JPH10110746A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

Info

Publication number
JPH10110746A
JPH10110746A JP26389096A JP26389096A JPH10110746A JP H10110746 A JPH10110746 A JP H10110746A JP 26389096 A JP26389096 A JP 26389096A JP 26389096 A JP26389096 A JP 26389096A JP H10110746 A JPH10110746 A JP H10110746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
weight member
power transmission
torque
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26389096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3401392B2 (ja
Inventor
Tadahiko Kato
忠彦 加藤
Kazuhisa Shimada
和寿 嶌田
Hiroyuki Nakano
裕幸 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Univance Corp
Original Assignee
Fuji Univance Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Univance Corp filed Critical Fuji Univance Corp
Priority to JP26389096A priority Critical patent/JP3401392B2/ja
Publication of JPH10110746A publication Critical patent/JPH10110746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3401392B2 publication Critical patent/JP3401392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧式動力伝達継手において、油のリークに
よるトルク低下を防止し、コンタミ詰りによる作動不良
を回避するとともに、トルクリミッタの機能をもたせ
る。 【解決手段】 ロータリバルブ11の吐出ポート14の
外側に形成される収納孔61と、収納孔61内に遠心力
により移動自在に収納されるおもり部材62と、収納孔
61と吐出ポート14を連通するドレーン孔66と、お
もり部材62の下側に設けられドレーン孔66を閉止し
遠心力によりおもり部材62が移動したときドレーン孔
66を開くボール67とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動力配分
に使用され、特に所定の車速でトルクカットする油圧式
動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式動力伝達継手としては、例
えば下記のようなものがある。この油圧式動力伝達継手
は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前記一方の
軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有するカム面に
形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連結される
とともに、前記カムハウジング内に回転自在に収納さ
れ、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロータ
と;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターン
スプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納されると
ともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆
動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成さ
れ、前記プランジャー室に通じる吸入吐出孔と;前記ロ
ータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カムハ
ウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸入
吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作用
をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成した
ロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回
転速度差に応じたトルクを伝達する。
【0003】このような油圧式動力伝達継手において、
前後軸に異径タイヤを装着した場合、車速の上昇に伴っ
て差動回転数が上昇し、トルクが上昇して、車両前後デ
ファレンシャルにトルクがこもると、デファレンシャル
が過熱して、破損が発生してしまう。このような問題を
解決するために、車速(遠心力)に応じて移動するスプ
ールをロータリバルブ内に設けて、トルクをカットする
ようにしたものが提案されている(図7〜図9、参
照)。
【0004】図7は油圧式動力伝達継手のロータリバル
ブの部分正面図、図8は初期状態を説明するロータリバ
ルブの部分断面図、図9は作動時の油の流れを説明する
ロータリバルブの部分断面図である。図7〜図9におい
て、101は油圧式動力伝達継手のロータリバルブであ
り、ロータリバルブ101の表面には吐出ポート102
が形成され、吐出ポート102はロータリバルブ101
の裏面に形成された連通溝103に連通している。ロー
タリバルブ101の表面には図示しない吸入ポートと吸
