JP3486509B2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents
油圧式動力伝達継手Info
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- JP3486509B2 JP3486509B2 JP26389196A JP26389196A JP3486509B2 JP 3486509 B2 JP3486509 B2 JP 3486509B2 JP 26389196 A JP26389196 A JP 26389196A JP 26389196 A JP26389196 A JP 26389196A JP 3486509 B2 JP3486509 B2 JP 3486509B2
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Description
に使用され、特に、所定の車速でトルクカットする油圧
式動力伝達継手に関する。
えば下記のようなものがある。この油圧式動力伝達継手
は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前記一方の
軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有するカム面を
形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連結される
とともに、前記カムハウジング内に回転自在に収納さ
れ、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロータ
と;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターン
スプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納されると
ともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆
動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成さ
れ、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と;前記ロ
ータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カムハ
ウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸入
吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作用
をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成した
ロータリバルブと、前記プランジャーの駆動による吐出
油の流動により流動抵抗を発生する流動抵抗発生手段を
備え;前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達す
る。
前後軸に異径タイヤを装着した場合、車速の上昇に伴っ
て差動回転数が上昇し、トルクが上昇して、車両前後デ
ファレンシャルにトルクがこもると、デファレンシャル
が過熱して、破損が発生してしまう。このような問題を
解決するために、車速(遠心力)に応じて移動するスプ
ールをロータリバルブ内に設けて、トルクをカットする
ようにしたものが提案されている(図9〜図11、参
照)。
ブの部分正面図、図10は初期状態を説明するロータリ
バルブの部分断面図、図11は作動時の油の流れを説明
するロータリバルブの部分断面図である。図9〜図11
において、101は油圧式動力伝達継手のロータリバル
ブであり、ロータリバルブ101の表面には吐出ポート
102が形成され、吐出ポート102はロータリバルブ
101の裏面に形成された連通溝103に連通してい
る。ロータリバルブ101の表面には図示しない吸入ポ
ートと吸入路が形成されている。
起104が形成され、突起104が図示しないカムハウ
ジングに形成した切欠きに係合するようになっている。
矢印Aはロータリバルブ101の回転方向を示す。ロー
タリバルブ101には外周から吐出ポート102に向っ
て収納孔105が形成され、収納孔105の開口部はロ
ールピン106が設置されている。収納孔105内には
スプールバルブ107が放射方向(遠心方向)に摺動自
在に収納されている。
Aと、第2の弁体107Bと、第1の弁体107Aと第
2の弁体107Bを連結する軸部107Cとにより構成
され、第1の弁体107Aと第2の弁体107Bとの間
にはオイルが流入する流入室108が形成されている。
スプールバルブ107の第2の弁体107Bとロールピ
ン106との間には矢印Pで示すスプリング力でスプー
ルバルブ107を付勢するスプリング109が介装され
ている。一方、スプールバルブ107には矢印Fで示す
