JPH10204009A - C原子7ないし18個を有するアルコールの製造方法及び該アルコールのプラスチック用可塑剤としての使用 - Google Patents
C原子7ないし18個を有するアルコールの製造方法及び該アルコールのプラスチック用可塑剤としての使用Info
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Abstract
有機相の存在でヒドロホルミル化し、得られたアルコー
ルを水素化することによってC原子7〜18個を有する
アルコールを製造し、この際コバルト触媒を、適当な有
機溶剤の存在での水性コバルト塩溶液と合成ガスとの反
応によって形成し、コバルト触媒含有有機相を、形成さ
れたコバルト触媒の適当な有機抽出剤による水相からの
抽出によって得ることから成る、該アルコールの製造方
法において、コバルト触媒の形成、形成された同触媒の
有機相中への抽出及びヒドロホルミル化を1段法で行
う。 【効果】 空時収率及びヒドロホルミル化の選択性の改
善。
Description
を、コバルト触媒を含有する有機相の存在で温度50〜
220℃及び圧力100〜400バールで合成ガスでヒ
ドロホルミル化し、次にこのようにして得られたアルデ
ヒドを水素化することによってC原子7〜18個を有す
るアルコールを製造し、この際コバルト触媒を、水と混
合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤の存在
で水性コバルト塩溶液を合成ガスと反応させて形成しか
つコバルト触媒を含有する有機相を、水と混合できない
か又は僅かしか混合できない有機抽出剤を用いて、形成
されたコバルト触媒を水相から抽出することによって得
ることより成る、該アルコールの製造方法に関する。
プラスチック用可塑剤としてのカルボン酸エステルを製
造するために使用することに関する。
バルト−及びロジウム化合物の存在で一酸化炭素及び水
でヒドロホルミル化してC原子1個だけ多いアルデヒド
を生成することは、オキソ合成として公知である。アル
デヒドを生成するオレフィンのヒドロホルミル化の際に
は、一般に多量の直鎖アルデヒド−経済的に重要なプラ
スチック用可塑剤アルコール及び洗浄剤アルコールの製
造の際の中間生成物−を得る努力がなされている。
ン)はホスフィン変性ロジウム−又はコバルト触媒で極
めて良好にヒドロホルミル化できる(J.Falbe編
集:“New Synthesis With Car
bon Monoxide”,Springer−Ve
rlag,Berlin 1980,55頁以下)けれ
ども、反応性のほとんどないオレフィン、内部位(in
nenstaeudige)オレフィン及び内部位枝分
れオレフィンに関しては、好ましくは未変性コバルト−
及びロジウム触媒を使用する。
ge und verzweigte)オレフィンは、
変性触媒の存在では極めて緩慢にヒドロホルミル化され
るか又は一部分しかヒドロホルミル化されない。このた
めに、内部位枝分れオレフィンの経済的なヒドロホルミ
ル化のために変性触媒を使用する可能性はない。
位枝分れオレフィンを含有する、ポリマー及び異性体オ
レフィン混合物のヒドロホルミル化は、有利には未変性
コバルト触媒を用いて行われる。コバルト触媒を用いる
と同じ出発オレフィンから出発しても、ロジウム触媒と
比較して極めて望ましい直鎖アルデヒドのより高い収率
が得られる。
によって反応された相応のオキソ−アルデヒドを生成す
る代表的なポリマー及び異性体オレフィン混合物の例
は、プロペン、n−ブテン(1−及び2−ブテン)及び
イソ−ブテンのダイマー、トライマー及びテトラマーで
ある。
ルミル化は、次の四方法段階を含む多段法として行われ
る:触媒の製造(前カルボニル化)、触媒抽出、オレフ
ィン−ヒドロホルミル化及び反応生成物からの触媒の除
去(脱コバルト)。オキソ合成の開発以来コバルト触媒
ヒドロホルミル化の個々の方法段階は、不断に改良され
た。
は、水性コバルト塩溶液から出発して、一酸化炭素及び
水素との反応によってヒドロホルミル化に必要な触媒錯
体(HCo(CO)4)が製造される。ドイツ国特許出
願公開第2139630号明細書によれば、前カルボニ
ル化は、好ましくは100〜160℃の温度で200〜
300バールの合成ガスの圧力下で、コバルトカルボニ
ルの負荷されている活性炭、ゼオライト又は塩基性イオ
ン交換体の存在で行われる。
明細書には改良された連続的なカルボニル化方法が記載
