JP2003133650A - 窒化物半導体レーザ素子、その製造方法および半導体光学装置 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子、その製造方法および半導体光学装置

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JP2003133650A JP2001330181A JP2001330181A JP2003133650A JP 2003133650 A JP2003133650 A JP 2003133650A JP 2001330181 A JP2001330181 A JP 2001330181A JP 2001330181 A JP2001330181 A JP 2001330181A JP 2003133650 A JP2003133650 A JP 2003133650A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ発振寿命の長い窒化物半導体レーザ素
子を提供する。 【解決手段】 本発明の半導体レーザ素子は、窒化物半
導体基板とその上に積層された窒化物半導体層より成
る。基板はストライプ状の転位集中領域と転位集中領域
を除いた領域である低転位領域を有し、窒化物半導体層
はストライプ状のレーザ光導波領域を有する。レーザ光
導波領域は低転位領域上に設けられており、転位集中領
域と略平行である。レーザ光導波領域と最近接の転位集
中領域との水平方向の距離は40μm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体レー
ザ素子、その製造方法および窒化物半導体レーザ素子を
光源として備える半導体光学装置に関し、特に、窒化物
半導体を基板として用いる窒化物半導体レーザ素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】GaN、AlN、InNおよびそれらの
混晶に代表される窒化物半導体材料により、紫外から可
視領域で発振する半導体レーザ素子が試作されている。
ジャパニーズ=ジャーナル=オブ=アプライド=フィジック
ス39号L647〜L650頁(Jpn. J. Appl. Phys.
Vol.39(2000) pp.L647-650)で報告された半導体レーザ
素子もこの一例であり、GaN基板上に周期的なストラ
イプ状の開口部をもつSiO2マスクパターンを形成
し、この上に、ストライプ状導波路(リッジストライプ
構造)を有する窒化物半導体の積層構造を形成し、前記
GaN層上に窒化物半導体レーザ素子を形成することが
示されている。基板の製造には、次の方法を用いること
が報告されている。
【0003】周期的なストライプ状の開口部をもつSi
2マスクパターン(周期20μm)を形成した下地G
aN上に、MOCVD法(Metalorganic Chemical Vapo
r Deposition)により、15μm厚のGaN層を形成し
て、表面が平坦なウェハーを得る。これは、ELOG
(Epitaxially Lateral Overgrown)と呼ばれる技術で
あり、ラテラル成長の利用により、欠陥を低減する手法
である。さらに、通常のHVPE法(Hydride Vapor Ph
ase Epitaxy)により200μm厚のGaN層を形成
し、下地を除去することでGaN基板を製造する。こう
して得られた半導体レーザの寿命特性は、60℃におい
て30mWで、推定寿命15000時間であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記報
告に記載の半導体レーザ素子では、基板の製造方法が、
3回の結晶成長(下地成長、MOCVD成長、HVPE
成長)を必要としており、複雑で、生産性に問題があっ
た。また、レーザ発振寿命もまだ十分でなく、さらに高
温で高出力(例えば、70℃、60mW)の条件での寿
命が十分でなかった。
【0005】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、レーザ発振寿命の一層優れた半導体レーザ素子お
よびその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本明細書で説明する窒化
物半導体基板とは、少なくともAlxGayInzN(0
≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)
で構成された基板である。さらに、窒化物半導体基板
は、その構成成分である窒素元素の約20%以下が、A
s、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの
元素で置換されても構わない。
【0007】窒化物半導体基板として、最も好ましく
は、二元結晶となるGaN基板である。二元結晶とする
ことで、組成が一定となり、基板として安定した特性の
ものが得られやすくなるとともに、その上にエピタキシ
ャル成長を行う際にも、組成の変化が無くなる。また、
GaNとすることで、良好な導電性が得られるようにも
なる。次いでは、AlGaN基板である。AlGaN基
板のように、屈折率がGaNよりも小さい材料を基板と
して用いることで、紫外〜青色領域の半導体レーザを上
記材料系で構成する場合、レーザ光の活性層への光閉じ
込めが良好になる。
【0008】また、窒化物半導体基板は、n型もしくは
p型のドーパント等の不純物が添加されていても構わな
い。不純物としては、Cl、O、S、Se、Te、C、
Si、Ge、Zn、Cd、MgおよびBe等を用いるこ
とができる。その不純物の総添加量は5×1016/cm
3以上5×1020/cm3以下が好ましい。窒化物半導体
基板がn型導電性を有するための不純物は、前記不純物
群のうち、Si、Ge、O、Se、Clのいずれかが特
に好ましい。
【0009】本明細書で説明する窒化物半導体基板に積
層された窒化物半導体層とは、少なくともAlxGay
zN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y
+z=1)で構成された層である。窒化物半導体層は、
その構成成分である窒素元素の約20%以下が、As、
PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素
で置換されても構わない。
【0010】また、窒化物半導体層は、n型もしくはp
型のドーパント等の不純物が添加されていても構わな
い。不純物としては、Cl、O、S、Se、Te、C、
Si、Ge、Zn、Cd、MgおよびBe等を用いるこ
とができる。その不純物の総添加量は5×1016/cm
3以上5×1020/cm3以下が好ましい。窒化物半導体
層がn型導電性を有するための不純物は、前記不純物群
のうち、Si、Ge、S、Se、Teのいずれかが特に
好ましく、p型導電性を有するための不純物はMg、C
d、Beのいずれかが特に好ましい。
【0011】本明細書で説明する活性層とは、井戸層も
しくは井戸層と障壁層から構成された層の総称を指すも
のとする。例えば、単一量子井戸構造の活性層は、1つ
の井戸層のみから構成されるか、あるいは、障壁層/井
戸層/障壁層から構成される。また、多重量子井戸構造
の活性層は複数の井戸層と複数の障壁層から構成され
る。
【0012】なお、結晶の面や方位を示す指数が負の場
合、絶対値の上に横線を付して表記するのが結晶学の決
まりであるが、本明細書では、そのような表記ができな
いため、絶対値の前に負号「−」を付して負の指数を表
す。
【0013】前記目的を達成するために、本発明では、
窒化物半導体基板と、その上に積層された窒化物半導体
層を備える窒化物半導体レーザ素子は、窒化物半導体基
板がストライプ状の転位集中領域と、転位集中領域を除
いた領域である低転位領域とを有し、窒化物半導体層が
ストライプ状のレーザ光導波領域を有し、レーザ光導波
領域が低転位領域上に位置して転位集中領域と略平行で
あり、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域
との水平方向の距離dが40μm以上である構成とす
る。窒化物半導体層のレーザ光導波領域を窒化物半導体
基板の転位集中領域から40μm以上ずらして低転位領
域上に位置させることで、レーザ光導波領域への基板の
転位の影響が抑えられ、レーザ発振寿命の長い半導体レ
ーザ素子となる。
【0014】本発明ではまた、窒化物半導体基板と、そ
の上に積層された窒化物半導体層を備える窒化物半導体
レーザ素子は、窒化物半導体基板が、互いに略平行な複
数のストライプ状の転位集中領域と、転位集中領域を除
いた領域である低転位領域とを有し、窒化物半導体層が
ストライプ状のレーザ光導波領域を有し、レーザ光導波
領域が低転位領域上に位置して転位集中領域と略平行で
あり、レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域
との水平方向の距離dが40μm以上であり、隣り合う
転位集中領域間の中央線部分を低転位領域中央領域とす
るとき、レーザ光導波領域とこれに最近接の低転位領域
中央領域との水平方向の距離tが30μm以上である構
成とする。窒化物半導体基板に転位集中領域が複数存在
するときは、低転位領域の中央部に周囲とは少し性質の
異なる領域が生じることがある。この低転位領域中央領