ような遠心力が作用する。
08に連通する流入孔110が形成され、流入孔110
はロータリバルブ101の表面に形成した連通路111
を介して吐出ポート102に連通している。したがっ
て、図10に示すように、吐出ポート102の高圧のオ
イルは、連通路111、流入孔110を通って流入室1
08に流入する。
レーン孔112が形成され、ドレーン孔112は図10
に示すように、初期状態においてはスプールバルブ10
7の第2の弁体107Bにより閉止されている。図11
に示すように、遠心力によりスプールバルブ107が遠
心方向に移動すると、ドレーン孔112は第2の弁体1
07Bにより開放される。また、ロータリバルブ101
のドレーン孔112より下側の裏面には圧力抜き孔11
3が形成され、圧力抜き孔113は収納孔105に連通
している。
おいては、図10に示すように、スプールバルブ107
に作用する遠心力Fよりスプリング109のスプリング
力Pが大きいため、スプールバルブ107は、遠心方向
に移動しないので、ドレーン孔112を閉止している。
したがって、吐出ポート102からのオイルは、連通路
111、流入孔110を通って流入室108に流入する
が、ドレーン孔112からは低圧室側にドレーンされな
い。この初期状況においては、通常のトルク特性とな
る。
超えると、図11に示すように、スプールバルブ107
にかかる遠心力Fがスプリング109のスプリング力P
より大きくなり、スプールバルブ107は矢印Bで示す
方向に移動してドレーン孔112を開く。このため、吐
出ポート102の高圧のオイルは、矢印Cで示すように
連通路111、流入孔110を通って流入室108に入
り、ドレーン孔112からドレーンする。こうして、ト
ルクカットが行われる。
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、スプールと
収納孔との間のクリアランスを狭くして高圧室からのオ
イルリークを防止し、トルクの低下を回避しようとする
と、コンタミ詰りによるスプールの作動不良が生じると
いう問題があった。
回避するため、スプールと収納孔とのクリアランスを広
くすると、高圧室からのオイルリークによりトルクが低
下すという問題があった。本発明は、このような従来の
問題点に鑑みてなされたものであって、スプールバルブ
の代りにボールバルブを用いることでクリアランスでの
シールを廃止し、コンタミ詰りによる作動不良を回避
し、オイルリークによるトルクの低下を防止することが
できる油圧式動力伝達継手を提供することを目的とす
る。
に、本発明は次のように構成する。まず、本発明は、相
対回転可能な入出力軸間に設けられ、一方の軸に連結さ
れ、内側面に2つ以上の山を有するカム面を形成したカ
ムハウジングと;他方の軸に連結されるとともに、カム
ハウジング内に回転自在に収納され、複数のプランジャ
ー室を軸方向に形成したロータと;複数のプランジャー
室のそれぞれに、リターンスプリングの押圧を受けて往
復移動自在に収納されるとともに、両軸の相対回転時に
カム面によって駆動される複数のプランジャーと;ロー
タに形成され、プランジャー室と通じる吸入吐出孔と;
ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、カムハウ
ジングとの間で所定の関係に位置決めされ、吸入吐出孔
との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作用をする
複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成したロータ
リバルブと、 プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動抵抗
を発生する流動抵抗発生手段を備え;両軸の回転速度差
に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手を対象と
する。
発明は、吐出ポートを拡張して形成された収納孔と、 収納孔と低圧室側とを連通するドレーン孔と、 収納孔内に収納されドレーン孔を閉止するボールと、 収納孔内に移動自在に収納され車速が一定値になったと
き遠心力で移動してボールを押圧して移動させてドレー
ン孔を開くウェイト部材とを備える。
を押圧して移動させるテーパ面を形成しても良い。この
場合には車速が一定値になると、モーメント力のつり合
いでボールを移動させる。また、ウェイト部材には、ボ
ールを収納するボール収納溝を形成しても良い。この場
合には、車速が一定値になると、遠心力でおもり部材が
移動し、直接ボールを移動させる。
するとともに、他端にボールを押圧する平面部を形成す
るようにしても良い。この場合は、車速が一定値になる
と、遠心力でおもり部材は遠心方向および所定の周方向
に移動し、平面部でボールを移動させる。急減速時には
おもり部材は所定の周方向に移動し、平面部でボールを
動かす。急発進時にはおもり部材は反対の周方向に移動