されているが、この方法の場合には、出発物質である合
成ガス及び水性コバルト塩溶液が、水と混合し難い又は
混合できない酸素含有有機溶剤の存在で乱流が維持され
ている区画中を順流で導通されることによって、反応時
間の明らかな短縮が達成される。有利な実施法として、
乱流を維持するための圧力乱流管(Druckturb
ulenzrohr)を使用すること及び有機溶剤とし
て炭素原子4〜10個を有するアルコール又はアルデヒ
ドを加えることが記載されている。
は、第一方法段階で製造されたコバルト触媒が有機相、
好ましくはヒドロホルミル化すべきオレフィンで水相か
ら抽出される。ドイツ国特許出願公開第2106252
号明細書によれば、オレフィンの他にヒドロホルミル化
の反応−及び副生成物を、それらが水に不溶でかつ選択
された反応条件下で液状である限り、触媒抽出のために
使用するのが有利である。触媒抽出は好ましくは向流で
20〜100℃の温度でかつ100〜400バールの合
成ガス圧力下で行われる。相分離後にコバルト触媒の含
有された有機相が第三方法段階、つまりヒドロホルミル
化に供給される。
明細書から、ヒドロホルミル化である第三方法段階でコ
バルト触媒の負荷されたオレフィンが、高圧反応器で温
度70〜170℃及び圧力100〜400バールで合成
ガスによってヒドロホルミル化されて相応のアルデヒド
を生成しうることは公知である。生成されたアルデヒド
の一部は、ヒドロホルミル化条件下で、特に高温で水素
化されてアルコールを生成することができる。
の他にさらに副生成物、ヒドロホルミル化しなかった残
余オレフィン及びコバルト触媒を含有する反応器排出物
は1〜15バールまで減圧され、次いで触媒の後処理段
階に供給される。
器排出物の有機相から錯体を含まないプロセス水の存在
で酸素又は空気で処理することによってコバルトカルボ
ニル錯体が除去される。WO93/24438によれ
ば、脱コバルトは温度60〜100℃及び圧力1〜20
バールで行われる。この際コバルト触媒は酸化的に破壊
されて、生じるコバルト塩は水相中に逆抽出される(z
urueckextrahiert)。脱コバルトから
生じる水性コバルト塩溶液は、前カルボニル化でる第一
方法段階に復帰される。
出願公開第0183546号明細書には、他の実施態様
が記載されている。この場合には、コバルト触媒の酸化
的破壊前に合成ガス又は窒素によるガス洗浄が行われ
る。
分離後に他の後処理段階、すなわち水素化及び蒸留で相
応のアルコールに変えられる。
ドの公知の多段製造方法は多数の技術的欠点を有する。
すなわちヒドロホルミル化のために必要なコバルト触媒
の製造のためには、二つの技術的に費用のかかる方法段
階(前カルボニル化及び触媒抽出)が必要である。二つ
の方法段階で経過する物質変化のプロセス、すなわち前
カルボニル化の際の気/液−物質変化及び触媒抽出の際
の液/液−物質変化に条件付けられて、相互に分離され
た2個の耐圧装置、例えば撹拌がま又は充填塔が必要で
ある。次に実際のヒドロホルミル化はさらに別個の圧力
反応器で行われる。コバルト触媒の除去は別の装置部分
に関係している。
い方法技術的費用の他に極めて高い投資を前提としてい
る。
技術的により容易に実施できかつより経済的である、得
られたアルデヒドの引続く水素化を伴うオレフィンの新
規ヒドロホルミル化法を開発するという課題を基礎にし
ている。
ルト触媒の形成、形成されたコバルト触媒の有機相中へ
の抽出及び相応のオレフィンのヒドロホルミル化を1段
法で行うことができることが判明した。
すなわち前カルボニル化、触媒抽出及びヒドロホルミル
化が1段法で、好ましくは1個の反応器で行われる。従
って方法段階の費用のかかる装置的分離は省略される。
これは経済的に極めて重要である、それというのも方法
段階の減少は投資コストの著しい低減を意味するからで
ある。本発明方法においては、前カルボニル化、抽出及
びヒドロホルミル化は同時にかつ部分的にはその場で
(in situ)進行する。さらに本発明の1段法は
好ましくは連続的に行われ、この際脱コバルト後に生じ
るコバルト塩溶液は好ましくは循環される。
を、コバルト触媒を含有する有機相の存在で温度50〜
220℃及び圧力100〜400バールで合成ガスによ
ってヒドロホルミル化し、次にこのようにして得られた
アルデヒドを水素化することによってC原子7〜18個
を有するアルコールを製造し、この際コバルト触媒を、
水と混合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤
