JPH06279334A - 主として枝分かれのない、高級第一アルコールの製造方法 - Google Patents

主として枝分かれのない、高級第一アルコールの製造方法

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JPH06279334A
JPH06279334A JP5309456A JP30945693A JPH06279334A JP H06279334 A JPH06279334 A JP H06279334A JP 5309456 A JP5309456 A JP 5309456A JP 30945693 A JP30945693 A JP 30945693A JP H06279334 A JPH06279334 A JP H06279334A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オレフィンを水溶性塩の存在下で水素及び一
酸化炭素と反応させ、アルデヒドとしそしてそれを水素
添加して主として枝分かれのない高級第一アルコールを
製造する方法において、上記水溶性塩のアニオンが置換
された芳香族残基を含むホスフィンであり、そのカチオ
ンが、一般式 【化1】 [ 式中、Z は窒素または硫黄を意味し、A はアルキルま
たはアラルキル残基を表し、そしてB 、C 及びD は直鎖
状または分岐状アルキルである]で表されるイオンであ
る。 【効果】 所望のアルコールが安価な原料から出発し
て、簡単な方法によって高い収量で提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒としての水溶性ロ
ジウム錯化合物の存在下でフィシャー・トロプシュ (Fi
scher-Tropsch)合成に基づくオレフィンをヒドロホルミ
ル化することによって、主として枝分かれしていない高
級第一アルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高級、つまり 6〜20個の炭素原子を含
む、枝分かれしていない第一アルコールは化学上の技術
において中間生成物として広範囲で使用されている。例
えば、C8- 〜C12-アルコールをフタル酸でエステル化す
ることによって、良好な耐寒性に特徴のある可塑剤が製
造される。
【0003】濃硫酸と枝分かれしていない脂肪アルコー
ルとのエステル化によって得られる、n-アルキルスルフ
ェートのナトリウム塩は生物的に分解され、それ故環境
に調和的な合成洗剤として非常に重要になってきた。直
鎖状第一アルコールと枝分かれしていないジカルボン酸
とのエステルは価値の高い潤滑剤であり、これは特に航
空機用原動機に使用されている。
【0004】前述に例えとして記載された、直鎖状第一
アルコールの可能な用途は、低価格の原料から出発し、
しかも技術的に可能な限り簡単に実施できる製造方法に
興味が持たれることを表明している。更なる要求は、製
造方法の過程において直鎖状原料が異性化されず、また
第一アルコールの他に第二- 及び/ または第三アルコー
ルが形成される可能性がある際には、第一アルコールが
明らかに優勢的となることである。
【0005】ドイツ特許第2,855,421 号明細書による
と、ジノニルフタレート系可塑剤を製造するために、触
媒としての有機アルミニウム化合物の存在下でブテンを
二量体化して、オクテン混合物を生成し、次いでヒドロ
ホルミル化することによって得られる C9-アルコールが
使用される。
【0006】ヨーロッパ特許出願公開第03,66,089 号明
細書の方法に従ってフタル酸エステルに更に加工される
C10-アルコールが、ブテン留分をヒドロホルミル化し、
得られたアルデヒド混合物をアルドール縮合し次いで水
素添加することによって得られる。
【0007】ジデシルフタレート混合物を製造するため
の他の方法がヨーロッパ特許出願公開第04,24,767 号明
細書に記載されている。このエステルの製造は、ブテン
混合物を二量体化し、生じたオクテン混合をヒドロホル
ミル化し次いで水素添加して、ノナノール混合物を生成
させ、そのノナノール混合物を脱水しノネン混合物を形
成させ次いでそのノネン混合物をヒドロホルミル化し、