しようとするが、収納孔の壁面に当接して移動しない。
溝を形成した場合には、そのおもり部材にスプリング収
納孔を形成し、おもり部材をロータリバルブの中心に向
って付勢するスプリングをスプリング収納孔に収納す
る。また、おもり部材にカム面と平面部を形成した場合
には、そのおもり部材に第1のスプリング収納孔と第2
のスプリング収納孔を形成し、第2のスプリング収納孔
にはおもり部材をロータリバルブの中心に向って付勢す
る第1のスプリングを収納し、第2のスプリング収納孔
にはおもり部材を所定の周方向に付勢する第2のスプリ
ングを収納する。
力伝達継手によれば、遠心力が一定値になるまではボー
ルがドレーン孔を閉止しているため、オイルリークによ
るトルクの低下を防止することができる。また、吐出ポ
ートを拡張して収納孔を形成し、収納孔内におもり部
材、スプリングおよびボールを収納するようにしたた
め、各部品間の間隙を大きく取れるため、コンタミ詰り
による各部品の作動不良を回避することができる。
をモーメント力のつり合いで動かすときは、ボールを移
動させる力が小さくてすむ。さらに、継手自体の回転の
急減速にもボールを動かしてトルクカットを行い、急発
進時にはボールを動かさないでトルクカットを行わない
ようにすることもできるため、例えば、ABS(アンチ
ロックブレーキシステム)を搭載する4WD車におい
て、ABS作動時(継手自転の急減速)に、前後輪間の
トルク干渉をオフでき、ABSとの適応性にすぐれる。
断面図である。図1において、1は内側面に2つ以上の
山を有するカム面2を形成したカムであり、カム1は図
示しない出力軸に連結され、出力軸と一体で回転する。
また、カム1は溶接部3でカムハウジング4に固定さ
れ、カム1はカムハウジング4と一体で回転する。
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。ロータ5には、軸方向に複
数個のプランジャー室7が形成され、プランジャー室7
内は複数個のプランジャー8がリターンスプリング9を
介して摺動自在に収納されている。また、ロータ5には
複数の吸入吐出孔10が各プランジャー室7に通じるよ
うに形成されている。
および吐出ポート14が形成されたロータリバルブであ
りこのロータリバルブ11の裏面には吐出ポート14の
それぞれに連通する連通溝15が形成されている。ま
た、前記裏面には密着して蓋部材16が設けられ、連通
溝15を閉止している。また、ロータリバルブ11はカ
ムハウジング4の内周に形成した切欠き17に係合する
位置決め用の突起18を有する。
開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成し、切
欠き17と突起18がカム1とロータリバルブ11の位
相関係を規制する位置決め機構を構成している。プラン
ジャー8が吸入行程にある場合は、ロータリバルブ11
の吸入ポート12とロータ5の吸入吐出孔10が通じる
位置関係となり、後述するオリフィス、吸入ポート1
2、吸入路13、ロータ5の吸入吐出孔10を通じて、
プランジャー室7に油を吸入することができる。
合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリバルブ11の吐出ポート14を介して
連通溝15に通じる。19はカムハウジング4と一体で
回転するベアリングリテーナーであり、ベアリング20
を介して入力軸6を支持している。ベアリングリテーナ
ー19とロータリバルブ11との間にはスラストニード
ルベアリング21が介装され、このスラストニードルベ
アリング21側のフリクショントルクはロータ5とロー
タリバルブ11の間のフリクショントルクより小さくな
るように設定されている。
ロータリバルブ11はロータ5とともにつれ回りし、ロ
ータリバルブ11の位置決め用の突起18がカムハウジ
ング4の切欠き17に当たるまで回転した後、カムハウ
ジング4と一体で回転する。これにより、正転時または
逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔10は強制的
に切替わる。
にはオイルシール22が設けられ、また、入力軸6の内
部には油の熱膨張・収縮を吸収するためのアキュムレー
タピストン23が摺動自在に収納されている。24はア
キュムレータ室25のOリング摺動部への泥水の侵入を
防止する蓋部材である。アキュムレータ室25は油路2
6,27を介して継手の内部に連通している。ロータリ
バルブ11には前記吐出ポート14に連通する高圧室2
8が形成され、高圧室28の出口部はプラグ29により
閉止されている。なお、30は注油孔、31はニードル
ベアリング、32はねじ孔、33,34はOリング、3
5,36はスナップリング、37は取付孔である。
4はカムハウジングであり、カムハウジング4内にはロ
ータリバルブ11が回転自在に収納されている。ロータ
リバルブ11には突起18が一体に形成され、カムハウ
ジング4には突起18が係合する切欠き17が形成され
ている。