の存在で水性コバルト塩溶液を合成ガスと反応させて形
成しかつコバルト触媒を含有する有機相を、水と混合で
きないか又は僅かしか混合できない有機抽出剤を用い
て、形成されたコバルト触媒を水相から抽出することに
よって得ることから成る、前記アルコールの製造方法で
あって、その特徴とするところは、コバルト触媒の形
成、形成されたコバルト触媒の有機相中への抽出及び相
応のオレフィンのヒドロホルミル化を1段法で行うこと
である。
れたコバルト触媒の有機相中への抽出及び相応のオレフ
ィンのヒドロホルミル化を、単一の反応器で行う。
されたアルコールを、プラスチック用可塑剤としてのカ
ルボン酸エステルを製造するために使用することであ
る。
バルト塩、例えばギ酸塩及び酢酸塩を使用する。特に酢
酸コバルトが有利であると判ったが、このものは好まし
くは金属として計算して0.2〜2重量%、特に好まし
くは0.5〜1.5重量%のコバルト含分を有する水溶
液として使用する。
ィン及び/又はアルデヒド及び/又はアルコールであっ
てよく、このアルデヒド及びアルコールはヒドロホルミ
ル化の間に形成された反応生成物である。
合できない有機溶剤は、好ましくはオレフィン及び/又
はアルデヒド及び/又はアルコールであり、特に好まし
くは1段法からの反応生成物である。
要な抽出剤は、それがコバルト触媒に対する十分な溶解
度を有する限り、水と混合できないか又は混合困難なす
べての有機溶剤であってよい。しかし好ましくは、ヒド
ロホルミル化すべきオレフィンとヒドロホルミル化の間
に形成されたアルデヒド及び/又はアルコールとから成
る混合物を使用する。
混合できない有機抽出剤としては、好ましくはオレフィ
ン及び/又はアルデヒド及び/又はアルコール、特に好
ましくは1段法からの反応生成物を使用する。
かしか混合できない有機溶剤及び水と混合できないか又
は僅かしか混合できない有機抽出剤は同一である。
への出発物質の計量が特に重要である。計量装置(Do
siervorrichtung)は十分な相混合及び
できるだけ大きい相交換面を保証することが要求されて
いる。出発物質の計量のためには、技術上周知の計量装
置、例えば充填物の充填された乱流管(Turbule
nzrohr)又は多相系用の混合ノズルを使用するこ
とができる。計量は好ましくは乱流を維持しつつ混合ノ
ズルを用いて行う。
ス、水と混合できないか又は僅かしか混合できない有機
溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか混合できない
有機抽出剤は同時に、特に混合ノズルを用いて、1段法
の反応器中に導入することができる。
合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤及び水
と混合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤を
1段法の反応器中に予め装入しかつ水性コバルト塩溶
液、オレフィン及び合成ガスを同時に、特に混合ノズル
を用いて1段法の反応器中に導入することができる。
ないか又は僅かしか混合できない有機抽出剤を1段法の
反応器中に予め装入しかつ水性コバルト塩溶液、オレフ
ィン、合成ガス及び水と混合できないか又は僅かしか混
合できない有機溶剤を同時に、特に混合ノズルによっ
て、1段法の反応器に導入することができる。
ィン及び合成ガスを同時に、特に好ましくは混合ノズル
によって1段法の反応器に導入する。
ミル化を包含する1段法は、1個の反応器で100〜2
50℃の温度及び100〜400バールの圧力で行うこ
とができる。特に160〜220℃の温度及び200〜
300バールの合成ガス圧力が有利であると判明した。
合成ガス中の一酸化炭素:水素の容量比は一般には2:
1〜1:2、特に1:1である。合成ガスは有利には化
学量論的に必要な量に対して小過剰で使用する。
(Einsteckrohr)を有しないか又は有す
る、周知の円筒状直立高圧−気泡塔反応器(Blase
nsaeulenreaktor)で行うことができ
る。
法の反応器室は少なくとも1個の分離装置によって区分
される。
iebboden)であってよく、有利には反応体流及
び生成物流の流動方向に対して垂直に配置される。
一気泡塔と比べて極めて減少され、流動状態は管状反応
器(Rohrreaktor)の流動状態に接近する。
この方法技術的手段は、空時収率及びヒドロホルミル化
