JP4561784B2 - Iii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法の一実施形態は、図1を参照して、III族窒化物種結晶を含み、III族窒化物種結晶は主領域1sと主領域1sに対して<0001>方向の極性が反転している極性反転領域1tとを有する下地基板1を準備する工程(図1(a))と、下地基板1の主領域1sおよび極性反転領域1t上に、少なくともIII族元素と窒素とアルカリ金属元素とを含む原料溶液5から、III族窒化物結晶10を成長させる工程(図1(b))を含む。ここで、主領域1s上に成長するIII族窒化物結晶10の成長速度の大きい第1の領域10sが、極性反転領域1t上に成長するIII族窒化物結晶10の成長速度の小さい第2の領域10tを覆うことを特徴とする。
下地基板1における極性反転領域1tの配置の一実施形態は、図3〜図5を参照して、下地基板1の{0001}面において、極性反転領域1tは複数のストライプ状領域1ta,1tbであり、各ストライプ状領域1ta,1tbが互いに平行に周期的に配置されている。均一な結晶成長を行なう観点から、各ストライプ状領域1ta,1tbは、一定の幅Wを有し、一定のピッチPで平行に配置されていることが好ましい。また、各ストライプ状領域1ta,1tbのストライプ方向は、特に制限ないが、極性反転領域を安定して成長させる観点から、<1−100>方向または<11−20>方向に平行であることが好ましい。溶液成長においては、HVPE法などの量産性の高い気相法に比べて、成長速度が遅いため、結晶構造を反映した晶癖が出やすく、結晶成長面上に六角柱状または六角台形状の凸部(図示せず)が形成されやすいが、この凸部の側面は、<0001>方向に垂直な方向とともに<1−100>方向に垂直な方向に主に結晶成長することから、III族窒化物結晶10の成長において、第1の領域10sが互いに平行な面で接合するため、第1の領域10sの成長が促進されるからである。
下地基板1における極性反転領域1tの配置のさらに他の実施形態は、図6および図7を参照して、下地基板の{0001}面において、極性反転領域1tは複数のドット状領域1tm,1tnであり、各ドット状領域1tm,1tnが二次元的に周期的に配置されている。極性反転領域1tがドット状領域1tm,1tnとして配置されていることにより、ストライプ状領域として配置される場合(実施形態1A)に比べて、主領域1sの表面の面積を大きくすることができ、成長させるIII族窒化物結晶の第1の領域10s(低転位密度の領域)の表面の面積が大きくなり、III族窒化物結晶の厚さがより小さくても、第2の領域(高転位密度の領域)を覆うことができる。
下地基板における極性反転領域1tの配置のさらに他の実施形態は、図8および図9を参照して、下地基板1の{0001}面において、極性反転領域1tは二次元的に稠密に配置されている一辺がLの正六角形1hの六辺部分である。ここで、六辺部分とは、図8および図9に示すように正六角形1hの六辺を中心とする幅Wの部分をいう。
本発明にかかるIII族窒化物結晶の他の実施形態は、図2を参照して、III族窒化物種結晶を含み、III族窒化物種結晶は主領域1sと主領域1sに対して<0001>方向の極性が反転している極性反転領域1tとを有する下地基板1を準備する工程(図2(a))と、下地基板1の主領域1sおよび極性反転領域1t上に、少なくともIII族元素と窒素とアルカリ金属元素とを含む原料溶液5から、III族窒化物結晶10を成長させる工程(図2(b))を含む。ここで、主領域1s上に成長するIII族窒化物結晶10の成長速度の大きい第1の領域10sが、極性反転領域1t上に成長するIII族窒化物結晶10の成長速度の小さい第2の領域10tを覆うことを特徴とする。また、下地基板1は、極性反転領域1tの表面が、主領域1sの表面に比べて窪んでいることを特徴とする。
本発明にかかるIII族窒化物結晶のさらに他の実施形態は、図1,図2および図11を参照して、III族窒化物種結晶を含み、III族窒化物種結晶は主領域1sと主領域1sに対して<0001>方向の極性が反転している極性反転領域1tとを有する下地基板1を準備する工程(図1(a),図2(a))と、下地基板1の主領域1sおよび極性反転領域1t上に液相法によりIII族窒化物結晶10を成長させる工程(図1(b),図2(b))と、下地基板1上に液相法で成長させたIII族窒化物結晶10を気相法でさらに成長させる工程(図11(a),(b))を含む。
本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の一実施形態は、図10の(a),(b)および図11の(b),(c)を参照して、実施形態1〜実施形態3のいずれかにより製造されたIII族窒化物結晶10を加工して得られるIII族窒化物結晶基板L1,L2,V1,V2,V3,V4,V5,V6およびV7である。ここで、III族窒化物結晶基板L1,L2は、溶液成長法により成長された領域(第1の領域10sおよび第2の領域10t)から得られる基板を示し、III族窒化物結晶基板V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7は、気相法により成長された領域(気相成長領域10v)から得られる基板を示す。なお、III族窒化物結晶基板L1には、下地基板であるIII族窒化物種結晶が含まれ得る。
本発明にかかるIII族窒化物半導体デバイスの一実施形態は、図12および図13を参照して、実施形態4または実施形態5のIII族窒化物結晶基板100上に、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層110,120が形成されているIII族窒化物半導体デバイスである。かかるIII族窒化物半導体デバイスは、少なくとも表面が全面的に転位密度が低く単一の極性を有しているIII族窒化物結晶基板を有しているため、このIII族窒化物結晶基板上に形成されているIII族窒化物半導体層は転位密度が低く結晶性がよく、高い特性を有する。III族窒化物半導体デバイスとして、以下にLDとHEMTの例を挙げる。