14と吸入ポート12が周方向に交互に形成され、吸入
ポート12に連通して吸入路13が形成されている。吸
入路13はロータリバルブ11の外周まで延在して形成
されている。また、ロータリバルブ11とカムハウジン
グ4との間には低圧室54が形成されている。ロータリ
バルブ11には通孔38を介して吐出ポート14に連通
する高圧室28が形成され、高圧室28内には硬化した
カラー部材39が収納され、カラー部材39に続いてプ
ラグ29がねじ止めされている。
40が移動自在に収納される収納室41が形成されてい
る。収納室41は開口部42を介して通孔38に連通
し、開口部43を介して連通孔44に連通している。連
通孔44は、ピン部材45を収納する収納孔46に連通
し、収納孔46内にはピン部材45が摺動自在に収納さ
れる。ピン部材45は小径のピン部47と大径の基端部
48を有し、ボール40はピン部材45によりその位置
が制御される。
流動抵抗発生手段としてのオリフィス49になってい
る。したがって、連通孔44の孔径は大きく形成するこ
とができ、孔径精度もラフにすることができる。ボール
40がピン部材45により保持されているときは、オリ
フィス49は開放されているが、ボール40がフリーに
なると、ボール40はカラー部材39の開口部43に形
成された弁座50に着座し、オリフィス49を閉止す
る。
スプリング51により付勢されて、ボール40を保持
し、ボール40を収納する収納室41内の油圧がある所
定値以上に上昇すると、ピン部材45はスプリング51
に抗して右方向に移動し、ロールピン52に当接する。
ロールピン52はピン部材45の一定距離以上の移動を
阻止する。なお、53は低圧側に連通する低圧孔であ
る。
収納孔61が形成され、収納孔61内にはウェイト部材
62が移動可能に収納される。ウェイト部材62にはス
プリング収納孔63が形成され、収納孔63にはスプリ
ング64が収納され、スプリング64はウェイト部材6
2をロータリバルブ11の中心に向って付勢している。
により連通し、ドレーン孔65は大径部65Aと大径部
65Aに連通する小径部65Bとにより構成され、小径
部65Bは所定の開口面積を有する。ドレーン孔65は
油圧によりボール66で閉止され、油圧が作用しないと
きは、開放されている。ウェイト部材62には平面部6
2Aが形成され、平面部62Aに連続してテーパ面62
Bが形成されている。テーパ面62Bにはボール66が
当接している。
値となるまでは、ウェイト部材62は遠心方向に移動し
ないので、ボール66は油圧によりドレーン孔65を閉
止している。車速が一定値を超え、遠心力が一定値を超
えると、ウェイト部材62はスプリング64のスプリン
グ力に抗して遠心方向に移動するので、ウェイト部材6
2はテーパ面62Bでボール66をドレーン孔65から
モーメント力のつり合いによって動かす。ボール66が
ドレーン孔65を開くと、高圧のオイルは収納孔61か
らドレーン孔65を通って低圧室54にドレーンされ
る。
の説明図である。図3において、11はロータリバルブ
であり、ロータリバルブ11にはドレーン孔65が形成
されている。ドレーン孔65は通常時にはボール66に
閉止され、ボール66にはウェイト部材62のテーパ面
62Bが接触している。ウェイト部材62と吐出ポート
14の内部に拡張して形成された収納孔61の壁面との
間にはスプリング64が設けられ、スプリング64は所
定のスプリング力でウェイト部材62を付勢している。
F1=m・r・w2 で表わされる。mはウェイト部材6
2の質量、rはウェイト部材62の中心位置からの半
径、wは回転角速度をそれぞれ示す。P1はスプリング
64のスプリング力である。Tは遠心力とスプリング力
の合力であって、T=F1−P1により表わされる。F
2はボール66に作用する力であってF2=T/sin
θにより表わされる。θはウェイト部材62のテーパ面
62Bの角度を示す。モーメント力のつり合いは下記の
式により表わされる。
の摩擦係数、zは支点Sからテーパ面62Bまでの距
離、ΔPはボール66に作用する油圧、Aはボール66
のドレーン孔65に対する接触面積、xは支点Sからボ
ール66の中心までの距離、yは支点SからF2までの
距離を示す。
て、0のときは、ボール66はドレーン孔65を閉止し
ている。μF2・z+ΔP・A・x<F2・yとなる
と、ボール66が動いて、ドレーン孔65が開く。次
に、作用を説明する。図1において、カム1とロータ5
との間に回転差が生じないときは、プランジャー8は作
動せず、トルクは伝達されない。なお、このとき、プラ
ンジャー8はリターンスプリング9によりカム面2に押
し付けられている。
生じると、吐出行程にあるプランジャー8はカム1のカ
ム面2により軸方向に押し込まれる。この時、吸入吐出
孔10は吐出ポート14と通じているため、プランジャ
ー8はプランジャー室7の油を吸入吐出孔10からロー
タリバルブ11の吐出ポート14に押し出す。
フィスを通って吸入路13から吸入ポート12に供給さ
れる。この時、オリフィスの抵抗により吐出ポート1