域からレーザ光導波領域を30μm以上ずらすことで、
一層レーザ発振寿命の長い半導体レーザ素子となる。
【0015】本発明ではまた、窒化物半導体基板と、そ
の上に積層された窒化物半導体層を備える窒化物半導体
レーザ素子は、窒化物半導体基板がストライプ状の転位
集中領域と、転位集中領域を除いた領域である低転位領
域とを有し、低転位領域がストライプ状の高ルミネッセ
ンス領域を有し、転位集中領域と高ルミネッセンス領域
が略平行であり、窒化物半導体層がストライプ状のレー
ザ光導波領域を有し、レーザ光導波領域が低転位領域上
に位置して転位集中領域と略平行であり、レーザ光導波
領域とこれに最近接の転位集中領域との水平方向の距離
dが40μm以上であり、レーザ光導波領域とこれに最
近接の高ルミネッセンス領域との水平方向の距離tが3
0μm以上である構成とする。高ルミネッセンス領域は
周囲とは少し性質の異なる領域であり、この領域からレ
ーザ光導波領域を30μm以上ずらすことで、長寿命の
半導体レーザ素子となる。
【0016】窒化物半導体基板における隣り合う転位集
中領域間の距離Pは140μm以上であることが望まし
い。製造に際し、レーザ光導波領域を転位集中領域から
ずらすのを容易にするためである。
【0017】また、この距離Pは1000μm以下であ
ることが望ましい。低転位領域のうちレーザ光導波領域
の下方に位置しない不必要な部分が過大になるのを避け
るためである。
【0018】窒化物半導体基板としては、その[1−1
00]方向に転位集中領域が略平行なものを用いること
ができる。
【0019】本発明ではまた、窒化物半導体基板と、そ
の上に積層された窒化物半導体層を備える窒化物半導体
レーザ素子は、窒化物半導体基板がストライプ状の高ル
ミネッセンス領域を有し、窒化物半導体層がストライプ
状のレーザ光導波領域を有し、レーザ光導波領域が高ル
ミネッセンス領域と略平行であり、レーザ光導波領域と
最近接の高ルミネッセンス領域との水平方向の距離tが
30μm以上である構成とする。周囲とは少し性質の異
なる高ルミネッセンス領域からレーザ光導波領域を30
μm以上ずらすことで、長寿命の半導体レーザ素子とな
る。
【0020】窒化物半導体基板としては、その[1−1
00]方向に高ルミネッセンス領域が略平行なものを用
いることができる。
【0021】窒化物半導体層は、InxGa1-xN(0<
x<1)から構成される井戸層を含有する量子井戸活性
層を有するものとすることができる。
【0022】また、窒化物半導体層は、As、Pおよび
Sbのうち少なくともいずれかの元素を含む窒化物半導
体から構成される井戸層を含有する量子井戸活性層を有
するものとすることもできる。
【0023】本発明では、半導体光学装置に上記の窒化
物半導体レーザ素子を光源として備えるようにする。
【0024】本発明ではまた、互いに略平行な複数のス
トライプ状の転位集中領域と、転位集中領域を除いた領
域である低転位領域とを有する窒化物半導体基板上に、
ストライプ状のレーザ光導波領域を備えた窒化物半導体
の積層構造を含有する窒化物半導体層を形成する工程を
含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法において、レー
ザ光導波領域を低転位領域上に転位集中領域と略平行に
設けるとともに、レーザ光導波領域とこれに最近接の転
位集中領域との水平方向の距離dを40μm以上とする
ようにする。このようにすると、レーザ光導波領域への
基板の転位の影響を抑えることができて、レーザ発振寿
命の長い半導体レーザ素子が得られる。
【0025】ここで、隣り合う転位集中領域間の中央線
部分を低転位領域中央領域とするとき、レーザ光導波領
域とこれに最近接の低転位領域中央領域との水平方向の
距離tを30μm以上とするようにしてもよい。周囲と
は少し性質の異なる可能性のある低転位領域中央領域か
らレーザ光導波領域をずらすことで、一層長寿命の半導
体レーザ素子を得ることができる。
【0026】低転位領域中に転位集中領域と略平行なス
トライプ状の高ルミネッセンス領域を有する窒化物半導
体基板を用いるときは、レーザ光導波領域とこれに最近
接の高ルミネッセンス領域との水平方向の距離tを30
μm以上とするようにしてもよい。周囲とは少し性質の
異なる高ルミネッセンス領域からレーザ光導波領域をず
らすことで、一層長寿命の半導体レーザ素子を得ること
ができる。
【0027】隣り合う転位集中領域間の距離Pが140
μm以上の窒化物半導体基板を用いるとよい。レーザ光
導波領域を転位集中領域からずらすことが容易になる。
【0028】また、この距離Pが1000μm以下の窒
化物半導体基板を用いるとよい。低転位領域のうちレー
ザ光導波領域の下方に位置しない不必要な部分の大きい
半導体レーザ素子となるのを避けることができ、また、
歩留まりも向上する。
【0029】本発明ではまた、互いに略平行な複数のス
トライプ状の高ルミネッセンス領域を有する窒化物半導
体基板上に、ストライプ状のレーザ光導波領域を備えた
窒化物半導体の積層構造を含有する窒化物半導体層を形
成する工程を含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法に
おいて、レーザ光導波領域を高ルミネッセンス領域と略
平行に設けるとともに、レーザ光導波領域とこれに最近
接の高ルミネッセンス領域との水平方向の距離tを30
μm以上とするようにする。この場合も、長寿命の半導
体レーザ素子を得ることができる。
【0030】転位集中領域を有する窒化物半導体基板と
しては、ファセット面{11−22}面が表出して鋸歯
状の凹凸形状となっている表面を有し、転位集中領域が
表面の凹凸形状の底部の下方に位置するものを用いるこ
とができる。
【0031】また、高ルミネッセンス領域を有する窒化
物半導体基板としては、ファセット面{11−22}面
が表出して鋸歯状の凹凸形状となっている表面を有し、
高ルミネッセンス領域が表面の凹凸形状の頂上部の下方
に位置するものを用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>図1は本発明の
実施の形態1の半導体レーザ素子1を示す断面模式図で
ある。図1は、本実施の形態の半導体レーザ素子1を、
光出射方向から見た図である。図1において、10はn
型GaN基板であり、基板10中には、転位集中領域1
1が存在し、転位集中領域11以外の部分は低転位領域
となっている。また、低転位領域中には、さらに転位集
中領域11に平行して高ルミネッセンス領域12が存在
する。基板10上には、窒化物半導体層(エピタキシャ
ル成長層)13が形成されている。窒化物半導体層13
中には、レーザ光導波領域14が位置している。また、
窒化物半導体層13上面および基板10下面には、電極
15、16がそれぞれ形成されている。図1の断面図に
は現れていないが、転位集中領域11、高ルミネッセン
ス領域12およびレーザ光導波領域14は、図1の奥行
き方向に延伸しており、互いに略平行の配置となってい
る。
【0033】本実施の形態の半導体レーザ素子1を上面
側から見たとき(平面視)、レーザ光導波領域14と転
位集中領域11との距離をd、レーザ光導波領域14と
高ルミネッセンス領域12との距離をtとしたとき、d
=80μm、t=120μmとした。なお、本明細書に
おいて、距離dおよびtは各ストライプ状のレーザ光導
波領域、転位集中領域、高ルミネッセンス領域の中心位
置間の距離から規定されるものとする。
【0034】以下に、本実施の形態の半導体レーザ素子
1の製造方法について解説しつつ、さらに詳しくその構
造についても説明する。
【0035】(GaN基板の作製方法)まず、n型Ga
N基板10の結晶成長方法の概略を述べる。GaNの結
晶は、ファセット面からなる斜面が表出するようにし
て、その斜面を維持しながら成長させる。つまり、斜面
を成長方向に次第に移動させていく。これにより、斜面
の途中に発生する転位が斜面の下端に伝搬して集合し、
斜面の下端であった部位が転位集中領域、斜面の途中で
あった部位が低転位領域となる。
【0036】転位集中領域にはいくつかの状態がある。
例えば多結晶となることがある。また、周囲の低転位領
域に対して僅かに傾斜した単結晶となることもある。さ
らに、周囲の低転位位領域の成長方向が[0001]方
向であるのに対して、成長方向が逆に[000−1]方
向となることもある。このため、転位集中領域と低転位
領域の間には明確な境界が生じる。
【0037】斜面を成長方向に移動させるため、ファセ
ット面を最初にどのような形状で発生させるかにより、
転位集中領域の形状を規定することができる。上下を逆
にした(頂点が下で底面が上の)角錐の側面のようなフ
ァセット面を最初に発生させておけば、転位はその角錐
の頂点の部位に集まり、転位集中領域は成長方向に平行
な直線状となってピットを形成する。また、断面がV字
状の溝の側面のようなファセット面を最初に発生させて
おけば、転位はその溝の底の直線状の部位に集まり、転
位集中領域は成長方向に平行な面状となってストライプ
を形成する。
【0038】最初に生じさせるファセット面の種として
は、結晶成長を妨げるマスクを利用することができる。
マスクを設けていない部位で結晶成長が始まって、マス
クのない部位とある部位との境界にファセット面が生
じ、水平方向への成長によってマスク上でファセット面
が接し合い、その接点が転位集中領域の開始位置とな
る。ファセット面が接し合った後は、垂直方向(本来の