そして水素添加してデカノール混合物を形成させる多段
階式方法に従って行われる。
【0008】これら公知の方法は、工業的なスケールで
行われる方法について持たれる、経済的な及び技術的な
要求の全てを未だに適えていない。例えば、出発材料を
常に十分な量でまたは価格的に有利に使用できない。つ
まり所望の直鎖状アルコールへのそれらの転化には費用
のかかる工程が供なう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】それ故本発明の課題
は、所望のアルコールを安い原料から出発して、しかも
簡単な方法によって高い収量で提供する方法を開発する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、液相中で20〜
150 ℃の温度かつ 0.1〜20MPa の圧力において、水並び
に金属の形のまたは化合物としてのロジウム、及び触媒
としての水溶性ホスフィンの存在下でオレフィンを一酸
化炭素及び水素と反応させてアルデヒドにし、次いでそ
のアルデヒドを水素添加しアルコールにすることによっ
て、主として枝分かれのない高級第一アルコールを製造
する方法において、フィシャー・トロプシュ合成によっ
て得られ、分子内に 6〜20個の炭素原子を有するオレフ
ィンまたは 2種以上のそのようなオレフィンの混合物を
水溶性塩の存在下で反応させること、その塩のアニオン
がスルホン化またはカルボキシル化された少なくとも 1
個の芳香族残基を含むホスフィンであり、該アニオンの
電荷に相当する、その塩のカチオンまたはカチオン類
が、一般式
【0011】
【化3】 [ 式中、Z は窒素または硫黄を意味し、A は 7〜18個の
炭素原子を有するアルキルまたはアラルキル残基を表
し、そして B、 C及びD は 1〜4 個の炭素原子を有する
直鎖状または分岐状アルキル残基である]で表される 1
種以上のイオンであることを特徴とする。
【0012】特許請求の範囲の方法によって、主として
枝分かれのない高級第一アルコールを製造する為の出発
材料として使用されるオレフィンはフィシャー・トロプ
シュ合成によって得られる。この合成法は脂肪族の分子
鎖を形成しながら進行する、固体触媒による接触的な一
酸化炭素- 水素添加である。金属の鉄、コバルト、ニッ
ケル及びルテニウムが触媒として有効であると実証され
ており、実施においては特に鉄が重要であった。合成を
工業的に実行するため (これに関しては、例えばUllman
ns Encyclopaedie der technischen Chemie 第 4版、19
77年、14巻、329 頁以降参照) 、一連の種々の方法が開
発され、その内の 2つは工業的に利用されている。“ア
ルゲ方法 (Arge-process)"では、固定床式反応器中で2.
5MPaの圧力、220 〜225 ℃の間の温度において水素及び
一酸化炭素を反応させ、“シントール方法 (synthol pr
ocess)" を2.3MPaかつ 320〜340 ℃において噴流床式反
応器で実施する。使用された方法に無関係に、フィシャ
ー・トロプシュ合成は全く選択的に進行せず、異なる分
子量の飽和- 及び不飽和炭化水素、アルコールその上更
にアルデヒド、ケトン及び酸をも含む複雑な組成の混合
物を提供する。反応生成物中のオレフィンの割合は約70
% まで成り得て、主として、分子内に 5〜18個の炭素原
子及び末端の二重結合を有する枝分かれのない化合物で
ある。反応混合物の構成成分は慣例の方法で蒸留するこ
とによって互いに分離される。個々の化合物を高純度で
得るために引き続いて精製を行うことがきる。例えば分
岐状炭化水素を直鎖状異性体から尿素- 包接化合物を経
て分離することができる。
【0013】前記の通りに得られたオレフィンのヒドロ
ホルミル化は、直鎖状アルデヒドが生じることを保証す
る条件下で行わなければならない。それ故、カルボニル
基はオレフィン分子の末端にある炭素原子に導かれるべ
きであり、その上反応条件において二重結合は分子内で
その位置を維持しなければならない、つまり二重結合は
末端位置から分子鎖の内部に移動してはならないという
ことである。これらの課題を解決するのには、場合によ
っては有機溶媒中に溶解されたオレフィン、有機相とし