4、プランジャー室7などの油圧が上昇し、プランジャ
ー8に反力が発生する。このプランジャー反力に逆って
カム1を回転させることによりトルクが発生し、カム1
とロータ5との間でトルクが伝達される。なお、吐出ポ
ート14は連通溝15で連通されているため、吐出行程
にあるすべてのプランジャー室7の油圧は等しくなる。
なり、吸入吐出孔10は吸入ポート12と通じるため、
吸入路13の油は、吸入ポート12、吸入吐出孔10を
介してプランジャー室7に吸入され、プランジャー8は
カム1のカム面2に沿って戻る。ここで、図4に示すよ
うに、発生している伝達トルクΔTが0の場合、車速V
が一定値V0以上になり、遠心力Fも一定値F0以上に
なると、トルクカットが行われる。
り、遠心力Fも一定値F0以上になると、ウェイト部材
62にかかる遠心力Fがスプリング64のスプリング力
より大きくなるので、ウェイト部材62は遠心方向に移
動する。このため、ウェイト部材62のテーパ面62B
はボール66をモーメント力によって動かし、ドレーン
孔65を開く。
ート14の高圧のオイルはドレーン孔65を通って低圧
室54にドレーンされる。このトルクカット後のトルク
特性は、図5に示される。
トルクTは増加するが、その大きさは接触面積Aで自由
に設定でき、伝達されるトルクTは小さくできる。した
がって、車両前後デファレンシャルにトルクがこもるこ
とがなく、デファレンシャルが過熱しないので、破損す
ることがない。一方、図4において、車速Vが一定値V
0に達するまでは、遠心力Fも一定値F0に達しないの
で、ウェイト部材62にかかる遠心力Fよりスプリング
64のスプリング力が大きく、ウェイト部材62は移動
しない。したがって、ボール66はドレーン孔65を閉
止したままであり、トルクカットは行われない。
のトルク特性は、図6に示される。すなわち、回転差r
pmが所定値に達しないときは、油圧は小さく、収納室
41の油圧によるピン部材45を押す力よりもスプリン
グ51によるピン部材45を押す力が大きいため、ピン
部材45によりボール40が保持され、オイルはオリフ
ィス49を通過する。
6のaで示されるような通常のトルク特性となる。次
に、回転差rpmが所定値を超えると、収納室41の油
圧が上昇し、収納室41の油圧によるピン部材45を押
す力がスプリング51によるピン部材45を押す力より
大きくなるため、ピン部材45が右方向に移動し、スプ
リング51が縮み、ボール40がフリーとなり、ボール
40は弁座50に着座し、オリフィス49を閉止する。
ようなロック特性となる。このように、遠心力Fが一定
値F0以上になるまでは、ボール66が油圧によってド
レーン孔65を閉止するため、オイルリークによるトル
クの低下がなくなる。また、吐出ポート14に内部を拡
張して、収納孔61を形成し、この収納孔61内に、ウ
ェイト部材62、スプリング64およびボール66を収
納したため、各部品内の間隙を大きくすることができる
ので、コンタミ詰りによる部品の作動不良がなくなる。
とき、ボール66をモーメント力のつり合いで動かすた
め、ボール66を動かす力が小さくてすむ。図4におい
て、伝達されているトルクΔTがゼロのときは、車速V
が一定値V0のとき、トルクカットが行われるが、所定
の油圧ΔPで伝達されているトルクΔTがΔT1だけ大
きい場合は、車速VがV0+ΔV=V1のときトルクカ
ットが行われる。
断面図である。図7において、71はロータリバルブ1
1に形成された収納孔であり、収納孔71は吐出ポート
14の一部分を拡張して形成されている。収納孔71内
には遠心方向に移動可能なウェイト部材72が収納され
ている。すなわち、ウェイト部材72にはスプリング収
納孔73が形成され、このスプリング収納孔73の底壁
と収納孔73内に設けられたリテーナ74との間にはス
プリング75が介装されている。
タリバルブ11の中心に向って付勢している。収納孔7
1と吸入ポート12との間にはドレーン孔76が形成さ
れ、ドレーン孔76は吸入ポート12に開口する大径部
76Aと、大径部76Aを連通し、収納孔71に開口す
る小径部76Bとにより構成されている。ドレーン孔7
6の小径部76Bは所定の開口面積を有し、ドレーン孔
76が開いたときは所定のトルクが得られるようになっ
ている。
形成され、ボール収納溝77内にはボール78が収納さ
れる。ウェイト部材72が移動しないときは、ボール収
納溝77内に収納されたボール78がドレーン孔76を
閉止している。ウェイト部材72が移動すると、ボール
78も一緒に移動して、ドレーン孔76を開く。次に、
動作を説明する。
V0に達するまでは、ウェイト部材72にかかる遠心力
Fは、スプリング75のスプリング力より小さいため、
ウェイト部材72は遠心方向に移動しない。したがっ
て、ボール78はドレーン孔76を閉じたままである。
したがって、トルクカットは行われない。トルクカット
しないときのトルク特性は、図6に示すようになる。
ェイト部材72にかかる遠心力Fがスプリング75のス