成長方向)への結晶成長が安定して進み、ファセット面
はそのまま成長方向に移動し、転位集中領域は成長方向
に伸びていく。結晶成長を妨げるマスクをドット状とす
れば、上下が逆の角錐の側面のようなファセット面を発
生させることができ、マスクを直線状とすれば、断面が
V字状の溝の側面のようなファセット面を発生させるこ
とができる。マスクとしては非結晶または多結晶の層を
設ければよく、例えばSiO2の薄膜を基体表面に形成
しておく。
【0039】結晶成長後、その表面を研磨して鏡面化す
ることで、半導体層を積層しうる基板が得られる。本実
施の形態では、V字状にファセット面を生じさせて、転
位集中領域がストライプ状となるようにするか、あるい
は、ドットを取り巻く形状のファセット面を短い周期で
多数生じさせて、転位集中領域が巨視的にストライプ状
となるようにする。
【0040】n型GaN基板10の具体的な製造方法
を、図2を参照して説明する。支持基体21上に、HV
PE法により、n型GaN層22を、ファセット面{1
1−22}面23が成長中の表面に主として表出するよ
うに成長させる。その結果、表面の断面図形は鋸歯状の
凹凸形状となる。ただし、凸部の頂点付近には、わずか
に、{0001}面26が表出した部分がストライプ状
に見られた。図2(a)は、この状態を説明した断面図
(一部のみ表示)である。
【0041】ここで、HVPE法というのは、ホットウ
ォール型の反応炉の上流部にGaボートを設けて加熱し
たGa融液にHClガスを吹き込むようにし、反応炉の
下流部に基体を設けてNH3を吹き込むようにしてお
き、加熱したGaメタル(融液)にHClを吹き込んで
GaClを合成し、下方へ送り、下方でNH3と反応さ
せGaNを合成して、GaNが基体に堆積するようにし
たものである。
【0042】支持基体21としては2インチ(111)
GaAsウェハーを用いた。基体21の材料に特に制約
はなく、一般的なサファイアを用いることも可能である
が、後に切除するため、このようにGaAsを材料とし
て用いて無駄を抑えるのが好ましい。
【0043】上記凹凸はピッチP=400μmの周期構
造であり、図面奥行き方向に畝状に延びている形状とな
っている。このように、凹凸の位置を規定するために
は、基体21上にあらかじめ上記凹部に対応したSiO
2等のマスクを形成しておき、これを種としてファセッ
トが表出する状態で、結晶成長を行えば良い。つまりマ
スクは、GaN結晶の[1−100]方向に平行になる
ように、ピッチP=400μmでストライプ状に配置さ
れており、その形状は、連続したストライプ状、あるい
は略一定間隔で直線上に位置する多数のドット状であ
る。
【0044】ファセット{11−22}面が表出した状
態で、結晶成長を持続させる手法(成長条件)について
は、本出願人が先に出願した特願平11−273882
号に詳細に開示している。なお、成長時にOをドーピン
グすることで、成長する結晶をn型とした。
【0045】このような成長モードを保ったまま、さら
にGaN結晶の形成を続けることで、基体21上に高さ
30mmのインゴットを作製した。図2(b)は、イン
ゴットを示した図である。
【0046】このインゴットを、スライサーによりスラ
イス切断加工して薄片(n型GaN基板)を得た。薄片
を研磨加工して、表面が平坦な2インチ(約5cm)
径、厚さ350μmのn型GaN基板10を得た。エピ
タキシャル成長を行うための表面は鏡面研磨仕上げとし
た。なお、この表面は、ほぼ(0001)面としたが、
上にエピタキシャル成長される窒化物半導体層13のモ
フォロジーが平坦で良好になるためには、(0001)
面から任意の方向に0.2〜1°の範囲の、比較的小さ
いオフ角度を有していることが望ましく、特に表面の平
坦性が最小になるようにするためには、0.4〜0.8
°の範囲とすることが好ましかった。図2(c)は、こ
うして得られたn型GaN基板10の断面図(一部のみ
表示)であり、図2(d)は、上面図(一部のみ表示)
である。
【0047】こうして得られたGaN基板10の評価を
次のように行った。まず、n型GaN基板10の表面を
顕微鏡で詳細に観察した。研磨加工された表面は必ずし
も平坦でなく、結晶成長時に凹部の最底部が生じていた
領域(図2(a)において符号24で示した部分)に対
応する領域がやや窪んでいた。
【0048】さらに、硫酸、燐酸の混酸を250℃に加
熱した液にサンプルを浸してエッチングを行い、エッチ
ピットが表面に出るようにした。その結果、結晶成長時
に凹部の最底部が生じていた領域(図2(a)において
符号24で示した部分)に対応する領域で、多数のエッ
チピットが現れ、この領域は転位(あるいは結晶欠陥)
が極めて集中している領域(転位集中領域)であること
が判明した。つまり、上記窪みは、この領域に対応して
いた。
【0049】このように窪みの部分は、転位が極めて集
中しているために、研磨工程で他の部分よりも侵食され
やすく、そのため生じてしまったものと考えられる。転
位集中領域の幅は約10〜40μmであった。それ以外
の領域は、EPD(エッチピット密度)104〜105
cm2台の低転位領域となっていた。転位集中領域のE
PDは、これよりも3桁以上大きいように観察された。
このように、符号11で表されるような領域は、周囲に
比べて数桁も転位密度が大きくなっている部分であるた
め、本明細書では、「転位集中領域」と呼称した。
【0050】また、サンプルに紫外線(Hgランプ36
5nm輝線を用いることができる)を照射して、表面か
らのルミネッセンスを顕微鏡を用いて観察した(蛍光顕
微鏡観察)。その結果、転位集中領域11に挟まれた低
転位領域の中央に、比較的はっきりと境界をもった、周
囲とコントラストが異なるストライプ状の領域が観察さ
れた。この領域は、周囲よりも肉眼で観察される発光
(ルミネッセンス)が強く、やや黄色がかって明るく観
察される領域である。
【0051】この領域は、結晶成長時にファセット面
{0001}面が表出しつつ成長していた部分25であ
り、図1および図2(d)に符号12で表される領域で
ある。このように周囲と異なって観察されるのは、ドー
パントの取り込まれ具合が周囲と異なるなどの理由が考
えられる。上述の事実から、本明細書では、この領域を
「高ルミネッセンス領域」と呼称した。結晶成長時に、
ファセット面{0001}面が表出しつつ成長していた
部分25が必ずしも同一の幅をもって均一に進行するも
のではないために、高ルミネッセンス領域12の幅は、
やや揺らぎを持っているものの、広いところで、30μ
m程度であった。
【0052】なお、このような高ルミネッセンス領域
は、上記インゴットを作成するときの条件や、インゴッ
トにおける位置(支持基体からの距離)によっては、ほ
とんど形成されないこともある。しかしながら、転位集
中領域11にはさまれた部分のほぼ中央の領域は、上記
凹凸の頂点付近の領域に対応している部分であり、これ
を、本明細書では、「低転位領域中央領域」とも呼称す
る。本明細書において、高ルミネッセンス領域として説
明する部分は、低転位領域中央領域に置き換えて考える
ことができる。
【0053】なお、上記GaN基板10の形成のための
結晶成長は、HVPE法以外の気相成長によってもよ
く、MOCVD法(Metalorganic Chemical Vapor Depo
sition)、MOC法(Metalorganic Chloride Vapor Ph
ase Epitaxy)、昇華法などを用いても実施することが
できる。
【0054】GaN基板10の形成のための成長に用い
る基体21としては、GaAsの他にも、軸廻りに六回
対称性あるいは三回対称性がある結晶基板を用いること
ができる。つまり結晶系としては六方晶系であるか立方
晶系である結晶が挙げられる。立方晶系の場合(11
1)面を使えば三回対称性がある。サファイア、Si
C、石英、NdGaO3、ZnO、GaN、AlNなど
の六方晶系の結晶を用いることができる。Si、スピネ
ル、MgO、GaPなどの立方晶系の(111)面基板
を用いることもできる。これらはGaNをC面で成長さ
せるものである。
【0055】GaN基板10の形成のためのマスクの設
け方にも2種類の選択肢がある。一つは基体の上に直接
にマスクを形成する手法である。この場合、エピ層に先
立ちマスク開口の内部の基体露出面にGaNバッファ層
を堆積する等の工夫を行ったほうがよい。もう一つは基
体の上に予め比較的薄くGaN層を形成しておいて、そ
の上にマスクを形成する手法である。後者の方が成長が
スムーズに進行し、より好ましい場合が多い。
【0056】また、ここでは基板10としてGaNを用
いた例を説明したが、「課題を解決するための手段」の
欄に記載したような材料で構成される窒化物半導体基板
に置換してもよい。
【0057】従来の技術に示した窒化物半導体基板の製
造方法では、基板結晶の成長を進行させるに従って、横
方向成長技術(ELOG技術)を用いることで、転位を
低減しているが、転位(欠陥)が生じる位置は特に制御
されず、結晶成長が進むに従って、転位は面内に一様に
分布するようになる。一方、本発明で用いる窒化物半導
体基板では、転位集中領域の位置が、基板結晶の成長を
通じて、所定の位置(ピッチが数100μmオーダであ
る)に制御される。従来技術のGaN基板と、本発明で
用いる窒化物半導体基板には、このような違いがある。
【0058】そのため、同程度の転位密度の基板を得よ