本発明にかかるIII族窒化物半導体デバイスの一例であるLDは、図12を参照して、少なくとも表面が全面的に転位密度が低く単一の極性を有しているIII族窒化物結晶基板100一方の主面上に、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層110として、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層111、n型GaNガイド層112、4対のInGaN/GaN層からなる多重量子井戸活性層113(発光層)、p型Al0.2Ga0.8N保護層114、p型GaNガイド層115、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層116およびp型GaNコンタクト層117が順に形成されている。このp型GaNコンタクト層117上にp側電極118としてPdAu合金電極が形成されている。ここで、p側電極118、p型GaNコンタクト層117および一部のp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層116がメサエッチングにより除去され、リッジ部が形成されている。また、III族窒化物結晶基板100の他方の主面上にn側電極119としてTi/Al合金電極が形成されている。
本発明にかかるIII族窒化物半導体デバイスの他の例であるHEMTは、図13を参照して、少なくとも表面が全面的に転位密度が低く単一の極性を有しているIII族窒化物結晶基板100一方の主面上に、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層120として、アンドープAl0.26Ga0.74Nスペーサ層121、Siドープn型Al0.26Ga0.74Nキャリア供給層122およびSiドープn型GaNコンタクト層123が順に形成されている。Siドープn型GaNコンタクト層123上に、ソース電極126およびドレイン電極127となるTi/Alがそれぞれ電子ビーム蒸着によって形成され、これらが熱処理によって合金化されてTi/Al合金電極が形成されている。また、Ti/Al合金電極、Siドープn型GaNコンタクト層123および一部のSiドープn型Al0.26Ga0.74Nキャリア供給層122の中央部がストライプ状にリセスエッチングにより除去され、露出したSiドープn型Al0.26Ga0.74Nキャリア供給層122上に、ゲート電極125としてPt層/Ti層/Au層の積層電極が、ソース電極126およびドレイン電極127と接触しないように電子ビーム蒸着によって形成されている。ここで、ゲート電極125は、Siドープn型Al0.26Ga0.74Nキャリア供給層122側からPt層/Ti層/Au層の順に形成されている。
1.下地基板の準備
図1および図3を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。また、この下地基板1の(0001)面において、極性反転領域1tは、複数のストライプ状領域1ta,1tbであり、各ストライプ状領域1ta,1tbは、50μmの幅Wを有し、300μmのピッチPで平行に配置されていた。また、各ストライプ状領域1ta,1tbのストライプ方向は<1−100>方向に平行であった。
上記下地基板1上に、溶液成長法により、III族窒化物結晶10であるGaN結晶を成長させた。具体的には、内径が52mmで高さが30mmのAl2O3製の坩堝(反応容器7)内に、その底部に下地基板1を配置し、12gの金属Gaと10.56gの金属Naを入れて加熱することにより、下地基板1上にGa−Na融液(III族原料溶液2)を形成した。次に、下地基板1およびGa−Na融液(III族原料溶液2)の温度を850℃として、Ga−Na融液(III族原料溶液2)に窒素含有ガス3として圧力3.039MPa(30気圧)のN2ガスを供給して得られる原料溶液5から、5時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させた。冷却後、坩堝内に残留するNaをエタノールで除去した後、坩堝内に残留するGaおよびGa−Na合金を塩酸で除去した後、下地基板1上に成長して下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは15μmであった。
下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の極性および転位密度を以下のようにして観察した。
次に、この下地基板と一体化したGaN結晶をIII族窒化物結晶基板100として、このIII族窒化物結晶基板100上に、少なくとも1層のIII族窒化物半導体層110を形成することにより、LDを作製した。
実施例1において用いた下地基板1(すなわち、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶)をIII族窒化物結晶基板100として用いて、実施例1と同様にして、LDを作製した。LDの作製においては、リッジ部が主領域1sの直上領域に形成されるように注意した。
1.下地基板の準備
下地基板として特許文献2のELO法により作製されたGaN結晶基板を準備した。具体的には、まず、直径が2インチ(50.8mm)で厚さが300μmのサファイア基板の(0001)面上にMOCVD法により厚さ1μmのGaN層が形成された基板上に、化学気相体積(CVD)法によってSiO2膜からなるマスクを形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングによってマスクをストライプ状にパターニングした。残された各ストライプ状マスクは、そのストライプ方向がGaN結晶の<11−20>方向であり、マスク幅が5μmで、7μmのピッチで配置した。
上記のGaN結晶基板(下地基板1)上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、5時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは15μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、1×107〜1×108cm-2と高かった。