ての形成した反応生成物及び水性相としての、ロジウム
化合物及び水溶性ホスフィンを含む触媒溶液から成る液
状 2相系中で不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応
させるのが、特に適することが実証されている。
【0014】本発明の方法の範囲においては、スルホン
化されたまたはカルボキシル化された少なくとも 1個の
芳香族残基を含むホスフィンからアニオンが形成された
塩を水溶性ホスフィンとして使用する。ホスフィンの概
念は、そのリン原子が複素環状環の構成要素であるよう
な 3価のリンの化合物をも包含する。芳香族残基は直接
または他の基を介してホスフィンのリン原子に結合して
いる。芳香族残基は、例えばフェニル- 及びナフチル残
基である。それらは 1個または複数のスルホン基または
カルボキシル基で置換されることができ、その上別の原
子団または原子、例えばアルキル、ヒドロキシル、ハロ
ゲン (好ましくはフッ素) によって置換されていてもよ
い。モノホスフィンの他に、少なくとも 1個のスルホン
化またはカルボキシル化された芳香族残基を含むポリホ
スフィン、特にジホスフィンもアニオンを形成すること
ができる。適当なモノホスフィンの例には、トリフェニ
ルホスフィン- モノ- 、 -ジ- または -トリスルホネー
トまたは -カルボキシレートである。好ましくは、ジホ
スフィン- アニオンは、少なくとも 1個のスルホネート
-(SO3 - )-残基またはカルボキシレート-(COO - )-残基
によって置換されている、一般式
【0015】
【化4】 で表されるビアリール化合物から導かれる。この一般式
において、R1は同一かまたは異なっているアルキル- 、
シクロアルキル- 、フェニル- 、トリル- またはナフチ
ル残基であり、R2は同一かまたは異なっていて、水素、
1 〜14個の炭素原子を有するアルキル- またはアルコキ
シ残基、更に 6〜14個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル- 、アリール- またはアロキシ残基または縮合ベンゼ
ン環であり、m は同一かまたは異なっていて、0 〜5 の
整数であり、そして同様に nは同一かまたは異なってい
て、0 〜4 の整数を表す。この種の化合物の実証された
代表物質は、2,2 ′- ビス (ジフェニルホスフィノメチ
ル)-1,1 ′- ビフェニルまたは2,2 ′- ビス (ジフェニ
ルホスフィノメチル)-1,1 ′- ビナフチルをスルホン化
して得られる生成物である。複素環式リン化合物のアニ
オンの例としては、 3,4- ジメチル-2,5,6- トリス(p-
スルホナートフェニル)-1-ホスファノルボルナジエンを
挙げることができる。
【0016】塩は、アニオンの電荷に相当する少なくと
も 1個の、一般式
【0017】
【化5】 [ 式中、Z は窒素またはリンを意味し、A は 7〜18個の
炭素原子を有するアルキル- またはアラルキル残基を表
し、そしてB 、C 及びD は 1〜4 個の炭素原子を有する
直鎖状または分岐状アルキル残基である]で表されるイ
オンをカチオンとして含む。
【0018】この新規方法の実施に適している、上記構
造を有するカチオンの例には、トリメチルセチルアンモ
ニウム- 、トリメチルドデシルアンモニウム- 、トリブ
チルドデシルアンモニウム- 、ドデシルエチル- ジメチ
ルアンモニウム- 、トリエチルベンジルアンモニウム-
、トリメチルテトラデシルホスホニウム- 、トリブチ
ルヘキサデシルホスホニウムイオンがある。
【0019】この新規方法に従って触媒成分として使用
されるオニウム化合物は水性相への有機基質の溶解を促
進し、それ故転化率の向上に寄与する。有機相へのオニ
ウム化合物の極度に低い溶解度のため、それ自身及び触
媒系の金属成分が反応域からは反応生成物と一緒に全く
または無視できるほど少量だけしか流出しない。それ
故、アルデヒドからロジウムを回収するための特別の後
処理は不必要である。
【0020】特許請求範囲の方法によって水溶性ホスフ
ィンを使用する際には、本発明に従って使用されたオレ
フィンが高い活性及び選択率でヒドロホルミル化され、