うとする場合、本実施の形態で説明する基板結晶の製造
方法の方が、結晶成長回数が少なくてすみ、生産性が良
好になる。このような基板を用いた場合に、半導体レー
ザ素子におけるレーザ光導波領域がどのような位置に設
けられれば適当であるかについては、従来知られていな
かった。この点については、後に詳細に説明する。
【0059】(窒化物半導体層のエピタキシャル成長)
次に、n型GaN基板10上に窒化物半導体層13等を
形成して半導体レーザ素子1を作製する方法について、
図3を参照して解説する。図3は、図1の半導体レーザ
素子1を、窒化物半導体層13の層構造を詳細に示すよ
うに表した模式図であり、基板10中の上記構造につい
ては記載を省略した。
【0060】MOCVD装置を用いて、V族原料のNH
3とIII族原料のTMGa(トリメチルガリウム)ま
たはTEGa(トリエチルガリウム)に、ドーパント原
料としてのSiH4を加え、n型GaN基板10に、基
板温度1050℃で、膜厚3μmのn型GaN層102
を形成した。次いで、800℃の基板温度で、上記原料
にIII族原料としてのTMIn(トリメチルインジウ
ム)を加え、n型In 0.07Ga0.93Nクラック防止層1
03を40nm成長させた。次に、基板温度を1050
℃に上げ、TMAl(トリメチルアルミニウム)または
TEAl(トリエチルアルミニウム)のIII族原料も
用いて、1.2μm厚のn型Al0.1Ga0.9Nクラッド
層104を成長させた。n型不純物としてSiを5×1
17/cm3〜1×1019/cm3添加した。続いて、n
型GaN光ガイド層105(Si不純物濃度1×1016
〜1×1018/cm3)を0.1μm成長させた。
【0061】その後、基板温度を750℃に下げ、3周
期の、厚さ4nmのIn0.1Ga0.9N井戸層と厚さ8n
mのIn0.01Ga0.99N障壁層から成る活性層(多重量
子井戸構造)106を、障壁層/井戸層/障壁層/井戸
層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で成長させた。その
際、障壁層または障壁層と井戸層の両方にSiH4(S
i不純物濃度は1×1016〜1×1018/cm3)を添
加した。障壁層と井戸層、または井戸層と障壁層との間
に、1秒以上180秒以内の成長中断を実施すると、各
層の平坦性が向上し、発光半値幅が減少して好ましい。
【0062】活性層にAsを添加する場合はAsH
3(アルシン)またはTBAs(ターシャリブチルアル
シン)を、活性層にPを添加する場合はPH3(ホスフ
ィン)またはTBP(ターシャリブチルホスフィン)
を、活性層にSbを添加する場合はTMSb(トリメチ
ルアンチモン)またはTESb(トリエチルアンチモ
ン)を、それぞれ原料に用いると良い。また、活性層を
形成する際、N原料として、NH3以外にN24(ヒド
ラジン)、C228(ジメチルヒドラジン)あるいは
Nを含む有機原料を用いても構わない。
【0063】次に、基板温度を再び1050℃まで上昇
させて、厚さ20nmのp型Al0. 3Ga0.7Nキャリア
ブロック層107、0.1μmのp型GaN光ガイド層
108、0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
109、および0.1μmのp型GaNコンタクト層1
10を順次成長させた。p型不純物として原料にEtC
2Mg(ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウ
ム)を用い、Mgを1×1018/cm3〜2×1020
cm3で添加した。p型GaNコンタクト層110のp
型不純物濃度は、p電極112の方向に向かって高くな
るようにした方が好ましい。これによりp電極形成によ
るコンタクト抵抗が低減する。また、p型不純物である
Mgの活性化を妨げているp型層中の残留水素を除去す
るために、p型層成長中に微量の酸素を混入させてもよ
い。
【0064】このようにして、p型GaNコンタクト層
110を成長させた後、MOCVD装置のリアクター内
を全て窒素キャリアガスとNH3に替えて、60℃/分
で温度を降下させた。基板温度が800℃になった時点
で、NH3の供給を停止し、5分間その基板温度で待機
してから、室温まで降下した。ここでの基板の保持温度
は650℃から900℃の間が好ましく、待機時間は、
3分以上10分以下が好ましかった。また、温度の降下
速度は、30℃/分以上が好ましい。
【0065】このようにして作製した成長膜をラマン測
定によって評価した結果、MOCVD装置からのウェハ
ー取り出し後のp型化アニールを実行しなくても、成長
後すでにp型化の特性が示されていた(Mgが活性化し
ていた)。また、p電極形成によるコンタクト抵抗も低
下する。上記手法に加えて従来のp型化アニールを組み
合わせると、Mgの活性化率がより向上して好ましかっ
た。
【0066】In0.07Ga0.93Nクラック防止層103
は、In組成比が0.07以外であっても構わないし、
InGaNクラック防止層103自体がなくても構わな
い。しかしながら、クラッド層104とGaN基板10
との格子不整合が大きくなる場合は、前記InGaNク
ラック防止層103を挿入した方がクラック防止の点で
より好ましい。また、クラックを防止するために、各n
型層におけるn型の不純物として、Siに代えてGeを
用いることも好ましい。
【0067】活性層106は、障壁層で始まり障壁層で
終わる構成であるが、井戸層で始まり井戸層で終わる構
成であってもよい。また、井戸層の層数は、前述の3層
に限らず、10層以下であれば閾値電流密度が低く、室
温連続発振が可能であった。特に2層以上6層以下のと
き閾値電流密度が低く好ましかった。さらに上記で説明
した活性層に、Alを含有するようにしてもよい。
【0068】また、ここでは活性層106を成す井戸層
と障壁層の両層にSiを所要量添加したが、不純物を添
加しなくても構わない。しかしながら、Siのような不
純物を活性層に添加した方が発光強度は強かった。この
ような不純物としては、Si以外に、O、C、Ge、Z
nおよびMgのうちのいずれか、またはこれらの2以上
を組み合わせて用いることができる。また、不純物の添
加量の総和は、約1×1017〜8×1018/cm3程度
が好ましかった。さらに、不純物を添加する層は井戸層
と障壁層の両層に限らず、片方の層のみに不純物を添加
しても良い。
【0069】p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層
107は、この組成以外であっても構わない。Inを添
加したAlGaNとすれば、より低温での成長でp型化
するので、結晶成長時に活性層106が受けるダメージ
を低減することができて、好ましい。なお、キャリアブ
ロック層107自体が無くても構わないが、これを設け
た方が閾値電流密度が低かった。これは、キャリアブロ
ック層107が活性層106にキャリアを閉じ込める働
きがあるからである。キャリアブロック層107のAl
組成比は、高くすることによってキャリアの閉じ込めが
強くなって好ましい。また、キャリアの閉じ込めが保持
される程度までAl組成比を小さくすれば、キャリアブ
ロック層内のキャリア移動度が大きくなり電気抵抗が低
くなって好ましい。
【0070】また、ここでは、p型クラッド層109と
n型クラッド層104として、Al 0.1Ga0.9N結晶を
用いたが、Alの組成比が0.1以外のAlGaN3元
結晶であっても構わない。Alの混晶比が高くなると活
性層106とのエネルギーギャップ差及び屈折率差が大
きくなり、キャリアや光が活性層に効率良く閉じ込めら
れ、レーザ発振閾値電流密度を低減することができる。
また、キャリアおよび光の閉じ込めが保持される程度ま
でAl組成比を小さくすれば、クラッド層でのキャリア
移動度が大きくなり、素子の動作電圧を低くすることが
できる。この点を考慮してp型クラッド層109のAl
組成比を0.06〜0.09程度にすることも、好まし
い。
【0071】n型AlGaNクラッド層104の厚さ
は、0.7μm〜1.5μmが好ましい。これにより、
垂直横モードの単峰化と光閉じ込め効率が増し、レーザ
の光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低減が図れ
る。
【0072】また、クラッド層104、109は、上記
ではAlGaN3元混晶としたが、AlInGaN、A
lGaNP、AlGaNAs等の4元混晶であっても良
い。さらに、p型クラッド層109は、電気抵抗を低減
するために、p型AlGaN層とp型GaN層からなる
超格子構造、p型AlGaN層とp型AlGaN層から
なる超格子構造、またはp型AlGaN層とp型InG
aN層からなる超格子構造を有していても良い。
【0073】ここでは、MOCVD装置による結晶成長
方法を説明したが、分子線エピタキシー法(MBE)、
ハイドライド気相成長法(HVPE)を用いても構わな
い。
【0074】続いて、窒化物半導体層13の各層がn型
GaN基板10上に形成されたエピウェハーを、MOC
VD装置から取り出して、窒化物半導体レーザ素子チッ
プに加工するプロセス工程を説明する。
【0075】(素子化プロセス)レーザ光導波領域14
であるリッジストライプ部を、n型GaN基板10に対
して、図1を用いて説明した所要の位置に形成する。こ
れは、エピウェハー表面側より、p型クラッド層109
の途中または下端までを、ストライプ状の部分を残して