この下地基板と一体化したGaN結晶をIII族窒化物結晶基板100として用いて、実施例1と同様にして、LDを1000個作製した。しかし、作製された全てのLDは、室温(たとえば、25℃)雰囲気下でさえも出力30mWで発振しなかったため、寿命を測定することは不可能であった。したがって、合格品の歩留まりは0%であった。
1.下地基板の準備
図1および図4を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。また、この下地基板1の(0001)面において、極性反転領域1tは、複数のストライプ状領域1ta,1tbであり、各ストライプ状領域1ta,1tbは、50μmの幅Wを有し、300μmのピッチPで平行に配置されていた。また、各ストライプ状領域1ta,1tbのストライプ方向は<11−20>方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、5時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは15μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
図1および図5を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。また、この下地基板1の(0001)面において、極性反転領域1tは、複数のストライプ状領域1ta,1tbであり、各ストライプ状領域1ta,1tbは、50μmの幅Wを有し、300μmのピッチPで平行に配置されていた。また、各ストライプ状領域1ta,1tbのストライプ方向は<1−100>方向から<11−20>方向に45°回転した方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、10時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは30μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
図1および図5を参照して、下地基板1として、実施例3と同じGaN種結晶を準備した。次いで、この下地基板を溶融したKOH液に漬け、300℃で10分間加熱した。このとき、溶融KOHは、Ga面に比べてN面のエッチング速度が著しく高いため、図2および図5に示すような極性反転領域1tの表面が主領域1sの表面に比べて、20μm窪んだ下地基板1が得られた。
この極性反転領域1tの窪みを有する凹凸表面を持つ下地基板上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、2時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは5μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
図1および図6を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。ここで、この下地基板1の(0001)面において、極性反転領域1tは複数のドット状領域1tm,1tnであり、直径Wが50μmの各ドット状1tm,1tn領域は、その中心が二次元的に稠密に配置された一辺Pが300μmの正方形1fの各頂点に位置するように配置されていた。また、正方形1fのいずれかの対向する二辺の方向は<1−100>方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、5時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは15μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
図1および図7を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。ここで、(0001)面上において、極性反転領域1tは複数のドット状領域1tm,1tnであり、直径Wが50μmの各ドット状1tm,1tn領域は、その中心が二次元的に稠密に配置された一辺Pが300μmの正三角形1gの各頂点に位置するように配置されていた。また、正三角形1gの三辺の方向は全て<1−100>方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、反応容器7の材質として高純度な坩堝材であるpBNを用い、実施例1と同様の条件で溶液成長法によりGaN結晶(III族窒化物結晶10)を200時間成長させた。その後、実施例1と同様の方法で下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは650μmであった。
図10を参照して、下地基板1と一体化した厚さ1000μmのGaN結晶(III族窒化物結晶10)をスライサーにより2枚にスライスし、溶液成長法で成長した面側からそれぞれ研磨し、さらにRIEでGa面側の表面ダメージ層を除去した。その結果、主領域1sおよび極性反転領域1tを持つ厚さ350μmの下地基板と溶液成長した厚さ100μmのGaN結晶が一体化したGaN結晶基板(III族窒化物結晶基板L1)と、溶液成長法の成長領域からなる厚さ450μmのGaN結晶基板(III族窒化物結晶基板L2)が、それぞれ1枚ずつ得られた。
この高抵抗のGaN結晶基板をIII族窒化物結晶基板100として用いて、このIII族窒化物結晶基板100上に少なくとも1層のIII族窒化物半導体層120を形成することにより、HEMTを作製した。
1.下地基板の準備
図1および図8を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。ここで、(0001)面上において、極性反転領域1tは、その中心線が二次元的に稠密に配置された一辺Pが300μmの正六角形1hの六辺上にあり、その幅Wが50μmの六辺部分であった。また、六辺の方向は全て<11−20>方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、10時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは30μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