その際転化される炭化水素の構造が引き続き保たれるこ
と、つまり異性化が起こらないか、または取るに足らな
い量でしか異性化が生じないことが特に重要である。更
に、ホスフィンは殆ど専ら末端二重結合オレフィンをヒ
ドロホルミル化せしめる。これによって達成される分離
効果が、最終生成物中の分岐状化合物の割合を結果的に
更に低減させる。
【0021】特許請求の範囲に記載の方法において使用
される塩の製造法は公知である。スルホン化またはカル
ボキシル化されたアリール残基を含むホスフィンまたは
リン複素環から出発する。スルホネート残基の導入は、
実証済の方法に従って発煙硫酸で出発化合物を処理する
ことによって行う。反応条件、特に反応時間、反応温度
及びリン化合物と三酸化硫黄との比率を変化させること
によって、出発化合物のスルホン化度を制御することが
できる。
【0022】カルボキシル化されたリン化合物は、様々
な手順、例えば基礎物質とハロゲン化カルボニルとを反
応させ、そして特にグリニアール化合物を経て二酸化炭
素との反応によって得ることができる。
【0023】反応生成物からは、水に不溶性の、しかし
有機溶剤に可溶性のアミン塩を最初に得るのが有利であ
る。次いで、それを第 4アンモニウム、場合によっては
ホスホニウムヒドロキシドを用いて処理することによっ
て、スルホン化- あるいはカルボキシル化トリアリール
ホスフィンの所望のオニウム塩に転化する。
【0024】該新規方法に従う、オレフィンと水及び一
酸化炭素との反応は、20〜150 ℃、特に50〜120 ℃の温
度かつ 0.1〜20MPa 、特に 1〜10MPa の圧力において行
われる。
【0025】触媒は事前に形成させて反応系に添加する
ことができる。しかし、触媒は成分としてのロジウムま
たはロジウム化合物とスルホン化またはカルボキシル化
された芳香族残基を含むホスフィンの第 4アンモニウム
- あるいは第 4ホスホニウム塩の水溶液とからも同様に
良好な結果を伴い反応混合物中の反応条件において、つ
まりオレフィンの存在下で製造することができる。ロジ
ウム源として微細に粉砕された形の金属ロジウムの他に
は、水溶性ロジウム塩、例えばロジウムクロライド、ロ
ジウムスルフェート、ロジウムアセテートまたは有機溶
媒に可溶性の化合物、例えばロジウム-2- エチルヘキサ
ノエートまたは不溶性の化合物、例えばロジウムオキシ
ドが使用できる。
【0026】水性触媒溶液中のロジウム濃度は、その溶
液を基準として、10〜2000重量ppmにする。スルホン化
されたまたはカルボキシル化されたホスフィンの第 4ア
ンモニウム- または第 4ホスホニウム塩は、ロジウム 1
mol につき、ホスフィン化合物 1〜1000mol 、好ましく
は 2〜300molを生じるような量で使用される。
【0027】触媒水溶液のpH値は 2より下にあるべきで
はない。pH値は通常 2〜13、好ましくは 4〜10に調整す
る。合成ガスの組成、即ち一酸化炭素と水素との比率は
広い範囲で変えることができる。一般に、一酸化炭素と
水素との容積比率が 1:1であるか、またはその比からほ
んのわずかにずれている合成ガスが使用される。
【0028】転化は不連続的にも、連続的にも実施する
ことができる。ヒドロホルミル化混合物は、簡単な相分
離によって触媒溶液から分離される。それは更に前処理
することなしに水素添加できる。しかし、随伴する副生
成物からアルデヒドを前もって留出することも可能であ
る。水素添加は触媒の存在下で公知の方法で行われる。
例えば、ニッケル、クロムまたは銅を基礎とする水素添
加触媒が適当である。通常、水素添加温度は 100〜180
℃の間であり、圧力は1〜10MPa の間である。アルコー
ルは蒸留して精製される。それらは可塑剤として使用さ
れるべきであるフタル酸エステルにおいてアルコール成
分として特に適しており、並びにアルキルスルホネート
及びエステル潤滑剤の製造に適している。
【0029】以下の例は本発明の方法を説明するが、本
発明はこれに限定されない。
【0030】
【実施例】
実験 1 : ヒドロホルミル化 1 リットル- オートクレーブ中にフィシャー・トロプシ
ュ合成から得られる、主にn-ノネンを含むオレフィン混
合物185g、並びに触媒としてトリナトリウム- トリ (m-