エッチングすることにより行う。ここで、ストライプ幅
は1〜3μm、好ましくは1.3〜2μmとし、また、
エッチング底面のp型ガイド層108からの距離は、0
〜0.1μmした。その後、リッジストライプ部以外の
部分に絶縁膜113を形成した。ここで、絶縁膜113
としてはAlGaNを用いた。エッチングされずに残っ
たp型GaNコンタクト層110は露出しているので、
この部分および絶縁膜113上に、p電極112をPd
/Mo/Auの順序で蒸着して形成した。
【0076】絶縁膜113としては上記以外に珪素、チ
タン、ジルコニア、タンタル、アルミニウム等の酸化物
もしくは窒化物を用いることもでき、また、p電極11
2の材料として他に、Pd/Pt/Au、Pd/Au、
またはNi/Auのいずれかを用いても構わない。
【0077】さらに、エピウェハー裏面側(基板側)を
研磨することにより、ウェハーの厚さを80〜200μ
mに調整し、後にウェハーの分割を行いやすいようにし
た。n電極111は、基板の裏側にHf/Alの順序で
形成した。n電極111の材料として他に、Hf/Al
/Mo/Au、Hf/Al/Pt/Au、Hf/Al/
W/Au、Hf/Au、Hf/Mo/Auや、これらの
うちのHfをTi、Zrに置き換えたものを用いても構
わない。
【0078】最後に、エピウェハーを、リッジストライ
プ方向に対して垂直方向に劈開し、共振器長600μm
のファブリ・ペロー共振器を作製した。共振器長は25
0μmから1000μmが好ましい。この工程により、
ウェハーは個々のレーザ素子が横に連なったバー状の形
態となった。ストライプが<1−100>方向に沿って
形成された窒化物半導体レーザ素子の共振器端面は、窒
化物半導体結晶の{1−100}面である。劈開はウェ
ハー全面にスクライバーにより罫書き傷をつけて行うの
ではなく、ウェハーの一部、例えば、ウェハーの両端に
のみ、あるいは、チップ両端に対応する部分にのみスク
ライバーによって罫書き傷をつけ、これを起点に劈開し
た。なお、端面で帰還させる手法以外に、内部に回折格
子を設けて帰還させるDFB(Distributed Feedbac
k)、外部に回折格子を設けて帰還させるDBR(Distr
ibuted Bragg Reflector)を用いても構わない。
【0079】ファブリ・ペロー共振器の共振器端面を形
成した後、この端面に約80%の反射率を有するSiO
2とTiO2の誘電体膜を交互に蒸着し、誘電体多層反射
膜を形成した。誘電多層反射膜は他の誘電体材料で形成
しても構わない。さらにこの後、バーを個々のレーザ素
子に分割することで、図1の半導体レーザ素子1を得
た。レーザチップの中央にレーザ光導波領域14(リッ
ジストライプ)を配置し、レーザ素子1の横幅Wは40
0μmとした。
【0080】もともとのn型GaN基板10にはピッチ
P=400μmで転位集中領域11が配置され、各低転
位領域の中央部に高ルミネッセンス領域12が配置さ
れ、また、図1を用いて説明したように、d=80μ
m、t=120μmとして、各領域を配置したから、各
半導体レーザ素子(チップ)には、1本の転位集中領域
と、1本の高ルミネッセンス領域が含まれた。つまり、
本実施の形態では、W=Pであり、2(t+d)=Pで
ある。
【0081】以上のようにして図1および図3に示す窒
化物半導体レーザ素子1のチップを作製した。
【0082】(半導体レーザ素子の特性)得られた窒化
物半導体レーザ素子1では、最適位置に電流狭窄部分が
存在することによって、レーザ出力60mW、雰囲気温
度70℃の条件の下、レーザ発振寿命5000時間以上
が達成された。なお、本発明者らが前述の従来技術によ
って半導体レーザを作製し、同一条件で試験を行ったと
ころ、その寿命は1000時間程度であった。
【0083】(レーザ光導波領域と基板との位置関係)
本実施の形態の窒化物半導体基板10は、上述のごと
く、ストライプ状の転位集中領域、低転位領域、高ルミ
ネッセンス領域あるいは低転位領域中央領域のような構
造を有していることを特徴とする。あるいは、上述のよ
うな製造方法を用いて作製されたことを特徴とする。こ
のような窒化物半導体基板を用いて窒化物半導体レーザ
素子を製造する際、窒化物半導体レーザ素子のレーザ光
導波領域を窒化物半導体基板上のどの位置に形成するか
によって、レーザ発振寿命が変化することを、本発明者
らは見出した。以下に、距離dおよびtの好ましい範囲
について詳細に検討する。
【0084】図4は、P=600μmのn型GaN基板
上に、本実施の形態の半導体レーザ素子1とほぼ同様に
して作製し、レーザ光導波領域14の位置を変更したい
くつかの半導体レーザ素子のレーザ発振寿命を、レーザ
光導波領域14と転位集中領域11との距離dに対して
プロットしたグラフである。評価した距離dの最大値は
200μmである。評価は、レーザ出力60mW、雰囲
気温度70℃の条件で行った。その結果、d≧40μm
で、実用寿命の3000時間が達成され、d≧60μm
で5000時間以上と十分な特性が得られた。なお、寿
命の測定は5000時間までしか行っておらず、図4中
の上向きの矢印はレーザ発振寿命が5000時間以上で
あることを示したものである。
【0085】d≦10μmの場合、レーザ光導波領域1
4は概ね転位集中領域11上に位置しているが、この場
合、寿命数時間以下と極端に特性が劣化した。距離dが
20〜30μmの場合、駆動電流が時間の経過とともに
徐々に上昇する現象が見られ、これが200mA付近に
達したときに熱暴走によりレーザ発振が不可能となっ
た。pn接合に逆バイアスを印加してpn接合のリーク
電流を評価したところ、このように、駆動電流が徐々に
上昇するような素子においては、d≧60μmの素子と
比較すると明らかにリーク電流が多く、これが経過時間
とともに増加していた。
【0086】上記手法で作製されたGaN基板10の転
位集中領域11の近くに形成された半導体レーザ素子で
は、レーザ光導波領域14付近のpn接合に転位(欠
陥)が発生しているため、またはこの影響によりpn接
合面が平坦でなく乱れているために、このような駆動時
間の経過とともに増大するリークが発生してしまい、寿
命特性が劣化したものと推定された。結果として、少な
くともd≧40μm、好ましくは、d≧60μmと設定
することが必要であると判明した。
【0087】図5は、P=600μmのn型GaN基板
上10に、本実施の形態の半導体レーザ素子1とほぼ同
様にして作製し、レーザ光導波領域14の位置を変更し
たいくつかの半導体レーザ素子のレーザ発振寿命を、レ
ーザ光導波領域14と高ルミネッセンス領域12との距
離tに対してプロットしたグラフである。評価した距離
tの最大値は200μmである。評価は、レーザ出力6
0mW、雰囲気温度70℃の条件で行った。その結果、
t≧30μmで、実用寿命の3000時間が達成され、
t≧50μmで5000時間以上と十分な特性が得られ
た。なお、図5中の上向きの矢印は、図4と同様に、レ
ーザ発振寿命が5000時間以上であることを表してい
る。
【0088】t=0μmの場合、レーザ光導波領域14
は高ルミネッセンス領域12上に位置しているが、この
場合、寿命100時間程度に特性が劣化した。レーザ光
導波領域14を高ルミネッセンス領域12近傍に配置す
ると、素子電圧の上昇と、駆動電流値の上昇が見られ、
これにより、素子寿命が劣化してしまうものと考えられ
た。基板10において高ルミネッセンス領域(あるいは
低転位領域中央領域)12およびその近傍には、周囲よ
りも抵抗の高い領域が存在しており、そのため素子電圧
に影響が現れたものと考えられる。素子電圧を詳細に観
察すると、t≧50μmではほぼ一定となるが、それよ
り小さい領域では若干上昇してきており、結果として、
少なくともt≧30μm、好ましくは、t≧50μmと
設定することが必要であると判明した。
【0089】(基板の好ましい範囲)次に、GaN基板
10における転位集中領域11の現れるピッチPの好ま
しい範囲について検討した。前述のように、GaN基板
10の作製においては、ファセット面{11−22}面
を表出させながら、表面の断面形状が鋸歯状の凹凸形状
となるようにすることが重要である。こうすることによ
り、低転位領域、高ルミネッセンス領域12を発生させ
ることができ、転位集中領域11と高ルミネッセンス領
域12の双方から所要距離だけ離れた部分はレーザ導波
領域を形成するに好適な領域となる。したがって、上述
の効果を得る距離dの最小値40μmと、上述の効果を
得る距離tの最小値である30μmとの和70μmの2
倍以上を、ピッチPとして取らないと、レーザ導波領域
を形成する領域が無くなってしまう。よって、距離Pの
範囲はP≧140μmに限定される。
【0090】また、距離Pの値は、GaN基板10の形
成において、凹凸形状の位置を一定に保ったまま成長が
持続できるか否かの点からも限定される。なぜなら、成
長の進行とともに凹凸形状の位置が初期の位置とずれて
きてしまうと、ピッチPが一定しなくなり、得られたG
aN基板10に対して所定の位置にレーザ導波領域を設
定することが困難になるためである。この点からPの範
囲について検討すると、P<50μm程度では、このよ
うな状態を保つことができず、P≧100μmとするこ
とが望ましいことがわかった。
【0091】さらに、転位を転位集中領域11に集中さ
せる機能からすると、ファセット面{11−22}面を
大きく発生させたほうが良く、P≧300μmとする