の選択性が改善されるという結果をもたらす。
排出物(有機相及び水相;水相は全部又は部分的に反応
器の底部から排出されうる)は、反応器を出た後10〜
15バールに減圧されかつコバルト触媒の除去に必要な
脱コバルト段階に導入されうる。脱コバルト段階では生
成物排出物から、酸性の水性コバルト塩溶液(プロセス
水)の存在で温度50〜180℃で空気又は酸素でコバ
ルトカルボニル錯体が除去されうる。酸性水性コバルト
塩溶液(プロセス水)は、金属として計算して0.2〜
2.0重量%のコバルト含分及び3〜4のpH値を有す
る。pH値は例えば酢酸によって調節することができ
る。脱コバルトは有利には120〜150℃の温度で行
われて、1段法で連続反応によって形成されたアセター
ルが可能な限り完全に再び分解されて所望の有価生成物
であるアルデヒド及びアルコールを生成することを保証
することができる。
ばラシッヒリングが充填されていて、できるだけ大きい
相交換面が形成されている圧力容器で行う。さてコバル
ト化合物の除去された有機生成物相は、後続の分離容器
で水相から分離されうる。有機相から抽出されたコバル
ト化合物を例えば酢酸コバルト又はギ酸コバルトの形で
含有する水相は、好ましくは1段法に復帰されて、再び
コバルト触媒の製造のための出発物質として使用され
る。
法の反応生成物が、コバルト触媒の酸化のために酸性水
性コバルト塩溶液の添加下に空気で処理されかつ反応生
成物を含有する有機相とコバルト塩を含有する水相とに
分離された後、この水相が1段法に復帰されるように、
実施する。
機相は水素化されて、これによって得られたアルコール
は水素化生成物から例えば蒸留によって製出されうる。
ってアルデヒドの他にまた部分的に相応のアルコールも
形成される。アルデヒド及びアルコールは、脱コバルト
後に有機反応器排出物から分離されかつ個々にさらに加
工されうる。しかし好ましくは全有機反応器排出物は公
知方法により、例えば水素化及び引続く蒸留によって後
処理されて相応のアルコールになる。
は、可塑剤−及び洗浄剤アルコールとして好適である。
アルデヒドはさらにカルボン酸の製造のために使用され
うる。可塑剤アルコールは、例えば無水フタル酸(PS
A)によるエステル化によってポリ塩化ビニル(PV
C)用の慣用可塑剤に変化される。
有するオレフィンがヒドロホルミル化され、これによっ
て得られたアルデヒドが水素化されうる。
オリゴマー化によって製造される異性体オレフィン混合
物のヒドロホルミル化のために適当である。ヒドロホル
ミル化の原料ベースとして使用されうる代表的なオリゴ
マーには、例えばジ−、トリ−及びテトラ−プロペンな
らびにジ−、トリ−及びテトラ−ブテンが挙げられる。
〜13個を有するアルコールが相応のオレフィンから製
造され、特にイソノナノールがジブテンから製造され
る。
マー化法、例えばヒュルス(Huels)のオクトール
(Octol:登録商標)法及びIFPのジマーゾール
(Dimersol:登録商標)法により大規模工業的
に得られる(J.Schulze,M.Homann:
“C4−Hydrocarbons and Deri
vates”,69頁以下,Springer Ver
lag,Berlin/Heiderberg,198
9)。
の水素化法により気相又は液相で水素化されて所望のア
ルコールを生成しうる(SRI Internatio
nal,Report No.21C,April 1
986,53頁以下)。アルデヒドの水素化用触媒とし
ては、特に亜クロム酸銅(Kupferchromi
t)−、ニッケル−及び銅−亜鉛−触媒が適当である。
アルコールを生成するアルデヒドの水素化は一部分はす
でに1段法で行われている。
公知方法 前カルボニル化:特殊鋼製の2l撹拌オートクレーブ中
に酢酸コバルト含有水(金属として計算して約1.0重
量%のコバルト)1000mlを予め装入する。撹拌
(1000rpm)下にCO/H2の容量比1:1の合
成ガスを170℃及び280バールでオートクレーブに
導入する。断続的に行う試料採取によって、前カルボニ
ル化の間のコバルトカルボニル錯体の形成を分析的に追
跡することができる。6時間の前カルボニル化時間後に
使用されたコバルト塩の約65%が反応されて活性コバ
ルト触媒、コバルトヒドリドカルボニル錯体(Koba
lthydridocarbonylkomplex)
になる。
コール、例えば2−エチルヘキサノール又はイソノナノ
ールの添加によって前カルボニル化時間の明らかな短縮
