窒化ガリウム系半導体からなる第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、
    前記第1のクラッド層、前記第2のクラッド層及び前記活性層は、前記半極性主面の法線軸に沿って配列されており、
    前記支持基体の前記六方晶系III族窒化物半導体のc軸は、前記第1の端面から前記第2の端面へ向かう導波路軸に交差する方向に前記法線軸に対して角度ALPHAで傾斜しており、
    前記活性層は前記導波路軸に沿って延在する窒化ガリウム系半導体層を含み、
    当該III族窒化物半導体レーザ素子のレーザ共振器は前記第1及び第2の端面を含み、
    前記レーザ構造体は第1及び第2の面を含み、前記第1の面は前記第2の面の反対側の面であり、
    前記第1の端面は、前記第1の面のエッジから前記第2の面のエッジまで延在し、
    前記第1の端面は、前記第1の端面のエッジに設けられたスクライブ線の向きに延在し、
    前記第1の端面は、前記活性層からの光が出射される発光エリアを有し、
    前記第1の端面はへき開面であり、また当該へき開面において前記スクライブ線から前記c軸の方向に延びるへき開傷を有する、ことを特徴とするIII族窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられた第1の電極を更に備え、
    前記支持基体は、前記法線軸及び前記導波路軸に直交する軸の方向に順に設けられた第1〜第3の部分を有し、
    前記レーザ導波路は前記第1の電極と前記支持基体の前記第2の部分との間に位置し、
    前記へき開傷は、前記支持基体の前記第2の部分の端面に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記角度ALPHAは65度以上80度以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記レーザ導波路の中心を規定する中心面は、前記第1及び第2の面に交差し、
    前記スクライブ線の端部と前記中心面との間隔は20μm以上である、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記半導体領域に主面上に設けられた絶縁膜を更に備え、
    前記半導体領域は第1及び第2の光ガイド層を更に含み、
    前記第1の光ガイド層は前記支持基体と前記活性層との間に設けられ、
    前記活性層は、前記第1の光ガイド層と前記第2の光ガイド層との間に設けられ、
    前記活性層並びに前記第1及び第2の光ガイド層は発光層を構成し、
    前記絶縁膜は、前記導波路軸の方向に延在するストライプ状の開口を有し、
    前記へき開傷は、所定の領域を規定する境界と前記第1の端面との交差により規定される交差エリアから離れており、
    前記所定の領域は、前記発光層の縁から5μm以内であり前記開口のストライプ幅で前記導波路軸に沿って延在する、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記支持基体は、所定の貫通転位密度より大きい第1の貫通転位密度を有する第1の領域と前記所定の貫通転位密度より小さい第2の貫通転位密度を有する第2の領域とを含み、
    前記レーザ導波路は、前記支持基体の前記第2の領域上に設けられ、
    前記スクライブ線は、前記支持基体の前記第1の領域上に設けられる、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記導波路軸の方向に延在し前記レーザ構造体の形状を規定する第1及び第2の側面を更に備え、
    前記第1及び第2の側面の延在方向は、前記第1及び第2の端面の延在方向に交差し、
    前記第1及び第2の側面の各々は、前記六方晶系III族窒化物半導体のa面、m面及びc面のへき開面の方向に延在する基準面に対して傾斜する、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記第1及び第2の側面の各々は割断面を含む、ことを特徴とする請求項7に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記導波路軸の方向に延在し前記レーザ構造体の形状を規定する第1及び第2の側面を更に備え、
    前記第1及び第2の側面の各々は、前記六方晶系III族窒化物半導体のc軸、a軸又はm軸の方向に延在するへき開面を含む、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  10. 前記c軸は、前記六方晶系III族窒化物半導体のa軸の方向に傾斜している、ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  11. 前記c軸は、前記六方晶系III族窒化物半導体のm軸の方向に傾斜している、ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
  12. 前記第1の端面上に設けられた誘電体多層膜を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載されたIII族窒化物半導体レーザ素子。
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