スルホフェニル) ホスフィン66mol%及びトリ (トリメチ
ルテトラデシル) アンモニウム- トリ(m- スルホフェニ
ル) ホスフィン33mol%を含む水性溶液550gを、P(III)80
mmol及びRh 200重量ppm の一緒にした溶液の含有量に相
当するロジウムアセテート溶液 5.44ml(ロジウム濃度:2
1.21g Rh/ リットル) と一緒にそしてpH値を約 6に調整
するための、溶液 1リットルにつき、ナトリウムアセテ
ート10ml及び氷酢酸1molから成る緩衝溶液27.5gを入れ
る。酸素を取り除くためにこのオートクレーブを何度か
窒素でフラッシュ洗浄する。次いで、2.5MPaの圧力かつ
125 ℃において、攪拌しながらこの混合物中に合成ガス
(CO/H2 - 容積比 = 1:1) を導入する。6 時間後、反応
を終了させ、オートクレーブを開放し、有機相 (反応生
成物) を浸漬管を通して取り出し、そして分析する。オ
レフィンの転化率は 85%に達し、これは同じ触媒溶液で
何度反応を繰り返しても変わらない。 実験 2 : 水素添加 実験 1に従い得られた粗生成物をオートクレーブ中で市
販のニッケル触媒 (担体としての珪藻土にNi60重量% 担
持している) 2 重量%(粗生成物を基準とする)の存在下
で、8MPaかつ150 ℃において水素を用いて 3時間水素添
加する。反応終了後、反応容器を冷却し次いで開放し
て、そして反応生成物を触媒から分離する。 実験 3 : 粗アルコールの精製 実験 2からの粗アルコールを、VA- スチール製の 3mmコ
イル状物が詰められた、1m- 蒸留塔中で蒸留する。93℃
の頭頂部温度かつ6.7kPaの圧力の下で初留を、145 ℃か
つ6.7kPaの圧力の下で中間留分を取り除く。主留分 (使
用された粗アルコールの26重量%)は147 ℃の頭頂温度か
つ6.7MPaの圧力において得られる。粗生成物中のアルコ
ール含有量は99.7% に達する。 実験 4 : 純粋アルコールのエステル化 実験 3から生じるイソデカノール2.3molを濃硫酸6mmol
の存在下、135 ℃で無水フタル酸1molと反応させ、それ
と同時に反応水をシクロヘキサンとの共沸混合物として
除去する。反応が完了したら、硫酸を5%濃度の苛性ソー
ダ溶液で中和し、そして過剰のアルコールを135 ℃かつ
1.5kPaにおいて水蒸気蒸留によって分離する。残留物を
135 ℃かつ 2〜3kPaの圧力において窒素を用いて乾燥
し、そして次に濾過する。エステルが透明液体として得
られる。
【0031】粘度 (20℃において) が 120〜130mPa.sで
ある市販のエステル系可塑剤に比べて、本発明のアルコ
ールを用いて製造された可塑剤は、使用されたアルコー
ルの高度の直鎖性を示す64.8mPa.s(20℃において) の非
常に低い粘度に特徴がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴォルフガンク・グレープ ドイツ連邦共和国、ディンスラーケン、ブ ーヘンシュトラーセ、160 (72)発明者 ペーター・ハイマンス ドイツ連邦共和国、エッセン、カウルバッ ハシュトラーセ、4 (72)発明者 ペーター・ラッペ ドイツ連邦共和国、ディンスラーケン、ア イケンホーフ、34 (72)発明者 トーマス・ミュラー ドイツ連邦共和国、ディンスラーケン、マ ルダーヴェーク、2 (72)発明者 ユルゲン・サマイタート ドイツ連邦共和国、ヴェゼル、パストール −ヴォルフ−シュトラーセ、51 (72)発明者 エルンスト・ヴィーブス ドイツ連邦共和国、オーバーハウゼン、フ ェルディナントシュトラーセ、77

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相中で20〜150 ℃の温度かつ 0.1〜20
    MPa の圧力において、水並びに金属の形のまたは化合物
    としてのロジウム、及び触媒としての水溶性ホスフィン
    の存在下でオレフィンを一酸化炭素及び水素と反応させ
    てアルデヒドにし、次いでそのアルデヒドを水素添加し
    アルコールにすることによって、主として枝分かれのな