入路が形成されている。
【0005】また、ロータリバルブ101の外周には突
起104が形成され、突起104は図示しないカムハウ
ジングに形成した切欠きに係合するようになっている。
矢印Aはロータリバルブ101の回転方向を示す。ロー
タリバルブ101には外周から吐出ポート102に向っ
て収納孔105が形成され、収納孔105の開口部はロ
ールピン106が設置されている。収納孔105内には
スプールバルブ107が放射方向(遠心方向)に摺動自
在に収納されている。
【0006】スプールバルブ107は、第1の弁体10
7Aと、第2の弁体107Bと、第1の弁体107Aと
第2の弁体107Bを連続する軸部107Cとにより構
成され、第1の弁体107Aと第2の弁体107Bとの
間にはオイルが流入する流入室108が形成されてい
る。スプールバルブ107の第2の弁体107Bとロー
ルピン106との間には矢印Pで示すスプリング力でス
プールバルブ107を付勢するスプリング109が介装
されている。一方、スプールバルブ107には矢印Fで
示すような遠心力が作用する。
【0007】ロータリバルブ101の表面には流入室1
08に連通する流入孔110が形成され、流入孔110
はロータリバルブ101の表面に形成した連通路111
を介して吐出ポート102に連通している。したがっ
て、図8に示すように、吐出ポート102の高圧のオイ
ルは、連通路111、流入孔110を通って流入室10
8に流入する。
【0008】また、ロータリバルブ101の裏面にはド
レーン孔112が形成され、ドレーン孔112は図8に
示すように、初期状態においてはスプールバルブ107
の第2の弁体107Bにより閉止されている。図9に示
すように、遠心力によりスプールバルブ107が遠心方
向に移動すると、ドレーン孔112は第2の弁体107
Bにより開放される。また、ロータリバルブ101のド
レーン孔112より下側の裏面には圧力抜き孔113が
形成され、圧力抜き孔113は収納孔105に連通して
いる。
【0009】車速が小さく、遠心力も小さい初期状態に
おいては、図8に示すように、スプールバルブ107に
作用する遠心力Fよりスプリング109のスプリング力
Pが大きいため、スプールバルブ107は、遠心方向に
移動しないので、ドレーン孔112を閉止している。し
たがって、吐出ポート102からのオイルは、連通路1
11、流入孔110を通って流入室108に流入する
が、ドレーン孔112からは低圧室側にドレーンされな
い。この初期状況においては、通常のトルク特性とな
る。
【0010】車速が所定値を越え、遠心力Fが所定値を
越えると、図9に示すように、スプールバルブ107に
かかる遠心力Fがスプリング109のスプリング力Pよ
り大きくなり、スプールバルブ107は矢印Bで示す方
向に移動してドレーン孔112を開く。このため、吐出
ポート102の高圧のオイルは、矢印Cで示すように、
連通路111、流入孔110を通って流入室108に入
り、ドレーン孔112からドレーンする。こうして、ト
ルクカットが行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、スプールと
収納孔との間のクリアランスを狭くして高圧室からのオ
イルリークを防止し、トルクの低下を回避しようとする
と、コンタミ詰りによるスプールの作動不良が生じると
いう問題があった。
【0012】コンタミ詰りによるスプールの作動不良を
回避するため、スプールと収納孔とのクリアランスを広
くすると、高圧室からのオイルリークによりトルクが低
下するという問題があった。本発明は、このような従来
の問題点に鑑みてなされたものであって、スプールバル
ブの代りにボールバルブを用いることでクリアランスで
のシールを廃止し、コンタミ詰りによる作動不良を回避
し、オイルリークによるトルクの低下を防止することが
できる油圧式動力伝達継手を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】まず、本発明は、相対回
転可能な入出力軸間に設けられ、一方の軸に連結され、
内側面に2つ以上の山を有するカム面に形成したカムハ
ウジングと;他方の軸に連結されるとともに、カムハウ
ジング内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室
を軸方向に形成したロータと;複数のプランジャー室の
それぞれに、リターンスプリングの押圧を受けて往復移
動自在に収納されるとともに、両軸の相対回転時にカム
面によって駆動される複数のプランジャーと;ロータに
形成され、プランジャー室に通じる吸入吐出孔と;ロー
タの端面に回転自在に摺接するとともに、カムハウジン
グとの間で所定の関係に位置決めされ、吸入吐出孔との
位置関係によって吸入弁および吐出弁の作用をする複数
の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成したロータリバ
ルブと、プランジャーの駆動による吐出油の流動により
流動抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;両軸の回
転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手
を対象とする。
【0014】このような油圧式動力伝達継手について本
発明は、ロータリバルブの吐出ポートの外側に形成され
る収納孔と、収納孔内に遠心力により移動自在に収納さ
れるおもり部材と、収納孔と吐出ポートを連通するドレ
ーン孔と、おもり部材の下側に設けられドレーン孔を閉
止し遠心力によりおもり部材が移動したときドレーン孔
を開くボールと、を備える。
【0015】このようなおもり部材に複数個のスプリン
グ収納孔を形成し、スプリング収納孔内にスプリングを
収納して所定のスプリング力でおもり部材を押圧し、ス
プリングをロータリバルブに固定したリテーナで保持し
た。また、おもり部材の上面および下面を湾曲形成する
とともに、下面に前記ボールを収納するボール収納部を
形成した。
【0016】このような構成を備えた本発明の油圧式動
力伝達継手によれば、従来のように、スプールにより高
圧室の油をシールしないので、油のリークによる低下を
防止し、また、コンタミ詰りによる作動不良を回避する
ことができる。また、スプリング力によりボールを介し