と、上述のように転位集中領域11と低転位領域での欠
陥密度が3桁以上異なるようになって好ましかった。距
離Pの上限に関しては、これらの要請からは規定されな
いが、あまり大きくすると、得られるインゴット表面の
凹凸が大きくなり、得られるウェハーの取れ数が小さく
なってしまうから、1000μm程度が適当である。結
論として、140≦Pが必要であり、好ましくは、30
0≦Pであれば良く、あえて上限を規定するならばP≦
1000が好ましい。
【0092】<実施の形態2>本実施の形態2の半導体
レーザ素子は実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様
であるが、距離P、d、tの値等が種々異なるものであ
る。図6は本実施の形態の半導体レーザ素子のレーザ光
導波領域14とn型GaN基板の転位集中領域11、高
ルミネッセンス領域12の配置関係を示す図であり、n
型GaN基板60のうち個々の半導体レーザ素子(チッ
プ)とする領域を符号61、62で表している。なお、
本実施の形態2および後述する実施の形態3、4におい
ては、レーザ光導波領域14、転位集中領域11、高ル
ミネッセンス領域12の位置関係が実施の形態1と異な
るが、各実施の形態においても実施の形態1と同様に符
号1で半導体レーザ素子を示す。
【0093】本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造
方法においては、n型GaN基板60の転位集中領域1
1のピッチPは500μmであり、1ピッチに2本のレ
ーザ光導波領域14を配置して、ピッチあたり2個の半
導体レーザ素子(チップ)1を形成する。個々の半導体
レーザ素子1(領域61、62)の横幅Wは250μm
である。
【0094】一方の領域61については、レーザ光導波
領域14と最近接の転位集中領域12との距離dは10
0μmであり、レーザ光導波領域14と最近接の低転位
領域中央領域12との距離tは150μmである。他方
の領域62については、レーザ光導波領域14と最近接
の転位集中領域11との距離dは150μmであり、レ
ーザ光導波領域14と最近接の低転位領域間中央領域1
2との距離tは100μmである。
【0095】領域61、62の幅Wと転位集中領域11
のピッチPには2W=Pの関係があり、2(t+d)=
Pである。また、領域61についての距離d、tをd
1、t1で表し、領域62についての距離d、tをd
2、t2で表すと、d1=t2、d2=t1である。
【0096】一方の領域61においては、n型GaN基
板60中に転位集中領域11が1本のみ存在し、高ルミ
ネッセンス領域12は存在しない。また、他方の領域6
2においては、n型GaN基板60中に転位集中領域1
1が存在せず、高ルミネッセンス領域12が1本のみ存
在する。本実施の形態においても、本発明の効果の出現
する距離d、t、Pの範囲は実施の形態1に記載したと
おりであり、この範囲において実施の形態1で述べた効
果が得られる。
【0097】<実施の形態3>本実施の形態3の半導体
レーザ素子の製造方法は、さらに、1ピッチPあたりに
作製する半導体レーザ素子(チップ)1の数を4個に増
大させたものである。図7は、図6と同様に、半導体レ
ーザ素子のレーザ光導波領域14とn型GaN基板の転
位集中領域11、高ルミネッセンス領域12の配置関係
を示す図であり、n型GaN基板70のうち個々の半導
体レーザ素子(チップ)1とする領域を符号71〜74
で表している。
【0098】本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造
方法においては、n型GaN基板70の転位集中領域1
1のピッチPは800μmであり、1ピッチに4本のレ
ーザ光導波領域14を配置して、ピッチあたり4個の半
導体レーザ素子(チップ)1を形成する。各半導体レー
ザ素子1(領域71〜74)の横幅Wは等しく、200
μmである。順に並んだ領域71、72、73、74に
ついて、レーザ光導波領域14と最近接の転位集中領域
11との距離dは、それぞれ80、280、320、1
20μmであり、レーザ光導波領域14と最近接の低転
位領域中央領域12との距離tは、それぞれ320、1
20、80、280μmである。
【0099】図示したように、領域71には1本の転位
集中領域11が、領域73には1本の高ルミネッセンス
領域12が含まれ、領域72および領域74には転位集
中領域11、高ルミネッセンス領域12のいずれも含ま
れない。本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造方法
においては、4W=Pであり、各レーザ光導波領域14
に対して2(t+d)=Pである。
【0100】本実施の形態においても、本発明の効果の
出現する距離d、t、Pの範囲は実施の形態1に記載し
たとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べ
た効果が得られる。
【0101】<実施の形態4>本実施の形態4は、実施
の形態2または3とは逆に、幅W>ピッチPとするもの
である。図8は、図6と同様に、本実施の形態の半導体
レーザ素子のレーザ光導波領域14とn型GaN基板の
転位集中領域11、高ルミネッセンス領域12の配置関
係を示す図であり、n型GaN基板80のうち半導体レ
ーザ素子(チップ)1とする領域を符号81で表してい
る。
【0102】本実施の形態の半導体レーザ素子1の製造
方法においては、n型GaN基板80の転位集中領域1
1のピッチPは200μmであり、半導体レーザ素子1
(領域81)の横幅Wは300μmである。つまり、ピ
ッチあたり2/3個の半導体レーザ素子(チップ)1を
形成する(1.5ピッチに1つのチップ1を形成す
る)。レーザ光導波領域14と最近接の転位集中領域1
1との距離dは50μmであり、レーザ光導波領域14
と最近接の低転位領域中央領域12との距離tは50μ
mである。
【0103】図示したように、1つの半導体レーザ素子
(チップ)1に含まれる転位集中領域11と高ルミネッ
センス領域12は、いずれも1本またはそれ以上であ
る。本実施の形態の半導体レーザの製造方法において
は、(2/3)W=Pであり、各レーザ光導波領域14
に対して2(t+d)=Pである。
【0104】本実施の形態においても、本発明の効果の
出現する距離d、t、Pの範囲は実施の形態1に記載し
たとおりであり、この範囲において実施の形態1で述べ
た効果が得られる。
【0105】上記実施の形態1〜4においては、1ピッ
チあたり半導体レーザ素子(チップ)を1個、2個、4
個、2/3個形成する配置について説明したが、本発明
の適用範囲はこれに限られるわけではなく、6個、1/
2個、1/3個等の配置とすることもできる。さらに、
GaN基板上の一部の素子の配置が上記t、dの所要の
範囲を逸脱しても構わないようにすれば、このように整
数倍または簡単な分数で表せる値以外の数に設定するこ
とも可能である。
【0106】<実施の形態5>本実施の形態5は、実施
の形態1〜4で述べたリッジストライプ構造を有する窒
化物半導体レーザ素子1を、電流阻止層を有する窒化物
半導体レーザ素子2に替えたものである。電流阻止層を
有する本実施の形態の窒化物半導体レーザ素子2につい
て、図9を参照して説明する。
【0107】本実施例の半導体レーザ素子2は、n型G
aN基板200、その上に順次形成されたn型GaN層
201、n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層20
3、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層204、n型Ga
N光ガイド層205、活性層206、 p型Al0.2Ga
0.8Nキャリアブロック層207、p型GaN光ガイド
層208、p型Al0.1Ga0.9N第1クラッド層209
a、電流阻止層220、p型Al0.1Ga0.9N第2クラ
ッド層209b、p型InGaNコンタクト層210お
よびp電極212、ならびにn電極211、から構成さ
れる。
【0108】電流阻止層220は、p型電極112から
注入された電流が、図9に示した電流阻止層間幅のみを
通過できるように電流を阻止する層であれば良い。例え
ば、電流阻止層220として、n型Al0.25Ga0.75
層を用いても良い。電流阻止層220のAl組成比は
0.25に限らず、その他の値でも構わない。本実施の
形態では、電流阻止層220の開口部がレーザ光導波領
域14に対応しており、本実施の形態においても、本発
明の効果の出現する距離d、t、Pの範囲は実施の形態
1に記載したとおりであり、この範囲において実施の形
態1で述べた効果が得られる。
【0109】<実施の形態6>本実施の形態6は、A
s、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの
元素を窒化物半導体レーザ素子1または2の活性層に含
有するようにしたものである。他の構成は既に述べたと
おりである。
【0110】本実施の形態では、As、PおよびSbの
元素群のうち少なくともいずれかの元素を、窒化物半導
体発光レーザ素子1、2を構成している活性層106、
206のうち少なくとも井戸層に含有させる。ここで、
井戸層に含有させる上記元素群の総和の組成比をXと
し、井戸層のN元素の組成比をYとするとき、XはYよ
