JP2007131527A - 窒化物半導体基板、窒化物半導体レーザ素子、窒化物半導体基板の製造方法、および窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒化物半導体を含む窒化物半導体基板には、以下の(1)の転位集中領域、および(2)の低転位領域が含まれている。その上、かかる窒化物半導体基板の表面は、(0001)面から0.2°〜1°の範囲のオフ角度を有している。
(1)ストライプ状の高密度の欠陥領域を底とするとともに、その底の両側にファセッ ト面から成る斜面を形成することでV字型とし、そのファセット面の斜面を維持 させながら成長させることにより、その斜面の下部に結晶欠陥を集中させること で、ストライプ状になり、さらに、種々の状態になっている転位集中領域
(2)転位集中領域を除く領域である低転位領域
【選択図】図1
Description
ジャパニーズ=ジャーナル=オブ=アプライド=フィジックス39号L647〜L650頁(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.39(2000) pp.L647-650)
(1)ストライプ状の高密度の欠陥領域を底とするとともに、その底の両側にフ
ァセット面から成る斜面を形成することでV字型とし、そのファセット面
の斜面を維持させながら成長させることにより、その斜面の下部に結晶欠
陥を集中させることで、ストライプ状になり、
さらに、以下の(a)〜(c)のいずれかの状態になっている転位集中領域
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている
状態
(2)転位集中領域を除く領域である低転位領域
(3)ドット状の高密度の欠陥領域を底とするとともに、その転位集中領域を取り巻
くようにファセット面を形成させることでピットとし、そのピットにおけるフ
ァセット面の斜面を維持させながら成長させることにより、そのファセット面
である斜面の下部に結晶欠陥を集中させることで、ドット状になり、
さらに、以下の(a)〜(c)のいずれかの状態になっている転位集中領域
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている
状態
(4)転位集中領域を除く領域である低転位領域
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている状態
窒化物半導体基板表面が、(0001)面から0.2°〜1°の範囲のオフ角度を有するように研磨加工する工程と、を有している。
まず、窒化物半導体レーザ素子を作製するために、その表面に窒化物半導体層を形成するGaN基板の作製方法について、図1を参照して説明する。図1は、n型GaN基板の製造過程を示す図である。
上述のようにして形成され、転位集中領域及び高ルミネッセンス領域を有するn型GaN基板を用いて製作される窒化物半導体レーザ素子の第1の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。図2は、本発明の窒化物半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。尚、図2において、高ルミネッセンス領域は省略している。
まず、このn型GaN基板10の表面上に、図2のような成長抑制膜13が形成される。この成長抑制膜13は、n型GaN基板10表面において、転移集中領域11(図2の転移集中領域24に相当する)を被覆するように形成される。この成長抑制膜13は、n型GaN基板10に窒化物半導体層を積層して窒化物半導体レーザ装置を構成する際、n型GaN基板10上の成長膜内に転位が引き継がれるのを防ぐ役割を行う。よって、成長抑制膜13については、この成長抑制膜13から通常の窒化物半導体のエピタキシャル成長が困難となる材料が用いられる。本実施形態では、成長抑制膜13の材料として、SiO2(酸化シリコン)を用いた。
MOCVD装置を用いて、n型GaN基板10に、V族原料のNH3とIII族原料のTMGa(トリメチルガリウム)又はTEGa(トリエチルガリウム)と、ドーパント原料としてのSiH4を使用し、水素あるいは窒素を原料キャリアガスとして用い、基板温度1050℃で、膜厚3μmのn型GaN層101を形成する。ついで、800℃の基板温度で、上記原料にIII族原料としてのTMIn(トリメチルインジウム)を加え、n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層102を40nm形成する。
n型GaN基板10に対して水平方向に光を閉じ込めるためのリッジストライプ部が、窒化物半導体層の平坦な部分の表面に形成された。但し、高ルミネッセンス領域25(図1)を有するn型GaN基板10を使用する場合には、リッジストライプ部が高ルミネッセンス領域25の直上となる位置に形成されないようにすることが望ましい。これは、高ルミネッセンス領域25が他の領域と比べて、ドーパントの含有量または活性化度が小さく、抵抗率が高くなっているために、窒化物半導体レーザ素子に注入される駆動電流及び素子電圧が上昇するので、高ルミネッセンス領域25に駆動電流が流れることが好ましくないためである。
上述のようにして形成され、転位集中領域及び高ルミネッセンス領域を有するn型GaN基板を用いて製作される窒化物半導体レーザ素子の第2の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。尚、窒化物半導体層のエピタキシャル成長及び素子化プロセスについては、第1の実施形態と同様となるため、その詳細な説明は第1の実施形態を参照するものとして、省略する。
第1又は第2の実施形態のようにして作製された図2のような構成の半導体レーザ素子は、活性層105をInGaN井戸層とInGaN障壁層が積層された構成とされている。このような活性層105に対して、As、PおよびSbの元素群のうち少なくとも何れかの元素を含有させるようにしても構わない。
上述した本発明における窒化物半導体レーザ素子を光ピックアップシステム等の半導体光学装置に適用した場合について、図面を参照して以下に説明する。図7は、本例における半導体光学装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本例では、窒化物半導体レーザ素子を光ディスク装置に利用するものとして説明する。
本発明は以下のように表現することもできる。
11 転位集中領域
12 低転位領域
13 成長抑制膜
14 レーザ光導波領域
15 p型電極
16 n型電極
21 支持基体
22 n型GaN層
23 ファセット面
24 転位集中領域
25 高ルミネッセンス領域
26 {0001}面
101 n型GaN層
102 クラック防止層
103 n型クラッド層
104 n型GaN光ガイド層
105 活性層
106 キャリアブロック層
107 p型GaN光ガイド層
108 p型クラッド層
109 p型コンタクト層
Claims (23)
- 窒化物半導体を含む窒化物半導体基板には、