    い高級第一アルコールを製造する方法において、フィシ
    ャー・トロプシュ合成によって得られ、分子内に 6〜20
    個の炭素原子を有するオレフィンまたは 2種以上のその
    ようなオレフィンの混合物を水溶性塩の存在下で反応さ
    せること、その塩のアニオンがスルホン化またはカルボ
    キシル化された少なくとも 1個の芳香族残基を含むホス
    フィンであり、該アニオンの電荷に相当する、その塩の
    カチオンまたはカチオン類が、一般式 【化1】 [ 式中、Z は窒素または硫黄を意味し、A は 7〜18個の
    炭素原子を有するアルキルまたはアラルキル残基を表
    し、そして B、 C及びD は 1〜4 個の炭素原子を有する
    直鎖状または分岐状アルキル残基である]で表される 1
    種以上のイオンであることを特徴とする上記方法。
  2. 【請求項2】 水溶性塩のアニオンがスルホン化または
    カルボキシル化された少なくとも 1個の芳香族残基を含
    むモノホスフィンから誘導されることを特徴とする請求
    項 1の方法。
  3. 【請求項3】 水溶性塩のアニオンがスルホン化または
    カルボキシル化された少なくとも 1個の芳香族残基を含
    むジホスフィンから誘導されることを特徴とする請求項
    1の方法。
  4. 【請求項4】 アニオン中のスルホン化またはカルボキ
    シル化された芳香族残基がフェニル- またはナフチル残
    基であることを特徴とする請求項 1〜3 のいづれか 1つ
    の方法。
  5. 【請求項5】 スルホン化またはカルボキシル化された
    芳香族残基が別の原子団または原子、特にフッ素によっ
    て置換されていることを特徴とする請求項 1〜4 のいづ
    れか 1つの方法。
  6. 【請求項6】 アニオンがトリフェニルホスフィン- モ
    ノ- 、 -ジ- または- トリスルホネートまたは -カルボ
    キシレートであることを特徴とする請求項 1、2 及び 4
    のいづれか 1つの方法。
  7. 【請求項7】 アニオンが、少なくとも 1個のスルホネ
    ート- 、またはカルボキシレート残基によって置換され
    ている一般式 【化2】 [ 式中、R1は同一のまたは異なっている、アルキル- 、
    シクロアルキル- 、フェニル- 、トリル- またはナフチ
    ル残基を表し、R2は同一かまたは異なっていて水素、1
    〜14個の炭素原子を有するアルキル- またはアルコキシ
    残基、更に6〜14個の炭素原子を有するシクロアルキル-
    、アリール- またはアロキシ残基、または縮合ベンゾ
    ール環を意味し、m は同一かまたは異なっていて 0〜5
    の整数を表し、そして nは同様に同一かまたは異なって
    いて 0〜4 の整数を表す]で表されるビアリール化合物
    であることを特徴とする請求項 1、3 、4 及び5 のいづ
    れか 1つの方法。
  8. 【請求項8】 アニオンが 2,2′- ビス (ジフェニルホ
    スフィノメチル)-1,1 ′- ビフェニルまたは 2,2′- ビ
    ス (ジフェニルホスフィノメチル)-1,1 ′-ビナフチル
    をスルホン化することによって得られることを特徴とす
    る請求項 7の方法。
  9. 【請求項9】 アニオンが3,4-ジメチル-2,5,6- トリス
    (p- スルホナートフェニル)-1-ホスファノルボルナジエ
    ンであることを特徴とする請求項 1、2 及び4 のいづれ
    か 1つの方法。
  10. 【請求項10】 カチオンが、トリメチルセチルアンモ
    ニウム- 、トリメチルドデシルアンモニウム- 、トリブ
    チルドデシルアンモニウム- 、ドデシルエチル- ジメチ
    ルアンモニウム- 、トリエチルベンジルアンモニウム-
    、トリメチルテトラデシルホスホニウム- またはトリ
    ブチルヘキサデシルホスホニウムイオンであることを特
    徴とする請求項 1〜9 のいづれか 1つの方法。
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