りも小さく、X/(X+Y)は0.3(30%)以下で
あり、好ましくは0.2(20%)以下である。また、
上記元素群の総和の下限値は、1×1018/cm 3以上
である。
【0111】組成比Xが20%よりも高くなると、井戸
層内の領域ごとに各元素の組成比が異なる濃度分離が次
第に生じ始める。さらに、組成比Xが30%よりも高く
なると、今度は濃度分離から六方晶系と立方晶系が混在
する結晶系分離に移行し始めて、井戸層の結晶性が低下
し始める。一方、上記元素群の総和の添加量が1×10
18/cm3よりも小さくなると、井戸層に上記元素を含
有したことによる効果が得られにくくなる。
【0112】本実施の形態による効果は、井戸層にA
s、PまたはSbを含有させることによって、井戸層の
電子とホールの有効質量が小さく、また、井戸層の電子
とホールの移動度が大きくなる点にある。半導体レーザ
素子の場合、前者は少ない電流注入量でレーザ発振のた
めのキャリア反転分布が得られることを意味し、後者は
活性層で電子とホールが発光再結合によって消滅しても
新たに電子・ホールが拡散により高速に注入されること
を意味する。即ち、現在報告されているような活性層に
As、P、Sbのいずれの元素をも含有しないInGa
N系窒化物半導体レーザ素子と比べて、本実施の形態の
窒化物半導体レーザ素子は、閾値電流密度が低く、雑音
特性にも優れたものとなる。本実施の形態においても、
本発明の効果の出現する距離d、t、Pの範囲は実施の
形態1に記載したとおりである。
【0113】<実施の形態7>本実施の形態7は、基板
上に各窒化物半導体層を形成する際に、選択成長技術を
用いるものであり、他は上述の実施の形態のいずれかと
同様である。
【0114】選択成長技術は、成長を抑制する材料(例
えばSiO2等の酸化物や、SiN、AlNなどの窒化
物)からなり開口部を有するマスクを、基板上にあらか
じめ設けておき、基板上に各窒化物半導体層を形成する
際、その成長初期に、横方向への成長が進行するように
制御する技術である。これにより、各窒化物半導体層の
成長に伴って生じうるクラックが有効に防止される。マ
スクは、転位集中領域11上、高ルミネッセンス領域1
2上に対応して設けることができ、また、これらの領域
に関わらず設けることもできる。少なくともレーザ導波
領域14の直下にマスクを設けることが、レーザ導波領
域に発生しうるクラックを効果的に防止できる点から望
ましい。
【0115】上述の各実施の形態1〜7においては、基
板としてGaNを用いる例を説明したが、「課題を解決
するための手段」に記載したような材料で構成される窒
化物半導体基板に置換することもできる。また、窒化物
半導体基板上に成長させる各窒化物半導体層の材料につ
いても、「課題を解決するための手段」に記載したよう
な窒化物半導体材料に置換することができる。
【0116】<実施の形態8>本実施の形態8は、本発
明の窒化物半導体レーザ素子を半導体光学装置に適用し
たものである。
【0117】本発明の窒化物半導体レーザ素子(330
〜550nmの発振波長)は、半導体光学装置、例えば
光ピックアップ装置に利用すると、以下の点において好
ましい。各窒化物半導体レーザ素子は、高出力(30m
W)であり、高温雰囲気中(60℃)でも安定して動作
し、しかもレーザ発振寿命が長いことから、高い信頼性
が要求される高密度記録再生用光ディスク装置に最適で
ある(発振波長が短いほど、より高密度に記録再生が可
能となる)。
【0118】図10に、本発明の窒化物半導体レーザ素
子を半導体光学装置に利用した一例として、光ディスク
装置(光ピックアップを有する装置、例えば、DVD装
置など)の概略構成を示す。光ディスク装置300は、
光ピックアップ301、制御回路302、ディスクDを
回転させるモータ303、および光ピックアップ301
を移動させるモータ304を備えている。光ピックアッ
プ301には、半導体レーザ素子305、ビームスプリ
ッタ306、ミラー307、対物レンズ308、および
光検出器309が含まれている。半導体レーザ素子30
5は、上述のいずれかの実施の形態の窒化物半導体レー
ザ素子1、2である。
【0119】情報の記録に際し、半導体レーザ素子30
5が発するレーザ光Lは、制御回路302によって入力
情報に応じて変調され、ビームスプリッタ306、ミラ
ー307および対物レンズ308を経てディスクDの記
録面上に収束して、情報をディスクDに記録する。ま
た、半導体レーザ素子305が無変調のレーザ光Lを発
している間に、ディスクDの記録面のうちレーザ光Lが
収束する部位の磁界を入力情報に応じて変調することに
よっても、情報を記録することができる。情報の再生に
際しては、ディスクD上のピット配列によって光学的に
変化を受けたレーザ光Lが、対物レンズ308、ミラー
307、ビームスプリッタ306を経て光検出器309
に入射し、光検出器309によって再生信号とされる。
半導体レーザ素子305が出力するレーザ光Lのパワー
は、例えば、記録時には30mW、再生時には5mW程
度である。
【0120】本発明の半導体レーザ素子は、光ピックア
ップ装置を有するこのような光ディスク装置の他に、例
えば、レーザプリンター、バーコードリーダー、光の三
原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロジェクター
等にも利用可能であり、高出力で高寿命の光源として適
している。
【0121】
【発明の効果】窒化物半導体層のレーザ光導波領域を窒
化物半導体基板の転位集中領域から40μm以上ずらす
ようにした本発明では、レーザ光導波領域への基板の転
位の影響が抑えられ、レーザ発振寿命の長い窒化物半導
体レーザ素子が得られる。
【0122】また、窒化物半導体層のレーザ光導波領域
を窒化物半導体基板の低転位領域中央領域または高ルミ
ネッセンス領域から30μm以上ずらすようにした本発
明では、基板のうち性質が一定の部位の上にレーザ光導
波領域を位置させることができ、やはり、レーザ発振寿
命の長い窒化物半導体レーザ素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の半導体レーザ素子の構造を模
式的に示す縦断面図。
【図2】 本発明における窒化物半導体基板の製造工程
を模式的に示す拡大縦断面図(a)、斜視図(b)、縦
断面図(c)および平面図(d)。
【図3】 実施の形態1の半導体レーザ素子の層構成を
模式的に示す縦断面図。
【図4】 窒化物半導体レーザ素子におけるレーザ光導
波領域と転位集中領域の距離とレーザ発振寿命との関係
を示す図。
【図5】 窒化物半導体レーザ素子におけるレーザ光導
波領域と高ルミネッセンス領域の距離とレーザ発振寿命
との関係を示す図。
【図6】 実施の形態2の半導体レーザ素子の製造方法
を模式的に示す平面図。
【図7】 実施の形態3の半導体レーザ素子の製造方法
を模式的に示す平面図。
【図8】 実施の形態4の半導体レーザ素子の製造方法
を模式的に示す平面図。
【図9】 実施の形態1〜4の半導体レーザ素子の他の
層構成を模式的に示す縦断面図。
【図10】 実施の形態8の半導体光学装置の概略構成
を示すブロック図。
【符号の説明】
1、2 窒化物半導体レーザ素子 10 n型GaN基板 11 転位集中領域 12 低転位領域中央領域(高ルミネッセンス領域) 13 窒化物半導体層 14 レーザ光導波領域 15 p電極 16 n電極 21 支持基体 22 n型GaN層 23 {11−22}面 24 凹凸底部下部 25 凹凸頂上部 26 {0001}面 60 n型GaN基板 61、62 窒化物半導体レーザ素子形成領域 70 n型GaN基板 71〜74 窒化物半導体レーザ素子形成領域 80 n型GaN基板 81 窒化物半導体レーザ素子形成領域 102 n型GaN層 103 n型InGaNクラック防止層 104 n型AlGaNクラッド層 105 n型GaN光ガイド層 106 InGaN活性層 107 p型AlGaNキャリアブロック層 108 p型GaN光ガイド層 109 p型AlGaNクラッド層 110 p型GaNコンタクト層 111 n電極 112 p電極 113 絶縁膜 200 n型GaN基板 201 n型GaN層 203 n型InGaNクラック防止層 204 n型AlGaNクラッド層 205 n型GaN光ガイド層 206 活性層 207 p型AlGaNキャリアブロック層 208 p型GaN光ガイド層 209a p型AlGaN第1クラッド層 209b p型AlGaN第2クラッド層 210 p型InGaNコンタクト層 211 n電極 212 p電極 220 電流阻止層 300 光ディスク装置 301 光ピックアップ 302 制御回路 303、304 モータ 305 窒化物半導体レーザ素子 306 ビームスプリッタ 307 ミラー 308 対物レンズ 309 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 吉裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 湯浅 貴之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 種谷 元隆 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 元木 健作 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5F073 AA13 AA20 AA51 AA74 AA89 BA06 CA07 CB18 EA24 EA28