プリング力より大きくなるため、ウェイト部材72が遠
心方向に移動し、ボール78も一緒に移動するので、ボ
ール78がドレーン孔76を開く。吐出ポート14内の
高圧のオイルは、ドレーン孔76を通って吸入ポート1
2を経て吸入路13にドレーンされ、トルクカットが行
われる。このようなトルクカット後のトルク特性は、図
5に示される。
は、ボール78が油圧によってドレーン孔76を閉止す
るため、オイルリークによるトルクの低下を防止するこ
とができる。また、吐出ポート14を拡張して形成した
収納孔71内にウェイト部材72、スプリング75およ
びボール78を収納するため、各部品内の間隙を大きく
とることができ、コンタミ詰りによる部品の作動不良を
回避することができる。
7を形成して、ウェイト部材72の移動により直接ボー
ル78を移動させるため、モーメント力のつり合いでボ
ール78を動かす場合に比べて構造が簡単になる。図8
は本発明の第3の実施形態を示す要部断面図である。図
8において、81は収納孔であり収納孔81には吐出ポ
ート14を拡張して形成されている。収納孔81のロー
タリバルブ11の中心側の底壁は平面に形成されてい
る。
テーパ面に形成され、反対側の他側壁には、ほぼ平面の
平面部とが形成されている。収納孔81内にはウェイト
部材82が遠心方向および周方向に移動自在に収納され
る。ウェイト部材82には収納孔81のテーパ面に対応
した角度θのカム面83が形成され、反対側には平面部
84が形成され、平面部84には第1のスプリング収納
孔85が形成され、また、平面部84に続いてテーパ面
86が形成され、テーパ面86に続いて平面部87が形
成されている。
底壁に対応して平面部88が形成され、収納孔81の上
壁に対応して同形状の面89が形成され、面89には第
2のスプリング収納孔90が形成されている。第1のス
プリング収納孔85には第1のスプリング91が収納さ
れ、第1のスプリング91は所定のスプリング力でウェ
イト部材82を周方向に付勢する。第2のスプリング収
納孔90には第2のスプリング92が収納され、第2の
スプリング92は所定のスプリング力でウェイト部材8
2をロータリバルブ11の中心に向かって付勢する。
レーン孔93がロータリバルブ11に形成され、ドレー
ン孔93は低圧室54に開口する大径部93Aと、大径
部93Aに連結し収納孔81に開口する小径部93Bと
により構成されている。ドレーン孔93の小径部93B
の開口部にはボール94が油圧で着座し、油圧が作用し
ないときは、ボール94はドレーン孔93の小径部93
Bの開口部を離れて、ドレーン孔93を開いている。
ボール94が油圧でドレーン孔93を閉止している。車
速が一定値以上に達しないときであって、遠心力も一定
値以上となるまでは、ウェイト部材82にかかる遠心力
が第2のスプリング92のスプリング力より小さいと
き、ウェイト部材82は矢印dで示す遠心方向に移動し
ない。このため、ボール94はドレーン孔93を閉止し
たままである。
えると、ウェイト部材82にかかる遠心力は第2のスプ
リング92のスプリング力より大きくなるため、ウェイ
ト部材82は第2のスプリング92のスプリング力に抗
して矢印dで示す遠心方向に移動する。このときウェイ
ト部材82のカム面83の作用によりウェイト部材82
は第1のスプリング91のスプリング力に抗して矢印e
で示す周方向に移動する。このため、ウェイト部材82
の平面部87はボール94を動かし、ドレーン孔93を
開く。ドレーン孔93が開くと、収納孔81内の高圧の
オイルは、ドレーン孔93を通って低圧室54にドレー
ンされる。
転の急減速時には、ウェイト部材82は矢印eで示す周
方向に第1のスプリング91のスプリング力に抗して移
動する。このため、ウェイト部材82の平面部87はボ
ール94を動かし、ドレーン孔93を開く。なお、車両
の急発進時には遠心力でウェイト部材82は矢印fで示
す反対の周方向に移動しようとするが、ウェイト部材8
2のカム面83が収納孔81のテーパ面に当接するの
で、移動できない。このため、ボール94はドレーン孔
93を閉止したままである。
に、車速Vが遠心オフ車速V0になるまでは、ウェイト
部材82にかかる遠心力は、第2のスプリング92のス
プリング力より小さいため、ウェイト部材82は矢印d
で示す遠心方向は移動しない。ボール94はドレーン孔
93を閉止したままであり、トルクカットは行われな
い。このトルクカットが行われない場合のトルク特性
は、図6に示される。
ェイト部材82にかかる遠心力は第2のスプリング92
のスプリング力より大きくなり、ウェイト部材82は矢
印dで示す遠心方向に移動し、このときカム面83の作
用により、ウェイト部材82は第1のスプリング91の
スプリング力に抗して矢印eで示す方向に移動する。こ
のため、ボール94はウェイト部材82の平面部87に
より押圧されて移動し、ドレーン孔93を開く。ドレー
ン孔93が開くと、収納孔81の高圧のオイルはドレー
ン孔93を通って、低圧室54にドレーンされる。こう