て吐出ポートをシールして、所定の油圧でリリーフする
ので、トルクリミッタの機能をもつことができ、トルク
を伝える駆動系をリミットトルクに応じて小型化するこ
とができる。
【0017】また、遠心オフにならない車速でもスリッ
プによるこもりトルクがリミットトルクに達すると、ト
ルクカットすることができる。さらに、スプリングのス
プリング力を変えることにより、トルクリミットするこ
ともできる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態を示す
断面図である。図1において、1は内側面に2つ以上の
山を有するカム面2を形成したカムであり、カム1は図
示しない出力軸に連結され、出力軸と一体で回転する。
また、カム1は溶接部3でカムハウジング4に固定さ
れ、カム1はカムハウジング4と一体で回転する。
【0019】5はカムハウジング4内に回転自在に収納
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。ロータ5には、軸方向に複
数個のプランジャー室7が形成され、プランジャー室7
内は複数個のプランジャー8がリターンスプリング9を
介して摺動自在に収納されている。また、ロータ5には
複数の吸入吐出孔10が各プランジャー室7に通じるよ
うに形成されている。
【0020】11は表面に吸入ポート12、吸入路13
および吐出ポート14が形成されたロータリバルブであ
り、このロータリバルブ11の裏面には吐出ポート14
のそれぞれに連通する連通溝15が形成されている。ま
た、前記裏面には密着して蓋部材16が設けられ、連通
溝15を閉止している。また、ロータリバルブ11はカ
ムハウジング4の内周に形成した切欠き17に係合する
位置決め用の突起18を有する。
【0021】ロータリバルブ11は、吸入吐出孔10の
開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成し、切
欠き17と突起18がカム1とロータリバルブ11の位
相関係を規制する位置決め機構を構成している。プラン
ジャー8が吸入工程にある場合は、ロータリバルブ11
の吸入ポート12とロータ5の吸入吐出孔10が通じる
位置関係となり、後述するオリフィス、吸入ポート1
2、吸入路13、ロータ5の吸入吐出孔10を通じて、
プランジャー室7に油を吸入することができる。
【0022】また、プランジャー8が吐出工程にある場
合は、吸入工程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリバルブ11の吐出ポート14を介して
連通溝15に通じる。19はカムハウジング4と一体で
回転するベアリングリテーナーであり、ベアリング20
を介して入力軸6を支持している。ベアリングリテーナ
ー19とロータリバルブ11との間にはスラストニード
ルベアリング21が介装され、このスラストニードルベ
アリング21側のフリクショントルクはロータ5とロー
タリバルブ11の間のフリクショントルクより小さくな
るように設定されている。
【0023】したがって、差動回転の方向が変わると、
ロータリバルブ11はロータ5とともにつれ回りし、ロ
ータリバルブ11の位置決め用の突起18がカムハウジ
ング4の切欠き17に当たるまで回転した後、カムハウ
ジング4と一体で回転する。これにより、正転時または
逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔10は強制的
に切替わる。
【0024】ベアリングリテーナー19と入力軸6の間
にはオイルシール22が設けられ、また、入力軸6の内
部には油の熱膨張・収縮を吸収するためのアキュムレー
タピストン23が摺動自在に収納されている。24はア
キュムレータ室25のOリング摺動部への泥水の侵入を
防止する蓋部材である。アキュムレータ室25は油路2
6,27を介して継手の内部に連通している。ロータリ
バルブ11には前記吐出ポート14に連通する高圧室2
8が形成され、高圧室28の出口部はプラグ29により
閉止されている。なお、30は注油孔、31はニードル
ベアリング、32はねじ孔、33,34はOリング、3
5,36はスナップリング、37は取付孔である。
【0025】図2はロータリバルブ11の一部分を示す
図である。図2において、11はロータリバルブであ
り、ロータリバルブ11には吐出ポート14が形成され
ている。また、ロータリバルブ11には通孔38を介し
て吐出ポート14に連通する高圧室28が形成され、高
圧室28内には硬化したカラー部材39が収納され、カ
ラー部材39に続いてプラグ29がねじ止めされてい
る。
【0026】カラー部材39内には弁体としてのボール
40が移動自在に収納される収納室41が形成されてい
る。収納室41は開口部42を介して通孔38に連通
し、開口部43を介して連通孔44に連通している。連
通孔44は、ピン部材45を収納する収納孔46に連通
し、収納孔46内にはピン部材45が摺動自在に収納さ
れる。ピン部材45は小径のピン部47と大径の基端部
48を有し、ボール40はピン部材45によりその位置
が制御される。
【0027】ピン部47と連通孔44との間の間隙は、
流動抵抗発生手段としてのオリフィス49になってい
る。したがって、連通孔44の孔径は大きく形成するこ
とができ、孔径精度もラフにすることができる。ボール
40がピン部材45により保持されているときは、オリ
フィス49は開放されているが、ボール40がフリーに
なると、ボール40はカラー部材39の開口部43に形
成された弁座50に着座し、オリフィス49を閉止す
る。
【0028】収納孔46内に収納されたピン部材45は
スプリング51により付勢されて、ボール40を保持
し、ボール40を収納する収納室41内の油圧がある所
定値以上に上昇すると、ピン部材45はスプリング51
に抗して右方向に移動し、ピン部材52に当接する。ピ
ン部材52はピン部材45の一定距離以上の移動を阻止
する。なお、53は低圧室側に連通する低圧孔である。
【0029】図3は要部断面図である。図3において、
11はロータリバルブであり、ロータリバルブ11には
周方向に吐出ポート14と吸入ポート12が交互に形成
されている。吸入ポート12にはロータリバルブ11の
外周面まで延在して形成された吸入路13が連通してい
る。
【0030】吐出ポート14の外側であってロータリバ