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体基板と、その上に積層され
    た窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子であ
    って、 窒化物半導体基板がストライプ状の転位集中領域と、転
    位集中領域を除いた領域である低転位領域とを有し、 窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を有
    し、 レーザ光導波領域が低転位領域上に位置して転位集中領
    域と略平行であり、 レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との水
    平方向の距離dが40μm以上であることを特徴とする
    窒化物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 窒化物半導体基板と、その上に積層され
    た窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子であ
    って、 窒化物半導体基板が、互いに略平行な複数のストライプ
    状の転位集中領域と、転位集中領域を除いた領域である
    低転位領域とを有し、 窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を有
    し、 レーザ光導波領域が低転位領域上に位置して転位集中領
    域と略平行であり、 レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との水
    平方向の距離dが40μm以上であり、 隣り合う転位集中領域間の中央線部分を低転位領域中央
    領域とするとき、レーザ光導波領域とこれに最近接の低
    転位領域中央領域との水平方向の距離tが30μm以上
    であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 窒化物半導体基板と、その上に積層され
    た窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子であ
    って、 窒化物半導体基板がストライプ状の転位集中領域と、転
    位集中領域を除いた領域である低転位領域とを有し、 低転位領域がストライプ状の高ルミネッセンス領域を有
    し、 転位集中領域と高ルミネッセンス領域が略平行であり、 窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を有
    し、 レーザ光導波領域が低転位領域上に位置して転位集中領
    域と略平行であり、 レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との水
    平方向の距離dが40μm以上であり、 レーザ光導波領域とこれに最近接の高ルミネッセンス領
    域との水平方向の距離tが30μm以上であることを特
    徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 距離dが60μm以上であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の
    窒化物半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 窒化物半導体基板が転位集中領域を複数
    有し、 隣り合う転位集中領域間の距離Pが140μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 距離Pが300μm以上であることを特
    徴とする請求項5に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 転位集中領域が窒化物半導体基板の[1
    −100]方向に略平行であることを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれか1項に記載の窒化物半導体
    レーザ素子。
  8. 【請求項8】 窒化物半導体基板と、その上に積層され
    た窒化物半導体層を備える窒化物半導体レーザ素子であ
    って、 窒化物半導体基板がストライプ状の高ルミネッセンス領
    域を有し、 窒化物半導体層がストライプ状のレーザ光導波領域を有
    し、 レーザ光導波領域が高ルミネッセンス領域と略平行であ
    り、 レーザ光導波領域と最近接の高ルミネッセンス領域との
    水平方向の距離tが30μm以上であることを特徴とす
    る窒化物半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 距離tが50μm以上であることを特徴
    とする請求項2、請求項3、請求項8、または請求項2
    もしくは請求項3を引用する請求項4ないし請求項7の
    いずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 【請求項10】 高ルミネッセンス領域が窒化物半導体
    基板の[1−100]方向に略平行であることを特徴と
    する請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10のいずれか
    1項に記載の窒化物半導体レーザ素子を光源として備え
    ることを特徴とする半導体光学装置。
  12. 【請求項12】 互いに略平行な複数のストライプ状の
    転位集中領域と、転位集中領域を除いた領域である低転
    位領域とを有する窒化物半導体基板上に、ストライプ状
    のレーザ光導波領域を備えた窒化物半導体の積層構造を
    含有する窒化物半導体層を形成する工程を含む窒化物半
    導体レーザ素子の製造方法であって、 レーザ光導波領域を低転位領域上に転位集中領域と略平
    行に設けるとともに、 レーザ光導波領域とこれに最近接の転位集中領域との水
    平方向の距離dを40μm以上とすることを特徴とする
    窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 隣り合う転位集中領域間の中央線部分
    を低転位領域中央領域とするとき、レーザ光導波領域と
    これに最近接の低転位領域中央領域との水平方向の距離
    tを30μm以上とすることを特徴とする請求項12に
    記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 低転位領域中に転位集中領域と略平行
    なストライプ状の高ルミネッセンス領域を有する窒化物
    半導体基板を用い、 レーザ光導波領域とこれに最近接の高ルミネッセンス領
    域との水平方向の距離tを30μm以上とすることを特
    徴とする請求項12に記載の窒化物半導体レーザ素子の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 距離dを60μm以上とすることを特
    徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に
    記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 隣り合う転位集中領域間の距離Pが1
    40μm以上の窒化物半導体基板を用いることを特徴と
    する請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載
    の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 距離Pが300μm以上の窒化物半導
    体基板を用いることを特徴とする請求項16に記載の窒
    化物半導体レーザ素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 互いに略平行な複数のストライプ状の
    高ルミネッセンス領域を有する窒化物半導体基板上に、
    ストライプ状のレーザ光導波領域を備えた窒化物半導体
    の積層構造を含有する窒化物半導体層を形成する工程を
    含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法であって、 レーザ光導波領域を高ルミネッセンス領域と略平行に設
    けるとともに、 レーザ光導波領域とこれに最近接の高ルミネッセンス領
    域との水平方向の距離tを30μm以上とすることを特
    徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 距離tを50μm以上とすることを特
    徴とする請求項13、請求項14、請求項18、または
    請求項13もしくは請求項14を引用する請求項15な
    いし請求項17のいずれか1項に記載の窒化物半導体レ
    ーザ素子の製造方法。
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