してトルクカットが行われる。このトルクカットのトル
ク特性は図5に示される。
いときは、ボール94が油圧でドレーン孔93をふさぐ
ため、オイルリークによるトルクの低下を防止すること
ができる。また、吐出ポート14を拡張して収納孔81
を形成し、収納孔81内にウェイト部材82、第1,第
2のスプリング91,92およびボール94をまとめて
収納したため、各部品間の間隙を大きくとることがで
き、部品の作動不良を回避することができる。
速力によりウェイト部材82は第1のスプリング91の
スプリング力に抗して矢印eで示す周方向に移動する。
このため、ボール94はウェイト部材82の平面部87
により移動し、ドレーン孔93を開く。収納孔81内の
高圧のオイルはドレーン孔93を通って低圧室54にド
レーンされ、トルクカットが行われる。こうして、AB
Sとのマッチングをとることができる。
部材82は矢印fで示す反対の周方向に移動しようとす
るが、ウェイト部材82のカム面83は収納孔81のテ
ーパ面に当接し、作動できない。このため、ボール94
はドレーン孔93を閉止したままであり、トルクカット
は行われない。
ば、オイルリークによるトルクの低下を防止することが
でき、また、コンタミ詰りによる作動不良を回避するこ
とができる。また、遠心力が一定値以上になったとき、
ボールをモーメント力のつり合いで動かすため、ボール
に作用する力が小さくてすむ。
ドレーン孔を開いてトルクカットを行い、急発進時には
ボールはドレーン孔を閉止したままでトルクカットを行
わないようにすることができる。
ラフ
ラフ
Claims (5)
- 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
カム面を形成したカムハウジングと; 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を軸
方向に形成したロータと; 前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと; 前記ロータに形成され、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と; 前記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記
カムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前
記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁
の作用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形
成したロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え; 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
動力伝達継手において、 前記吐出ポートを拡張して形成された収納孔と、 該収納孔と低圧室側とを連通するドレーン孔と、 前記収納孔内に収納され前記ドレーン孔を閉止するボー
ルと、 前記収納孔内に移動自在に収納され車速が一定値になっ
たとき遠心力で移動して前記ボールを押圧して移動させ
て前記ドレーン孔を開くウェイト部材と、からなり、 該ウェイト部材に、モーメント力で前記ボールを押圧し
て移動させるテーパ面を形成した ことを特徴とする油圧
式動力伝達継手。 - 【請求項2】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
カム面を形成したカムハウジングと; 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を軸
方向に形成したロータと; 前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと; 前記ロータに形成され、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と; 前記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記
カムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前
記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁
の作用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形
成したロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え; 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
動力伝達継手において、 前記吐出ポートを拡張して形成された収納孔と、 該収納孔と低圧室側とを連通するドレーン孔と、 前記収納孔内に収納され前記ドレーン孔を閉止するボー