ルブ11の外周には収納孔61が形成されている。収納
孔61は周方向に長い長孔として形成され、底面は湾曲
形成されている。収納孔61にはおもり部材62が放射
方向(遠心方向)に移動自在に収納される。おもり部材
62は底面が収納孔61の底面に対応するように湾曲形
成され、また、上面もロータリバルブ11の外周面に対
応して湾曲形成されている。おもり部材62は両側に平
面部62A,62Bを有し、平面部62Aと平面部62
Bとの間には突出部62Cを有する。
【0031】平面部62A,62Bにはスプリング収納
孔62D,62Eがそれぞれ形成され、スプリング収納
孔62D,62Eにはスプリング63A,63Bがそれ
ぞれ収納される。おもり部材62の突出部62Cの中央
部にもスプリング収納孔62Fが形成され、スプリング
収納孔62Fにはスプリング63Cが収納される。これ
らのスプリング63A,63B,63Cはリテーナ64
により保持され、リテーナ64はボルト65A,65B
によりロータリバルブ11に固定されている。収納孔6
1と突出ポート14との間にはドレーン孔66が形成さ
れ、突出ポート14と収納孔61はドレーン孔66を介
して連通可能となっている。
【0032】ドレーン孔66の出口側にはボール67の
一部分を収納する収納溝68が形成され、この収納溝6
8に対応するおもり部材62の底面部にもボール67の
一部分を収納する収納溝69が形成されている。収納溝
68,69にボール67が収納され、ボール67は通常
時にはドレーン孔66を閉止している。おもり部材62
と収納孔61との間には所定の間隙70が形成されてい
る。
【0033】スプリング63A,63B,63Cは所定
のスプリング力でおもり部材62を押圧しており、おも
り部材62の下面側の収納溝69とドレーン孔66の出
口側に形成した収納溝68に収納されたボール67はス
プリング63A,63B,63Cのスプリング力により
ドレーン孔66を閉止し、所定の車速になって、遠心力
でおもり部材62が遠心方向に移動すると、ボール67
はドレーン孔66を開く。
【0034】次に、作用を説明する。図1において、カ
ム1とロータ5との間に回転差が生じないときは、プラ
ンジャー8は作動せず、トルクは伝達されない。なお、
このとき、プランジャー8はリターンスプリング9によ
りカム面2に押し付けられている。次に、カム1とロー
タ5との間に回転差が生じると、吐出行程にあるプラン
ジャー8はカム1のカム面2により軸方向に押し込まれ
る。
【0035】この時、吸入吐出孔10は吐出ポート14
と通じているため、プランジャー8はプランジャー室7
の油を吸入吐出孔10からロータリバルブ11の吐出ポ
ート14に押し出す。吐出ポート14に押し出された油
は、オリフィスを通って吸入路13から吸入ポート12
に供給される。このとき、オリフィスの抵抗により吐出
ポート14、プランジャー室7などの油圧が上昇し、プ
ランジャー8に反力が発生する。
【0036】このプランジャー反力に逆ってカム1を回
転させることによりトルクが発生し、カム1とロータ5
との間でトルクが伝達される。なお、吐出ポート14は
連通溝15で連通されているため、吐出行程にあるすべ
てのプランジャー室7の油圧は等しくなる。さらに、カ
ム1が回転すると、吸入行程となり、吸入吐出孔10は
吸入ポート12と通じるため、吸入路13の油は、吸入
ポート12、吸入吐出孔10を介してプランジャー室7
に吸入され、プランジャー8はカム1のカム面2に沿っ
て戻る。
【0037】次に、図4に示すように、車速Vが一定値
V1以上になると、遠心力Fも所定値F1を越えるの
で、伝達しているトルクΔTがゼロであっても、Dで示
すトルクカットが行われる。すなわち、車速Vが一定値
V1以上になると、油圧の値にかかわらず、おもり部材
62に作用する遠心力Fがスプリング63A,63B,
63Cのスプリング力を越えるので、おもり部材62が
スプリング63A,63B,63Cに抗して遠心方向に
移動する。
【0038】このため、おもり部材62により押えられ
ていたボール67がロータリバルブ11の収納溝68か
ら浮上し、ドレーン孔66を開く。吐出ポート12から
の高圧のオイルは、ドレーン孔66、収納溝68、間隙
70を通って低圧室側にドレーンする。このようなトル
クカット後のトルク特性は、図5に示され、回転差rp
mに応じてトルクTは増加するが、その大きさはドレー
ン面積で自由に設定でき、伝達されるトルクTは小さく
できる。
【0039】従来例のように、スプールにより高圧室の
オイルをシールしないで、ボール67によりシールする
ため、オイルのリークによるトルクの低下がなく、また
コンタミ詰りによる作動不良も生じない。図4におい
て、車速Vが一定値V1に達しない場合には、遠心力F
も所定値F1に達しないので、トルクカットDは行われ
ない。すなわち、車速Vが一定値V1に達しないとき
は、おもり部材62に作用する遠心力Fは、スプリング
63A,63B,63Cのスプリング力より小さいた
め、おもり部材62は移動しない。このため、ボール6
7はドレーン孔66を閉じたままである。このようなト
ルクカットしない場合のトルク特性は、図6に示され
る。
【0040】すなわち、回転差rpmが所定値に達しな
いときは、油圧は小さく、収納室41の油圧によるピン
部材45を押す力よりもスプリング51によるピン部材
45を押す力が大きいため、ピン部材45によりボール
40が保持され、オイルはオリフィス49を通過する。
したがって、このときのトルク特性は、図6のaで示さ
れるような通常のトルク特性となる。
【0041】次に、回転差rpmが所定値を越えると、
収納室41の油圧が上昇し、収納室41の油圧によるピ
ン部材45を押す力がスプリング51によるピン部材4
5を押す力より大きくなるため、ピン部材45が右方向
に移動し、スプリング51が縮み、ボール40がフリー
となり、ボール40は弁座50に着座し、オリフィス4
9を閉止する。このときのトルク特性は、図6のbに示
すようなロック特性となる。
【0042】ここで図4に示すように、車速Vによる遠
心力Fが増加すると、ボール67を抑える荷重が低下
し、それに応じてリミットトルクΔTも低下する。例え
ば、車速VがV2に達したときは、遠心力FはF2であ
り、リミットトルクΔTもΔT1に低下する。このと
き、油圧が所定値になって、リミットトルクΔTがΔT