が達成されうる。前カルボニル化をコバルト塩−水/イ
ソノナノール−混合物(イソノナノール250ml及び
金属として計算して1重量%のコバルトを含む水性酢酸
コバルト溶液750ml)を用いて前記条件下で行う
と、すでに5分後に使用されたコバルト塩の65%がコ
バルトカルボニル錯体に変化される。
媒抽出を行うためにオートクレーブを100バールの合
成ガス圧力に減圧し、約60℃の温度に冷却する。この
条件下でジ−n−ブテン500mlを加えた後激しく撹
拌しながら(1000rpm)コバルトカルボニル錯体
を有機相として働くジ−n−ブテン中に抽出する。約1
0分の抽出時間後に抽出混合物を相分離のために撹拌機
を止めたままさらに10分放置する。オレフィン相はコ
バルトカルボニル錯体(HCo(CO)4)としてコバ
ルト0.22重量%を含有する。水相はコバルト(I
I)塩としてのコバルト0.35重量%の他に、さらに
抽出されなかったコバルトカルボニル錯体としてのコバ
ルト約0.57重量%を含有する。これは、抽出可能な
コバルトカルボニル錯体の約12%だけがオレフィン相
中に抽出されたことを意味する。
ートクレーブから排出し、ジ−n−ブテン500mlを
さらに供給する。次にコバルトヒドリドカルボニル錯体
の含有されたオレフィン相をCO/H2−容量比1:1
の合成ガスを用いて175℃の温度及び260バールの
圧力でヒドロホルミル化する。4時間の反応時間後には
合成ガスはもはや認められず、ヒドロホルミル化は終了
している。
レーブを減圧し、生成物混合物を約100℃に冷却す
る。反応混合物を希薄酢酸の存在で100℃未満で空気
で処理することによってコバルトカルボニル錯体が酸化
され、生じるコバルト塩は水相中に逆抽出される(zu
rueckextrahiert)。
よると次の組成(重量%)を有する:C8−炭化水素1
2.5%、イソノナナール44.5%、イソノナノール
29.5%、エステル(ギ酸イソノニル)3.5%、ア
セタール5%及び高沸点残留物5%。
ルを、亜クロム酸銅の存在で150〜250℃及び20
〜30バールで気相で水素化してイソノナノールにす
る。
する 本発明方法を、主として高圧管状反応器(直径90m
m、長さ3600mm)及びラシッヒリングの充填され
た後続の脱コバルト容器(容量20l)ならびに相分離
容器から構成されている連続的実験装置で行う。高圧反
応器の反応器室は、流動方向に垂直に組込まれた5個の
有孔板によって階段化される(kaskadier
t)。出発物質の計量のために3物質混合ノズルを使用
する。反応器内容物は、設置された加熱−及び冷却装置
により必要に応じて加熱又は冷却することができる。
ルデヒドの存在で加速されるので、本発明の1段法の初
めには、イソノナノール又はイソノナナール/イソノナ
ノール混合物を開始助剤として反応器中に予め装入する
ことができる。反応器を160〜180℃の使用温度に
もたらした後、混合ノズルにより反応器にヒュルス(H
uels)のオクトール法からのジ−n−ブテン、金属
として計算して1重量%のコバルトを含有する水性酢酸
コバルト溶液及びCO/H2の容量比1:1の合成ガス
を連続的に供給する。
0kg/h及び酢酸コバルト溶液0.45kg/h。反
応器を、合成ガスによって合成ガス流量2.5〜3.5
Nm3/hで280バールの一定反応圧に圧調節する。
選択されたジ−n−ブテン流量は、反応器容量に対する
空時負荷(Raumzeitbelastung)(L
HSV)約0.3h-1(反応器容量m3及び時間当り
0.3m3のジ−n−ブテン)に相当する。
れかつ10〜15バールに減圧されて脱コバルト段階に
入る。酢酸コバルト溶液として反応器に供給された水相
は、状態調節されてコバルト錯体含有プロセス水として
反応器の底部から排出されかつ同様に減圧されて脱コバ
ルト段階に入る。
性コバルト塩溶液(プロセス水)の存在で空気又は酸素
によるコバルトカルボニル錯体の酸化によって二つの液
相と減圧の際に生じるガス(反応しなかった合成ガス)
とからコバルト触媒が除去され、次に両相は後続の分離
容器で分離される。コバルトを含まない有機相はさらに
後処理され、これに対して水性コバルト塩溶液は混合ノ
ズルを介して1段法に復帰される。反応しなかった合成
ガスは再使用されるか又は棄却される。
るジ−n−ブテンの変換率が得られる。
ロマトグラフィー分析によれば次の組成(重量%)を有
している:C8−炭化水素7.0%、イソノナナール2
9.7%、イソノナノール53.1%、エステル(ギ酸