ルと、 前記収納孔内に移動自在に収納され車速が一定値になっ
たとき遠心力で移動して前記ボールを押圧して移動させ
て前記ドレーン孔を開くウェイト部材と、 からなり、 該ウェイト部材に、前記ボールを収納するボール収納溝
を形成したこと を特徴とする油圧式動力伝達継手。 - 【請求項3】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
カム面を形成したカムハウジングと; 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を軸
方向に形成したロータと; 前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと; 前記ロータに形成され、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と; 前記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記
カムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前
記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁
の作用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形
成したロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え; 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
動力伝達継手において、 前記吐出ポートを拡張して形成された収納孔と、 該収納孔と低圧室側とを連通するドレーン孔と、 前記収納孔内に収納され前記ドレーン孔を閉止するボー
ルと、 前記収納孔内に移動自在に収納され車速が一定値になっ
たとき遠心力で移動して前記ボールを押圧して移動させ
て前記ドレーン孔を開くウェイト部材と、 からなり、 該ウェイト部材の一端にカム面を形成するとともに、他
端に前記ボールを押圧する平面部 を形成したことを特徴
とする油圧式動力伝達継手。 - 【請求項4】請求項1または2記載の何れかの油圧式動
力伝達継手において、 前記おもり部材にスプリング収納孔を形成し、前記おも
り部材を前記ロータリバルブの中心に向って付勢するス
プリングをスプリング収納孔に収納したことを特徴とす
る油圧式動力伝達継手。 - 【請求項5】請求項3記載の油圧式動力伝達継手におい
て、 前記おもり部材に第1のスプリング収納孔と第2のスプ
リング収納孔を形成し、第2のスプリング収納孔には前
記おもり部材を前記ロータリバルブの中心に向って付勢
する第1のスプリングを収納し、第2のスプリング収納
孔には前記おもり部材を所定の周方向に付勢する第2の
スプリングを収納したことを特徴とする油圧式動力伝達
継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26389196A JP3486509B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 油圧式動力伝達継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26389196A JP3486509B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 油圧式動力伝達継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10110747A JPH10110747A (ja) | 1998-04-28 |
JP3486509B2 true JP3486509B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=17395699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26389196A Expired - Fee Related JP3486509B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | 油圧式動力伝達継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3486509B2 (ja) |
-
1996
- 1996-10-04 JP JP26389196A patent/JP3486509B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10110747A (ja) | 1998-04-28 |
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