1を越えると、トルクカットDが行われる。このときの
トルクは、例えば図6のCで示すような一定のトルクと
なる。
【0043】このように、トルクリミッタの機能をもつ
ことができ、継手を介してトルクを伝える駆動系(デフ
ァレンシャル、ドライブシャフトなど)をリミッタトル
クに応じて小型化することができる。また、前記のよう
に、油圧が所定値を越える場合だけではなく、遠心オフ
に至らない車速Vでもスリップなどにより生じたこもり
トルクがリミットトルクΔTに達すると、トルクカット
が可能である。さらに、スプリング63A,63B,6
3Cのスプリング力を変えることにより、トルクリミッ
タの機能をもつことができる。
【0044】このように、本実施形態においては、従来
のように、スプールで高圧室をシールしないため、油の
リークするトルクが低下することがなく、また、コンタ
ミ詰りによる作動不良を回避することができる。また、
スプリング63A,63B,63Cのスプリング力によ
りボール67を介して高圧室をシールするため、所定の
油圧でトルクカットすることができ、トルクリミッタの
機能を有することができ、駆動系をリミッタトルクに応
じて小型化することができる。また、スプリング63
A,63B,63Cのスプリング力を変えることによ
り、トルクリミッタの機能を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、油のリークによるトルクの低下を防止することがで
き、また、コンタミ詰りによる作動不良を回避すること
ができる。また、トルクリミッタの機能をもつため、駆
動系をリミッタトルクに応じて小型化することができ
る。さらに、スプリングのスプリング力などを変えるこ
とで、トルクリミッタ特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図
【図2】ロータリバルブの部分断面図
【図3】ロータリバルブの要部断面図
【図4】車速と遠心力、リミットトルクとの関係を示す
グラフ
【図5】トルクカット後のトルク特性を示すグラフ
【図6】トルクカットしない場合のトルク特性を示すグ
ラフ
【図7】従来例を示す図
【図8】従来の初期状態を示す説明図
【図9】従来の作動時を示す説明図
【符号の説明】
1:カム 2:カム面 3:溶接部 4:カムハウジング 5:ロータ 6:入力軸 7:プランジャー室 8:プランジャー 9:リターンスプリング 10:吸入吐出孔 11:ロータリバルブ 12:吸入ポート 13:吸入路 14:吐出ポート 15:連通溝 16:蓋部材 17:切欠き 18:突起 19:ベアリングリテーナー 20:ベアリング 21:スラストニードルベアリング 22:オイルシール 23:アキュムレータピストン 24:蓋部材 25:アキュムレータ室 26,27:油路 28:高圧室 29:プラグ 30:注油孔 31:ニードルベアリング 32:ねじ孔 33,34:Oリング 35,36:スナップリング 37:取付孔 38:通孔 39:カラー部材 40:ボール(弁体) 41:収納室 42,43:開口部 44:連通孔 45:ピン部材 46:収納孔 47:ピン部 48:基端部 49:オリフィス 50:弁座 51:スプリング 52:ピン部材 53:低圧孔 61:収納孔 62:おもり部材 62A,62B:平面部 62C:突出部 62D,62E,62F:スプリング収納孔 63A,63B,63C:スプリング 64:リテーナ 65A,65B:ボルト 66:ドレーン孔 67:ボール 68,69:収納溝 70:間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
    カム面に形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連
    結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
    収納され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロ
    ータと;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リタ
    ーンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納され
    るとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によっ
    て駆動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成
    され、前記プランジャー室に通じる吸入吐出孔と;前記
    ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カム
    ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    たロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
    抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回
    転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手
    において、 前記ロータリバルブの前記吐出ポートの外側に形成され
    る収納孔と、 該収納孔内に遠心力により移動自在に収納されるおもり
    部材と、 前記収納孔と前記吐出ポートを連通するドレーン孔と、 前記おもり部材の下側に設けられ前記ドレーン孔を閉止
    し遠心力によりおもり部材が移動したときドレーン孔を
    開くボールと、を備えたことを特徴とする油圧式動力伝
    達継手。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧式動力伝達継手におい
    て、 前記おもり部材に複数個のスプリング収納孔を形成し、
    スプリング収納孔内にスプリングを収納して所定のスプ
    リング力で前記おもり部材を押圧し、前記スプリングを
    前記ロータリバルブに固定したリテーナで保持したこと
    を特徴とする油圧式動力伝達継手。
  3. 【請求項3】請求項1記載の油圧式動力伝達継手におい