イソノニル)4.2%及び高沸点残留物6.0%。
非常に簡単に除去することができる。
理段階で水素化及び引続く蒸留によってイソノナノール
(異性体混合物)に変えられる。
0℃及び20〜25バールで亜クロム酸銅触媒の存在で
行う。
ノールを製造する 本発明方法を例1で記載した実験装置で同様に行う。
ルデヒドの存在で加速されるので、本発明の1段法の初
めにはイソ−トリデカノール及び/又はイソ−トリデカ
ノール/イソ−トリデカナール混合物を開始助剤として
反応器に予め装入する。
たらした後、反応器に混合ノズルにより出発物質、すな
わちヒュルスのオクトール法からのトリ−n−ブテン、
金属として計算して1重量%のコバルトを含む水性酢酸
コバルト溶液及びCO/H2の容量比1:1の合成ガス
を連続的に供給する。
1.65kg/h及び酢酸コバルト溶液0.15kg/
h。合成ガスによって反応器を合成ガス流量0.8〜
1.2Nm3/hで一定反応圧力280バールに圧調節
する。選択されたトリ−n−ブテン流量は、反応器容量
に対する空時負荷(LHSV)約0.1h-1(反応器容
量m3及び時間当り0.1m3のトリ−n−ブテン)に相
当する。
さらに後処理する。
0%のトリ−n−ブテン変換率が得られる。
ロマトグラフィー分析によれば次の組成(重量%)を有
している:C8−炭化水素16.5%、イソトリデカナ
ール及びイソ−トリデカノール73.5%ならびに高沸
点残留物10.0%。
処理段階で亜クロム酸銅触媒の存在で150〜250℃
及び20〜30バールで液相で水素化し、次に蒸留する
ことによってイソ−トリデカノール(異性体混合物)に
変える。
Claims (22)
- 【請求項1】 相応のオレフィンを、コバルト触媒を含
有する有機相の存在で温度50〜220℃及び圧力10
0〜400バールで合成ガスでヒドロホルミル化し、次
にこのようにして得られたアルデヒドを水素化すること
によってC原子7〜18個を有するアルコールを製造
し、その際コバルト触媒を、水と混合できないか又は僅
かしか混合できない有機溶剤の存在で水性コバルト塩溶
液を合成ガスと反応させて形成しかつコバルト触媒を含
有する有機相を、水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機抽出剤を用いて、形成されたコバルト触媒
を水相から抽出することによって得ることから成る、該
アルコールの製造方法において、コバルト触媒の形成、
形成されたコバルト触媒の有機相中へ抽出及び相応のオ
レフィンのヒドロホルミル化を1段法で行うことを特徴
とする、C原子7〜18個を有するアルコールの製造方
法。 - 【請求項2】 コバルト触媒の形成、形成されたコバル
ト触媒の有機相中への抽出及び相応のオレフィンのヒド
ロホルミル化を単一反応器で行う、請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】 相応のオレフィンからC原子9〜13個
を有するアルコールを製造する、請求項1又は2記載の
方法。 - 【請求項4】 イソノナノールをジブテンから製造す
る、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 該方法を連続的に行う、請求項1から請
求項4までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】 1段法の反応器室を少なくとも1個の分
離装置によって区分する、請求項1から請求項5までの
いずれか1項記載の方法。 - 【請求項7】 水性コバルト塩溶液、オレフィン、合成
ガス、水と混合できないか又は僅かしか混合できない有
機溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか混合できな
い有機抽出剤を1段法の反応器に同時に導入する、請求
項1から請求項6までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項8】 水性コバルト塩溶液、オレフィン、合成
ガス、水と混合できないか又は僅かしか混合できない有
機溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか混合できな
い有機抽出剤を混合ノズルによって1段法の反応器中に
導入する、請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 水と混合できないか又は僅かしか混合で