図1および図9を参照して、下地基板1として、転位密度が1×104〜1×105cm-2の主領域1sと転位密度が1×108〜1×109cm-2の極性反転領域1tとを有する直径が2インチ(50.8mm)で厚さが350μmのGaN種結晶を準備した。この下地基板1の主領域1sの表面は(0001)面であり、極性反転領域1tの表面は(000−1)面であった。ここで、(0001)面上において、極性反転領域1tは、その中心線が二次元的に稠密に配置された一辺Pが300μmの正六角形1hの六辺上にあり、その幅Wが50μmの六辺部分であった。また、六辺のいずれかの方向は全て<1−100>方向に平行であった。
上記の下地基板1上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、10時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは30μmであった。
下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)は、実施例1と同様のエッチング後に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察をしたところ、表面の全面がGa面((0001)面)であり、単一の極性を有していた。また、下地基板と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)の転位密度は、CLで観察したところ、全面的に一様に1×104〜1×105cm-2と低かった。
1.下地基板の準備
実施例1と同様の下地基板を準備した。
上記下地基板上に、実施例1と同様の条件で溶液成長法により、10時間、GaN結晶(III族窒化物結晶10)を成長させ、実施例1と同様の方法で、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を取り出した。GaN結晶の厚さは30μmであった。
図11(a)および(b)を参照して、下地基板1上に溶液成長法により成長され、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)を、HVPE法によりさらに35時間成長させて、GaN結晶をさらに3500μm厚くした。ここで、ドーパントガスとしてSiCl2H2ガスを用いた。
図11(b)および(c)を参照して、下地基板1上に溶液成長法により次いでHVPE法により成長され、下地基板1と一体化したGaN結晶(III族窒化物結晶10)をスライサーにより8枚にスライスし、溶液成長法またはHVPE法で成長した面側からそれぞれ研磨し、さらにRIEでGa面側の表面ダメージ層を除去した。こうして、厚さが370μmのGaN結晶基板が8枚得られた(III族窒化物結晶基板L1,V1,V2,V3,V4,V5,V6およびV7)。ここで、基板L1は、下地基板1および液相法による成長領域(第1の領域1sおよび第2の領域1t)から得られ、基板V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7は気相法による成長領域(気相成長領域10v)から得られた。なお、基板L1の液相法による成長領域の厚さは20μmであった。
これらの基板L1,V1,V2,V3,V4,V5,V6およびV7をIII族窒化物結晶基板100として用いて、実施例1と同様にして各基板について1000個のLDを作製した。これらのLDについて、実施例1と同様の寿命試験を行なったところ、いずれの基板についても合格品の歩留まりは80%と高かった。
Claims (9)
- III族窒化物種結晶を含み、前記III族窒化物種結晶は主領域と前記主領域に対して<0001>方向の極性が反転している極性反転領域とを有する下地基板を準備する工程と、
前記下地基板の前記主領域および前記極性反転領域上に、少なくともIII族元素と窒素とアルカリ金属元素とを含む原料溶液から、III族窒化物結晶を成長させる工程を含み、
前記主領域上に成長する前記III族窒化物結晶の成長速度の大きい第1の領域が、前記極性反転領域上に成長する前記III族窒化物結晶の成長速度の小さい第2の領域を覆うことを特徴とするIII族窒化物結晶の製造方法。 - 前記下地基板は、前記極性反転領域の表面が、前記主領域の表面に比べて窪んでいることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記下地基板の{0001}面において、前記極性反転領域は複数のストライプ状領域であり、各前記ストライプ状領域が互いに平行に周期的に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記下地基板の{0001}面において、前記極性反転領域は複数のドット状領域であり、各前記ドット状領域が二次元的に周期的に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記下地基板の{0001}面において、前記極性反転領域は二次元的に稠密に配置されている正六角形の六辺部分であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物結晶を5μm以上の厚さに成長させることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物結晶はその表面の抵抗率が1×105Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物結晶は、窒化物の反応容器内で成長されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
- 前記下地基板上に液相法で成長させた前記III族窒化物結晶を気相法でさらに成長させる工程を含む請求項1から請求項8までのいずれかに記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
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