以下の(1)の転位集中領域、および(2)の低転位領域が含まれており、
(1)ストライプ状の高密度の欠陥領域を底とするとともに、その底の両側にフ
ァセット面から成る斜面を形成することでV字型とし、そのファセット面
の斜面を維持させながら成長させることにより、上記斜面の下部に結晶欠
陥を集中させることで、ストライプ状になり、
さらに、以下の(a)〜(c)のいずれかの状態になっている転位集中領域
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている
状態
(2)上記転位集中領域を除く領域である低転位領域
上記窒化物半導体基板の表面は、(0001)面から0.2°〜1°の範囲のオフ角度を有している窒化物半導体基板。 - 窒化物半導体を含む窒化物半導体基板には、
以下の(3)の転位集中領域、および(4)の低転位領域が含まれており、
(3)ドット状の高密度の欠陥領域を底とするとともに、その転位集中領域を取り巻
くようにファセット面を形成させることでピットとし、そのピットにおけるフ
ァセット面の斜面を維持させながら成長させることにより、上記ファセット面
である斜面の下部に結晶欠陥を集中させることで、ドット状になり、
さらに、以下の(a)〜(c)のいずれかの状態になっている転位集中領域
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている
状態
(4)上記転位集中領域を除く領域である低転位領域
上記窒化物半導体基板の表面は、(0001)面から0.2°〜1°の範囲のオフ角度を有している窒化物半導体基板。 - ストライプ状の上記転位集中領域が、[1−100]方向に略並行である請求項1に記載の窒化物半導体基板。
- ストライプ状の上記転位集中領域の幅が、10μm〜40μmである請求項1または3に記載の窒化物半導体基板。
- ストライプ状の上記転位集中領域を含む窒化物半導体基板の表面が窪んでいる請求項1、3、4のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
- 上記オフ角度が、0.4°〜0.8°である請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
- ドーピングされる材料が、酸素である請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
- ドーピングされる酸素によって、n型の導電性を有する請求項7に記載の窒化物半導体基板。
- 上記転位集中領域が複数有り、
転位集中領域間の間隔が、100μm以上600μm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。 - 上記転位集中領域の中央には、ファセット面{0001}面が表出して成長することにより生じるストライプ状の高ルミネッセンス領域が含まれている請求項1〜9のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の表面上の上記転位集中領域の位置に、窒化物半導体結晶の成長を抑制する成長抑制膜を有し、
その成長抑制膜が設けられた上記窒化物半導体基板上に上記窒化物半導体層が積層されるとともに、
リッジストライプ部が、上記成長抑制膜の間に形成される上記窒化物半導体層の上方にある窒化物半導体レーザ素子。 - 窒化物半導体基板の製造方法であって、
GaAs、サファイア、SiC、石英、NdGaO3、ZnO、GaN、AlN、
ZnB2、Si、スピネル、MgO、またはGaPから成る基体上に、マスクを形
成する工程と、
上記マスクを種としてファセット面を形成し、上記ファセット面同士を接し合わ
せたところに転位を集中させながら以下の(a)から(c)のいずれかの状態とな
る転位集中領域を成長させる工程と、
(a)多結晶状態
(b)単結晶状態でかつ周囲の低転位領域に対して傾斜している状態
(c)周囲の低転位領域に対して[0001]方向のc軸を反転させている
状態
窒化物半導体基板表面が、(0001)面から0.2°〜1°の範囲のオフ角度
を有するように研磨加工する工程と、
を有している窒化物半導体基板の製造方法。 - 上記マスクが、ストライプ状である請求項12に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 上記マスクが、ドット状である請求項12に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- [1−100]方向に対して略並行に、ストライプ状の上記転位集中領域を形成させている請求項13に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 10μm〜40μmの幅を有するストライプ状の上記転位集中領域を形成させている請求項13または15に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- ストライプ状の上記転位集中領域を形成させるとともに、その転位集中領域含む窒化物半導体基板の表面を窪ませている請求項13、15、16のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 上記オフ角度を、0.4°〜0.8°としている請求項12〜17のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 酸素をドーピングしている請求項12〜18のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 酸素をドーピングすることによって、n型の導電性を生じさせている請求項19に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 上記転位集中領域を複数形成するとともに、
転位集中領域間の間隔を、100μm以上600μm以下としている請求項12〜20のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。 - 上記転位集中領域の中央には、ファセット面{0001}面が表出して成長することで、ストライプ状の高ルミネッセンス領域が形成されている請求項12〜21のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 請求項12〜22のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法により製造される窒化物半導体基板の表面上の上記転位集中領域の位置に、窒化物半導体結晶の成長を抑制する成長抑制膜を形成する工程と、
その成長抑制膜が設けられた上記窒化物半導体基板上に上記窒化物半導体層を積層させる工程と、
リッジストライプ部を、上記成長抑制膜の間に形成される上記窒化物半導体層の上方に形成させる工程と、
を含む窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
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