きない有機溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか混
合できない有機抽出剤を1段法の反応器中に予め装入し
かつ水性コバルト塩溶液、オレフィン及び合成ガスを1
段法の反応器中に同時に導入する、請求項1から請求項
6までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項10】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか
混合できない有機抽出剤を1段法の反応器中に予め装入
しかつ水性コバルト塩溶液、オレフィン及び合成ガスを
混合ノズルによって1段法の反応器中に導入する、請求
項9記載の方法。 - 【請求項11】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機抽出剤を1段法の反応器中に予め装入しか
つ水性コバルト塩溶液、オレフィン、合成ガス及び水と
混合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤を1
段法の反応器中に同時に導入する、請求項1から請求項
6までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項12】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機抽出剤を1段法の反応器中に予め装入しか
つ水性コバルト塩溶液、オレフィン、合成ガス及び水と
混合できないか又は僅かしか混合できない有機溶剤を混
合ノズルによって1段法の反応器中に導入する、請求項
11記載の方法。 - 【請求項13】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機溶剤がオレフィン及び/又はアルデヒド及
び/又はアルコールである、請求項1から請求項12ま
でのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項14】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機溶剤が1段法からの反応生成物である、請
求項13記載の方法。 - 【請求項15】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機抽出剤がオレフィン及び/又はアルデヒド
及び/又はアルコールである、請求項1から請求項14
までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項16】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない有機抽出剤が1段法からの反応生成物である、
請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 水と混合できないか又は僅かしか混合
できない溶剤及び水と混合できないか又は僅かしか混合
できない抽出剤が同一である、請求項1から請求項16
までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項18】 水性コバルト塩溶液、オレフィン、及
び合成ガスを1段法の反応器中に同時に導入する、請求
項1から請求項17までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項19】 水性コバルト塩溶液、オレフィン及び
合成ガスを混合ノズルによって1段法の反応器中に導入
する、請求項18記載の方法。 - 【請求項20】 1段法の反応生成物を、コバルト触媒
の酸化のために酸性の水性コバルト塩溶液の添加下に空
気で処理し、反応生成物を含有する有機相とコバルト塩
を含有する水相とに分離した後水相を1段法に復帰させ
る、請求項1から請求項19までのいずれか1項記載の
方法。 - 【請求項21】 コバルト触媒の除去後に残存する有機
相を水素化し、これによって得られるアルコールを水素
化生成物から製出する、請求項1から請求項20までの
いずれか1項記載の方法。 - 【請求項22】 請求項1から請求項21までのいずれ
か1項により製造されたアルコールの、プラスチック用
可塑剤としてのカルボン酸エステルの製造のための使
用。
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