    て、 前記おもり部材の上面および下面を湾曲形成するととも
    に、下面に前記ボールを収納するボール収納部を形成し
    たことを特徴とする油圧式動力伝達継手。
JP26389096A 1996-10-04 1996-10-04 油圧式動力伝達継手 Expired - Lifetime JP3401392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26389096A JP3401392B2 (ja) 1996-10-04 1996-10-04 油圧式動力伝達継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26389096A JP3401392B2 (ja) 1996-10-04 1996-10-04 油圧式動力伝達継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10110746A true JPH10110746A (ja) 1998-04-28
JP3401392B2 JP3401392B2 (ja) 2003-04-28

Family

ID=17395684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26389096A Expired - Lifetime JP3401392B2 (ja) 1996-10-04 1996-10-04 油圧式動力伝達継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3401392B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283264B1 (en) * 1999-04-23 2001-09-04 Fujiunivance Co. Hydraulic power transmission joint

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283264B1 (en) * 1999-04-23 2001-09-04 Fujiunivance Co. Hydraulic power transmission joint

Also Published As

Publication number Publication date
JP3401392B2 (ja) 2003-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10110746A (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3807586B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886796B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2000310246A (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3486510B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886816B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3069257B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886794B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886795B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3486509B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2989437B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3326134B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2931705B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2584286Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731465B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731466B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731468B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3658242B2 (ja) 油圧式動力伝達継手のドレーン機構
JP2905802B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2579021Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2695559B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2989468B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731464B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731469B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH0672630B2 (ja) 油圧式動力伝達継手

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130221

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140221

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term